JP2001044571A - 半導体光素子およびその製造方法 - Google Patents

半導体光素子およびその製造方法

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JP2001044571A
JP2001044571A JP21562499A JP21562499A JP2001044571A JP 2001044571 A JP2001044571 A JP 2001044571A JP 21562499 A JP21562499 A JP 21562499A JP 21562499 A JP21562499 A JP 21562499A JP 2001044571 A JP2001044571 A JP 2001044571A
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Kazuo Mori
一男 森
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 選択成長法により均一な組成を有する混晶バ
ルク層、または各井戸層の組成と層厚がそろった多重量
子井戸構造を有する高品質半導体光素子、およびその製
造方法を実現する。 【構成】 (100)面方位のn−InP基板1上の<
011>方向に、幅0.6μmの成長領域2を挟んで設
けた一対のストライプ状誘電体マスク3を用いて、n−
InPクラッド層4、ノンドープInGaAsP混晶バ
ルク活性層5、及び、p−InPクラッド層6を順次選
択成長する。InGaAsP混晶バルク活性層5の成長
中のIII族原料ガス流量比を連続的に変化させて、高
い成長位置でのIn取り込み比率の増加を相殺すること
で均一な組成分布が得られ、PL特性および素子特性が
向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、選択成長法による
半導体光素子、及び、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】有機金属気相成長法(MOVPE)など気
相成長法によるストライプ状誘電体マスクを用いた選択
成長は、誘電体マスクの幅を変えることによって、半導
体結晶の組成および層厚を変化させることができる。そ
のため、マスク配置の設計により、1度の選択成長で基
板面内に複数の組成および層厚を有する領域を形成する
ことも可能である。例えば図4(a)は、選択成長で一般
に用いられる誘電体マスクパターンを示す平面図であ
る。InP等の化合物半導体基板41上に、幅1.5μ
mの成長領域2を挟んで対向する一対のストライプ状誘
電体マスク3を形成し、MOVPEを用いて、InGa
AsP等の四元混晶を成長領域2に選択的に成長させ
る。このとき成長する混晶の組成および層厚は、誘電体
マスク3の幅を変えることによって制御できる。この性
質を利用することで、半導体レーザ、光変調器、光増幅
器等の光素子を集積した光集積素子を一括形成できるた
め、光集積素子の作製法として非常に有望である。
【0003】ところが、図4(b)に示すように、上記
1.5μmの幅の狭い成長領域2に選択成長で光集積素
子の活性層である多重量子井戸(MQW)構造を成長する
場合には、上層の量子井戸ほどフォトルミネッセンス
(PL)ピーク波長が長波長側へシフトするという問題が
あった。この場合、活性層全体としてのPLスペクトル
の半値幅を十分に狭くすることができず、半導体レーザ
活性層の単位注入電流あたり利得の低下を招き、十分な
特性を得ることができなかった。
【0004】そこで、上述の問題を解決するために、多
重量子井戸構造の各量子井戸層の成長時間、又は、原料
ガス流量を変調させることで各量子井戸の層厚を調整
し、全量子井戸のPLクトルピーク波長を一致させる方
法が提案されている(例えば、特開平9−331106
号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】半導体レーザ、光変調
器、光増幅器等の光素子の一括集積法として有望な選択
成長技術を改良するために提案された上記公報の方法に
も、以下のような問題があった。
【0006】上記公報では、各量子井戸層の成長時間、
又は、原料ガス流量を変調させることで各量子井戸の層
厚を調整している。これは、各量子井戸層の層厚が上層
になるにしたがって厚くなることが、各量子井戸層から
のフォトルミネッセンス(PL)ピーク波長が異なる原因
であると考えたためである。ところが、実際には膜厚の
みならず各量子井戸層の組成も上層になるにしたがって
変化している。つまり、成長時間、又は、原料ガス流量
の変調による層厚の調整のみでは、全量子井戸層を均一
な構造にすることは困難である。
【0007】さらに、上述のような成長高さによる組成
の変化は、成長領域2の幅が狭いほど顕著となる。その
ため、例えば図5(a)に示すように、上下をp−In
Pクラッド層6とn−InPクラッド層4とで挟まれた
厚いInGaAsP混晶バルク活性層5を、0.6μm
幅の非常に狭い成長領域2に成長する必要がある半導体
光増幅器用活性層の選択成長においては、InGaAs
P混晶バルク活性層5内の組成が下端部から上端部にか
けて大きく分布するため、PLスペクトルの半値幅が広
く、本来の高い利得が得られないという問題があった。
【0008】本発明の目的は、上述のような従来技術に
おける欠点を克服し、選択成長法による積層方向で均質
な多重量子井戸構造、あるいは混晶バルク層を有する半
導体光素子、およびその製造方法を実現することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、その第
1の視点において、半導体基板上に形成されたストライ
プ状誘電体マスクに挟まれた領域に半導体層構造を選択
的に形成する工程を有する半導体光素子の製造方法にお
いて、前記半導体層構造を構成する少なくとも一部層内
の厚み方向の組成分布を、原料ガス流量比を変調するこ
とによって均一化することを特徴とする半導体光素子の
製造方法が提供される。ここで、上記本発明の第1の視
点の発明では、前記半導体層構造が半導体多重量子井戸
構造を含み、原料ガス流量比を変調することによって、
前記半導体多重量子井戸構造内の各量子井戸層の組成を
厚み方向に均一化することが好ましい。上記第1の視点
の発明では、原料ガス流量比は、膜厚方向に連続的に変
化させ、これによって、半導体層構造における組成を膜
厚方向に均一化する。また、本発明によれば、その第2
の視点において、半導体基板上に形成されたストライプ
状誘電体マスクに挟まれた領域に半導体多重量子井戸構
造を選択的に形成する工程を有する半導体光素子の製造
方法において、前記半導体多重量子井戸構造を構成する
各量子井戸層の平均組成を、原料ガス流量比を変調する
ことによって均一化することを特徴とする半導体光素子
の製造方法が提供される。上記本発明の第2の視点の発
明では、量子井戸層を活性層として有する半導体光素子
では、例えば、各量子井戸層内では原料ガス流量比を一
定に保ち、量子井戸層が異なる毎に原料ガス流量比を変
化させて、各量子井戸層毎の平均組成を均一化する。量
子井戸層では、膜厚が極めて小さいので、実質的には膜
厚方向に均一な組成の半導体層構造が得られる。上記本
発明の第1及び第2の視点の半導体光素子の製造方法で
は、前記半導体基板上に形成されたストライプ状誘電体
マスクに挟まれた領域の幅が10μm以下であることが
好ましく、この場合、特に均一化された組成の半導体層
構造が得られる。ここで、前記半導体多重量子井戸構造
の各量子井戸層の成長時間、又は、総原料流量、又は、
前記成長時間及び前記総原料流量の双方を変調すること
により、前記半導体多重量子井戸構造内の各量子井戸層
厚を均一化することが好ましい。更に、前記各量子井戸
層の成長時間を、前記半導体基板に最も近い最下層で最
も長く、上層ほど短くなるように制御することが好まし
い。また、前記各量子井戸層の総原料ガス流量を、前記
半導体基板に最も近い最下層で最も多く、上層ほど少な
くなるように制御することが好ましい。
【0010】本発明者は、図5(a)に示すような半導
体光増幅器用活性層の選択成長において、広いPLスペ
クトル半値幅を有する原因を調べるため、図5(b),
(c)に示すように高さが300nm異なる成長位置に
同じ成長条件で薄いInGaAsP混晶バルク活性層5
を成長した二つの試料を作製し、PL強度および走査電
子顕微鏡(SEM)による評価で比較を行った。その結
果、図5(d)に示すように、上部に成長した混晶バル
ク層からのPLピークの方が約80nm長波長であり、成
長方向で組成が変化していることが判明した。また上部
の混晶バルク層の方が厚みも増しており、すなわち成長
速度の増加も認められた。
【0011】III−V族化合物半導体のMOVPE成
長では、通常、V族元素の過剰条件下で成長するため、
全面成長と選択成長とで、V族元素の取り込みの違いは
ほとんど生じない。従って組成の違いは主にIII族元
素の取り込まれの違いによるものと考えられる。InG
aAsP混晶の場合には、Inの取り込み比率が増える
ほどそのバンドギャップ波長は長波長にシフトする。従
って上記高い成長位置ほど長波長化する結果は、高い位
置ほどInの取り込み比率が増えることを示している。
以上から、InGaAsP混晶の選択成長においては、
成長高さに応じてIn原料に対するGa原料の供給比率
を増加させることで、均一な組成分布を実現することが
できる。この場合、膜厚が特に小さな量子井戸層を活性
層として有する半導体層構造では、組成が膜厚方向に均
一化するように原料ガス比を調整することも、或いは、
各量子井戸層毎に原料ガス比を変えて量子井戸層毎の組
成を均一化することも出来る。
【0012】一方、組成の変化とともに、全体の成長速
度は高い位置ほど増加する。これは、選択成長したIn
GaAsP層の断面が台形状であるため、成長位置が高
くなるにつれて実質的な成長領域幅が狭くなるためと考
えられる。従って、成長速度を一定に保つためには高い
位置ほどIII族総流量を減らす必要がある。あるい
は、供給III族流量と成長高さとで決まる成長速度を
考慮して成長時間を調整することで、必要な層厚に精度
良く制御することが可能である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照し、本発明の実
施形態例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。
【0014】(実施形態例1)図1(a)〜(b)およ
び図2(a)〜(c)は、本発明を半導体光増幅素子の
選択成長に適用した本発明の第1の実施形態例に係る製
造方法を示す、光増幅素子の断面図である。
【0015】図1(a)に示すよう、にまず(100)
面方位を持つn-InP基板1上に熱CVD法でSiO2
膜を形成し、ホトリソグラフィーでパターニングするこ
とで、<011>方向に0.6μmの間隔を開けた一対
のストライプ状誘電体マスク3を形成する。次に、この
ストライプ状誘電体マスク3に挟まれた幅0.6μmの
成長領域2に、厚さ50nmのn−InPクラッド層
4、厚さ300nmのノンドープInGaAsP混晶バ
ルク活性層5、及び、厚さ100nmのp−InPクラ
ッド層6を順次選択成長する。この選択成長には、例え
ばV族原料としてアルシン(AsH3)およびホスフィン
(PH3)を、III族原料としてはトリメチルインジウ
ム(TMI)およびトリメチルガリウム(TMG)を用いた
MOVPE法を用いることができる。
【0016】ここで、InGaAsP混晶バルク活性層
5の選択成長において、サンプル(1):本発明を適用
して成長高さ方向の組成を均一化したものと、サンプル
(2):従来の方法によるものとを作製して比較した。
サンプル(1)では、高い成長位置でのIn取り込み比
率の増加を相殺するため、III族原料ガス流量比TM
G/III=TMG/(TMI+TMG)をInGaAsP混
晶バルク活性層5の選択成長初期におけるTMG/III
=0.641から終了時の0.682まで連続的に変化
させた。一方、サンプル(2)では、InGaAsP活
性層4の選択成長中のTMG/III =0.661に固定
した。
【0017】図1(b)に、図1(a)の選択成長試料
を顕微PLで評価した結果を示す。TMG/III比を固
定した従来方法(サンプル(2))では半値幅が80〜
90meVと広いのに対して、TMG/III比を調整し
た本発明の方法(サンプル(1))では50〜60me
Vと狭く、PL強度も3割程度改善された。
【0018】図1(a)の活性層を含む一回目の選択成
長の後に、さらに図2(a)〜(c)に示す埋め込み成
長およびプロセスを行って素子化した。まず図2(a)
に示すように、一対のストライプ状誘電体マスク3の内
側をエッチングして、間隔を6μmに広げ、上記一回目
の選択成長層部分を覆う二回目の選択成長により、p−
InP埋め込み層21およびp+−InGaAsキャッ
プ層22を成長する。次に図2(b)に示すように、一
旦ストライプ状のマスクを除去した後に、全面をSiO
2絶縁膜23で被覆する。次に、図2(c)に示すよう
に、p+−InGaAsキャップ層22の上面の絶縁膜
をホトリソグラフィーによるパターニングで除去した後
に、Au/Ti上部電極24を形成する。最後に、裏面
研磨およびAu/Ti下部電極25の形成を行った後
に、へき開により長さ350μmの素子に切り出し、両
端面に無反射コーティングを施した。
【0019】以上の手順により作製した半導体光増幅素
子の特性を評価した。その結果、注入電流35mAにお
いて、波長1.55μmのレーザ光を上記素子に入射さ
せたところ、従来の方法で活性層を成長した素子(サン
プル(2))の内部利得は15dBであったのに対し
て、本発明の方法で形成した素子(サンプル(1))で
は20dBが得られた。
【0020】(実施形態例2)図3(a)〜(c)は夫
々、本発明を分布帰還型(DFB)半導体レーザ/光変
調器集積化光源に適用した第2の実施形態例に係る製造
方法における平面図、断面図、及び、特性グラフであ
る。
【0021】図3(a)に示すように、まずn−InP
基板1上の活性領域に、干渉露光法を用いて深さ30n
mの回折格子31を形成する。次に<011>方向に
1.5μmの間隔を開けた一対のストライプ状誘電体マ
スク3を、マスク幅が活性領域で10μm、受動領域で
6μmとなるように形成する。
【0022】次に、図3(b)に示すように、ストライ
プ状誘電体マスク3に挟まれた幅1.5μmの成長領域
2に、厚さ100nmのn−InGaAsP光閉じ込め
層32(活性領域での波長組成1.2μm)、ノンドー
プのInGaAsPウエル/InGaAsPバリアの7
層多重量子井戸層33、厚さ100nmのノンドープI
nGaAsP光閉じ込め層34、及び、厚さ100nm
のp−InPクラッド層6を順次選択成長する。このと
き、多重量子井戸層33のPLピーク波長は、活性領域
で1.55μm、受動領域で1.49μmとなるように
設定される。この選択成長には、例えばV族原料として
アルシン(AsH3)およびホスフィン(PH3)を、III
族原料としてはトリメチルインジウム(TMI)およびト
リメチルガリウム(TMG)を用いたMOVPE法を用い
ることができる。
【0023】ここで、多重量子井戸層33の選択成長に
おいて、サンプル(1):本発明を適用して各量子井戸
層の組成および層厚を均一化したものと、サンプル
(2):従来の方法によるものとを作製して比較した。
サンプル(1)では高い成長位置でのIn取り込み比率
の増加を相殺するため、III族原料ガス流量比TMG/I
II=TMG/(TMI+TMG)を最も下の井戸層の成長開
始時におけるTMG/III=0.4304から最上層の成
長終了時における0.4423まで各井戸層成長中に連
続的に変化させた。さらに各井戸層厚を揃えるため、成
長時間を最下層の47秒から最上層の43秒まで変化さ
せた。一方、サンプル(2)では、多重量子井戸層33
における各井戸層の選択成長中のTMG/III =0.4
364に、成長時間は45秒に全て固定した。
【0024】図3(c)に、上記埋め込み成長前の選択
成長試料を顕微PLで評価した結果を示す。TMG/II
I比を固定した従来方法の素子(サンプル(2))では
半値幅が45meV程度と広いのに対して、TMG/II
I比と成長時間とを調整した本発明の方法の素子(サン
プル(1))では26meVと狭く、PL強度も増加し
た。
【0025】さらに、成長領域2の幅を6μmに広げ、
ストライプ状誘電体マスク3の幅が全領域で4μmにな
るように再形成した後に、実施形態例1の図2(a)〜
(c)と同様の埋め込みおよび電極形成プロセスを行い
素子化した。なおSiO2絶縁膜23に開ける電流注入
のための窓およびAu/Ti上部電極24は、活性領域
および受動領域にそれぞれ独立に形成する。最後に、へ
き開により長さ600μmの素子に切り出し、両端面に
無反射コーティングを施した。
【0026】以上の手順により作製したDFBレーザ/
光変調器集積化光源(DFBレーザ部300μm、光変
調器部300μm)の特性を評価した。その結果、従来
方法のサンプル(2)に比べて、本発明によるサンプル
(1)では、量子井戸層の組成および層厚を均一化した
ことにより、発振しきい値電流で約1/2となり、効率
は30%向上した。
【0027】実施形態例2では、成長中も連続的にTM
G/III比を変化させることで各量子井戸層の組成を
均一化した例を示した。しかし、各量子井戸層が薄いた
め、簡易的にはバリア層の成長中に井戸層用のTMG/
III比を変化させ、各井戸層成長中は固定したままに
しても十分な改善効果が期待できる。
【0028】また、実施形態例2では、TMG/III比
を変化させたのは、発光波長に直接に関係する量子井戸
層のみとしたが、各井戸層の量子準位の位置と井戸層と
の間の相互作用に係わるバリア層についても同様の方法
で均一化することで、一層の特性の向上が期待できる。
さらに、他のInGaAsP光閉じ込め層など混晶層の
成長にも適用すれば、原理的には、全面成長と同様な自
由な組成分布制御が可能になる。
【0029】上記実施l形態例1及び2では、MOVP
Eによる選択成長について説明したが、選択成長が可能
であれば、他の例えばハロゲン輸送法や有機金属分子線
エピタキシー(MO−MBE)法などを用いても良く、
また成長圧力の変化に対しても状況に応じて本発明を適
用することができる。
【0030】また、実施形態例1及び2では、成長領域
の幅が0.6μmまたは1.5μmの場合について述べ
たが、さらに狭い場合、または広い場合にも本発明は有
効である。但し、成長領域の幅が10μmを越えると、
高さ方向での組成変化は軽減されていくため、本発明
は、選択成長領域幅が10μm以下のときに特に有効で
ある。
【0031】また、実施形態例1及び2では、InGa
AsP混晶系について説明したが、選択成長で組成の変
化する混晶系であれば本発明は有効である。例えば、他
のInAlGaAs系、AlGaAs系、InGaAl
P系、InGaAsN系、AlGaPSb系などにも適
用することができる。更に、化合物半導体基板について
も、InPに限らず他のGaAsやGaP、その他、S
iやサファイアなどを必要に応じて使用することができ
る。
【0032】また、以上ではIII−V族化合物半導体
混晶を例にして説明したが、他のZnCdSSeなどI
I−VI族混晶やカルコパイライト、IV族のSi(x)
Ge(1-x)混晶など、選択成長が可能な混晶系の場合に
は広く本発明を適用することができる。
【0033】また、(100)面方位を持つ基板上に、
<011>方向にストライプ状誘電体マスクを形成する
場合について説明したが、これは(111)B側壁を有
する台形形状が得られやすいためである。高さ方向に組
成が変化する場合には、外形には関係無く本発明を適用
することができ、従って誘電体マスクの形成方位は上記
に限ったものではなく、さらに例えばドーナツ状マスク
の内側、円形領域への選択成長でも本発明を適用するこ
とができる。
【0034】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、選択成
長法により均一な組成を有する混晶バルク層、または各
井戸層の組成と層厚がそろった多重量子井戸構造を有す
る高品質半導体光素子を製造できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の第1の実施形態例における
半導体光素子活性層の製造方法を示す断面図、(b)は
そのサンプルの発光強度の測定結果を示すグラフ。
【図2】(a)〜(c)は夫々、本発明の第1の実施形
態に係る半導体光素子の図1(a)の後の各製造段階に
おける断面図。
【図3】(a)は、本発明の第2の実施形態例に係る半
導体光素子の製造方法を示す平面図、同図(b)は次の
工程段階の断面図、(c)は、その特性の測定結果を示
すグラフ。
【図4】(a)及び(b)は夫々、従来技術の半導体光
素子の各製造段階における平面図、及び、断面図。
【図5】従来技術による別の半導体光素子の製造方法と
その問題点を示す断面図である。
【符号の説明】
1 n−InP基板 2 成長領域 3 ストライプ状誘電体マスク 4 n−InPクラッド層 5 InGaAsP混晶バルク活性層 6 p−InPクラッド層 21 p−InP埋め込み層 22 p+−InGaAsキャップ層 23 SiO2絶縁膜 24 Au/Ti上部電極 25 Au/Ti下部電極 31 回折格子 32 n−InGaAsP光閉じ込め層 33 多重量子井戸層 34 ノンドープInGaAsP光閉じ込め層 41 化合物半導体基板

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に形成されたストライプ状
    誘電体マスクに挟まれた領域に半導体層構造を選択的に
    形成する工程を有する半導体光素子の製造方法におい
    て、 前記半導体層構造を構成する少なくとも一部層内の厚み
    方向の組成分布を、原料ガス流量比を変調することによ
    って均一化することを特徴とする半導体光素子の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記半導体層構造が半導体多重量子井戸
    構造を含み、原料ガス流量比を変調することによって、
    前記半導体多重量子井戸構造内の各量子井戸層の組成を
    厚み方向に均一化することを特徴とする、請求項1に記
    載の半導体光素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 半導体基板上に形成されたストライプ状
    誘電体マスクに挟まれた領域に半導体多重量子井戸構造
    を選択的に形成する工程を有する半導体光素子の製造方
    法において、 前記半導体多重量子井戸構造を構成する各量子井戸層の
    平均組成を、原料ガス流量比を変調することによって均
    一化することを特徴とする半導体光素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記半導体基板上に形成されたストライ
    プ状誘電体マスクに挟まれた領域の幅が10μm以下で
    あることを特徴とする、請求項1乃至3の何れかに記載
    の半導体光素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記半導体多重量子井戸構造の各量子井
    戸層の成長時間及び総原料流量の少なくとも一方を変調
    することにより、前記半導体多重量子井戸構造の全量子
    井戸層厚を均一化することを特徴とする、請求項2乃至
    4の何れかに記載の半導体光素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記各量子井戸層の成長時間は、前記半
    導体基板に最も近い最下層で最も長く、上層ほど短くな
    ることを特徴とする、請求項5に記載の半導体光素子の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 前記各量子井戸層の総原料ガス流量は、
    前記半導体基板に最も近い最下層で最も多く、上層ほど
    少なくなることを特徴とする、請求項5に記載の半導体
    光素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7の何れか1項に記載の方
    法によって、組成又は層厚分布が均一化された活性層を
    有することを特徴とする半導体光素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002343727A (ja) * 2001-05-21 2002-11-29 Hitachi Ltd 結晶成長方法及び結晶成長装置並びに半導体デバイスの製造方法
JP2018093002A (ja) * 2016-11-30 2018-06-14 日本オクラロ株式会社 アレイ半導体光素子、光送信モジュール、及び光モジュール、並びに、それらの製造方法

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