JP2001051719A - 異常診断方法及び制御方法 - Google Patents

異常診断方法及び制御方法

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JP2001051719A
JP2001051719A JP22815899A JP22815899A JP2001051719A JP 2001051719 A JP2001051719 A JP 2001051719A JP 22815899 A JP22815899 A JP 22815899A JP 22815899 A JP22815899 A JP 22815899A JP 2001051719 A JP2001051719 A JP 2001051719A
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temperature
difference
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inlet
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JP22815899A
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Masanobu Kanouchi
政信 叶内
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Zeon Corp
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 石油留分から高純度のイソプレン、ブタジエ
ンなどの共役ジエン類を精製するためのプラント内部に
おけるゴム状重合体の生成、蒸留塔内の汚れ、配管詰ま
りなどの異常を診断する方法、該異常を防止するための
制御方法及び制御装置を提供する。 【解決手段】 共役ジエンを含有する石油留分を抽出蒸
留塔又は蒸留塔で抽出蒸留または蒸留して共役ジエンを
分離するための精製プラントにおいて、該抽出蒸留塔又
は蒸留塔の塔底部に設けられた再沸器又はフィード部に
設けられた予熱器の熱媒体側出口温度、熱媒体側入口温
度又は熱媒体側入口圧力を測定し、その測定出口温度と
平常運転出口温度との差、測定入口温度と平常運転入口
温度との差、測定入口温度と測定出口温度との差あるい
は測定入口圧力と平常運転入口圧力との差を計算して、
それらのうちの少なくとも1つの差に基づいて、該精製
プラントの異常を診断し、また該差に基づいて重合禁止
剤の添加量を決定し、決定された添加量の重合禁止剤を
添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、異常診断方法およ
び制御方法に関するものであり、詳細には、石油留分か
ら高純度のイソプレン、ブタジエンなどの共役ジエン類
を精製するためのプラント内部におけるゴム状重合体の
生成、蒸留塔内の汚れ、熱交換器の汚れ、配管詰まりな
どの異常を診断する方法及び重合体の生成、蒸留塔内の
汚れ、熱交換器の汚れ、配管詰まりなどの異常を防止す
るための制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ブタジエンやイソプレンなどの共役ジエ
ンは、C4炭化水素留分、C5炭化水素留分、熱分解炉
より排出される分解ガスや製油所ガスからメタン、水
素、窒素などを取り除いた後のC2以上の炭化水素化合
物を含有する炭化水素混合物、エチレンを低温分留法な
どの方法で分離精製した後のC3以上の炭化水素化合物
を含有する炭化水素混合物、C4炭化水素留分及びC5
炭化水素留分を取り除いた後のC6以上の炭化水素化合
物を含有する炭化水素混合物などに含まれている。共役
ジエンは、蒸留、抽出蒸留、抽出、水素処理、水素化精
製、熱処理などの工程や、貯蔵、搬送、加工などの工程
で、単独重合あるいは他の共重合可能な不飽和化合物と
共重合を起こしやすい。炭化水素留分や炭化水素混合物
を分離精製する装置では、塔槽類、配管、熱交換器など
に、共役ジエンが重合又は共重合したと考えられるゴム
状重合体が付着し、詰まりを生じるため、定期あるいは
不定期に装置を停止し、内部を清掃して、詰まり物を取
り除かなければならない。
【0003】そこで、共役ジエンを含有する石油留分の
蒸留装置内での重合を防止するために、ジ低級アルキル
ヒドロキシルアミンの存在下に蒸留するC5炭化水素の
蒸留方法(特開昭50−112304号公報)、抽出溶
媒に重合禁止剤あるいは重合連鎖移動剤を添加する方法
(特公昭47−41323号や特公昭45−19682
号)、フルフラール及びフルフラール縮合体を溶剤中に
存在させて抽出蒸留する方法(特開昭56−81526
号)などが提案されている。
【0004】これらの精製方法においては、重合防止剤
等の添加量は、精製プラントを巡回している重合禁止剤
の濃度を測定し、その測定濃度が共役ジエンの量に対し
て一定比率の範囲内に入るように調整されるだけであっ
た。これらの精製方法を行ったとしても、配管内の詰ま
りや汚れを完璧に防ぐことは困難であった。そのため、
定期的な配管内クリーニングを余儀なくされていたが、
配管の汚れや詰まりなどの異常を事前に察知し、その異
常に対して事前対処するという方法は考えられていなか
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、石油
留分から高純度のイソプレン、ブタジエンなどの共役ジ
エン類を精製するためのプラント内部におけるゴム状重
合体の生成、蒸留塔内の汚れ、熱交換器の汚れ、配管詰
まりなどの異常を診断する方法、該異常を防止するため
の制御方法及び制御装置を提供することにある。本発明
者らは、前記目的を達成するために、異常発生の原因を
検討した結果、該抽出蒸留塔又は蒸留塔の熱交換器(例
えば、再沸器、予熱器など)の熱媒体側入口温度、熱媒
体側入口圧力又は熱媒体側出口温度を測定し、その測定
入口温度、測定入口圧力又は測定出口温度から計算され
た値の変化を監視することによって配管内の汚れ又は詰
まりの発生を診断できることを見出し、また該計算値の
変化に基づいて重合禁止剤の量を制御することによっ
て、蒸留塔内の汚れ、熱交換器の汚れ、配管内の汚れや
詰まりを効率的に防止できることを見出し、これらの知
見に基づいて、本発明を完成するに到った。
【0006】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、共役ジエンを含有する石油留分を抽出蒸留塔又は蒸
留塔で抽出蒸留または蒸留して共役ジエンを分離するた
めの精製プラントにおいて、該抽出蒸留塔又は蒸留塔の
塔底部に設けられた再沸器又はフィード部に設けられた
予熱器の熱媒体側出口温度、熱媒体側入口温度又は熱媒
体側入口圧力を測定し、その測定出口温度と平常運転出
口温度との差、測定入口温度と平常運転入口温度との
差、測定入口温度と測定出口温度との差あるいは測定入
口圧力と平常運転入口圧力との差を計算して、それらの
うちの少なくとも1つの差に基づいて、該精製プラント
の異常を診断する方法 及び 熱交換器の熱媒体側出口
温度、熱媒体側入口温度又は熱媒体側入口圧力を測定
し、その測定出口温度と平常運転出口温度との差、測定
入口温度と平常運転入口温度との差、測定入口温度と測
定出口温度との差あるいは測定入口圧力と平常運転入口
圧力との差を計算して、それらのうちの少なくとも1つ
の差に基づいて、該熱交換器の異常を診断する方法が提
供される。
【0007】また、本発明によれば、共役ジエンを含有
する石油留分を抽出蒸留塔又は蒸留塔で抽出蒸留または
蒸留して共役ジエンを分離するための精製プラントにお
いて、該抽出蒸留塔又は蒸留塔の塔底部に設けられた再
沸器又はフィード部に設けられた予熱器の熱媒体側出口
温度、熱媒体側入口温度又は熱媒体側入口圧力を測定
し、その測定出口温度と平常運転出口温度との差、測定
入口温度と平常運転入口温度との差、測定入口温度と測
定出口温度との差あるいは測定入口圧力と平常運転入口
圧力との差を計算して、それらのうちの少なくとも1つ
の差に基づいて、重合禁止剤の添加量を決め、その決め
られた量の重合禁止剤を、該精製プラントに添加する、
精製プラントの制御方法、 及び 共役ジエンを含有す
る石油留分を抽出蒸留塔又は蒸留塔で抽出蒸留または蒸
留して共役ジエンを分離するための精製プラントにおい
て、該抽出蒸留塔又は蒸留塔の塔底部に設けられた再沸
器あるいはフィード部に設けられた予熱器の熱媒体側出
口温度、熱媒体側入口温度又は熱媒体側入口圧力を測定
する機能を有する手段、その測定出口温度と平常運転出
口温度との差、測定入口温度と平常運転入口温度との
差、測定入口温度と測定出口温度との差あるいは測定入
口圧力と平常運転入口圧力との差を計算する機能を有す
る手段、それらのうちの少なくとも1つの差に基づい
て、該精製プラントに添加する重合禁止剤の量を決める
機能を有する手段、及び決められた量の重合禁止剤を該
精製プラントに添加させる機能を有する手段、を少なく
とも備えた精製プラントの制御装置が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の異常診断方法は、共役ジ
エンを含有する石油留分を抽出蒸留塔又は蒸留塔で抽出
蒸留または蒸留して共役ジエンを分離するための精製プ
ラントにおいて、該抽出蒸留塔又は蒸留塔の塔底部に設
けられた再沸器又はフィード部に設けられた予熱器の熱
媒体側出口温度、熱媒体側入口温度又は熱媒体側入口圧
力を測定し、その測定出口温度と平常運転出口温度との
差、測定入口温度と平常運転入口温度との差、測定入口
温度と測定出口温度との差あるいは測定入口圧力と平常
運転入口圧力との差を計算して、それらのうちの少なく
とも1つの差に基づいて異常を診断する方法である。
【0009】本発明を適用するプラントは、共役ジエン
を含有する石油留分を抽出蒸留塔又は蒸留塔で抽出蒸留
または蒸留して共役ジエンを分離するための精製プラン
トである。
【0010】本発明を適用する具体的な精製プラントの
一例を図1、図2及び図3を参照しながら説明する。な
お、図1、2及び3は、C2〜C9留分の分離精製装置
の大まかな流れを表したもので、蒸留塔、抽出蒸留塔、
放散塔などの塔;凝縮器、再沸器、予熱器などの熱交換
器;配管、弁;その他細かな装置の表記が一部省略され
ている。
【0011】(C2分離)図3に示すように、エチレ
ン、プロピレン、イソプレン及びブタジエンを含有する
炭化水素混合物を管201を経由してC2分離塔の中間
段に供給する。管202から連続的にC2分離塔に重合
禁止剤が供給できるようになっている。このC2分離塔
頂部には凝縮器が設けられ、一部は還流され、残部は管
を経てC2留分が取り出される。このC2留分をさらに
精製することによって精製エチレンを得ることができ
る。
【0012】(C3分離)底部208から取り出された
留分はC3分離塔の中間段へ供給される。C3分離塔に
も重合禁止剤を管302から連続的にC3分離塔に供給
できる。C3分離塔頂部からはC3留分が取り出され
る。C3留分をさらに精製することによって精製プロピ
レンを得ることができる。
【0013】(C4分離)C3分離塔底部から取り出さ
れた留分はC4分離塔(デブタナイザー)の中間段に供
給され、重合禁止剤を管402から連続的にC4分離塔
に供給できる。C4分離塔頂部からはC4留分が取り出
される。C4留分は、図1に示されるようなC4留分の
分離精製装置に供給される。
【0014】C4留分をガス化し第一抽出蒸留塔101
の中間段に供給し、管102の途中から、重合禁止剤を
連続的に供給しジメチルホルムアミドのごとき抽出溶媒
と混合し、該重合禁止剤を含有する抽出溶媒を管102
から供給し、底部において再沸器105で加熱して第一
段目の抽出蒸留を行う。塔頂から取り出したガスは凝縮
器103により凝縮され、一部の液は還流し塔頂へ戻
す。残部はブタン、ブチレンなどを多く含む留分で管1
04から取り出される。第一抽出蒸留塔内の圧力は、通
常、1〜10気圧であり、塔底温度は、通常、100〜
160℃である。塔底からは高級アセチレンおよびアレ
ン系炭化水素を含むブタジエンの抽出液が取り出され、
この抽出液は管106を経て放散塔107の頂部へ供給
される。放散塔下部において再沸器109で抽出液を加
熱し蒸発させて蒸留を行う。放散塔107の圧力は、通
常1〜2気圧であり、塔底温度はその圧力における沸点
である。本発明は、この第一抽出蒸留塔101のごと
く、塔底部から高濃度の共役ジエンを含む抽出物が缶出
される塔に適用するのが好適である。
【0015】放散塔107の頂部からブタジエン、高級
アセチレンおよびアレン系炭化水素が取り出され、冷却
器108にて液化し、その一部を放散塔107の頂部へ
還流し、その残部を管120を経て水洗塔132へ送
る。底部からは抽出溶媒が取り出され、ポンプ110で
冷却器111を経て管102を通って第一抽出塔101
へ循環させる。
【0016】冷却器108を出たガスを圧縮器112お
よび管113を経て第二抽出蒸留塔114の中間段へ供
給する。前記重合禁止剤を含有する抽出溶媒を管130
から供給する。さらに凝縮器115入口の前に設けた管
160からジエチルヒドロキシルアミンのごとき重合禁
止剤を供給できるようになっている。底部において再沸
器117で加熱して第二段目の抽出蒸留を行う。本発明
は、この第二抽出塔にも適用できる。
【0017】第二抽出蒸留塔底部から取り出した液は回
収塔119の中間段に送る。回収塔頂部から取り出され
た留出物は、管121を経て圧縮機112に送る。
【0018】回収塔底部から取り出された缶出物をポン
プ123、管124を経て、放散塔125の頂部へ供給
し、放散塔125の底部からは抽出溶媒を回収し、放散
塔125の頂部から取り出された留出物は凝縮器126
で液化し、その一部は放散塔125に還流し、残部は管
131を経て水洗塔132の中間段に供給する。
【0019】水洗塔132の頂部には管133から水を
供給し、抽出溶媒を精製し、管102及び管130の抽
出溶媒中の水量を調整する。水量調製した抽出溶媒は管
138を経て管129及び管137から流れてきた抽出
溶媒と合流し、管102及び管130を経て循環使用さ
れる。
【0020】第二抽出蒸留塔頂部から取り出したガスは
凝縮器115により凝縮され、一部の液は還流し頂部へ
戻す。残部は管116から取り出し、第一蒸留塔(図示
せず。)の頂部へ供給する。第一蒸留塔頂部から排出さ
れた留出物は凝縮器で凝縮し一部を還流し、残部はボイ
ラーの燃料としてあるいはフレアスタックで焼却する。
【0021】第一蒸留塔底部から排出された缶出物は、
第二蒸留塔(図示せず。)の中間段へ供給する。第二蒸
留塔の頂部から排出される留出物は凝縮器で凝縮され、
一部は還流し、残部は高純度のブタジエンとしてポリブ
タジエンなどの原料となる。
【0022】(C5分離)C4分離塔底部から取り出さ
れた留分はC5分離塔の中間段へ供給される。重合禁止
剤を、管502から連続的にC5分離塔に供給できる。
C5分離塔頂部からはC5留分が取り出される。C5留
分は、図2に示されるようなC5留分の分離精製装置に
供給される。
【0023】C5留分をシクロペンタンの二量化反応器
(図示せず。)に供給し、二量化反応器から抜き出した
留分を予蒸留塔(図示せず。)に供給して1,3−ペン
タジエン、ジシクロペンタジエンなどを除き、次いで図
2に示すように、管1を経て第一抽出蒸留塔Aの中間段
に供給し、管2の途中から、重合禁止剤を連続的に供給
しジメチルホルムアミドのごとき抽出溶媒と混合する。
前記重合禁止剤を含有する抽出溶媒を管2を経て第一抽
出蒸留塔Aに供給する。この第一抽出蒸留塔頂部には凝
縮器5が設けられ、一部は管6を経て還流され、残部は
管7を経てペンタンやペンテンなどの留分が取り出され
る。底部8から取り出された留分は第一放散塔Bの中間
段へ供給し、抽出溶媒を第一放散塔Bの底部14から回
収する。本発明は、この第一抽出蒸留塔Aのごとく、塔
底部から高濃度の共役ジエンを含む抽出物が缶出される
塔に適用するのが好適である。
【0024】第一放散塔頂部から取り出された留分の一
部を管12を経て第一放散塔へ還流し、残部を管13を
経て第一蒸留塔Cの中間段に供給し、底部22から1,
3−ペンタジエンやジシクロペンタジエンが取り出され
る。
【0025】第一蒸留塔頂部から取り出された留分(イ
ソプレン約93%含有)を管21を経て第二抽出蒸留塔
Dの中間段に供給する。前記重合禁止剤を含有する抽出
溶媒を管23を経て第二抽出蒸留塔に供給する。第二抽
出蒸留塔底部から取り出された缶出物を、回収塔Eの中
間段に供給する。該缶出物を回収塔に供給した段よりも
下に位置する中間段から取り出された物を管36を経て
第二放散塔Fの中間段に供給する。回収塔底部から管4
2を経て抽出溶媒を回収し循環させる。第二放散塔頂部
の管41からはアセチレン類が取り出される。回収塔頂
部から取り出された溜出物の一部は凝縮器32で凝縮さ
れ、一部は回収塔に環流し、残部は缶35を経て第二抽
出蒸留塔Dに戻される。本発明はこの第二抽出蒸留塔D
にも適用できる。
【0026】第二抽出蒸留塔頂部から取り出された溜出
物(イソプレン約99%含有)を管28を経て第二蒸留
塔Hの中間段に供給し、第二蒸留塔Hの頂部から管48
を経てブチン−2などを取り出し、底部からは管49を
経て高純度のイソプレンを取り出すことができる。
【0027】(C9分離)C5分離塔底部から取り出さ
れた留分はC9分離塔の中間段に供給され、前記同様
に、重合防止剤を、管902から連続的にC9分離塔に
供給できる。C9分離塔底部からはガソリン原料となる
留分が取り出され、C9分離塔頂部からはベンゼン、ト
ルエン、キシレン(B.T.X.)などを多く含んだ留分
が取り出される。
【0028】本発明は、塔槽類の中で共役ジエンの濃度
が最も高くなる工程、すなわちC4又はC5分離の工程
に適用するのが好ましい。共役ジエンの濃度が高くなる
と、共役ジエンの重合が起きやすくなるからである。
【0029】本発明においては、該抽出蒸留塔又は蒸留
塔の塔底部に設けられた再沸器又はフィード部に設けら
れた予熱器の温度又は圧力を測定する。温度及び圧力の
測定手段は特に限定されないが、測定結果をアナログ又
はデジタル信号として通信できる状態で取り出せるもの
が好ましく、例えば、温度測定では熱電対、温度センサ
ーなどが好適であり、圧力測定では圧電素子などを備え
た圧力センサーが好適である。測定点は、再沸器や予熱
器などの熱交換器の熱媒体側入口温度、熱媒入口圧力又
は熱媒体側出口温度を測定できる場所であれば特に限定
されない。本発明においては熱媒体として、通常、熱水
や水蒸気が用いられる。
【0030】前記測定値(温度又は圧力)から、測定出
口温度と平常運転出口温度との差、測定入口温度と平常
運転入口温度との差、測定入口温度と測定出口温度との
差あるいは測定入口圧力と平常運転入口圧力との差を計
算する。ここで、平常運転出口温度、平常運転入口温度
又は平常運転入口圧力は、測定温度又は圧力が、相対的
に高いかあるいは低いかを表す基準となるものである。
通常は該精製プラントの設計値あるいは精製プラントを
1年間運転したときの平均値を使用する。
【0031】本発明の異常診断方法においては、前述の
如く計算して得られた差に基づいて異常を診断する。診
断方法の一実施態様として、例えば、測定出口温度と平
常運転出口温度との差の変動によって、次のことが予測
される。測定出口温度が平常運転出口温度より高い方向
に変動する場合には、熱交換器の総括伝熱係数が低下し
ているか、あるいは熱媒体の入口温度が上昇しているこ
とが推測される。総括伝熱係数の低下は、熱交換器の汚
れ、詰まりに起因することが多い。従って、測定出口温
度の上昇程度によって、熱交換器を予備の熱交換器に切
り換えて、汚れた熱交換器のクリーニングを行う必要が
あると診断する。また熱媒体の入口温度の上昇は共役ジ
エンの重合が起きやすい方向に働くので、測定出口温度
の上昇により、将来、熱交換器の中で共役ジエンが重合
し、汚れ、詰まりが発生することを診断できる。また、
測定入口温度と平常運転入口温度との差あるいは測定入
口圧力と平常運転入口圧力との差は、熱媒体の入口温度
の上昇下降を直接的に測定したものである。熱媒体温度
の上昇は前述のごとく、共役ジエンの重合を起こしやす
い方向に働くので、それらの差の値によって、将来、熱
交換器の中で共役ジエンが重合し、汚れ、詰まりが発生
することを診断できる。さらに、測定入口温度と測定出
口温度との差は、熱交換効率を直接的に測定したもので
あるから、その差によって、前述のごとく総括伝熱係数
低下によって予測される異常を知らせることができる。
【0032】本発明の制御方法においては、前述の如く
計算して得られた差に基づいて、重合禁止剤の添加量を
決定し、決定された添加量分の重合禁止剤を添加する。
重合禁止剤の添加量を決定する方法は、限定されない
が、通常、共役ジエンは温度が上昇すると重合を起こし
やすくなるので、そのような状態になった場合には重合
禁止剤の添加量を増やすように決定する。
【0033】具体的には、例えば、測定出口温度が平常
運転出口温度より高い方向に変動する場合、測定入口温
度が平常運転入口温度より高い方向に変動する場合ある
いは測定入口圧力が平常運転入口圧力より高い方向に変
動する場合には、熱媒体の入口温度が上昇していること
を示している。熱媒体の入口温度の上昇程度によって、
精製プラントに添加する重合禁止剤の量を増やすように
する。逆に熱媒体入口温度が低下してきているようであ
るならば、重合禁止剤は過剰になっていると考えられる
ので、添加する重合禁止剤の量を減らすようにする。ま
た、測定出口温度が平常運転出口温度より高い方向に変
動する場合や測定入口温度と測定出口温度との差が小さ
くなる場合には、熱交換器の総括伝熱係数が低下してい
ることを示唆している。この場合には、熱交換器内で重
合反応が起きて、管壁に重合体が付着し始めているの
で、そのまま放置しておけば、管などが詰まってしま
う。重合体の付着をそれ以上進めないために重合禁止剤
の添加量を増やすような操作をする。
【0034】重合禁止剤の添加量を決定する手法とし
て、比例制御、積分制御、比例−積分制御、比例−積分
−微分制御、ファジー制御、最適制御などの制御アルゴ
リズムを使用することができる。
【0035】重合禁止剤の添加場所は、精製プラントの
いずれかの場所に添加すればよいが、前述したように、
通常、抽出蒸留塔又は蒸留塔フィード部、フィード部よ
り上段の抽出蒸留塔又は蒸留塔側面、塔頂部の環流器、
塔底部の再沸器などに添加する。
【0036】重合禁止剤添加量のコントロールは、決定
された重合禁止剤添加量の値をアナログ又はデジタル信
号化して流量制御器に送信し、流量制御器がバルブ開度
を制御できるようにすると好ましい。
【0037】重合禁止剤の種類は特に限定されず、共役
ジエンの重合を防止できる効果のあるものであればいず
れのものであってもよい。本発明の一実施態様では、ジ
低級アルキルヒドロキシルアミンが使用されている。
【0038】本発明の制御装置は、上記制御方法を実現
するための機能を有する手段を備えたものである。例え
ば、前記制御方法を演算処理機(コンピュータ)とその
周辺機器等で実現しようとした場合には、演算処理機に
インストールされたプログラムによって、演算処理機と
その周辺機器等の組合せが下記の機能を有する手段に逐
次変化していくようにすればよい。
【0039】本発明の制御装置における、該抽出蒸留塔
又は蒸留塔の塔底部に設けられた再沸器あるいはフィー
ド部に設けられた予熱器の熱媒体側出口温度、熱媒体側
入口温度又は熱媒入口圧力を測定する機能を有する手段
では、演算処理機がプログラムに従って、測定時間の間
隔を計算し、所定の測定時間になった場合には、温度又
は圧力測定器に測定指令信号を発信する。この測定指令
信号に従って該測定器は温度又は圧力を測定する。次
に、演算処理機は測定結果を演算処理機に送信するよう
に該測定器に指令する。この指令にしたがって、該測定
器は測定データを演算処理機に送信する。演算処理機は
その測定データを受信して、それを測定時間データと関
連づけをして、メモリーに格納する。メモリーに格納さ
れた測定データは必要に応じてディスプレーに表示した
り、紙に印刷できるようになっている。
【0040】測定出口温度と平常運転出口温度との差、
測定入口温度と平常運転入口温度との差、測定入口温度
と測定出口温度との差あるいは測定入口圧力と平常運転
入口圧力との差を計算する機能を有する手段では、メモ
リーに格納された測定データと、予めメモリーに格納さ
れていた平常運転時の温度や圧力データとを比較し、そ
の差を計算する。計算結果は、測定時間データと関連づ
けられたままメモリーに格納する。
【0041】そのいずれかの差に基づいて、該精製プラ
ントに添加する重合禁止剤の量を決める機能を有する手
段では、格納された計算結果を、前記のごとき制御アル
ゴリズムに従って、演算処理し、重合禁止剤の添加量を
計算する。添加量計算結果は、メモリーに格納する。
【0042】決められた量の重合禁止剤を該精製プラン
トに添加させる機能を有する手段では、演算処理機が、
添加量計算結果データを、流量制御器に送信し、流量の
変更を指令する。流量制御器はバルブ開度を調整し、指
令された流量に制御する。次に演算処理機は流量制御器
に、バルブ開度や測定流量のデータを送信するように指
令する。流量制御器はその指令にしたがって、該データ
を送信する。演算処理機は該データを受信し、メモリー
に格納する。演算処理機は、指令流量と測定流量との差
を計算し、流量制御器の応答特性を判断し、測定流量が
最適な流量になるように指令流量のデータに補正項を加
えることができる手段を備えていることが好ましい。メ
モリーに格納された測定流量は、ディスプレーに表示し
たり、印刷したりすることができる。
【0043】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を
更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例の
みに限定されるものではない。なお、部及び%は、特に
断りのない限り重量基準である。
【0044】実施例1 図1に示す精製プラントの第一抽出蒸留塔の塔底部に設
けられた再沸器に熱媒体入口圧力測定機(P)を設置
し、測定データを、数時間間隔で、中央演算処理機に送
信するようにした。中央演算処理機(CPU)では、平
常運転時のデータと対比し、測定データの変動(差)を
記録した。そして、1年間連続運転し、2か月毎に、再
沸器内の汚れを検査した。測定データが平常運転時デー
タよりも大幅に高くなった時期を経過した後の再沸器内
は汚れが多く、一方測定データが平常運転時データより
も低くなった時期を経過した後の再沸器内は汚れがほと
んど無かった。従って、熱媒体入口圧力を監視すること
によって、再沸器内の汚れ状態を予測できることがわか
る。同時に、熱媒体入口温度及び出口温度も測定し、そ
れらの測定データも記録をした。それらの値からも、上
記の測定圧力による結果と同様の結果が得られ、再沸器
の汚れ状態をこれらの測定値の変動からも予測できるこ
とがわかった。
【0045】実施例2 図1に示す精製プラントの第一抽出蒸留塔の塔底部に設
けられた再沸器に熱媒体入口圧力測定機(P)を設置
し、測定データを、数時間間隔で、中央演算処理機に送
信するようにした。中央演算処理機(CPU)では、平
常運転時のデータと対比し、測定データの変動(差)を
計算し、この計算結果に基づいて比例制御アルゴリズム
を使用して重合禁止剤(ジエチルヒドロキシルアミン)
の最適添加量を決定し、その決定値を流量制御器(F
C)に流量変更指令を送信し、管102へ供給される重
合禁止剤量を変更し、抽出溶媒中の重合禁止剤濃度を変
更させた。夏季の3か月経過後、再沸器内の汚れを検査
したが、ほとんど汚れが無かった。
【0046】比較例1 図1に示す精製プラントの第一抽出蒸留塔の塔底部か
ら、液状留分を抜き出し、重合禁止剤の濃度をクロマト
グラフ法で、1日1回の頻度で測定した。その測定結果
と目標濃度との差を計算し、重合禁止剤が目標濃度にな
るように、管102(フィード部)から添加する重合禁
止剤の添加量を計算し、流量制御器に計算された値に流
量変更するよう指令信号を送信し、重合禁止剤濃度が一
定になるように制御した。夏季の3か月経過後、再沸器
内の汚れを検査した。再沸器内には汚れが多かった。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、石油留分から高純度の
イソプレン、ブタジエンなどの共役ジエン類を精製する
ためのプラント内部における重合体の生成、蒸留塔内の
汚れ、配管詰まりなどの異常を、容易に診断できる。ま
た重合禁止剤の添加量を本発明方法によって制御するこ
とによって、蒸留塔や配管などの汚れ、詰まりを効率的
に予防できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 C4留分の分離精製装置の概念図。
【図2】 C5留分の分離精製装置の概念図。
【図3】 C2〜C9留分の分離精製装置の概念図。
【符号の説明】
2,23,102,130,202,302,402,
502,902…重合禁止剤が供給される管

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共役ジエンを含有する石油留分を抽出蒸
    留塔又は蒸留塔で抽出蒸留または蒸留して共役ジエンを
    分離するための精製プラントにおいて、該抽出蒸留塔又
    は蒸留塔の塔底部に設けられた再沸器又はフィード部に
    設けられた予熱器の熱媒体側出口温度、熱媒体側入口温
    度又は熱媒体側入口圧力を測定し、その測定出口温度と
    平常運転出口温度との差、測定入口温度と平常運転入口
    温度との差、測定入口温度と測定出口温度との差あるい
    は測定入口圧力と平常運転入口圧力との差を計算して、
    それらのうちの少なくとも1つの差に基づいて、該精製
    プラントの異常を診断する方法。
  2. 【請求項2】 共役ジエンを含有する石油留分を抽出蒸
    留塔又は蒸留塔で抽出蒸留または蒸留して共役ジエンを
    分離するための精製プラントにおいて、該抽出蒸留塔又
    は蒸留塔の塔底部に設けられた再沸器又はフィード部に
    設けられた予熱器の熱媒体側出口温度、熱媒体側入口温
    度又は熱媒体側入口圧力を測定し、その測定出口温度と
    平常運転出口温度との差、測定入口温度と平常運転入口
    温度との差、測定入口温度と測定出口温度との差あるい
    は測定入口圧力と平常運転入口圧力との差を計算して、
    それらのうちの少なくとも1つの差に基づいて、重合禁
    止剤の添加量を決め、その決められた量の重合禁止剤
    を、該精製プラントに添加する、精製プラントの制御方
    法。
  3. 【請求項3】 共役ジエンを含有する石油留分を抽出蒸
    留塔又は蒸留塔で抽出蒸留または蒸留して共役ジエンを
    分離するための精製プラントにおいて、該抽出蒸留塔又
    は蒸留塔の塔底部に設けられた再沸器あるいはフィード
    部に設けられた予熱器の熱媒体側出口温度、熱媒体側入
    口温度又は熱媒体側入口圧力を測定する機能を有する手
    段、その測定出口温度と平常運転出口温度との差、測定
    入口温度と平常運転入口温度との差、測定入口温度と測
    定出口温度との差あるいは測定入口圧力と平常運転入口
    圧力との差を計算する機能を有する手段、それらのうち
    の少なくとも1つの差に基づいて、該精製プラントに添
    加する重合禁止剤の量を決める機能を有する手段、及び
    決められた量の重合禁止剤を該精製プラントに添加させ
    る機能を有する手段、を少なくとも備えた精製プラント
    の制御装置。
  4. 【請求項4】 熱交換器の熱媒体側出口温度、熱媒体側
    入口温度又は熱媒体側入口圧力を測定し、その測定出口
    温度と平常運転出口温度との差、測定入口温度と平常運
    転入口温度との差、測定入口温度と測定出口温度との差
    あるいは測定入口圧力と平常運転入口圧力との差を計算
    して、それらのうちの少なくとも1つの差に基づいて、
    該熱交換器の異常を診断する方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014529053A (ja) * 2011-08-23 2014-10-30 ビーイー・エアロスペース・インコーポレーテッド 航空機ギャレー液体冷却システム
WO2024034186A1 (ja) * 2022-08-09 2024-02-15 ダイキン工業株式会社 選定システム

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