JP2001050618A - 不凝縮ガス抽気装置及びこれを有する冷凍機 - Google Patents
不凝縮ガス抽気装置及びこれを有する冷凍機Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 装置を大型化することなく、騒音も少なく、
また冷凍機の停止中でも抽気可能な不凝縮ガス抽気装置
を提供する。 【解決手段】 冷凍機本体の凝縮器Bと抽気装置の凝縮
器38とを、抽気配管35により接続し、凝縮器24の
外壁には、ペルチェ素子40を配設し、凝縮器24の内
部に臨む凝縮フィン43で熱交換する熱を外部に臨む空
冷フィン42に輸送するように構成し、ペルチェ素子4
0の熱輸送機能により凝縮器38の内部を冷却して冷媒
ガスと不凝縮ガスの混合ガス中から冷媒ガスのみを凝縮
して不凝縮ガスを分離・抽出するようにしたものであ
る。
また冷凍機の停止中でも抽気可能な不凝縮ガス抽気装置
を提供する。 【解決手段】 冷凍機本体の凝縮器Bと抽気装置の凝縮
器38とを、抽気配管35により接続し、凝縮器24の
外壁には、ペルチェ素子40を配設し、凝縮器24の内
部に臨む凝縮フィン43で熱交換する熱を外部に臨む空
冷フィン42に輸送するように構成し、ペルチェ素子4
0の熱輸送機能により凝縮器38の内部を冷却して冷媒
ガスと不凝縮ガスの混合ガス中から冷媒ガスのみを凝縮
して不凝縮ガスを分離・抽出するようにしたものであ
る。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は不凝縮ガス抽気装置
及びこれを有する冷凍機に関し、特にターボ冷凍機等に
おいて、主冷媒系統に混入した凝縮不可能な空気等の気
体を除去する際に適用して有用なものである。 【0002】 【従来の技術】例えば、ターボ圧縮機を有するターボ冷
凍機において、主冷媒系統が真空になる低圧冷媒を使用
している場合には、空気等の不凝縮ガスが混入する。こ
の不凝縮ガスとは、当該冷凍機で作りだす程度の温度で
は凝縮しないガスをいう。この不凝縮ガスが冷凍機内に
混入した場合には、凝縮器において不凝縮ガスの分圧が
上昇し、その分冷媒ガスの分圧が降下するので、凝縮器
圧力を必要以上に高める必要がある。この結果、冷媒ガ
スの分圧が降下する分、余分な圧縮機出力が必要とな
り、冷凍機の効率を低下させる。かかる不都合を回避す
るためには、不凝縮ガスを冷凍機外へ定期的に放出する
必要がある。このために設置されるのが不凝縮ガス抽気
装置である。 【0003】従来技術に係るこの種の不凝縮ガス抽気装
置を図6に示す。同図は当該不凝縮ガス抽気装置をター
ボ冷凍機に組み込んだ状態で示す系統図である。同図に
示すように、当該ターボ冷凍機は、ターボ圧縮機Aで圧
縮した高温・高圧の冷媒ガスを凝縮器Bで冷却水と熱交
換することにより凝縮し、その後膨張弁Cで膨張した気
液混合状態の冷媒を蒸発器Dで冷水と熱交換することに
より蒸発させ、冷媒ガスとして再度ターボ圧縮機Aに供
給する循環系統を形成したものである。この循環系統を
主冷媒系統Iと称す。 【0004】一方、図6に示す抽気装置は圧縮式抽気方
式と呼称される抽気方式を実現するものである。さらに
証言すると、冷凍機本体の凝縮器Bと当該抽気装置の低
圧凝縮器4とは、抽気配管2及び水分を取り除く為のド
ライヤ3を介して接続されている。凝縮器B内の冷媒ガ
スと不凝縮ガスの混合ガスは、抽気配管2及びドライヤ
3を介して低圧凝縮器4に導入される。ここで、低圧凝
縮器4の内部には低圧凝縮器用の凝縮チューブ6が配設
してあり、冷却水ポンプ5で供給する冷却水により低圧
で冷媒ガスを凝縮するようになっている。低圧凝縮器4
で凝縮できなかった冷媒ガスと不凝縮ガスは、圧縮機7
で圧縮される。すなわち、圧縮機吸込圧力の降下により
凝縮器Bから冷媒ガスと不凝縮ガスが、抽気装置内へと
連続的に引き込まれる。 【0005】圧縮機7で圧縮されたガスは、圧縮機配管
8を通りオイルセパレータ9に流入し、ここで圧縮機オ
イルが分離される。分離された圧縮機オイルは油戻し配
管10を通り、圧縮機7の入口へと戻され、再び圧縮機
可動部の潤滑を行う。一方、分離・圧縮されたガスは高
圧凝縮器配管11を通り高圧凝縮器12に導かれ、低圧
凝縮器4と同様に内部に配された高圧凝縮器用の凝縮チ
ューブ13により冷媒ガスのみが凝縮され、不凝縮ガス
は高圧凝縮器12内に溜まる。この結果、高圧凝縮器1
2に接続されている圧力計14で計測する高圧凝縮器1
2の内部圧力がある一定値に達すると、開放電磁弁15
を開き、逆止弁16を介して不凝縮ガスを大気に開放す
る。一方、低圧凝縮器4及び高圧凝縮器12に溜まった
冷媒液は冷媒戻し用電磁弁19を開放することにより、
キャピラリーチューブ17により減圧され、冷媒戻し配
管18を介して冷凍機本体の蒸発器Dに戻る。 【0006】以上のサイクルを冷凍機本体の凝縮器Bに
溜まった不凝縮ガスが所定量に減少するまで繰り返す。
このとき、冷却水による冷却の代わりに冷凍機本体の凝
縮器Bから冷媒液を膨張弁を介して低圧及び高圧凝縮器
用の凝縮チューブ6、13に供給する冷却方式を用いて
も良い。 【0007】従来技術に係る抽気方式にはサーマルパー
ジ式と呼称される抽気方式も提案されている。このサー
マルパージ式に係る抽気装置を図7に示す。なお、同図
中、図6と同一部分には同一番号を付し、重複する説明
は省略する。 【0008】図6に示すように、冷凍機本体の凝縮器B
と当該抽気装置の凝縮部24とは、途中に抽気逆止弁2
2及び抽気電磁弁23が配設された抽気配管21により
接続してある。凝縮器24の内部には凝縮器Bから供給
する冷媒液が導かれている凝縮用の伝熱チューブ25が
配設してあり、当該凝縮器24の内部の気体と熱交換す
るようになっている。かくして、冷凍機の運転中は抽気
装置の凝縮器24で熱交換する結果、ここでは冷媒ガス
のみを凝縮する。このとき、抽気電磁弁23は開いてお
り、凝縮により降下した圧力の作用で冷凍機本体の凝縮
器24より冷媒ガスと不凝縮ガスを連続的に抽気する。 【0009】凝縮器24内の不凝縮ガスを大気開放する
ときは、抽気電磁弁23を閉じ、凝縮器Bからの冷媒ガ
ス及び不凝縮ガスの流れを遮断した後、開放電磁弁30
を開き、開放逆止弁31が配設された開放配管29を介
して不凝縮ガスを大気開放する。 【0010】凝縮器24には液面制御用のフロート26
が配設してあり、液面上限スイッチ27が投入されると
冷媒戻し電磁弁33が開く。このとき、抽気電磁弁23
は開いており、冷凍機本体の凝縮器Bの圧力と冷凍機本
体の蒸発器Dの圧力は凝縮器Bの方が大きいので、冷媒
液は冷媒戻し電磁弁33と冷媒戻し逆止弁34が配設さ
れた冷媒戻し配管32を通って冷凍機本体の蒸発器Dに
戻る。凝縮器24の冷媒液が減少して液面下限スイッチ
28が投入されると冷媒戻し電磁弁33を閉じ、再度冷
媒ガスを凝縮させる。このサイクルを図6に示す圧縮式
抽気装置のときと同様に不凝縮ガスが抽気できるまで繰
り返す。 【0011】上記図7に示す不凝縮ガス抽気装置のよう
に、冷凍機本体の冷媒を使用する冷媒冷却の代わりに、
図8に示すように、圧縮機1、水冷又は空冷の凝縮器2
0及び伝熱チューブ25で小型のコンデンシングユニッ
トを形成することにより冷媒ガスの凝縮を行わせること
もできる。かかる、コンデンシングユニットを形成する
(かかる方式をコンデンシングユニット付サーマルパー
ジ式抽気装置と称す。)ことによっても図6及び図7に
示す抽気装置と同様の不凝縮ガス抽気装置を構成するこ
とができる。なお、図8中、図6及び図7と同一部分に
は同一番号を付し重複する説明は省略する。 【0012】 【発明が解決しようとする課題】ところで、図6に示す
圧縮式抽気装置は、冷媒(フルオロカーボン等)を圧縮
するので、冷媒の種類により圧縮機の選定に制限がある
ばかりでなく、駆動部が多いことに起因して定期的な保
守、点検が必要となり、振動,騒音,装置の大型化を招
来する等の問題もある。図7に示すサーマルパージ式抽
気装置では、冷却熱源として冷媒を利用するため、凝縮
器と蒸発器に差圧が生じていない時、つまり冷凍機の停
止時には抽気装置の使用ができないという問題がある。
図8に示すコンデンシングユニット付サーマルパージ式
抽気装置では、冷凍機の停止中も抽気できるという利点
はあるが、振動及び騒音の発生、装置の大形化を招来す
るという問題がある。 【0013】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、
装置を大型化することなく、騒音も少なく、また冷凍機
の停止中でも抽気可能な不凝縮ガス抽気装置及びこれを
有する冷凍機を提供することを目的とする。 【0014】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の構成は、次の点を特徴とする。 【0015】1) 冷凍機の系内に混入した空気などの
不凝縮ガスと冷媒ガスとの混合ガスを抽気装置側の凝縮
器内に吸引し、この凝縮器で混合ガス中の冷媒ガスを凝
縮することにより不凝縮ガスを分離し、弁を介して外部
に排出するように構成した不凝縮ガス抽気装置におい
て、凝縮器内の熱をペルチェ素子を用いて外部に排出す
ることによりこの凝縮器の内部を冷却するようにしたこ
と。本発明によれば、ペルチェ素子の効果により、抽気
装置の凝縮部の温度は室温より30℃程度低くすること
ができる。したがって、冷凍機の停止時には冷凍機本体
の凝縮器の温度が室温に近いので、抽気装置の凝縮部で
は冷媒ガスの凝縮が起きる。冷凍機の運転時にも冷凍機
本体の凝縮器は室温以上となるので、やはり凝縮が起こ
る。すなわち、凝縮器において冷媒ガスを凝縮させるこ
とにより不凝縮ガスを良好に分離することができる。 【0016】2) 冷凍機の系内に混入した空気などの
不凝縮ガスと冷媒ガスとの混合ガスを抽気装置側の凝縮
器内に吸引し、この凝縮器で混合ガス中の冷媒ガスを凝
縮することにより不凝縮ガスを分離し、弁を介して外部
に排出するように構成した不凝縮ガス抽気装置におい
て、凝縮器内の熱をペルチェ素子を用いて外部に排出す
ることによりこの凝縮器の内部を冷却するとともに、凝
縮器の内部に臨む伝熱チューブに冷凍機の主系統の冷媒
液を流すことによりこの冷媒液によっても凝縮器の内部
を冷却するように構成したこと。本発明によれば、凝縮
器内は冷媒液によっても冷却されるので、上記1)に記
載した発明に較べ、冷凍機の運転時には抽気装置の凝縮
器において更なる低温が得られ、抽気装置の凝縮性能が
大幅に向上する。 【0017】3) 上記1)に記載する不凝縮ガス抽気
装置において、凝縮器の外部でペルチェ素子に接する放
熱部は冷却水で冷却することができるように構成したこ
と。本発明によれば、上記1)に記載する発明に較べ、
ペルチェ素子をより効果的に冷却することができるの
で、その分凝縮器の凝縮効率も向上する。 【0018】4) 上記2)に記載する不凝縮ガス抽気
装置において、凝縮器の外部でペルチェ素子に接する放
熱部は冷却水で冷却することができるように構成したこ
と。本発明によれば、上記2)に記載する発明に較べ、
ペルチェ素子をより効果的に冷却することができるの
で、その分凝縮器の凝縮効率も向上する。 【0019】5) 上記2)に記載する不凝縮ガス抽気
装置において、凝縮器の外部でペルチェ素子に接する放
熱部は主系統の冷媒液で冷却することができるように構
成したこと。本発明によれば、上記2)及び4)に記載
する発明に較べ、ペルチェ素子をより効果的に冷却する
ことができるので、その分凝縮器の凝縮効率も向上す
る。 【0020】6) 上記1)乃至上記5)に記載する何
れか1つの不凝縮ガス抽気装置において、不凝縮ガスを
大気に開放する際には、ペルチェ素子に通常時と逆の電
圧を印加して凝縮器の内部を加熱するようにしたこと。
本発明によれば、凝縮器の内部を加熱して大気圧<凝縮
器の内部圧力となるようにしてやる、すなわちペルチェ
素子をヒータとして使用し、凝縮器の内部を加熱して冷
媒の飽和蒸気圧を上昇させる。この結果、大気圧<凝縮
器の内部圧力の関係が成立したことを条件として弁を開
くことにより、凝縮器内の不凝縮ガスを大気に排出する
ことができる。ちなみに、冷凍機の停止時には、抽気装
置内の圧力が外気圧より低いので、このままでは不凝縮
ガスを抽気装置外へと大気開放する際に支障が生じる
が、本発明の如く、ペルチェ素子に印加する電圧を逆に
して、ペルチェ素子をヒータとして使用することによ
り、かかる支障を除去することができる。 【0021】7) 上記1)乃至上記6)に記載する何
れか1つの不凝縮ガス抽気装置を有すること。本発明に
よれば、冷凍機に系内に混入する冷媒ガスとの混合ガス
から不凝縮ガスを良好に分離・抽出してこれを大気に排
出することができ、不凝縮ガスの分圧による冷凍機の負
荷の増大を未然に防止し得る。 【0022】 【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に
基づき詳細に説明する。以下の各実施の形態は不凝縮ガ
ス抽気装置をターボ冷凍機に組み込んだ状態で示してい
る。そこで、図6乃至図8に示す従来技術と同一部分に
は同一番号を付し、重複する説明は省略する。なお、各
実施の形態に係る不凝縮ガス抽気装置を組み込む冷凍機
はターボ冷凍機に限定する必要はない。例えば、吸収冷
凍機であっても同様に組み込むことができ、同様の効果
を得る。 【0023】以下に説明する実施の形態では、従来技術
におけるサーマルパージ方式とほぼ同様な機器構成の下
で、抽気装置凝縮部に電気的な熱輸送手段であるペルチ
ェ素子を、外気熱交換用のフィン及びファン等とともに
取り付けて冷凍機の停止時にも冷媒の凝縮が可能なよう
にしたものである。ここで、「ペルチェ素子」とは、N
型とP型が対になった半導体素子で、直流電流を供給す
ることによって一方の面から他方の面に熱が移動すると
いう特性を持っており、この結果素子の片面が加熱さ
れ、反対側の面が冷却される。また、電圧を逆方向に印
加すると熱の移動方向が逆になるので、冷却装置とヒー
タとの両方に利用することができる。 【0024】具体的には次の通りである。図1は本発明
の第1の実施の形態に係る抽気装置をターボ冷凍機に組
み込んだ状態で示す系統図である。同図に示すように、
冷凍機本体の凝縮器Bと抽気装置の凝縮器38とは、途
中に抽気逆止弁36及び抽気電磁弁37を配設した抽気
配管35により接続されている。凝縮器38の内部に
は、図7に示す凝縮器24と同様に、冷媒が導かれてい
る凝縮用の伝熱チューブ39、液面検知用のフロート4
8、液面上限スイッチ49及び液面下限スイッチ50が
配設してある。凝縮器24の外壁には、ペルチェ素子4
0が配設してあり、凝縮器24の内部に臨む凝縮フィン
43で熱交換する熱を外部に臨む空冷フィン42に輸送
するように構成してある。ここで、空冷フィン42はフ
ァン44が送気する外気で強制空冷するようになってい
る。また、ペルチェ素子40は電源装置41から供給す
る電流で所定の熱輸送を行う。不凝縮ガス開放用の開放
電磁弁46及び開放逆止弁47は開放配管45に配設し
てある。また、凝縮器38は、冷凍機本体の蒸発器Dと
冷媒戻し電磁弁52及び冷媒戻し逆止弁53が配設され
た冷媒戻し配管51により接続してある。 【0025】かかる本形態によれば、ペルチェ素子40
の熱輸送機能により、抽気装置の凝縮器38の内部温度
は室温(外気温)より30℃程度低くすることができ
る。そこで、冷凍機の停止時には冷凍機本体の凝縮器B
の内部温度は室温に近いので、ペルチェ素子40で冷却
されている抽気装置の凝縮器38では冷媒ガスの凝縮が
起きる。冷凍機の運転時にも、冷凍機本体の凝縮器Bの
内部は室温以上となっているので、やはりペルチェ素子
40で冷却されている抽気装置の凝縮器38では冷媒ガ
スの凝縮が起こる。本形態では、さらに凝縮器38の内
部に臨む凝縮用の伝熱チューブ39に冷媒液を供給して
冷媒冷却も行い得るように構成しているので、冷凍機の
運転中には低温の冷媒がペルチェ素子40を冷却する。
この結果、さらなる低温が得られ、抽気装置の凝縮性能
を大幅に向上させることができる。 【0026】一方、冷凍機の停止時には、系内の圧力が
ほぼ同一なので冷媒液を蒸発器Dに戻すことと、抽気装
置内の圧力が外気圧より低いので、不凝縮ガスを抽気装
置外へと大気開放する際に特別な配慮が必要になる。す
なわち、このままでは、大気圧>凝縮器38の内部圧力
であるので、開放電磁弁46を開いても不凝縮ガスは外
部に排出されない。そこで、冷凍機の運転停止中に不凝
縮ガスを外部に抽気する際には、ペルチェ素子40に印
加する電圧を逆にして、ペルチェ素子40による熱輸送
の方向を逆にしてやり、凝縮器38の内部を加熱して大
気圧<凝縮器38の内部圧力となるようにしてやる。す
なわち、ペルチェ素子40をヒータとして使用し、凝縮
器38の内部を加熱して冷媒の飽和蒸気圧を上昇させ
る。このため、図示はしないが、凝縮器38はその内部
圧力を検出する圧力センサを有しており、この圧力セン
サで大気圧<凝縮器38の内部圧力の関係が成立したこ
とを条件として開放電磁弁46を開く。 【0027】さらに詳細に説明すると、冷凍機の停止時
には外気温度と冷凍機の系内温度はほぼ同一であるの
で、冷凍機内部の不凝縮ガスの量を冷媒飽和蒸気圧力か
ら計算し、その濃度が許容範囲外にある時に抽気装置の
電源を投入して抽気サイクルを動作させる。すなわち、
先ずペルチェ素子40に抽気装置の凝縮器38を冷却す
る方向に電圧を電源装置41により印加する。この結
果、ペルチェ効果により凝縮フィン43から空冷フィン
42の方向に熱が輸送されて凝縮器38の内部の温度が
下がり、その内部の冷媒ガスは冷媒液へと凝縮する。こ
の結果、凝縮した冷媒ガスの分圧分、凝縮器38の内部
圧力が降下し、冷凍機本体の凝縮器Bより抽気配管35
を通って冷媒ガスと不凝縮ガスを引き込む。かくして、
冷媒ガスが凝縮し続ける一方で、不凝縮ガスが凝縮器3
8内に溜まり続ける。 【0028】不凝縮ガスがある一定量溜まると大気に放
出しなければならない。放出時には抽気電磁弁37を閉
じ、電源装置41によりペルチェ素子40に印加する電
圧を逆方向にしてヒータとして使用する。このように加
熱することにより抽気装置の凝縮器38の内部圧力は上
昇し、大気圧より十分に高くなる。このように高くなっ
たところで開放電磁弁46を開き不凝縮ガスを大気開放
する。次に、凝縮器38の内部圧力が下がれば開放電磁
弁46を閉じて抽気電磁弁37を開き、電源装置41に
よるペルチェ素子40に対する印加電圧の向きを逆にし
て再度凝縮器38内の冷媒ガスを凝縮する。 【0029】凝縮した冷媒液の液面が上昇してフロート
48により液面上限スイッチ49が投入されると、抽気
電磁弁37を閉じる。凝縮器38と冷凍機本体の蒸発器
Dとの圧力は蒸発器Dの圧力の方が高いか、又はほぼ同
一であるので、冷媒戻し電磁弁52を開放するだけでは
冷媒液を蒸発器Dに戻すことができない。このため、不
凝縮ガスの大気開放時と同様にペルチェ素子40をヒー
タとして使用して凝縮器38の内部圧力を上昇させる。
このようにして凝縮器38の内部圧力が上昇すれば冷媒
戻し電磁弁52を開き、液面下限スイッチ50が投入さ
れるまで冷媒液を蒸発器Dに戻して冷媒戻し電磁弁52
を閉じ、凝縮器38の冷却を開始し、一定時間後に抽気
電磁弁37を開く。このサイクルを不凝縮ガスの抽気が
完了するまで繰り返す。 【0030】一方、冷凍機の運転時には、凝縮用の伝熱
チューブ39に低温の冷媒が導かれ、ペルチェ素子40
による冷却と併用することにより凝縮性能を向上させる
ことができ、さらには凝縮器38圧力が大気圧及び冷凍
機本体の蒸発器Dより高いので、不凝縮ガス開放時及び
冷媒液戻しのプロセスにおいてもペルチェ素子40をヒ
ータとして使用する必要はなく、このペルチェ素子40
に電流を供給する電源装置41をOFFにするだけで良
い。 【0031】図1に示す実施の形態において伝熱チュー
ブ39は必ずしも必要ではない。ペルチェ素子40によ
る凝縮器38の冷却だけで良い場合には省略することが
できる。この場合の実施の形態を第2の実施の形態とし
てその系統図を図2に示す。当該実施の形態によれば、
伝熱チューブ39による冷却を行うことができないだけ
で、ペルチェ素子40による冷却は第1の実施の形態の
場合と全く同様の態様で行われる。また、本形態によれ
ば、第1の実施の形態に較べ抽出装置の小型化、簡略化
を図ることができる。 【0032】図3は本発明の第3の実施の形態に係る抽
気装置をターボ冷凍機に組み込んだ状態で示す系統図で
ある。同図に示すように、本形態は、図1に示す第1の
実施の形態において、空冷フィン42及びファン44を
取り除き、代わりに水冷ユニット54、冷却水配管5
5、冷却水ポンプ56を取り付けてペルチェ素子40を
空冷から水冷にしたものである。したがって、ペルチェ
素子40の冷却効率が良好になる点を除けば、図1に示
す第1の実施の形態と全く同様の作用・効果を得る。 【0033】図4は本発明の第4の実施の形態に係る抽
気装置をターボ冷凍機に組み込んだ状態で示す系統図で
ある。同図に示すように、本形態は、図2に示す第2の
実施の形態において、空冷フィン42及びファン44を
取り除き、代わりに水冷ユニット54、冷却水配管5
5、冷却水ポンプ56を取り付けてペルチェ素子40を
空冷から水冷にしたものである。したがって、ペルチェ
素子40の冷却効率が良好になる点を除けば、図2に示
す第2の実施の形態と全く同様の作用・効果を得る。 【0034】図5は本発明の第5の実施の形態に係る抽
気装置をターボ冷凍機に組み込んだ状態で示す系統図で
ある。同図に示すように、本形態は、図4に示す第4の
実施の形態において、水冷ユニット54、冷却水配管5
5、冷却水ポンプ56を取り除き、代わりにペルチェ素
子40を冷媒冷却にするため、冷媒配管57及び冷媒ポ
ンプ58を取り付けて、蒸発器Dの冷媒液を冷媒ポンプ
で汲み上げて水冷ユニット54に供給するようにしたも
のである。したがって、ペルチェ素子40の冷却効率が
より高効率になる点を除けば、図4に示す第4の実施の
形態と全く同様の作用・効果を得る。 【0035】 【発明の効果】以上実施の形態とともに詳細に説明した
ように、〔請求項1〕に記載する発明は、冷凍機の系内
に混入した空気などの不凝縮ガスと冷媒ガスとの混合ガ
スを抽気装置側の凝縮器内に吸引し、この凝縮器で混合
ガス中の冷媒ガスを凝縮することにより不凝縮ガスを分
離し、弁を介して外部に排出するように構成した不凝縮
ガス抽気装置において、凝縮器内の熱をペルチェ素子を
用いて外部に排出することによりこの凝縮器の内部を冷
却するようにしたので、ペルチェ素子の効果により、抽
気装置の凝縮部の温度は室温より30℃程度低くするこ
とができ、当該凝縮器において冷媒ガスを凝縮させるこ
とにより不凝縮ガスを良好に分離することができる。こ
の結果、抽気装置の大型化を招来することなく、簡単な
構成で冷凍機内における不凝縮ガスを系外に容易に排出
することができる。また、可動部分がないため、メンテ
ナンスも簡単になるばかりでなく、騒音の発生源となる
こともない。 【0036】〔請求項2〕に記載する発明は、冷凍機の
系内に混入した空気などの不凝縮ガスと冷媒ガスとの混
合ガスを抽気装置側の凝縮器内に吸引し、この凝縮器で
混合ガス中の冷媒ガスを凝縮することにより不凝縮ガス
を分離し、弁を介して外部に排出するように構成した不
凝縮ガス抽気装置において、凝縮器内の熱をペルチェ素
子を用いて外部に排出することによりこの凝縮器の内部
を冷却するとともに、凝縮器の内部に臨む伝熱チューブ
に冷凍機の主系統の冷媒液を流すことによりこの冷媒液
によっても凝縮器の内部を冷却するように構成したの
で、凝縮器内は冷媒液によっても冷却され、〔請求項
1〕に記載した発明に較べ、冷凍機の運転時には抽気装
置の凝縮器において更なる低温が得られ、抽気装置の凝
縮性能が大幅に向上する。この結果、抽気装置のさらな
る小型化に寄与し得る。 【0037】〔請求項3〕に記載する発明は、〔請求項
1〕に記載する不凝縮ガス抽気装置において、凝縮器の
外部でペルチェ素子に接する放熱部は冷却水で冷却する
ことができるように構成したので、〔請求項1〕に記載
する発明に較べ、ペルチェ素子をより効果的に冷却する
ことができ、その分凝縮器の凝縮効率も向上する。この
結果、抽気装置のさらなる小型化に寄与し得る。 【0038】〔請求項4〕に記載する発明は、〔請求項
2〕に記載する不凝縮ガス抽気装置において、凝縮器の
外部でペルチェ素子に接する放熱部は冷却水で冷却する
ことができるように構成したので、〔請求項2〕に記載
する発明に較べ、ペルチェ素子をより効果的に冷却する
ことができ、その分凝縮器の凝縮効率も向上する。この
結果、抽気装置のさらなる小型化に寄与し得る。 【0039】〔請求項5〕に記載する発明は、〔請求項
2〕に記載する不凝縮ガス抽気装置において、凝縮器の
外部でペルチェ素子に接する放熱部は主系統の冷媒液で
冷却することができるように構成したので、上記〔請求
項2〕及び〔請求項4〕に記載する発明に較べ、ペルチ
ェ素子をより効果的に冷却することができ、その分凝縮
器の凝縮効率も向上する。この結果、抽気装置のさらな
る小型化に寄与し得る。 【0040】〔請求項6〕に記載する発明は、〔請求項
1〕乃至〔請求項5〕に記載する何れか1つの不凝縮ガ
ス抽気装置において、不凝縮ガスを大気に開放する際に
は、ペルチェ素子に通常時と逆の電圧を印加して凝縮器
の内部を加熱するようにしたので、凝縮器の内部を加熱
して大気圧<凝縮器の内部圧力となるようにしてやる、
すなわちペルチェ素子をヒータとして使用し、凝縮器の
内部を加熱して冷媒の飽和蒸気圧を上昇させることがで
きる。この結果、大気圧<凝縮器の内部圧力の関係が成
立したことを条件として弁を開くことにより、凝縮器内
の不凝縮ガスを大気に排出することができる。ちなみ
に、冷凍機の停止時には、抽気装置内の圧力が外気圧よ
り低いので、このままでは不凝縮ガスを抽気装置外へと
大気開放する際に支障が生じるが、本発明の如く、ペル
チェ素子に印加する電圧を逆にして、ペルチェ素子をヒ
ータとして使用することにより、かかる支障を除去する
ことができる。この結果、冷凍機の停止時であっても支
障なく不凝縮ガスを大気に排出することができる。 【0041】〔請求項7〕に記載する発明は、〔請求項
1〕乃至〔請求項6〕に記載する何れか1つの不凝縮ガ
ス抽気装置を有する冷凍機であるので、冷凍機に系内に
混入する冷媒ガスとの混合ガスから不凝縮ガスを良好に
分離してこれを大気に排出することができ、不凝縮ガス
の分圧による冷凍機の負荷の増大を未然に防止し得る。
すなわち、抽気装置が小型になる分、当該冷凍機の小型
化を図ることができる。
及びこれを有する冷凍機に関し、特にターボ冷凍機等に
おいて、主冷媒系統に混入した凝縮不可能な空気等の気
体を除去する際に適用して有用なものである。 【0002】 【従来の技術】例えば、ターボ圧縮機を有するターボ冷
凍機において、主冷媒系統が真空になる低圧冷媒を使用
している場合には、空気等の不凝縮ガスが混入する。こ
の不凝縮ガスとは、当該冷凍機で作りだす程度の温度で
は凝縮しないガスをいう。この不凝縮ガスが冷凍機内に
混入した場合には、凝縮器において不凝縮ガスの分圧が
上昇し、その分冷媒ガスの分圧が降下するので、凝縮器
圧力を必要以上に高める必要がある。この結果、冷媒ガ
スの分圧が降下する分、余分な圧縮機出力が必要とな
り、冷凍機の効率を低下させる。かかる不都合を回避す
るためには、不凝縮ガスを冷凍機外へ定期的に放出する
必要がある。このために設置されるのが不凝縮ガス抽気
装置である。 【0003】従来技術に係るこの種の不凝縮ガス抽気装
置を図6に示す。同図は当該不凝縮ガス抽気装置をター
ボ冷凍機に組み込んだ状態で示す系統図である。同図に
示すように、当該ターボ冷凍機は、ターボ圧縮機Aで圧
縮した高温・高圧の冷媒ガスを凝縮器Bで冷却水と熱交
換することにより凝縮し、その後膨張弁Cで膨張した気
液混合状態の冷媒を蒸発器Dで冷水と熱交換することに
より蒸発させ、冷媒ガスとして再度ターボ圧縮機Aに供
給する循環系統を形成したものである。この循環系統を
主冷媒系統Iと称す。 【0004】一方、図6に示す抽気装置は圧縮式抽気方
式と呼称される抽気方式を実現するものである。さらに
証言すると、冷凍機本体の凝縮器Bと当該抽気装置の低
圧凝縮器4とは、抽気配管2及び水分を取り除く為のド
ライヤ3を介して接続されている。凝縮器B内の冷媒ガ
スと不凝縮ガスの混合ガスは、抽気配管2及びドライヤ
3を介して低圧凝縮器4に導入される。ここで、低圧凝
縮器4の内部には低圧凝縮器用の凝縮チューブ6が配設
してあり、冷却水ポンプ5で供給する冷却水により低圧
で冷媒ガスを凝縮するようになっている。低圧凝縮器4
で凝縮できなかった冷媒ガスと不凝縮ガスは、圧縮機7
で圧縮される。すなわち、圧縮機吸込圧力の降下により
凝縮器Bから冷媒ガスと不凝縮ガスが、抽気装置内へと
連続的に引き込まれる。 【0005】圧縮機7で圧縮されたガスは、圧縮機配管
8を通りオイルセパレータ9に流入し、ここで圧縮機オ
イルが分離される。分離された圧縮機オイルは油戻し配
管10を通り、圧縮機7の入口へと戻され、再び圧縮機
可動部の潤滑を行う。一方、分離・圧縮されたガスは高
圧凝縮器配管11を通り高圧凝縮器12に導かれ、低圧
凝縮器4と同様に内部に配された高圧凝縮器用の凝縮チ
ューブ13により冷媒ガスのみが凝縮され、不凝縮ガス
は高圧凝縮器12内に溜まる。この結果、高圧凝縮器1
2に接続されている圧力計14で計測する高圧凝縮器1
2の内部圧力がある一定値に達すると、開放電磁弁15
を開き、逆止弁16を介して不凝縮ガスを大気に開放す
る。一方、低圧凝縮器4及び高圧凝縮器12に溜まった
冷媒液は冷媒戻し用電磁弁19を開放することにより、
キャピラリーチューブ17により減圧され、冷媒戻し配
管18を介して冷凍機本体の蒸発器Dに戻る。 【0006】以上のサイクルを冷凍機本体の凝縮器Bに
溜まった不凝縮ガスが所定量に減少するまで繰り返す。
このとき、冷却水による冷却の代わりに冷凍機本体の凝
縮器Bから冷媒液を膨張弁を介して低圧及び高圧凝縮器
用の凝縮チューブ6、13に供給する冷却方式を用いて
も良い。 【0007】従来技術に係る抽気方式にはサーマルパー
ジ式と呼称される抽気方式も提案されている。このサー
マルパージ式に係る抽気装置を図7に示す。なお、同図
中、図6と同一部分には同一番号を付し、重複する説明
は省略する。 【0008】図6に示すように、冷凍機本体の凝縮器B
と当該抽気装置の凝縮部24とは、途中に抽気逆止弁2
2及び抽気電磁弁23が配設された抽気配管21により
接続してある。凝縮器24の内部には凝縮器Bから供給
する冷媒液が導かれている凝縮用の伝熱チューブ25が
配設してあり、当該凝縮器24の内部の気体と熱交換す
るようになっている。かくして、冷凍機の運転中は抽気
装置の凝縮器24で熱交換する結果、ここでは冷媒ガス
のみを凝縮する。このとき、抽気電磁弁23は開いてお
り、凝縮により降下した圧力の作用で冷凍機本体の凝縮
器24より冷媒ガスと不凝縮ガスを連続的に抽気する。 【0009】凝縮器24内の不凝縮ガスを大気開放する
ときは、抽気電磁弁23を閉じ、凝縮器Bからの冷媒ガ
ス及び不凝縮ガスの流れを遮断した後、開放電磁弁30
を開き、開放逆止弁31が配設された開放配管29を介
して不凝縮ガスを大気開放する。 【0010】凝縮器24には液面制御用のフロート26
が配設してあり、液面上限スイッチ27が投入されると
冷媒戻し電磁弁33が開く。このとき、抽気電磁弁23
は開いており、冷凍機本体の凝縮器Bの圧力と冷凍機本
体の蒸発器Dの圧力は凝縮器Bの方が大きいので、冷媒
液は冷媒戻し電磁弁33と冷媒戻し逆止弁34が配設さ
れた冷媒戻し配管32を通って冷凍機本体の蒸発器Dに
戻る。凝縮器24の冷媒液が減少して液面下限スイッチ
28が投入されると冷媒戻し電磁弁33を閉じ、再度冷
媒ガスを凝縮させる。このサイクルを図6に示す圧縮式
抽気装置のときと同様に不凝縮ガスが抽気できるまで繰
り返す。 【0011】上記図7に示す不凝縮ガス抽気装置のよう
に、冷凍機本体の冷媒を使用する冷媒冷却の代わりに、
図8に示すように、圧縮機1、水冷又は空冷の凝縮器2
0及び伝熱チューブ25で小型のコンデンシングユニッ
トを形成することにより冷媒ガスの凝縮を行わせること
もできる。かかる、コンデンシングユニットを形成する
(かかる方式をコンデンシングユニット付サーマルパー
ジ式抽気装置と称す。)ことによっても図6及び図7に
示す抽気装置と同様の不凝縮ガス抽気装置を構成するこ
とができる。なお、図8中、図6及び図7と同一部分に
は同一番号を付し重複する説明は省略する。 【0012】 【発明が解決しようとする課題】ところで、図6に示す
圧縮式抽気装置は、冷媒(フルオロカーボン等)を圧縮
するので、冷媒の種類により圧縮機の選定に制限がある
ばかりでなく、駆動部が多いことに起因して定期的な保
守、点検が必要となり、振動,騒音,装置の大型化を招
来する等の問題もある。図7に示すサーマルパージ式抽
気装置では、冷却熱源として冷媒を利用するため、凝縮
器と蒸発器に差圧が生じていない時、つまり冷凍機の停
止時には抽気装置の使用ができないという問題がある。
図8に示すコンデンシングユニット付サーマルパージ式
抽気装置では、冷凍機の停止中も抽気できるという利点
はあるが、振動及び騒音の発生、装置の大形化を招来す
るという問題がある。 【0013】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、
装置を大型化することなく、騒音も少なく、また冷凍機
の停止中でも抽気可能な不凝縮ガス抽気装置及びこれを
有する冷凍機を提供することを目的とする。 【0014】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の構成は、次の点を特徴とする。 【0015】1) 冷凍機の系内に混入した空気などの
不凝縮ガスと冷媒ガスとの混合ガスを抽気装置側の凝縮
器内に吸引し、この凝縮器で混合ガス中の冷媒ガスを凝
縮することにより不凝縮ガスを分離し、弁を介して外部
に排出するように構成した不凝縮ガス抽気装置におい
て、凝縮器内の熱をペルチェ素子を用いて外部に排出す
ることによりこの凝縮器の内部を冷却するようにしたこ
と。本発明によれば、ペルチェ素子の効果により、抽気
装置の凝縮部の温度は室温より30℃程度低くすること
ができる。したがって、冷凍機の停止時には冷凍機本体
の凝縮器の温度が室温に近いので、抽気装置の凝縮部で
は冷媒ガスの凝縮が起きる。冷凍機の運転時にも冷凍機
本体の凝縮器は室温以上となるので、やはり凝縮が起こ
る。すなわち、凝縮器において冷媒ガスを凝縮させるこ
とにより不凝縮ガスを良好に分離することができる。 【0016】2) 冷凍機の系内に混入した空気などの
不凝縮ガスと冷媒ガスとの混合ガスを抽気装置側の凝縮
器内に吸引し、この凝縮器で混合ガス中の冷媒ガスを凝
縮することにより不凝縮ガスを分離し、弁を介して外部
に排出するように構成した不凝縮ガス抽気装置におい
て、凝縮器内の熱をペルチェ素子を用いて外部に排出す
ることによりこの凝縮器の内部を冷却するとともに、凝
縮器の内部に臨む伝熱チューブに冷凍機の主系統の冷媒
液を流すことによりこの冷媒液によっても凝縮器の内部
を冷却するように構成したこと。本発明によれば、凝縮
器内は冷媒液によっても冷却されるので、上記1)に記
載した発明に較べ、冷凍機の運転時には抽気装置の凝縮
器において更なる低温が得られ、抽気装置の凝縮性能が
大幅に向上する。 【0017】3) 上記1)に記載する不凝縮ガス抽気
装置において、凝縮器の外部でペルチェ素子に接する放
熱部は冷却水で冷却することができるように構成したこ
と。本発明によれば、上記1)に記載する発明に較べ、
ペルチェ素子をより効果的に冷却することができるの
で、その分凝縮器の凝縮効率も向上する。 【0018】4) 上記2)に記載する不凝縮ガス抽気
装置において、凝縮器の外部でペルチェ素子に接する放
熱部は冷却水で冷却することができるように構成したこ
と。本発明によれば、上記2)に記載する発明に較べ、
ペルチェ素子をより効果的に冷却することができるの
で、その分凝縮器の凝縮効率も向上する。 【0019】5) 上記2)に記載する不凝縮ガス抽気
装置において、凝縮器の外部でペルチェ素子に接する放
熱部は主系統の冷媒液で冷却することができるように構
成したこと。本発明によれば、上記2)及び4)に記載
する発明に較べ、ペルチェ素子をより効果的に冷却する
ことができるので、その分凝縮器の凝縮効率も向上す
る。 【0020】6) 上記1)乃至上記5)に記載する何
れか1つの不凝縮ガス抽気装置において、不凝縮ガスを
大気に開放する際には、ペルチェ素子に通常時と逆の電
圧を印加して凝縮器の内部を加熱するようにしたこと。
本発明によれば、凝縮器の内部を加熱して大気圧<凝縮
器の内部圧力となるようにしてやる、すなわちペルチェ
素子をヒータとして使用し、凝縮器の内部を加熱して冷
媒の飽和蒸気圧を上昇させる。この結果、大気圧<凝縮
器の内部圧力の関係が成立したことを条件として弁を開
くことにより、凝縮器内の不凝縮ガスを大気に排出する
ことができる。ちなみに、冷凍機の停止時には、抽気装
置内の圧力が外気圧より低いので、このままでは不凝縮
ガスを抽気装置外へと大気開放する際に支障が生じる
が、本発明の如く、ペルチェ素子に印加する電圧を逆に
して、ペルチェ素子をヒータとして使用することによ
り、かかる支障を除去することができる。 【0021】7) 上記1)乃至上記6)に記載する何
れか1つの不凝縮ガス抽気装置を有すること。本発明に
よれば、冷凍機に系内に混入する冷媒ガスとの混合ガス
から不凝縮ガスを良好に分離・抽出してこれを大気に排
出することができ、不凝縮ガスの分圧による冷凍機の負
荷の増大を未然に防止し得る。 【0022】 【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に
基づき詳細に説明する。以下の各実施の形態は不凝縮ガ
ス抽気装置をターボ冷凍機に組み込んだ状態で示してい
る。そこで、図6乃至図8に示す従来技術と同一部分に
は同一番号を付し、重複する説明は省略する。なお、各
実施の形態に係る不凝縮ガス抽気装置を組み込む冷凍機
はターボ冷凍機に限定する必要はない。例えば、吸収冷
凍機であっても同様に組み込むことができ、同様の効果
を得る。 【0023】以下に説明する実施の形態では、従来技術
におけるサーマルパージ方式とほぼ同様な機器構成の下
で、抽気装置凝縮部に電気的な熱輸送手段であるペルチ
ェ素子を、外気熱交換用のフィン及びファン等とともに
取り付けて冷凍機の停止時にも冷媒の凝縮が可能なよう
にしたものである。ここで、「ペルチェ素子」とは、N
型とP型が対になった半導体素子で、直流電流を供給す
ることによって一方の面から他方の面に熱が移動すると
いう特性を持っており、この結果素子の片面が加熱さ
れ、反対側の面が冷却される。また、電圧を逆方向に印
加すると熱の移動方向が逆になるので、冷却装置とヒー
タとの両方に利用することができる。 【0024】具体的には次の通りである。図1は本発明
の第1の実施の形態に係る抽気装置をターボ冷凍機に組
み込んだ状態で示す系統図である。同図に示すように、
冷凍機本体の凝縮器Bと抽気装置の凝縮器38とは、途
中に抽気逆止弁36及び抽気電磁弁37を配設した抽気
配管35により接続されている。凝縮器38の内部に
は、図7に示す凝縮器24と同様に、冷媒が導かれてい
る凝縮用の伝熱チューブ39、液面検知用のフロート4
8、液面上限スイッチ49及び液面下限スイッチ50が
配設してある。凝縮器24の外壁には、ペルチェ素子4
0が配設してあり、凝縮器24の内部に臨む凝縮フィン
43で熱交換する熱を外部に臨む空冷フィン42に輸送
するように構成してある。ここで、空冷フィン42はフ
ァン44が送気する外気で強制空冷するようになってい
る。また、ペルチェ素子40は電源装置41から供給す
る電流で所定の熱輸送を行う。不凝縮ガス開放用の開放
電磁弁46及び開放逆止弁47は開放配管45に配設し
てある。また、凝縮器38は、冷凍機本体の蒸発器Dと
冷媒戻し電磁弁52及び冷媒戻し逆止弁53が配設され
た冷媒戻し配管51により接続してある。 【0025】かかる本形態によれば、ペルチェ素子40
の熱輸送機能により、抽気装置の凝縮器38の内部温度
は室温(外気温)より30℃程度低くすることができ
る。そこで、冷凍機の停止時には冷凍機本体の凝縮器B
の内部温度は室温に近いので、ペルチェ素子40で冷却
されている抽気装置の凝縮器38では冷媒ガスの凝縮が
起きる。冷凍機の運転時にも、冷凍機本体の凝縮器Bの
内部は室温以上となっているので、やはりペルチェ素子
40で冷却されている抽気装置の凝縮器38では冷媒ガ
スの凝縮が起こる。本形態では、さらに凝縮器38の内
部に臨む凝縮用の伝熱チューブ39に冷媒液を供給して
冷媒冷却も行い得るように構成しているので、冷凍機の
運転中には低温の冷媒がペルチェ素子40を冷却する。
この結果、さらなる低温が得られ、抽気装置の凝縮性能
を大幅に向上させることができる。 【0026】一方、冷凍機の停止時には、系内の圧力が
ほぼ同一なので冷媒液を蒸発器Dに戻すことと、抽気装
置内の圧力が外気圧より低いので、不凝縮ガスを抽気装
置外へと大気開放する際に特別な配慮が必要になる。す
なわち、このままでは、大気圧>凝縮器38の内部圧力
であるので、開放電磁弁46を開いても不凝縮ガスは外
部に排出されない。そこで、冷凍機の運転停止中に不凝
縮ガスを外部に抽気する際には、ペルチェ素子40に印
加する電圧を逆にして、ペルチェ素子40による熱輸送
の方向を逆にしてやり、凝縮器38の内部を加熱して大
気圧<凝縮器38の内部圧力となるようにしてやる。す
なわち、ペルチェ素子40をヒータとして使用し、凝縮
器38の内部を加熱して冷媒の飽和蒸気圧を上昇させ
る。このため、図示はしないが、凝縮器38はその内部
圧力を検出する圧力センサを有しており、この圧力セン
サで大気圧<凝縮器38の内部圧力の関係が成立したこ
とを条件として開放電磁弁46を開く。 【0027】さらに詳細に説明すると、冷凍機の停止時
には外気温度と冷凍機の系内温度はほぼ同一であるの
で、冷凍機内部の不凝縮ガスの量を冷媒飽和蒸気圧力か
ら計算し、その濃度が許容範囲外にある時に抽気装置の
電源を投入して抽気サイクルを動作させる。すなわち、
先ずペルチェ素子40に抽気装置の凝縮器38を冷却す
る方向に電圧を電源装置41により印加する。この結
果、ペルチェ効果により凝縮フィン43から空冷フィン
42の方向に熱が輸送されて凝縮器38の内部の温度が
下がり、その内部の冷媒ガスは冷媒液へと凝縮する。こ
の結果、凝縮した冷媒ガスの分圧分、凝縮器38の内部
圧力が降下し、冷凍機本体の凝縮器Bより抽気配管35
を通って冷媒ガスと不凝縮ガスを引き込む。かくして、
冷媒ガスが凝縮し続ける一方で、不凝縮ガスが凝縮器3
8内に溜まり続ける。 【0028】不凝縮ガスがある一定量溜まると大気に放
出しなければならない。放出時には抽気電磁弁37を閉
じ、電源装置41によりペルチェ素子40に印加する電
圧を逆方向にしてヒータとして使用する。このように加
熱することにより抽気装置の凝縮器38の内部圧力は上
昇し、大気圧より十分に高くなる。このように高くなっ
たところで開放電磁弁46を開き不凝縮ガスを大気開放
する。次に、凝縮器38の内部圧力が下がれば開放電磁
弁46を閉じて抽気電磁弁37を開き、電源装置41に
よるペルチェ素子40に対する印加電圧の向きを逆にし
て再度凝縮器38内の冷媒ガスを凝縮する。 【0029】凝縮した冷媒液の液面が上昇してフロート
48により液面上限スイッチ49が投入されると、抽気
電磁弁37を閉じる。凝縮器38と冷凍機本体の蒸発器
Dとの圧力は蒸発器Dの圧力の方が高いか、又はほぼ同
一であるので、冷媒戻し電磁弁52を開放するだけでは
冷媒液を蒸発器Dに戻すことができない。このため、不
凝縮ガスの大気開放時と同様にペルチェ素子40をヒー
タとして使用して凝縮器38の内部圧力を上昇させる。
このようにして凝縮器38の内部圧力が上昇すれば冷媒
戻し電磁弁52を開き、液面下限スイッチ50が投入さ
れるまで冷媒液を蒸発器Dに戻して冷媒戻し電磁弁52
を閉じ、凝縮器38の冷却を開始し、一定時間後に抽気
電磁弁37を開く。このサイクルを不凝縮ガスの抽気が
完了するまで繰り返す。 【0030】一方、冷凍機の運転時には、凝縮用の伝熱
チューブ39に低温の冷媒が導かれ、ペルチェ素子40
による冷却と併用することにより凝縮性能を向上させる
ことができ、さらには凝縮器38圧力が大気圧及び冷凍
機本体の蒸発器Dより高いので、不凝縮ガス開放時及び
冷媒液戻しのプロセスにおいてもペルチェ素子40をヒ
ータとして使用する必要はなく、このペルチェ素子40
に電流を供給する電源装置41をOFFにするだけで良
い。 【0031】図1に示す実施の形態において伝熱チュー
ブ39は必ずしも必要ではない。ペルチェ素子40によ
る凝縮器38の冷却だけで良い場合には省略することが
できる。この場合の実施の形態を第2の実施の形態とし
てその系統図を図2に示す。当該実施の形態によれば、
伝熱チューブ39による冷却を行うことができないだけ
で、ペルチェ素子40による冷却は第1の実施の形態の
場合と全く同様の態様で行われる。また、本形態によれ
ば、第1の実施の形態に較べ抽出装置の小型化、簡略化
を図ることができる。 【0032】図3は本発明の第3の実施の形態に係る抽
気装置をターボ冷凍機に組み込んだ状態で示す系統図で
ある。同図に示すように、本形態は、図1に示す第1の
実施の形態において、空冷フィン42及びファン44を
取り除き、代わりに水冷ユニット54、冷却水配管5
5、冷却水ポンプ56を取り付けてペルチェ素子40を
空冷から水冷にしたものである。したがって、ペルチェ
素子40の冷却効率が良好になる点を除けば、図1に示
す第1の実施の形態と全く同様の作用・効果を得る。 【0033】図4は本発明の第4の実施の形態に係る抽
気装置をターボ冷凍機に組み込んだ状態で示す系統図で
ある。同図に示すように、本形態は、図2に示す第2の
実施の形態において、空冷フィン42及びファン44を
取り除き、代わりに水冷ユニット54、冷却水配管5
5、冷却水ポンプ56を取り付けてペルチェ素子40を
空冷から水冷にしたものである。したがって、ペルチェ
素子40の冷却効率が良好になる点を除けば、図2に示
す第2の実施の形態と全く同様の作用・効果を得る。 【0034】図5は本発明の第5の実施の形態に係る抽
気装置をターボ冷凍機に組み込んだ状態で示す系統図で
ある。同図に示すように、本形態は、図4に示す第4の
実施の形態において、水冷ユニット54、冷却水配管5
5、冷却水ポンプ56を取り除き、代わりにペルチェ素
子40を冷媒冷却にするため、冷媒配管57及び冷媒ポ
ンプ58を取り付けて、蒸発器Dの冷媒液を冷媒ポンプ
で汲み上げて水冷ユニット54に供給するようにしたも
のである。したがって、ペルチェ素子40の冷却効率が
より高効率になる点を除けば、図4に示す第4の実施の
形態と全く同様の作用・効果を得る。 【0035】 【発明の効果】以上実施の形態とともに詳細に説明した
ように、〔請求項1〕に記載する発明は、冷凍機の系内
に混入した空気などの不凝縮ガスと冷媒ガスとの混合ガ
スを抽気装置側の凝縮器内に吸引し、この凝縮器で混合
ガス中の冷媒ガスを凝縮することにより不凝縮ガスを分
離し、弁を介して外部に排出するように構成した不凝縮
ガス抽気装置において、凝縮器内の熱をペルチェ素子を
用いて外部に排出することによりこの凝縮器の内部を冷
却するようにしたので、ペルチェ素子の効果により、抽
気装置の凝縮部の温度は室温より30℃程度低くするこ
とができ、当該凝縮器において冷媒ガスを凝縮させるこ
とにより不凝縮ガスを良好に分離することができる。こ
の結果、抽気装置の大型化を招来することなく、簡単な
構成で冷凍機内における不凝縮ガスを系外に容易に排出
することができる。また、可動部分がないため、メンテ
ナンスも簡単になるばかりでなく、騒音の発生源となる
こともない。 【0036】〔請求項2〕に記載する発明は、冷凍機の
系内に混入した空気などの不凝縮ガスと冷媒ガスとの混
合ガスを抽気装置側の凝縮器内に吸引し、この凝縮器で
混合ガス中の冷媒ガスを凝縮することにより不凝縮ガス
を分離し、弁を介して外部に排出するように構成した不
凝縮ガス抽気装置において、凝縮器内の熱をペルチェ素
子を用いて外部に排出することによりこの凝縮器の内部
を冷却するとともに、凝縮器の内部に臨む伝熱チューブ
に冷凍機の主系統の冷媒液を流すことによりこの冷媒液
によっても凝縮器の内部を冷却するように構成したの
で、凝縮器内は冷媒液によっても冷却され、〔請求項
1〕に記載した発明に較べ、冷凍機の運転時には抽気装
置の凝縮器において更なる低温が得られ、抽気装置の凝
縮性能が大幅に向上する。この結果、抽気装置のさらな
る小型化に寄与し得る。 【0037】〔請求項3〕に記載する発明は、〔請求項
1〕に記載する不凝縮ガス抽気装置において、凝縮器の
外部でペルチェ素子に接する放熱部は冷却水で冷却する
ことができるように構成したので、〔請求項1〕に記載
する発明に較べ、ペルチェ素子をより効果的に冷却する
ことができ、その分凝縮器の凝縮効率も向上する。この
結果、抽気装置のさらなる小型化に寄与し得る。 【0038】〔請求項4〕に記載する発明は、〔請求項
2〕に記載する不凝縮ガス抽気装置において、凝縮器の
外部でペルチェ素子に接する放熱部は冷却水で冷却する
ことができるように構成したので、〔請求項2〕に記載
する発明に較べ、ペルチェ素子をより効果的に冷却する
ことができ、その分凝縮器の凝縮効率も向上する。この
結果、抽気装置のさらなる小型化に寄与し得る。 【0039】〔請求項5〕に記載する発明は、〔請求項
2〕に記載する不凝縮ガス抽気装置において、凝縮器の
外部でペルチェ素子に接する放熱部は主系統の冷媒液で
冷却することができるように構成したので、上記〔請求
項2〕及び〔請求項4〕に記載する発明に較べ、ペルチ
ェ素子をより効果的に冷却することができ、その分凝縮
器の凝縮効率も向上する。この結果、抽気装置のさらな
る小型化に寄与し得る。 【0040】〔請求項6〕に記載する発明は、〔請求項
1〕乃至〔請求項5〕に記載する何れか1つの不凝縮ガ
ス抽気装置において、不凝縮ガスを大気に開放する際に
は、ペルチェ素子に通常時と逆の電圧を印加して凝縮器
の内部を加熱するようにしたので、凝縮器の内部を加熱
して大気圧<凝縮器の内部圧力となるようにしてやる、
すなわちペルチェ素子をヒータとして使用し、凝縮器の
内部を加熱して冷媒の飽和蒸気圧を上昇させることがで
きる。この結果、大気圧<凝縮器の内部圧力の関係が成
立したことを条件として弁を開くことにより、凝縮器内
の不凝縮ガスを大気に排出することができる。ちなみ
に、冷凍機の停止時には、抽気装置内の圧力が外気圧よ
り低いので、このままでは不凝縮ガスを抽気装置外へと
大気開放する際に支障が生じるが、本発明の如く、ペル
チェ素子に印加する電圧を逆にして、ペルチェ素子をヒ
ータとして使用することにより、かかる支障を除去する
ことができる。この結果、冷凍機の停止時であっても支
障なく不凝縮ガスを大気に排出することができる。 【0041】〔請求項7〕に記載する発明は、〔請求項
1〕乃至〔請求項6〕に記載する何れか1つの不凝縮ガ
ス抽気装置を有する冷凍機であるので、冷凍機に系内に
混入する冷媒ガスとの混合ガスから不凝縮ガスを良好に
分離してこれを大気に排出することができ、不凝縮ガス
の分圧による冷凍機の負荷の増大を未然に防止し得る。
すなわち、抽気装置が小型になる分、当該冷凍機の小型
化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す系統図であ
る。 【図2】本発明の第2の実施の形態を示す系統図であ
る。 【図3】本発明の第3の実施の形態を示す系統図であ
る。 【図4】本発明の第4の実施の形態を示す系統図であ
る。 【図5】本発明の第5の実施の形態を示す系統図であ
る。 【図6】従来技術に係る圧縮式抽気装置をターボ冷凍機
に組み込んだ状態で示す系統図である。 【図7】従来技術に係るサーマルパージ式抽気装置をタ
ーボ冷凍機に組み込んだ状態で示す系統図である。 【図8】従来技術に係るコンデンシングユニット付サー
マルパージ式抽気装置をターボ冷凍機に組み込んだ状態
で示す系統図である。 【符号の説明】 I 主冷媒系 A ターボ圧縮機 B 凝縮器 C 膨張弁 D 蒸発器 35 抽気配管 36 抽気逆止弁 37 抽気電磁弁 38 凝縮器 39 伝熱チューブ 40 ペルチェ素子 41 電源装置 42 空冷フィン 43 凝縮フィン 44 ファン 45 開放配管 46 開放電磁弁 47 開放逆止弁 48 フロート 49 液面上限スイッチ 50 液面下限スイッチ 51 冷媒戻し配管 52 冷媒戻し電磁弁 53 冷媒戻し逆止弁 54 水冷ユニット 55 冷却水配管 56 冷却水ポンプ 57 冷媒配管 58 冷媒ポンプ
る。 【図2】本発明の第2の実施の形態を示す系統図であ
る。 【図3】本発明の第3の実施の形態を示す系統図であ
る。 【図4】本発明の第4の実施の形態を示す系統図であ
る。 【図5】本発明の第5の実施の形態を示す系統図であ
る。 【図6】従来技術に係る圧縮式抽気装置をターボ冷凍機
に組み込んだ状態で示す系統図である。 【図7】従来技術に係るサーマルパージ式抽気装置をタ
ーボ冷凍機に組み込んだ状態で示す系統図である。 【図8】従来技術に係るコンデンシングユニット付サー
マルパージ式抽気装置をターボ冷凍機に組み込んだ状態
で示す系統図である。 【符号の説明】 I 主冷媒系 A ターボ圧縮機 B 凝縮器 C 膨張弁 D 蒸発器 35 抽気配管 36 抽気逆止弁 37 抽気電磁弁 38 凝縮器 39 伝熱チューブ 40 ペルチェ素子 41 電源装置 42 空冷フィン 43 凝縮フィン 44 ファン 45 開放配管 46 開放電磁弁 47 開放逆止弁 48 フロート 49 液面上限スイッチ 50 液面下限スイッチ 51 冷媒戻し配管 52 冷媒戻し電磁弁 53 冷媒戻し逆止弁 54 水冷ユニット 55 冷却水配管 56 冷却水ポンプ 57 冷媒配管 58 冷媒ポンプ
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 冷凍機の系内に混入した空気などの不凝
縮ガスと冷媒ガスとの混合ガスを抽気装置側の凝縮器内
に吸引し、この凝縮器で混合ガス中の冷媒ガスを凝縮す
ることにより不凝縮ガスを分離し、弁を介して外部に排
出するように構成した不凝縮ガス抽気装置において、 凝縮器内の熱をペルチェ素子を用いて外部に排出するこ
とによりこの凝縮器の内部を冷却するようにしたことを
特徴とする不凝縮ガス抽気装置。 【請求項2】 冷凍機の系内に混入した空気などの不凝
縮ガスと冷媒ガスとの混合ガスを抽気装置側の凝縮器内
に吸引し、この凝縮器で混合ガス中の冷媒ガスを凝縮す
ることにより不凝縮ガスを分離し、弁を介して外部に排
出するように構成した不凝縮ガス抽気装置において、 凝縮器内の熱をペルチェ素子を用いて外部に排出するこ
とによりこの凝縮器の内部を冷却するとともに、凝縮器
の内部に臨む伝熱チューブに冷凍機の主系統の冷媒液を
流すことによりこの冷媒液によっても凝縮器の内部を冷
却するように構成したことを特徴とする不凝縮ガス抽気
装置。 【請求項3】 〔請求項1〕に記載する不凝縮ガス抽気
装置において、 凝縮器の外部でペルチェ素子に接する放熱部は冷却水で
冷却することができるように構成したことを特徴とする
不凝縮ガス抽気装置。 【請求項4】 〔請求項2〕に記載する不凝縮ガス抽気
装置において、 凝縮器の外部でペルチェ素子に接する放熱部は冷却水で
冷却することができるように構成したことを特徴とする
不凝縮ガス抽気装置。 【請求項5】 〔請求項2〕に記載する不凝縮ガス抽気
装置において、 凝縮器の外部でペルチェ素子に接する放熱部は主系統の
冷媒液で冷却することができるように構成したことを特
徴とする不凝縮ガス抽気装置。 【請求項6】 〔請求項1〕乃至〔請求項5〕に記載す
る何れか1つの不凝縮ガス抽気装置において、 不凝縮ガスを大気に開放する際には、ペルチェ素子に通
常時と逆の電圧を印加して凝縮器の内部を加熱するよう
にしたことを特徴とする不凝縮ガス抽気装置。 【請求項7】 〔請求項1〕乃至〔請求項6〕に記載す
る何れか1つの不凝縮ガス抽気装置を有することを特徴
とする冷凍機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11223899A JP2001050618A (ja) | 1999-08-06 | 1999-08-06 | 不凝縮ガス抽気装置及びこれを有する冷凍機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11223899A JP2001050618A (ja) | 1999-08-06 | 1999-08-06 | 不凝縮ガス抽気装置及びこれを有する冷凍機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001050618A true JP2001050618A (ja) | 2001-02-23 |
Family
ID=16805461
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11223899A Withdrawn JP2001050618A (ja) | 1999-08-06 | 1999-08-06 | 不凝縮ガス抽気装置及びこれを有する冷凍機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001050618A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1999
- 1999-08-06 JP JP11223899A patent/JP2001050618A/ja not_active Withdrawn
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KR20200109715A (ko) * | 2019-03-14 | 2020-09-23 | 박진규 | 냉장 및 냉동 시스템 |
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Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20061107 |