JP2001046403A - ワックスパターン用表面処理材 - Google Patents

ワックスパターン用表面処理材

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JP2001046403A
JP2001046403A JP22482099A JP22482099A JP2001046403A JP 2001046403 A JP2001046403 A JP 2001046403A JP 22482099 A JP22482099 A JP 22482099A JP 22482099 A JP22482099 A JP 22482099A JP 2001046403 A JP2001046403 A JP 2001046403A
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JP
Japan
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wax pattern
alcohol
surfactant
surface treatment
finishing agent
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JP22482099A
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English (en)
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Fuminobu Kubo
文信 久保
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TAISEI SHIKA KOGYO KK
Original Assignee
TAISEI SHIKA KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 埋没材を充填する際にワックスパターン
の表面に気泡が形成されるのを防ぐことができ、かつ泡
立ちがなく、更に乾燥性に優れていてワックスパターン
への塗布直後に埋没材を充填しても支障の生じることが
なく、表面の滑らかな歯冠の鋳造を可能にする。 【解決手段】 消泡性の界面活性剤をアルコールに溶解
してなり、このアルコールとして、イソプロピルアルコ
ールを主成分とし、これに少量のメチルアルコールまた
はエチルアルコールを添加したものが使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ワックスパターン用
表面処理材に関し、特に歯科用の鋳型製造に使用される
ワックスパターンの表面処理に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】歯科用の鋳型を製造する方法としてロス
トワックス法が知られている。このロストワックス法で
は、図1に示すように、ゴム製円錐台10の中央凸部1
0a上端にスプルー線11を植立し、その先端にワック
スパターン12を固定し、上記ゴム製円錐台10の外周
円筒部10bの内側に鋳造リング13を嵌合して直立さ
せ、その内面にアルミナウールのライナー14を内張り
した後、このライナー14の内側に埋没材(図示されて
いない)を充填する。そして、上記のゴム製円錐台10
を抜取り、しかるのち上記の鋳造リング13で包まれた
埋没材を、スプルー線11およびワックスパターン12
と共に炉に入れてスプルー線11およびワックスパター
ン12を焼却する。
【0003】上記の埋没材は、水で混和され、鋳造リン
グ13を振動させながら、その内側空間に流し込まれる
が、その際にワックスパターン12の表面に気泡が形成
されるのを防ぐため、セッケンや洗剤を主成分とする界
面活性材の水溶液を上記ワックスパターン12の表面に
あらかじめ噴霧により塗布して濡れ性を改善することが
行われている。しかしながら、乾燥に長時間を要するた
め、上記界面活性材の塗布量が過大になったり、乾燥不
十分な状態で埋没材を充填したりすると、埋没材を流し
込んだ際に泡立ちが生じて逆効果になるという問題があ
った。
【0004】また、図2に示すように、前歯用の前装冠
を鋳造するためのワックスパターン16の前面に多数の
樹脂製ビーズ17を固着し、前記のスプルー線11を介
して上記のゴム製円錐台10上に固定し、金属冠の鋳造
後にその前面(上記ビーズ17の焼却跡の凹凸面)に硬
質レジンを重合して外観が天然歯同様の表面層を形成す
る技術が開発されたが、ワックスパターン16にビーズ
17を固着した際は、図3(a)に示すようにビーズ1
7の固着部にアンダーカット18が形成されるのに対
し、気泡の形成防止のために上記界面活性材の水溶液を
塗布した場合は、図3(b)に示すように、ワックスパ
ターン16上のビーズ17固着部に上記水溶液の溜まり
19が残ってアンダーカット18が消失した状態で鋳造
が行われ、そのため得られた金属冠の前面と上記硬質レ
ジンの表面層との噛合いが不十分となって表面層が剥離
し易くなり、これを防ぐためには、界面活性材塗布後の
乾燥時間を1時間以上に延長するか、鋳造後にビーズ跡
の突起の基部を削ってアンダーカットを形成する等の面
倒な作業が必要であった。なお、上記界面活性材の水溶
液を塗布しない場合は、上記溜まり19の形に気泡が形
成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、ワックス
パターン表面の濡れ性を良好にするための表面処理材で
あって、ワックスパターンに塗布することにより、ワッ
クスパターンの周りに埋没材を充填する際にワックスパ
ターンの表面に気泡が形成されるのを防ぐことができ、
かつ泡立ちがなく、更に乾燥性に優れていてワックスパ
ターンへの塗布直後に埋没材を充填しても支障の生じる
ことがなく、表面の滑らかな歯冠を鋳造できるようにす
るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明のワックスパタ
ーン用表面処理材は、消泡性の界面活性剤をアルコール
に溶解してなることを特徴とする。
【0007】上記の表面処理材は、従来と同様にワック
スパターンの表面に噴霧等により塗布して使用すること
ができるが、アルコールを溶媒としているので、乾燥性
に優れており、塗布後数十秒で埋没材を充填しても支障
がなく、かつワックスパターン表面の濡れ性が改善され
て安息角が小さくなるため、ワックスパターン表面に気
泡の形成されることはなく、また消泡性であるため、泡
立ちが防止され、そのため表面の滑らかな鋳造品が得ら
れる。
【0008】上記消泡性の界面活性剤としては、ポリエ
ーテル系やシリコーン系等、各種のものが知られている
が、特にポリエーテル系のもの(界面活性剤型消泡剤と
も呼ばれる)は、埋没材の硬化を遅延させる作用が低い
点で好ましい。また、アルコールとしても種々のものが
知られているが、イソプロピルアルコールを主成分と
し、これに少量のメチルアルコールまたはエチルアルコ
ールを添加して用いるのが好ましい。上記のイソプロピ
ルアルコールは、乾燥性に優れ、かつワックスパターン
を溶かさない点で好ましく、メチルアルコールおよびエ
チルアルコールは、これを少量添加することにより、ワ
ックスパターン表面の濡れ性を改善できる点で好まし
い。
【0009】ただし、上記のポリエーテル系消泡性界面
活性剤、メチルアルコール(またはエチルアルコール)
およびイソプロピルアルコールの配合量は、これらの合
計量に対して消泡性界面活性剤が0.5〜10重量%、
メチルアルコール(またはエチルアルコール)が同じく
0.5〜10重量%で、残りをイソプロピルアルコール
とするのが好ましい。上記消泡性界面活性剤の配合量が
0.5重量%未満では効果が得られず、10重量%を超
えると埋没材の硬化が遅延して好ましくない。また、メ
チルアルコールおよびエチルアルコールは、いずれか一
方を単独で、また両者を併用してもよいが、その配合量
が0.5重量%未満では効果が得られず、10重量%を
超えると、ワックスパターンが溶けるので好ましくな
い。
【0010】
【発明の実施の形態】実施形態1 ポリエーテル系消泡性界面活性剤、メチルアルコールお
よびイソプロピルアルコールを用いてワックスパターン
用表面処理材を調製する。ただし、ポリエーテル系消泡
性界面活性剤およびメチルアルコールの配合量を、それ
ぞれ合計量の0.5〜10重量%に設定し、残りをイソ
プロピルアルコールとする。
【0011】図1に示すように、ゴム製円錐台10の中
央凸部10aの頂部にスプルー線11を介してワックス
パターン12を固定し、このワックスパターン12の表
面に上記のワックスパターン用表面処理材を噴霧により
塗布し、しかるのち鋳造リング13およびライナー14
をセットし、このライナー14の内側空所に水と混和さ
れた泥状の埋没材(図示されていない)を充填し、その
乾燥後にゴム製円錐台10を抜取り、次いで上記の鋳造
リング13で包まれた円柱状の埋没材を、スプルー線1
1およびワックスパターン12と共に炉に入れてスプル
ー線11およびワックスパターン12を焼却する。
【0012】上記の焼却で得られた鋳型の天地を反転
し、ゴム製円錐台10の中央凸部10aの抜取りで形成
されたすり鉢形凹部から鋳型内に溶融金属を注入して歯
冠を鋳造する。得られた歯冠は、ワックスパターンに噴
霧で塗布した表面処理材が数十秒で乾燥し、上記埋没材
の充填時にワックスパターン表面に気泡が形成されず、
泡立ちもないため、表面が滑らかで光沢を有している。
なお、上記表面処理材のメチルアルコールに代えてエチ
ルアルコールを使用しても、同様である。
【0013】実施形態2 図1のゴム製円錐台10上にスプルー線11を介して図
2のビーズ17付きワックスパターン16を固定し、こ
のビーズ17付きワックスパターン16の表面に前記実
施形態1の表面処理材を噴霧により塗布する。このワッ
クスパターン16の前面、すなわちビーズ17固着面
は、表面処理材が速乾性であるため、図3(a)に示す
ようにビーズ17の基部が表面処理材で隠れることな
く、アンダーカット18が露われる。
【0014】以下実施形態1と同様にして前歯用金属冠
を鋳造すると、その前面には無数の球状突起が上記ワッ
クスパターン16前面のビーズ17と同じ形状と配置で
形成され、この球状突起は、その基部に上記ビーズ17
のアンダーカット18と同じアンダーカットを備えてい
る。したがって、この前歯用金属冠の前面に硬質レジン
を重合して外観が天然歯同様の表面層を形成すると、こ
の表面層の裏面が金属冠前面の球状突起と固く噛合い、
表面層が容易に剥離しない。
【0015】
【実施例】実施例1 ポリエーテル系の消泡性界面活性剤としてサンノプコ株
式会社製の商品名「SNデフォーマー444」を用い、
これをイソプロピルアルコールに溶解し、メチルアルコ
ールを添加してワックスパターン用表面処理材(実施例
1)を調製した。配合比は、イソプロピルアルコール9
0重量%、メチルアルコール6重量%、消泡性界面活性
剤4重量%とした。他に消泡性を有しない界面活性材の
水溶液からなる表面処理材として、A社、B社、C社お
よびD社の製品を用意し、これを比較例1、2、3、4
の表面処理材とした。
【0016】前記実施形態1のワックスパターン12
(図1参照)に上記の実施例および比較例1〜4の表面
処理材を噴霧により塗布し、30秒後および乾燥終了後
に埋没材を充填して焼却処理および鋳造を行い、鋳造品
の表面粗さを測定した。その結果を乾燥所要時間と共に
下記の表1に示す。なお、表面処理材を全く使用しない
(無処理)の場合における鋳造品の表面粗さ(Ra)
は、0.9であった。
【0017】表1
【0018】上記の表1に示すとおり、鋳造品の表面粗
さ(Ra)は、実施例1では塗布30秒後(塗布直後)
および乾燥終了後のいずれにおいても無処理と同様の
0.9であり、乾燥所要時間も20秒であった。これに
対し、比較例1〜4は、乾燥所要時間が大きく、乾燥終
了後の埋没でも実施例1よりも粗さが大きく、塗布30
秒後(塗布直後)の埋没では更に粗さが大きくなり、D
社製の比較例4では、3 倍以上の粗さとなった。
【0019】実施例2 前記実施形態2のビーズ17付きワックスパターン16
の表面に前記実施例1の表面処理材を噴霧により塗布
し、塗布30秒後に前歯用金属冠を鋳造し、その前面に
硬質レジンを重合して表面層を形成した。この場合、前
歯用金属冠の前面の球状突起にはアンダーカットが形成
されていたため、鋳造完了の直後に硬質レジンの重合に
よる表面層の形成が可能となった。
【0020】他方、比較例1〜4の表面処理材を用い、
その塗布30秒後に埋没して前歯用金属冠を鋳造した場
合は、アンダーカットの形成作業が必要となり、その作
業に約20分を要した。また、上記の表面処理材を塗布
し、乾燥終了後に埋没して鋳造した場合は、アンダーカ
ットの形成作業が不要になった反面、塗布した表面処理
材の乾燥に1〜6時間を必要とした。すなわち、塗布3
0秒後または乾燥終了後のいずれに埋没、鋳造しても、
作業時間が実施例よりも大幅に延長される。
【0021】
【発明の効果】上記のとおり、この発明のワックスパタ
ーン用表面処理材は、従来の表面処理材と同様にワック
スパターンの表面に塗布して使用することにより、気泡
の形成や泡立ちを防いで、表面の滑らかな歯科用鋳造品
を製造することができる。しかも、従来の表面処理材よ
りも速乾性であるため、塗布直後に埋没材を充填するこ
とができ、作業能率が大幅に向上する。
【0022】特に請求項2に記載した発明によれば、表
面処理材でワックスパターン表面を溶かすことなく、表
面処理材の速乾性およびワックスパターン表面の濡れ性
を向上させることができる。また、請求項3記載の発明
によれば、埋没材の硬化を遅延させずに、ワックスパタ
ーンが溶けるのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ワックスパターンの支持状態を示す断面図であ
る。
【図2】ビーズ付きワックスパターンの断面図である。
【図3】ビーズ付きワックスパターン表面の拡大断面図
である。
【符号の説明】
10:ゴム製円錐台 10a:中央凸部 10b:外周円筒部 11:スプルー線 12、16:ワックスパターン 13:鋳造リング 14:ライナー 17:樹脂製ビーズ 18:アンダーカット 19:界面活性剤水溶液の溜まり

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 消泡性の界面活性剤をアルコールに溶解
    してなることを特徴とするワックスパターン用表面処理
    材。
  2. 【請求項2】 消泡性の界面活性剤がポリエーテル系で
    あり、アルコールがイソプロピルアルコールを主成分と
    し、これに少量のメチルアルコールまたはエチルアルコ
    ールを添加したものである請求項1に記載されたワック
    スパターン用表面処理材。
  3. 【請求項3】 全量の0.5〜10重量%がポリエーテ
    ル系の消泡性界面活性剤で、同じく全量の0.5〜10
    重量%がメチルアルコールまたはエチルアルコールであ
    り、残りがイソプロピルアルコールである請求項2に記
    載されたワックスパターン用表面処理材。
JP22482099A 1999-08-09 1999-08-09 ワックスパターン用表面処理材 Pending JP2001046403A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014201586A (ja) * 2013-04-10 2014-10-27 株式会社ジーシーデンタルプロダクツ 人工歯用ワックス分離材
JPWO2016084585A1 (ja) * 2014-11-27 2017-09-14 株式会社ジーシー ワックスパターン表面処理剤、歯科用補綴物の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014201586A (ja) * 2013-04-10 2014-10-27 株式会社ジーシーデンタルプロダクツ 人工歯用ワックス分離材
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