JP2001052628A - 陰極線管及びこれに用いられる電子銃 - Google Patents

陰極線管及びこれに用いられる電子銃

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JP2001052628A
JP2001052628A JP11227808A JP22780899A JP2001052628A JP 2001052628 A JP2001052628 A JP 2001052628A JP 11227808 A JP11227808 A JP 11227808A JP 22780899 A JP22780899 A JP 22780899A JP 2001052628 A JP2001052628 A JP 2001052628A
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cathode
electron
accelerating
electron beam
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Tomohisa Asano
智久 浅野
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スクリーン上の電子ビームのスポット径を小
さくすることができ、かつ良好な画像を得ることができ
る陰極線管及びこれに用いられる電子銃を提供する。 【解決手段】 カソードKから層流状態で電子ビームE
Bを出射させ、主電子レンズ11に入射させる電子銃1
及びこの電子銃1を備えた陰極線管を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、陰極線管及びこれ
に用いられる電子銃に係わる。
【0002】
【従来の技術】従来の陰極線管用電子銃の要部の概略断
面図を図7Aに示す。図7Aは、カソード(陰極)K、
第1電極G1、第2電極G2、第3電極G3までを図示
している。さらに図示しないがフォーカス電極やアノー
ド(陽極)電極が形成されて電子銃が構成される。
【0003】各電極の電位は、カソードKが0〜200
V程度、第1電極G1は接地電位でおよそ0V、第2電
極G2は300〜900V程度で、第3電極G3は4〜
30kV程度である。これにより細線で等電位線を示す
ような電界が形成される。
【0004】そして、第2電極G2側からカソードK側
に向かってしみこむ電界により、カソードKから電子が
引き出されて電子ビーム束EBとなる。このとき、カソ
ードKの電位を変調することにより、電界分布を変化さ
せて、電子が引き出される範囲(ワーキングエリア)の
面積の変化を伴いながら、電流量の変調を行うようにし
ている。
【0005】図7に示すように、カソードKから出射さ
れた電子、特に電子ビーム束EBの中心軸から離れた軌
道をとる電子は、カソードKと第1電極G1と第2電極
G2とにより形成された電界により大きな収差を受けて
実クロスオーバー(交差点)RCを形成する。その後、
電子は加速されると共に発散方向にある角度(発散角)
θをもった電子ビーム束EBとなって図示しない主電子
レンズへと入射する。さらに、主電子レンズの収束作用
によりスクリーン上に焦点を結ぶ。
【0006】電子光学的には、上述の実クロスオーバー
RCではなく、仮想クロスオーバーVCを、即ち図7B
に示すように主電子レンズに入射する際の電子ビーム束
EBの軌道をカソードK側に延長して形成されるクロス
オーバー(交差点)を、スクリーンに結像する電子レン
ズ系である。
【0007】そして、この仮想クロスオーバーVCの径
は、実クロスオーバーRCの径により制限される。仮想
クロスオーバーVCの径や実クロスオーバーRCの径の
大きさは、主電子レンズに入射する電子ビーム束EBに
おける多数の電子の軌道について、そのカソードK側の
焦点深度の分布状態を示すものであり、主電子レンズを
通過して収束するスクリーン側の焦点深度も同様の分布
状態を有する。従って、これらクロスオーバーVC,R
Cの径が大きいと、電子ビーム束EBの焦点深度の分布
が広くなるため、スクリーンにおけるスポットがぼやけ
てスポット径が大きくなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来は、実クロスオー
バーRCを形成する際に電界から受ける収差と、電子間
の相互反発力とがあるために、実クロスオーバーRCの
径の縮小化を図る障害となっていた。
【0009】また、電子ビーム束EBは、主電子レンズ
を通過する際にも収差を受ける。図7Aに示すように、
電子ビーム束EBが実クロスオーバーRCを形成して発
散するために、発散角θが大きくなって主電子レンズの
中心軸から離れた位置に入射する。主電子レンズの中心
軸から離れた位置に入射するほど、受ける収差も大きく
なる。
【0010】これらのことが、スクリーン上の電子ビー
ムのスポット径を大きくする要因となっていた。
【0011】上述した問題の解決のために、本発明にお
いては、スクリーン上の電子ビームのスポット径を小さ
くすることができ、良好な画像を得ることができる陰極
線管及びこれに用いられる電子銃を提供するものであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の陰極線管は、カ
ソードから層流状態で電子ビームを出射させ、主電子レ
ンズに入射させる電子銃を備えたものである。
【0013】本発明の電子銃は、カソードから層流状態
で電子ビームを出射させ、主電子レンズに入射させるも
のである。
【0014】上述の本発明陰極線管及び電子銃の構成に
よれば、カソードから層流状態で電子ビームを出射させ
ることにより、電子ビームにクロスオーバー(交差点)
が生じないで小さい発散角とすることができ、主電子レ
ンズの中心軸に近い位置に入射させることができる。中
心軸に近い位置に入射することにより、電子ビームに及
ぶ主電子レンズのレンズ収差の影響が小さくなる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明は、カソードから層流状態
で電子ビームを出射させ、主電子レンズに入射させる電
子銃を備えた陰極線管である。
【0016】本発明は、カソードから層流状態で電子ビ
ームを出射させ、主電子レンズに入射させる電子銃であ
る。
【0017】図1は本発明の一実施の形態として陰極線
管用電子銃の概略構成図(平面図)を示す。また、図2
に図1の電子銃の原理を示す断面図を示す。この電子銃
1は、カソード(陰極)K、複数の加速電極G、フォー
カス電極11及びアノード(陽極)電極12を有し、こ
れらの電極の外側にマルチフォームドガラス13が取り
付けられて配置構成されている。
【0018】複数の加速電極Gとしては、図2に示すよ
うに、第1電極G1、第2電極G2、・・・第X電極G
Xが形成されている。これら加速電極G(G1,G2,
・・・・GX)は、それぞれ間隔を例えば1〜2mm程
度として配置される。
【0019】また、フォーカス電極11とアノード電極
12との間には主電子レンズLが形成される。
【0020】第1電極G1には、カソードKの電位より
も高い電位が与えられ、これによりカソードKから電子
を引き出すことができる。
【0021】そして、各加速電極Gには、フォーカス電
極11の電位と第1電極G1の電位とを比例配分した電
位が印加され、これにより加速電界Eを形成する。この
とき、図3Aに細線で示すように、等電位線は加速電極
Gの主面に略平行となるため、加速電界Eは加速電極G
の主面に対してほぼ垂直方向に作用する。
【0022】従って、第2電極G2に与えられる電位は
第1電極G1よりも高い電位であり、この間には第1電
極及び第2電極G1,G2の主面に垂直な加速電界Eの
みを発生させ、可能な限り電子レンズ効果を発生させな
いようにすることができる。これにより、電子ビーム束
EBは実クロスオーバーを形成しない。
【0023】そして、加速電界Eが加速電極Gの主面に
対してほぼ垂直方向に作用するため、電子ビーム束EB
は、層流状態でアノード電極12側に向かい、図3Bに
示す小さな仮想クロスオーバーVCを形成するような小
さい発散角θの軌道をとって主電子レンズLへと入射す
る。
【0024】電子ビーム束EBの発散角θを小さくする
ことにより、弱い主電子レンズLでも電子ビーム束EB
をスクリーン上に収束させることが可能となると共に、
電子ビーム束EBがもっぱら主電子レンズLの中央部付
近を通過するので主電子レンズLの収差の影響を小さく
することができる。
【0025】電子ビーム束EBの電流量の制御は、加速
電極Gの電位を固定してカソードKの電位を変化させる
ことにより行う。即ち、カソードKの電位を第1電極G
1の電位と同じ又はそれ以上とすると、電子が取り出さ
れなくなるので、電流量を低減することができる。逆
に、カソードKの電位を第1電極G1の電位よりも低く
すると、電流量を増大させることができる。
【0026】さらに、本実施の形態においては、カソー
ドKの表面の一部のみが電子の出射する領域(斜線部)
14とされ、この領域14は第1電極G1の開口孔の
幅、例えば開口径(d2 )よりも充分小さい幅、例えば
径(d1 )に制限されている。このため、カソードKか
ら出射した電子ビーム束EBは、電子銃の中央部付近に
集まった軌道をとり、第1電極G1や第2電極G2の開
口孔の中心付近即ち電極の開口端から離れた位置を通過
する。従って、前述した電流量の変調のためにカソード
Kの電位を変化させた際にも、第1電極G1の開口孔や
第2電極G2の開口孔付近に形成される電子レンズの収
差の影響を受けにくくなる。このとき、ワーキングエリ
アも斜線部の領域14のままで変化しない。また、電子
の出射する領域14が小さいため、第1電極G1に流れ
込む電流量が低減される。
【0027】電子の出射する領域(斜線部)14の幅d
1 に対する第1電極G1の開口孔の幅d2 を例えば8倍
〜10倍とすれば、第1電極G1に流れ込む電流量を低
減することができ、かつ実クロスオーバーを形成しない
で電子ビーム束EBが層流状態で主電子レンズLに入射
するようにすることができる。
【0028】尚、各加速電極Gの管軸方向の厚さは、好
ましくは0.3〜1mm程度とする。電極の強度を保つ
ためには0.3mm程度の厚さが必要であり、図7Aに
示したような電界のしみこみを抑制して電子ビーム束E
Bを層流とするには厚さを1mm程度以下とする必要が
ある。
【0029】フォーカス電極11の厚さは、その開口径
のおよそ2倍程度として、アノード電極12の電位の影
響がフォーカス電極11を越えてさらにカソードK側に
及ぶことを防ぐようにする。
【0030】実際には、カソードの拡大図を図4に示す
ように、カソードKは金属板21と金属製の筒状のカソ
ードスリーブ22とを有して構成される。そして、カソ
ードスリーブ22内に加熱のためのヒーター23が設け
られる。また、カソードスリーブ22の先端面には、含
浸型陰極或いは酸化物陰極等の陰極材料24が取り付け
られる。
【0031】尚、この陰極材料24の前端面には、電子
の出射する領域14を規定するように図示しない遮蔽部
材等が設けられるため、前述の電子の出射する領域14
の幅d1 は、この陰極材料24の領域の幅d3 以下とな
る。
【0032】そして、カソードスリーブ22と電極板2
1は、隙間を有して配置されて、その先端面が共に略同
一面上に位置している。さらに、これら電極板21とカ
ソードスリーブ22は、電気的に接続されて同じ電位V
が与えられる。この電位Vと加速電極Gに所定の電位を
与えることにより形成される電界を発生させると共に、
ヒーター23で陰極材料24を加熱することにより、出
射面から電子がアノード電極12側に向けて出射され
る。
【0033】上述の本実施の形態によれば、電子ビーム
EBがカソードKから層流状態で出射するので、実クロ
スオーバーを形成せずに小さい発散角θで主電子レンズ
Lに入射させることができる。これにより、主電子レン
ズLの中央部付近を通過させて、レンズの収差の影響を
小さくすることができる。
【0034】また、電流量によらず低電流から高電流の
全域において、ワーキングエリアの面積がほぼ一定(上
述の斜線部14)であるため、従来の電子銃と比較して
カソードKの中心部と周辺部との間の電流密度の不均一
を低減することができる。
【0035】従って、本実施の形態の電子銃1によれ
ば、スクリーン上で良好なスポット形状を得ることがで
きる。
【0036】図7Aに示したように第1電極G1からカ
ソード側にしみこんだ電界により電子を出射させる場合
には、カソードKの中央部に集中して電子が発生するた
めこの中央部の負担が大きい。
【0037】これに対して、本実施の形態では、電子を
層流状態で出射させるため出射位置を分散させることが
可能であり、負担が平均化される。従って、カソードの
寿命を長くすることができるので、その結果陰極線管の
寿命の延長をも図ることができる。また、電子の出射位
置が分散しているため電子間の反発も少なくなり、電子
ビーム束EBの径を従来より小さくすることができる。
【0038】尚、上述の実施の形態の構成に対して、さ
らにフォーカス電極11を2分割して、カソードK側の
第1のフォーカス電極の電位を固定して、アノード電極
12側の第2のフォーカス電極の電位をダイナミックに
変調することにより焦点距離を変化させる、いわゆるダ
イナミックフォーカスの機能を追加することも可能であ
る。
【0039】また、フォーカス電極11を2分割して、
この2分割したフォーカス電極11間に静電四重極レン
ズを形成する構成も採用することができる。
【0040】上述の実施の形態では、カソードKを1つ
有する電子銃1に適用したが、例えば色に対応した3本
のカソードを有するカラー陰極線管用電子銃のように、
複数のカソードを有する構成においても、同様に本発明
を適用することができる。その場合を次に示す。
【0041】図5は、本発明の他の実施の形態の陰極線
管用電子銃のカソードの拡大断面図を示す。図5に示す
ように、カソードKが3色の電子ビームR,G,Bに対
応する3つのカソードKR,KG,KBにより構成され
ている。
【0042】各カソードKR,KG,KBは、それぞれ
が図4に示したカソードと同様の構成を有して成る。即
ち各カソードKR,KG,KBは、金属板21R,21
G,21Bと、スリーブ22R,22G,22Bと、ヒ
ーター23R,23G,23Bと、陰極材料24R,2
4G,24Bとをそれぞれ有して構成される。
【0043】そして、各カソードKR,KG,KB毎
に、それぞれ金属板21R,21G,21Bとスリーブ
22R,22G,22Bとが等電位になるように接続さ
れ、動作を行うための電圧VR ,VG ,VB が印加され
る。
【0044】図示しないが第1電極G1以降の加速電極
は、各カソードKR,KG,KB毎に開口孔が設けられ
た構成或いは3つのカソードに共通の開口孔が設けられ
た構成として、かつ開口孔の大きさを充分にとって、各
カソードKR,KG,KBから出射した電子ビームが層
流状態となるように構成する。
【0045】続いて、本発明の別の実施の形態について
説明する。本実施の形態は、カソードKの出射面を平面
ではなく、電子銃の軸方向へ凸面或いは凹面としたもの
である。
【0046】図6Aはカソードの出射面を凸面としたも
のである。このように、カソードKの出射面を凸面とす
れば、出射面が平面である場合よりも発散角θを大きく
することができる。
【0047】図6Bはカソードの出射面を凹面としたも
のである。このように、カソードKの出射面を凹面とす
れば、出射面が平面である場合よりも発散角θを小さく
することができる。
【0048】従って、本実施の形態によれば、電子ビー
ム束EBの発散角θを積極的に制御することができる。
【0049】本発明は、上述の実施の形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でその他
様々な構成が取り得る。
【0050】
【発明の効果】上述の本発明によれば、電子ビームを層
流状態で主電子レンズに入射させるため、仮想クロスオ
ーバーの径を小さくすることができ、また電子ビームが
受ける電子レンズの収差の影響を低減することができ
る。従って、スクリーン上で良好な形状のスポットを得
ることができる。
【0051】また、カソードの出射面全体から分散して
電子を取り出すので、カソードの中央部にかかる負荷を
軽減してカソードの寿命を延ばすことができる。これに
より、陰極線管の寿命をも延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の陰極線管用電子銃の概
略構成図(平面図)である。
【図2】図1の電子銃の図1の電子銃の原理を示す断面
図である。
【図3】図1の電子銃における電界と電子ビーム束の軌
道を示す図である。 A 実際の電界と電子ビーム束の軌道を示す図である。 B 図3Aの場合の仮想クロスオーバーを示す図であ
る。
【図4】図1の電子銃のカソードの拡大図である。
【図5】本発明の他の実施の形態の電子銃のカソードの
拡大図である。
【図6】本発明の別の実施の形態の要部の拡大図であ
る。 A カソードの出射面が凸面とされた場合を示す図であ
る。 B カソードの出射面が凹面とされた場合を示す図であ
る。
【図7】従来の電子銃における電界と電子ビーム束の軌
道を示す図である。 A 実際の電界と電子ビーム束の軌道を示す図である。 B 図7Aの場合の仮想クロスオーバーを示す図であ
る。
【符号の説明】
1 電子銃、11 フォーカス電極、12 アノード電
極(陽極)、21 金属板、22 カソードスリーブ、
23 ヒーター、G 加速電極、E 加速電界、L 主
電子レンズ、G1 第1電極、G2 第2電極、K、K
R,KG,KBカソード(陰極)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カソードから層流状態で電子ビームを出
    射させ、主電子レンズに入射させる電子銃を備えたこと
    を特徴とする陰極線管。
  2. 【請求項2】 カソードから層流状態で電子ビームを出
    射させ、主電子レンズに入射させることを特徴とする電
    子銃。
JP11227808A 1999-08-11 1999-08-11 陰極線管及びこれに用いられる電子銃 Pending JP2001052628A (ja)

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