JP3398138B2 - 画像処理装置および画像処理方法 - Google Patents

画像処理装置および画像処理方法

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JP3398138B2
JP3398138B2 JP2000388760A JP2000388760A JP3398138B2 JP 3398138 B2 JP3398138 B2 JP 3398138B2 JP 2000388760 A JP2000388760 A JP 2000388760A JP 2000388760 A JP2000388760 A JP 2000388760A JP 3398138 B2 JP3398138 B2 JP 3398138B2
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寛 花房
茂之 岡田
則章 児島
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Sanyo Electric Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像処理装置およ
び画像処理方法に係り、例えば、画像データをMPEG
(Moving Picture Expert Group)およびJPEG(Joi
nt PhotographicCodibg Expert Group)規格に従って圧
縮符号化して記録する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、19世紀以来の銀塩写真技術を使
用したカメラに代わって、電子スチルカメラの需要がま
すます拡大している。電子スチルカメラにおいては、画
像データを伝送および蓄積する際に、画像データを圧縮
してデータ量を減らすことにより効率的に処理するため
に、データの圧縮・伸張技術として「JPEG」方式が
用いられている。このJPEG方式は、ISO(Intern
ational Organization for Standardization)/IEC
(Intarnational Electrotechnical Commission)傘下
のJPEG委員会(ISO/IEC 10918-1)によって標準化
されている。
【0003】JPEG方式はJPEGアルゴリズムとも
呼ばれ、その技術の核となるのが離散コサイン変換(D
CT;Discrete Cosine Transform)である。そして、
JPEG方式は、電子スチルカメラだけでなく、CD−
ROM(CD-Read Only Memory)システム等の画像デー
タの処理にも広く利用されている。また、JPEG方式
によれば動画像データの圧縮・伸張を行うことも可能で
あるため、JPEG方式を用いた電子スチルカメラには
動画像の撮影機能を備えたものもある。このようにJP
EG方式を用いて動画像データの圧縮・伸張を行う技術
は、M−JPEG(Motion-JPEG)と呼ばれる。
【0004】ところで、マルチメディアで扱われる情報
は、膨大な量で且つ多種多様であり、これらの情報を高
速に処理することがマルチメディアの実用化を図る上で
必要となってくる。情報を高速に処理するためには、デ
ータの圧縮・伸長技術が不可欠となる。そのようなデー
タの圧縮・伸長技術としては「MPEG」方式があげら
れる。このMPEG方式は、ISO/IEC傘下のMP
EG委員会(ISO/IECJTC1/SC29/WG11)によって標準化
されている。
【0005】MPEG方式で用いられる技術の核となる
のが、動き補償付予測(MC;Motion Compensated pre
diction)とDCTである。MCとDCTを併用した符
号化技術は、ハイブリッド符号化技術と呼ばれる。つま
り、MPEG方式は、JPEG方式にMCを組み合わせ
た技術であるといえる。MPEG方式は、各種蓄積メデ
ィア(ビデオCD(Compact Disc)、CD−ROM、D
VD、ビデオテープ、不揮発性半導体メモリを用いたメ
モリカード、等)、LAN(Local Area Network)等の
各種通信メディア、各種放送メディア(地上波放送、衛
星放送、CATV(Community Antenna Television))
を含む伝達メディア全般に対応している。
【0006】このようなMPEG方式を利用した電子ス
チルカメラにあっては、動画像の撮影中に動画像の1フ
レーム(1画面)分に相当する静止画像をスナップショ
ットとして記録できるようにすることが要望されてい
る。通常、静止画像として記録された画像情報は、ビデ
オプリンタなどを使用して紙媒体にプリントされること
が多いので、高画質が要求されるが、動画像をこのよう
な高画質で記録した場合、直ぐにメモリ容量が足りなく
なってしまう。したがって、このような機能を実現する
場合、従来は、静止画像は1フレーム分のそのままの画
素密度で記録し、動画像は、画素密度が小さくなるよう
にフィルタリング処理することが行われている。
【0007】動画像のフィルタリング処理には、一般的
には、空間フィルタとしての非循環型デジタルフィルタ
(以下、FIR(Finite Impulse Response)フィルタ
という)が用いられており、このFIRフィルタの重み
付け係数を設定することにより、画素密度の変換を行
う。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来例にあっては、静
止画像はフィルタリング処理することなくJPEG回路
に入力されるため、例えば、静止画像のエッジを滑らか
にしたい場合や逆にエッジを強調したい場合のような需
要を満足することができず、また、このような機能を付
加するためには新たにフィルタ回路を増設しなければな
らず、コストが高くなる問題がある。
【0009】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その第1の目的は、画像処理装置に
おいて、動画像および静止画像の記録機能を低コストで
向上させることにある。また、本発明の第2の目的は、
動画像および静止画像の記録機能を低コストで向上させ
ることが可能な画像処理方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の画像処理装置
は、画像データを、静止画像として符号化する静止画像
符号化手段と、前記画像データを一連の動画像として符
号化する動画像符号化手段と、前記静止画像符号化手段
および動画像符号化手段に至る前記画像データの入力経
路中に設けられ、前記画像データをフィルタリング処理
する画像補正手段と、前記各手段の動作を制御する制御
手段とを具備し、前記画像補正手段において、前記静止
画像符号化手段に対する前記画像データのフィルタリン
グ処理と、前記動画像符号化手段に対する前記画像デー
タのフィルタリング処理とを異ならせたことをその要旨
とする。
【0011】請求項2の画像処理装置は、請求項1に記
載の発明において、前記画像補正手段において、前記静
止画像符号化手段に対する前記画像データのフィルタリ
ング処理を複数種類選択可能に構成し、この複数種のフ
ィルタリング機能を選択するための選択手段を設けた
とをその要旨とする。請求項3の画像処理装置は、請求
項1又は2に記載の発明において、前記画像補正手段
は、フィルタ部とこのフィルタ部のフィルタ機能を決定
する係数を記憶する記憶部とを含むことをその要旨とす
る。
【0012】請求項4の画像処理装置は、請求項1に記
載の発明において、前記画像補正手段において、前記静
止画像符号化手段に対する前記画像データのフィルタリ
ング処理を恒等変換処理に設定可能としたことをその要
旨とする。請求項5の画像処理装置は、請求項1乃至4
のいずれか1項に記載の発明において、前記静止画像符
号化手段および動画像符号化手段の符号化部を共有化し
ことをその要旨とする。
【0013】請求項6の画像処理装置は、画像データ
を、静止画像として符号化する静止画像符号化手段と、
前記画像データを一連の動画像として符号化する動画像
符号化手段と、前記静止画像符号化手段および動画像符
号化手段に至る前記画像データの入力経路中に設けら
れ、前記画像データをフィルタリング処理する画像補正
手段と、前記各手段の動作を制御する制御手段とを具備
し、前記動画像符号化手段による符号化処理中における
静止画像の記録指示信号に応じて、1フレーム分の画像
データを一時的に記憶する記憶手段を備えることをその
要旨とする。請求項7の画像処理装置は、請求項6に記
載の発明において、前記画像補正手段において、前記静
止画像符号化手段に対する前記画像データのフィルタリ
ング処理と、前記動画像符号化手段に対する前記画像デ
ータのフィルタリング処理とを異ならせたことをその要
旨とする。
【0014】請求項8の画像処理装置は、請求項6又は
に記載の発明において、前記記憶手段に記憶された1
フレーム分の画像データは、前記画像補正手段による補
正前の画像データであることをその要旨とする。請求項
9の画像処理装置は、請求項8に記載の発明において、
前記制御手段は、前記動画像符号化手段による符号化処
理の終了後に、前記記憶手段に記憶されている画像デー
タを静止画像として生成すべく前記画像補正手段に送出
することをその要旨とする。
【0015】請求項10の画像処理装置は、請求項6又
は7に記載の発明において、前記記憶手段に記憶された
1フレーム分の画像データは、前記画像補正手段による
補正後の画像データであることをその要旨とする。請求
項11の画像処理装置は、請求項10に記載の発明にお
いて、前記制御手段は、前記動画像符号化手段による符
号化処理の終了後に、前記記憶手段に記憶されている画
像データを静止画像として生成すべく前記静止画像符号
化手段に送出することをその要旨とする。
【0016】請求項12の画像処理方法は、静止画像と
して符号化すべき画像データと動画像として符号化すべ
き画像データとの双方を共通の画像補正手段でフィルタ
リング処理するものであって、前記画像補正手段におい
て、前記静止画像として符号化すべき画像データに対す
るフィルタリング処理と、前記動画像として符号化すべ
き画像データに対するフィルタリング処理とを異ならせ
ことをその要旨とする。請求項13の画像処理方法
は、請求項12に記載の発明において、前記画像補正手
段において、前記静止画像として符号化すべき画像デー
タに対するフィルタリング処理を複数種類選択可能に構
成し、選択手段からの選択信号に応じたフィルタリング
処理を行うことをその要旨とする。
【0017】請求項14の画像処理方法は、請求項12
又は13に記載の発明において、前記画像補正手段は、
フィルタ部とこのフィルタ部のフィルタ機能を決定する
係数を記憶する記憶部とを含むことをその要旨とする。
請求項15の画像処理方法は、請求項12に記載の発明
において、前記画像補正手段において、前記静止画像と
して符号化すべき画像データに対するフィルタリング処
理を恒等変換処理に設定可能としたことをその要旨とす
る。
【0018】請求項16の画像処理方法は、静止画像と
して符号化すべき画像データと動画像として符号化すべ
き画像データとの双方を共通の画像補正手段でフィルタ
リング処理するものであって、動画像の符号化処理中に
おける静止画像の符号化指示信号に応じて、1フレーム
分の画像データを静止画像として符号化すべき画像デー
タとして一時的に記憶手段に退避させることをその要旨
とする。請求項17の画像処理方法は、請求項16に記
載の発明において、前記画像補正手段において、前記静
止画像として符号化すべき画像データに対するフィルタ
リング処理と、前記動画像として符号化すべき画像デー
タに対するフィルタリング処理とを異ならせたことをそ
の要旨とする。
【0019】請求項18の画像処理方法は、請求項16
又は17に記載の発明において、前記画像補正手段によ
る補正前の画像データを、前記記憶手段に退避させるこ
とをその要旨とする。請求項19の画像処理方法は、請
求項18に記載の発明において、動画像の符号化処理後
に、前記記憶手段に退避させた画像データを前記フィル
タリング処理することをその要旨とする。
【0020】請求項20の画像処理方法は、請求項19
に記載の発明において、前記画像補正手段による補正後
の画像データを、前記記憶手段に退避させることをその
要旨とする。請求項21の画像処理方法は、請求項20
に記載の発明において、動画像の記録後に、前記記憶手
段に退避させた画像データを静止画像として符号化処理
することをその要旨とする。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明を具体化した一実施形態を
図面に基づいて説明する。図1は、JPEGおよびMP
EG方式を用いた電子スチルカメラ1のブロック回路図
である。電子スチルカメラ1は、撮像デバイス2、信号
処理回路3、画像データ補正回路4、JPEGコア回路
5、MPEGコア回路6、フレームバッファ7、表示回
路8、ディスプレイ9、メモリカード10、入出力回路
11、データバス12,13、制御コア回路14、操作
ボタン群15から構成されている。
【0022】制御コア回路14は、操作ボタン群15の
ON/OFF信号に応じて、電子スチルカメラ1の各構
成要素2〜13を制御する。図1では操作ボタン群15
のうち代表的なボタンのみを示しており、操作ボタン群
15は、静止画記録ボタン15aおよび動画記録ボタン
15bを有している。撮像デバイス2はCCD(Charge
Coupled Device)等から構成され、被写体画像を撮影
して出力信号を生成する。信号処理回路3は、A/D変
換回路を含み、撮像デバイス2の出力信号をA/D変換
した後、ホワイトバランス調整やガンマ補正等を行っ
て、1画面(画素数:縦1200×横1600)ずつの
原画像データを生成する。信号処理回路3の生成したデ
ジタルの原画像データは、データバス12を介して、フ
レームバッファ7または表示回路8の少なくともいずれ
かへ転送される。
【0023】表示回路8は、データバス12を介して転
送されてきた1画面ずつの画像データから画像信号を生
成する。ディスプレイ9は、表示回路8の生成した画像
信号を被写体画像として表示する。フレームバッファ7
は書き換え可能な半導体メモリ(例えば、SDRAM
(Synchronous Dynamic RAM)、DRAM、ラムバスD
RAM、等)から構成され、データバス12を介して転
送されてきた1画面(1フレーム)ずつの画像データを
書き込んで記憶すると共に、記憶した画像データを1画
面ずつ読み出す。また、このフレームバッファ7には、
動画記録中、静止画記録ボタン15aのON信号に応じ
て、該当する1フレーム分の静止画像データを一時的に
退避して記憶する記憶領域7aを備えている。尚、記憶
領域7aが本発明における「記憶手段」の一例である。
【0024】フレームバッファ7から読み出された1画
面ずつの画像データは、データバス12を介して画像デ
ータ補正回路4へ転送される。画像データ補正回路4
は、信号処理回路3から入力された画像データに対し、
後述する補正処理を行う。画像データ補正回路4の生成
した補正処理後の1画面ずつの画像データは、データバ
ス12を介して、JPEGコア回路5又はMPEGコア
回路6へ転送される。尚、画像データ補正回路4が本発
明における「画像補正手段」の一例である。
【0025】メモリカード10は電子スチルカメラ1に
対して着脱可能に装着されており、メモリカード10内
にはフラッシュメモリ10aが設けられている。フラッ
シュメモリ10aは、データバス13を介して転送され
てきた1画面ずつの圧縮画像データを書き込んで記憶す
ると共に、記憶した圧縮画像データを1画面ずつ読み出
してデータバス13へ転送する。尚、フラッシュメモリ
10aが本発明における「記録媒体」の一例である。
【0026】入出力回路11は、データバス13を介し
て転送されてきた1画面ずつの画像データを、電子スチ
ルカメラ1に接続された外部機器(例えば、外部ディス
プレイ、パーソナルコンピュータ、プリンタ、等)へ出
力すると共に、当該外部機器から入力された画像データ
をデータバス13へ転送する。メモリカード10から読
み出された画像データまたは入出力回路11を介して入
力された画像データは、データバス13を介してJPE
Gコア回路5又はMPEGコア回路6へ転送される。
【0027】JPEGコア回路5は、図2に示すとお
り、DCT回路16、量子化回路17、ハフマン符号化
回路18、ハフマン復号化回路19、逆量子化回路2
0、逆DCT(IDCT;Inverse DCT)回路21から
構成されている。JPEGコア回路5においては、1画
面の画像データがJPEG方式の規格によって定められ
た複数のマクロブロックに分割され、その各ブロック毎
に圧縮・伸張処理が行われる。ここで、DCT回路1
6,量子化回路17,ハフマン符号化回路18はJPE
Gエンコーダを構成し、静止画像データの圧縮・符号化
処理を行い、ハフマン復号化回路19,逆量子化回路2
0,逆DCT回路21はJPEGデコーダを構成し、静
止画像データの伸張・復号化処理を行う。尚、JPEG
コア回路5(JPEGエンコーダ)が本発明における
「静止画像符号化手段」の一例である。
【0028】DCT回路16は、フレームバッファ7か
ら読み出された1画面ずつの画像データに対して、1画
面の画像データを1ブロック単位で取り込み、その画像
データに対して2次元の離散コサイン変換(DCT:Di
screte Cosine Transform)を行ってDCT係数を生成
する。量子化回路17は、DCT回路16から供給され
たDCT係数を、図示しないRAMに記憶された量子化
テーブルに格納されている量子化しきい値を参照して量
子化する。
【0029】ハフマン符号化回路18は、量子化回路1
7にて量子化されたDCT係数を、図示しないRAMに
記憶されたハフマンテーブルに格納されているハフマン
符号を参照して可変長符号化することにより、圧縮され
た画像データを1画面ずつ生成する。ハフマン符号化回
路18の生成した圧縮画像データは、データバス13を
介して、メモリカード10または入出力回路11の少な
くともいずれかへ転送される。
【0030】MPEGコア回路6は、JPEGコア回路
5にMC回路22a,22bを付加して構成される。し
たがって、DCT回路16、量子化回路17、ハフマン
符号化回路18、ハフマン復号化回路19、逆量子化回
路20、逆DCT回路21は、JPEGコア回路5とM
PEGコア回路6とで共有化され、制御コア回路14か
らの切替信号により、JPEGコア回路5を使用するの
か、また、これにMC回路22a,22bを付加したM
PEGコア回路6を使用するのかが選択される。但し、
JPEGとMPEGとは、上記した量子化テーブルおよ
びハフマンテーブルを別々に備えるものとする。
【0031】MPEGコア回路6においては、1画面の
画像データがMPEG方式の規格によって定められた複
数のマクロブロックに分割され、その各ブロック毎に圧
縮・伸張処理が行われる。ここで、DCT回路16,量
子化回路17,ハフマン符号化回路18、MC回路22
aはMPEGエンコーダを構成し、動画像データの圧縮
符号化処理を行い、ハフマン復号化回路19,逆量子化
回路20,逆DCT回路21、MC回路22bはMPE
Gデコーダを構成し、動画像データの伸張・復号化処理
を行う。尚、MPEGコア回路6(MPEGエンコー
ダ)が本発明における「動画像符号化手段」の一例であ
る。
【0032】そして、MPEGエンコーダの生成した圧
縮画像データも、データバス13を介して、メモリカー
ド10または入出力回路11の少なくともいずれかへ転
送される。JPEGコア回路5又はMPEGコア回路6
において、ハフマン復号化回路19は、データバス13
を介して転送されてきた1画面ずつの圧縮画像データ
を、ハフマン符号を参照して可変長復号化することによ
り、伸張された画像データを1画面ずつ生成する。
【0033】逆量子化回路20は、ハフマン復号化回路
19の生成した1画面ずつの伸張画像データを、量子化
しきい値を参照して逆量子化することにより、DCT係
数を生成する。逆DCT回路21は、逆量子化回路20
の生成したDCT係数に対して2次元の離散コサイン逆
変換(IDCT:Inverse DCT)を行う。ここで、MP
EGコア回路6においては、逆DCT回路21にて離散
コサイン逆変換が行われた1画面ずつの伸張画像データ
に対しMC回路22bによりMC処理を施す。
【0034】JPEGコア回路5又はMPEGコア回路
6からの伸張画像データは、データバス12を介してフ
レームバッファ7へ転送される。そして、フレームバッ
ファ7は、JPEGコア回路5又はMPEGコア回路6
からデータバス12を介して転送されてきた1画面ずつ
の画像データを書き込んで記憶する。また、表示回路8
は、フレームバッファ7からデータバス12を介して転
送されてきた1画面ずつの画像データから画像信号を生
成し、その画像信号はディスプレイ9上で被写体画像と
して表示される。
【0035】画像データ補正回路4は、図3に示すとお
り、デジタルフィルタ部23、ROM24およびタイミ
ング制御部25から構成されている。デジタルフィルタ
部23は、FIRフィルタを含み、図4に示すとおり、
信号処理回路3から入力されたnビットの入力信号をサ
ンプリング周期毎に遅延させるためのn個の遅延器26
…と、n+1個の乗算器27…と、この乗算器27…か
らの信号を畳み込むための加算器28とから構成され
る。乗算器27…の各係数αn,αn-1… …α2,α1
は、フィルタの特性を決定する係数であり、動画像デー
タをフィルタリング処理する場合の係数と静止画像デー
タをフィルタリング処理する場合の係数とが予めROM
24内に書き込まれてある。ROM24に記憶させてい
る係数は、予め製造段階においてシミュレーションによ
り適切な値に設定される。
【0036】例えば、動画像データをフィルタリング処
理する場合には、線形補間等の考え方を用い、サンプリ
ング周期毎に各係数の値を変化させることで、良好な低
画素密度画像を得る。一例として、横方向の画素数を2
/3にする場合を考える。いま、仮に原画像において3
個の画素p1〜p3が横向きに配列されており、動画像デ
ータに対するフィルタリング処理により、これらの画素
を2個の画素q1,q2に変換する。このために、q1と
q2をそれぞれp1,p2,p3の一次線形和で表現する。
すなわち、画素数をどの程度減らすか、その比率を定め
た上で、線形和の各係数を実験等で定めればデータ量低
減のためのフィルタリング処理が実現する。一例とし
て、画素数を例えば縦480×横720に低減しても良
い。一方、静止画像データをフィルタリング処理する場
合には、高周波領域を強調するように各係数の値を設定
し、ハイパスフィルターを形成しても良い。こうするこ
とで、画素数を一定に維持したまま、エッジ部の劣化の
ない鮮明化された画像を得ることができる。
【0037】尚、本実施形態にあっては、n=8に設定
しているが、これには当然設計の自由度がある。タイミ
ング制御部25は、制御コア回路14の制御に従って、
ROM24からの係数の読み出しのタイミング、入出力
データのラッチのタイミング、フィルタ演算のタイミン
グ等を制御する。斯かる構成に基づいて、画像データの
記録動作を説明する。 (静止画像記録)撮像デバイス2から取り込まれた原画
像データは、静止画記録ボタン15aのON信号に対応
するタイミングで信号処理回路3に入力され、ここで1
画面のデジタルの原画像データに変換されて、画像デー
タ補正回路4に取り込まれる。そして、画像データ補正
回路4において、上述した静止画像対応の補正処理が行
われ、JPEGコア回路5に入力され、所定の圧縮・符
号化処理が行われた後、フラッシュメモリ10aに記録
される。 (動画像記録)撮像デバイス2から取り込まれた原画像
データは、動画記録ボタン15bのON信号に対応する
タイミングで信号処理回路3に入力され、ここで1画面
ずつのデジタルの原画像データに変換されて、画像デー
タ補正回路4に取り込まれる。そして、画像データ補正
回路4において、上述した動画像対応の補正処理が行わ
れ、MPEGコア回路6に入力され、所定の圧縮・符号
化処理が行われた後、フラッシュメモリ10aに記録さ
れる。この動作は、動画記録ボタン15bから再びON
信号が送出されるまで続行される。 (スナップショット記録)動画像の記録期間中に、静止
画記録ボタン15aからON信号が送出されると、制御
コア回路14は、スナップショットのためのスチル撮影
が外部から指示されたと判断し、1フレーム分の画像デ
ータをフレームバッファ7の記録領域7aに一時的に退
避・記憶させる。この退避動作のあいだ、動画像の記録
動作はそのまま継続する。尚、静止画像の退避は、記憶
領域7aの容量が許す限り、複数フレーム分行なわれ
る。
【0038】動画像記録が終了すると、制御コア回路1
4は、動画像の記録動作中に、上記した静止画像の退避
動作が行われたか否かを判定し、退避動作が行われてい
る場合、記憶領域7aに記憶されている1フレーム分の
データをデータバス12を介して画像データ補正回路4
に転送し、上述した静止画像記録と同様の動作を行わせ
る。
【0039】以上に説明した本実施形態の電子スチルカ
メラ1にあっては、以下のとおりの作用効果を奏する。 (1)動画像の撮影中に、スナップショットとして静止
画像を抽出することができるので、電子スチルカメラと
しての機能が向上する。 (2)静止画像データをデータ補正回路4を用いて、よ
り最適な画像に補正することができる。
【0040】(3)動画像データはもとより、静止画像
データも必ずデータ補正回路4を通過するよう構成され
ているので、静止画像に別途補正処理したい場合であっ
ても、ROM24内に係数を記憶させるだけでよく、低
コストで機能を向上させることができる。しかも、別
途、静止画像専用の補正回路を設ける必要がないので、
機器の大型化および消費電力の増大を防止することがで
きる。
【0041】(4)JPEGコア回路5およびMPEG
コア回路6において、DCT回路16、量子化回路1
7、ハフマン符号化回路18、ハフマン復号化回路1
9、逆量子化回路20、逆DCT(IDCT;Inverse
DCT)回路21を共用しているので、電子スチルカメラ
1の構成や演算処理アルゴリズムなどを簡略化すること
ができる。
【0042】(5)スナップショットのためのスチル撮
影が指示された場合に、1フレーム分の画像データを一
時的に退避・記憶させるための記録領域7aを設けたの
で、静止画像と動画像の区分および検索が容易になり、
素早く再生することができる。 (6)スナップショットのためのスチル撮影が指示され
た場合に、画像データ補正回路4に入力する前の1フレ
ーム分の画像データを記録領域7aに一時的に退避・記
憶させるので、その後に画像データ補正回路4において
フィルタリング処理する際、垂直方向にフィルタリング
処理したりズーム処理したりすることが容易になるとと
もに動画像記録を中断することなく行うことができる。
【0043】本発明は上記実施形態に限定されるもので
はなく、以下のように変更してもよく、その場合でも同
等もしくはそれ以上の作用・効果を得ることができる。 (イ)メモリカード10に代えて、光磁気ディスク、光
ディスク、磁気ディスクなどを用いる。 (ロ)スナップショットのためのスチル撮影が指示され
た場合に、画像データ補正回路4に入力した後の1フレ
ーム分の画像データを記録領域7aに一時的に退避・記
憶させる。こうすることにより、その後にJPEGコア
回路5で所定の圧縮処理を行う際にデータの取り出し処
理を容易に行うことができる。また、例えば、現在撮影
中の動画像を表示しているディスプレイ9上に、動画面
に代えて又は動画面の片隅に一時的に静止画像を表示さ
せるような機能を容易に付加することができる。
【0044】(ハ)静止画像データをフィルタリング処
理する場合に、高周波領域を強調しないように各係数の
値を設定し、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、バ
ンドパスフィルタなどを形成してもよい。こうすること
で、エイリアシングや斜め線のギザギザ(シャギー)を
抑えることができる。 (ニ)上記(ハ)の別例として、静止画像データをフィ
ルタリング処理する場合に、エッジ部を強調したり、色
信号のダイナミックレンジを拡大したりして、メリハリ
のきいた鮮やかな画像を得るように各係数の値を設定す
る。その他、用途又は使用者の好みに応じて、任意の線
形、非線形フィルタを利用することができる。
【0045】(ホ)図1に示すとおり、上記実施形態お
よび上記(ハ)(ニ)の補正機能を選択するための選択
ボタン15cを設ける。こうすることで、ユーザーの好
みに応じた静止画像を作成することができ、電子スチル
カメラ1としての機能が更に向上する。尚、選択ボタン
15cをが本発明における「選択手段」の一例である。
(ヘ)画像データ補正回路4のフィルタリング処理を恒
等変換処理に設定可能にしても良い。その場合入力され
た静止画像データがそのまま出力される。この構成であ
れば、必要なときに容易に、フィルタリング処理機能を
有効化できる。
【0046】なお、恒等変換を実現するためには、例え
ば、図4において、係数αnのみを1とし、その他の係
数αn-1… …α2,α1を全て0に設定すれば良い。
【0047】本発明は、静止画像データおよび動画像デ
ータを画像データ補正回路4に通すことに特徴を有する
のであり、恒等変換処理も当然にフィルタリング処理の
概念に属する。
【0048】
【発明の効果】本発明は、画像処理装置において、動画
像および静止画像の記録機能を低コストで向上させるこ
とができる。また、本発明は、動画像および静止画像の
記録機能を低コストで向上させることが可能な画像処理
方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した実施形態における電子スチ
ルカメラのブロック回路図である。
【図2】本実施形態におけるJPEGコア回路およびM
PEGコア回路の概略を示すブロック図である。
【図3】本実施形態における画像データ補正回路の概略
を示すブロック図である。
【図4】本実施形態における画像データ補正回路のフィ
ルタ部を示す回路図である。
【符号の説明】
1 電子スチルカメラ 2 撮像デバイス 3 信号処理回路 4 画像データ補正回路 5 JPEGコア回路 6 MPEGコア回路 7 フレームバッファ 8 表示回路 9 ディスプレイ 10 メモリカード 10a フラッシュメモリ 11 入出力回路 12,13 データバス 14 制御コア回路 15a 静止画記録ボタン 15b 動画記録ボタン 15c 選択ボタン 16 DCT回路 17 量子化回路 18 ハフマン符号化回路 19 ハフマン復号化回路 20 逆量子化回路 21 逆DCT回路 22a,22b MC回路 23 デジタルフィルタ部 24 ROM 25 タイミング制御部 26 遅延器 27 乗算器 28 加算器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−55617(JP,A) 特開 平10−191029(JP,A) 特開 平9−284718(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 5/76 - 5/956 H04N 7/24 - 7/68 G11B 20/10 - 20/12

Claims (21)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像データ静止画像として符号化する
    静止画像符号化手段と、前記画像データを一連の動画像
    として符号化する動画像符号化手段と、前記静止画像符
    号化手段および動画像符号化手段に至る前記画像データ
    の入力経路中に設けられ、前記画像データをフィルタリ
    ング処理する画像補正手段と、前記各手段の動作を制御
    する制御手段とを具備し、前記画像補正手段において、
    前記静止画像符号化手段に対する前記画像データのフィ
    ルタリング処理と、前記動画像符号化手段に対する前記
    画像データのフィルタリング処理とを異ならせたことを
    特徴とする画像処理装置。
  2. 【請求項2】 前記画像補正手段において、前記静止画
    像符号化手段に対する前記画像データのフィルタリング
    処理を複数種類選択可能に構成し、この複数種のフィル
    タリング機能を選択するための選択手段を設けたことを
    特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 【請求項3】 前記画像補正手段は、フィルタ部とこの
    フィルタ部のフィルタ機能を決定する係数を記憶する記
    憶部とを含むことを特徴とした請求項1又は2に記載の
    画像処理装置。
  4. 【請求項4】 前記画像補正手段において、前記静止画
    像符号化手段に対する前記画像データのフィルタリング
    処理を恒等変換処理に設定可能としたことを特徴とする
    請求項1に記載の画像処理装置。
  5. 【請求項5】 前記静止画像符号化手段および動画像符
    号化手段の符号化部を共有化したことを特徴とした請求
    項1乃至4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  6. 【請求項6】 画像データを、静止画像として符号化す
    る静止画像符号化手段と、前記画像データを一連の動画
    像として符号化する動画像符号化手段と、前記静止画像
    符号化手段および動画像符号化手段に至る前記画像デー
    タの入力経路中に設けられ、前記画像データをフィルタ
    リング処理する画像補正手段と、前記各手段の動作を制
    御する制御手段とを具備し、前記動画像符号化手段によ
    る符号化処理中における静止画像の記録指示信号に応じ
    て、1フレーム分の画像データを一時的に記憶する記憶
    手段を備えることを特徴とする画像処理装置
  7. 【請求項7】 前記画像補正手段において、前記静止画
    像符号化手段に対する前記画像データのフィルタリング
    処理と、前記動画像符号化手段に対する前記画像データ
    のフィルタリング処理とを異ならせたことを特徴とする
    請求項6に記載の画像処理装置。
  8. 【請求項8】 前記記憶手段に記憶された1フレーム分
    の画像データは、前記画像補正手段による補正前の画像
    データであることを特徴とする請求項6又は7に記載の
    画像処理装置。
  9. 【請求項9】 前記制御手段は、前記動画像符号化手段
    による符号化処理の終了後に、前記記憶手段に記憶され
    ている画像データを静止画像として生成すべく前記画像
    補正手段に送出することを特徴とした請求項8に記載の
    画像処理装置。
  10. 【請求項10】 前記記憶手段に記憶された1フレーム
    分の画像データは、前記画像補正手段による補正後の画
    像データであることを特徴とする請求項6又は7に記載
    の画像処理装置。
  11. 【請求項11】 前記制御手段は、前記動画像符号化手
    段による符号化処理の終了後に、前記記憶手段に記憶さ
    れている画像データを静止画像として生成すべく前記静
    止画像符号化手段に送出することを特徴とした請求項1
    0に記載の画像処理装置。
  12. 【請求項12】 静止画像として符号化すべき画像デー
    タと動画像として符号化すべき画像データとの双方を共
    通の画像補正手段でフィルタリング処理するものであっ
    て、前記画像補正手段において、前記静止画像として符
    号化すべき画像データに対するフィルタリング処理と、
    前記動画像として符号化すべき画像データに対するフィ
    ルタリング処理とを異ならせたことを特徴とする画像処
    理方法。
  13. 【請求項13】 前記画像補正手段において、前記静止
    画像として符号化すべき画像データに対するフィルタリ
    ング処理を複数種類選択可能に構成し、選択手段からの
    選択信号に応じたフィルタリング処理を行うことを特徴
    とする請求項12に記載の画像処理方法。
  14. 【請求項14】 前記画像補正手段は、フィルタ部とこ
    のフィルタ部のフィルタ機能を決定する係数を記憶する
    記憶部とを含むことを特徴とした請求項12又は13
    記載の画像処理方法。
  15. 【請求項15】 前記画像補正手段において、前記静止
    画像として符号化すべき画像データに対するフィルタリ
    ング処理を恒等変換処理に設定可能としたことを特徴と
    する請求項12に記載の画像処理方法。
  16. 【請求項16】 静止画像として符号化すべき画像デー
    タと動画像として符号化すべき画像データとの双方を共
    通の画像補正手段でフィルタリング処理するものであっ
    て、動画像の符号化処理中における静止画像の符号化指
    示信号に応じて、1フレーム分の画像データを静止画像
    として符号化すべき画像データとして一時的に記憶手段
    に退避させることを特徴とした画像処理方法
  17. 【請求項17】 前記画像補正手段において、前記静止
    画像として符号化すべき画像データに対するフィルタリ
    ング処理と、前記動画像として符号化すべき画像データ
    に対するフィルタリング処理とを異ならせたことを特徴
    とする請求項16に記載の画像処理方法。
  18. 【請求項18】 前記画像補正手段による補正前の画像
    データを、前記記憶手段に退避させることを特徴とする
    請求項16又は17に記載の画像処理方法。
  19. 【請求項19】 動画像の符号化処理後に、前記記憶手
    段に退避させた画像データを前記フィルタリング処理す
    ることを特徴とした請求項18に記載の画像処理方法。
  20. 【請求項20】 前記画像補正手段による補正後の画像
    データを、前記記憶手段に退避させることを特徴とする
    請求項19に記載の画像処理方法。
  21. 【請求項21】 動画像の記録後に、前記記憶手段に退
    避させた画像データを静止画像として符号化処理するこ
    とを特徴とした請求項20に記載の画像処理方法。
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