JP2001052718A - 触媒の製造方法と該触媒を用いた燃料電池 - Google Patents

触媒の製造方法と該触媒を用いた燃料電池

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JP2001052718A
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acid
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Yoshinori Nishihara
西原  啓徳
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気化学に使用する従来の触媒と比較して著
しく触媒活性および触媒耐久性に優れた触媒の製造方法
およびその製造方法により得られた触媒を用いた長時間
にわたって運転させても劣化が少ない燃料電池を提供す
る。 【解決手段】 カーボンブラックに担持した白金合金触
媒を酸処理した後に、一酸化炭素と接触させ、これを再
度不活性雰囲気下で熱処理した触媒を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池など電気
化学反応を応用する機器に適用することが可能な触媒の
製造方法、およびその製造方法により得られた触媒を用
いた燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】リン酸型燃料電池は、電解質に濃厚リン
酸溶液を使用する燃料電池の総称である。燃料ガスとし
て水素を用い、および酸化剤として酸素を用いてリン酸
型燃料電池を運転させると、アノード(燃料極)および
カソード(酸化剤極)では、以下の反応が起こる。
【0003】 アノード反応:H2→2H++2e- (1) カソード反応:1/2O2+2H++2e-→H2O (2) 全 反 応 :H2+1/2O2→H2O (3) (1)式に示すように、アノード側では電極内に配置さ
れた触媒の作用により水素がプロトン(H+)と電子と
に解離する。ここで生成したプロトンは、アノードとカ
ソードとの間に配置される電解質中をカソードに向かっ
て移動する。また、電子は外部回路を通ってカソードに
移動し、エネルギーを供給する。
【0004】一方、(2)式に示すように、カソード側
では電極中に配置された触媒の作用により、外部から供
給された酸素とアノードから移動してきたプロトンおよ
び電子が反応し、水を生成する。全体としては(3)式
に示すように、水素と酸素から水を生成する反応が起こ
る。
【0005】燃料電池から出力を得るためには、上記
(1)および(2)式の反応がスムーズに起こる必要が
ある。しかし、双方の電極における反応速度について比
較すると、カソード反応はアノード反応と比べて桁違い
に遅いことが知られている。したがって、リン酸型燃料
電池では反応速度の遅いカソード反応が電池全体の反応
速度を規制することになる。そのため、リン酸型燃料電
池に適用する触媒開発はカソード触媒の開発に重点が置
かれていた。
【0006】リン酸型燃料電池に用いる従来のカソード
触媒について以下に説明する。リン酸型燃料電池のカソ
ード反応には白金が優れた活性を示すことが知られてお
り、燃料電池開発のごく初期の時代には白金黒が触媒と
して用いられていた。しかし、白金黒では超微粒子とい
われる高い表面積を有する粒子を生成させることが困難
であった。仮にそのような超微粒子を初期的に生成でき
たとしても、リン酸型燃料電池の運転条件下(例えば、
運転温度約200℃、基準電極(Reference Hydrogen E
lectrode;RHE)に対して電位600〜800mV)
にさらすと、すぐに白金黒微粒子が凝縮する。その結
果、触媒に関する重量当たりの表面積(比表面積)が初
期のものと比較して小さくなり、さらに燃料電池の性能
が低下するという問題があった。
【0007】そこで、白金比表面積を白金黒より高く
(白金の粒子径を小さく)し、しかも上述のような運転
条件下で長期にわたり白金の表面積を維持させる試みが
なされてきた。具体的には、例えばカーボンブラックな
どの電子導電性を有する高表面積の材料を担体とし、こ
の担体に白金を担持させた白金担持触媒が開発されてき
た。このような白金担持触媒の比表面積は、上述した白
金黒触媒の比表面積と比較してはるかに大きい。しか
し、白金の表面積が大きい触媒を調製するという点では
一定の効果が得られたが、その触媒の活性または長期に
わたる触媒安定性の点では当業者が満足するような改善
はなされていない。
【0008】これらの問題点を克服する手段として、白
金単独の担持触媒に代わって白金と種々の卑金属とから
構成される合金担持触媒の開発が進められるようになっ
た。この合金担持触媒に用いられる卑金属の種類は、
鉄、コバルト、ニッケルなどの周期表8A族の遷移金属
と、アルミニウムまたはガリウムなどの周期表3B族の
元素とを中心にして広範囲にわたって検討がなされてき
た。最近では、白金−卑金属の2元系にとどまらず、従
来の白金担持触媒と比較して触媒の活性または耐久性の
点で優れている3元系、4元系の触媒が報告されている
(例えば、EP 0 386 764公報を参照されたい)。
【0009】このような状況下で、カーボンブラックを
担体として、この担体に白金と卑金属とを担持させた白
金合金担持触媒が開発された。この白金合金担持触媒に
対する触媒活性評価および耐久性試験では、評価したほ
とんどの白金合金担持触媒がその触媒活性において白金
担持触媒よりも優れ、実条件下でも白金担持触媒と比較
して耐久性に優れているという結果が得られている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のように
して得られた触媒(例えば白金合金担持触媒)をリン酸
型燃料電池に使用した場合、当業者が求める当面の目標
寿命である4万時間運転を達成することは困難である。
そのため、従来の触媒を使用して目標寿命を達成するた
めには、運転に伴う触媒活性の低下を考慮して、初期的
にある程度余分に触媒を投入する必要があった。その一
方で、燃料電池のコストを低下させるためには触媒の投
入量を極力少なくする必要があるため、余分に触媒を投
入することなく長時間の連続運転時に触媒の活性および
耐久性を維持する安定性の高い触媒が望まれている。そ
こで、このような要求を満たす触媒の開発が種々なされ
ているが、今だ当業者が満足するような触媒は得られて
いない。その理由を、白金−コバルト担持合金触媒を例
に詳しく説明する。
【0011】白金−コバルト合金担持触媒は、カーボン
ブラックを担体として白金を担持させ、さらにコバルト
を担持させた後に、不活性雰囲気下で合金化のための熱
処理を行うことで調製される。このようにして調製され
た触媒の組成は、化学分析によると設計値であるが、X
PS(X-ray photoelectron microscopy)測定による
と、その合金触媒の表面にコバルト酸化物の生成が認め
られる。そのような触媒表面のコバルト酸化物は、触媒
を酸と接触させた後、十分に洗浄することで溶解除去さ
れ触媒表面から完全に取り除かれる。その結果、酸処理
された触媒表面はXPS測定により確認できるように白
金のみになる。
【0012】それにもかかわらず、白金単独の担持触媒
と比較して合金担持触媒の活性が高くなることが知られ
ている。その原因の一つとして、白金を卑金属で合金化
させることにより、元々の白金の格子定数が小さくなる
(白金の格子定数は3.923Åであるが合金化により
白金の格子が縮む)ことが多くの研究者によって報告さ
れている。合金化させた白金の格子定数の減少は、X線
回折測定の回折角2θが高角度側にシフトすることで確
認されている。
【0013】したがって、白金単独の担持触媒と比較し
て活性が高い合金担持触媒をさらに検討することによ
り、より活性の高い触媒を提供することが可能になると
考えられる。すなわち、カソードで起こる酸素還元の素
反応段階において効率良く酸素を還元するためには、反
応に関与する触媒がある理想的な白金−白金原子間距離
を有することが要求され、白金を卑金属で合金化するこ
とで白金の格子が縮み、その結果、理想的な白金−白金
原子間距離を実現できるのではないかと考えられる。
【0014】このような観点から当業者が合金担持触媒
について検討した結果、合金化後の触媒と、これをリン
酸で処理した触媒(以下、リン酸処理触媒ともいう)と
の双方の表面状態を比較すると以下の点が明らかになっ
た。すなわち、前述のように合金化後に存在した表面酸
化物はリン酸処理により溶解除去され、リン酸処理触媒
の表面は白金のみになっていることが分かった。また、
双方の触媒を化学分析したところ、合金化後の触媒と比
較してリン酸処理触媒は、その触媒中のコバルトが明ら
かに減少していることが観察された。さらに、X線回折
により双方の触媒の結晶状態を評価した結果、両者の間
に顕著な違いは観察されなかった。より具体的には、リ
ン酸処理触媒では合金表面付近にもともと存在したコバ
ルトが溶出するが、白金の格子は合金化後のものと比較
してほとんど変化せず合金化で歪んだままであることが
分かった。
【0015】したがって、これらの検討から触媒の表面
がともに白金であるにもかかわらず、白金単独の担持触
媒よりも合金担持触媒の触媒活性が高くなる原因とし
て、白金の格子定数が減少することが関係していると考
えられる。ところが、この状態は準安定な状態であり、
従来のように白金と卑金属とを単に合金化させたのみの
触媒では、長期にわたりこの状態を安定に維持すること
が困難である。実際に、このような触媒を燃料電池に使
用して運転させると、運転に伴って歪んでいる白金の格
子がより安定である本来の白金の格子定数に戻ることが
観察され、このような現象が触媒の活性を低下させる原
因になっていると考えられる。
【0016】つまり、この準安定と考えられる表面脱合
金化状態を長期にわたって維持できる技術が開発できれ
ば、触媒活性および触媒耐久性に優れた触媒を提供する
ことが可能となり、リン酸型燃料電池の性能が低下する
一つの要因となる触媒劣化に伴うセルの性能低下を防ぐ
ことが可能になると考えられる。なお、本明細書中に使
用する「表面脱合金化状態」とは、合金粒子の表面に存
在するコバルトが溶けて、合金粒子の表面が白金のみに
なる状態を意味する。
【0017】したがって、本発明の課題は、上記従来の
問題点を解決し、電気化学に使用する従来の触媒と比較
して著しく触媒活性および触媒耐久性に優れた触媒の製
造方法およびその製造方法により得られた触媒を用いた
長時間にわたって運転させても劣化が少ない燃料電池を
提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】上述したような課題を解
決するために、本発明の触媒の製造方法は、電子導電性
を有するカーボンを担体とし、該担体に白金と1種以上
の卑金属とからなる合金を担持した合金担持触媒を製造
するためのものであって、カーボンに白金を担持した白
金担持触媒を製造する第1の工程と、第1の工程で得ら
れた白金担持触媒に1種以上の卑金属を添加し合金担持
触媒を製造する第2の工程と、第2の工程で得られた合
金担持触媒の卑金属の一部を溶出除去し、次いで一酸化
炭素と接触させ、さらに不活性雰囲気下で熱処理する第
3の工程とを有する。
【0019】ここで、卑金属は、8A族または3B族の
元素から選ばれることが好ましく、そのような卑金属の
一部を溶出除去するために酸を用いる。なお、溶出除去
するのに用いる酸は、リン酸、硝酸、塩酸、硫酸のいず
れかであることが好ましい。また、卑金属の溶出除去
は、常温(すなわち、特に加熱または冷却などしない、
通常25℃前後の室温)から230℃で行うことが好ま
しい。
【0020】上述したような製造方法により得られた触
媒を用いて電極を形成し、燃料電池に使用してもよい。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明にもとづく触媒の製造方法
は、熱処理により一度合金化された触媒表面に存在する
卑金属を、酸を用いて一部溶出除去して触媒表面に卑金
属の空格子点を形成し、さらにこの空格子点を安定化さ
せる工程を有することを特徴とする。空格子点を安定化
させるために、一般に白金との親和性が強いとされてい
る一酸化炭素を、かかる触媒表面に存在する白金に吸着
させ、さらに不活性雰囲気下で再度熱処理する。
【0022】すなわち、白金(Pt)表面に吸着した一
酸化炭素(CO)は、
【0023】
【化1】
【0024】で示される不均化反応により、白金表面に
カーボン(C)が析出する。この状態において不活性雰
囲気下で再度熱処理することにより、表面の卑金属の空
子点にカーボンが固定化され、白金−カーボン合金が形
成される。このカーボンは、卑金属に比べてリン酸に溶
出しにくいために、合金化した時の歪んだ格子が安定し
て維持できる。すなわち、触媒表面の空格子点が安定化
され、合金化により歪んだ格子が元に戻らないようにす
ることが可能となる。
【0025】このような触媒の製造方法およびその製造
方法により得られた触媒を使用した燃料電池の性能につ
いて、以下の実施例で説明する。しかしながら、以下の
実施例は例示にすぎず、本発明はそれらに限定されるも
のではない。
【0026】(実施例1)本発明にもとづく触媒の製造
方法の一例を以下に説明する。本実施例にしたがって触
媒を製造する方法は、3つの工程からなる。すなわち、
第1の触媒を製造する工程、該第1の触媒を用いて第2
の触媒を製造する工程、さらに該第2の触媒を用いて最
終生成物として本発明の触媒を製造する工程である。
【0027】まず最初に、第1の触媒を製造する工程に
ついて説明する。比表面積が約100m2/gのファー
ネス系カーボンブラック22.2gを秤量し、これを脱
イオン水1,000mLに十分に分散させる。この後、
最終的な白金担持量が20重量%となる塩化白金酸水溶
液を添加し、50℃で約1時間にわたって撹拌する。さ
らに水酸化ナトリウム水溶液を添加し、溶液のpHをア
ルカリ側にした後に、適当量のギ酸ナトリウム水溶液を
約1時間かけて徐々に添加する。この時、分散液の温度
は50℃に制御され、還元が均一に進むように十分撹拌
しておく。1時間の還元工程終了の後、ケーキを濾過分
離し、濾液から塩素イオンが検出されなくなるまで脱イ
オン水で十分に洗浄した後、凍結真空乾燥する。得られ
た白金担持触媒を第1の触媒とする。第1の触媒の白金
担持触媒は、白金担持量は21.3重量%で、X線回折
から求めた格子定数は3.923Åであった。なお、か
かる白金担持触媒は周知の他の方法にしたがって製造し
てもよい。
【0028】次に、第2の触媒を製造する工程について
説明する。上述のようにして得られた第1の触媒を再度
脱イオン水1,000mLに分散させた後に、コバルト
換算で1.8gの硝酸コバルトを添加し、20℃で約1
時間にわたって撹拌する。次いで、濃度約29%のアン
モニア水10gを秤量し、これを脱イオン水1,000
mLで希釈したものを約1時間かけて加える。この後、
ケーキを濾過分離し、濾液のpHが7になるまで洗浄を
繰り返す。得られた触媒を乾燥した後、合金化するため
に電気炉内にセットし、窒素雰囲気下900℃の温度で
2時間にわたり熱処理した。得られた合金担持触媒を第
2の触媒とする。第2の触媒の組成は、化学分析の結
果、白金が20重量%、コバルトが6.0重量%であ
り、X線回折から求めた格子定数は3.810Åであっ
た。なお、合金担持触媒は周知の他の方法にしたがって
製造してもよい。
【0029】最後に、発明の触媒を製造する段階につい
て説明する。上述のようにして得られた第2の触媒を5
g秤量し、これを105重量%リン酸200gに分散さ
せる。この後、窒素をバブリングし、スターラーで撹拌
しながら、サンプルの温度を200℃まで上昇させ、こ
の状態で2時間保持する。この後、サンプルの温度を室
温まで下げ、脱イオン水で濾液のpHが7になるまで洗
浄する。洗浄が完了したサンプルを乾燥した後、組成分
析を行ったところ、白金が22.5重量%、コバルトが
3.02重量%であり、触媒中のコバルトが選択的に溶
出していることが分かった。また、X線回折測定の結果
格子定数は3.814Åであった。
【0030】次に、この触媒を電気炉内にセットし、窒
素ガスで電気炉内をパージの後、電気炉内に一酸化炭素
を導入し、50℃で10分保持させた。次いで、電気炉
内のガスを窒素置換し、窒素をパージしながら電気炉の
温度を350℃まで昇温し、この条件で1時間保持し
た。熱処理終了後の触媒の格子定数を測定したところ、
格子定数は3.845Åであった。
【0031】(比較例1)比表面積が約100m2/g
のファーネス系カーボンブラック24.0gを使用した
こと以外は、上述した実施例1の第1の触媒を製造する
段階と同様にして白金担持触媒を製造した。得られた触
媒を化学分析したところ、白金担持量は20.2重量%
であり、X線回折から求めた格子定数は3.923Åで
あった。
【0032】(比較例2)上述した実施例1の第2の触
媒を製造する段階で得られた触媒を本比較例2とする。
上述のとおり、かかる触媒の組成は、白金20.0重量
%、コバルト6.0重量%であり、X線回折により求め
た格子定数は3.810Åである。
【0033】上記実施例1、比較例1および比較例2で
得られた各々の触媒の活性について以下のように検討し
た。触媒の活性は、各々の触媒を用いて有効電極面積3
0cm2の小型セルを組み立て、約1,000時間にわ
たって連続運転した際の端子電圧の変化によって評価し
た。その結果を図1に示す。
【0034】図中、「上向き黒塗り三角印」は本発明に
もとづく触媒(実施例1)、「黒塗り菱形印」は従来の
白金担持触媒(比較例1)、「黒塗り四角印」は従来の
合金担持触媒(比較例2)を示す。
【0035】図1から明らかなように、実施例1で製造
された本発明の触媒は、比較例1および比較例2の触媒
と比較して端子電圧の低下が小さいことが分かる。すな
わち、本発明の触媒は、活性および耐久性の点で従来の
触媒よりも優れていると言える。
【0036】なお、実施例では、卑金属としてコバルト
を例に説明をしたが、卑金属はコバルトに限定されるも
のではなく、コバルトの代わりに周期表8A族または3
B族の元素を使用しても同様の結果が得られる。例え
ば、周期表8A族の元素としては鉄またはニッケルが挙
げられ、3B族の元素としてはアルミニウムまたはガリ
ウムが挙げられる。
【0037】また、本発明にもとづく触媒は、上述した
実施例1でコバルトの脱合金化に高濃度のリン酸を使用
する代わりに、塩酸、硫酸、硝酸といった強酸を使用し
て製造することもできる。このような強酸を使用する場
合には、20重量%の水溶液にして使用することが望ま
しい。
【0038】以上、本発明を実施例により具体的に示し
たが、本発明は上記の実施例に限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能で
あることは言うまでもない。
【0039】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明は、上記
のように構成されることによって空格子点が安定化さ
れ、触媒活性および耐久性に優れた触媒を提供すること
が可能となる。このような触媒を燃料電池に使用するこ
とで、長時間にわたって運転させても劣化が少ない燃料
電池を提供することができ、その結果、燃料電池のコス
トダウンを実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にもとづく電気化学触媒の触媒性能と従
来のものとの比較を示す図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子導電性を有するカーボンを担体と
    し、該担体に白金と1種以上の卑金属とからなる合金を
    担持した合金担持触媒の製造方法であって、 カーボンに白金を担持した白金担持触媒を製造する第1
    の工程と、 前記第1の工程で得られた白金担持触媒に1種以上の卑
    金属を添加し合金担持触媒を製造する第2の工程と、 前記第2の工程で得られた合金担持触媒の卑金属の一部
    を溶出除去し、次いで一酸化炭素と接触させ、さらに不
    活性雰囲気下で熱処理する第3の工程とを有することを
    特徴とする触媒の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記卑金属が8A族または3B族の元素
    から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の触媒の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 前記卑金属の一部を溶出除去する方法と
    して酸を用いることを特徴とする請求項1または2に記
    載の触媒の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記酸が、リン酸、硝酸、塩酸、硫酸の
    いずれかであることを特徴とする請求項3に記載の触媒
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記卑金属の溶出除去を常温から230
    ℃で行うことを特徴とする請求項1から4のいずれかに
    記載の触媒の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1から5のいずれかに記載の触媒
    の製造方法により得られた触媒を電極に用いたことを特
    徴とする燃料電池。
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