JP2001050107A - 内燃機関のピストン - Google Patents

内燃機関のピストン

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JP2001050107A
JP2001050107A JP11225945A JP22594599A JP2001050107A JP 2001050107 A JP2001050107 A JP 2001050107A JP 11225945 A JP11225945 A JP 11225945A JP 22594599 A JP22594599 A JP 22594599A JP 2001050107 A JP2001050107 A JP 2001050107A
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Japan
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piston
oil discharge
discharge groove
oil
skirt
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JP11225945A
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Hiroya Fujimoto
博也 藤本
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリンダ2壁面との隙間Sを十分に小さくす
る。ピストン下方空間よりピストンリング20に到達す
る余剰オイルの量を抑制する。 【解決手段】 ピストンヘッド部11の下側にピストン
ピンボス部12が設けられた基部10と、ピストンリン
グ20が外嵌するリング取付部14の下側に、ボス部1
2とステー16を介して連結するスカート部15が設け
られたピストン外周部13と、を有する。ピストンヘッ
ド部11の外周とリング取付部14の内周との間隙Dに
環状の吸収リング17を介装する。スカート部15の上
部に、略周方向に延び、スカート部15の縁部でピスト
ン下方空間に連通するオイル排出溝22を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車等の内燃
機関のピストンの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】図19,20は、一般的な従来の内燃機
関のピストンを示している。燃焼室50の一部を画成す
るピストン上部51の外周には、リング溝52が全周に
わたって凹設されており、このリング溝52に、シリン
ダ53の壁面に摺接するピストンリング54が嵌合され
ている。ピストン上部51の外周面とシリンダ53の内
壁面との間には、高温となる燃焼室50に臨んだピスト
ン上部51の径方向寸法の変化を適宜に吸収するよう
に、所定の隙間Lが確保されている。
【0003】また、リング溝52より下方のスカート部
55では、ピストン下方空間より隙間Lに浸入したオイ
ルによって、ピストンとシリンダとの摺動部を適宜に潤
滑するようになっている。
【0004】なお、これに類似するピストン構造が、例
えば特開平6−101566号公報に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の隙間Lは、あま
り大き過ぎると、圧縮漏れ,ピストン放熱不良,オイル
消費量の増加,ピストンスラップ等を生じるため、でき
るだけ小さい方が望ましい。しかしながら、上述したよ
うな従来のピストンでは、隙間Lをあまり小さくする
と、ピストン上部51の径方向寸法の変化を吸収でき
ず、シリンダ53壁面とのフリクションが過度に大きく
なってしまうため、この隙間Lを十分に小さくすること
が困難であった。
【0006】また、ピストン下方より隙間Lに浸入し、
ピストンリング54に到達した余剰のオイルが、主にピ
ストンリング54の合口部56(図20)を通って燃焼
室50側へ流入し、燃焼されると、オイル消費量が増
え、機関のメインテナンス性や排気清浄性が劣化してし
まう。
【0007】この対策として、リング溝52の下縁部5
2aに面取り部を形成して、ピストンリング54に到達
した余剰オイルを、面取り部を通して周方向に逃がすよ
うにすることが考えられる。しかしながら、このような
面取り部を形成すると、ピストンリング54の直下位置
で隙間Lが増加する形となるため、ギャップ量Gと隙間
Lとによって囲まれる合口部56の開口部が実質的に大
きくなる。この結果、漏れ通路面積が増加し、燃焼室5
0からピストン下方へ漏れるブローバイ量が更に増大し
てしまう。
【0008】特に、軽量化及びフリクションの低減化の
目的でピストンリング54を1本のみとした構成の場合
には、ピストンリング54の直上にガス圧力が作用する
とともに、直下にオイルが充満している、という非常に
過酷なシール状態となるため、上記のように面取り部を
形成して合口部56を増大させることは望ましくない。
【0009】本発明は、このような課題に鑑みてなされ
たものであり、シリンダ壁面との隙間を十分に小さくで
きるとともに、ピストンリングに到達する余剰オイルの
量を効果的に抑制し得る新規な内燃機関のピストンを提
供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る内
燃機関のピストンは、燃焼室の一部を画成するピストン
ヘッド部の下側にピストンピンボス部が設けられた基部
と、この基部の外周を覆うように配設され、ピストンリ
ングが外嵌する環状のリング取付部の下側に、上記ピス
トンピンボス部と連結するスカート部が設けられたピス
トン外周部と、上記ピストンヘッド部の外周面とリング
取付部の内周面との間隙に介装され、主にピストンヘッ
ド部の径方向寸法の変化を吸収する環状の吸収リング
と、を有し、上記スカート部の上部に、略周方向に延
び、スカート部の縁部でピストン下方空間に連通するオ
イル排出溝を形成したことを特徴としている。
【0011】この構成によれば、燃焼室に臨んだピスト
ンヘッド部の径方向寸法の変化が、ピストンヘッド部と
リング取付部との間隙に介装される吸収リングによって
適宜に吸収されるため、シリンダ壁面との隙間を十分に
小さくすることが可能である。
【0012】また、スカート部の外周面とシリンダ壁面
との隙間に浸入し、ピストンリングへ向かう余剰のオイ
ルが、オイル排出溝によって、速やかにピストン下方空
間に排出されるため、ピストンリングに到達する余剰オ
イルの量を効果的に低減することができる。
【0013】上記スカート部は、軽量化及びフリクショ
ンの低減化等を図るために、望ましくは、相対的に側圧
の小さいピストンピン軸方向が切り欠かれた形状とす
る。すなわち、請求項2の発明のように、ピストンリン
グの直ぐ下側の環状部と、この環状部より下方へ延び、
ピストンピン直交方向に互いに対向する一対のスカート
片部と、を有する構成とする。そして、上記オイル排出
溝は、上記スカート片部を跨ぐように周方向に延在し、
このスカート片部の側縁部又は環状部の下縁部でピスト
ン下方空間に連通する構成とする。
【0014】ところで、スカート部とシリンダ壁面との
隙間に形成される油膜によって、ピストンの耐荷重負荷
容量が適宜に向上される。一方、上記のオイル排出溝
は、余剰オイルが円滑に導入されるように、シリンダ壁
面との間に油膜を生成することのない寸法,形状となっ
ているため、オイル排出溝の部分でスカート部の油膜が
寸断されることとなる。従って、オイル排出溝は、ピス
トンの耐荷重負荷容量の低下を抑制するために、できる
だけピストンリングに近いスカート部の上側に配置され
る。
【0015】より好ましくは請求項3の発明のように、
オイル排出溝は、ピストンの耐荷重負荷容量の低下を最
小限に抑制するために、ピストンピン直交方向に対応す
る周方向部分、つまり周方向中央部分で、ピストン軸方
向に相対的に高くなるように設定されている。
【0016】上記オイル排出溝は、一本でも良いが、余
剰オイルの排出を促進するために、請求項4の発明のよ
うにピストン軸方向に間欠的に複数設けることもでき
る。
【0017】また、余剰オイルの排出を更に促進するた
めに、請求項5の発明では、上記オイル排出溝の底面と
スカート部の内周面とを連通するオイル排出孔を形成し
ている。
【0018】請求項6の発明に係るオイル排出溝は、ピ
ストンピン直交方向に対応する周方向部分、言い換える
とオイル排出溝の周方向中央部分で、確実に余剰オイル
を捕捉するように、通路断面積が相対的に大きくなるよ
うに設定されている。
【0019】これとは逆に、請求項7の発明に係るオイ
ル排出溝は、ピストンピン直交方向に対応する周方向部
分、言い換えるとオイル排出溝の周方向中央部分で、通
路断面積が相対的に小さくなるように設定されている。
この場合、オイル排出溝の中で、周方向中央部分の油圧
が相対的に高くなり、この中央部分からピストン下方空
間へ連通する部分へ余剰オイルが速やかに流れるように
なり、余剰オイルが速やかにピストン下方空間へ排出さ
れる。
【0020】このようにオイル排出溝の通路断面積を周
方向で変化させるために、例えば請求項8の発明では、
オイル排出溝の径方向深さを周方向で変化させている。
【0021】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、ピスト
ンの外周面とシリンダの内壁面との隙間を十分に小さく
することができるので、圧縮漏れ,ピストンの放熱不
良,オイル消費量,ピストンスラップ等を効果的に抑制
することができる。
【0022】また、オイル排出溝により余剰オイルが速
やかにピストン下方空間へ排出されるため、ピストンリ
ングに到達する余剰オイルの量が効果的に抑制される。
この結果、オイル消費量が更に抑制され、機関のメンテ
ナンス性が向上するとともに、排気の清浄化が更に促進
される。
【0023】
【発明の実施の形態】先ず、図1〜3を参照して、本発
明の第1実施例に係る内燃機関のピストンについて説明
する。
【0024】このピストンは、燃焼室4の一部を画成す
る円盤状のピストンヘッド部11の下側に、図外のピス
トンピンが嵌挿する挿通孔12aを有するピストンピン
ボス部12が一体に設けられた基部10と、この基部1
0の外周を覆うように配設され、環状のピストンリング
取付部14の下側にスカート部15が一体に設けられた
略円筒形状のピストン外周部13と、ピストンピンボス
部12とスカート部15とを連結するステー16と、に
より大略構成され、例えばアルミニウム合金等により各
部一体に成形されている。また、ピストン内部は、主に
軽量化を図るために、ピストンピンボス部12やステー
16を除いて空洞化されている。
【0025】ピストン上部では、リング取付部14の内
周面とピストンヘッド部11の外周面との間に、略一定
の径方向寸法の環状の間隙Dが全周にわたって形成され
ている。つまり、基部10とピストン外周部13とは、
ピストン下部でのみステー16を介して連結されてお
り、ピストン上部では間隙Dを介して分離している。こ
の間隙Dに、燃焼室4とピストン下方空間とを気密に画
成する環状の吸収リング17が介装されており、この吸
収リング17は、主にピストンヘッド部11の径方向寸
法の変化を吸収する機能を有している。そして、ピスト
ンヘッド部11,吸収リング17,及びリング取付部1
4の上面により、燃焼室4に臨んだピストン冠面18が
形成されている。
【0026】なお、吸収リング17の具体的な構造につ
いては、本出願人による特願平10−252437号に
詳しく記載されており、ここでは詳細な説明を省略する
が、例えば適宜な金属板材を箱形やチャンネル状に折曲
して形成され、径方向に変形可能な構造となっている。
【0027】リング取付部14には、一本のリング溝1
9が全周にわたって凹設されており、このリング溝19
に、シリンダ2の壁面に摺接する一つのピストンリング
20が外嵌されている。
【0028】スカート部15は、ここではピストン外周
部13の中でリング溝19よりも下側の部分を指してい
る。このスカート部15には、主に軽量化及び低フリク
ション化を図るために、側圧が相対的に低いピストンピ
ン軸方向Pに、ピストン下方空間へ連なる切欠部21が
2カ所に切欠形成されている。すなわち、スカート部1
5は、ピストンリング20の直ぐ下側に位置する環状部
15aと、この環状部15aより下方へ延び、ピストン
ピン直交方向(スラスト−反スラスト方向)Qに互いに
対向する一対のスカート片部15bと、により構成され
ている。
【0029】そして本実施例では、スカート部15の上
部に、ピストンリング20やリング溝19と平行に周方
向へ延びるオイル排出溝22が外周側に凹設されてい
る。このオイル排出溝22は、スカート片部15bを跨
ぐように延在しており、その両端部22aが、スカート
部15の縁部、詳しくはスカート片部15bの側縁部の
上端付近で、ピストン下方空間の一部をなす切欠部21
に連通,開放している。つまり、オイル排出溝22の両
端部22aが切欠部21へ開口している。
【0030】オイル排出溝22の断面形状は、スカート
部15に生じる応力等を勘案して設定されるもので、望
ましくは本実施例のように、適宜な曲率半径を有する滑
らかな曲面に形成されている。また、オイル排出溝22
は、余剰オイルが良好に導入されるように、ピストンの
ストロークによってシリンダ2壁面との間に油膜を生じ
ることのない形状や通路断面積に設定されている。具体
的には、オイル排出溝22の径方向深さは、例えば数μ
m〜数10μmでは油膜を生じて余剰オイルを円滑に導
入できない虞があるので、少なくとも数100μm以上
に設定される。
【0031】このようなオイル排出溝22は、例えばオ
イル排出溝に応じた形状の型を用いて鋳造時に同時に成
形され、あるいはオイル排出溝に応じた曲率形状を有す
るバイト等による旋削加工によって鋳造後に形成され
る。
【0032】なお、ピストン外周部13の外周面は、こ
の実施例では、リング溝19やオイル排出溝22を除
き、ピストン軸方向の全長にわたって同一外径のプロフ
ァイルに設定され、全長にわたってシリンダ2の内壁面
に僅かな隙間Sを介して対向している。
【0033】このような本実施例によれば、燃焼室4に
臨んだピストンヘッド部11の径方向寸法の変化が、ピ
ストンヘッド部11とリング取付部14との間隙Dに介
装される吸収リング17によって適宜に吸収されるた
め、シリンダ2壁面との隙間Sを十分に小さくすること
が可能である。この結果、燃焼室4より隙間に滞留する
未燃燃料が抑制され、排気清浄化が促進されるととも
に、圧縮漏れ,ピストンスラップ等が効果的に抑制され
る。また、一本のピストンリング20でシリンダ2壁面
との間を良好にシールすることが可能となり、軽量化,
コンパクト化を図ることができる。
【0034】更に、ピストンヘッド部11とリング取付
部14との間に間隙Dが形成されているため、ピストン
ヘッド部11からリング取付部14への熱流れが効果的
に抑制される。従って、機関の冷間時におけるピストン
冠面18の昇温特性が更に向上し、排気清浄化が促進さ
れる。
【0035】次に、オイル排出溝22を設けたことによ
る作用効果について説明する。
【0036】互いに対向,摺接するシリンダ2の内壁面
とスカート部15の外周面とを潤滑したオイルの一部
は、図1,2の矢印Y1に示すように、特にピストン下
降行程において、ピストンリング20へ向かって流れ込
もうとする。しかしながら、このような余剰のオイル
は、所定の形状,寸法を有するオイル排出溝22に適宜
に導入され、このオイル排出溝22内を周方向に流れ
(矢印Y2)、その両端部22aより切欠部21すなわ
ちピストン下方空間へ適宜に排出される(矢印Y3)。
この結果、ピストンリング20に到達する余剰オイルの
量が効果的に抑制され、ひいてはピストンリング20を
越えて燃焼室4へ浸入,燃焼されるオイルの消費量が抑
制されるので、機関のメンテナンス性が向上するととも
に、排気の清浄化が促進される。
【0037】更に言えば、仮にオイル排出溝22が形成
されていない場合には、ピストンリング20の直下位置
に余剰オイルが滞留して油圧が上昇するため、ピストン
リング20が押し上げられ、ピストンリング20とリン
グ溝19との間に隙間が生じてしまう(フラッタリング
現象)。この結果、この隙間を介してより多くの余剰オ
イルが燃焼室4側へ浸入してしまう。これに対し、本実
施例のようにオイル排出溝22を設けた場合、ピストン
リング20直下位置で、余剰オイルが迅速に排出される
ために、油圧の上昇が抑制される。この結果、上記のフ
ラッタリング現象が抑制され、気密性を良好に確保する
ことができる。
【0038】加えて、オイル排出溝22は、ピストンの
ストローク方向に直交する周方向に延びているため、ピ
ストンのストローク中に、切欠部21に飛散するオイル
が、オイル排出溝22の両端部22aよりオイル排出溝
22内へ浸入し、逆流する虞もほとんどない。
【0039】ところで、スカート部15の外周面とシリ
ンダ2の内壁面との隙間Sに形成される油膜により、ピ
ストンとしての耐荷重負荷容量が適宜に向上するように
なっている。これに対し、オイル排出溝22は、余剰オ
イルを円滑に導入するように、油膜が形成されない寸
法,形状に設定されている。この結果、オイル排出溝2
2の部分で油膜が寸断される形となり、油膜形成範囲が
オイル排出溝22より下側の部分に限定されてしまう。
【0040】そこで、図4,5に示す第2実施例では、
油膜形成範囲の減少による耐荷重負荷容量の低下を抑制
するために、オイル排出溝24を、第1実施例のオイル
排出溝22よりも更に上方へ配置させている。すなわ
ち、オイル排出溝24は、その上部がスカート部15の
環状部15aに差し掛かるように全周にわたって形成さ
れており、環状部15aの下縁部及びスカート片部15
bの側縁部の双方で、切欠部21に開放,連通してい
る。なお、その他の構成は第1実施例と同様である。
【0041】また、主に余剰オイルの排出能力を向上さ
せるために、オイル排出溝をピストン軸方向に複数形成
しても良い。例えば図6,7に示す第3実施例では、各
スカート片部15bに対して、上記2つのオイル排出溝
22,24を、ピストン軸方向に間欠的に形成してい
る。
【0042】更に、第2実施例の溝位置においてもスカ
ート部15の油膜形成範囲が不十分な場合、図8,9に
示す第4実施例のように、オイル排出溝26の中で、ピ
ストンピン直交方向(スラスト−反スラスト方向)Qに
対応する周方向部分26a、つまりスカート片部15b
やオイル排出溝26の周方向中央部分26aが、相対的
に上方に位置するように、オイル排出溝26を上方に向
かって凸な湾曲形状に形成している。これにより、オイ
ル排出溝26としての機能を損なうことなく、オイル排
出溝26より下方に位置するスカート部15の油膜形成
範囲を更に広くすることができる。
【0043】図10〜12に示す第5実施例では、第1
実施例のようなオイル排出溝22の底面と、スカート部
15の内周面とを連通するオイル排出孔28を、片方の
スカート片部15bあたり2カ所に穿設している。この
場合、オイル排出溝22に導入された余剰オイルが、オ
イル排出孔28からもピストン裏面側に排出されるた
め、より迅速に余剰オイルを排出することができる。
【0044】なお、各オイル排出孔28は、余剰オイル
がピストン内側の空間よりオイル排出溝22側へ逆流す
ることなく、オイル排出溝22からピストン内側空間へ
速やかに排出されるように、オイル排出溝22の底面か
らピストン外周部13の内周面へ向けて下方へ適宜に傾
斜している。
【0045】図13〜15は、本発明の第6実施例を示
している。ここでは、シリンダ2壁面により囲われるオ
イル排出溝30の通路断面積が、ピストンピン直交方向
(スラスト−反スラスト方向)Qに対応する周方向部分
30a、すなわちオイル排出溝30やスカート片部15
bの周方向中央部30aで、相対的に大きくなるように
設定されている。つまり、オイル排出溝30は、周方向
中央部30aの径方向深さh1が、周方向両端部30b
の径方向深さh2よりも深くなるように形成されてい
る。これにより、余剰オイルが集中するとともに油圧が
上昇し易いオイル排出溝30の周方向中央部30aで、
十分なオイル溜め容積が確保され、余剰オイルをより確
実に捕捉することができる。
【0046】しかしながら、このようにオイル排出溝3
0の中央部30aの断面積を大きくした場合、この中央
部30aで油圧が相対的に低くなるため、中央部30a
から端部30bへ向かうオイルの流れが緩慢になってし
まい、余剰オイルが迅速に排出されないことがある。こ
のような場合には、第5実施例のオイル排出孔28を併
用し、主にオイル排出孔28よりオイル排出溝30内の
余剰オイルを排出すれば良い。
【0047】図16〜18に示す第7実施例では、上記
第6実施例とは逆に、オイル排出溝32の通路断面積
が、ピストンピン直交方向(スラスト−反スラスト方
向)Qに対応する周方向部分32b、すなわちオイル排
出溝32やスカート片部15bの周方向中央部分32a
で、相対的に小さくなるように設定している。具体的に
は、オイル排出溝32の周方向中央部32aの径方向深
さh3を、周方向両端部32bの径方向深さh4よりも
浅く設定している。
【0048】これにより、オイル排出溝32の中で、中
央部32aの圧力が両端部32bの圧力よりも高い分布
状態(静圧)に設定されるため、圧力差によって中央部
32aから両端部32bへのオイル流れが促進され、余
剰オイルを両端部32bより速やかに排出することがで
きる。なお、このような構成により良好にオイルが排出
されるようであれば、敢えて第5実施例のようなオイル
排出孔28を設ける必要はない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る内燃機関のピストン
を示す断面図。
【図2】第1実施例のピストンを示す正面図。
【図3】第1〜7実施例のピストンの上面図。
【図4】本発明の第2実施例に係る内燃機関のピストン
を示す断面図。
【図5】第2実施例のピストンを示す正面図。
【図6】本発明の第3実施例に係る内燃機関のピストン
を示す断面図。
【図7】第3実施例のピストンを示す正面図。
【図8】本発明の第4実施例に係る内燃機関のピストン
を示す断面図。
【図9】第4実施例のピストンを示す正面図。
【図10】本発明の第5実施例に係る内燃機関のピスト
ンを示す縦断面図。
【図11】第5実施例のピストンを示す正面図。
【図12】第5実施例のピストンを示す横断面図。
【図13】本発明の第6実施例に係る内燃機関のピスト
ンを示す縦断面図。
【図14】第6実施例のピストンを示す正面図。
【図15】第6実施例のピストンを示す横断面図。
【図16】本発明の第7実施例に係る内燃機関のピスト
ンを示す縦断面図。
【図17】第7実施例のピストンを示す正面図。
【図18】第7実施例のピストンを示す横断面図。
【図19】従来例に係るピストンのピストンリング近傍
の断面図。
【図20】従来例に係るピストンのピストンリングの合
口部を示す斜視図。
【符号の説明】
2…シリンダ 4…燃焼室 11…ピストンヘッド部 12…ピストンピンボス部 13…ピストン外周部 14…リング取付部 15…スカート部 15a…環状部 15b…スカート片部 17…吸収リング 20…ピストンリング 22,24,26,30,32…オイル排出溝 28…オイル排出孔

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼室の一部を画成するピストンヘッド
    部の下側にピストンピンボス部が設けられた基部と、 この基部の外周を覆うように配設され、ピストンリング
    が外嵌する環状のリング取付部の下側に、上記ピストン
    ピンボス部と連結するスカート部が設けられたピストン
    外周部と、 上記ピストンヘッド部の外周面とリング取付部の内周面
    との間隙に介装され、主にピストンヘッド部の径方向寸
    法の変化を吸収する環状の吸収リングと、を有し、 上記スカート部の上部に、略周方向に延び、スカート部
    の縁部でピストン下方空間に連通するオイル排出溝を形
    成したことを特徴とする内燃機関のピストン。
  2. 【請求項2】 上記スカート部は、ピストンリングの直
    ぐ下側の環状部と、この環状部より下方へ延び、ピスト
    ンピン直交方向に互いに対向する一対のスカート片部
    と、を有し、 上記オイル排出溝は、上記スカート片部を跨ぐように周
    方向に延在し、このスカート片部の側縁部又は環状部の
    下縁部でピストン下方空間に連通していることを特徴と
    する請求項1に記載の内燃機関のピストン。
  3. 【請求項3】 上記オイル排出溝は、ピストンピン直交
    方向に対応する周方向部分で、ピストン軸方向に相対的
    に高くなるように設定されていることを特徴とする請求
    項1又は2に記載の内燃機関のピストン。
  4. 【請求項4】 上記オイル排出溝は、ピストン軸方向に
    間欠的に複数設けられていることを特徴とする請求項1
    〜3のいずれかに記載の内燃機関のピストン。
  5. 【請求項5】 上記オイル排出溝の底面とスカート部の
    内周面とを連通するオイル排出孔を形成したことを特徴
    とする請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関のピス
    トン。
  6. 【請求項6】 上記オイル排出溝は、ピストンピン直交
    方向に対応する周方向部分で、通路断面積が相対的に大
    きくなるように設定されていることを特徴とする請求項
    1〜5のいずれかに記載の内燃機関のピストン。
  7. 【請求項7】 上記オイル排出溝は、ピストンピン直交
    方向に対応する周方向部分で、通路断面積が相対的に小
    さくなるように設定されていることを特徴とする請求項
    1〜5のいずれかに記載の内燃機関のピストン。
  8. 【請求項8】 上記オイル排出溝の通路断面積が周方向
    で変化するように、オイル排出溝の径方向深さを周方向
    で変化させたことを特徴とする請求項6又は7に記載の
    内燃機関のピストン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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