JP2001045486A - 画像圧縮装置 - Google Patents

画像圧縮装置

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JP2001045486A
JP2001045486A JP21995799A JP21995799A JP2001045486A JP 2001045486 A JP2001045486 A JP 2001045486A JP 21995799 A JP21995799 A JP 21995799A JP 21995799 A JP21995799 A JP 21995799A JP 2001045486 A JP2001045486 A JP 2001045486A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像圧縮装置において、画像データの高速か
つ高精度な符号化を実現する。 【解決手段】 入力された画像データを圧縮して符号化
するエンコーダ(DCT回路121、量子化回路12
2、ハフマン符号化回路123)と、このエンコーダに
よって生成された圧縮画像データの符号量をカウントす
る符号量カウンタ124と、この符号量カウンタのカウ
ントした符号量が所定値以下になるまで、エンコーダの
圧縮パラメータを変更しながら、エンコーダによる圧縮
処理を繰り返すことにより、圧縮画像データの符号量を
所定値以下にするのに最適な圧縮パラメータを決定する
制御コア回路2とを備え、圧縮すべき1画面の画像を複
数のブロックに分割し、この複数のブロックの内からブ
ロックを、所定間隔で均等に抽出してサンプル画像デー
タを生成し、このサンプル画像データに基づいて圧縮パ
ラメータの決定処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像圧縮装置に係
り、詳しくは、MPEG(Moving Picture ExpertGrou
p)ビデオエンコーダまたはJPEG(Joint Photograp
hic Codibg ExpertGroup)エンコーダに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、19世紀以来の銀塩写真技術を使
用したカメラに代わって、電子スチルカメラの需要がま
すます拡大している。
【0003】電子スチルカメラにおいては、画像データ
を伝送および蓄積する際に、画像データを圧縮してデー
タ量を減らすことにより効率的に処理するために、デー
タの圧縮・伸張技術として「JPEG」方式が用いられ
ている。このJPEG方式は、ISO(International
Organization for Standardization)/IEC(Intarn
ational Electrotechnical Commission)傘下のJPE
G委員会(ISO/IEC 10918-1)によって標準化されてい
る。
【0004】JPEG方式はJPEGアルゴリズムとも
呼ばれ、その技術の核となるのが離散コサイン変換(D
CT;Discrete Cosine Transform)である。そして、
JPEG方式は、電子スチルカメラだけでなく、CD−
ROM(CD-Read Only Memory)システム等の画像デー
タの処理にも広く利用されている。
【0005】また、JPEG方式によれば動画像データ
の圧縮・伸張を行うことも可能であるため、JPEG方
式を用いた電子スチルカメラには動画像の撮影機能を備
えたものもある。このようにJPEG方式を用いて動画
像データの圧縮・伸張を行う技術は、M−JPEG(Mo
tion-JPEG)と呼ばれる。
【0006】また、マルチメディアで扱われる情報は、
膨大な量で且つ多種多様であり、これらの情報を高速に
処理することがマルチメディアの実用化を図る上で必要
となってくる。情報を高速に処理するためには、データ
の圧縮・伸長技術が不可欠となる。そのようなデータの
圧縮・伸長技術としては「MPEG」方式があげられ
る。このMPEG方式は、ISO/IEC傘下のMPE
G委員会(ISO/IEC JTC1/SC29/WG11)によって標準化さ
れている。
【0007】MPEG方式は3つのパートから構成され
ている。パート1の「MPEGシステムパート」(ISO/
IEC IS 11172 Part1:Systems)では、動画像データ(ビ
デオデータ)と音声データ(オーディオデータ)の多重
化構造(マルチプレクス・ストラクチャ)および同期方
式が規定されている。パート2の「MPEGビデオパー
ト」(ISO/IEC IS 11172 Part2:Video)では、動画像デ
ータの高能率符号化方式および動画像データのフォーマ
ットが規定されている。パート3の「MPEGオーディ
オパート」(ISO/IEC IS 11172 Part3:Audio)では、音
声データの高能率符号化方式および音声データのフォー
マットが規定されている。
【0008】MPEGビデオパートで用いられる技術の
核となるのが、動き補償付予測(MC;Motion Compens
ated prediction)とDCTである。MCとDCTを併
用した符号化技術は、ハイブリッド符号化技術と呼ばれ
る。つまり、MPEG方式は、JPEG方式にMCを組
み合わせた技術であるといえる。
【0009】MPEG方式は、各種蓄積メディア(ビデ
オCD(Compact Disc)、CD−ROM、DVD、ビデ
オテープ、不揮発性半導体メモリを用いたメモリカー
ド、等)、LAN(Local Area Network)等の各種通信
メディア、各種放送メディア(地上波放送、衛星放送、
CATV(Community Antenna Television))を含む伝
達メディア全般に対応している。
【0010】図9は、JPEG方式を用いた従来の電子
スチルカメラ101のブロック回路図である。
【0011】電子スチルカメラ101は、JPEGコア
回路102、撮像デバイス103、信号処理回路10
4、フレームバッファ105、ディスプレイ106、表
示回路107、メモリカード108、入出力回路10
9、データバス110,111から構成されている。
【0012】JPEGコア回路102は、DCT回路1
21、量子化回路122、ハフマン符号化回路123、
符号量カウンタ124、ハフマン復号化回路131、逆
量子化回路132、逆DCT(IDCT;Inverse DC
T)回路133、RAM(Random Access Memory)13
4,135、制御コア回路136から構成されている。
【0013】制御コア回路136は、電子スチルカメラ
101の各回路102〜111を制御する。 撮像デバ
イス103はCCD(Charge Coupled Device)等から
構成され、被写体画像を撮影して出力信号を生成する。
信号処理回路104は、撮像デバイス103の出力信号
から1画面ずつの画像データを生成する。信号処理回路
104の生成した1画面ずつの画像データは、データバ
ス110を介して、フレームバッファ105または表示
回路107の少なくともいずれかへ転送される。
【0014】表示回路107は、データバス110を介
して転送されてきた1画面ずつの画像データから画像信
号を生成する。ディスプレイ106は、表示回路107
の生成した画像信号を被写体画像として表示する。
【0015】フレームバッファ105は書き換え可能な
半導体メモリ(例えば、SDRAM(Synchronous Dyna
mic RAM)、DRAM、ラムバスDRAM、等)から構
成され、データバス110を介して転送されてきた1画
面(1フレーム)ずつの画像データを書き込んで記憶す
ると共に、記憶した画像データを1画面ずつ読み出す。
フレームバッファ105から読み出された1画面ずつの
画像データは、データバス110を介してJPEGコア
回路102のDCT回路121へ転送される。
【0016】JPEGコア回路102においては、1画
面の画像データがJPEG方式の規格によって定められ
た複数のマクロブロックに分割され、その各ブロック毎
に圧縮・伸張処理が行われる。
【0017】ここで、DCT回路121,量子化回路1
22,ハフマン符号化回路123はJPEGエンコーダ
を構成し、画像データの圧縮処理を行う。また、ハフマ
ン復号化回路131,逆量子化回路132,逆DCT回
路133はJPEGデコーダを構成し、画像データの伸
張処理を行う。
【0018】DCT回路121は、フレームバッファ1
05から読み出された1画面ずつの画像データに対し
て、1画面の画像データを1ブロック単位で取り込み、
その画像データに対して2次元の離散コサイン変換(D
CT)を行ってDCT係数を生成する。
【0019】量子化回路122は、DCT回路121か
ら供給されたDCT係数を、RAM134に記憶された
量子化テーブルに格納されている量子化しきい値を参照
して量子化する。
【0020】ハフマン符号化回路123は、量子化回路
122にて量子化されたDCT係数を、RAM135に
記憶されたハフマンテーブルに格納されているハフマン
符号を参照して可変長符号化することにより、圧縮され
た画像データ(以下、圧縮画像データという)を1画面
ずつ生成する。
【0021】符号量カウンタ124は、ハフマン符号化
回路123の生成した1画面ずつの圧縮画像データの符
号量をカウントする。
【0022】ハフマン符号化回路123の生成した圧縮
画像データは、データバス111を介して、メモリカー
ド108または入出力回路109の少なくともいずれか
へ転送される。
【0023】メモリカード108は電子スチルカメラ1
01に対して着脱可能に装着されており、メモリカード
108内にはフラッシュメモリ108aが設けられてい
る。フラッシュメモリ108aは、データバス111を
介して転送されてきた1画面ずつの圧縮画像データを書
き込んで記憶すると共に、記憶した圧縮画像データを1
画面ずつ読み出してデータバス111へ転送する。
【0024】入出力回路109は、データバス111を
介して転送されてきた1画面ずつの圧縮画像データを、
電子スチルカメラ101に接続された外部機器(例え
ば、外部ディスプレイ、パーソナルコンピュータ、プリ
ンタ、等)へ出力すると共に、当該外部機器から入力さ
れた圧縮画像データをデータバス111へ転送する。
【0025】メモリカード108から読み出された圧縮
画像データまたは入出力回路109を介して入力された
圧縮画像データは、データバス111を介してJPEG
コア回路102のハフマン復号化回路131へ転送され
る。
【0026】ハフマン復号化回路131は、データバス
111を介して転送されてきた1画面ずつの圧縮画像デ
ータを、RAM135に記憶されたハフマンテーブルに
格納されているハフマン符号を参照して可変長復号化す
ることにより、伸張された画像データ(以下、伸張画像
データという)を1画面ずつ生成する。
【0027】逆量子化回路132は、ハフマン復号化回
路131の生成した1画面ずつの伸張画像データを、R
AM134に記憶された量子化テーブルに格納されてい
る量子化しきい値を参照して逆量子化することにより、
DCT係数を生成する。
【0028】逆DCT回路133は、逆量子化回路13
2の生成したDCT係数に対して2次元の離散コサイン
逆変換(IDCT)を行う。
【0029】逆DCT回路133にて離散コサイン逆変
換が行われた1画面ずつの伸張画像データは、データバ
ス110を介してフレームバッファ105へ転送され
る。そして、フレームバッファ105は、逆DCT回路
133からデータバス110を介して転送されてきた1
画面ずつの画像データを書き込んで記憶する。また、表
示回路107は、フレームバッファ105からデータバ
ス110を介して転送されてきた1画面ずつの画像デー
タから画像信号を生成し、その画像信号はディスプレイ
106上で被写体画像として表示される。
【0030】ここで、RAM134に記憶された量子化
テーブルに格納された量子化しきい値は、圧縮画像デー
タの圧縮率や、圧縮画像データを伸張した再生画像(デ
ィスプレイ106の表示画像、外部機器にてメモリカー
ド108から読み出されて再生された再生画像、入出力
回路109に接続された外部機器にて再生された再生画
像)の画質を決定するものである。また、RAM135
に記憶されたハフマンテーブルに格納されたハフマン符
号は、量子化されたDCT係数または伸張画像データに
対して予め予測される出現頻度に応じて割り当てられる
可変長の符号であり、出現頻度の高いものに対して短く
割り当てられる。
【0031】ところで、ハフマン符号化回路123の生
成する1画面ずつの圧縮画像データの符号量は、電子ス
チルカメラ101に予め設定されている画質モードに応
じて、その最大値が規定されている。これは、メモリカ
ード108に記憶可能な画面の数(写真の枚数)が電子
スチルカメラ101の画質モードによって定められてい
るためであり、例えば、メモリカード108に記憶可能
な写真の枚数は高画質モードでは数枚、低画質モードで
は十数枚といった具合に定められている。つまり、高画
質モードでは、圧縮画像データの圧縮率が低く設定され
ているため、1画面の圧縮画像データの符号量が大きく
なり、メモリカード108に記憶可能な写真の枚数が少
なくなる。また、低画質モードでは、圧縮画像データの
圧縮率が高く設定されているため、1画面の圧縮画像デ
ータの符号量が少なくなり、メモリカード108に記憶
可能な写真の枚数が多くなる。
【0032】従って、ハフマン符号化回路123の生成
した1画面ずつの圧縮画像データの符号量が規定された
最大値以下になるように、量子化しきい値およびハフマ
ン符号を最適化する必要がある。ここで、フレームバッ
ファ105から読み出された1画面ずつの画像データ
(すなわち、信号処理回路104の生成した1画面ずつ
の画像データ)のデータ量は、撮像デバイス103の撮
影した被写体画像に関係なく一定である。そのため、ハ
フマン符号化回路123の生成した圧縮画像データの圧
縮率は、その圧縮画像データの符号量に対して一義的に
算出され、当該符号量が大きいほど圧縮率は低くなる。
つまり、圧縮画像データの符号量を規定された最大値以
下にするとは、圧縮画像データの圧縮率を規定された最
小値以上にすることに他ならない。
【0033】しかし、圧縮画像データの圧縮率(符号
量)は、量子化しきい値およびハフマン符号と被写体画
像との組み合わせにより大きく左右される。そのため、
量子化しきい値およびハフマン符号が同じであっても、
異なる被写体画像を撮影した場合には、圧縮画像データ
の圧縮率に大きな差が生じる。例えば、被写体画像が大
勢の群衆のような複雑で細かい画像の場合には圧縮率を
高くして符号量を低く抑える必要があり、被写体画像が
雲一つない快晴の大空のような単純な画像の場合には圧
縮率を低くして符号量を高くする必要がある。従って、
圧縮画像データの圧縮率を求めるには、各回路121〜
123による前記圧縮処理を行って実際に圧縮画像デー
タを生成しなければならず、前記圧縮処理を行う前に圧
縮率を予測するのは困難である。
【0034】そのため、従来の電子スチルカメラ101
では、まず、量子化しきい値およびハフマン符号を規定
値に設定して、各回路121〜123による前記圧縮処
理を行って圧縮画像データを生成し、その符号量を符号
量カウンタ124にてカウントする。その結果、圧縮画
像データの符号量が規定された最大値以下の場合には、
設定した量子化しきい値およびハフマン符号が最適化さ
れているといえるため、その設定値に量子化しきい値お
よびハフマン符号を決定する。
【0035】そして、決定した量子化しきい値およびハ
フマン符号に基づいて作成された圧縮画像データが、デ
ータバス111を介してメモリカード108または入出
力回路109へ転送される。
【0036】しかし、圧縮画像データの符号量が規定さ
れた最大値を越えている場合には、量子化しきい値およ
びハフマン符号を前記規定値よりも少し大きな値に設定
し直して、各回路121〜123による前記圧縮処理を
行って圧縮画像データを再び生成し、その符号量を符号
量カウンタ124にてカウントする。その結果、圧縮画
像データの符号量が最大値以下になった場合には、設定
し直した量子化しきい値およびハフマン符号が最適化さ
れているといえるため、その設定し直した値に量子化し
きい値およびハフマン符号を決定する。
【0037】しかし、これでも圧縮画像データの符号量
が最大値を越えている場合には、量子化しきい値および
ハフマン符号をさらに大きな値に設定し直して、前記圧
縮処理を再度行う。
【0038】このように、従来の電子スチルカメラ10
1では、圧縮画像データの符号量が規定された最大値以
下になるように(すなわち、圧縮画像データの圧縮率が
規定された最小値以上になるように)、量子化しきい値
およびハフマン符号を最適化するために、各回路121
〜123による前記圧縮処理を繰り返し行うようにして
いる。そのため、量子化しきい値およびハフマン符号を
決定するにはある程度の時間を要する。
【0039】
【発明が解決しようとする課題】従来の電子スチルカメ
ラ101には以下の問題があった。
【0040】(1)量子化しきい値およびハフマン符号
を最適化するために、各回路121〜123による前記
圧縮処理を繰り返し行うことから、その圧縮処理に要す
る時間分だけ、撮像デバイス103にて撮影を行ってか
らメモりカード108に圧縮画像データが記憶されるま
でに要する時間(以下、記録待ち時間という)が長くな
ってしまう。
【0041】この問題を回避するには、前記記録待ち時
間を予め短く設定しておくことが考えられるが、その場
合は、各回路121〜123による前記圧縮処理を繰り
返し行う回数が少なくなるため、量子化しきい値および
ハフマン符号を最適化できなくなり、圧縮画像データを
伸張した再生画像の画質の低下を招くおそれがある。
【0042】(2)各回路121〜123による前記圧
縮処理を行う度に、フレームバッファ105から1画面
ずつの画像データを読み出し、その画像データをデータ
バス110を介してDCT回路121へ転送しなければ
ならない。つまり、各回路121〜123による前記圧
縮処理を行う度に、データバス110を介してフレーム
バッファ105に読出アクセスを行わなければならな
い。
【0043】そのため、フレームバッファ105に対す
るアクセスが混雑し、上記の問題と相まって前記記録
待ち時間がさらに長くなってしまう。また、フレームバ
ッファ105に対するアクセスが混雑すると、信号処理
回路104および表示回路107からフレームバッファ
105に対して行われるアクセスの性能が低下すること
になる。
【0044】この問題を回避するには、フレームバッフ
ァ105およびデータバス110のバス幅を大きくした
り高速化すればよいが、そのようなフレームバッファ1
05は高価である上に消費電力も大きいため、電子スチ
ルカメラ101のコストアップならびに消費電力の増大
を招くことになる。特に、電子スチルカメラ101は電
池で駆動されるため、消費電力の増大は大きな問題とな
る。
【0045】また更に、銀塩写真技術を使用したカメラ
では撮影後ほぼ瞬時にフィルムに画像が記録されるため
次々に連写することができる。それに対して、電子スチ
ルカメラ101では前記記録待ち時間を要するため次々
に連写することができず、ユーザーにストレスを感じさ
せていた。このストレスを払拭するために、近年、前記
記録待ち時間を従来より以上に短縮することが求められ
ている。
【0046】尚、上記(1)(2)の問題は、JPEG
エンコーダだけでなく、MPEGエンコーダにおいても
同様に起こるものである。つまり、前記したように、M
PEG方式はJPEG方式にMCを組み合わせた技術で
あり、MPEGエンコーダはJPEGエンコーダ(DC
T回路121,量子化回路122,ハフマン符号化回路
123)にMC回路を付加して構成されるため、JPE
Gエンコーダの上記(1)(2)の問題はMPEGエン
コーダにも当てはまることになる。
【0047】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、符号化された圧縮後の
画像データの符号量を所定値にした上で、画像データの
高速かつ高精度な符号化を実現することにある。
【0048】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の局面にお
ける画像圧縮装置は、入力された画像データを圧縮して
符号化するエンコーダと、このエンコーダによってサン
プル画像データを処理させて、圧縮すべき1画面の画像
の圧縮後の画像データの符号量を所定値以下にするのに
最適な圧縮パラメータを決定する制御回路とを備え、前
記制御回路は、前記圧縮すべき1画面の画像を複数のブ
ロックに分割し、この複数のブロックの内から所定のブ
ロックを、一画面に亘って均等に抽出されるような規則
性を持って抽出して前記サンプル画像データを生成する
ことをその要旨とする。
【0049】本発明の第2の局面における画像圧縮装置
は、入力された画像データを圧縮して符号化するエンコ
ーダと、このエンコーダによって生成された圧縮画像デ
ータの符号量をカウントする符号量カウンタと、この符
号量カウンタのカウントした圧縮画像データの符号量が
所定値以下になるまで、前記エンコーダの圧縮パラメー
タを変更しながら、前記エンコーダによる圧縮処理を繰
り返すことにより、圧縮画像データの符号量を所定値以
下にするのに最適な圧縮パラメータを決定する制御回路
とを備え、前記制御回路は、圧縮すべき1画面の画像を
複数のブロックに分割し、この複数のブロックの内から
ブロックを、一画面に亘って均等に抽出されるような規
則性を持って抽出してサンプル画像データを生成し、こ
のサンプル画像データに基づいて前記圧縮パラメータの
決定処理を行うことをその要旨とする。
【0050】第1及び第2の局面における画像圧縮装置
において、前記制御回路は、前記複数のブロックの内か
ら所定のブロックを、所定間隔で抽出して前記サンプル
画像データを生成したり、前記複数のブロックの内から
互いに隣接するブロック群を、所定間隔で抽出して前記
サンプル画像データを生成することが望ましい。
【0051】そして、前記制御回路は、前記複数のブロ
ックの内から所定のブロックを抽出して構成された第1
ブロック群のサンプル画像データに対して、前記圧縮処
理を行うことにより第1圧縮画像データを生成すると共
に、前記第1ブロック群のサンプル画像データに対して
最適化された前記圧縮パラメータを求め、前記第1ブロ
ック群よりも多数のブロックを規則的抽出して構成され
た第2ブロック群のサンプル画像データに対して、前記
圧縮処理を行うことにより第2圧縮画像データを生成す
ると共に、第2ブロック群のサンプル画像データに対し
て最適化された前記圧縮パラメータを求め、第1ブロッ
ク群と第2ブロック群のブロック数に基づいて、第1圧
縮画像データと第2圧縮画像データの符号量から両者の
圧縮誤差を算出し、その圧縮誤差が許容値以内の場合
は、前記1画面の画像の画像データから生成された圧縮
画像データと第1圧縮画像データとの圧縮誤差について
も許容値以内になっていると見なし、第1ブロック群ま
たは第2ブロック群の画像データに対して最適化された
圧縮パラメータを、前記最適な圧縮パラメータとして決
定することが望ましい。
【0052】尚、前記圧縮すべき1画面の画像を複数の
領域に分割し、その各領域を前記複数のブロックに分割
し、各領域のブロックの内から選択するブロック数を各
領域毎に変更しながら所定のブロックを選択し、その選
択したブロックの画像データに対して前記圧縮処理を繰
り返すことにより、各領域毎に前記最適な圧縮パラメー
タを決定しても良い。
【0053】また、前記エンコーダは、1画面の画像を
構成する画像データに対して離散コサイン変換を行い、
離散コサイン変換係数を生成する離散コサイン変換回路
と、前記離散コサイン変換回路から供給された離散コサ
イン変換係数を、予め設定された量子化テーブルに格納
されている量子化しきい値を参照して量子化する量子化
回路と、前記量子化回路にて量子化された離散コサイン
変換係数を、予め設定されたハフマンテーブルに格納さ
れているハフマン符号を参照して可変長符号化すること
により、圧縮画像データを生成するハフマン符号化回路
と、を含むことが望ましい。
【0054】また、前記圧縮パラメータは、前記量子化
しきい値とハフマン符号との少なくとも一方からなるこ
とが望ましい。
【0055】尚、以下に述べる発明の実施の形態におい
て、特許請求の範囲または課題を解決するための手段に
記載の「サンプル画像データ」は、画面P2と画面P3
に相当し、「第1ブロック群」「第2ブロック群」は、
画面P2を構成するブロックBs1と画面P3を構成す
るブロックBs2、または、画面P3を構成するブロッ
クBs2と画面P4を構成するブロックBs3に相当す
る。
【0056】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した実施形
態を図面と共に説明する。尚、本実施形態において、従
来の形態と同じ構成部材については符号を等しくしてそ
の詳細な説明を省略する。
【0057】図1は、JPEG方式を用いた本実施形態
の電子スチルカメラ1のブロック回路図を示している。
【0058】従来の電子スチルカメラ101において、
量子化しきい値およびハフマン符号を決定する際に、フ
レームバッファ105→データバス110→DCT回路
121の経路で転送される画像データは、1画面分全て
の画像データである。
【0059】それに対して、本実施形態の電子スチルカ
メラでは、量子化しきい値およびハフマン符号を決定す
る際に、フレームバッファ105から読み出される画像
データの1画面を複数のブロックに分割し、そのブロッ
クのうち所定のブロックの画像データのみを、フレーム
バッファ105→データバス110→DCT回路121
の経路で転送されるようにしている。
【0060】すなわち、図2(a)に示すように、フレ
ームバッファ105から読み出される画像データの1画
面P1を、縦横16個ずつ(16行×16列)の256
個のブロックBaに分割する。尚、ブロックBaはマク
ロブロックを単位として設定され、1つのブロックBa
は縦m個横n個(m行×n行。m,nは自然数)のマク
ロブロックによって構成されている。
【0061】次に、各ブロックBaの内から、1画面P
1の左上端部から縦横方向へ3個おきに配置されている
ブロックBa(以下、「Bs1」と符号を付して区別す
る)を選択し、図2(b)に示すように、その(4行×
4列)16個のブロックBs1から成る画面P2を作成
する。
【0062】そして、画面P2分の画像データのみをフ
レームバッファ105から読み出し、その画面P2分の
画像データのみを、フレームバッファ105→データバ
ス110→DCT回路121の経路で転送し、量子化し
きい値およびハフマン符号を画面P2に対して予め定め
られた設定値に設定して、各回路121〜123による
前記圧縮処理を行って圧縮画像データを生成し、その符
号量を符号量カウンタ124にてカウントする。この圧
縮画像データの符号量が画面P2に対して規定された最
大値以下になるまで、各回路121〜123による前記
圧縮処理を繰り返し行うことにより、画面P2の画像デ
ータに基づいた量子化しきい値およびハフマン符号を仮
決定する。
【0063】続いて、図3(a)に示すように、画面P
1の各ブロックBaの内から、画面P1の左上端部から
縦横方向へ1個おきに配置されているブロックBa(以
下、「Bs2」と符号を付して区別する)を選択し、図
3(b)に示すように、その(8行×8列)64個のブ
ロックBs2から成る画面P3を作成する。
【0064】そして、画面P3分の画像データのみをフ
レームバッファ105から読み出し、その画面P3分の
画像データのみを、フレームバッファ105→データバ
ス110→DCT回路121の経路で転送し、画面P2
の画像データに基づいて仮決定した量子化しきい値およ
びハフマン符号を参照して、各回路121〜123によ
る前記圧縮処理を行って圧縮画像データを生成し、その
符号量を符号量カウンタ124にてカウントする。この
圧縮画像データの符号量が画面P3に対して規定された
最大値以下になるまで、各回路121〜123による前
記圧縮処理を繰り返し行うことにより、画面P3の画像
データに基づいた量子化しきい値およびハフマン符号を
仮決定する。
【0065】ここで、各画面P1,P2の画像データの
符号量の間には、式(1)に示す関係がある。
【0066】 SP1=SP2×16+E1 ………(式1) 但し、SP1;画面P1の画像データの符号量 SP2;画面P2の画像データの符号量 E1;各画面P1,P2の画像データ間の圧縮誤差 つまり、256個のブロックBaから成る画面P1上に
均等に配置された16個のブロックBs1(=Ba)に
よって画面P2が構成されることから、画面P2のサイ
ズは画面P1の1/16となる。しかし、画面P1から
画面P2を構成する各ブロックBs1を除いた部分に存
在する被写体画像の情報は、画面P2分の画像データに
は含まれていないため、画面P2の画像データの符号量
SP2を単純に16倍した値は、画面P1の画像データの
符号量SP1と同じにはならない。従って、符号量SP2を
16倍した値に、画面P1から画面P2を構成する各ブ
ロックBs1を除いた部分に存在する被写体画像の情報
に起因する圧縮誤差E1を加えた値が、符号量SP1の値
となる。
【0067】この時、上述したとおり、画面P2は、各
ブロックBaの内から、画面P1の左上端部から縦横方
向へ3個おきに配置されているブロックBs1を選択し
て作成している。すなわち、画面P1に均等に配置され
たブロックBs1を抽出しているので(256個のブロ
ックBaの内から均等間隔でブロックBs1を抽出して
いるので)、画面の特徴を平均的に取り出すことがで
き、被写体画像の情報がどのようなものであっても圧縮
誤差E1を小さく抑えることができる。
【0068】例えば、1画面の中に、大勢の群衆のよう
な複雑で細かい画像と雲一つない快晴の大空のような単
純な画像とが混在している場合、ブロックBs1を、各
ブロックBaの内からランダムに抽出するものでは、細
かい画像データ又は単純な画像データのいずれか一方に
偏りが生じやすく、圧縮誤差E1が大きくなってしまう
が、本実施形態ではそのような不具合は生じにくい。
【0069】ここで、各画面P2,P3を構成する各ブ
ロックBs1,Bs2の関係は、図4に示すようになっ
ている。すなわち、図4(a)に示すように、画面P3
の64個の各ブロックBs2の内から、画面P3の左上
端部から縦横方向へ1個おきに配置されているブロック
Bs2がブロックBs1として選択され、図4(b)に
示すように、その16個のブロックBs1によって構成
されたのが画面P2となる。
【0070】そのため、各画面P2,P3の画像データ
の符号量の間には、式(2)に示す関係がある。
【0071】 SP3=SP2×4+E2 ………(式2) 但し、SP3;画面P3の画像データの符号量 E2;各画面P2,P3の画像データ間の圧縮誤差 つまり、64個のブロックBs2から成る画面P3上に
均等に配置された16個のブロックBs1によって画面
P2が構成されることから、画面P2のサイズは画面P
3の1/4となる。しかし、画面P3から画面P2を構
成する各ブロックBs1を除いた部分に存在する被写体
画像の情報は、画面P2分の画像データには含まれてい
ないため、画面P2の画像データの符号量SP2を単純に
4倍した値は、画面P3の画像データの符号量SP3と同
じにはならない。従って、符号量SP2を4倍した値に、
画面P3から画面P2を構成する各ブロックBs1を除
いた部分に存在する被写体画像の情報に起因する圧縮誤
差E2を加えた値が、符号量SP3の値となる。
【0072】本実施形態において、圧縮誤差E2が許容
値以内の場合は、圧縮誤差E1についても許容値以内に
なっているものと見なし、画面P2の画像データに基づ
いて仮決定した量子化しきい値およびハフマン符号を、
画面P1の画像データに対して最適化された量子化しき
い値およびハフマン符号であるとして本決定する。
【0073】この時、上述したとおり、画面P3は、各
ブロックBaの内から、画面P1の左上端部から縦横方
向へ1個おきに配置されているブロックBs1を選択し
て作成している。すなわち、画面P1に均等に配置され
たブロックBs1を抽出しているので、画面の特徴を平
均的に取り出すことができ、上述した圧縮誤差E1と同
様、被写体画像の情報がどのようなものであっても圧縮
誤差E2を小さく抑えることができる。
【0074】そして、画面P1の全ての画像データをフ
レームバッファ105から読み出し、その画面P1の画
像データを、フレームバッファ105→データバス11
0→DCT回路121の経路で転送し、前記本決定した
量子化しきい値およびハフマン符号を参照して、各回路
121〜123による前記圧縮処理を行って圧縮画像デ
ータを生成する。その圧縮画像データが、データバス1
11を介してメモリカード108または入出力回路10
9へ転送される。
【0075】また、圧縮誤差E2が許容値を越える場合
は、図5(a)に示すように、画面P1の各ブロックB
aの内から、画面P1の左上端部から縦横方向へ1個お
いた後に3個連続して配置されているブロックBa(以
下、「Bs3」と符号を付して区別する)を選択し、図
5(b)に示すように、その(12行×12行)144
個のブロックBs3から成る画面P4を作成する。
【0076】そして、画面P4分の画像データのみをフ
レームバッファ105から読み出し、その画面P4分の
画像データのみを、フレームバッファ105→データバ
ス110→DCT回路121の経路で転送し、画面P3
の画像データに基づいて仮決定した量子化しきい値およ
びハフマン符号を参照して、各回路121〜123によ
る前記圧縮処理を行って圧縮画像データを生成し、その
符号量を符号量カウンタ124にてカウントする。この
圧縮画像データの符号量が画面P4に対して規定された
最大値以下になるまで、各回路121〜123による前
記圧縮処理を繰り返し行うことにより、画面P4の画像
データに基づいた量子化しきい値およびハフマン符号を
仮決定する。
【0077】ここで、各画面P3,P4を構成する各ブ
ロックBs2,Bs3の関係は、図6に示すようになっ
ている。すなわち、図6(a)に示すように、画面P4
の144個の各ブロックBs3の内から、画面P4の左
上端部から縦横方向へ2個連続して配置されているブロ
ックBs3がブロックBs2として選択され、図6
(b)に示すように、その64個のブロックBs1によ
って構成されたのが画面P3となる。
【0078】そのため、各画面P3,P4の画像データ
の符号量の間には、式(3)に示す関係がある。
【0079】 SP4=SP3×144/64+E3 ………(式3) 但し、SP4;画面P3の画像データの符号量 E3;各画面P3,P4の画像データ間の圧縮誤差 つまり、144個のブロックBs3から成る画面P4上
に均等に配置された64個のブロックBs2によって画
面P3が構成されることから、画面P3のサイズは画面
P4の64/144となる。しかし、画面P4から画面
P3を構成する各ブロックBs2を除いた部分に存在す
る被写体画像の情報は、画面P3分の画像データには含
まれていないため、画面P3の画像データの符号量SP3
を単純に144/64倍した値は、画面P4の画像デー
タの符号量SP4と同じにはならない。従って、符号量S
P3を144/64倍した値に、画面P4から画面P3を
構成する各ブロックBs2を除いた部分に存在する被写
体画像の情報に起因する圧縮誤差E3を加えた値が、符
号量SP4の値となる。
【0080】本実施形態において、圧縮誤差E3が許容
値以内の場合は、圧縮誤差E1についても許容値以内に
なっているものと見なし、画面P3に基づいて仮決定し
た量子化しきい値およびハフマン符号を、画面P1の画
像データに対して最適化された量子化しきい値およびハ
フマン符号であるとして本決定する。
【0081】この時、上述したとおり、画面P4は、各
ブロックBaの内から、画面P1の左上端部から縦横方
向へ1個おいた後に3個連続して配置されている互いに
隣接したブロック群Bs3を選択して作成している。す
なわち、画面P1に均等に配置されたブロックBs3を
抽出しているので(256個のブロックBaの内から均
等間隔で互いに隣接するブロック群Bs3を抽出してい
るので)、画面の特徴を平均的に取り出すことができ、
上述した圧縮誤差E1,E2と同様、被写体画像の情報
がどのようなものであっても圧縮誤差E3を小さく抑え
ることができる。
【0082】そして、画面P1の全ての画像データをフ
レームバッファ105から読み出し、その画面P1の画
像データを、フレームバッファ105→データバス11
0→DCT回路121の経路で転送し、前記本決定した
量子化しきい値およびハフマン符号を参照して、各回路
121〜123による前記圧縮処理を行って圧縮画像デ
ータを生成する。その圧縮画像データが、データバス1
11を介してメモリカード108または入出力回路10
9へ転送される。
【0083】また、圧縮誤差E3が許容値を越える場合
は、従来の電子スチルカメラ101と同様に、画面P1
の全ての画像データに基づいて量子化しきい値およびハ
フマン符号を決定し、その決定した量子化しきい値およ
びハフマン符号により圧縮画像データを生成してデータ
バス111へ転送する。
【0084】図7は、本実施形態の動作を説明するため
のフローチャートである。
【0085】まず、ステップ(以下、「ST」と記載す
る)1では、画面P2の画像データについて、画面P2
に対して設定された量子化しきい値およびハフマン符号
を参照して圧縮画像データを生成し、その符号量SP2を
求めると共に、画面P2の画像データに基づいた量子化
しきい値およびハフマン符号を仮決定する。
【0086】次に、ST2では、画面P3の画像データ
について、画面P2の画像データに基づいて仮決定した
量子化しきい値およびハフマン符号を参照して圧縮画像
データを生成し、その符号量SP3を求めると共に、画面
P3の画像データに基づいた量子化しきい値およびハフ
マン符号を仮決定する。
【0087】次に、ST3では、各符号量SP2,SP3か
ら圧縮誤差E2を算出し、圧縮誤差E2が許容値以内の
場合(ST3:YES)はST4へ移行し、許容値を越
える場合(ST3:NO)はST5へ移行する。
【0088】ST3からST4へ移行した場合、ST4
では、画面P2の画像データに基づいて仮決定した量子
化しきい値およびハフマン符号を、画面P1の画像デー
タに対して最適化された量子化しきい値およびハフマン
符号であるとして本決定し、その後にST6へ移行す
る。
【0089】ST6では、画面P1の画像データについ
て、ST4にて本決定した量子化しきい値およびハフマ
ン符号に基づいて圧縮画像データを生成し、その圧縮画
像データをデータバス111へ転送してエンコード処理
を終了する。
【0090】また、ST5では、画面P4の画像データ
について、画面P3の画像データに基づいて仮決定した
量子化しきい値およびハフマン符号を参照して圧縮画像
データを生成し、その符号量SP4を求めると共に、画面
P4の画像データに基づいた量子化しきい値およびハフ
マン符号を仮決定する。
【0091】次に、ST7では、各符号量SP3,SP4か
ら圧縮誤差E3を算出し、圧縮誤差E3が許容値以内の
場合(ST7:YES)はST4へ移行し、許容値を越
える場合(ST7:NO)はST8へ移行する。
【0092】ST7からST4へ移行した場合、ST4
では、画面P3の画像データに基づいて仮決定した量子
化しきい値およびハフマン符号を、画面P1の画像デー
タに対して最適化された量子化しきい値およびハフマン
符号であるとして本決定する。
【0093】また、ST8では、画面P1の画像データ
について、従来の電子スチルカメラ101と同様に、画
面P1の全ての画像データに基づいて量子化しきい値お
よびハフマン符号を決定し、その後にST6へ移行す
る。
【0094】ST6では、画面P1の画像データについ
て、ST8にて決定した量子化しきい値およびハフマン
符号に基づいて圧縮画像データを生成し、その圧縮画像
データをデータバス111へ転送してエンコード処理を
終了する。
【0095】ところで、上記ST1〜ST8の処理は制
御コア回路2により、各回路102〜111が制御され
ることにより行われる。つまり、制御コア回路2は、画
面P1の画像を複数のブロックBaに分割させ、そのブ
ロックBaの内から選択するブロック数を変更しながら
所定のブロックBaを選択させ、その選択したブロック
Baの画像データに対して前記圧縮処理を繰り返させる
ことにより、圧縮画像データの符号量を規定された最大
値以下にするのに最適な量子化しきい値およびハフマン
符号から成るパラメータを決定する動作を行う。すなわ
ち、制御コア回路2はRISC(Reduced Instruction
Set Computer)−CPUの機能を備え、制御コア回路2
の前記動作はRISC−CPUがソフトウェアにより処
理している。
【0096】以上説明したように、本実施形態によれば
以下の作用・効果を得ることができる。
【0097】(1)前記記録待ち時間を短縮することが
できる。
【0098】すなわち、上記ST1,ST2,ST5で
はそれぞれ、フレームバッファ105から画面P2,P
3,P4分の画像データを読み出し、その画像データが
データバス110を介してDCT回路121へ転送され
る。各画面P2,P3,P4の画面サイズは画面P1の
画面サイズに比べて小さく、画像データのデータ量は画
面サイズに比例する。そのため、画面P1の画像データ
量に対して、画面P2の画像データ量は1/16、画面
P3の画像データ量は1/4、画面P4の画像データ量
は144/256になる。
【0099】そして、各回路121〜123による前記
圧縮処理に要する時間は、画像データのデータ量に比例
する。そのため、ST1,ST2,ST5の処理時間
は、ST8の処理時間に比べて短くなる。また、通常の
被写体画像については、ST1→ST2→ST3→ST
4→ST6の順番で処理が行われ、ST5に移行するこ
とは稀であり、ST8に移行することは極めて稀であ
る。従って、本実施形態において量子化しきい値および
ハフマン符号化の最終的な決定に要する時間は、従来の
電子スチルカメラ101よりも短くなる。
【0100】また、ST1〜ST8の処理を行うことに
より、前記記録待ち時間を短縮した上で、各回路121
〜123による前記圧縮処理を繰り返し行う回数を十分
に多くすることができる。そのため、量子化しきい値お
よびハフマン符号を最適化することが可能になり、高精
度な圧縮画像データを生成できることから、圧縮画像デ
ータを伸張した再生画像の画質の低下を防ぐことができ
る。
【0101】(2)各画面P2,P3,P4の画像デー
タ量は画面P1の画像データ量に比べて少ないため、S
T1,ST2,ST5においてフレームバッファ105
の読出アクセスに要する時間は、ST8においてフレー
ムバッファ105の読出アクセスに要する時間よりも短
くなる。そのため、フレームバッファ105に対するア
クセスが削減されることから、フレームバッファ105
およびデータバス110のバス幅を大きくすることな
く、フレームバッファ105に対するアクセスの混雑を
回避することが可能になる。
【0102】従って、上記(1)の効果と相まって前記
記録待ち時間をさらに短縮することができる。また、信
号処理回路104および表示回路107からフレームバ
ッファ105に対して行われるアクセスの性能を向上さ
せることもできる。
【0103】(3)各画面P2,P3,P4は、画面P
1に均等に配置されたブロックBs1(画面P4にあっ
てはブロック群Bs3)を抽出しているので、画面の特
徴を平均的に取り出すことができ、被写体画像の情報が
どのようなものであっても各圧縮誤差E1,E2,E3
を小さく抑えることができる。その結果、高精度な符号
化を実現することができる。
【0104】尚、本発明は上記実施形態に限定されるも
のではなく、以下のように変更してもよく、その場合で
も同等もしくはそれ以上の作用・効果を得ることができ
る。
【0105】(イ)ST3からST4へ移行した場合、
ST4では、画面P2ではなく、画面P3の画像データ
に基づいて仮決定した量子化しきい値およびハフマン符
号を、画面P1の画像データに対して最適化された量子
化しきい値およびハフマン符号であるとして本決定す
る。
【0106】そして、ST7からST4へ移行した場
合、ST4では、画面P3ではなく、画面P4の画像デ
ータに基づいて仮決定した量子化しきい値およびハフマ
ン符号を、画面P1の画像データに対して最適化された
量子化しきい値およびハフマン符号であるとして本決定
する。
【0107】(ロ)上記実施形態では、画面P1を(1
6行×16行)の256個のブロックBaに分割した
が、画面P1を縦r個横s個(r行×s行。r,sは自
然数)のブロックBaに分割するようにしてもよい。
尚、この場合も、ブロックBaはマクロブロックを単位
として設定する必要がある。
【0108】(ハ)上記実施形態では、画面P2を(4
行×4行)の16個のブロックBaで構成し、画面P3
を(8行×8行)の64個のブロックBaで構成し、画
面P4を(12行×12行)の144個のブロックBa
で構成するようにしたが、各画面P2〜P4を構成する
ブロックBaの数はこれ以外の値に設定してもよい。
【0109】例えば、画面P2を(8行×8行)、画面
P3を(12行×12行)のブロックBaで構成し、画
面P4を省くようにする。この場合は、ST5,ST7
の処理も省かれ、ST3:NOの場合はST8へ移行す
る。
【0110】また、画面P2を(2行×2行)、画面P
3を(4行×4行)、画面P4を(8行×8行)のブロ
ックBaで構成し、(12行×12行)の144個のブ
ロックBaで構成される画面P5を加えるようにする。
この場合は、ST7において圧縮誤差E3が許容値を越
える場合は、画面P5の画像データの符号量SP5を求め
ると共に、画面P5の画像データに基づいて量子化しき
い値およびハフマン符号を仮決定する。そして、各画面
P4,P5の画像データ間の圧縮誤差E4を算出し、圧
縮誤差E4が許容値以内の場合はST4へ移行し、許容
値を越える場合はST8へ移行する。
【0111】さらに、各画面P2〜P4を構成するブロ
ックBaの縦横の数は異なっていてもよく、例えば、画
面P2を(6行×4行)、画面P3を(8行×10
行)、画面P4を(14行×12行)のブロックBaで
構成するようにしてもよい。
【0112】(ニ)図8に示すように、画面P1を縦横
3個ずつ(3行×3列)の9個の領域Bbに分割し、そ
の各領域Bbを縦横16個ずつ(16行×16列)の2
56個のブロックBaに分割する。そして、上記実施形
態と同様にして、各領域Bb毎にST1〜ST5,ST
7,ST8と同様の処理を行うことにより、各領域Bb
毎に量子化しきい値およびハフマン符号を決定する。
【0113】この場合、圧縮誤差E2が許容値を越える
領域BbについてのみST5の処理が行われ、圧縮誤差
E3が許容値を越える領域BbについてのみST8の処
理が行われる。そのため、圧縮誤差E2が許容値以内の
領域Bbが多い場合や、圧縮誤差E3が許容値以内の領
域Bbが多い場合には、上記実施形態のように画面P1
を領域Bbに分割しない場合に比べて、量子化しきい値
およびハフマン符号の最終的な決定に要する時間が短く
なり、上記実施形態の効果をさらに高めることができ
る。
【0114】尚、画面P1を(3行×3列)の9個の領
域Bbに分割するだけに限らず、画面P1を縦p個横q
個(p行×q行。p,qは自然数)の領域Bbに分割す
るようにしてもよい。
【0115】(ホ)電子スチルカメラに限らず、CD−
ROMシステム等の画像データの画像圧縮装置に適用し
てもよい。
【0116】(ヘ)JPEGエンコーダに限らず、MP
EGエンコーダに適用してもよい。前記したように、M
PEG方式はJPEG方式にMCを組み合わせた技術で
あり、MPEGエンコーダはJPEGエンコーダ(DC
T回路121,量子化回路122,ハフマン符号化回路
123)にMC回路を付加して構成される。
【0117】(ト)各回路121〜123,131〜1
33における信号処理をCPUを用いたソフトウェア的
な信号処理に置き換える。
【0118】
【発明の効果】本発明の画像圧縮装置にあっては、選択
したブロックの画像データに対して圧縮処理を繰り返し
て最適な圧縮パラメータを決定するので、1画面の全て
の画像データに対して圧縮処理を繰り返す場合に比べ
て、最適な圧縮パラメータを決定するために圧縮処理繰
り返すのに要する時間を短縮することが可能になること
から、画像データの高速且つ高精度な符号化を実現する
ことができる。
【0119】更に、最適な圧縮パラメータを決定する際
の圧縮誤差を小さく抑えるので、更なる高精度化を実現
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した実施形態の電子スチルカメ
ラのブロック回路図である。
【図2】本発明を具体化した実施形態の動作を説明する
ための模式図である。
【図3】本実施形態の動作を説明するための模式図であ
る。
【図4】本実施形態の動作を説明するための模式図であ
る。
【図5】本実施形態の動作を説明するための模式図であ
る。
【図6】本実施形態の動作を説明するための模式図であ
る。
【図7】本実施形態の動作を説明するためのフローチャ
ートである。
【図8】本実施形態の変形例の動作を説明するための模
式図である。
【図9】従来の電子スチルカメラのブロック回路図であ
る。
【符号の説明】
1…電子スチルカメラ 2…制御コア回路 102…JPEGコア回路 105…フレームバッファ 110,111…データバス 121…DCT回路 122…量子化回路 123…ハフマン符号化回路 124…符号量カウンタ 131…ハフマン復号化回路 132…逆量子化回路 133…逆DCT回路 P1,P2,P3,P4…画面 Ba,Bs1,Bs2,Bs3…ブロック Bb…領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 5/92 H04N 5/92 H 7/24 7/13 Z Fターム(参考) 5C052 AA17 CC06 CC11 DD02 EE02 EE08 GA02 GA03 GB06 GC05 GE04 GE08 5C053 FA08 FA27 GA11 GB07 GB21 GB22 GB26 GB28 GB34 GB36 GB37 KA03 KA22 KA24 LA01 LA15 5C059 KK11 KK49 LC00 MA00 MA23 MC14 ME02 SS15 TA11 TA16 TA47 TA49 TA57 TB08 TC08 TC18 TC38 TD02 TD12 TD15 TD19 UA02 UA29 UA31 5C078 BA21 BA23 BA57 CA31 DA00 DA01 DA02 DA07 DB11 DB16 5J064 AA03 BA09 BC01 BD03

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力された画像データを圧縮して符号化
    するエンコーダと、このエンコーダによってサンプル画
    像データを処理させて、圧縮すべき1画面の画像の圧縮
    後の画像データの符号量を所定値以下にするのに最適な
    圧縮パラメータを決定する制御回路とを備え、前記制御
    回路は、前記圧縮すべき1画面の画像を複数のブロック
    に分割し、この複数のブロックの内から所定のブロック
    を、一画面に亘って均等に抽出されるような規則性を持
    って抽出して前記サンプル画像データを生成することを
    特徴とした画像圧縮装置。
  2. 【請求項2】 入力された画像データを圧縮して符号化
    するエンコーダと、このエンコーダによって生成された
    圧縮画像データの符号量をカウントする符号量カウンタ
    と、この符号量カウンタのカウントした圧縮画像データ
    の符号量が所定値以下になるまで、前記エンコーダの圧
    縮パラメータを変更しながら、前記エンコーダによる圧
    縮処理を繰り返すことにより、圧縮画像データの符号量
    を所定値以下にするのに最適な圧縮パラメータを決定す
    る制御回路とを備え、 前記制御回路は、圧縮すべき1画面の画像を複数のブロ
    ックに分割し、この複数のブロックの内から所定のブロ
    ックを、一画面に亘って均等に抽出されるような規則性
    を持って抽出してサンプル画像データを生成し、このサ
    ンプル画像データに基づいて前記圧縮パラメータの決定
    処理を行うことを特徴とした画像圧縮装置。
  3. 【請求項3】 前記制御回路は、前記複数のブロックの
    内から所定のブロックを、所定間隔おきに抽出して前記
    サンプル画像データを生成することを特徴とした請求項
    1又は2に記載の画像圧縮装置。
  4. 【請求項4】 前記制御回路は、前記複数のブロックの
    内から互いに隣接するブロック群を、所定間隔おきに抽
    出して前記サンプル画像データを生成することを特徴と
    した請求項1又は2に記載の画像圧縮装置。
  5. 【請求項5】 前記制御回路は、前記複数のブロックの
    内から所定のブロックを抽出して構成された第1ブロッ
    ク群のサンプル画像データに対して、前記圧縮処理を行
    うことにより第1圧縮画像データを生成すると共に、前
    記第1ブロック群のサンプル画像データに対して最適化
    された前記圧縮パラメータを求め、 前記第1ブロック群よりも多数のブロックを規則的抽出
    して構成された第2ブロック群のサンプル画像データに
    対して、前記圧縮処理を行うことにより第2圧縮画像デ
    ータを生成すると共に、第2ブロック群のサンプル画像
    データに対して最適化された前記圧縮パラメータを求
    め、 第1ブロック群と第2ブロック群のブロック数に基づい
    て、第1圧縮画像データと第2圧縮画像データの符号量
    から両者の圧縮誤差を算出し、その圧縮誤差が許容値以
    内の場合は、前記1画面の画像の画像データから生成さ
    れた圧縮画像データと第1圧縮画像データとの圧縮誤差
    についても許容値以内になっていると見なし、第1ブロ
    ック群または第2ブロック群の画像データに対して最適
    化された圧縮パラメータを、前記最適な圧縮パラメータ
    として決定することを特徴とした請求項1乃至4のいず
    れか1項に記載の画像圧縮装置。
  6. 【請求項6】 前記エンコーダは、1画面の画像を構成
    する画像データに対して離散コサイン変換を行い、離散
    コサイン変換係数を生成する離散コサイン変換回路と、
    前記離散コサイン変換回路から供給された離散コサイン
    変換係数を、予め設定された量子化テーブルに格納され
    ている量子化しきい値を参照して量子化する量子化回路
    と、前記量子化回路にて量子化された離散コサイン変換
    係数を、予め設定されたハフマンテーブルに格納されて
    いるハフマン符号を参照して可変長符号化することによ
    り、圧縮画像データを生成するハフマン符号化回路と、
    を含むことを特徴とした請求項1又は2に記載の画像圧
    縮装置。
  7. 【請求項7】 前記圧縮パラメータは、前記量子化しき
    い値とハフマン符号との少なくとも一方からなることを
    特徴とした請求項6に記載の画像圧縮装置。
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