JP2001044009A - 多回転式ポテンショメータ - Google Patents

多回転式ポテンショメータ

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JP2001044009A
JP2001044009A JP11218701A JP21870199A JP2001044009A JP 2001044009 A JP2001044009 A JP 2001044009A JP 11218701 A JP11218701 A JP 11218701A JP 21870199 A JP21870199 A JP 21870199A JP 2001044009 A JP2001044009 A JP 2001044009A
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resistor
shaft
rotating body
hole
holder
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JP11218701A
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English (en)
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Tatsuki Goto
竜樹 後藤
正明 ▲高▼木
Masaaki Takagi
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Nidec Copal Corp
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Nidec Copal Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、簡単な構造をもって、ヒステリシ
スの低減を図ると同時に生産性・耐久性・信頼性をも向
上させるようにした多回転式ポテンショメータを提供す
ることを目的とする。 【解決手段】 本発明による多回転式ポテンショメータ
は、内面に沿う螺旋状の抵抗体保持溝10aを有する抵
抗体ホルダ10と、抵抗体保持溝10a内に収容させる
と共にテープ状絶縁ベース材2aの表面上にコンダクテ
ィブプラスチック層2bを積層させている螺旋状の抵抗
体2と、抵抗体2の表面に摺動接触する摺動接点部3a
を有すると共に、中央に貫通孔を有する回転体3と、回
転体3の貫通孔20に差込まれて抵抗体ホルダ10の中
心軸線Gに沿って延在するシャフト9とを備え、シャフ
ト9の表面には、径方向に突出する凸部21が形成さ
れ、回転体3の貫通孔20を形成する内周面には、シャ
フト9の凸部21に嵌合する凹23部が形成され、凸部
21と凹部23とを嵌合させ、シャフト9の凸部21と
回転体3の凹部23との当接により、シャフト9の回転
を回転体3に伝達させる構成である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に、再現性が正
確に要求される機器(計測器など)に利用される多回転
式のポテンショメータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、このような分野の技術として、特
開平11−144918号公報がある。この公報に記載
された多回転式ポテンショメータは、ケース内に収容し
た回転体にシャフトを貫通させ、シャフトを回すこと
で、回転体のワイパーをケース内の螺旋状抵抗体に摺動
接触させながら、回転体を軸線方向に移動させる構成を
有する。そして、回転体は、ケース内で螺旋回転しなが
ら進退動作を行い、螺旋状の抵抗体に対する回転体の変
位によって、所望の位置検出を実現する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来の多回転式ポテンショメータには、次のような課
題が存在している。すなわち、図18に示すように、回
転体100の中央に形成した貫通孔101は矩形に形成
され、これに嵌合するように、シャフト102は断面矩
形になっている。この場合、組立て時における貫通孔1
01とシャフト102との嵌め合いを考慮し、僅かなが
らのクリアランスをもたせることがある。このクリアラ
ンスがガタ付きの原因となり、ヒステリシスが発生す
る。すなわち、図示するように、回転体100のワイパ
ーが抵抗体の表面に摺動接触する際、接触圧が負荷とな
り、シャフト102の回転始動時において、このガタ分
(クリアランス分)だけワイパーに遅れ角が発生する。
更に、シャフト102を回すたび毎に、このガタに起因
し、シャフト102のコーナ部分102aが貫通孔10
1の壁面に強い剪断力をもって当たる。そして、頻繁な
シャフト102の回転により、貫通孔101が押し広げ
られるように変形する虞れがあり、これによってもヒス
テリシスが増大し、耐久性に悪影響を与えることにな
る。特に、シャフト102や回転体100が樹脂で形成
されている場合には顕著である。
【0004】このように、ポテンショメータにヒステリ
シスがあると、遅れ角度が原因で高精度な角度検出がで
きず、分解能の低下を引き起こす虞れがある。これを解
決するためには、成形時の仕上げ精度を高くし、回転体
100とシャフト102とのガタを極力小さくすること
も考えられるが、このような対策は、製造コストの高騰
を招来するものである。
【0005】本発明は、上述の課題を解決するためにな
されたもので、特に、簡単な構造をもって、ヒステリシ
スの低減を図ると同時に生産性・耐久性・信頼性をも向
上させるようにした多回転式ポテンショメータを提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る本発明の
多回転式ポテンショメータは、内面に沿う螺旋状の抵抗
体保持溝を有する抵抗体ホルダと、抵抗体保持溝内に収
容させると共にテープ状絶縁ベース材の表面上にコンダ
クティブプラスチック層を積層させている螺旋状の抵抗
体と、抵抗体の表面に摺動接触する摺動接点部を有する
と共に、中央に貫通孔を有する回転体と、回転体の貫通
孔に差込まれて抵抗体ホルダの中心軸線に沿って延在す
るシャフトとを備え、シャフトの表面には、径方向に突
出する凸部が形成され、回転体の貫通孔を形成する内周
面には、シャフトの凸部に嵌合する凹部が形成され、凸
部と凹部とを嵌合させ、シャフトの凸部と回転体の凹部
との当接により、シャフトの回転を回転体に伝達させる
ことを特徴とする。
【0007】請求項1に記載の発明に適用させた抵抗体
は、絶縁ベース材上にコンダクティブプラスチック層
(以下、「CP層」とも言う)を積層させたテープ状の
形態をしており、この抵抗体表面上を摺動接点部が連続
的に摺動する。このため、この発明によれば、取り出さ
れる抵抗値が階段状に変化することはなく、理論的には
分解能が無限に小さくなり、微細な変動を検出すること
ができる。また、このテープ状の抵抗体の製造にあたっ
ては、フィルム状の絶縁ベース材上にCP層を積層さ
せ、これをテープ状に切断するだけで良く、その製造が
容易でポテンショメータの生産性向上に寄与する。
【0008】更に、CP層表面は摺動性に優れ、摺動接
点部及び抵抗体の摩耗を抑えて耐久性を向上させ、経時
的信頼性を向上させることができる。また、抵抗体がテ
ープ状であるため、抵抗体の表面と摺動接点部との接触
状態が安定しており、この点からも信頼性を向上させる
ことができる。また、この螺旋状の抵抗体保持溝は、摺
動接点部のガイドとしての働きがあり、抵抗体に対し摺
動接点部を安定して摺動させることができる。
【0009】そして、シャフト側には、径方向に突出す
る凸部が形成され、回転体側には、これに対応する凹部
が形成される。これに より、シャフトの径を大きくせ
ずとも、凸部の表面と凹部の表面との当接位置を、回転
中心から遠ざけることができ、これに伴って、シャフト
に対する回転体のガタ付きを極めて小さくすることがで
き、ヒステリシスの大幅な低減を図ることができる。こ
のようなヒステリシスの低減は、高い再現性が求められ
ている高精度なポテンショメータを製作する上で極めて
重要なことであり、品質を向上させる上でも必要なこと
である。なお、凸部の突出量を大きくすればするほどヒ
ステリシスの低減効果を発揮させることができる。
【0010】請求項2記載の多回転式ポテンショメータ
において、凸部と凹部との嵌合箇所を複数設けると好ま
しい。このような構成を採用すると、嵌合箇所を増やせ
ば増やすほど、一嵌合箇所あたりの負荷が減少し、凸部
や凹部の変形防止が有効に促進されることになる。
【0011】請求項3記載の多回転式ポテンショメータ
において、抵抗体ホルダを複数に分割させると好まし
い。このように、分割型の抵抗体ホルダを採用する結果
として、抵抗体ホルダ内に螺旋状の抵抗体保持溝を簡単
に形成させることができ、製造コストの低減に大きく寄
与する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に係る多回転式ポテンショ
メータの一実施形態について、図面を参照しつつ説明す
る。
【0013】図1及び図2に示す多回転式ポテンショメ
ータにおいて、ケース1内には、テープ状で螺旋形状に
した抵抗体2と、この抵抗体2に摺動接触する摺動接点
部3aをもった回転体3とが配置されている。この回転
体3は、シャフト9のロータ軸9aに沿って、回転しな
がら図中横方向にスライドし、シャフト9は、後述する
抵抗体ホルダ10の中心軸線Gに沿って延在する。ま
た、ケース1は、合成樹脂製の抵抗体ホルダ10とモー
ルド成形したハウジング11とからなっている。ハウジ
ング11の後端部には、抵抗体ホルダ10の外径に等し
い直径を有する円形のプレート4が接着剤Rを介して固
定されている。
【0014】抵抗体2は、図3及び図4に示すように、
絶縁ベース材2a上にコンダクティブプラスチック層
(以下、「CP層」とも言う)2bが形成されており、
抵抗体2の両端には、CP層2b上にコンタクト層2c
が積層されている。CP層2bは、導電性を確保するた
めに、炭素混入させた熱硬化性樹脂を絶縁ベース材2a
上に塗布され、これを加熱焼成して硬化させたものであ
る。絶縁ベース材2aは、加熱焼成に耐え得る耐熱性を
有すると共に、適度な柔軟変形性を有するフィルムが用
いられる。
【0015】また、コンタクト層2cは、抵抗体2の両
端に電圧を印加させるための電極となる銀(Ag)のパター
ンである。コンタクト層2cの形成にあたっては、銀ペ
ーストを用いて加熱焼成させて硬化させる。コンタクト
層2cの形成は、CP層2bの長さLを規制して、検出
可能な角度(有効電気角)を得る事と、後述する端子バ
ネ5b,7bとの接続を容易かつ確実にするために行わ
れる。CP層2bやコンタクト層2cは、スクリーン印
刷法やドローイング法による塗布方法によって形成させ
ると、均一な層厚さが実現される。CP層2bの層厚さ
を均一にすると、単位長さ当たりの抵抗値が異なること
が適切に回避される。
【0016】抵抗体2の製造時には、シート状の絶縁ベ
ース材2a上にCP層2bを形成させ、対向する両端縁
にコンタクト層2cを形成させ、これをテープ状に切断
することにより、多数本の抵抗体2を一度に容易に製造
することができる。このことは、ポテンショメータが多
回転式であると抵抗体2の長さが長くなるので、特に顕
著であり、この多回転式ポテンショメータは、飛躍的に
その生産性を向上させることができる。
【0017】抵抗体2が取り付けられる樹脂製の分割型
抵抗体ホルダ10は、図5及び図6に示すように、二分
割され、半円筒状の抵抗体ホルダ部10Aを2個組み付
けることで構成される。そして、螺旋状の抵抗体2は、
2個の抵抗体ホルダ部10Aで挟み込むようにして抵抗
体ホルダ10内に収容されることになる。
【0018】図7及び図8に示すように、抵抗体ホルダ
10の内面には螺旋状の抵抗体保持溝10aが形成され
ている。各抵抗体ホルダ部10Aは同一の形状にするこ
とで、部品の共有化を達成させている。また、各抵抗体
ホルダ部10Aの左右の連結面10bには、突出するボ
ス部15A,15Bと相手側のボス部15A,15Bが
嵌まり込む縦溝状のボス受け部16A,16Bが形成さ
れ、2個の抵抗体ホルダ部10A同士の凹凸嵌合を可能
にし、互いを確実に組み付けできるようにする。この場
合、一方の抵抗体ホルダ部10Aのボス部15Aと相手
側の抵抗体ホルダ部10Aのボス受け部16Aとが嵌合
し、同様に、ボス部15Bとボス受け部16Bとが嵌合
する。
【0019】また、左右の連結面10b上において、ボ
ス部15Aとボス受け部16Aの間隔L1と、ボス部1
5Bとボス受け部16Bの間隔L2とは異ならせてい
る。これは、同一形状の2個の抵抗体ホルダ部10A同
士を組み付ける際の組み付け方向を常に一定にするため
の方策である。これによって、作業者の組み付け誤認を
排除することができ、抵抗体ホルダ10内で確実な螺旋
状の抵抗体保持溝10aを作り出すことができる。
【0020】なお、抵抗体保持溝10aの底部10cの
幅は、抵抗体2の幅とほぼ等しく形成され、これに対
し、抵抗体保持溝10aの開口部10dの幅は、その底
部の幅よりも広く形成されている。このため、抵抗体保
持溝10aの断面は、底部に向けて徐々に狭くなる凹状
となり、抵抗体保持溝10aに抵抗体2を収納させると
きに、抵抗体2をガイドするので収納作業を行い易い。
【0021】そして、抵抗体保持溝10a内に抵抗体2
を収容させると、抵抗体2がテープ状であり且つ自らの
弾性復元力によりケース1内面に密着するので、摺動接
点部3aは、テープ状の抵抗体2の表面を円滑に摺動さ
せることができる。また、抵抗体2は、自らの弾性復元
力により抵抗体保持溝10aに沿って螺旋状の形態を保
持する。
【0022】また、抵抗体2のCP層2bは、抵抗体2
の表面全体に形成されているため、この抵抗体2のCP
層2bに対する摺動接点部3aの接触位置を変更して抵
抗値を変化させるときに、その分解能は理論的には無限
に小さくなる。このため、微細な変動を検出することが
できる。また、抵抗体2がテープ状であるため、摺動性
に優れ、摩耗しにくく、耐久性及び経時的信頼性が向上
する。また、抵抗体2がテープ状であるため、摺動接点
部3aとの接触状態が安定しており、この点からも信頼
性が向上する。抵抗体保持溝10aに保持された抵抗体
2は、その幅が抵抗体保持溝10aの底部の幅と等しく
されているため、自らの弾性復元力による形態保持効果
に加えて、抵抗体保持溝10aに収納されると確実にそ
の位置が保持される。
【0023】抵抗体2の抵抗体保持溝10a内での収納
状態は、CP層2bの表面側が螺旋内側となるようにさ
れているが、このときの螺旋径に留意する必要がある。
螺旋径が小さすぎると、CP層2bに加わる応力が大き
くなり、CP層2bにクラックが発生しやすくなる。一
方、螺旋径があまりにも大きい場合は、抵抗体2の弾性
復元力が有効に作用せず、抵抗体保持溝10aの底部に
しっかりと密着させにくくなる。
【0024】抵抗体2の両端は、それぞれコンタクト層
2cにおいて、図示しない2個の端子バネ部により抵抗
体ホルダ10に把持固定され、第一端子5及び第三端子
7に電気的に接続されている。そして、各端子バネ部
は、第一端子5及び第三端子7にそれぞれ一体に形成さ
れている。なお、リード線を介して、抵抗体ホルダ10
の各端部と各端子5,7とを接続させる場合もある。こ
のポテンショメータでは、第一端子5及び第三端子7の
双方を、プレート4の挿入孔17及び18(図11参
照)から露出させるような構成としている。プレート4
は、図10に示されるように、合成樹脂により形成させ
たほぼ円盤状の部材である。このプレート4には、L字
型に屈曲させた第二端子6が固定され、この第二端子6
は、第一端子及び第三端子7同様に外部に露出させてい
る。
【0025】図9〜図11に示すように、回転体3は、
抵抗体2に摺動接触する摺動接点部3aが先端に形成さ
れているワイパー3bと、このワイパー3bが片持ち状
態で取り付けられる円板部3cと、この円板部3cが取
り付けられる樹脂製の本体部3dとからなっている。摺
動接点部3aは、ワイパー3bの先端が二つに分岐され
てブラシ状に形成されている。ワイパー3bは、弾性復
元力を有する金属板で形成されている。また、円板部3
cは、導電性を有する金属により形成されており、中央
には、シャフト9のロータ軸9aを突き通す貫通孔20
の一部をなす孔が設けられている。円板部3cは、その
周縁の一部に形成された舌片に上述したワイパー3bの
基端が溶接により導電性を確保した状態で結合されてい
る。
【0026】円板部3cは、本体部3dから突出する突
部3g,3gの熱カシメによってプラスチック製の本体
部3dに固定されている。また、本体部3dの外周に
は、180度の位相角度をもつ一対のガイド突部3e,
3eが径方向に突出されている。一対のガイド突部3
e,3eは、抵抗体保持溝10aの凹溝に対応した突部
として形成されている。このため、回転体3を抵抗体ホ
ルダ10に取り付けたとき、ガイド突部3e,3eは、
それぞれ抵抗体保持溝10a内をスライドし、回転体3
の回転及びスライドを案内する。回転体3の中央には挿
通孔20が形成され、これに、断面矩形のロータ軸9a
を挿入させることで、シャフト9と回転体3とが一体に
回転することになる。
【0027】また、回転体3とプレート4との間には、
コイルバネ8が配置され、自然長の状態で中央のコイル
部分が密となるような引張りバネである。コイルバネ8
の一端は、コイルバネ8の中心軸に平行となるように直
線状に延出され、その他端は、コイルバネ8の中心軸か
ら外方向に放射状に延出されている。ただし、コイルバ
ネ8がポテンショメータに組み込まれている状態では、
回転体3を最もプレート4側に位置させた場合であって
も、コイルバネ8がある程度伸張されており、コイルバ
ネ8の各巻周間には、常に隙間が形成された状態になっ
ている。
【0028】また、コイルバネ8の一端は、円板部3c
に半田付けされているが、その他端は、プレート4に取
り付けられた第二端子6に半田付けされている。このた
め、摺動接点部3aと第二端子6とは、ワイパー3b・
円板部3c・コイルバネ8を介して直接的に接続され
る。この結果、このポテンショメータにおいては、摺動
する接点が抵抗体2と摺動接点部3aとの間だけとな
り、接触抵抗の増加を防止することができ、経時的信頼
性を向上させることができる。
【0029】上述したポテンショメータを使用するに際
し、第一端子5と第三端子7との間に電圧を印加し、第
一端子5(又は第三端子7)と第2端子との間で分圧さ
れた電圧を取り出す。このとき、シャフト9を回転させ
ることで抵抗体2に対する摺動接点部3aの接触位置が
変えられ、第一端子5(又は第三端子7)と第2端子と
の間の抵抗値を変えることができるので、取り出される
分圧が変化することになる。
【0030】ここで、図12及び図13に示すように、
シャフト9のロータ軸9aの表面には、シャフト9の径
方向(ラジアル方向)に突出し且つ軸線方向(スラスト
方向)に延在する凸部21が、対向した状態で左右一対
形成されている。各凸部21は、軸線方向に延びて互い
に平行をなす当接面21aを有する。このロータ軸9a
には、樹脂からなりコーナ部分で面取りされた断面正方
形状の本体部22を有し、この本体部22には凸部21
が一体成形されている。
【0031】これに対し、図9に示すように、回転体3
の中央には、ロータ軸9aに合致した形状の貫通孔20
が設けられ、この貫通孔20には、凸部21が嵌まり込
む凹部23が設けられている。そして、ポテンショメー
タの組立て時において、ロータ軸9aを貫通孔20内に
差込むことで、図14に示すように凸部21が凹部23
に嵌合される。
【0032】このように、シャフト9側には、径方向に
突出する凸部21が形成され、回転体3側には、これに
対応する凹部23が形成され、これにより、シャフト9
におけるロータ軸9aの径を大きくせずとも、凸部21
の表面と凹部23の表面との当接位置を、回転中心から
遠ざけることができる。従って、シャフト9に対する回
転体3のガタ付きを極めて小さくすることができ、ヒス
テリシスの大幅な低減が図られる。このようなヒステリ
シスの低減は、高い再現性が求められるような高精度な
ポテンショメータを製作する上で極めて重要なことであ
り、高品質なポテンショメータを製作する上でも重要な
ファクターとなり得る。なお、凸部21が径方向に延び
出る量(突出量)を大きくすればするほどヒステリシス
の低減効果を発揮させることができる。
【0033】次に、本発明のように、凹部23と凸部2
1とを嵌合させたもの(図15参照)と、従来のように
単に断面矩形のもの同士を嵌合させたもの(図16参
照)とを対比させ、本発明のヒステリシスが従来に対し
て如何に改善されているかについて述べる。
【0034】ここでの対比に利用する式としては、ヒス
テリシス角度α=θ1−θ2=sin-1{(d+ε)/
r}−sin-1(d/r)を利用する。
【0035】ここで、図15に示す本発明において、具
体的数値として、r=1.5mm、d1=0.2mm、
ε=0.05mmを上式に代入すると、ヒステリシス角
度α1として1.932°が得られた。
【0036】これに対し、図16に示す従来技術におい
ては、前述と同じ半径r内に入るように断面正方形のシ
ャフト102を形成し、これを正方形の貫通孔101内
に挿入させたものである。このときの具体的数値とし
て、r=1.5mm、d2=1.06mm、ε=0.0
5mmを上式に代入すると、ヒステリシス角度α2とし
て2.767°が得られた。
【0037】この結果から判るように、本発明のヒステ
リシス角度α1と従来のヒステリシス角度α2とでは、
2倍近い値の差が存在し、このことは、本発明における
ヒステリシスを半分近くにまで減らすことが可能である
ことを意味する。従って、シャフト9の径を大きくせず
とも、シャフト9に対する回転体3のガタ付きを極めて
小さくすることが可能であり、ヒステリシスの大幅な低
減が見込まれる。このような方策は、高い再現性が要求
される高精度なポテンショメータを組み込む機器(例え
ば、計測器や、監視カメラ等のレンズの合焦機構や、ズ
ーム機構等に用いられるサーボ機構など)で特に重要な
ファクターとなる。このように、シャフト9の径を大き
くしないでヒステリシスを低減させ得ることは、ポテン
ショメータの小型化を促進させる上でも必要なことであ
る。
【0038】更に、図17に示すように、シャフト9を
矢印方向に回転させ、凸部21の当接面21aが凹部2
3の壁面23aに当接する際に、凸部21が凹部23の
壁面23aに及ぼす剪断力は、従来のものに比して極め
て小さくなる。その結果、シャフト9を頻繁に回転させ
ても、貫通孔20を押し広げるような変形が極めて少な
くなり、これによってヒステリシスの発生が防止され、
耐久性の向上が図られ。
【0039】なお、シャフト9の中心から凸部21の頂
コーナ部分を通るような線によってできる角度βを極力
小さくすることで、凸部21が凹部23の壁面23aに
与える剪断力の影響が小さくなることは、言うまでもな
い。
【0040】本発明の多回転式ポテンショメータは、上
述した実施形態に限定されるものではない。例えば、ロ
ータ軸9aの本体部22を断面円形に形成させてもよ
い。また、回転体3が許容し得る範囲内で、凹部23を
径方向に長くし、凸部21の突出量を大きくすること
で、ヒステリシスの更なる低減が図られることになる。
また、凸部21の個数は、2個に限定されず、3個以上
であってもよい。なお、抵抗体ホルダ10は、2分割に
限定されず、3分割以上であってもよい。
【0041】
【発明の効果】本発明による多回転式ポテンショメータ
は、以上のように構成されているため、次のような効果
を得る。すなわち、内面に沿う螺旋状の抵抗体保持溝を
有する抵抗体ホルダと、抵抗体保持溝内に収容させると
共にテープ状絶縁ベース材の表面上にコンダクティブプ
ラスチック層を積層させている螺旋状の抵抗体と、抵抗
体の表面に摺動接触する摺動接点部を有すると共に、中
央に貫通孔を有する回転体と、回転体の貫通孔に差込ま
れて抵抗体ホルダの中心軸線に沿って延在するシャフト
とを備え、シャフトの表面には、径方向に突出する凸部
が形成され、回転体の貫通孔を形成する内周面には、シ
ャフトの凸部に嵌合する凹部が形成され、凸部と凹部と
を嵌合させ、シャフトの凸部と回転体の凹部との当接に
より、シャフトの回転を回転体に伝達させることによ
り、簡単な構造をもって、ヒステリシスの低減を図ると
同時に生産性・耐久性・信頼性をも向上させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る多回転式ポテンショメータの一実
施形態を示す断面図である。
【図2】図1に示したポテンショメータの背面図であ
る。
【図3】本発明のポテンショメータに適用させる抵抗体
を示す平面図である。
【図4】図3に示した抵抗体の要部拡大斜視図である。
【図5】2分割した抵抗体ホルダを示す正面図である。
【図6】図5に示した抵抗体ホルダ及び抵抗体の側面図
である。
【図7】2分割したうちの一方の抵抗体ホルダ部を示す
側面図である。
【図8】図7に示した抵抗体ホルダ部の正面図である。
【図9】回転体を示す背面図である。
【図10】回転体とプレートとの間にコイルバネを介在
させた組立体を示す側面図である。
【図11】図10に示した組立体の正面図である。
【図12】シャフトの要部拡大側面図である。
【図13】図12のXIII−XIII線に沿う断面図であ
る。
【図14】シャフトと貫通孔との嵌合状態を示す断面図
である。
【図15】本発明に係るシャフトと回転体との嵌合状態
を示す拡大した概略図である。
【図16】従来技術に係るシャフトと回転体との嵌合状
態を示す拡大した概略図である。
【図17】シャフトが回転して、凸部の壁面が凹部の壁
面に当接した状態を示す断面図である。
【図18】従来のポテンショメータの要部拡大断面図で
ある。
【符号の説明】
1…ケース、2…抵抗体、2a…絶縁ベース材、2b…
コンダクティブプラスチック層(CP層)、3…回転
体、3a…摺動接点部、9…シャフト、10…抵抗体ホ
ルダ、10a…抵抗体保持溝、20…貫通孔、21…凸
部、23…凹部、G…中心軸線。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内面に沿う螺旋状の抵抗体保持溝を有す
    る抵抗体ホルダと、 前記抵抗体保持溝内に収容させると共にテープ状絶縁ベ
    ース材の表面上にコンダクティブプラスチック層を積層
    させている螺旋状の抵抗体と、 前記抵抗体の表面に摺動接触する摺動接点部を有すると
    共に、中央に貫通孔を有する回転体と、 前記回転体の前記貫通孔に差込まれて前記抵抗体ホルダ
    の中心軸線に沿って延在するシャフトとを備え、 前記シャフトの表面には、径方向に突出する凸部が形成
    され、前記回転体の前記貫通孔を形成する内周面には、
    前記シャフトの前記凸部に嵌合する凹部が形成され、前
    記凸部と前記凹部とを嵌合させ、前記シャフトの前記凸
    部と前記回転体の前記凹部との当接により、前記シャフ
    トの回転を前記回転体に伝達させることを特徴とする多
    回転式ポテンショメータ。
  2. 【請求項2】 前記凸部と前記凹部との嵌合箇所を複数
    設けたことを特徴とする請求項1記載の多回転式ポテン
    ショメータ。
  3. 【請求項3】 前記抵抗体ホルダを複数に分割させたこ
    とをことを特徴とする請求項1又は2記載の多回転式ポ
    テンショメータ。
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