JP2001046405A - 前歯用の暫間被覆冠 - Google Patents

前歯用の暫間被覆冠

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JP2001046405A
JP2001046405A JP11253411A JP25341199A JP2001046405A JP 2001046405 A JP2001046405 A JP 2001046405A JP 11253411 A JP11253411 A JP 11253411A JP 25341199 A JP25341199 A JP 25341199A JP 2001046405 A JP2001046405 A JP 2001046405A
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Kazuhiro Kinoshita
一弘 木下
Yukio Nakagawa
幸夫 中川
Akira Hasegawa
明 長谷川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 支台歯に適合する暫間被覆冠の選択が容易で
あって、そのための労力、時間等が軽減でき、保管、管
理も容易であり、また、必要とする前歯用の暫間被覆冠
を安価に提供する。 【解決手段】 熱可塑性合成樹脂を素材とし、開口部を
有する薄肉のキャップ状であって、唇側面形状が、近遠
心対称であって、切縁隅角部の形状が、天然歯の近心切
縁隅角部の解剖学的形状に形成されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、前歯の歯科治療
において使用する暫間被覆冠に関するものである。さら
に詳しくは、この発明は、クラウンやブリッジ等による
前歯の歯科修復を行うに際し、支台歯形成からクラウン
やブリッジ等の補綴物を装着するまでの間、支台歯に暫
定的に仮着して使用する補綴物である暫間被覆冠に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】支台歯形成からクラウンやブリッジ等の
最終補綴物を装着するまでの間、咀嚼機能、審美性、発
音の回復、支台歯や隣接歯および対合歯の移動の防止お
よび咬合関係の維持・回復、支台歯の歯質や辺縁歯肉の
保護、二次齲蝕の防止のため、また、支台歯が有髄歯の
場合の温度的、機械的刺激等による歯髄炎症の防止等の
ために、アルミニウム、セルロイド、熱可塑性合成樹脂
等を歯冠形状に成型した既製の暫間被覆冠を支台歯に暫
定的に仮着することが一般的に行われている。
【0003】歯は、同一部位の歯であっても、患者に応
じて形状、サイズ等が相違している。そのため、歯科医
院等においては、各歯毎に形状、サイズを異にした暫間
被覆冠が複数揃えられている。そして、治療対象とする
支台歯はもちろん、隣接歯や対合歯等との関係を検討し
た上で、最適な暫間被覆冠を選択し、その内面に常温重
合レジン等を盛り、これらが未硬化のうちに支台歯に被
せて仮着し、最終補綴物の装着に至るまでの1〜2週間
程度使用することが行われている。
【0004】前歯用の暫間被覆冠は、中切歯、側切歯、
犬歯用として上顎左右で6種類、下顎左右で6種類が必
要であり、各前歯に対する暫間被覆冠を、例えば、大、
中、小の3種揃えるとすると、前歯用の暫間被覆冠とし
て合計36種類を歯科医院等は管理、保管しておき、治
療に際して患者に適合したものを選択し使用することに
なる。図7に、上顎右側の中切歯用の暫間被覆冠の一例
を示す。図7(a)は唇側を正面とした時の正面図、
(b)は近心側の側面図である。この暫間被覆冠(2
1)は、歯頸側に開口部(22)を有する熱可塑性合成
樹脂製のキャップ状のものであって、上顎右側の中切歯
の歯冠の解剖学的形状を模した形状となっている。その
ため、図7(a)に示されるように、この暫間被覆冠
(21)は、遠心切縁隅角部(23)である向かって左
側角部の形状が、近心切縁隅角部(24)である向かっ
て右側角部の形状と比べ僅かに丸みを帯びている。これ
に対し、図8に示すように、上顎左側の中切歯用の暫間
被覆冠(31)は、遠心切縁隅角部(33)である向か
って右側角部の形状が、近心切縁隅角部(34)である
向かって左側角部の形状と比べ僅かに丸みを帯びてい
る。なお、図8(a)は唇側を正面としたときの正面
図、(b)は近心側の側面図である。このように、上顎
右側の中切歯用の暫間被覆冠(21)と上顎左側の中切
歯用の暫間被覆冠(31)の形状の差は僅かであること
から、見分けがつきにくく、不注意によって左右を取り
違えて支台歯に仮着してしまうことが起こる。このよう
なことが起きること自体、また、そのような状態を放置
することは、例え、暫間被覆冠の使用が1〜2週間程度
であるといっても、歯科医院の信頼性を損なうことにな
りかねない。そして、やり直しには、時間と経費がかさ
むことになる。こういったことは、他の前歯用の暫間被
覆冠においても同様である。
【0005】このようなことから、36種類にも及ぶ前
歯用の暫間被覆冠から、必要とする暫間被覆冠を左右、
サイズの過誤なく適切に選択し、支台歯に仮着するに
は、かなりの注意力と高度な判断力を要し、その作業は
煩雑で手間がかかり、困難である。
【0006】また、暫間被覆冠を選択する際に、暫間被
覆冠を混在させないように管理、保管することも所定の
暫間被覆冠を適切に選択するために必要である。すなわ
ち、例えば、選択した暫間被覆冠がサイズ等において適
切でなければ、適切な暫間被覆冠と取り替えることにな
るが、適切でないと判断された暫間被覆冠が通常管理、
保管しているところに正確に戻されないことがある。こ
のようなことが生じると、その後の暫間被覆冠の選択の
際のミスがより生じやすくなる。そのようなことになら
ないように、異種の暫間被覆冠が混在していないことを
常時チェックし、異種の暫間被覆冠が混在していれば、
適切なところに戻すことが必要となるが、36種類もあ
ると、そのチェックや適切なところに戻すのは、煩雑
で、手間のかかることである。
【0007】また、前歯用の暫間被覆冠を36種も製造
するには、金型に要する費用が嵩み、製造時に仕分け、
梱包作業等が多くなり、製品のコストアップに繋がる。
こういったことは、乳歯を対象とする前歯用の暫間被覆
冠でも同様である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記のよ
うな実情に鑑み鋭意研究の結果創案されたものであり、
支台歯に適合する暫間被覆冠の選択が容易であって、そ
のための労力、時間等が軽減でき、保管、管理も容易で
あり、また、安価な前歯用の暫間被覆冠を提供すること
を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明の前歯用の暫間被覆冠は、唇側面形状が、
近遠心対称に形成されてなることを特徴とする(請求項
1)。この暫間被覆冠によれば、左右共用として用いる
ことができることになり、これまでのように左右別に揃
えることに比べ、揃えるべき種類を半減することが可能
となる。すなわち、中切歯、側切歯、犬歯用の暫間被覆
冠として上顎左右共用で3種類、下顎左右共用で3種類
となり、各前歯に対する暫間被覆冠を、例えば、大、
中、小の3種揃えるとすると、前歯用の暫間被覆冠は合
計18種類で済み、従来の前歯用の暫間被覆冠が合計で
36種類であったことと比べると半分となる。そして、
必要とする暫間被覆冠の選択は、暫間被覆冠の種類とサ
イズを確認するだけでよく、手間がかからず、間違いが
起きにくい。また、前歯用の暫間被覆冠の種類、数が半
減することから、暫間被覆冠の管理、保管も容易であ
り、暫間被覆冠の混在の発生確率を低下させることがで
きるとともに、例え、混在が生じたとしても、混在を解
消することが、従来と比べはるかに容易である。また、
前歯用の暫間被覆冠の種類が半減することは、製造用の
金型が安価になり、さらに、製造時の仕分け、梱包等を
格段に減らすことになり、製品のコストダウンをはかる
ことができる。この暫間被覆冠の使用に際しては、隣接
歯や対合歯等との関係を勘案して、適切なものを選択す
る。そして、選択された暫間被覆冠の内面に常温重合レ
ジン等を盛りつけ未硬化のうちに、例えば、支台歯に被
せ仮着する。仮着された暫間被覆冠はそのまま使用する
こともできるが、暫間被覆冠の外形形状により審美性が
不足する場合は、天然歯の切縁隅角部の解剖学的形状に
なるように、隅角部を研削したり、筆積み等して修正す
ればよく、さらに必要であれば、切縁等も研削したり、
筆積み等して修正してもよい。隣接歯や対合歯との関係
等で必要な場合には、暫間被覆冠の外形を研削したり、
筆積み等すればよい。これらの技工操作は、口腔内、口
腔外いずれにおいて行ってもよく、口腔外での技工操作
は模型上において行えばよい。この発明においては、舌
側面形状も近遠心対称に形成されていることが好ましい
(請求項2)。そして、この発明においては、切縁隅角
部の形状が、天然歯の近心切縁隅角部の解剖学的形状に
形成されていてもよい(請求項3)。こうすることで、
支台歯に暫間被覆冠をそのまま仮着した状態においても
特に審美的な違和感を生ずることがなく、審美性を重視
する場合には、後述するように遠心切縁隅角部に対応す
る隅角部を研削したり、筆積み等したりすることによる
形態修正が容易である。暫間被覆冠の使用に際しては、
隣接歯や対合歯等との関係を勘案して、適切なものを選
択する。そして、選択された暫間被覆冠の内面に常温重
合レジン等を盛りつけ未硬化のうちに、例えば、支台歯
に被せ仮着する。仮着された暫間被覆冠はそのまま使用
することもできるが、審美性を重視する場合は、遠心切
縁隅角部に対応する隅角部が天然歯の遠心切縁隅角部の
解剖学的形状になるように研削等して修正すればよく、
さらに必要であれば、切縁等も研削等して修正すればよ
い。隣接歯や対合歯との関係等で必要な場合には、暫間
被覆冠の外形を研削したり、筆積み等すればよい。これ
らの技工操作は、口腔内、口腔外いずれにおいて行って
もよく、口腔外での技工操作は後述するように模型上に
おいて行えばよい。この発明の前歯用の暫間被覆冠に用
いる素材としては、アルミニウム、セルロイドであって
もよいが、熱可塑性合成樹脂であれば、暫間被覆冠の内
面に盛るレジン等との接着性が良好であること、安価な
こと等の観点からから好ましい(請求項4)。熱可塑性
合成樹脂としては、咬合等によって摩耗し難く、無味、
無臭であって、天然歯に似せるための着色性が良好で、
生体為害性が低く、常温重合レジン等との接着性がよ
く、また、金型による成型が可能で、比較的剛性の高い
材料であればよく、暫間被覆冠の内面に盛るレジン等と
してアクリル系合成樹脂が多用されていることも勘案す
ると、特にポリカーボネート又はポリエーテルサルフォ
ンが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態を示し、さらに
詳しくこの発明について説明する。もちろんこの発明は
以下の実施の形態によって限定されるものではない。こ
の発明の前歯用の暫間被覆冠の一例を図1に示し、
(a)は唇側を正面とした時の正面図、(b)は(a)
の右側面図である。この暫間被覆冠は、上顎の中切歯に
使用するものとして例示している。この暫間被覆冠
(1)は、歯頸側に開口部(2)を有する薄肉のキャッ
プ状のもので、唇側面形状、および、舌側面形状のいず
れにおいても近遠心対称(いわゆる、左右対称)となる
ように熱可塑性合成樹脂で成型したものである。そし
て、その向かって左側、および、右側の切縁隅角部
(3)、(4)の形状は、いずれも天然歯の近心切縁隅
角部の解剖学的形状に形成されており、切縁(5)は水
平状となっている。従って、この暫間被覆冠(1)は、
上顎の左右の中切歯いずれにも使用でき、上顎右側の中
切歯を支台歯として使用する場合は、図1(a)の暫間
被覆冠(1)の向かって右側の切縁隅角部(4)が近心
切縁隅角部になり、左側の切縁隅角部(3)が遠心切縁
隅角部になる。そのため、この暫間被覆冠(1)の向か
って左側の切縁隅角部(3)は、上顎右側の天然の中切
歯の遠心切縁隅角部と比べ比較的角張った感を与えるこ
とになる。一方、この暫間被覆冠(1)を、上顎左側の
中切歯を支台歯として使用する場合は、図1(a)の暫
間被覆冠(1)の向かって左側の切縁隅角部(3)が近
心切縁隅角部になり、右側の切縁隅角部(4)が遠心切
縁隅角部になる。
【0011】図2は、上顎の犬歯用の暫間被覆冠を示
し、(a)は唇側を正面とした時の正面図、(b)は
(a)の右側面図である。この暫間被覆冠(11)は、
歯頸側に開口部(12)を有する薄肉のキャップ状のも
ので、尖頭(13)を中心に左右対称となっており、向
かって左側、および、右側の切縁隅角部(14)、(1
5)の形状は、いずれも天然歯の近心切縁隅角部の解剖
学的形状に形成されている。この暫間被覆冠(11)
は、上顎の左右の犬歯いずれにも使用でき、上顎右側の
犬歯を支台歯として使用する場合は、図2(a)の暫間
被覆冠(11)の向かって右側の切縁隅角部(15)が
近心切縁隅角部になり、左側の切縁隅角部(14)が遠
心切縁隅角部になる。そのため、この暫間被覆冠(1
1)の左側の切縁隅角部(15)は、上顎右側の天然の
犬歯の遠心切縁隅角部と比べ比較的角張った感を与える
ことになる。一方、この暫間被覆冠(11)を、上顎左
側の犬歯を支台歯として使用する場合は、図2(a)の
暫間被覆冠(11)の向かって左側の切縁隅角部(1
4)が近心切縁隅角部になり、右側の切縁隅角部(1
5)が遠心切縁隅角部になる。
【0012】上顎の中切歯用の暫間被覆冠(1)につい
ての図1およびそれに関する記載、上顎の犬歯用の暫間
被覆冠(11)についての図2およびそれに関する記載
から、前歯用の他の暫間被覆冠(すなわち、上顎の側切
歯、下顎の中切歯、側切歯、犬歯用の暫間被覆冠)の構
成については、明らかなことから、図示、および、詳細
な説明は省略する。
【0013】これらの前歯用の暫間被覆冠は、中切歯、
側切歯、犬歯毎に、形状、サイズの異なるものを複数種
成型して揃えておき、患者に応じて適宜選択して使用す
る。このような暫間被覆冠は、熱可塑性合成樹脂を圧縮
成型または射出成型等によって成型すればよい。
【0014】次に、図1に示す上顎の中切歯用の暫間被
覆冠を支台歯に仮着する操作方法の一例を、上顎右側の
中切歯を支台歯とし、これに暫間被覆冠を被せる場合と
して説明する。 <1>支台歯、隣接歯、対合歯等を勘案して、最適な暫
間被覆冠を選択する。選択した暫間被覆冠が隣接歯間の
スペースに適合して隣接歯とコンタクトし、しかも、そ
の開口部のサイズも支台歯に適合する場合は、そのまま
使用できる。選択した暫間被覆冠が、隣接歯間のスペー
スに適合して隣接歯とコンタクトするものであっても、
その開口部のサイズに比べ支台歯が僅かにでも大きい場
合には、暫間被覆冠の内面を削って支台歯に被るように
すればよい。次いで、その暫間被覆冠の内面に常温重合
レジン等を所定量盛る。 <2>常温重合レジンが未硬化のうちに暫間被覆冠を支
台歯に被せ押圧し、常温重合レジンを硬化させて支台歯
に仮着する。図3に暫間被覆冠(1)を上顎右側の中切
歯の支台歯(6)に被せた状態を示す。図示していない
が、暫間被覆冠(1)と支台歯(6)の隙間から常温重
合レジンが若干はみ出し、一種のバリができるのが通常
である。なお、暫間被覆冠の開口部のサイズが支台歯に
適合するものの、隣接歯間のスペースに適合する暫間被
覆冠がなく、隣接歯間のスペースより小さいものを選択
せざるを得なかった場合には、暫間被覆冠の支台歯への
仮着後、隣接歯と暫間被覆冠との間に僅かな間隙か生ず
ることから、暫間被覆冠と隣接歯との間の間隙をなくす
ように常温重合レジンを口腔内において筆積みして、暫
間被覆冠と隣接歯とのコンタクトを取るようにする。 <3>暫間被覆冠を常温重合レジンごと支台歯から取り
外す。この取り外しを容易にするために、常温重合レジ
ンが内面に盛られた暫間被覆冠を支台歯に被せるに際
し、支台歯に離型剤等を施してもよい。 <4>そして、口腔外において、バリの除去、開口部の
辺縁や歯冠形態の修正等を行う。その際、審美性を重視
する場合には、暫間被覆冠の遠心切縁隅角部に対応する
向かって左側の切縁隅角部を研削等することで、解剖学
的な遠心切縁隅角部に模した形状となるように修正す
る。このような暫間被覆冠の切縁隅角部の修正は、暫間
被覆冠が、患者、歯科医師等にとって、あくまで最終補
綴物を装着するまでの1〜2週間程度の短期間使用する
暫定的なもので、切縁の適合度、咬合接触、色調、形態
等も最終補綴物程の品質が要求されないとの共通認識に
基づくことから、通常行うバリの除去等の作業の一部と
してそれ程手間をかけることなく行うことでよく、技工
操作等が容易となる。暫間被覆冠の遠心切縁隅角部に対
応する切縁隅角部を研削等して、患者の解剖学的な遠心
切縁隅角部に模した形状に修正することで、解剖学的な
近心切縁隅角部と遠心切縁隅角部を備えた暫間被覆冠を
得ることができる。なお、さらに切縁等を研削等して整
形し、より天然の中切歯の形状に似せるようにしてもよ
い。 <5>修正等の完了した暫間被覆冠を支台歯に仮着用セ
メント等によって再仮着する。図4に、遠心切縁隅角部
に対応する向かって左側の切縁隅角部(3)が研削等さ
れて修正された暫間被覆冠(1)が、上顎右側の中切歯
の支台歯(6)に仮着された状態を示す。 <6>仮着された暫間被覆冠の咬合調整等を口腔内にお
いて行う。
【0015】暫間被覆冠の支台歯への仮着の操作方法
は、以上の操作方法に限られず、例えば、暫間被覆冠の
内面に常温重合レジンを盛って、これを模型の支台歯に
被せるようにしてもよいものである。この場合、支台歯
への暫間被覆冠の仮着は、暫間被覆冠の形態修正等を模
型上で行った後であってもよい。
【0016】図2に示した上顎の犬歯用の暫間被覆冠
(11)を上顎支台歯に仮着する操作方法は、上記した
上顎の中切歯用の暫間被覆冠を上顎右側の中切歯の支台
歯に仮着する操作方法に準じて行えばよい。図5は、上
顎左側の犬歯を支台歯(16)とし、上顎の犬歯用の暫
間被覆冠(11)を仮着した状態を示す。図6は、審美
性を重視して、暫間被覆冠(11)の向かって右側の切
縁隅角部(15)を研削等して、解剖学的な遠心隅角部
に模した形状修正した状態を示す。
【0017】この他の前歯用の暫間被覆冠を支台歯に仮
着する操作方法も同様なことから詳細な説明は省略す
る。
【0018】
【発明の効果】この発明は、以上詳しく説明したように
構成されているので、以下に記載されるような効果を奏
する。この発明の前歯用の暫間被覆冠によれば、左右共
用として使用することができることになり、これまでの
ように左右別に揃えることに比べ、揃えるべき種類を半
減することが可能となる。すなわち、中切歯、側切歯、
犬歯用の暫間被覆冠として上顎左右共用で3種類、下顎
左右共用で3種類となり、各前歯に対する暫間被覆冠
を、例えば、大、中、小の3種揃えるとすると、前歯用
の暫間被覆冠は合計18種類で済み、従来の前歯用の暫
間被覆冠が合計で36種類であったことと比べると半分
となる。従って、必要とする暫間被覆冠の選択は、暫間
被覆冠の種類と、サイズを確認するだけでよく、手間が
かからず、間違いが起きにくい。また、前歯用の暫間被
覆冠の種類、数が半減することから、暫間被覆冠の管
理、保管も容易であり、暫間被覆冠の混在の発生確率を
低下させることができるとともに、例え、混在が生じた
としても、適切なところに戻すことが容易である。ま
た、前歯用の暫間被覆冠の種類が半減することは、金型
が安価になり、さらに、製造時の仕分け、梱包等を格段
に減らすことになり、製品のコストダウンをはかること
ができる。特に、両側の切縁隅角部の形状が、天然歯の
近心切縁隅角部の解剖学的形状に形成されていると、審
美性を重視する場合、暫間被覆冠の仮着に際し、遠心切
縁隅角部に対応する隅角部、および、切縁を含めたその
近傍を、天然歯の遠心切縁隅角部の解剖学的形状になる
ように口腔外または口腔内において、研削等し修正する
ことで、解剖学的な近心切縁隅角部と遠心切縁隅角部を
備えた天然歯に類似した形状の暫間被覆冠を得ることが
可能となる。このようにすれば、暫間被覆冠の仮着され
る1〜2週間程度であっても患者にとって満足のいく暫
間処置を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の前歯用の暫間被覆冠の一例を示し、
(a)は唇側を正面とした時の正面図、(b)は(a)
の右側面図である。
【図2】この発明の前歯用の暫間被覆冠の他例を示し、
(a)は唇側を正面とした時の正面図、(b)は(a)
の右側面図である。
【図3】図1に示す暫間被覆冠を支台歯に被せた状態を
示す説明図である。
【図4】図1の暫間被覆冠の形状を修正した状態を示す
説明図である。
【図5】図2に示す暫間被覆冠を支台歯に被せた状態を
示す説明図である。
【図6】図2の暫間被覆冠の形状を修正した状態を示す
説明図である。
【図7】従来の上顎右側の中切歯用の暫間被覆冠を示
し、(a)は唇側を正面とした時の正面図、(b)は近
心側の側面図である。
【図8】従来の上顎左側の中切歯用の暫間被覆冠を示
し、(a)は唇側を正面とした時の正面図、(b)は近
心側の側面図である。
【符号の説明】
1 暫間被覆冠 2 開口部 3、4 切縁隅角部 6 支台歯

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 唇側面形状が、近遠心対称に形成されて
    なることを特徴とする前歯用の暫間被覆冠。
  2. 【請求項2】 舌側面形状が、近遠心対称に形成されて
    なることを特徴とする請求項1記載の前歯用の暫間被覆
    冠。
  3. 【請求項3】 切縁隅角部の形状が、天然歯の近心切縁
    隅角部の解剖学的形状に形成されてなることを特徴とす
    る請求項1または2記載の前歯用の暫間被覆冠。
  4. 【請求項4】 熱可塑性合成樹脂からなることを特徴と
    する請求項1、2または3記載の前歯用の暫間被覆冠。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101445524B1 (ko) * 2014-03-20 2014-10-02 백현영 임시 레진계 치관

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WO2015142088A1 (ko) * 2014-03-20 2015-09-24 (주)하이템 임시 레진계 치관
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