JP2001047314A - 自動旋盤と自動旋盤におけるねじ切り加工方法 - Google Patents

自動旋盤と自動旋盤におけるねじ切り加工方法

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JP2001047314A
JP2001047314A JP11224505A JP22450599A JP2001047314A JP 2001047314 A JP2001047314 A JP 2001047314A JP 11224505 A JP11224505 A JP 11224505A JP 22450599 A JP22450599 A JP 22450599A JP 2001047314 A JP2001047314 A JP 2001047314A
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vibration
automatic lathe
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Toshiyasu Urushibata
敏保 漆畑
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Star Micronics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動タッピングユニット或いはステップ振動
タッピングユニットを搭載した自動旋盤を提供し、その
際、新たな駆動源を要することなくできるだけ簡単な構
成で実現することができる自動旋盤と自動旋盤における
ねじ切り加工方法を提供すること。 【解決手段】 回転駆動源を備えた刃物台と、刃物台に
着脱可能に搭載されねじ切り工具を備えていて、刃物台
の回転駆動源からの駆動を利用してねじ切り工具に振動
を付与してねじ切りを行う振動タッピングユニットと、
を具備したもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、自動旋盤と自動旋
盤におけるねじ切り加工方法に係り、特に、回転駆動源
を備えた刃物台を有するものにおいて、該刃物台に振動
ねじ切りユニットを着脱可能に搭載し、上記回転駆動源
を利用して振動タッピングユニットのねじ切り工具に振
動を付与してねじ切り加工を行わせるように工夫したも
のに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、いわゆる「振動タッピング
法」なる加工方法が知られている。この種の振動タッピ
ング法は、例えば、ねじ切り工具を送り方向に規則的に
振動させながら加工を行うことにより、図11に示すよ
うに、ねじ切りを断続的に行うというものである。この
種の振動タッピング法によって、加工精度が向上すると
共に、ねじ切り時の摩擦が低減されることにより切削抵
抗が減少し、それによって、ねじ切り工具の破損やねじ
切り工具の刃先の凝着物が減少するという利点を得るこ
とができる。尚、図11は、横軸に時間(t)をとると
共に縦軸にタップのワークに対する軸方向変位(l)を
とり、その変化を示した特性図である。
【0003】又、ねじ切り加工に関しては、上記振動タ
ッピング法をさらに改良した「ステップ振動タッピング
法」なる加工方法がある。この種のステップ振動タッピ
ング法は、例えば、周波数が50Hz、振幅が0.2m
m程度でステップ的にタッピングしていく方法である。
つまり、別途配置された打撃手段がねじ切り工具を打撃
したときのみねじ切りを行うのである。そして、このよ
うなステップ振動タッピング法によれば、切削トルクが
減少すると共に加工精度が向上するという利点がある。
又、ねじ切り工具の異常摩耗やチッピング現象の発生を
防止することができる。
【0004】上記ステップ振動タッピング法の場合の特
性を図12に示す。図12は、横軸に時間(t)をとる
と共に縦軸にタップのワークに対する軸方向変位(l)
をとり、その時間変化を示した特性図である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の構成による
と次のような問題があった。既に述べたように、振動タ
ッピング法なる加工方法が提案されており、又、それを
具現化した振動タッピングユニットも提案されている
が、そのような振動タッピングユニットを自動旋盤に搭
載したものはなかった。特に、振動タッピングユニット
の場合、ねじ切り工具に所定の振動を付与するための駆
動部を必要とし、その為、振動タッピングユニットを自
動旋盤に搭載しようとした場合、新たな駆動源を要して
しまう等、装置の大型化及び構成の複雑化を来してしま
うという問題が想定された。又、ステップ振動タッピン
グユニットの場合についても、それを自動旋盤に搭載し
たものがないため同様の問題があった。
【0006】本発明はこのような点に基づいてなされた
ものでその目的とするところは、振動タッピングユニッ
ト或いはステップ振動タッピングユニットを搭載した自
動旋盤を提供し、その際、新たな駆動源を要することな
くできるだけ簡単な構成で実現することができる自動旋
盤と自動旋盤におけるねじ切り加工方法を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するべく
本願発明の請求項1による自動旋盤は、回転駆動源を備
えた刃物台と、上記刃物台に着脱可能に搭載されねじ切
り工具を備えていて、上記刃物台の回転駆動源からの駆
動を利用して上記ねじ切り工具に振動を付与してワーク
にねじ切りを行う振動タッピングユニットと、を具備し
たことを特徴とするものである。又、請求項2による自
動旋盤は、請求項1記載の自動旋盤において、上記振動
タッピングユニットは、上記刃物台に取り付けられるハ
ウジングと、上記ハウジング内に配置され上記刃物台の
回転駆動源からの回転運動の伝達を受けるシャフトと、
上記シャフトに設けられたカムと、ねじ切り工具を備え
ると共に上記カムに付勢されるカムフォロアを備え上記
カムとカムフォロアとの作用によって上記ねじ切り工具
をワークの回転方向とは逆方向に断続的に回転させてね
じ切りを行う工具ホルダと、から構成されていることを
特徴とするものである。又、請求項3による自動旋盤
は、請求項2記載の自動旋盤において、上記工具ホルダ
は弾性部材によってワークの回転方向とは逆方向に付勢
されていて、上記断続的なねじ切りが行われた後上記ね
じ切り工具をワークの被切削部に圧接させるようにした
ことを特徴とするものである。又、請求項4による自動
旋盤は、請求項2記載の自動旋盤において、上記工具ホ
ルダは弾性部材によってワークの回転方向に付勢されて
いて、上記断続的なねじ切りが行われた後上記ねじ切り
工具をワークの被切削部より離間させるようにしたこと
を特徴とするものである。又、請求項5による自動旋盤
におけるねじ切り加工方法は、回転駆動源を備えた刃物
台の該回転駆動源からの駆動を利用してねじ切り工具に
振動を付与してねじ切り加工を行うようにしたことを特
徴とするものである。又、請求項6による自動旋盤にお
けるねじ切り加工方法は、請求項5記載の自動旋盤にお
けるねじ切り加工方法において、上記ねじ切り工具をス
テップ振動させながらねじ切り加工を行うようにしたこ
とを特徴とするものである。
【0008】本願発明による自動旋盤は、回転駆動源を
備えた刃物台に振動タッピングユニットを搭載し、その
際、刃物台の回転駆動源を利用して、振動タッピングユ
ニットのねじ切り工具に振動を付与するようにしたもの
である。このため、別途、特別な駆動源を要することな
く所望の振動タッピング加工を行うことが可能となる。
上記振動タッピングユニットの構成としては様々な構成
が考えられるが、例えば、刃物台に取り付けられるハウ
ジングと、上記ハウジング内に配置され上記刃物台の回
転駆動源からの回転運動の伝達を受けるシャフトと、上
記シャフトに設けられたカムと、ねじ切り工具を備える
と共に上記カムに付勢されるカムフォロアを備え上記カ
ムとカムフォロアとの作用によって上記ねじ切り工具を
ワークの回転方向とは逆方向に断続的に回転させてねじ
切りを行う工具ホルダと、から構成することが考えられ
る。又、その際、工具ホルダを弾性部材によってワーク
の回転方向とは逆方向に付勢しておき、上記断続的なね
じ切りが行われた後上記ねじ切り工具をワークの被切削
部に圧接させるようにすることが考えられ、これがステ
ップ振動タッピング動作である。又、工具ホルダを弾性
部材によってワークの回転方向に付勢しておき、上記断
続的なねじ切りが行われた後上記ねじ切り工具をワーク
のに被切削部より離間させるようにすることが考えら
れ、これが通常の振動タッピング動作である。又、請求
項5は、本願発明を方法クレームとして規定したもので
あり、請求項6は、その中でも特に、ねじ切り工具をス
テップ振動させながらねじ切り加工を行う方法を規定し
たものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図1乃至図9を参照して本
発明の第1の実施の形態を説明する。図1は、自動旋盤
の構成の一部を抽出して示す断面図であり、刃物台とし
てのタレット型刃物台に振動タッピングユニットを取り
付けた状態を示している。尚、この実施の形態における
振動タッピングユニットはステップ振動方式のものであ
る。以下、詳細に説明する。
【0010】まず、タレット型刃物台1があり、このタ
レット型刃物台1は、図示しないボールネジ・ボールナ
ット機構等から構成される駆動手段によって、Z軸と
それに直交するX軸方向に移動可能に構成されている。
このタレット型刃物台1にはタレット3が回転・割出可
能に取り付けられている。上記タレット3には、複数個
の工具取付面5が設けられている。それら複数個の工具
取付面5の内の一つの工具取付面5には、振動タッピン
グユニット7が着脱可能に取り付けられている。
【0011】上記タレット型刃物台1の内部には、回転
工具を回転させるための回転伝達手段9が内装されてい
る。すなわち、駆動シャフト11が内装されていて、こ
の駆動シャフト11の先端には傘歯車13が固着されて
いる。上記駆動シャフト11が回転駆動源10によって
回転されることにより、上記傘歯車13が回転すること
になる。
【0012】一方、上記振動タッピングユニット7の構
成をみてみると、まず、ハウジング8があり、このハウ
ジング8は、ハウジング要素8aとハウジング要素8b
とから構成されている。尚、図1は振動タッピングユニ
ット7をタレット型刃物台1に取り付けた状態を示して
おり、図2は振動タッピングユニット7をタレット型刃
物台1にまさに取り付けようとする様子を示している。
【0013】上記ハウジング要素8b内には、工具取付
面5からタレット型刃物台1内に至るようにシャフト1
5が配置されていて、このシャフト15の一端側には傘
歯車17が固着されている。この傘歯車17が既に述べ
た傘歯車13に噛合する関係にある。又、上記シャフト
15の他端側には別の傘歯車19が固着されている。上
記シャフト15はその両端を上記ハウジング要素8b内
に配置された軸受部材21、23によって回転可能に支
持されている。
【0014】上記傘歯車19には別の傘歯車25が噛合
している。この傘歯車25はハウジング要素8a内に配
置されたシャフト27の一端側に固着されている。上記
シャフト27は、上記ハウジング要素8a内において、
軸受部材29、31、33によって回転可能に支持され
ている。又、上記シャフト27の他端側には、カム部材
35が固着されている。尚、上記カム部材35の形状等
については追って詳細に説明する。
【0015】さて、ステップ振動タッピングユニット7
の中心部分の構成であるが、図4に拡大して示すよう
に、スリーブ41が配置されていて、このスリーブ41
は中空状をなしていて、軸受部材43、45、47、4
9によって回転可能に支持されている。上記スリーブ4
1の一端側であって外周側には、カムフォロア取付部材
51が取り付けられている。このカムフォロア取付部材
51は、キー53及びキー溝55とからなるキー構造に
よって、上記スリーブ41に対して回転方向に一体化さ
れた状態で取り付けられている。
【0016】又、上記軸受部材43、45、47、49
であるがこれらは次のような構造によってその位置を決
められている。すなわち、図4に示すように、図中最下
位に位置する軸受部材43の内輪はスリーブ41の鍔部
41aによって位置決めされており、又、外輪はハウジ
ング8にねじ止めされた環状部材40によって位置決め
されている。又、図中最上位に位置する軸受部材49の
内輪はカムフォロア取付部材51によって位置決めされ
ており、又、外輪はハウジング8にねじ74等によって
固定された部材72によって位置決めされている。そし
て、軸受部材43と軸受部材49が位置決めされること
により全ての軸受部材43、45、47、49が位置決
めされることになる。
【0017】上記カムフォロア取付部材51にはカムフ
ォロア57が回転可能に取り付けられている。このカム
フォロア57を介して既に説明したカム部材35の作用
が伝達されることになる。
【0018】上記スリーブ41の内周側には、シャフト
61が回転方向に一体化された状態で、且つ、軸方向に
移動可能な状態で収容されている。上記シャフト61の
後端側(図4中上側端)は上記スリーブ41より突出・
配置されている。又、シャフト61の後端側にはコイル
スプリング63が装着されている。すなわち、シャフト
61の後端にはリング部材65を介してナット67が螺
合していて、上記コイルスプリング63は、このリング
部材65とスリーブ41側の段付部69との間に張設さ
れている。そして、上記シャフト61は上記コイルスプ
リング63によって後方(図4中上方)に常時付勢され
た状態にある。上記ナット67の部分はカバー71によ
って被冠されている。
【0019】上記シャフト61とスリーブ41との関係
をさらに説明すると、シャフト61側には軸方向に所定
長さだけ溝62が形成されている。一方、スリーブ41
側からは上記溝62に対してピン64が差し込まれてい
る。上記溝62とピン64によってシャフト61とスリ
ーブ41とは回転方向に対して一体化されている。又、
軸方向に対しては、溝62の軸方向の長さの範囲内で相
対移動可能に構成されている。そして、既に説明したよ
うに、シャフト61はコイルスプリング63によって後
方に常時付勢されているが、上記溝62の図4中上側の
余裕の範囲内でコイルスプリング63の付勢力に抗して
前方(図4中下方)に移動できるようになっている。
又、逆に、シャフト61はコイルスプリング63の付勢
方向に対しても上記溝62の図4中下側の余裕の範囲内
で後方(図4中上方)に移動できるようになっている。
【0020】上記シャフト61の先端側(図4中下方)
にはねじ切り工具としてのタッピング工具73が着脱可
能に装着されていて、ロック部材75によってロックさ
れている。又、上記シャフト61の先端側には、鍔部7
7が形成されていて、この鍔部77とスリーブ41との
間にはシールリング79が介挿されている。
【0021】ここで、既に説明したコイルスプリング6
3と上記シールリング79の機能について説明すると、
加工開始時においてタッピング工具73がワーク81に
当接して戻されるときに僅かな時間であるが無理な力が
作用する。その場合には、上記シールリング79を弾性
変形させて、且つ、シャフト61の図4中上方への移動
を許容することによりこれを吸収するようにしている。
又、タッピング工具73によるワーク81に対するねじ
切りが開始された直後においては、タッピング工具73
がワーク81側に引っ張られるような状態になる。この
場合には、シャフト61がコイルスプリング63の付勢
力に抗して図4中下方に移動することによりこれを吸収
するものである。尚、これらの点については追って作用
の説明においても詳細に説明するものとする。
【0022】上記カム部材35とカムフォロア57とカ
ムフォロア取付部材51の関係について詳しく説明す
る。まず、カム部材35であるが、図3、図5に示すよ
うに、概略8の字状をなす外形をしていて、図3中矢印
aで示す方向に回転するようになっている。一方、カム
フォロア取付部材51であるが、図3に示すように、概
略扇型形状をなしていて、上記カムフォロア57は、図
3中右側に寄った箇所に回転可能に取り付けられてい
る。
【0023】又、上記カムフォロア取付部材51の図3
中左右両側には第1ストッパ部材82と第2ストッパ部
材83とが設置されている。又、カムフォロア取付部材
51はコイルスプリング85によって、図3中時計方向
(図3中矢印b方向)に常時付勢された状態にある。す
なわち、非加工時においては、カムフォロア取付部材5
1は、コイルスプリング85によって図3中時計方向
(図3中矢印b方向)に常時付勢された状態にあって、
上記ストッパ部材83に当接した状態にある。この状態
でカム部材35が回転しても、カムフォロア57に作用
することはない。尚、図3中カムフォロア取付部材51
が第2ストッパ部材83に当接しているときのカムフォ
ロア57を実線で示し、カムフォロア取付部材51がワ
ーク81によって図3中反時計方向に回転付勢され、カ
ムフォロア57がカム部材35に関係している様子を仮
想線で示す。
【0024】上記ワーク81は、図1に示すように、主
軸台83に回転可能に取り付けられた主軸85に把持さ
れていて、その先端部をガイドブッシュ87に支持され
た状態にある。上記主軸台83はZ軸方向に移動可能に
構成されていると共に、上記主軸85はワーク81を回
転可能に把持しているものである。又、図3に示すよう
に、タレット型刃物台1の別の取付面5には、3個の穴
明けドリル91が取り付けられている。図3はこれら穴
明けドリル91を後方からみている。既に説明したタッ
ピング工具73によってねじ切り加工を行う場合には、
上記穴明けドリル91によって、ワーク81に対して事
前に穴明け加工を施しておくものである。尚、図1中穴
明けドリル91によってワーク81に明けた穴を符号8
1aで示す。
【0025】以上の構成を基にその作用を説明する。ま
ず、タレット型刃物台1を旋回させて、穴明けドリル9
1が搭載されている工具取付面5を割り出し、且つ、タ
レット型刃物台1をX軸方向・Z軸方向に適宜移動さ
せて、使用する穴明けドリル91の位置をワーク81の
軸心位置に一致させる。次に、主軸台83をZ軸方向に
移動させることにより、回転しているワーク81に対し
て上記穴明けドリル91を作用させて所定の径の穴81
aを明ける。
【0026】穴81aの穴明けが完了したら、主軸台8
3を後退させる。そして、タレット型刃物台1を退避さ
せて旋回させ、振動タッピングユニット7が取り付けら
れている工具取付面5を割り出す。そして、タレット型
刃物台1をX軸方向・Z軸方向に適宜移動させて、タ
ッピング工具73の位置をワーク81の軸芯位置に一致
させる。そして、ワーク81を主軸85によって所定の
回転数で回転(タッピング工具73に向かって右回転)
させた状態で主軸台83をZ軸方向に移動させながら、
タッピング工具73によってワーク81にねじ切り加工
を施していく。
【0027】以下、そのねじ切り加工を詳細に説明して
いく。まず、カム部材35は図3、図5中a方向に常時
回転している。一方、カムフォロア取付部材51はコイ
ルスプリング85によって、図3、図5中矢印b方向に
回転付勢された状態にあり、第2ストッパ部材83に当
接した状態にある。この状態ではカム部材35が回転し
ても、カムフォロア57に作用することはない。
【0028】その状態で、主軸台83をZ軸方向に移動
させていくと、やがてワーク81にタッピング工具73
が当接する。そして、図3中矢印b方向に回転付勢され
ていたタッピング工具73は、回転しているワーク81
によって、コイルスプリング85の付勢力に抗して、矢
印b方向とは逆の方向に戻される。タッピング工具73
がワーク81に圧接された状態で逆方向に戻されるとき
には、ワーク81側は主軸台83のZ軸方向への送り動
作によって、タッピング工具73方向に送られている。
したがって、ワーク81とタッピング工具73に対して
極めて僅かな時間であるが、無理な力が作用することに
なる。これに対しては、シールリング79が弾性変形し
てシャフト61の図4中上方への移動を許容することに
よりその無理な力を吸収することになる。それによっ
て、タッピング工具73の破損やワーク81の破損等を
防止するようにしている。
【0029】次に、回転しているカム部材35がカムフ
ォロア57に作用し始める。そして、カムフォロア57
を介して、カムフォロア取付部材51、スリーブ41、
シャフト61が、矢印b方向に回転付勢される。それに
よって、タッピング工具73も同方向に回転し、それに
よって、ワーク81に対してねじ切りが施される。
【0030】尚、ねじ切り加工が開始された直後におい
ては、タッピング工具73がワーク81側に引っ張られ
るような状態が発生するが、これは、シャフト61がコ
イルスプリング85の付勢力に抗して前方に移動するこ
とにより吸収され、よって、タッピング工具73に無理
な力が作用するようなことはない。
【0031】カム部材35のカムフォロア57に対する
付勢が解除されると、タッピング工具73、シャフト6
1、スリーブ41、カムフォロア取付部材51が、ワー
ク81の回転によって、コイルスプリング85の付勢力
に抗して矢印b方向とは逆の方向に戻される。その際、
タッピング工具73は、コイルスプリング85の作用に
よって、ワーク81に対して押し付けられた状態にあ
る。この間はねじ切り加工は施されない。このように、
非ねじ切り加工時に、タッピング工具73をワーク81
の被切削部に圧接させておくことによりステップ振動タ
ッピング動作を実現するものである。以下、カム部材3
5の回転によって同様の作用が繰り返されることにな
り、それによって、ステップ振動によるねじ切り加工が
実行されることになる。
【0032】又、非ねじ切り加工時、すなわち、タッピ
ング工具73がワーク81によって押し戻される際に、
カムフォロア取付部材51が第1ストッパ部材82に当
接する前に必ず、カム部材35がカムフォロア57に作
用することになる。したがって、カムフォロア取付部材
51が第1ストッパ部材82に当接することはないが、
仮に、ねじ切り加工の径が小径になってワーク81の回
転数が増大していった場合には、カムフォロア取付部材
51が第1ストッパ部材82に当接することも予想さ
れ、その場合には当接した状態で、カム部材35がカム
フォロア57に作用するタイミングを待つことになる。
つまり、第1ストッパ部材82はそのような位置、カム
部材35のカムフォロア57への作用を可能にする限界
位置に設けられているものである。又、カムフォロア取
付部材51が第1ストッパ部材82に当接した状態で
は、タッピング工具73によるねじ切り加工が行われる
ことになる。
【0033】ワーク81に対して対して所定深さのねじ
切り加工が終了したら、主軸85が逆転すると共に主軸
台83が後退動作を行う。それによって、ワーク81は
タッピング工具73より離脱することになる。又、カム
部材35は回転を継続していると共に、カムフォロア取
付部材51はコイルスプリング85によって、矢印b方
向に回転付勢され、第2ストッパ部材83に当接した状
態となり、次のワーク81のねじ切り加工に備えること
になる。尚、図6に本実施の形態によるステップ振動タ
ッピング動作の特性を示す。図6は横軸に時間(t)を
とり、縦軸にタッピング工具73のワーク81に対する
軸方向変位(l)をとって示すものである。
【0034】以上本実施の形態によると次のような効果
を奏することができる。まず、振動タッピングユニット
7を搭載した自動旋盤を得ることができ、その際、自動
旋盤のタレット型刃物台1に設けられている回転駆動
源、すなわち、シャフト11を介して伝達される回転力
を利用して所望の振動を得るように構成したので、振動
付与のための新たな駆動源を要することはなく、簡単な
構成とすることができる。又、この実施の形態における
振動タッピングユニット7は、ステップ振動方式のもの
であり、タッピング工具71の先端がワーク81に対し
て常に当接した状態にあり、その状態で断続的なねじ切
り加工を繰り返すものである。よって、タッピング工具
71のチッピング(刃先の破損)が効果的に防止される
ことになり、タッピング工具71の破損を防止して安定
した加工を行うことができるものである。
【0035】前記第1の実施の形態において、別の形状
のカム部材35を使用することが考えられる。具体的に
は、図7に示すような形状である。これは、カム部材3
5が1回転する間にカムフォロア57を付勢するタイミ
ングを1回とすると共に、カムフォロア57を付勢する
時間、換言すれば、ねじ切り加工が行われる時間を長く
するようにしたものである。
【0036】又、図8に示すような形状も考えられる。
これは、カムフォロア57を付勢する時間、換言すれ
ば、ねじ切り加工が行われる時間を短くするようにした
ものである。又、図9に示すような形状も考えられる。
【0037】次に、図10を参照して本発明の第2の実
施の形態を説明する。すなわち、前記第1の実施の形態
の場合には、ステップ振動方式のねじ切り加工を行う場
合を例に挙げて説明したが、この第2の実施の形態にお
いては、通常の振動方式のねじ切り加工を行う場合を説
明するものである。すなわち、コイルスプリング85の
作用する方向を逆向きにしたものである。すなわち、カ
ムフォロア取付部材51がコイルスプリング85によっ
て常時ワーク81の回転方向に対して同方向に回転付勢
されるように構成されている。
【0038】そして、カム部材35の回転によってカム
フォロア取付部材51がワーク81の回転方向とは逆向
きに付勢されることによりねじ切り加工が実行され、カ
ム部材35の付勢が解除されることにより、上記コイル
スプリング85の付勢力によって、カムフォロア取付部
材51が、ワーク81の回転方向に瞬時に(ワーク81
の回転速度より速く)戻される。それによって、タッピ
ング工具73がワーク81の切削位置より離間すること
になる。つまり、ステップ振動方式ではなく通常の振動
方式ということになる。
【0039】尚、本発明は前記第1、第2の実施の形態
に限定されるものではない。まず、前記第1、第2の実
施の形態の場合には、ねじ切り工具としてタッピング工
具を例に挙げて説明しているが、ダイスに対しても同様
に適用可能である。又、振動タッピングユニットを搭載
する刃物台としてタレット型刃物台を例に挙げて説明し
たが、櫛形刃物台等でもよく、要は回転駆動源を備えて
いるようなものであればよい。
【0040】
【発明の効果】以上詳述したように本発明による自動旋
盤と自動旋盤におけるねじ切り加工方法によると、振動
タッピングユニットを搭載した自動旋盤を得ることがで
き、その際、自動旋盤の刃物台に設けられている回転駆
動源を利用して所望の振動を得るように構成したので、
振動付与のための新たな駆動源を要することはなく、簡
単な構成とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す図で、自動旋
盤の一部の構成を示す断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態を示す図で、自動旋
盤の一部の構成を示すと共に振動タッピングユニットを
タレット型刃物台に取り付けようとしている状態を示す
断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態を示す図で、図1の
III−III矢視図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態を示す図で、タッピ
ング工具及びその周辺の構造を拡大して示す断面図であ
る。
【図5】本発明の第1の実施の形態を示す図で、カム部
材とカムフォロア取付部材及びその周辺の部材の関係を
示す要部拡大図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態を示す図で、ステッ
プ振動タッピング動作の特性を示す特性図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態を示す図で、カム部
材の別の形状を示す平面図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態を示す図で、カム部
材の別の形状を示す平面図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態を示す図で、カム部
材の別の形状を示す平面図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態を示す図で、自動
旋盤におけるタレット型刃物台の一部の構成を示す図で
ある。
【図11】振動タッピング法の場合の特性を示す特性図
である。
【図12】ステップ振動タッピング法の場合の特性を示
す特性図である。
【符号の説明】
1 タレット型刃物台(刃物台) 7 振動タッピングユニット 8 ハウジング 9 回転伝達手段 11 シャフト 13 傘歯車 15 シャフト 17 傘歯車 19 傘歯車 25 傘歯車 27 シャフト 35 カム部材 41 スリーブ 51 カムフォロア取付部材 57 カムフォロア 61 シャフト 71 タッピングユニット 73 タッピング工具(ねじ切り工具) 81 ワーク

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転駆動源を備えた刃物台と、 上記刃物台に着脱可能に搭載されねじ切り工具を備えて
    いて、上記刃物台の回転駆動源からの駆動を利用して上
    記ねじ切り工具に振動を付与してワークにねじ切りを行
    う振動タッピングユニットと、 を具備したことを特徴とする自動旋盤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の自動旋盤において、 上記振動タッピングユニットは、上記刃物台に取り付け
    られるハウジングと、上記ハウジング内に配置され上記
    刃物台の回転駆動源からの回転運動の伝達を受けるシャ
    フトと、上記シャフトに設けられたカムと、ねじ切り工
    具を備えると共に上記カムに付勢されるカムフォロアを
    備え上記カムとカムフォロアとの作用によって上記ねじ
    切り工具をワークの回転方向とは逆方向に断続的に回転
    させてねじ切りを行う工具ホルダと、から構成されてい
    ることを特徴とする自動旋盤。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の自動旋盤において、 上記工具ホルダは弾性部材によってワークの回転方向と
    は逆方向に付勢されていて、上記断続的なねじ切りが行
    われた後上記ねじ切り工具をワークの被切削部に圧接さ
    せるようにしたことを特徴とする自動旋盤。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の自動旋盤において、 上記工具ホルダは弾性部材によってワークの回転方向に
    付勢されていて、上記断続的なねじ切りが行われた後上
    記ねじ切り工具をワークの被切削部より離間させるよう
    にしたことを特徴とする自動旋盤。
  5. 【請求項5】 回転駆動源を備えた刃物台の該回転駆動
    源からの駆動を利用してねじ切り工具に振動を付与して
    ねじ切り加工を行うようにしたことを特徴とする自動旋
    盤におけるねじ切り加工方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の自動旋盤におけるねじ切
    り加工方法において、 上記ねじ切り工具をステップ振動させながらねじ切り加
    工を行うようにしたことを特徴とする自動旋盤における
    ねじ切り加工方法。
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