JP2001052765A - 二次電池の放熱部構造 - Google Patents

二次電池の放熱部構造

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JP2001052765A
JP2001052765A JP22227199A JP22227199A JP2001052765A JP 2001052765 A JP2001052765 A JP 2001052765A JP 22227199 A JP22227199 A JP 22227199A JP 22227199 A JP22227199 A JP 22227199A JP 2001052765 A JP2001052765 A JP 2001052765A
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secondary battery
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temperature
heat radiation
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Akihiko Noya
明彦 野家
Hiromi Tokoi
博見 床井
Takeshi Hiranuma
平沼  健
Naohisa Watabiki
直久 綿引
Tadahiko Mitsuyoshi
忠彦 三吉
Koji Kusakabe
康次 日下部
Yasushi Nagumo
名雲  靖
Kenji Watanabe
健次 渡辺
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Hitachi Ltd
Tokyo Electric Power Company Holdings Inc
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Tokyo Electric Power Co Inc
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】多段積構造のモジュール二次電池の放熱部間に
構造物または排気装置を設け、あるいは放熱部を熱交換
器とすることにより、電池温度を一定範囲に制御する。 【解決手段】単電池1を収納したモジュール容器3を多
段に構成し、各段容器に放熱フィン5を設け、下段の放
熱フィンからの熱流が上段の放熱フィンに及ぼすのを遮
蔽する整流板7を設け、放熱フィンの放熱を遮蔽した分
だけ放熱能力が増加し、単電池1の容量を増加し、出力
及びエネルギー効率の高い二次電池を得ることが可能と
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発電された電力を
貯蔵し、需要の増加に合わせて供給する高温作動の二次
電池に係わり、特に出力を向上させるために単電池を平
面状に複数個収納した容器を多段に積み重ねた構造の二
次電池の放熱部構造に関わる。
【0002】
【従来の技術】電力消費は時間帯および季節により大き
く変動し、夏季の昼間を始めとした電力需要のピーク時
には単位時間当たりの電力消費量は急激に増加する。こ
のような電力需要の増加に対応するため、電力消費が少
ない時間帯に電力を蓄え、需要が増加した時に供給する
高温動作の二次電池の採用が検討されている。二次電池
の実用化にあたっては、出力及びエネルギー密度(装置
敷設面積に対する出力の割合)の向上が必要であること
から、単電池を平面状に複数個収納した(モジュール)
容器を多段積みした電池構造が考案されている。
【0003】しかし、このように複数個の電池を近接さ
せた状態で使用すると、電池の放電時に発生した熱によ
り電池温度が上昇し、モジュール容器に収納された単電
池の温度に大きな分布が生じる。高温動作の二次電池は
温度を一定範囲内に制御することにより、はじめて所定
の出力が得られるため、前記のように大きな温度分布が
ある場合には、単電池の出力を均一にできず、電池全体
の出力が低下する。また、電池温度が過度に上昇する
と、電池容器内部の圧力が増加し破損する危険性があ
る。
【0004】上記の点を解決するため、従来は特開平9
−120835号公報、特開平9−298070号公報
において、モジュール容器に可変容量型ヒートパイプ
(VCHP)を設置し、運転時に電池から過剰に発生し
た熱をVCHPの熱媒体により外部に輸送し、放熱部に
取り付けた放熱フィンにより、周囲の大気に放熱するこ
とによって、電池温度を一定範囲に制御する方法が考案
されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術には、以
下の課題がある。即ち、モジュール容器内の電池温度を
制御するために放熱機器としてVCHPを用いる従来の
技術は、放熱に電力を必要とせず、また、設置後の調整
も不要であるなどの利点がある。しかし、放熱が自然対
流によって行われるため、放熱フィン表面から周囲の雰
囲気への熱伝達は雰囲気温度に左右され、温度が高くな
るような使用条件では熱伝達が悪くなり、VCHPの温
度が上昇する。結果的に電池単体の温度が上がることに
なる。
【0006】二次電池の実用化において、特にエネルギ
ー密度を向上させるには、従来技術により電池の出力を
向上させると共に、VCHPの放熱部を含めた電池全体
の敷設面積を最小にする必要がある。このため、モジュ
ール容器を多段積みし、各モジュール容器に設置したV
CHPの放熱部を同一鉛直線上に配置する方法が考えら
れる。
【0007】しかし、このような構造にすると、下段の
放熱部のフィンで加熱された大気が上昇し、上段の放熱
部フィンに到達し雰囲気温度が上昇する。この結果、前
記のように所定量の放熱が行われなくなり、電池温度を
所定の温度に制御できなくなる。
【0008】以上述べたように、従来技術ではVCHP
の放熱部を同一鉛直線上に配置した場合、電池温度に大
きな分布が生じ、電池の出力及びエネルギー密度が共に
低下するという課題があった。
【0009】本発明の目的は、電池の出力を向上した二
次電池の放熱部構造を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに請求項1の二次電池の放熱構造の発明は、単電池を
複数個収納した容器を多段に積み重ねた二次電池におい
て、各段の容器に単電池から発生する熱を逃がす放熱部
を設け、各放熱部は隣接する放熱部からの発生熱を遮断
する遮熱手段を設けることを特徴とする。
【0011】VCHPの放熱部からの放熱により暖めら
れた空気は、密度が小さくなり上昇流を形成する。ここ
で、各放熱部の上下間に整流板を設置した場合には、上
昇流が整流板の表面に沿う流れとなるため、下段の放熱
部からの上昇流が上段の放熱部に到達することを防止で
きる。これにより、上段の放熱部にも外気のみが導入さ
れるため、各段の放熱部の雰囲気温度を均一とすること
ができる。
【0012】次に放熱部間に排気装置を設けた場合に
は、下段の放熱部で加熱された上昇流は、排気装置によ
って形成した空気流に沿って流れ方向が変化するため、
上段に熱流が到達しなくなる。また、排気に伴って外気
が導入されるため各段の放熱部の雰囲気温度は均一とな
る。
【0013】最後に放熱部を熱交換器とした場合には、
VCHPで電池側から運ばれてきた熱は、放熱部で熱交
換されることにより除熱され、放熱部の温度は低下す
る。これにより、下段の放熱部で発生した熱が上段に到
達することがなくなり、各段の放熱部の雰囲気温度を均
一にすることができる。また、電気的な冷却機器を使用
する場合に比べて信頼性が高く、設置後のメンテナンス
やランニングコストの点でも有利である。
【0014】このように、放熱部に熱交換器を用いるこ
とにより、信頼性が高く、簡便な放熱部構造とすること
も可能である。以上述べたように、放熱部の上下間に構
造物または排気装置を設置し、或いは放熱部を熱交換器
としたことにより、多段積みした構造のモジュール二次
電池の放熱部の雰囲気温度を均一とすることができ、出
力及びエネルギー効率の高い二次電池を得ることが可能
となる。
【0015】上記の目的を達成するために請求項2の発
明は、上下段の放熱部間に整流板を設置したことを特徴
としている。放熱部間に設ける構造物を軽量な板状とす
ることで、取り付け場所に関する制約が少なくなり、例
えばVCHP放熱部との一体化が可能となる。このよう
に、放熱部の上下間に設ける構造物を整流板とすること
により、放熱部の構造を決定する際の設計の自由度を向
上させることができる。
【0016】整流板を傾斜させることで、下段で発生し
た熱流が傾斜方向に流れると共に、放熱部へ効率良く外
気が導入される。板の材質を金属またはプラスチックと
することにより、設置時の機械的強度を確保できる。ま
た、整流板の上端と下端を各々上段及び下段の放熱部上
端と同じ高さとすることにより、上段の放熱部への熱流
の漏洩を防止できる。このように、放熱部間に設置する
整流板には傾斜した金属またはプラスチック板を用い、
その上端と下端を各々上段及び下段の放熱部上端と同じ
高さとすることで、熱流の整流を効率良く、かつ確実に
行える。
【0017】上記の目的を達成するために請求項3の発
明は、放熱部間に設置する排気装置として排風機を用い
たことを特徴としている。排気装置に排風機を用いるこ
とにより、ダクト類を必要とせず小型の装置とすること
ができる。これにより、放熱部構造の設計の自由度の向
上が図れる。また、電池の敷設面積の最小化にも有効で
ある。
【0018】上記の目的を達成するために請求項4の発
明は、放熱部にシェル・アンド・チューブ熱交換器を用
いたことを特徴としている。VCHPで運ばれてきた熱
は、シェル・アンド・チューブ熱交換器でチューブ内を
流れる液体に伝達される。受熱側の流体を気体に比べて
熱容量が大きい液体とすることにより、効率の良い熱交
換が可能となる。また、VCHPで輸送される熱量の変
化に対しても広範囲に対応できる。
【0019】上記の目的を達成するために請求項5の発
明は、単電池を複数個平面状に収納した容器を多段に積
み重ねた構造を有する高温作動の二次電池において、放
熱部間に設置する排風機を同軸上に2台設置し、かつ排
気方向を同一とすることを特徴としている。排風機の排
気方向を同一とし、かつ同軸上に2台設置することで、
空気流の乱れが少なくなり、下段の放熱部から上昇して
きた熱流を確実に排気することができる。
【0020】上記の目的を達成するために請求項6の発
明は、単電池を複数個平面状に収納した容器を多段に積
み重ねた構造を有する高温作動の二次電池において、放
熱部に用いるシェル・アンド・チューブ熱交換器の管内
側流体として室温の水を用いたことを特徴としている。
熱媒体として常温の水を用いることにより、放熱部で発
生した熱流の冷却を安全かつ低ランニングコストで行え
る。
【0021】上記の目的を達成するために請求項7の発
明は、遮熱手段として、上下段の放熱部間に整流板また
は排気装置を設け、或いは放熱部を熱交換器としたこと
を特徴とする。
【0022】以上述べた請求項1から請求項7の発明に
より、多段積み構造のモジュール二次電池の放熱部から
発生した熱を、放熱部の上段と下段の間に構造物または
排気装置を設置し、あるいは放熱部を熱交換器とするこ
とにより、放熱部間の熱伝達を確実に防止できる。これ
により、電池の温度を一定範囲に制御することが可能と
なり、出力及びエネルギー密度の大きい二次電池が得ら
れる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の一実施例を図1及び図2
を用いて説明する。図1はナトリウム硫黄電池を用いた
3段積モジュール二次電池を示している。単電池1を複
数個平面状に収納したステンレス製のモジュール容器3
は伝熱ベース2上に、伝熱ベース2は架台の金属ベース
10上に各々設置される。単電池1の運転時に発生した
熱は伝熱ベース2に伝えられる。その後、伝熱ベース2
に挿入された可変容量型ヒートパイプ(VCHP)4に
よって放熱部に運ばれる。
【0024】VCHP4の放熱部先端には放熱フィン5
が取り付けられており、VCHP4で運ばれてきた熱を
効率良く雰囲気に伝達し、VCHP4の温度を一定範囲
に調整している。3段積モジュール二次電池の敷設面積
を最小とするために放熱フィン5は同一鉛直線上に配置
した。各段の放熱フィン5の間には下段で発生した熱を
上段に伝えないようにするために、通気用ガラリ8から
モジュール容器3側に向かって45°上向きに傾斜させ
たステンレス製の整流板7を設けた。整流板7の上端と
下端の高さは、各々上段と下段の放熱フィン5の上端に
合わせた。整流板7の一端7Aを通気用ガラリ8に支持
し、他端7Bを放熱フィン5とモジュール容器3との間
に延ばし、一端7Aと他端7Bとの間の放熱フィン5に
対応する傾斜面7Cを一端7Aから他端7Bに向かうに
従い順次高さが高くなるように形成している。
【0025】電池運転時における整流板7の設置による
温度上昇抑制効果を熱流体解析により確認した。電池の
運転に伴って放熱フィン5から雰囲気中に熱が放出さ
れ、上昇流が発生した。その速度は0.2m/s程度で
あった。上昇流の大部分は整流板7の傾斜方向に沿って
上昇した。整流板7によりモジュール容器3側に流され
た熱流は、流路が狭められ流速は徐々に増加し、最大約
2.3m/sとなった。整流板7に沿って上昇していく
熱流は、整流板7の上端を越えても、放熱フィン5側に
流れ込むような現象は起きなかった。
【0026】また、熱流の一部は整流板7に沿って下降
していくが、下端に設けられた鉛直板により、その流れ
方向が鉛直下向きとなり、その後外部からの吸入空気と
合流し、放熱フィン側に吸入される。このため、上段に
熱流が漏れることはない。このように上段の放熱部への
熱の流入が無いことを確認した。
【0027】次に、放熱部の雰囲気温度を求めた。結果
を図2に示す。縦軸の空気温度は放熱フィン5の下端の
空気入口位置での空気温度である。横軸の距離は通気ガ
ラリ8の位置を原点とし、そこからモジュール容器3方
向への水平距離を示している。放熱フィン5と整流板7
の位置を図中に示した。空気温度は放熱フィン5の位置
である距離10〜34cmの間で、各段とも20〜30
℃と同一温度範囲に収まった。
【0028】整流板7とモジュール容器3に挟まれた空
間(距離36cm〜50cm)での空気温度は、整流板
7に沿って流れてきた熱流により、2段目と3段目の放
熱部共大幅に上昇した。最高温度は各々89℃、96℃
であった。電池温度を所定範囲に調整するには、放熱フ
ィン5の空気温度を40℃以下に調整する必要がある。
本解析結果から整流板7を設置したことにより、放熱フ
ィン5の空気温度を所定値以下に調整可能であることを
確認できた。
【0029】本発明の実施例との比較のため、従来技術
による放熱フィンの雰囲気温度を同様の熱流体解析によ
り求めた。放熱部の構造は前記の図1から整流板7のみ
を除き、他の構成部品の形状と位置は同一である。解析
結果を図3に示す。空気温度は放熱部間に整流板が設置
されていないため、下段からの熱流が直接上段の放熱部
に到達し、2段目、3段目のVCHP放熱部位置におけ
る約半分の領域の空気温度が上昇した。最高温度は2段
目が92℃、3段目が99℃となった。
【0030】このように放熱部に整流板を設置しない従
来の技術による放熱方法では、下段の放熱部からの熱流
が上段に到達してしまい、放熱部の雰囲気温度が制御目
標温度の40℃を大きく上回る。この結果、VCHPの
温度が上昇してしまい、電池温度を所定の温度範囲内で
制御することが困難となる。これに対して、本発明で
は、下段の放熱部からの熱流が上段の放熱部に及ぼすの
を遮蔽したので、放熱部の放熱は遮蔽した分だけ放熱能
力が増加し、単電池1の容量を増加することが出来るよ
うになった。
【0031】本発明の実施例の応用として、整流板7の
傾斜方向を変化させた場合について、図4を用いて説明
する。図4の整流板7はモジュール容器3から通気用ガ
ラリ8に向かって高さ方向を順次高くした傾斜面を形成
している。傾斜面は放熱フィン5と対応している。云い
換えれば、整流板7はモジュール容器3と平行にし、放
熱フィン5の下段から上段に向かって上向きに傾斜させ
て設置した場合を示している。整流板7以外の構成部品
の形状と配置は図1の場合と同一である。図4の放熱部
構造においても図1の場合と同様に、下段の放熱フィン
5から発生した熱流は、整流板5に沿って流れ方向が変
わり、上段の放熱部の外側に流される。これにより、各
段の放熱フィン5に下段の熱流が到達することはなく、
雰囲気温度を均一にできる。
【0032】また、整流板7の傾斜方向に関しては、こ
のほかに、図1と反対になるモジュール容器3から通気
ガラリ8側に向かって上向きに傾斜させる場合と、図4
と反対方向に図の左から右側に向かって傾斜させる場合
が考えられるが、いずれの場合も、整流板の整流効果に
より放熱部の雰囲気温度を均一にできる効果が得られ
る。更に、整流板7に傾斜面を設ければ、傾斜面を設け
分だけ、モジュール容器3と通気ガラリ8との間の寸法
を増加することなく、冷却面積を傾斜面分だけ増加する
ので、放熱フィン5の冷却能力を増加することができ
る。
【0033】別の実施例を図5を用いて説明する。図5
は図1の整流板7の代わりに、放熱フィン5の上段と下
段の間に空気流を形成するために、モジュール容器3を
両側から挟む形で排風機20を同軸上に2台設置した放
熱部構造となっている。排風機20以外の構成は図1と
同一である。
【0034】排風機は直径320mmで最大流量は10
0L/minであった。この排風機20を2台用いて平
均流速1.24m/sの空気流を形成し、下段の放熱部
から0.2m/s程度で上昇してきた熱流を排気した。
排風機20により、排気と同時に空気が外から連続的に
供給され、各段の放熱フィン5の雰囲気温度を均一にす
ることが可能となった。
【0035】尚、モジュール容器3が大型化した場合に
は、排風機20相互の距離が離れてしまうため、空気流
が弱くなってしまう可能性がある。このような場合に
は、放熱フィン間にさらに一対の排風機を追加設置する
必要がある。
【0036】別の実施例を図6により説明する。図6は
VCHP4の放熱部に放熱フィン5の代わりにシェル・
アンド・チューブ熱交換器15を用いており、整流板や
排風機が不要な放熱部構造となっている。放熱部以外の
構造は図1と同一である。熱交換器15には、VCHP
4で運ばれてきた熱を除熱するために、直径10mmの
管内に水温20℃の水を流量10L/minで流してい
る。熱交換器内の管の全長は5m、管表面積は0.15
2であり、熱通過率は2000W/m2・Kである。
【0037】本熱交換器を電池運転時に発生する1kW
の条件で使用すると交換熱量は93kWとなり、VCH
P4で運ばれてきた熱は全量除熱される。従って、放熱
部の空気温度は室温のままであり、上昇流が発生するこ
とはない。従って、各段の放熱部の空気温度を均一にす
ることができる。本熱交換器では最大93kWまで熱交
換が可能であるので、複数のVCHPから輸送されてき
た熱を1台の熱交換器で除熱することが可能である。
【0038】以上述べた実施例から、本発明により多段
積型モジュール二次電池の放熱部の空気温度を所定値以
下に調整できることが明らかとなった。
【0039】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、放熱部の上段
と下段の間に整流板を設置すると流れ方向が変化し、下
段のVCHP放熱部から発生した熱流が上段に到達しな
くなる。これにより、各段の放熱部の雰囲気温度を均一
とすることができる。次に放熱部間に排気装置を設けた
場合には、下段の放熱部から発生した熱流が、空気流に
沿って流れ方向が変化し、また、排気に伴って外気が導
入されるため各段の放熱部の雰囲気温度は均一にでき
る。最後に放熱部を熱交換器とした場合には、放熱部で
除熱が行われ温度が低下する。
【0040】これにより、下段の放熱部で発生した熱が
上段に到達することがなくなり、各段の放熱部の雰囲気
温度を均一にすることができる。また、電気的な冷却機
器を使用する場合に比べて信頼性が高く、設置後のメン
テナンスやランニングコストの点でも有利である。この
ように、放熱部に熱交換器を用いることにより、信頼性
が高く、簡便な放熱部構造とすることも可能である。
【0041】以上述べたように、本発明では、下段の放
熱部からの熱流が上段の放熱部に及ぼすのを遮蔽したの
で、放熱部の放熱は遮蔽した分だけ放熱能力が増加し、
単電池1の容量を増加し、出力及びエネルギー効率の高
い二次電池を得ることが可能となる。
【0042】請求項2の発明によれば、放熱部間に設置
する構造物として整流板に傾斜面を設ければ、傾斜面を
設け分だけ、モジュール容器と通気ガラリとの間の寸法
を増加することなく、冷却面積を傾斜面分だけ増加する
ので、放熱フィンの冷却能力を増加することができ、取
り付け場所に関する制約が少なくなる。従って、放熱部
の構造を決定する際の設計の自由度を向上させることが
できる。
【0043】請求項3の発明によれば、放熱部間に設置
する排気装置として排風機を用いたことにより、ダクト
類が不要となり装置が小型化できる。これにより、放熱
部の設計の自由度が向上する。
【0044】請求項4の発明によれば、放熱部にシェル
・アンド・チューブ熱交換器を用いたことにより、効率
の良い熱交換が可能となる。また、VCHPで輸送され
る熱量の変化に対しても広範囲に対応できる。
【0045】請求項5の発明によれば、放熱部間に設置
する排風機の排気方向を同一とし、かつ同軸上に2台設
置することにより、空気流の乱れが少なくなり、下段の
放熱部から上昇してきた熱流を確実に排気することがで
きる。また、外気の導入もスムーズである。
【0046】請求項6の発明によれば、放熱部間に設置
する熱交換器の熱媒体として常温の水を用いることによ
り、熱媒体として常温の水を用いることにより、放熱部
で発生した熱流の冷却を安全かつ低ランニングコストで
行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による3段積モジュール二
次電池の側面図である。
【図2】図1による各段での放熱部雰囲気の温度分布曲
線である。
【図3】従来技術による3段積モジュール電池の放熱部
雰囲気の温度分布曲線である。
【図4】本発明の他の実施例による整流板の傾斜方向を
変化させた3段積モジュール二次電池の側面図である。
【図5】本発明の別の実施例による3段積モジュール二
次電池の正面図である。
【図6】本発明の別の実施例による3段積モジュール二
次電池の正面図である。
【符号の説明】
1…単電池、2…伝熱ベース、3…モジュール容器、4
…可変容量型ヒートパイプ(VCHP)、5…放熱フィ
ン、7…整流板、8…通気ガラリ、10…金属ベース、
15…熱交換器、20…排風機。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 床井 博見 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 平沼 健 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 綿引 直久 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 三吉 忠彦 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 日下部 康次 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 名雲 靖 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 渡辺 健次 神奈川県横浜市鶴見区江ヶ崎町4番地1号 東京電力株式会社エネルギ−環境研究所 内 Fターム(参考) 5H029 AJ02 BJ02 BJ06 DJ02 5H031 AA05 KK01 KK02 KK08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単電池を複数個収納した容器を多段に積
    み重ねた二次電池において、各段の容器に単電池から発
    生する熱を逃がす放熱部を設け、各放熱部は隣接する放
    熱部からの発生熱を遮断する遮熱手段を設けることを特
    徴とする二次電池の放熱部構造。
  2. 【請求項2】 単電池を複数個収納した容器を多段に積
    み重ねた二次電池において、多段積み容器に沿って支持
    部を対応配置し、各段の容器に単電池から発生する熱を
    逃がす放熱部を支持部に対応して設け、支持部に放熱部
    と対応する部分を傾斜面にした整流板を設けることを特
    徴とする二次電池の放熱部構造。
  3. 【請求項3】 放熱部間に設置する排気装置として排風
    機を用いたことを特徴とする請求項1又は2記載の二次
    電池の放熱部構造。
  4. 【請求項4】 放熱部にシェル・アンド・チューブ熱交
    換器を用いたことを特徴とする請求項1又は2記載の二
    次電池の放熱部構造。
  5. 【請求項5】 放熱部間に設置する排風機は同軸上に2
    台設置し、かつ排気方向を同一としたことを特徴とする
    請求項1乃至3のいずれか1項記載の二次電池の放熱部
    構造。
  6. 【請求項6】 放熱部に用いるシェル・アンド・チュー
    ブ熱交換器の管内側流体として水を用いたことを特徴と
    する請求項1,2,4のいずれか1項記載の二次電池の
    放熱部構造。
  7. 【請求項7】 遮熱手段として、上下段の放熱部間に整
    流板または排気装置を設け、或いは放熱部を熱交換器と
    したことを特徴とする請求項1又は2記載の二次電池の
    放熱部構造。
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