JP2001051540A - 定着装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウェブの交換時に巻取りローラの交換が不要
となるうえ、部品交換性及び部品コストの低減を図るこ
とのできる定着装置を提供する。 【解決手段】 定着装置において、定着ローラ或いは加
圧ローラの少なくともどちらか一方のローラに当接する
ことにより、このローラ表面に付着した汚れをクリーニ
ングするクリーニング手段を有し、このクリーニング手
段は長尺状のウェブが巻付けられた巻出しローラと、こ
のウェブを定着ローラ或いは加圧ローラへ押し当てる押
し当てローラとウェブを巻取るための巻取りローラとを
有し、この巻取りローラの表面部にはウェブの端部を係
止自在な粗面部が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、画像形成装置の
定着装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】複写機、ファクシミリ、プリンタ等の電
子写真方式の画像形成装置においては、帯電部で感光体
を帯電させ後、原稿画像の露光或いは画像情報に応じた
光書き込み等によって感光体上に静電潜像を形成し、こ
の静電潜像を現像部により現像して可視像化し、そのト
ナー像を記録紙（転写材）に転写した後、未定着トナー
像を定着装置により定着させている。この定着装置とし
ては、その内部に定着ヒータ等の熱源を有する定着ロー
ラと、この定着ローラに当接する加圧ローラとを有し、
これら定着ローラと加圧ローラとで未定着トナー像を担
持した記録紙を挟持搬送することにより未定着トナー像
を加熱圧接して定着するものであり、この種の定着装置
では定着ローラの離型性が悪いと、一部のトナーが定着
ローラに付着してしまう「オフセット現象」が生じてし
まう恐れがあるため、これを防止し良好な離型性を得る
べく、定着ローラの表面には離型層を設けると共に、定
着ローラに対するクリーニング手段や離型剤であるシリ
コンオイル等を塗布するオイル塗布手段が設けられてい
る。このような定着ローラに対するクリーニング手段と
してはウェブ装置が採用されているのが一般的である。

【０００３】ここで、従来の定着装置におけるウェブ装
置について、図１を参照して説明する。図１に示すよう
に、定着装置１は定着ローラ２と加圧ローラ３とを有
し、ウェブ装置４は長尺状のウェブ５が巻付けられた巻
出しローラ６と、このウェブを定着ローラ２へ押し当て
る押し当てローラ７とウェブ５を巻取るための巻取りロ
ーラ８とを有している。また、このウェブ５には汚れに
対するクリーニング機能の向上を図るべく離型剤である
シリコンオイルが含浸されている。ウェブ５の両端部は
それぞれ接着剤等により巻出しローラ６及び巻取りロー
ラ８に固定されている。また、押し当てローラ７はソレ
ノイド等の接離手段（図示せず）によって定着ローラ２
側へウェブ５を当接、離間できるよう移動可能に支持さ
れると共に、スプリング９による一定圧の弾力で押し当
てられている。

【０００４】そして、画像形成装置のコピー時には、駆
動手段（図示せず）の駆動によって、巻取りローラ８が
回転するため巻出しローラ６からウェブ５が順次送り出
されると共に、このウェブ５は押し当てローラ７によっ
て定着ローラ２側に押し付けられ定着ローラ２表面のク
リーニングが行われる。このように、定着ローラ２には
常に新しいウェブ４のウェブ面が当接すると共に、ウェ
ブ５内に含浸されているシリコンオイルによりオイル塗
布が同時に行われるため、このウェブ５によるクリーニ
ング機能及びオイル塗布機能は経時的にも低下すること
がなく良好に行われる。従って、オイル塗布とクリーニ
ングを１枚のウェブで行うことができ、ウェブに付着し
た汚れの再転写も少ないことから、このウェブ装置４が
最も効率が良いクリーニング手段とされている。また、
このようなウェブ装置４の場合にはウェブ５の残量が不
足した際（巻取り完了）、新しいウェブ５に交換するよ
うに警告表示等による警告が行われる。

【０００５】また、上記以外の従来例として「特開平９
−２３７０１０号公報」には、ウェブの端部に舌片を延
設し、この舌片を巻出しローラに形成されたスリットに
取り付けることにより、ウェブの巻出し完了時に巻出し
ローラに対する負荷を軽減させるものが公知例として開
示されている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前記従来の
定着装置のウェブ装置の場合、ウェブ５（図１参照）の
両端部はそれぞれ接着剤等により巻出しローラ６及び巻
取りローラ８に固定されている。このため、ウェブ５の
交換時には使用済のウェブ５と共に、巻出しローラ６及
び巻取りローラ８も一緒に交換する必要があった。この
ため、部品コストが嵩む原因となるうえ、近年提唱され
ている資源物質（消耗品）に対する環境対策上の観点か
らも好ましくない。また、巻取りローラ８側にはこの巻
取りローラ８を駆動させるための駆動ギヤや駆動モータ
等の駆動手段が連結されているため、巻取りローラ８の
交換時に駆動手段の取外し、取付け作業をその都度行う
必要があり作業の手間が生じる原因となる。また、前記
別例である従来技術の場合においても、ウェブの巻出し
完了時に巻出しローラに対する負荷を軽減させることが
可能であるが、やはりウェブの交換時に巻取りローラも
交換することとなるため同様の問題が生じることとな
る。

【０００７】そこでこの発明の目的は、前記のような従
来の定着装置のもつ問題を解消し、ウェブの交換時にも
巻取りローラの交換が不要となるうえ、部品交換性の向
上及び部品のコスト低減を図ることのできる定着装置を
提供するにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この発明は、前記のよう
な目的を達成するために、請求項１に記載の発明は、定
着ローラと、この定着ローラに当接する加圧ローラとを
有し、これら定着ローラと加圧ローラとで未定着トナー
像を担持した転写材を挟持搬送することにより転写材上
の未定着トナー像を加熱圧接して定着する定着装置にお
いて、定着ローラ或いは加圧ローラの少なくともどちら
か一方のローラに当接することにより、このローラ表面
に付着した汚れのクリーニングを行うクリーニング手段
を有し、このクリーニング手段は長尺状のウェブが巻付
けられた巻出しローラと、このウェブを定着ローラ或い
は加圧ローラへ押し当てる押し当てローラとウェブを巻
取るための巻取りローラとを有し、この巻取りローラの
表面部にはウェブの端部を係止自在な粗面部が設けられ
ていることを特徴とするものである。

【０００９】請求項２に記載の発明は、請求項１に記載
の発明において、巻取りローラに設けられている粗面部
には、この粗面部よりも小径であって、且つウェブの端
部を係止不能な非粗面部を有することを特徴とするもの
である。

【００１０】

【発明の実施の形態】図１はこの発明の第１実施形態を
示している。図１に示すように、この第１実施形態にお
いては、前記従来の定着装置と同様に、定着装置１は定
着ローラ２と加圧ローラ３とを有し、ウェブ装置４は長
尺状のウェブ５が巻付けられた巻出しローラ６と、この
ウェブを定着ローラ２（或いは、加圧ローラ３）へ押し
当てる押し当てローラ７とウェブ５を巻取るための巻取
りローラ８とを有している。また、このウェブ５には離
型剤であるシリコンオイルが含浸されている。

【００１１】ここで、本発明の特徴はウェブの交換時に
巻取りローラの交換を不要とすることにある。このた
め、図２に示すように、巻取りローラ８の表面部にはウ
ェブ５の一端部（図３で、左側）を係止自在な粗面部10
が設けられ、この粗面部10によりウェブ５の一端部を係
止させると共に、その固定を可能としている。一方、ウ
ェブ５の他端部（図３で、右側）は従来と同様に巻出し
ローラ６側に接着剤等により固定されている。すなわ
ち、図３に示すように、ウェブ５の一端部を巻取りロー
ラ８に固定する場合には、その一端部を粗面部10の表面
に一周以上押し当て巻き付けることにより、ウェブ５自
体の繊維層と粗面部10間との摩擦抵抗によってウェブ５
を巻取りローラ８に固定することが可能となる。この粗
面部10による固定性能は長期にわたって低下する事が無
い。これによって、ウェブ５の交換を行う際には、今ま
でウェブ５と同時に交換していた巻取りローラ８を交換
しないで再使用することができるためほぼ永久的に、巻
取りローラ８を使用することができる。この結果、ウェ
ブ５の交換作業性が向上すると共に、その装着が簡単に
なり、交換用の巻取りローラが必要ないので部品コスト
の低減を図ることができる。また、ウェブ５の一端部が
巻取りローラ８に対して接着等により完全に固定されて
はいないため、ウェブ５が全部巻取られた場合にも、駆
動手段に対して過大な負荷が生じることはなく、これに
よりギヤ破損等の故障を回避することもできる。

【００１２】尚、上述のような粗面部10を巻取りローラ
８の表面部に形成する方法としては、金属、セラミッ
ク、耐熱樹脂等の「砥粒」を表面に接着或は融着させる
方法やサンドブラスト、研削等による機械的にローラ表
面を荒らす方法を採用することができ、この粗面部の粗
さの程度としては、ウェブ５の一端部が動くことなく固
定できる程度のものであれば良い。また、このような
「粗面部」は巻取りローラ８と一体的に形成し単体の
「粗面ローラ」としても良い。

【００１３】図４はこの本発明の第２実施形態を示して
いる。すなわち、図４に示すように、この第２実施形態
においては巻取りローラ８ａには粗面部10以外に、この
粗面部10よりも小径であって、且つウェブ５の一端部を
係止不能な非粗面部11を有している。すなわち、巻取り
ローラ８ａの表面部は交互にほぼ等間隔に配置された粗
面部10と非粗面部11とで構成されている。このような大
径の粗面部10と小径の非粗面部11はシワや波打ちのある
ウェブ５が巻取られた場合の「逃げ部」として有効に作
用し、ウェブ５のシワ、波打ち、斜行を吸収できるた
め、例えばウェブ５が巻取りローラ８ａに巻取られる途
中でシワになったり、巻取り不良になる事を防止するこ
とができる。尚、本実施形態の場合に粗面部11のみを別
体にすることにより簡単に取り外し可能な構成にしても
良い。

【００１４】

【発明の効果】この発明は前記のようであって、請求項
１に記載の発明は、定着ローラと、この定着ローラに当
接する加圧ローラとを有し、これら定着ローラと加圧ロ
ーラとで未定着トナー像を担持した転写材を挟持搬送す
ることにより転写材上の未定着トナー像を加熱圧接して
定着する定着装置において、定着ローラ或いは加圧ロー
ラの少なくともどちらか一方のローラに当接することに
より、このローラ表面に付着した汚れのクリーニングを
行うクリーニング手段を有し、このクリーニング手段は
長尺状のウェブが巻付けられた巻出しローラと、このウ
ェブを定着ローラ或いは加圧ローラへ押し当てる押し当
てローラとウェブを巻取るための巻取りローラとを有
し、この巻取りローラの表面部にはウェブの端部を係止
自在な粗面部が設けられているので、巻取りローラの交
換が不要となるため交換作業の手間及び部品コストの低
減が図れるという効果がある。また、巻取りローラはウ
ェブの固定性能が低下する事が無くほぼ永久的に使用で
きるため、資源物質に対する環境対策を実現できるとい
う効果もある。

【００１５】請求項２に記載の発明は、請求項１に記載
の発明において、巻取りローラに設けられている粗面部
には、この粗面部よりも小径であって、且つウェブの端
部を係止不能な非粗面部を有しているので、この非粗面
部により巻取り時のウェブの歪みを吸収できウェブのシ
ワ、波打ち、斜行を防止すると共に、元の正常な平面状
態に戻すことができることからウェブの巻取り不良を防
止できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の定着装置を示す概略側面図である。

【図２】本発明の第１実施形態を示す巻取りローラの斜
視図である。

【図３】同巻取りローラに対するウェブの固定方法を示
す説明図である。

【図４】本発明の第２実施形態を示す巻取りローラの斜
視図である。

【符号の説明】

１ 定着装置 ２ 定着ローラ ３ 加圧ローラ ４ ウェブ装置 ５ ウェブ ６ 巻出しローラ ７ 押し当てローラ ８，８ａ 巻取りローラ ９ スプリング 10 粗面部 11 非粗面部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 定着ローラと、この定着ローラに当接す
   る加圧ローラとを有し、これら定着ローラと加圧ローラ
   とで未定着トナー像を担持した転写材を挟持搬送するこ
   とにより転写材上の未定着トナー像を加熱圧接して定着
   する定着装置において、定着ローラ或いは加圧ローラの
   少なくともどちらか一方のローラに当接することによ
   り、このローラ表面に付着した汚れのクリーニングを行
   うクリーニング手段を有し、このクリーニング手段は長
   尺状のウェブが巻付けられた巻出しローラと、このウェ
   ブを定着ローラ或いは加圧ローラへ押し当てる押し当て
   ローラとウェブを巻取るための巻取りローラとを有し、
   この巻取りローラの表面部にはウェブの端部を係止自在
   な粗面部が設けられている事を特徴とする定着装置。
2. 【請求項２】 巻取りローラに設けられている粗面部に
   は、この粗面部よりも小径であって、且つウェブの端部
   を係止不能な非粗面部を有することを特徴とする請求項
   １に記載の定着装置。