JP2001045723A - 回転機械における回転体のバランス調整構造 - Google Patents

回転機械における回転体のバランス調整構造

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JP2001045723A
JP2001045723A JP11220379A JP22037999A JP2001045723A JP 2001045723 A JP2001045723 A JP 2001045723A JP 11220379 A JP11220379 A JP 11220379A JP 22037999 A JP22037999 A JP 22037999A JP 2001045723 A JP2001045723 A JP 2001045723A
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unbalance
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imbalance
eccentric
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Yuichi Tsutaki
雄一 蔦木
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Jeco Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転体において、特に偏心部のアンバランス
による不つりあいを修正し、回転時に発生する振動や騒
音の発生を防止する。 【解決手段】 回転体20は、偏心部12を軸線方向の
一部に有する。この偏心部近くに、この偏心部によるア
ンバランスを軽減するためのアンバランス補正部31と
して切削穴を設ける。また、このアンバランス補正部
を、前記回転体20において回転軸7上への軸装部材
(たとえばコイル巻線部18を構成する積層コア部材1
9,19A,19B)の位置決めの基準として用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動モータ等の回
転機械(以下、単にモータという)において、回転体の
不つり合いを修正するバランス調整構造に関し、特に回
転体が軸線方向の一部に偏心部を有することによる不つ
り合いを修正することができる回転体のバランス調整構
造に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば自動車のABS(アンチ・スキ
ッド・ブレーキ・システム)用モータにおいて、その回
転動力を駆動源とするアクチュエータに組込まれるビル
トインタイプのものが知られている。
【0003】図2はこのようなABS用モータの従来例
を示す。このモータ1は相手側アクチュエータ2の本体
ボディ3に絶縁体からなる蓋体4を介して固定されるモ
ータケース5を備えている。モータケース5は、強磁性
体によって一端が開放する筒状体に形成され、磁気回路
を形成するヨークとして機能するもので、開口端が前記
蓋体4とともに複数個のボルト6によって本体ボディ3
に固定されている。そして、モータケース5の内部に
は、回転軸7と磁石8が配設されている。
【0004】前記回転軸7の両端部7A,7Bは、本体
ボディ3と、蓋体4を付設したモータケース5にそれぞ
れ配設した2つの軸受9a,9bによって回転自在に軸
支され、コイル巻線を組付けた積層コア(アーマチュ
ア)によるロータ10と整流子(コンミテータ)11が
軸着されている。
【0005】また、回転軸7のアクチュエータ2側の端
部寄りの部分には、図2および図3(a)に示すように
偏心して形成されることによりモータ1の動力(回転
力)を前記アクチュエータ2に直線往復力として伝達す
る動力伝達部12が一体に設けられている。この動力伝
達部12には軸受13が嵌合されている。この軸受13
は、アクチュエータ2の荷重受部を形成するもので、そ
のアウターレースの外周にアクチュエータ2のプランジ
ャ14がそれぞれ圧接されている。
【0006】前記磁石8は円弧状のマグネットからな
り、前記モータケース5の内周面にロータ10の外周を
磁気ギャップを介して取り囲むように周方向に等間隔を
おいて複数個固定されている。
【0007】15は前記整流子11の周面に摺接する少
なくとも二個のブラシで、これらのブラシ15は、前記
蓋体4の内側面に取付けたブラシ保持部材16内に前記
整流子11の径方向に進退自在に保持され、かつコイル
ばね17により整流子11の周面に所定圧で圧接されて
いる。なお、ブラシ15は、コード(図示せず)を介し
て電源に接続されている。
【0008】このようなモータ1において、外部電源か
らブラシ15と整流子11とを介してロータ10を構成
する積層コア部材のそれぞれのコイル巻線部に通電する
と、回転軸7が回転する。この回転力が前記軸受13を
付設した動力伝達部12で直線往復力に変換されアクチ
ュエータ2の動力源として伝達される。すなわち、回転
軸7がその軸線周りに回転すると、動力伝達部12およ
び軸受13はその軸線を中心として偏心回転するため、
プランジャ14が動力伝達部12の偏心量Δd×2のス
トローク分往復運動し、もって回転軸7の回転力を直線
往復力に変換する。
【0009】このような構造によるモータ1において、
回転軸7とその軸上に設けたロータ10、整流子11、
軸受13を付設した動力伝達部12とからなる回転体2
0には、不つり合いが存在する。
【0010】たとえば回転軸7上に設けたロータ10に
おいて、図2、図4(a),(b),(c)に示すよう
にコイル巻線部18での巻線状態によっては重心が一側
に偏ることがある。このコイル巻線部18を構成する積
層コア部材19は、3種類の板材を積層することにより
形成されている。
【0011】すなわち、図4(a)において左側の約1
/3は、同図(b)に示すように上向きに凸となった三
日月状の穴19aが設けられるとともに外周部分に逆T
字状を呈するコイル巻付け片を形成した左サイドコア1
9Aを積層することにより構成されている。また、中央
の約1/3は上述した三日月状の穴19aがない薄板状
コアを積層することにより構成されている。また、右側
の約1/3は同図(c)に示すように三日月状の穴19
bが下向きに凸となった状態で形成されている右サイド
コア19Bを積層することにより構成されている。
【0012】このような三種類の板材を所定枚数ずつ積
層することにより、前記積層コア部材19が形成されて
いる。なお、左、右サイドコア19A,19Bの最外側
部分に、樹脂製の保護板を付設するとよい。
【0013】上述した左、右サイドコア19A,19B
に形成した三日月状の穴19a,19bは、上述した積
層コア部材19からなるコイル巻線部18にコイル巻線
を巻付けることによって形成されるロータ10を含めた
回転体20全体のアンバランスを補正するためのもので
あって、これらの穴19a,19bの回転方向の位置
を、このロータ10部分でのアンバランスや偏心部であ
る動力伝達部12の偏心方向に合わせて位置決めする必
要がある。
【0014】しかし、このように積層コア部材19を位
置決めしても、動力伝達部12および軸受13の偏心に
よるアンバランス量の全てを補正することができず、ア
ンバランスが残ってしまうことがある。このようなアン
バランスの原因には、積層コア部材19の積層状態やこ
れに対してのコイル巻線の巻付け状態もある。
【0015】また、前記動力伝達部12は上述したよう
に回転軸7の軸線に対して偏心して設けられている。し
たがって、このような回転体20は、いわゆる静不つり
合いの状態にあるといえる。また、このような回転体2
0が回転したときには、遠心力が作用する結果として、
両端側の軸受9a,9bには向きが反対で同じ大きさの
力がかかることになり、いわゆる偶不つり合いが存在す
る。
【0016】このような静不つり合いと偶不つり合いと
が共存する、いわゆる動不つり合いを除去することが、
不つり合いを修正することになる。従来はこのような不
つり合いの修正を、以下の方法によって行っていた。
【0017】(1)回転軸7の偏心部(動力伝達部12)
を基準としてロータ10(コイル巻線を組付けた積層コ
ア部材19)や整流子11を位置決めするために、図
2、図3(a),(b)に示すようにけがき線21を偏
心部の偏心方向を示す目印として回転軸7の外周面上に
形成している。ここでは、回転軸7の端部7Aの外周で
前記動力伝達部12の偏心方向を明示する位置に形成し
ている。なお、このような位置決めとしては、回転軸7
に「すり割り」、その他の目印を形成する等の方法もあ
る。
【0018】(2)ロータ10(コイル巻線を組付けた積
層コア部材19)や整流子11等のアンバランスおよび
偏心部(動力伝達部12)のアンバランスを補正する。
【0019】(3)この補正の方法としては、ロータ1
0(コイル巻線を組付けた積層コア部材19)の外周を
図中22,23に示す切削穴のような穴明けまたは外周
部の周方向および軸線方向を所定の領域にわたって切削
する方法、ロータ10(コイル巻線を組付けた積層コ
ア部材19またはコイル巻線部分)の側面や端面のコイ
ル巻線部にバランスウエイト24,25を接着等で付加
する方法があり、これらによって回転体20全体のアン
バランスを補正している。
【0020】このような回転体20においてアンバラン
スの補正は、回転体20の回転時に生じる振動、これに
伴う騒音を防止するために必要であり、上述したような
切削穴22,23の切削作業またはバランスウエイト2
4,25の付加作業は避けられない作業である。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】一般的なモータの回転
体20においては、上述した動力伝達部12のような偏
心部がないため、回転体20としてのアンバランスが少
なく、上述した方法によりバランスを取って不つり合い
を修正することは比較的容易に行える。
【0022】しかし、上述した動力伝達部12による偏
心部があると、回転体20全体でのアンバランス量が大
きくなり、不つり合いを修正するための切削穴22,2
3による切削量を大きくする必要があり、ロータ10、
特に積層コア部材19では外周部などを切削する量に制
約があり、ロータ10を構成する積層コア部材19に所
定量の切削を施すことができなくなることが多かった。
【0023】すなわち、切削量が大きくなるとモータ1
の性能に影響を与えるため、積層コア部材19の一部を
許容量以上に切削することは困難になる。また、切削量
や切削位置の誤差によりアンバランスが残り、さらに不
つり合いの修正すなわちバランス調整が必要になること
もある。
【0024】そして、このような場合には、ロータ10
を構成する積層コア部材19の切削によるバランス調整
が困難となることから、ロータ10(積層コア部材19
やコイル巻線部18等)にバランスウエイト24,25
を付加してバランスを取る必要があった。しかし、この
ようなバランスウエイト24,25の付加によってもア
ンバランスを解消できないことがある。しかも、このよ
うなバランスウエイト24,25を付加する作業は、付
加量の設定や付加するための作業性の面から問題であっ
た。
【0025】しかも、このような不つり合いの修正は、
不つり合い計測装置を用いて行っているが、前者の切削
による方法よりも修正作業を複数回繰り返す必要があ
り、これらの不具合を解消することが望まれている。
【0026】また、上述した回転体20において偏心部
を有することによるアンバランスには、偏心部(動力伝
達部12)のアンバランスと偏心部である動力伝達部1
2に取付けた軸受13のアンバランスの双方が含まれ
る。さらに、回転体20のアンバランスとしては、ロー
タ10を構成するコイル巻線部を設けた積層コア部材1
9の偏りや回転軸7の撓みによる偏りもあり、これらの
アンバランスによる不つり合いを修正する必要がある。
【0027】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、回転体の一部に回転力を直線往復力に変換
するための動力伝達部等の偏心部を有する場合のアンバ
ランスによる不つり合いを修正し、回転体の回転時に生
じる振動や騒音の発生を防止することができるモータ
(回転機械)における回転体のバランス調整構造を得る
ことを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】このような目的に応える
ために本発明の請求項1に係るモータにおける回転体の
バランス調整構造は、偏心部を軸線方向の一部に有する
回転体を備えた回転機械において、前記偏心部近くに、
この偏心部によるアンバランスを軽減するためのアンバ
ランス補正部を設けたことを特徴とする。
【0029】本発明によれば、回転体において、偏心部
の位置と偏心方向とを示す目印を、アンバランス補正部
として偏心部近くに設けており、しかもそのアンバラン
ス補正量を偏心部によるアンバランス量に合わせて調整
することにより、不つり合いの修正の際の粗修正として
活用することができる。このような粗修正を行った回転
体において、回転軸上に設けた軸装部材を含む回転体全
体でのアンバランスを修正するための第1、第2の修正
面に、たとえば第1、第2の切削部を形成することによ
り、回転体全体の不つり合いの修正を行うことができ
る。
【0030】また、本発明の請求項2に係る回転機械に
おける回転体のバランス調整構造は、請求項1におい
て、前記アンバランス補正部を、前記回転体を構成する
回転軸上に設けた軸装部材の位置決め時の基準とするこ
とを特徴とする。
【0031】本発明によれば、回転体において偏心部の
アンバランスを調整するためのアンバランス補正部を、
回転体を構成する軸装部材を回転軸上に軸装する際の位
置決めとして利用すると、軸装部材の適切な軸装が可能
となるとともに、余分な位置決め手段も必要ない。
【0032】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る回転機械にお
ける回転体のバランス調整構造の一つの実施の形態を示
すものであり、図において、上述した図2以下と同一ま
たは相当する部分には同一符号を付してその詳細な説明
は省略する。
【0033】この実施の形態では、図1に示すように、
偏心部として動力伝達部12を軸線方向の一部に有する
回転体20におけるロータ10を構成する積層コア部材
19の軸線方向の両側に第1および第2の切削部となる
切削穴22,23を形成してこれらを第1、第2の修正
面(図中26,27で示す)としている。また、偏心部
である前記動力伝達部12に近接する位置であってこの
動力伝達部12の偏心方向の目印となる位置に第3の切
削部となる切削穴31をアンバランス補正部として形成
している。この部分が第3の修正面30となる。
【0034】ここで、回転体20の不つり合いを修正す
るための切削部を切削穴22,23,31とすることに
より、切削加工が比較的簡単で切削量も調整可能なドリ
ル加工により形成することができ、しかも不つり合いの
修正を簡単かつ適切に行うことができる。なお、各切削
穴22,23,31の切削量は回転体20全体のアンバ
ランスを修正するために適宜設定するとよい。
【0035】このような構成によれば、回転体20にお
いて動力伝達部12の位置と偏心方向を示す目印を、第
3の修正面30を構成しアンバランス補正部となる第3
の切削穴31とすることができ、しかもその切削加工の
量を動力伝達部12の偏心および積層コア部材19によ
るアンバランス補正後に残存しているアンバランス量に
合わせて調整することにより、不つり合いの修正の際の
粗修正として活用することができる。そして、このよう
な粗修正を行った回転体20において、第1、第2の修
正面26,27に第1、第2の切削穴22,23を形成
することにより、回転体20全体の不つり合いの修正を
行うことができる。
【0036】したがって、このような構成によれば、回
転体20の不つり合いを適切に修正し、回転体20の回
転時に発生する振動、これによる騒音を解消することが
できる。また、このような構成によれば、第3の切削穴
31により回転体20における偏心部(動力伝達部1
2)によるアンバランス量を予め小さくすることができ
るから、回転体20の不つり合いの修正を行うために第
1、第2の切削穴22,23を形成する際の切削量を従
来に比べて大幅に少なくすることができ、従来問題であ
ったロータ10を構成する積層コア部材19部分への切
削量の増大を防ぐことができる。
【0037】このような本発明に係る回転体のバランス
調整構造を詳述すると、以下の通りである。すなわち、
偏心部(動力伝達部12)を除くロータ組立体である回
転体20にアンバランスがないとすると、理論的には偏
心部12と同一円周上であって偏心部12とは向きが反
対の方向の適当な位置に修正質量を付加し、または偏心
部12とは向きが同じ方向の適当な位置の修正質量を削
除するとよい。
【0038】このようなバランス調整が可能であれば、
偏心部12を含む回転体20全体の重心が回転軸7上に
あるとともに(静つり合いの状態)、偏心部12を含む
回転体20全体の慣性主軸が回転軸7と一致することに
なる。
【0039】このような場合において、上述した偏心部
12と同一円周面においてアンバランスを修正するこ
と、すなわち偏心部12と同一円周面を修正面とするこ
とは、偏心部12にボールベアリングによる軸受13が
位置していることから実際上は困難である。このため、
従来は回転体20におけるロータ10を構成するアーマ
チュアの軸線方向の両端部分に修正面26,27を設定
し、これらの修正面26,27上で切削等を行い、アン
バランスを修正を行っている。
【0040】この場合、一つの修正面を切削することに
より、偏心部12を含む回転体20全体の重心が回転軸
7上にある状態(静つり合いの状態)とした場合であっ
ても、修正面は偏心部12と同一円周面上にはないた
め、慣性主軸は回転軸7と重心点において交わりある傾
きをもつことになる。このような回転体20が回転した
ときには、両軸受9a,9bに向きが反対で同じ大きさ
の力がかかることになる、すなわち隅不つり合いが存在
することになる、このため、修正面を二つ設け、静不つ
り合いとともに隅不つり合いを除去している。
【0041】本発明によれば、上述したように偏心部
(動力伝達部12)と同一円周面を修正面とすることは
困難であるが、偏心部12と同一円周面の近傍に第3の
修正面30を設け、予め一定量(または偏心部12を含
む回転体20全体のアンバランス量)に応じて修正質量
を削除(または付加)しているのである。
【0042】すなわち、アンバランス量の発生部分、す
なわち偏心部12を形成した部分と第3の修正面30と
が近接した位置であるため、このときの回転体20にお
ける隅不つり合い量は少ない。したがって、このように
第3の切削穴31を予め偏心部に合わせて設け、回転体
20のバランス調整にあたっての粗調整を行うことによ
り、アンバランス量(動不つり合い=静不つり合い+偶
不つり合い)を小さくした回転体20を、従来の調整と
同様につり合い試験機を用いながら第1および第2の修
正面26,27で修正することにより、回転体20にお
けるロータ10を構成する積層コア部材19での切削量
を少なくすることができる。
【0043】ここで、上述した第3の修正面30におけ
る切削部(この実施の形態では切削穴31)を目印とし
て、ロータ10や整流子11の組付け、さらには第1、
第2の修正面26,27の位置決めを行うことにより、
回転体20における各部材の位置決め部としての機能
と、回転体20における動不つり合いの粗修正とを同時
に行うことができる。
【0044】このような位置決めは、前述した図4に示
すような積層コア部材19をコイル巻線部18に用いて
ロータ10を構成するにあたって、回転軸7上の偏心部
(動力伝達部12)の偏心方向に合わせて回転軸7上に
軸装することにより、取付角度の誤差を少なくするうえ
で不可欠である。すなわち、取付角度の誤差が小さけれ
ばこの取付角度誤差に起因する回転体20全体のアンバ
ランスを小さくすることができる。
【0045】また、この実施の形態において、上述した
偏心部となる動力伝達部12のアンバランスには、この
動力伝達部12のアンバランスと動力伝達部12に取付
けたボールベアリング等の軸受13のアンバランスの双
方が含まれるが、これらと積層コア部材19によるバラ
ンス補正後のアンバランスに見合った量に応じて前記第
3の切削穴31の切削量を設定して切削加工を行えばよ
い。なお、積層コア部材19によるアンバランス補正が
なされていない場合も、動力伝達部12および軸受13
によるアンバランスを軽減するように切削量を設定する
とよい。
【0046】なお、本発明は上述した実施の形態で説明
した構造には限定されず、各部の形状、構造等を適宜変
形、変更し得ることはいうまでもない。たとえば上述し
た実施の形態では、ABSモータ等において直接ポンプ
の開閉を行う機能をもつ機器類に用いる回転駆動源とし
てのDCモータ1であって、回転体20の回転軸7にお
ける回転力を直線往復力に変換するための動力伝達部1
2(偏心部)のアンバランスを補正する場合を説明した
が、本発明はこれに限定されないことはいうまでもな
い。
【0047】上述した実施の形態で説明したように、電
動モータ1では回転体20を構成する回転軸7上に設け
た軸装部材(ロータ10や整流子11)によりアンバラ
ンスとなりやすいものであって、このアンバランスを補
正できる構造が必須である。しかも、前記回転軸7上に
偏心部(動力伝達部12)が設けられているときにはこ
れを含めた回転体20全体のバランス調整を確実に行う
必要がある。このとき、ロータ10をコイル巻線と共に
構成する積層コア部材19にバランス調整用の穴19
a,19bを設けているが、確実なバランス調整を取る
ことはできず、これを必要最小限の切削などによるアン
バランス補正部によって補正することができる対策が必
要である。本発明はこのようなモータに適用してより一
層大きな効果を発揮させることができるのである。
【0048】また、上述した実施の形態では、回転体2
0の不つり合いを修正するための修正面を、第1、第
2、第3の切削穴22,23,31で形成した場合を説
明したが、本発明はこれに限らず、回転軸7やロータ1
0のアーマチュア部分に切削加工を施すことにより形成
した切削部であっても、また適宜のウエイトを付設する
質量付加部であってもよい。
【0049】また、上述した実施の形態において、回転
体20での不つり合いを修正するための各切削穴22,
23,31の周方向における位置は、偏心部12の偏心
状態、重心の位置、回転体20全体での不つり合いの状
況に応じて適宜設定すればよい。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係るモータ
(回転機械)における回転体のバランス調整構造によれ
ば、偏心部を軸線方向の一部に有する回転体において、
偏心部近くに、この偏心部によるアンバランスを軽減す
るためのアンバランス補正部を設けることによって、偏
心部でのアンバランスによる不つり合いの粗修正を簡単
に行うことができる。
【0051】しかも、このアンバランス補正部を切削部
とし、その切削加工の量を偏心部によるアンバランス量
に合わせて調整すると、この偏心部によるアンバランス
をより一層適切に修正することが可能であり、不つり合
いの修正の際の粗修正としての利点を活用することがで
きる。そして、このような粗修正を行った回転体におい
て、第1、第2の修正面に第1、第2の切削部等でアン
バランス修正を行うことにより、回転体全体の不つり合
いの修正を適切に行うことができる。
【0052】したがって、このような本発明によれば、
偏心部を有する回転体の不つり合いを適切かつ確実に補
正することができ、回転体の回転時に発生する振動、こ
れによる騒音を解消することができ、静粛なモータを提
供することができる。しかも、本発明によれば、上述し
たアンバランス補正部によって回転体における回転軸へ
の軸装部材の位置決めを適切に行え、回転体を構成する
各部、すなわちコイル巻線部を有する積層コア部材(ア
ーマチュア)、整流子、第1、第2の修正面(切削部)
の位置決めを確実に行える。
【0053】また、本発明によれば、回転体において偏
心部のアンバランスを調整するためのアンバランス補正
部を、回転体を構成する軸装部材を回転軸上に軸装する
際の位置決め時の基準として利用することによって、軸
装部材の適切な位置への軸装が簡単に行えるとともに、
余分な位置決め手段も必要ない等の利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るモータ(回転機械)における回
転体のバランス調整構造の一つの実施の形態を示す断面
図である。
【図2】 従来のモータにおける回転体のバランス調整
構造を説明するための断面図である。
【図3】 図2における回転体の偏心部を説明するため
の図であって、(a)は回転体を構成する回転軸の端面
図、(b)は回転軸の偏心部寄りの部分を示す側面図で
ある。
【図4】 (a)は図2における回転体を構成する回転
軸上に設けた軸装部材としての積層コア部材を説明する
ための側面図、(b),(c)は積層コア部材を構成す
る左、右サイド部材の内側を示す側面図である。
【符号の説明】
1…モータ(回転機械)、2…アクチュエータ、3…本
体ケース、4…蓋体、5…モータケース、7…回転軸、
8…磁石、9a,9b…軸受、10…ロータ、11…整
流子、12…動力伝達部(偏心部)、13…軸受、15
…ブラシ、17…コイルばね、20…回転体、22,2
3…第1、第2の切削穴(切削部、修正部)、24,2
5…バランスウエイト、26…第1の修正面、27…第
2の修正面、30…第3の修正面、31…アンバランス
補正部としての第3の切削穴(切削部)。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 偏心部を軸線方向の一部に有する回転体
    を備えた回転機械において、 前記偏心部近くに、この偏心部によるアンバランスを軽
    減するためのアンバランス補正部を設けたことを特徴と
    する回転機械における回転体のバランス調整構造。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の回転機械における回転
    体のバランス調整構造において、 前記アンバランス補正部を、前記回転体を構成する回転
    軸上に設けた軸装部材の位置決め時の基準とすることを
    特徴とする回転機械における回転体のバランス調整構
    造。
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