JP2001045584A - マイクロホン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 マイクアームの信頼性が向上し軽量、小型化
を可能にすると共に、音響特性のよい接話用パイプマイ
クからなるマイクロホンを得る。 【解決手段】 マイク本体部１から延出した可撓性を有
する中空状のマイクアーム２の先端部に受音開口部３を
開口し、マイク本体部１内にマイクユニット５を配置
し、マイクアーム２のマイク本体部１側に通気孔７を開
口すると共に、この通気孔７を通気抵抗部材である不織
布８で塞ぐようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、接話用パイプマイ
クのマイクロホンに関し、詳しくは、マイクアームの先
端部に受音開口部を開口し、マイクユニットをマイクア
ームの取付け基部側に設けるようにしたことによって、
軽量、小型化を可能にすると共に、音響特性が向上でき
るようにしたものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種、接話用パイプマイクのマ
イクロホンは種々のものが提案されている。通常、接話
用パイプマイクはヘッドバンド等の保持機構部によって
送話者の頭部に保持され、保持機構部から送話者の口元
に伸びるマイクアームの先端部に受音部であるマイクユ
ニットが配置されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た接話用パイプマイクは、マイクユニットから引き出さ
れたケーブルをマイクアーム内を配線し保持機構部と接
続する必要があることから、マイクアーム内を配線され
るケーブルのシールド対策や、あるいはケーブルの断線
に対する屈曲耐久性の点でマイクアームの信頼性が得ら
れにくいといった問題がある。

【０００４】また、マイクユニットとマイクアームの重
量を支えるため、マイクアーム自体や保持機構部を強固
にする必要があり、このため、パイプマイク全体が重量
の増大と共に大型化することとなり、軽量、小型化を図
る点で限界があった。

【０００５】本発明は、上述したような課題を解消する
ためになされたもので、マイクアームの信頼性が向上し
軽量、小型化を可能にすると共に、音響特性のよい接話
用パイプマイクからなるマイクロホンを得ることを目的
とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明によるマイクロホンは、保持機構部から送話
者の口元に延出した中空状のマイクアーム部の先端部に
受音開口部を開口し、マイクアーム部の保持機構部側に
マイクユニットを配置したものである。

【０００７】このように構成したマイクロホンによれ
ば、マイクアーム部の先端部の受音開口部から入った音
声は、中空状のマイクアーム部内を導かれて保持機構部
側のマイクユニットに入力される。従って、マイクアー
ム部内にはケーブルが配線されることもないため、ケー
ブルのシールド対策やマイクアーム部の屈曲耐久性の点
で考慮する必要もなく信頼性の高いマイクロホンとな
る。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明によるマイクロホン
の実施の形態を接話用パイプマイクがイヤホンに一体化
された例をとって図面を参照して説明する。

【０００９】図１はイヤホン一体の接話用パイプマイク
の全体の外観斜視図、図２は図１のＡ−Ａ線拡大断面
図、図３は使用状態の外観図である。

【００１０】マイク本体部１には中空状（直管チューブ
状）のマイクアーム２が挿着され、アーム基端部に形成
したフランジ部２ａが嵌合されるようにして結合されて
いる。このマイクアーム２は可撓性を有する例えば、軟
質のゴム材や樹脂材等の形状復元性の弾性部材から製作
され、一例としてマイクアーム２は約１００ｍｍの長さ
に設定されている。尚、マイクアーム２は短くし過ぎる
とＳ／Ｎ比が悪くなるので所定以上の長さに設定されて
いる。

【００１１】一方、マイクアーム２の先端部は閉塞され
ているが、先端部近傍の周面に複数の受音開口部３が開
口され、受音開口部３から送話者の音声がマイクアーム
２内に導かれる。この受音開口部３には例えば、スポン
ジ部材からなるウィンドスクリーン４で挿着されてい
る。ウィンドスクリーン４は無くてもよいが、受音開口
部３が風による雑音が生じる場合にはウィンドスクリー
ン４を挿着することによって風の影響を無くすことがで
きる。

【００１２】ここで、接話用パイプマイクのマイクユニ
ット５はマイク本体部１内にその後端部から受音部をマ
イクアーム２側に向けて収納され、マイク本体部１は通
気のための孔６ａを有するキャップ６で閉止されてい
る。すなわち、受音開口部３からマイクアーム２内に導
かれた音声は、マイクアーム２内を通ってマイクユニッ
ト５に入力されるようになっている。

【００１３】また、マイクアーム２のマイク本体部１側
には複数の通気孔７が形成され、この通気孔７に通気抵
抗部材である例えば不織布８で覆うようにされ、この不
織布８の上から通気孔７と連通するようにマイク本体部
１に窓孔９が形成されている。

【００１４】上述した接話用パイプマイクは、マイク本
体部１がイヤホン本体部１０に一体化され、いわゆるイ
ヤセットを構成している。イヤホン本体部１０内にはス
ピーカユニット１１が内蔵され、イヤホン本体部１０に
イヤパッド１２を備えている。尚、マイクユニット５及
びスピーカユニット１１からのそれぞれの配線は、コー
ド１３を介して引き出されプラグ１４に接続されてい
る。

【００１５】このように構成したイヤセットは、イヤホ
ンのイヤパッド１２が送話者の耳に挿着されることで、
接話用パイプマイクのマイクアーム２の先端部に設けら
れている受音開口部３を覆っているウィンドスクリーン
４が送話者の口元に位置させることができる。すなわ
ち、ウィンドスクリーン４を通過して受音開口部３から
マイクアーム２内に導かれた音声は、マイクアーム２内
を通ってマイク本体部１内に収納されているマイクユニ
ット５に音声信号として入力される。

【００１６】ここで、マイクアーム２はその内部を移動
する音声によって、マイクアーム２自体に高い共振周波
数Ｑが発生し、音響特性が低下することが知られてい
る。例えば、マイクアーム２に上述したような通気孔７
に通気抵抗部材としての不織布８を設けていない場合で
は、図４ａに示した音響特性から明らかなようにマイク
アーム２の共振により複数の高いピークが規則的に現れ
る。

【００１７】これに対して、図２に示した本発明のよう
にマイクアーム２に通気孔７を開け、この通気孔７に通
気抵抗部材としての不織布８を設けることによって、マ
イクアーム２の共振周波数Ｑを下げることができるよう
になり、このときの音響特性を図４ｂに示す。

【００１８】これによれば、図４ｂに示した音響特性で
は感度的に若干低下するが、中高域で適度な明瞭度を出
すことができ。明瞭度は通常、音声を１．５KHz 〜５．
０KHz の周波数の音を数ｄＢ高く設定することで増すこ
とができ、これによって、本発明のように構成したマイ
クアーム２を使用することによって理想的な音響特性を
実現することができる。

【００１９】通気抵抗部材としての不織布８は、マイク
アーム２に開けた通気孔７の内側から貼り付けて固定す
るようにしても上述の場合と同様な作用を得ることがで
きる。また、適度な通気抵抗を有するものであれば不織
布８以外の素材を使用することであってもよい。

【００２０】また、マイクアーム２は可撓性を有するゴ
ム材や樹脂材等の弾性部材から製作し、マイクアーム２
の先端部に受音開口部３を設けただけの構成であるの
で、マイクアーム２自体の自重が軽量化でき、従って、
マイクアーム２を支える機構も簡略化できることから接
話用パイプマイク全体の軽量化と共に小型化を可能にす
ることができる。

【００２１】しかも、マイクアーム２に手等が触れたと
きに屈曲変形し、その後、再び元の位置に復元するので
マイクアーム２の取扱いに便利であると共に、マイクア
ーム２に手等が触れたときの接触音がマイクユニット５
に衝撃音となって伝わることもない。

【００２２】また、マイクユニット５がマイクアーム２
の基端部であるマイク本体部１内に配設されていること
から、従来のようなマイクアーム２内をケーブルが配線
されることもなく、従って、ケーブルのシールド対策も
不要となり信頼性の高い接話用パイプマイクとなる。

【００２３】本発明の接話用パイプマイクはイヤホンに
一体化されたもの以外、図５に示すようにヘッドバンド
１５を有するヘッドホンハウジング１６に一体化され
た、いわゆるヘッドセットにして使用することができ
る。この場合、マイクユニット５はヘッドホンハウジン
グ１６内に内蔵されている。

【００２４】また、図６に示すようにマイク本体部１に
環状の伸縮可能の耳掛け部１７を設け、この耳掛け部１
７を送話者の耳に固定するようにした、いわゆる耳掛け
マイクとして使用することができる。

【００２５】また、図７に示すようにマイク本体部１に
耳掛け片１８と共にネックバンド１９を備えた、いわゆ
るネックバンドマイクとして使用することもできる。

【００２６】本発明は上述しかつ図面に示した実施の形
態の例に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない
範囲内で種々の変形実施が可能である。

【００２７】マイクアーム２は直管チューブ状にされた
場合について説明したが、接話用パイプマイクの使用状
態においてマイクアーム２の先端部の受音開口部３が送
話者の口元に近づくように曲管状にすることであっても
よい。

【００２８】

【発明の効果】以上説明したように本発明によるマイク
ロホンは、中空状のマイクアーム部の先端部に受音開口
部を開口し、マイクアーム部の保持機構部側にマイクユ
ニットを配置したので、マイクアーム自体の自重が軽量
化でき、マイクアームを支える機構も簡略化できること
からマイク全体の軽量化と共に小型化を図ることができ
る。しかも、マイクユニットがマイクアームの基端部で
ある保持機構部内に配設されていることから、従来のよ
うなマイクアーム内をケーブルが配線されることもな
く、ケーブルのシールド対策も不要となり接話用パイプ
マイクに使用して信頼性の高いマイクロホンとなる。

【００２９】また、マイクアーム部を可撓性を有する弾
性部材から構成したことことで、マイクアームに手を触
れたときに屈曲変形し、再び元の位置に復元するのでマ
イクアームの取扱いに便利である。

【００３０】また、マイクアーム部の一部に通気孔と、
この通気孔に通気抵抗部材を設けたことで、マイクアー
ムの共振周波数を下げることができ、明瞭度の高い理想
的な音響特性を実現することができる。

【００３１】また、接話用パイプマイクをイヤホンある
いはヘッドホンに一体化できるようにしたことで、接話
用パイプマイクの商品性を向上することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による接話用パイプマイクをイヤホンと
一体化したイヤセットの斜視図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線拡大断面図である。

【図３】同じくイヤセットの使用状態の外観図である。

【図４】ａ マイクアームに通気抵抗部材のない場合の
音響特性図である。ｂ マイクアームに通気抵抗部材が
ある場合の音響特性図である。

【図５】接話用パイプマイクをヘッドホンと一体化した
ヘッドセットの斜視図である。

【図６】接話用パイプマイクを耳掛けマイクにした場合
の斜視図である。

【図７】接話用パイプマイクをネックバンドマイクにし
た場合の斜視図である。

【符号の説明】

１…マイク本体部、２…マイクアーム、３…受音開口
部、４…ウィンドスクリーン、５…マイクユニット、７
…通気孔、８…不織布、９…窓孔、１０…イヤホン本体
部、１３…コード、１４…プラグ、１６…ヘッドホンハ
ウジング、１７…耳掛け部、１８…耳掛け片、１９…ネ
ックバンド

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 保持機構部から送話者の口元に延出する
   長さを有する中空状のマイクアーム部と、 上記マイクアーム部の先端部に開口した受音開口部と、 上記マイクアーム部の上記保持機構部側に配置するよう
   にしたマイクユニットとから構成したことを特徴とする
   マイクロホン。
2. 【請求項２】 請求項１記載のマイクロホンにおいて、 上記マイクアーム部を可撓性を有する弾性部材から構成
   したことを特徴とするマイクロホン。
3. 【請求項３】 請求項１記載のマイクロホンにおいて、 上記マイクアーム部の一部に通気孔と、この通気孔を塞
   ぐように通気抵抗部材を設けたことを特徴とするマイク
   ロホン。
4. 【請求項４】 請求項３記載のマイクロホンにおいて、 上記通気抵抗部材が不織布であることを特徴とするマイ
   クロホン。
5. 【請求項５】 請求項１記載のマイクロホンにおいて、 上記マイクロホンが接話用パイプマイクであり、上記保
   持機構部であるイヤホン本体部あるいはヘッドホン本体
   部に一体化したことを特徴とするマイクロホン。