JP2001047493A - アロフェン系粘土鉱物のコーティング層を有する吸着・凝集処理材 - Google Patents
アロフェン系粘土鉱物のコーティング層を有する吸着・凝集処理材Info
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 アロフェン系粘土鉱物を処理基材の表面に固
定することにより、アロフェンの吸着・凝集、消臭等の
処理活性を増大させかつ安定した形態での処理を可能に
する。 【課題を解決するための手段】 処理基材の成形、造粒
等の最終工程でアロフェン系粘土鉱物を処理基材の表面
に固定して吸着、凝集、消臭用の処理材とする。また、
アロフェン系粘土鉱物をラテックス等の水性結合媒体や
膜形成性のある塗料等と混合し、もしくはそれ自体の噴
霧塗装によって、アロフェンを均一に含有する処理基材
としての薄片又は処理基材上に均一に形成されたなアロ
フェン膜が得られる。 【作用・効果】 アロフェン系粘土鉱物を処理基材の表
面にそのまま固定するためアロフェンの担持量したがっ
て吸着処理等に有効な表面積が著しく増大し、かつ処理
中の状態が安定に保たれて工業的な応用が実用化レベル
で可能となる。
定することにより、アロフェンの吸着・凝集、消臭等の
処理活性を増大させかつ安定した形態での処理を可能に
する。 【課題を解決するための手段】 処理基材の成形、造粒
等の最終工程でアロフェン系粘土鉱物を処理基材の表面
に固定して吸着、凝集、消臭用の処理材とする。また、
アロフェン系粘土鉱物をラテックス等の水性結合媒体や
膜形成性のある塗料等と混合し、もしくはそれ自体の噴
霧塗装によって、アロフェンを均一に含有する処理基材
としての薄片又は処理基材上に均一に形成されたなアロ
フェン膜が得られる。 【作用・効果】 アロフェン系粘土鉱物を処理基材の表
面にそのまま固定するためアロフェンの担持量したがっ
て吸着処理等に有効な表面積が著しく増大し、かつ処理
中の状態が安定に保たれて工業的な応用が実用化レベル
で可能となる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアロフェン系粘土鉱物が
持つ種々の物質に対する吸着能、凝集能、イオン交換お
よび置換性等の本来の性質を十分に活用することのでき
るアロフェン系粘土鉱物のコーティング層又は塗膜を有
する処理材に関する。
持つ種々の物質に対する吸着能、凝集能、イオン交換お
よび置換性等の本来の性質を十分に活用することのでき
るアロフェン系粘土鉱物のコーティング層又は塗膜を有
する処理材に関する。
【0002】
【従来の技術および解決すべき課題】アロフェン系粘土
鉱物は天然火山灰土であり、従来その乾燥物、精製物、
または焼成物等の形態で水処理、脱臭、抗菌等の分野で
用いられ、前記吸着能、凝集能、イオン交換および置換
性などを併せて有する固有の特性により、種々の用途へ
の応用が試みられており、その特性の多くはアロフェン
の多孔性および表面のアルミナゲルの存在によって説明
されている。
鉱物は天然火山灰土であり、従来その乾燥物、精製物、
または焼成物等の形態で水処理、脱臭、抗菌等の分野で
用いられ、前記吸着能、凝集能、イオン交換および置換
性などを併せて有する固有の特性により、種々の用途へ
の応用が試みられており、その特性の多くはアロフェン
の多孔性および表面のアルミナゲルの存在によって説明
されている。
【0003】しかしアロフェン系粘土鉱物は火山灰の粉
体としてのフミン腐植質を含む黒色土壌の形態を有して
おり、この性状のためかこれまでは前記の有用なアロフ
ェン固有の特性を必ずしも充分に生かす形としては使用
されていない。
体としてのフミン腐植質を含む黒色土壌の形態を有して
おり、この性状のためかこれまでは前記の有用なアロフ
ェン固有の特性を必ずしも充分に生かす形としては使用
されていない。
【0004】たとえば特開平8−302064号に開示
された合成樹脂組成物では、アロフェン精製物が樹脂添
加剤として基材の合成樹脂に練り込まれた状態で熱成形
されて、ペレット又はフィルムとして脱臭、吸着、抗菌
用途等に用いられている。また特公昭64−6838号
に開示された汚水浄化剤では、アロフェンとしての黒音
地が火山礫に吸着させた状態でセメントもしくはコンク
リート等の基材中に完全に混練配合され、水の浄化剤と
して用いられている。
された合成樹脂組成物では、アロフェン精製物が樹脂添
加剤として基材の合成樹脂に練り込まれた状態で熱成形
されて、ペレット又はフィルムとして脱臭、吸着、抗菌
用途等に用いられている。また特公昭64−6838号
に開示された汚水浄化剤では、アロフェンとしての黒音
地が火山礫に吸着させた状態でセメントもしくはコンク
リート等の基材中に完全に混練配合され、水の浄化剤と
して用いられている。
【0005】しかしこれらの状態では凝集・吸着作用等
に重要な機能を果たすアロフェンのほとんどの部分が基
材の内部に包み込まれて存在することになり、このよう
な形ではアロフェンの特性が十分に発揮されていなかっ
たものと考えられる。
に重要な機能を果たすアロフェンのほとんどの部分が基
材の内部に包み込まれて存在することになり、このよう
な形ではアロフェンの特性が十分に発揮されていなかっ
たものと考えられる。
【0006】特開平6−154594号では、添加剤を
用いず火山灰のみを造粒してリン吸着剤としているが、
本来アロフェン系粘土鉱物は一般に知られる粘土鉱物の
ような抱水、ゲル化特性が低くその造粒物の水中破壊率
は実施例に示す場合でも20%台である。しかしこのよ
うに水中で破壊、崩壊する性質はアロフェン少なくとも
水処理用途のために提供しようとするときには大きな欠
点となる。
用いず火山灰のみを造粒してリン吸着剤としているが、
本来アロフェン系粘土鉱物は一般に知られる粘土鉱物の
ような抱水、ゲル化特性が低くその造粒物の水中破壊率
は実施例に示す場合でも20%台である。しかしこのよ
うに水中で破壊、崩壊する性質はアロフェン少なくとも
水処理用途のために提供しようとするときには大きな欠
点となる。
【0007】アロフェン系粘土鉱物は前記のように種々
の物質の吸着、イオン交換、置換性などにより水や土
壌、底質中の有害物をそれら媒体から除去する目的で使
用されるが、その機能は種々の有害物を破壊、消滅させ
るものではなく、吸着等により有害物を捕集することに
ある。したがって、アロフェン系粘土鉱物が水中で破
壊、崩壊して一旦捕捉した有害物質と共に処理槽等から
流出すると、その下流側の水系を汚染することになる。
の物質の吸着、イオン交換、置換性などにより水や土
壌、底質中の有害物をそれら媒体から除去する目的で使
用されるが、その機能は種々の有害物を破壊、消滅させ
るものではなく、吸着等により有害物を捕集することに
ある。したがって、アロフェン系粘土鉱物が水中で破
壊、崩壊して一旦捕捉した有害物質と共に処理槽等から
流出すると、その下流側の水系を汚染することになる。
【0008】またアロフェン系粘土鉱物は通常、火山灰
本来の多孔質無機成分の他に腐植物等を多量に含む黒土
に類する有機成分を併せ持ってその特性を発揮してい
る。したがってこれを処理材として活用するための製造
工程で、本来アロフェンの含有していた成分を失うよう
な処理は極力避ける必要がある。たとえばアロフェン系
粘土鉱物を高温で焼成すれば腐植質中の有機成分が焼失
するおそれがあり、また塗料、接着剤、ゴム、プラスチ
ック等と共に混練する過程を経るとアロフェン中の有機
成分の溶解、希薄化によってをれらの特性を喪失するこ
とがある。
本来の多孔質無機成分の他に腐植物等を多量に含む黒土
に類する有機成分を併せ持ってその特性を発揮してい
る。したがってこれを処理材として活用するための製造
工程で、本来アロフェンの含有していた成分を失うよう
な処理は極力避ける必要がある。たとえばアロフェン系
粘土鉱物を高温で焼成すれば腐植質中の有機成分が焼失
するおそれがあり、また塗料、接着剤、ゴム、プラスチ
ック等と共に混練する過程を経るとアロフェン中の有機
成分の溶解、希薄化によってをれらの特性を喪失するこ
とがある。
【0009】アロフェン系粘土鉱物を工業的に適用する
技術において、それらの吸着能、凝集能、消臭性等の多
様な特性が充分に活用できかつアロフェンの性状に起因
する使用中の崩壊や流出を防止して一旦捕集した有害物
が漏洩しないような形態を開発することが本発明の課題
である。
技術において、それらの吸着能、凝集能、消臭性等の多
様な特性が充分に活用できかつアロフェンの性状に起因
する使用中の崩壊や流出を防止して一旦捕集した有害物
が漏洩しないような形態を開発することが本発明の課題
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記本発明の課題は、熱
可塑性プラスチックシートの押出し成型工程の最終段階
の半溶融状態にあるプラスチックシート材料の表面にア
ロフェン系粘土鉱物粉を均一に散布付着させ、これを押
出し成形ローラに導入し、シート表面にアロフェン系粘
土鉱物のコーティングを形成することによって得られる
アロフェン系粘土鉱物のコーティング層を有する請求項
1に記載された吸着・凝集処理材によって解決される。
可塑性プラスチックシートの押出し成型工程の最終段階
の半溶融状態にあるプラスチックシート材料の表面にア
ロフェン系粘土鉱物粉を均一に散布付着させ、これを押
出し成形ローラに導入し、シート表面にアロフェン系粘
土鉱物のコーティングを形成することによって得られる
アロフェン系粘土鉱物のコーティング層を有する請求項
1に記載された吸着・凝集処理材によって解決される。
【0011】ポリエチレン、発泡ウレタン、塩化ビニル
等のプラスチックシートの製造工程の最終段階において
半溶融状態にあるプラスチック材料表面にアロフェン系
粘土鉱物粉を均一に振り掛け、その状態で成型ローラー
部に導入することにより、上下両面に均一なアロフェン
系粘土鉱物粉が分散して固定されたシートが得られる。
シートの成形時にミクロン又はサブミクロンオーダのア
ロフェン粒子の一部がシート表面に陥入して粒子が安定
に基材に固定され、一方大部分は表面に露出した状態で
シートに担持されて吸着処理等に有効な面積が著しく増
大する。用途により、シートを切断し、シート厚み程度
から20mm角程度の2面がコーティングされた小ブロ
ックを得ることもできる。この処理材は家庭用脱臭機お
よび水処理用充填材の用途に有用である。
等のプラスチックシートの製造工程の最終段階において
半溶融状態にあるプラスチック材料表面にアロフェン系
粘土鉱物粉を均一に振り掛け、その状態で成型ローラー
部に導入することにより、上下両面に均一なアロフェン
系粘土鉱物粉が分散して固定されたシートが得られる。
シートの成形時にミクロン又はサブミクロンオーダのア
ロフェン粒子の一部がシート表面に陥入して粒子が安定
に基材に固定され、一方大部分は表面に露出した状態で
シートに担持されて吸着処理等に有効な面積が著しく増
大する。用途により、シートを切断し、シート厚み程度
から20mm角程度の2面がコーティングされた小ブロ
ックを得ることもできる。この処理材は家庭用脱臭機お
よび水処理用充填材の用途に有用である。
【0012】また前記本発明の課題は、セメントあるい
はスラグなどの水硬性原料を造粒する最終の工程におい
てアロフェン系粘土鉱物を造粒物全体に均一に付着して
固定し、表面にアルカリ処理されたアロフェン系粘土鉱
物を担持させることによって得られる請求項2に記載さ
れたアロフェン系粘土鉱物のコーティング層を有する吸
着・凝集処理材によって解決される。
はスラグなどの水硬性原料を造粒する最終の工程におい
てアロフェン系粘土鉱物を造粒物全体に均一に付着して
固定し、表面にアルカリ処理されたアロフェン系粘土鉱
物を担持させることによって得られる請求項2に記載さ
れたアロフェン系粘土鉱物のコーティング層を有する吸
着・凝集処理材によって解決される。
【0013】セメントあるいはスラグなどの水硬性原料
に強度を調整するための骨材等を定法どおり添加、攪拌
し適量の水を加えながらたとえばパン型造粒機上で所定
の粒度の球形物を作り、成型がほぼ完了した時点でアロ
フェン系粘土鉱物粉を付着および固定して仕上げの造粒
を行ない、成型品を乾燥して最終造粒物とする。この場
合にもアロフェン粒子の大部分が処理基材としての粒状
物の表面に固定されて安定に存在し、かつ処理に有効な
表面積が著しく増大する。この処理材は浄化槽充填材、
家畜舎廃水処理施設用充填材、家畜床散布材および風呂
水浄化材等の用途に有用である。
に強度を調整するための骨材等を定法どおり添加、攪拌
し適量の水を加えながらたとえばパン型造粒機上で所定
の粒度の球形物を作り、成型がほぼ完了した時点でアロ
フェン系粘土鉱物粉を付着および固定して仕上げの造粒
を行ない、成型品を乾燥して最終造粒物とする。この場
合にもアロフェン粒子の大部分が処理基材としての粒状
物の表面に固定されて安定に存在し、かつ処理に有効な
表面積が著しく増大する。この処理材は浄化槽充填材、
家畜舎廃水処理施設用充填材、家畜床散布材および風呂
水浄化材等の用途に有用である。
【0014】さらに本発明の課題は、アロフェン系粘土
鉱物粉に水性ラテックスを添加して混練し、アロフェン
粉末を薄片状に相互に結合させた請求項3記載の吸着・
凝集処理材によって解決される。
鉱物粉に水性ラテックスを添加して混練し、アロフェン
粉末を薄片状に相互に結合させた請求項3記載の吸着・
凝集処理材によって解決される。
【0015】アロフェン粘土鉱物の粉末中に水性ラテッ
クスを混和して粉末を相互に結着させた薄片を形成し、
これをたとえば吸着作用を利用する水処理材として用い
る。アロフェンに対するラテックスの混和比は3:1な
いし5:1程度とすることが好ましい。薄片の厚みやア
ロフェンの粒径にもよるが使用したアロフェンの大部分
が薄片の表面側に露出する。前記の比が5:1以上では
アロフェンの有効処理面積が少なくなり、一方3:1以
下ではラテックスによるアロフェンの形態的な安定化が
不確実となる。この処理材は家庭用浄水機および水処理
用充填材の用途に有用である。
クスを混和して粉末を相互に結着させた薄片を形成し、
これをたとえば吸着作用を利用する水処理材として用い
る。アロフェンに対するラテックスの混和比は3:1な
いし5:1程度とすることが好ましい。薄片の厚みやア
ロフェンの粒径にもよるが使用したアロフェンの大部分
が薄片の表面側に露出する。前記の比が5:1以上では
アロフェンの有効処理面積が少なくなり、一方3:1以
下ではラテックスによるアロフェンの形態的な安定化が
不確実となる。この処理材は家庭用浄水機および水処理
用充填材の用途に有用である。
【0016】さらに本発明の課題は、アロフェン系粘土
鉱物粉を水性塗料、水性接着剤又は水性ラテックス中に
1〜7%の範囲で添加し、処理担体として利用される種
々の材料の表面に対して塗布することにより得られるア
ロフェン系粘土鉱物の表面塗工層を有する請求項4に記
載された吸着・凝集処理材によって解決される。
鉱物粉を水性塗料、水性接着剤又は水性ラテックス中に
1〜7%の範囲で添加し、処理担体として利用される種
々の材料の表面に対して塗布することにより得られるア
ロフェン系粘土鉱物の表面塗工層を有する請求項4に記
載された吸着・凝集処理材によって解決される。
【0017】アロフェン系粘土鉱物粉を被膜形成性のあ
る水性結合媒質、たとえば水性塗料、水性接着剤および
水性ラテックスに1ないし7%の範囲で添加して均一化
する。分散液はたとえばラシッヒリング等の接触担体に
塗布することによってこれら担体の表面にアロフェン系
粘土鉱物を均一に含有する塗工層を有する処理材が得ら
れる。この処理材は前記各種用途の他、壁材、内装材等
建築資材としての用途をも有する。
る水性結合媒質、たとえば水性塗料、水性接着剤および
水性ラテックスに1ないし7%の範囲で添加して均一化
する。分散液はたとえばラシッヒリング等の接触担体に
塗布することによってこれら担体の表面にアロフェン系
粘土鉱物を均一に含有する塗工層を有する処理材が得ら
れる。この処理材は前記各種用途の他、壁材、内装材等
建築資材としての用途をも有する。
【0018】さらに前記本発明の課題は、アロフェン系
粘土鉱物粉を静電塗装機により、処理担体として利用さ
れる種々の材料に対して噴霧塗装することにより得られ
るアロフェン系粘土鉱物の塗工層を有する請求項5記載
の吸着・凝集処理材によって解決される。
粘土鉱物粉を静電塗装機により、処理担体として利用さ
れる種々の材料に対して噴霧塗装することにより得られ
るアロフェン系粘土鉱物の塗工層を有する請求項5記載
の吸着・凝集処理材によって解決される。
【0019】接着剤あるいは塗料成分を塗布したラシッ
ヒリング等の接触担体の表面にアロフェン系粘土鉱物粉
を静電塗装機により吹き付けて乾燥し、表面にアロフェ
ン系粘土鉱物の均一な塗装膜を有する処理担体が得られ
る。この処理材はたとえば前記請求項1および2に記載
された吸着・凝集処理材と同様な用途を有する。
ヒリング等の接触担体の表面にアロフェン系粘土鉱物粉
を静電塗装機により吹き付けて乾燥し、表面にアロフェ
ン系粘土鉱物の均一な塗装膜を有する処理担体が得られ
る。この処理材はたとえば前記請求項1および2に記載
された吸着・凝集処理材と同様な用途を有する。
【0020】
【発明の効果】アロフェン系粘土鉱物はそれらの独特な
吸着能、イオン交換性、置換性等の性質が知られていな
がら、従来これらの特性を充分に生かす処理材料の製造
方法が確立されていないため、水中での浄化材としての
利用や反応塔などに充填する接触担体としての利用が困
難であった。本発明においてはアロフェン系粘土鉱物を
処理基材の表面にほゞそのまま担持固定させることによ
りアロフェンの担持量したがって吸着処理等に有効な表
面積が著しく増大し、アロフェン特有の特性を示す構造
が充分に活用されることになり、かつその使用中は基材
に対する結合によって安定した状態に保たれるので実用
的なレベルで種々の工業的な用途への展開が可能にな
る。
吸着能、イオン交換性、置換性等の性質が知られていな
がら、従来これらの特性を充分に生かす処理材料の製造
方法が確立されていないため、水中での浄化材としての
利用や反応塔などに充填する接触担体としての利用が困
難であった。本発明においてはアロフェン系粘土鉱物を
処理基材の表面にほゞそのまま担持固定させることによ
りアロフェンの担持量したがって吸着処理等に有効な表
面積が著しく増大し、アロフェン特有の特性を示す構造
が充分に活用されることになり、かつその使用中は基材
に対する結合によって安定した状態に保たれるので実用
的なレベルで種々の工業的な用途への展開が可能にな
る。
【0021】
【実施例】アロフェン系粘土鉱物のコーティング層を有
する水処理剤(リン対策への応用例) 実施例 ラテックス原料を0.5mL程度アロフェン系粘土鉱物
粉の入った容器中に落とし、それらの上部をさらにアロ
フェン系粘土鉱物粉で覆い、へらで押さえることにより
偏平な形状を持ったアロフェン系粘土鉱物の水処理材を
得た。アロフェン系粘土鉱物から実質的になる薄片体を
直径50mmのカラムに500mmの高さに充填し、水
処理用カラムとした。カラム中のラテックス充填量は約
650g、アロフェン充填量は約220gであった。
する水処理剤(リン対策への応用例) 実施例 ラテックス原料を0.5mL程度アロフェン系粘土鉱物
粉の入った容器中に落とし、それらの上部をさらにアロ
フェン系粘土鉱物粉で覆い、へらで押さえることにより
偏平な形状を持ったアロフェン系粘土鉱物の水処理材を
得た。アロフェン系粘土鉱物から実質的になる薄片体を
直径50mmのカラムに500mmの高さに充填し、水
処理用カラムとした。カラム中のラテックス充填量は約
650g、アロフェン充填量は約220gであった。
【0022】リン濃度18.7ppmの生活雑排水を5
0mL/分の流速でカラムに通し、処理水中のリン濃度
を測定した。30分間隔で分析に必要な処理水を採取し
イオン交換クロマトグラフィーで定量した。流出初期か
ら少なくとも2時間の範囲でリンは検出できなかった
(表1表中:表面処理の欄;ND)。また、目視による
確認では処理水中にアロフェン系粘土鉱物粉の流出は見
られなかった。
0mL/分の流速でカラムに通し、処理水中のリン濃度
を測定した。30分間隔で分析に必要な処理水を採取し
イオン交換クロマトグラフィーで定量した。流出初期か
ら少なくとも2時間の範囲でリンは検出できなかった
(表1表中:表面処理の欄;ND)。また、目視による
確認では処理水中にアロフェン系粘土鉱物粉の流出は見
られなかった。
【0023】比較例 ポリエチレンに前記と同一のアロフェン系粘土鉱物を3
0重量%混練し成型したシート状材料を上記試験とほぼ
同様の大きさの薄片とし、ポリエチレンおよびアロフェ
ンの充填量を前記とほぼ同量として上記と同様の試験を
行った。表1の混練処理の欄に示すように充分な吸着処
理の結果が得られなかったが、これは使用したアロフェ
ンの大部分が混練によって処理基材の内部に存在し、シ
ート(薄片)表面にはリンの吸着処理に十分な量のアロ
フェンが存在しなかったためと考えられる。
0重量%混練し成型したシート状材料を上記試験とほぼ
同様の大きさの薄片とし、ポリエチレンおよびアロフェ
ンの充填量を前記とほぼ同量として上記と同様の試験を
行った。表1の混練処理の欄に示すように充分な吸着処
理の結果が得られなかったが、これは使用したアロフェ
ンの大部分が混練によって処理基材の内部に存在し、シ
ート(薄片)表面にはリンの吸着処理に十分な量のアロ
フェンが存在しなかったためと考えられる。
【0024】
【表1】アロフェンコーティング材のリン吸着試験 原水濃度:18.7リンmg/L 表中単位:mg/L
【0025】前記実施例においてはアロフェンによる脱
リン処理の効果について記載したが、本発明はその他の
物質についての水の浄化処理とも充分に有効であり、処
理後の水は場合に応じてリサイクルし種々の用途に用い
ることができる。
リン処理の効果について記載したが、本発明はその他の
物質についての水の浄化処理とも充分に有効であり、処
理後の水は場合に応じてリサイクルし種々の用途に用い
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 5/46 C09D 5/46 4J038 C09J 201/00 C09J 201/00 4J040 // C02F 1/28 C02F 1/28 Z Fターム(参考) 4D024 AA04 AB12 BA06 BB01 BB05 BB08 BC01 CA01 DA04 DA05 4D075 AA09 AC19 DA04 DB31 EA06 EB01 4F207 AB16 AD11 AG01 KA01 KA17 KF02 KW50 4G028 DA01 DB06 DB11 DB14 DC01 4G066 AA63B AA73C AA76C AC11A AC11C BA02 BA03 BA09 BA11 BA16 DA02 DA08 FA01 FA03 FA11 FA25 4J038 EA011 HA506 KA08 KA20 MA08 4J040 HA356 JA03 KA03 KA09 MA10 MB03 PB01
Claims (5)
- 【請求項1】 熱可塑性プラスチックシートの押出し成
型工程の最終段階の半溶融状態にあるプラスチックシー
ト材料の表面にアロフェン系粘土鉱物粉を均一に散布付
着させ、これを押出し成形ローラに導入し、シート表面
にアロフェン系粘土鉱物のコーティングを形成すること
によって得られるアロフェン系粘土鉱物のコーティング
層を有する吸着・凝集処理材。 - 【請求項2】 セメントあるいはスラグなどの水硬性原
料の造粒工程の終期にアロフェン系粘土鉱物を造粒物に
均一に付着させ、表面にアルカリ処理されたアロフェン
系粘土鉱物を担持させることによって得られるアロフェ
ン系粘土鉱物のコーティング層を有する吸着・凝集処理
材。 - 【請求項3】 アロフェン系粘土鉱物粉に水性ラテック
スを添加して混練し、アロフェンを薄片状に相互に結合
させることによって得られる吸着・凝集処理材。 - 【請求項4】 アロフェン系粘土鉱物粉を水性塗料、水
性接着剤又は水性ラテックス等の水性結合媒質中に1〜
7%の範囲で添加し、処理担体として利用される種々の
材料の表面に対して塗布することによって得られるアロ
フェン系粘土鉱物の表面塗工層を有する吸着・凝集処理
材。 - 【請求項5】 アロフェン系粘土鉱物粉を静電塗装機に
より、処理担体として利用される種々の材料の表面に対
して噴霧塗装することにより得られるアロフェン系粘土
鉱物の塗膜を有する吸着・凝集処理材。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11223519A JP2001047493A (ja) | 1999-08-06 | 1999-08-06 | アロフェン系粘土鉱物のコーティング層を有する吸着・凝集処理材 |
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JP11223519A JP2001047493A (ja) | 1999-08-06 | 1999-08-06 | アロフェン系粘土鉱物のコーティング層を有する吸着・凝集処理材 |
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JP11223519A Pending JP2001047493A (ja) | 1999-08-06 | 1999-08-06 | アロフェン系粘土鉱物のコーティング層を有する吸着・凝集処理材 |
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JP (1) | JP2001047493A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014177761A (ja) * | 2013-03-13 | 2014-09-25 | Toho Leo Co | 基盤材 |
WO2019058912A1 (ja) * | 2017-09-21 | 2019-03-28 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | アロフェン膜複合体、それを用いたシート、及びアロフェン膜複合体の製造方法 |
-
1999
- 1999-08-06 JP JP11223519A patent/JP2001047493A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014177761A (ja) * | 2013-03-13 | 2014-09-25 | Toho Leo Co | 基盤材 |
WO2019058912A1 (ja) * | 2017-09-21 | 2019-03-28 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | アロフェン膜複合体、それを用いたシート、及びアロフェン膜複合体の製造方法 |
JPWO2019058912A1 (ja) * | 2017-09-21 | 2020-07-27 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | アロフェン膜複合体、それを用いたシート、及びアロフェン膜複合体の製造方法 |
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