JP2001050987A - 電流測定装置および電流測定方法 - Google Patents

電流測定装置および電流測定方法

Info

Publication number
JP2001050987A
JP2001050987A JP11226506A JP22650699A JP2001050987A JP 2001050987 A JP2001050987 A JP 2001050987A JP 11226506 A JP11226506 A JP 11226506A JP 22650699 A JP22650699 A JP 22650699A JP 2001050987 A JP2001050987 A JP 2001050987A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
current
magnetoresistive element
detection unit
electric
measuring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11226506A
Other languages
English (en)
Inventor
Fumikazu Takayanagi
史一 高柳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Advantest Corp
Original Assignee
Advantest Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Advantest Corp filed Critical Advantest Corp
Priority to JP11226506A priority Critical patent/JP2001050987A/ja
Publication of JP2001050987A publication Critical patent/JP2001050987A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R15/00Details of measuring arrangements of the types provided for in groups G01R17/00 - G01R29/00, G01R33/00 - G01R33/26 or G01R35/00
    • G01R15/14Adaptations providing voltage or current isolation, e.g. for high-voltage or high-current networks
    • G01R15/20Adaptations providing voltage or current isolation, e.g. for high-voltage or high-current networks using galvano-magnetic devices, e.g. Hall-effect devices, i.e. measuring a magnetic field via the interaction between a current and a magnetic field, e.g. magneto resistive or Hall effect devices
    • G01R15/205Adaptations providing voltage or current isolation, e.g. for high-voltage or high-current networks using galvano-magnetic devices, e.g. Hall-effect devices, i.e. measuring a magnetic field via the interaction between a current and a magnetic field, e.g. magneto resistive or Hall effect devices using magneto-resistance devices, e.g. field plates

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Measuring Instrument Details And Bridges, And Automatic Balancing Devices (AREA)
  • Measurement Of Current Or Voltage (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 負荷に流れる電流の交流および直流成分を非
接触で正確に測定したい。 【解決手段】 電流測定装置200は、検出ユニット1
2と測定ユニット18をもつ。検出ユニット12の中空
部14に電気配線22を通す。電気配線22には電源装
置10から負荷16に電流が流れる。検出ユニット12
には磁気抵抗素子が埋め込まれている。電流が流れると
磁場が生じ、磁気抵抗素子の電気抵抗値が変化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電流測定装置およ
び電流測定方法に関する。本発明はとくに、電気配線に
流れる電流を測定する装置と方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に電流の測定は、電流供給配線等の
電気配線を切断して電流計を接続することによって行わ
れる。しかし、負荷に流れる微小電流などを測定する場
合、電気配線の切断が困難であったり、切断の影響で電
流値が微妙に変化することがある。そうした場合、電気
配線に流れる電流に起因する磁界の強さを測定して電流
を間接的に測定する方法が利用されている。
【0003】特開平8−146061号公報は、そうし
た電流測定装置を開示する。この装置は、ループ状に成
形された導電部材による磁気コイルをもち、被測定配線
のケーブル(以下単に「配線」という)がそのコイルに
通される。配線に流れる電流がδI変化したとき、この
配線からr離れた位置における磁界の変化δHは、
【0004】δH=δI/2πr で与えられる。したがって、 δI=2πrδH であり、この電流変化がδtの時間で生じたとすれば、
コイルには、 δI/δt=2πrδH/δt (式1) に比例した誘導起電力が発生する。この誘導起電力を測
定すれば電流の変化が判明する。式1のごとく、誘導起
電力はループの面積に比例する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】電流測定をより正確に
行うには、前記誘導起電力を大きくとる必要がある。そ
のため一般にループを大きくするか、トロイダルコアと
呼ばれる補助部材を使用して磁界検出効率が改善され
る。しかし、そのいずれの方法を採っても電流測定装置
は全体に大きくなり、測定のために配線は一般に長くせ
ざるをえない。しかし、そのことで配線のインダクタン
スは当然増加し、配線を流れる電流の高周波成分が落と
されるため、正確な測定に支障が生じる。
【0006】別の課題として、上述の電流測定装置はそ
の原理上当然ながら電流の直流成分を測定することがで
きない。
【0007】本発明は以上の課題に鑑みてなされたもの
で、その目的は、装置全体を小型化してより正確な電流
測定を可能とする技術、および電流の直流成分の測定を
可能とする技術の提供にある。この目的は特許請求の範
囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成
される。また従属項は、本発明の具体的かつ有用な形態
を規定する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の電流測定装置
は、電気配線に流れる電流を測定するものであり、磁気
抵抗素子を有する検出ユニットと、その磁気抵抗素子の
電気抵抗値を観測して前記電流を測定する測定ユニット
を含む。電気配線に電流が流れると、そのまわりに磁界
が生じる。磁気抵抗素子は磁界の中に置かれるとその電
気抵抗が変化する性質を有する。このため、磁気抵抗素
子の電気抵抗値を調べれば、前記磁界の大きさを把握す
ることができる。この磁界の大きさから逆に前記電流の
大きさが判明する。なお、「電気配線」はなんらかの形
で電流が流れる部材をいい、プリント基板上に形成され
たストリップライン、プリント基板に定着されないケー
ブル線、大電流を流す電線など、電流が流れる任意の部
材をいう。
【0009】磁気抵抗素子の例として、巨大磁気抵抗効
果(Giant Magnetoresistance:GMR)によってその
電気抵抗が変化する素子(以下単に「GMR素子」とよ
ぶ)、異方性磁気抵抗効果(Anisotropic Magnetoresis
tance:AMR)によってその電気抵抗が変化する素子
(以下単に「MR素子」とよぶ)がある。
【0010】一方、本発明の電流測定方法は、磁気抵抗
素子を電気配線に対応させて設置する段階と、その電気
配線を被測定状態におく段階と、その被測定状態におい
て前記磁気抵抗素子の電気抵抗値を観測する段階と、そ
の電気抵抗値をもとに前記電流を算出する段階を含む。
【0011】ここで、前記電流を算出する段階は、電気
抵抗値から磁気抵抗素子に作用する磁場を算出し、その
磁場を生むために電気配線に流れるべき電流の大きさを
算出してもよい。また、磁気抵抗素子の雰囲気温度を測
定する段階をさらに設け、その雰囲気温度をもとに電気
抵抗値を補償してもよい。また、一本の電気配線に対し
て複数の磁気抵抗素子を設置し、それらの電気抵抗値の
変化の時間的なずれをもとに電流の時間微分を求めても
よい。
【0012】なお以上の発明の概要は、本発明に必要な
すべての特徴を列挙したものではなく、当然ながら、こ
れらの特徴群のサブコンビネーションもまた発明となり
うる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態を通じて
本発明を説明する。ただし、以下の実施の形態は特許請
求の範囲に記載された発明を限定するものではなく、ま
た実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせの
すべてが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0014】実施の形態1.図1は実施の形態1に係る
電流測定装置200の構成およびその使用状態を示す。
電流測定装置200は、検出ユニット12と測定ユニッ
ト18を含む。電源装置10は測定すべき電気配線22
(以下単に電気配線22とよぶ)を介して電子回路など
の負荷16に電流を供給している。この電流が測定の対
象である。検出ユニット12は円筒状の中空部14をも
ち、そこに電気配線22が通される。検出ユニット12
と測定ユニット18は信号バス24で連絡する。
【0015】図2は検出ユニット12の構成を示す。検
出ユニット12は、中空部14の中心から距離r離れた
箇所に薄板状または膜状の磁気抵抗素子30をもつ。磁
気抵抗素子30の上、下面にはそれぞれ電極32、34
が設けられ、それぞれ第一抵抗観測線38、第二抵抗観
測線40が結線されている。磁気抵抗素子30には熱電
対36が固着され、そこに熱観測線42が結線されてい
る。第一抵抗観測線38、第二抵抗観測線40および熱
観測線42が信号バス24を構成する。検出ユニット1
2全体は、金属などによる磁気シールド90によって外
部磁場から遮蔽されている。
【0016】磁気抵抗素子30はMR素子でもGMR素
子でもよい。MR素子は一般に、NiFe合金のような
強磁性体である。MR素子では、磁場による電気抵抗の
変化分が当該素子の磁化方向と電流方向のなす角度の余
弦の二乗に比例する。一方、GMR素子は巨大磁気抵抗
効果によって電気抵抗が変化する。以下、磁気抵抗素子
30の電気抵抗値をRmと表記する。
【0017】図3、図4はGMR素子の内部構成を示
す。図3は磁場がかかっていない状態、図4はかかって
いる状態である。これらの図に示すごとく、GMR素子
では、複数の強磁性層50が非磁性金属層52に分離さ
れる形で存在する。図3のごとく、外部磁場がないと
き、各強磁性層50の相対的磁化方向は互い違いにな
る。ある程度強い外部磁場がかかると、図4のごとく、
外部磁場に従って各強磁性層50の相対的磁化方向が一
致する。その結果、スピン散乱抵抗が変化し、素子全体
としての電気抵抗値が変化する。なお、GMR素子の例
として、FeとCrを交互に積層させたものや、Cu
(50Å)/Co(30Å)/Cu(50Å)/NiF
e(30Å)の4層を繰り返し積層させたものがある。
【0018】一般に磁気抵抗素子は膜状をしており、本
実施の形態に好適である。また、磁場によるRmの変化
率は、磁気抵抗素子がMR素子またはGMR素子として
の性質をもつ面積範囲において、その面積に依存しな
い。したがって、従来の磁気コイル測定法に比べ、一般
に小型化に向く。このため電流測定のために電気配線を
長くとる必要性も低くなり、電気配線のインダクタンス
を無用に増加させなくてすむ。その結果、電流の高周波
成分もより正確に測定することができる。
【0019】図5は測定ユニット18の構成を示す。測
定ユニット18はおもに、電気抵抗値測定部60と抵抗
・電流変換部66を含む。電気抵抗値測定部60は3個
の抵抗R1、R2、R3および磁気抵抗素子30を第4
の抵抗とするホイーストンブリッジと、ホイーストンブ
リッジの両端電位差を測定する電圧計62と、前記両端
電位差をもとにRmを計算する電気抵抗値算出部64を
含む。ホイーストンブリッジは電源電圧VDDと接地電
圧の間に置かれている。抵抗R1、R2、R3の電気抵
抗値、および磁気抵抗素子30が外部磁場ゼロの状態に
て呈する電気抵抗値(これを「Rm0」と表記する)が
すべて等しくなるよう予め抵抗を選んでおく。この構成
により、外部磁場がかかったとき、すなわち電気配線2
2に電流が流れたときであっても、Rmを正確に算出す
ることができる。
【0020】抵抗・電流変換部66は、RTテーブル6
8、RHテーブル70およびHIテーブル72を含む。
熱観測線42は抵抗・電流変換部66に入力される。R
Tテーブル68は、Rmと磁気抵抗素子30の雰囲気温
度Tの関係を記述する。一般に、Tが大きくなるとRm
も大きくなる。RTテーブル68は、予備実験にて検出
ユニット12の温度を変えながらRmを測定することで
作成できる。温度は熱観測線42によって伝達される。
RTテーブル68はRmから電気配線22に流れる電流
(以下「I」と表記する)を計算する際、温度補償に利
用する。
【0021】RHテーブル70は、Rmと磁気抵抗素子
30に作用する外部磁場Hの関係を記述する。RHテー
ブル70も、予備実験にて外部磁場を変えながらRmを
測定することで作成できる。実験は、磁気抵抗素子30
の雰囲気温度を一定値T0にして行うものとする。
【0022】HIテーブル72は、電流Iと外部磁場H
の関係を記述する。ただし、H=I/2πrなる関係は
実験を待たずに既知であるから、このテーブルの代わり
にこの式を保持していてもよい。
【0023】図6は以上の構成による電流の測定手順を
示す。まず、図1のように電気配線22を検出ユニット
12の中空部14に通し、電流測定装置200を初期状
態に設置する(S10)。つづいて、電源装置10から
負荷16への電流の供給を開始する。負荷16の動作モ
ードも所望のモードに設定する。これで被測定状態が実
現する(S12)。図2において電流は紙面垂直方向に
流れるため、磁界Hは図4に示す方向、またはその反対
方向に生じる。磁気抵抗素子30の電気抵抗値に関与す
る磁場は、磁気抵抗素子の膜面方向の成分であり、磁気
抵抗素子30を図2のように配置することで効率的な測
定が実現する。
【0024】つぎに、測定ユニット18の電気抵抗値測
定部60にて磁気抵抗素子30の電気抵抗値Rmを測定
する(S14)。測定されたRmは抵抗・電流変換部6
6へ伝達される。
【0025】抵抗・電流変換部66では、熱観測線42
にて送られた磁気抵抗素子30の雰囲気温度Tを取得
し、つづいてRTテーブル68を参照することによって
磁気抵抗素子30の電気抵抗値Rmを雰囲気温度T0の
ときの対応値(これをRm0と表記する)に変換し、温
度補償を実現する(S16)。
【0026】RHテーブルは温度T0において作成され
ているため、Rm0をもとに磁気抵抗素子30の外部磁
場Hが正しく求まる。その後、HIテーブル72によ
り、電気配線22に流れる電流Iが正しく求まる(S1
8)。
【0027】本実施の形態によれば、電気配線22に流
れる電流Iの直流成分と交流成分の両方を測定すること
ができる。従来の磁気コイルによる測定では直流成分の
測定が不可能なため、本実施の形態の有用性が理解され
る。
【0028】本実施の形態では、電気抵抗値の測定にホ
イーストンブリッジを用いたが、これは四端子抵抗法、
電圧降下法、ケルビンブリッジ法、電流比較ブリッジ法
などでもよい。また、磁気抵抗素子30の雰囲気温度の
測定は、熱電対に限る必要はなく、ガラス製温度計、圧
力式温度センサ、バイメタル温度センサ、サーミスタな
どの測定手段によってもよい。
【0029】本実施の形態のひとつの具体的なスケール
は以下のとおりである。磁気抵抗素子30の磁場感度を
10e程度、電流Iを数十mAとする。この電流を磁気
抵抗素子30で測定するには、磁気抵抗素子30と電気
配線22の距離rを数十μmにする必要がある。この距
離は実現可能な範囲であり、とくに以下述べる実施の形
態2においてより実現が容易である。より大きな電流を
測る場合、距離の制約は弱くなる。本実施の形態は原理
上いくらでも大きな電流を測定することができる。
【0030】実施の形態2.実施の形態2では、検出ユ
ニット12を基板状とし、電流測定の対象物であるデバ
イスを搭載するマウンタをその基板に設ける。図7は実
施の形態2に係る電流測定装置300の構成を示す。同
図において図1同等の構成には同一の符号を与え、その
説明を省略する。
【0031】検出ユニット12は、負荷16を搭載する
マウンタ82を有する。負荷16はIC、アドオンカー
ド、データストレージなどの所定機能をもつユニット装
置のほか、任意の電気機器または電子機器である。ここ
では負荷16を仮にICと考え、マウンタ82をICソ
ケットと考える。電気配線22は電源装置10とマウン
タ82の電源ピンを接続する。電気配線22上のある箇
所に磁気抵抗素子30を含む磁気抵抗形成部80が設け
られ、ここから信号バス24が測定ユニット18へ結線
されている。なお、電源装置10、測定ユニット18も
検出ユニット12上に搭載してもよい。
【0032】図8は、図7の磁気抵抗形成部80のA−
A断面を示す。磁気抵抗形成部80内には、磁気抵抗素
子30を電気配線22の直下に距離rで形成され、それ
らが4枚の磁気シールド90によって取り囲まれてい
る。これらの構成は、プリント基板作製技術を用いて検
出ユニット12の基板上に形成されてもよいし、半導体
デバイスを作製する技術によって形成されてもよい。
【0033】図9は磁気抵抗形成部80の別の構成を示
す。ここではふたつの電気配線22、22aのそれぞれ
に対応する磁気抵抗素子30、30aを設けることによ
り、これらふたつの電気配線22、22aに流れる電流
の同時測定が可能とされている。磁気シールドは、一方
の電気配線22とそれに対応する磁気抵抗素子30の
組、および他方の電気配線22aとそれに対応する磁気
抵抗素子30aの組のそれぞれを四方から取り囲むよう
形成されている。以上の構成による電流測定の手順は実
施の形態1同様である。
【0034】図9の構成の場合、例えば多数ピンを有す
るICの電源電流を測るとき、電源ピンの可能性のある
箇所に予め磁気抵抗形成部80を設けておくことで測定
の効率化が実現する。ただし、測定対象ピンは電源ピン
に限る必要はなく、本実施の形態でいずれのピンの電流
についても測定が可能である。
【0035】実施の形態2によれば、電気配線22と磁
気抵抗素子30が同一基板上に形成されるため、それら
の距離を小さくすることができる。また、それらは固定
されているため、相対距離が変わることはなく、測定誤
差を減らすことができる。電気配線22を測定のために
長くする必要もない。実施の形態2の電流測定装置30
0は、たとえばICの出荷試験のためのデバイス試験装
置として利用できる。
【0036】実施の形態3.実施の形態3は、電流の時
間微分という新しいパラメータが導出可能である。
【0037】図10、図11はそれぞれ測定ユニット、
磁気抵抗形成部80付近の別の実施の形態を示す。図1
1のごとく、電気配線22の線方向にふたつの磁気抵抗
形成部80a、80bが距離Lだけ離れて形成される。
ふたつの磁気抵抗形成部80a、80bにそれぞれ含ま
れる磁気抵抗素子30a、30bは、同じ外部磁場の中
で同じ電気抵抗値をもつとする。
【0038】ふたつの磁気抵抗素子30a、30bから
はそれぞれ第一抵抗観測線38a、38bおよび第二抵
抗観測線40a、40bが測定ユニット18へ出力され
ている。ふたつの磁気抵抗形成部80a、80bの距離
Lは十分小さく両者の雰囲気温度はほぼ同じとする。そ
のため、ただひとつの熱電対36が両者の間に設置さ
れ、熱観測線42が測定ユニット18へ結線されてい
る。
【0039】図11のごとく、測定ユニット18は電圧
測定部100と微分値算出部102を含む。電圧測定部
100は2個の抵抗R1、R2およびふたつの磁気抵抗
素子30a、30bを第3、第4の抵抗とするホイース
トンブリッジと、ホイーストンブリッジの両端電位差1
06を測定する電圧計62を含む。ホイーストンブリッ
ジは電源電圧VDDと接地電圧の間に置かれている。抵
抗R1、R2の電気抵抗値は外部磁場がないときの磁気
抵抗素子30a、30bの電気抵抗値に合わされてい
る。微分値算出部102は、RTテーブル68、RHテ
ーブル70およびHIテーブル72を含む。熱観測線4
2は微分値算出部102に入力される。
【0040】電気配線22に流れる電流Iが一定のと
き、ふたつの磁気抵抗素子30a、30bは同じ外部磁
場の中にあるので同じ電気抵抗値をもつ。したがって、
両端電位差106はゼロである。
【0041】一方の磁気抵抗素子30aの直上を流れる
電流が時刻tにおいてI+ΔIに変化したとする。これ
に応じて磁気抵抗素子30aの電気抵抗値(これをRと
する)はRからR+ΔRに変化する。電気抵抗値の変化
量ΔRは電流の変化量ΔIに比例するため、ΔR=k1
ΔIとなる。ただし、k1は定数であり、その値は実施
の形態1で述べたごとく、RTテーブル68、RHテー
ブル70、HIテーブル72から温度補償も考慮して求
められる。
【0042】他方、距離L離れた磁気抵抗素子30bに
流れる電流がI+ΔIとなるのは時刻t+Δtである。
Δtは距離Lに比例するのでΔt=k2Lとなる。k2
は検出ユニット12の基板としての成分、電気配線22
の成分等から定まる定数で、これも予備実験から求めら
れる。時刻tにおいて磁気抵抗素子30a、30bの電
気抵抗値は異なるので、両端電位差106をVとすれ
ば、
【0043】 V=ΔR・VDD/(4R+2ΔR) =k1ΔI・VDD/(4R+2k1ΔI) となる。これをΔIについてとくと、 ΔI=4RV/k1(VDD−2V) となる。したがって、電流の時間微分ΔI/Δtは、
【0044】 ΔI/Δt=4RV/k1k2L(VDD−2V) となり、電流の時間微分を求めることができる。なお、
図10の測定ユニット18と図5の測定ユニット18の
両方を有する測定ユニットを設けることも当然可能で、
その場合、電流の直流成分、交流成分および時間微分を
求めることができる。
【0045】以上、実施の形態を説明したが、本発明の
技術的な範囲はこれらの記載には限定されない。これら
の実施の形態に多様な変更または改良を加えうることは
当業者には理解されるところである。そうした変更また
は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得る
ことが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0046】
【発明の効果】本発明の電流測定技術により、電気配線
に流れる電流を比較的小さな構成で、比較的高い精度
で、交流、直流の両成分にわたって測定することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係る電流測定装置の構成図であ
る。
【図2】図1の検出ユニットの構成図である。
【図3】外部磁場がないときの図2の磁気抵抗素子の一
例の構成図である。
【図4】外部磁場があるときの図2の磁気抵抗素子の一
例の構成図である。
【図5】図1の測定ユニットの構成図である。
【図6】実施の形態1の処理手順を示すフローチャート
である。
【図7】実施の形態2に係る電流測定装置の構成図であ
る。
【図8】図7の磁気抵抗形成部の構成図である。
【図9】図7の磁気抵抗形成部の別の構成図である。
【図10】実施の形態3の測定ユニットの構成図であ
る。
【図11】実施の形態3の磁気抵抗形成部付近の構成図
である。
【符号の説明】
10 電源装置 12 検出ユニット 14 中空部 16 負荷 18 測定ユニット 22 電気配線 30,30a,30b 磁気抵抗素子 32,34 電極 36 熱電対 38,38a,38 第一抵抗観測線 40,40a,40b 第二抵抗観測線 42 熱観測線 60 電気抵抗値測定部 66 抵抗・電流変換部 64 電気抵抗値算出部 80,80a,80b 磁気抵抗形成部 82 マウンタ 90 磁気シールド 100 電圧測定部 102 微分値算出部 200,300 電流測定装置

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気配線に流れる電流を測定する装置で
    あって、 前記電流に起因する磁場に応じて電気抵抗値が変化する
    磁気抵抗素子を有する検出ユニットと、 前記電気抵抗値を観測することによって前記電流を測定
    する測定ユニットと、 を含むことを特徴とする電流測定装置。
  2. 【請求項2】 前記検出ユニットは、前記電気配線を通
    すための中空部を有することを特徴とする請求項1に記
    載の電流測定回路。
  3. 【請求項3】 前記検出ユニットは、前記電気配線およ
    び前記磁気抵抗素子が実装された基板を含むことを特徴
    とする請求項1に記載の電流測定装置。
  4. 【請求項4】 前記検出ユニットはさらに、電流測定の
    対象となるデバイスを搭載するマウンタを含み、前記電
    気配線は前記マウンタと電源装置の間で結線されること
    を特徴とする請求項3に記載の電流測定装置。
  5. 【請求項5】 前記磁気抵抗素子は、巨大磁気抵抗効果
    により電気抵抗が変化することを特徴とする請求項1か
    ら4のいずれかに記載の電流測定装置。
  6. 【請求項6】 前記磁気抵抗素子は、異方性磁気抵抗効
    果により電気抵抗が変化することを特徴とする請求項1
    から4のいずれかに記載の電流測定装置。
  7. 【請求項7】 前記検出ユニットは、複数の前記電気配
    線にそれぞれ対応する複数の前記磁気抵抗素子を備える
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の電
    流測定装置。
  8. 【請求項8】 前記検出ユニットは、一本の前記電気配
    線の異なる箇所に対応する複数の前記磁気抵抗素子を備
    えることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載
    の電流測定装置。
  9. 【請求項9】 前記測定ユニットは、前記複数の磁気抵
    抗素子の電気抵抗値の変化の時間差をもとに前記電流の
    時間微分を算出する微分値算出部をさらに含むことを特
    徴とする請求項8に記載の電流測定装置。
  10. 【請求項10】 前記検出ユニットはさらに、前記磁気
    抵抗素子を前記電流による磁場以外の磁場から遮蔽する
    磁気シールドを備える請求項1から9のいずれかに記載
    の電流測定装置。
  11. 【請求項11】 前記検出ユニットはさらに,前記磁気
    抵抗素子の雰囲気温度を検出する温度検出部を含む請求
    項1から10のいずれかに記載の電流測定装置。
  12. 【請求項12】 前記測定ユニットは、前記雰囲気温度
    をもとに前記電気抵抗値を補償して前記電流を求めるこ
    とを特徴とする請求項に記載の電流測定装置。
  13. 【請求項13】 電気配線に流れる電流を測定する方法
    であって、 磁気抵抗素子を前記電気配線に対応させて設置する段階
    と、 前記電気配線を被測定状態におく段階と、 前記被測定状態において前記磁気抵抗素子の電気抵抗値
    を観測する段階と、 前記電気抵抗値をもとに前記電流を算出する段階と、 を含むことを特徴とする電流測定方法。
  14. 【請求項14】 前記電流を算出する段階は、 前記電気抵抗値から前記磁気抵抗素子に作用する磁場を
    算出する段階と、 前記磁場を生むために前記電気配線に流れるべき前記電
    流の大きさを算出する段階と、 を含むことを特徴とする請求項13に記載の電流測定方
    法。
  15. 【請求項15】 該電流測定方法はさらに、前記磁気抵
    抗素子の雰囲気温度を測定する段階を含み、 前記電流を算出する段階はさらに、前記雰囲気温度をも
    とに前記電気抵抗値を補償する段階を含むことを特徴と
    する請求項13、14のいずれかに記載の電流測定方
    法。
  16. 【請求項16】 前記設置する段階は、一本の前記電気
    配線の異なる箇所に対応する複数の前記磁気抵抗素子を
    設置し、 該電流測定方法はさらに、前記複数の前記磁気抵抗素子
    の前記電気抵抗値の変化の時間差をもとに前記電流の時
    間微分を求める段階を含むことを特徴とする請求項13
    から15のいずれかに記載の電流測定方法。
JP11226506A 1999-08-10 1999-08-10 電流測定装置および電流測定方法 Pending JP2001050987A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11226506A JP2001050987A (ja) 1999-08-10 1999-08-10 電流測定装置および電流測定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11226506A JP2001050987A (ja) 1999-08-10 1999-08-10 電流測定装置および電流測定方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001050987A true JP2001050987A (ja) 2001-02-23

Family

ID=16846199

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11226506A Pending JP2001050987A (ja) 1999-08-10 1999-08-10 電流測定装置および電流測定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001050987A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2124067A1 (en) * 2007-03-14 2009-11-25 Tamura Corporation Current detector
KR101308710B1 (ko) 2012-08-21 2013-09-13 한국단자공업 주식회사 전류센서에서의 전류 검출방법
JP2013200251A (ja) * 2012-03-26 2013-10-03 Panasonic Corp 電力計測装置
JP2020139899A (ja) * 2019-03-01 2020-09-03 国立大学法人信州大学 電流センサ

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5975158A (ja) * 1982-10-22 1984-04-27 Mitsubishi Electric Corp 電流測定装置
JPS63253264A (ja) * 1987-04-09 1988-10-20 Fujitsu Ltd 電流検出器
JPH0650995A (ja) * 1992-07-30 1994-02-25 Ngk Insulators Ltd 零相電圧検出装置
JPH0792199A (ja) * 1993-07-28 1995-04-07 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電流センサ
JPH1026639A (ja) * 1996-07-11 1998-01-27 Hitachi Ltd 電流センサ及びこれを内蔵した電気装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5975158A (ja) * 1982-10-22 1984-04-27 Mitsubishi Electric Corp 電流測定装置
JPS63253264A (ja) * 1987-04-09 1988-10-20 Fujitsu Ltd 電流検出器
JPH0650995A (ja) * 1992-07-30 1994-02-25 Ngk Insulators Ltd 零相電圧検出装置
JPH0792199A (ja) * 1993-07-28 1995-04-07 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電流センサ
JPH1026639A (ja) * 1996-07-11 1998-01-27 Hitachi Ltd 電流センサ及びこれを内蔵した電気装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2124067A1 (en) * 2007-03-14 2009-11-25 Tamura Corporation Current detector
EP2124067A4 (en) * 2007-03-14 2013-07-10 Tamura Seisakusho Kk CURRENT DETECTOR
JP2013200251A (ja) * 2012-03-26 2013-10-03 Panasonic Corp 電力計測装置
KR101308710B1 (ko) 2012-08-21 2013-09-13 한국단자공업 주식회사 전류센서에서의 전류 검출방법
JP2020139899A (ja) * 2019-03-01 2020-09-03 国立大学法人信州大学 電流センサ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4930627B2 (ja) 磁気センサ
US7495541B2 (en) Current sensor
US7589612B2 (en) Current sensor
US7504927B2 (en) Current sensor
US8593134B2 (en) Current sensor
US7868613B2 (en) Magnetic sensor and manufacturing method thereof
JP6420665B2 (ja) 磁場を測定する磁気抵抗センサ
US7737678B2 (en) Magnetic sensor and current sensor
CN111308153A (zh) 具有集成电流导体的电流传感器
US20130278251A1 (en) Current sensor
US20080316655A1 (en) Current sensor and method of manufacturing current sensor
JP2003202365A (ja) 磁気センサ
JP5888402B2 (ja) 磁気センサ素子
KR20040078654A (ko) 이중목적센서로서 자기저항센서를 이용한 시스템 및 장치
JP2011064653A (ja) 磁気センサおよびその製造方法
US9207264B2 (en) Current sensor
JP5447616B2 (ja) 磁気センサの製造方法
US9116197B2 (en) Integrated interconnect and magnetic-field detector for current sensing
JP2001050987A (ja) 電流測定装置および電流測定方法
JP2011027633A (ja) 磁気センサおよびその製造方法
JP2001194391A (ja) 電流測定装置
JP5793681B2 (ja) 電力計測装置
WO2011155526A1 (ja) フラックスゲートセンサおよびそれを利用した電子方位計ならびに電流計

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060421

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080410

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080415

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080609

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080805

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20081202