JP2001049756A - 不燃性心材とその不燃性心材を用いた断熱壁及びその施工方法 - Google Patents

不燃性心材とその不燃性心材を用いた断熱壁及びその施工方法

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JP2001049756A
JP2001049756A JP22257399A JP22257399A JP2001049756A JP 2001049756 A JP2001049756 A JP 2001049756A JP 22257399 A JP22257399 A JP 22257399A JP 22257399 A JP22257399 A JP 22257399A JP 2001049756 A JP2001049756 A JP 2001049756A
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heat insulating
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inorganic
wall
combustible
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JP22257399A
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English (en)
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Kazufusa Mitani
一房 三谷
Kozo Hayashi
宏三 林
Kyoichi Fujimoto
恭一 藤本
Hideki Kishino
英樹 岸野
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Obayashi Corp
Tokiwa Electric Co Ltd
Original Assignee
Obayashi Corp
Tokiwa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高強度で不燃性の断熱層を効率よく形成する
ことができる不燃性心材とこの不燃性心材を用いた断熱
壁及びその施工方法を提供する。 【解決手段】 ハニカム状の不燃性心材24と無機発泡
体粒子を含有する無機系断熱材22とで断熱層20を構
成する断熱壁10を形成する。上記不燃性心材として、
そのセル24a空間内に上記無機系断熱材を滞留させる
べく用いられる不燃性心材を用いる。その断熱壁の施工
方法は、壁下地12上の未硬化のモルタル層16上に、
上記心材を張り付けモルタル層の硬化によって心材を固
着させた後、上記セル空間に無機系断熱材を充填して断
熱層を形成する。または、未硬化の無機系断熱材を溜め
た型枠内に、上記心材を浸漬させ、無機系断熱材の硬化
後に脱型して断熱パネルを形成し、壁下地上の未硬化の
モルタル層上に、上記断熱パネルを張り付けて、モルタ
ル層を硬化させて断熱層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物等に無機系断
熱材を用いて形成される断熱壁とその断熱壁に用いられ
る心材及びその断熱壁の施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建物外周壁の断熱材として、発泡
プラスチック系断熱材が一般的に用いられ、特に施工性
が良く、コストを低く抑えられる吹き付け硬質ウレタン
フォームが最も一般的に用いられてきた。
【0003】しかし、この吹き付け硬質ウレタンフォー
ムは、可燃性であるため、施工中に火災事故を引き起こ
す虞があり、不燃性の断熱材が求められている。
【0004】また、この硬質ウレタンフォームは、吹き
付けて形成される断熱層の熱伝導性を低く抑えるため
に、発泡剤としてフロンガスを用いることが不可欠であ
った。しかし、周知の通りフロンガスは地球を取り巻く
オゾン層を破壊するため、地球環境保護の見地から、フ
ロンを使用しない断熱材が求められている。
【0005】そして、これらの要望に適合する断熱材と
して、不燃性材料でなり、施工時に有害なガスが発生し
ない無機系断熱材があり、これを用いた断熱壁が注目さ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の無機系断熱材は、その施工時に断熱材を発泡させな
いためフロンガスを使用しないという利点を有する反
面、発泡させないために吹き付け後にその体積が増大す
ることもなく、吹き付けた断熱材そのものの厚さによっ
て断熱層を形成しなければならないという問題点を有し
ている。
【0007】即ち、吹き付けによる作業性を考慮して低
い粘性に形成されている無機系断熱材は、吹き付けた状
態ではフォーム状をなさず、流動性を有している。従っ
て、この無機系断熱材を一度に多量に吹き付けて断熱層
の厚さを確保しようとすると、吹き付けた断熱材が垂れ
て断熱層の厚さが均一にならない。また、複数回に分け
て吹き付けを行うと多大な手間がかかり作業効率が悪い
など、無機系断熱材は断熱層として必要な厚さに形成す
ることが難しく、その厚さ管理も困難であった。
【0008】さらに、この断熱壁の施工過程において断
熱材が固化する間に生じる無機系断熱材の収縮や、施工
後に外部から加えられる衝撃によって、断熱層に剥離や
ひび割れが生じ易いという課題があった。
【0009】そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑み
て成されたもので、高強度で不燃性の断熱層を効率よく
形成することができる不燃性心材とこの不燃性心材を用
いた断熱壁及びその施工方法を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに本発明の請求項1に示す不燃性心材は、セルがハニ
カム状に形成され、建物の壁に形成される断熱層を構成
する心材であって、該心材が不燃材で形成されるととも
に、そのセル空間内に無機発泡体粒子を含有する無機系
断熱材を滞留させるべく用いられることを特徴とする。
【0011】即ち、ハニカム状の心材のセル空間内に無
機発泡体粒子を含有する無機系断熱材を滞留させて断熱
層を形成するので、従来のフォーム状をなす断熱材より
粘性が低くフロンガスを用いない無機系断熱材であって
も、心材によってそのセル空間内に滞留させて充填する
ことができるため、容易に適宜厚さを有する断熱層を形
成することができる。さらに、予め心材の厚さを所望の
断熱層の厚さに合わせておくと、施工した断熱層の厚さ
を測ることなく所望の厚さの断熱層を形成することがで
きる。
【0012】また、断熱層に用いられる心材が有するセ
ルによって断熱層の壁面が細かく分割されているので、
各セル内部に滞留して充填された無機系断熱材が硬化す
る際に収縮しても、その収縮がセル外に影響せず収縮に
よる変化が小さいため、ひび割れが生じにくい。
【0013】さらに、心材を用いたことによって断熱層
自身の強度も高められるので、外部からの衝撃にも強い
断熱層を形成することができる。
【0014】また、断熱層の心材が不燃材で形成され、
そのセル内に滞留される断熱材も無機発泡体粒子を含有
する無機系断熱材なので、断熱層内には可燃物が存在せ
ず、不燃性の断熱層を形成することができる。このた
め、この断熱層上に仕上げ材を施工する場合には、その
断熱層上にセメント系ボードやケイ酸カルシウム板など
の防火材を介在させることなく、直接仕上げ材を施工す
ることができるので、施工の簡略化やコストの削減を図
ることができる。
【0015】また、本発明の請求項2に示す不燃性心材
を用いた断熱壁の施工方法は、壁下地表面にモルタル層
を形成し、該モルタル層が硬化する前に、セルがハニカ
ム状に形成された不燃性心材を、その貫通するセル開口
の一方を上記モルタル層で塞ぐように配置し、上記不燃
性心材をモルタル層の硬化によって固着させた後に、上
記セル空間にその他方の開口側から無機発泡体粒子を含
有する無機系断熱材を充填して断熱層を形成することを
特徴とする。
【0016】即ち、無機系断熱材を不燃性心材に充填す
るときには、その壁下地表面にハニカム状不燃性心材の
セル開口が並んでいるので、従来のフォーム状の断熱材
より粘性が低くフロンガスを用いない無機系断熱材であ
っても、小空間でなる各セル内に充填されるとその粘性
による表面張力によってセル内に滞留されて、壁表面に
垂れることなく容易に適宜厚さを有する断熱層を形成す
ることができる。
【0017】このとき、無機系断熱材はセル内に滞留す
るだけの粘性があれば良いので、無用に粘性を高める必
要がなく、低い粘性の無機系断熱材を用いて効率良く吹
き付け作業をすることができる。
【0018】さらに、予め心材の厚さを所望の断熱層の
厚さに合わせておくと、吹き付けて形成された断熱層の
厚さを測ることなく所望の厚さの断熱層を形成すること
ができる。
【0019】また、本発明の請求項3に示す不燃性心材
を用いた断熱壁の施工方法は、無機発泡体粒子を含有す
る未硬化の無機系断熱材を所定の深さに溜めた型枠内
に、セルがハニカム状に形成された不燃性心材を、セル
開口の一方を型枠に向け、他方の開口を上記無機系断熱
材から突出させて浸漬させ、上記無機系断熱材が硬化し
た後に脱型して断熱パネルを形成し、壁下地表面に形成
したモルタル層が硬化する前に、該モルタル層に上記断
熱パネルの他方の開口を差込み、該モルタル層のモルタ
ル材を硬化させて断熱層を形成することを特徴とする。
【0020】即ち、断熱パネルを形成する無機系断熱材
を型枠内に溜め、その中にハニカム状の不燃性心材を漬
けるだけで、不燃性心材の各セル内に無機系断熱材が入
り込み、そのまま硬化させるだけで、フロンガスを用い
ることなく不燃性の断熱パネルを容易に形成することが
できる。
【0021】また、不燃性心材の厚さとそれに合わせて
型枠内に溜める無機系断熱材の深さを調節するだけで、
任意の厚さの断熱パネルを容易に形成することができ
る。
【0022】さらに、無機系断熱材を溜めた型枠内に不
燃性心材のセル開口の一方を型枠に向け、他方の開口を
無機系断熱材から突出させて浸漬させそのまま硬化させ
て断熱パネルを形成するので、断熱パネルの片面には、
セルの開口端部まで断熱材が充填されず、不燃性心材の
端部が突出してその各セルの他方の開口側に凹部が形成
される。
【0023】そして、壁下地表面に形成したモルタル層
にそのモルタル材が硬化する前に、上記断熱パネルの凹
部を形成している不燃性心材を差し込むことによって、
その凹部に未硬化のモルタル材を入り込ませることがで
きるので、そのモルタル材が硬化することによって壁下
地に断熱パネルを取り付けられるため、治具やその他の
部材を用いることなく容易に断熱壁を形成することがで
きる。
【0024】さらに、本発明の請求項4に示す不燃性心
材を用いた断熱壁は、壁下地表面にモルタル層を介して
断熱層が形成される断熱壁であって、該断熱層が、無機
発泡体粒子を含有する無機系断熱材と該無機系断熱材を
滞留させるハニカム状に形成された不燃性心材とで構成
されていることを特徴とする。
【0025】即ち、建物の壁にモルタル層を介在させて
設けたハニカム状の不燃性心材のセル空間内に無機系断
熱材を滞留させて断熱層を形成するので、従来のフォー
ム状をなす断熱材より粘性が低くフロンガスを用いない
無機系断熱材であっても、心材によってそのセル空間内
に滞留させて充填することができるため、容易に適宜厚
さを有する断熱層を断熱壁内に形成することができる。
さらに、予め心材の厚さを所望の断熱層の厚さに合わせ
ておくと、施工した断熱層の厚さを測ることなく所望の
厚さの断熱層を断熱壁の内部に形成することができる。
【0026】また、断熱層に用いられる心材が有するセ
ルによって断熱層の壁面が細かく分割されているので、
各セル内部に滞留して充填された無機系断熱材が硬化す
る際に収縮しても、その収縮がセル外に影響せず収縮に
よる変化が小さいため、ひび割れが生じにくく、さら
に、心材を用いたことによって断熱層自身の強度も高め
られるので、外部からの衝撃にも強い断熱層を断熱壁の
内部に形成することができる。
【0027】さらに、断熱壁に形成される断熱層はハニ
カム状の不燃性心材と、そのセル内に滞留される無機発
泡体粒子を含有する無機系断熱材とで構成されているの
で、断熱層内には可燃物が存在することなく、その断熱
層によって不燃性の断熱壁を形成することができる。こ
のため、この断熱層上に仕上げ材を施工する場合には、
その断熱層上にセメント系ボードやケイ酸カルシウム板
などの防火材を介在させることなく、直接仕上げ材を施
工することができるので、施工の簡略化やコストの削減
を図ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面を参照して詳細に説明する。図1から図4は本発明の
不燃性心材を用いた断熱壁及びその施工方法の実施形態
を示し、図1は不燃性心材を用いた断熱壁の構造を示す
側断面図、図2は本発明の断熱壁の施工方法の第1実施
形態を示す説明図、図3は図2で示した施工方法におけ
る仕上げ状態を示す説明図、図4は本発明の断熱壁の施
工方法の第2実施形態の説明図であり(a)は本発明の
断熱壁の施工に用いる断熱パネルを示す斜視図であり
(b)はその断熱パネルの製造方法を示す斜視図であ
る。
【0029】本発明の不燃性心材を用いた断熱壁は図1
に示すように、表面にアンカー12aが突設されたコン
クリートの壁下地12と、不燃性心材24をなすセラミ
ック製の心材に無機系断熱材22が充填された断熱層2
0と、立体繊維材料32と外壁材34とでなる外壁層3
0とで構成されている。
【0030】上記断熱層20は、セル24aがハニカム
状に形成されたセラミック製の不燃性心材24(例え
ば、株式会社常盤電機製 GRANDEX(登録商標)
等)とそのセル24a内に充填された無機系断熱材22
とで構成され、このセル24aの壁下地12側にはこの
不燃性心材24を壁下地12に定着するために壁下地1
2に形成されたモルタル層16のポリマーセメントモル
タル16aが入り込んでいる。
【0031】上記外壁層30は、上記断熱層20の表面
に立体繊維材料32と外壁材34とがポリマーセメント
モルタル16で固定されて形成されている。
【0032】上記無機系断熱材22は、貝殻粉と珪藻土
及び炭粉の少なくとも一方と10μm以下の粒径を有す
るマイクロシリカバルーンとを含む無機系発泡体粒子を
主材とするフィラと、アルカリ金属系酸塩を主成分とす
る水ガラスとからなるバインダを含む第1液と、硬化剤
としてホウ酸亜鉛の水溶液を含む第2液とからなる断熱
被覆組成物とする。
【0033】そして、図2に示すようにこの断熱壁の施
工方法の第1実施形態は、アンカー12aが突設された
壁下地12表面にポリマーセメントモルタル16aを5
〜10mm塗りつけてモルタル層16を形成する。
【0034】そのモルタル層16が硬化する前に、セル
24a開口をモルタル層16に向けて上記ハニカム状の
不燃性心材24を押圧して、そのセル24a内にアンカ
ー12aを貫通させるとともにモルタル層16のポリマ
ーセメントモルタル16aを入り込ませて不燃性心材2
4を壁下地12に張り付ける。
【0035】次に、モルタル層16が硬化して不燃性心
材24が固着した後に、セル24a開口側から無機系断
熱材22を吹き付ける。
【0036】このとき、粘性が低い無機系断熱材22
は、各セル24aの下側から溜まりはじめ、セル24a
内が満たされる前はセル24a開口から流れ出てその下
側に位置するセル24a内にその周壁部分を伝って入り
込んでいく。そして、セル24a内に無機系断熱材22
が十分に充填されるとその開口の縁部において、セル2
4a全周に表面張力が作用して無機系断熱材22がセル
24aから流れ出すことなくセル24a内に滞留され
る。従って、吹き付け作業は、不燃性心材24の上側か
ら下に向かって行うことが望ましい。
【0037】そして、無機系断熱材22の吹き付け後、
1〜2時間程度放置した後に、その表面をこて押さえし
て平滑にして断熱層20を形成する。
【0038】さらに、図3に示すように上記断熱層20
の表面にポリマーセメントモルタル16aで立体繊維材
料32を張り付け、そのポリマーセメントモルタル16
aが硬化した後に断熱ピン36を打ち込んで、壁下地1
2に断熱層20を定着し、その上にポリマーセメントモ
ルタル16aを用いて外装タイル等の外装材34を貼り
付けて外壁層30を形成する。
【0039】以上の構成により本発明の不燃性心材24
とこの不燃性心材24を用いた断熱壁10及びこの断熱
壁10の施工方法の第1実施形態によれば、セラミック
でなるハニカム状の不燃性心材24のセル24a空間内
に無機系断熱材22を滞留させて断熱層20を形成する
ので、従来のフォーム状をなす断熱材より粘性が低くフ
ロンガスを用いない無機系断熱材22であっても、不燃
性心材24によってそのセル24a空間内に滞留させ
て、容易に適宜厚さを有する断熱層20を形成すること
ができ、この断熱層20を備えた断熱壁10を容易に形
成することができる。さらに、予め不燃性心材24の厚
さを所望の断熱層20の厚さに合わせておくと、施工し
た断熱層20の厚さを測ることなく所望の厚さの断熱層
20を形成することができ、この断熱層20を断熱壁1
0内に設けて所望の断熱機能を有する断熱壁10を形成
することができる。
【0040】また、断熱層20に用いられる不燃性心材
24が有するセル24aによって断熱層20の壁面が細
かく分割されているので、各セル24a内部に滞留して
充填された無機系断熱材22が硬化する際に収縮して
も、その収縮がセル24a外に影響せず収縮による変化
が小さいため、ひび割れが生じにくく、さらに、不燃性
心材24を用いたことによって断熱層20自身の強度も
高められるので、外部からの衝撃にも強い断熱層20を
形成し、この断熱層20を備えた断熱壁10を形成する
ことができる。
【0041】そして、断熱層20の不燃性心材24がセ
ラミックで形成され、そのセル24a内に滞留される断
熱材も無機系断熱材22なので、断熱層20内には可燃
物が存在せず、不燃性の断熱層20とこの断熱層20を
備えた断熱壁10を形成することができる。従って、こ
の断熱層20上に仕上げ材を施工する場合には、その断
熱層20上にセメント系ボードやケイ酸カルシウム板な
どの防火材を介在させることなく、直接仕上げ材を施工
することができるので、施工の簡略化やコストの削減を
図ることができる。
【0042】また、上記断熱壁の施工方法において、無
機系断熱材22を不燃性心材24に吹き付けるときに
は、その壁下地12表面にハニカム状不燃性心材24の
セル24a開口が並んでいるので、吹き付けた無機系断
熱材22は小空間でなるセル24a空間内に充填され、
従来のフォーム状の断熱材より粘性の低い無機系断熱材
22であっても、その粘性による表面張力によってセル
24a内に滞留されて、断熱層20表面に垂れることな
く容易に適宜厚さを有する断熱層20をフロンガスを用
いることなく形成することができる。
【0043】このとき、無機系断熱材22はセル24a
内に滞留するだけの粘性があれば良いので、無用にその
粘性を高める必要がなく、低い粘性の無機系断熱材22
を用いて効率良く吹き付け作業をすることができる。
【0044】さらに、予め不燃性心材24の厚さを所望
の断熱層20の厚さに合わせておくと、吹き付けて形成
された断熱層20の厚さを測ることなく所望の厚さの断
熱層20を形成することができる。
【0045】また、本実施形態において無機系断熱材2
2の充填方法を吹き付けとしたが、施工範囲が狭い場合
などでは、無機系断熱材22の粘性を高めて、こて塗り
しても良い。
【0046】次に、本発明の断熱壁の施工方法の第2実
施形態ついて説明するが、この実施形態あって、その基
本構成が前述の第1実施形態と同一であるものについて
は、その同一部材には同一の符号を付して、その詳しい
説明は省略し、相違する点について詳述する。
【0047】本発明の断熱壁の施工方法の第2実施形態
は、図4に示すような断熱層20を予めパネル状に形成
した断熱パネル26を壁下地12に取り付けて断熱壁1
0を形成する施工方法である。
【0048】上記断熱層20をなす断熱パネル26の製
造方法は、先ず、所望の断熱壁10のサイズより僅かに
小さく、所望の断熱層20の厚さを有する上記不燃性心
材24を用意し、所望の断熱壁10のサイズと同じ内寸
法を有する器状の型枠18に、不燃性心材24の厚さよ
り5〜10mm浅くなるように上記無機系断熱材22を
溜める。
【0049】上記無機系断熱材22が溜められた型枠1
8内に用意したセラミック製の不燃性心材24を、その
セル24a開口の一方を型枠18に向かわせて浸漬さ
せ、他方の開口を無機系断熱材22から突出させて放置
して無機系断熱材22を硬化させる。上記無機系断熱材
22が十分に硬化した後に、断熱パネル26を型枠18
から取り出す。
【0050】即ち、できあがった断熱パネル26は、一
方の面が平面をなし、他方の面には不燃性心材24が突
出して、無機系断熱材22が充填されない他方の開口を
有する深さ5〜10mmの凹部24bが形成されてい
る。
【0051】上記のようにして得られた断熱パネル26
を、第1実施形態と同様に壁下地12の表面に塗りつけ
られたポリマーセメントモルタル16aが硬化する前
に、そのポリマーセメントモルタル16aに不燃性心材
24を上記凹部24bが差し込まれるように押圧して、
モルタル層16のポリマーセメントモルタル16aをそ
の凹部24b内に十分に入り込ませる。その後、モルタ
ル層16を十分に硬化させて、その表面に第1実施形態
と同様に外壁層30を設けて断熱壁10を形成する。
【0052】上記断熱壁の施工方法の第2実施形態によ
れば、断熱パネル26を形成する無機系断熱材22の粘
性を低くして、この無機系断熱材22を溜めた型枠18
内にハニカム状の不燃性心材24を漬けるだけで、不燃
性心材24の各セル24a内に無機系断熱材22が隙間
無く入り込み、そのまま硬化させるだけで、不燃性の断
熱パネル26をフロンガスを用いることなく容易に形成
することができる。
【0053】また、不燃性心材24の厚さとそれに合わ
せて型枠18内に溜める無機系断熱材22の深さを調節
するだけで、任意の厚さの断熱パネル26を容易に形成
することができる。
【0054】さらに、無機系断熱材22を溜めた型枠1
8内に不燃性心材24のセル24a開口の一方を型枠1
8に向け、他方の開口を無機系断熱材22から突出させ
て浸漬させて硬化させ断熱パネル26を形成するので、
断熱パネル26の片面には、セル24aの開口端部まで
無機系断熱材22が充填されず、不燃性心材24の端部
が突出してそのセル24a内部に凹部24bが形成され
る。
【0055】そして、壁下地12表面に形成したモルタ
ル層16にそのポリマーセメントモルタル16aが硬化
する前に、上記断熱パネル26の凹部24bを差し込む
ことによって、その凹部24bに未硬化のポリマーセメ
ントモルタル16aを入り込ませることができるので、
そのポリマーセメントモルタル16aが硬化することに
よって壁下地12に断熱パネル26を取り付けられるた
め、治具やその他の部材を用いることなく容易に断熱壁
10を形成することができる。
【0056】また、上記実施形態において、不燃性心材
24としてセラミック製の心材を用いた形態を示した
が、これに限るものではない。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1に
示す不燃性心材にあっては、ハニカム状の不燃性心材の
セル空間内に無機系断熱材を滞留させて、容易に適宜厚
さを有する断熱層を形成することができ、予め不燃性心
材の厚さを所望の厚さに合わせておくことによって、所
望の厚さの断熱層をフロンガスを用いることなく容易に
形成することができる。
【0058】また、不燃性心材が有するセルによって断
熱層が細かく分割されているので、各セル内部に充填さ
れた無機系断熱材が硬化しつつ収縮してもひび割れが生
じにくく、断熱層自身の強度も高められて、外部からの
衝撃にも強い断熱層を形成することができる。さらに、
不燃性心材が不燃材で形成され、そのセル内に無機系断
熱材が滞留されて断熱層が形成されているので、不燃性
の断熱層を形成することができ、その上に防火材を介在
させることなく、直接仕上げ材を施工することができ、
施工の簡略化やコストの削減を図ることができる。
【0059】また、本発明の請求項2に示す不燃性心材
を用いた断熱壁の施工方法にあっては、無機系断熱材を
不燃性心材に吹き付けるときには、その壁下地表面に不
燃性心材が固着されてセル開口が並んでいるので、粘性
が低くフロンガスを用いない無機系断熱材であっても、
各セル内に滞留されて、壁表面に垂れることなく容易に
適宜厚さを有する断熱層を形成することができる。この
とき、無機系断熱材はセル内に滞留するだけの粘性を有
する程度に粘性を下げると効率良く吹き付け作業をする
ことができる。また、予め心材の厚さを所望の断熱層の
厚さに合わせておくと、吹き付けて形成された断熱層の
厚さを測ることなく所望の厚さの断熱層を形成すること
ができる。
【0060】更に、本発明の請求項3に示す不燃性心材
を用いた断熱壁の施工方法にあっては、粘性が低い無機
系断熱材を溜めた型枠内に不燃性心材を漬けて、そのま
ま硬化させるだけで、不燃性の断熱パネルをフロンガス
を用いることなく容易に形成することができる。また、
不燃性心材の厚さと型枠内に溜める無機系断熱材の深さ
を調節するだけで、任意の厚さの断熱パネルを容易に形
成することができる。さらに、無機系断熱材を溜めた型
枠内に不燃性心材のセル開口の一方を無機系断熱材から
突出させて浸漬させて断熱パネルを形成するので、断熱
パネルの片面には、不燃性心材の端部が突出して凹部が
形成され、この凹部を壁下地表面に形成したモルタル層
が硬化する前に差し込むので、そのポリマーセメントモ
ルタルが硬化することによって壁下地に断熱パネルを取
り付けて、容易に断熱壁を形成することができる。
【0061】さらに、本発明の請求項4に示す不燃性心
材を用いた断熱壁にあっては、建物の壁に設けた不燃性
心材のセル空間内に無機系断熱材を滞留させて、容易に
適宜厚さを有する断熱層を有する断熱壁をフロンガスを
用いることなく形成することができる。さらに、予め心
材の厚さを所望の断熱層の厚さに合わせておくことによ
って、所望の厚さの断熱層を断熱壁の内部に形成するこ
とができる。
【0062】また、断熱層に用いられる心材が有するセ
ルによって断熱層が細かく分割されているので、各セル
内部に充填された無機系断熱材が硬化しつつ収縮して
も、ひび割れが生じにくく、さらに、心材を用いたこと
によって断熱層自身の強度も高められるので、外部から
の衝撃にも強い断熱層を断熱壁の内部に形成することが
できる。
【0063】さらに、断熱壁に形成される断熱層は不燃
性心材と、そのセル内に滞留される無機系断熱材とで構
成されているので、断熱層内には可燃物が存在すること
なく、その断熱層によって不燃性の断熱壁を形成するこ
とができ、その上に防火材を介在させることなく、直接
仕上げ材を施工することができ、施工の簡略化やコスト
の削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の不燃性心材を用いた断熱壁の構造を示
す側断面図である。
【図2】本発明の断熱壁の施工方法の第1実施形態を示
す説明図である。
【図3】図2で示した施工方法における仕上げ状態を示
す説明図である。
【図4】本発明の断熱壁の施工方法の第2実施形態の説
明図であり(a)は本発明の断熱壁の施工に用いる断熱
パネルを示す斜視図であり(b)はその断熱パネルの製
造方法を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 断熱壁 12 壁下地 16 モルタル層 18 型枠 20 断熱層 22 無機系断熱材 24 不燃性心材 24a セル 24b 凹部 26 断熱パネル 30 外壁層 32 立体繊維材 34 外壁材 38 断熱ピン
フロントページの続き (72)発明者 林 宏三 岐阜県各務原市金属団地65番地 株式会社 常盤電機内 (72)発明者 藤本 恭一 岐阜県各務原市金属団地65番地 株式会社 常盤電機内 (72)発明者 岸野 英樹 岐阜県各務原市金属団地65番地 株式会社 常盤電機内 Fターム(参考) 2E001 DD01 FA03 GA06 GA07 GA12 GA42 GA45 GA82 GA87 HA01 HA14 JA01 JA06 JA11 JC09 KA01 LA16

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルがハニカム状に形成され、建物の壁
    に形成される断熱層を構成する心材であって、 該心材が不燃材で形成されるとともに、そのセル空間内
    に無機発泡体粒子を含有する無機系断熱材を滞留させる
    べく用いられることを特徴とする不燃性心材。
  2. 【請求項2】 壁下地表面にモルタル層を形成し、該モ
    ルタル層が硬化する前に、セルがハニカム状に形成され
    た不燃性心材を、その貫通するセル開口の一方を上記モ
    ルタル層で塞ぐように配置し、上記不燃性心材をモルタ
    ル層の硬化によって固着させた後に、上記セル空間にそ
    の他方の開口側から無機発泡体粒子を含有する無機系断
    熱材を充填して断熱層を形成することを特徴とする不燃
    性心材を用いた断熱壁の施工方法。
  3. 【請求項3】 無機発泡体粒子を含有する未硬化の無機
    系断熱材を所定の深さに溜めた型枠内に、セルがハニカ
    ム状に形成された不燃性心材を、セル開口の一方を型枠
    に向け、他方の開口を上記無機系断熱材から突出させて
    浸漬させ、上記無機系断熱材が硬化した後に脱型して断
    熱パネルを形成し、 壁下地表面に形成したモルタル層が硬化する前に、該モ
    ルタル層に上記断熱パネルの他方の開口を差込み、該モ
    ルタル層のモルタル材を硬化させて断熱層を形成するこ
    とを特徴とする不燃性心材を用いた断熱壁の施工方法。
  4. 【請求項4】 壁下地表面にモルタル層を介して断熱層
    が形成される断熱壁であって、 該断熱層が、無機発泡体粒子を含有する無機系断熱材と
    該無機系断熱材を滞留させるハニカム状に形成された不
    燃性心材とで構成されていることを特徴とする不燃性心
    材を用いた断熱壁。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102518220A (zh) * 2011-12-31 2012-06-27 北京国泰瑞华精藻硅特种材料有限公司 一种用于建筑保温墙体的施工方法
CN105735481A (zh) * 2016-03-01 2016-07-06 中国建筑第八工程局有限公司 高层建筑核心筒顶升平台爬升保温装置及其施工方法

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CN105735481B (zh) * 2016-03-01 2017-10-13 中国建筑第八工程局有限公司 高层建筑核心筒顶升平台爬升保温装置及其施工方法

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