JP2001041328A - 弁棒の取り付け位置を弁体中央部から5%以上離し偏心させたバタフライ弁 - Google Patents

弁棒の取り付け位置を弁体中央部から5%以上離し偏心させたバタフライ弁

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JP2001041328A
JP2001041328A JP11162560A JP16256099A JP2001041328A JP 2001041328 A JP2001041328 A JP 2001041328A JP 11162560 A JP11162560 A JP 11162560A JP 16256099 A JP16256099 A JP 16256099A JP 2001041328 A JP2001041328 A JP 2001041328A
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valve seat
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seat
valve body
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Tsutomu Saito
勉 斎藤
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Nippon Carbon Co Ltd
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TVS KK
Nippon Carbon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 回動弁の代表的なバタフライ弁において、ソ
フト弁座の諸性質が全く期待できない極低温や高温、高
圧の過酷な条件下でも使用可能とする弁を提供する。 【解決手段】バタフライ弁の機構及び機能を変え剛性の
弁座を用いて一次側でシールさせる事を提案するもので
ある。即ち、バタフライ弁は弁体の中央部から5%以上
偏心させた個所に弁棒を設け閉止する。弁体の裏側に弁
座と弁体がシールする位置で流体圧力に依り弁体が押圧
されて弁座面から離脱するのを防ぐため、弁体の閉止側
に強固なストッパーを1個所以上設け、内部流体圧力に
係わらず弁体の位置が定位置に一定させる事によって剛
性の弁座を用いても一次側でシールすることができる構
造を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、装置産業における低温
〜高温、低圧〜高圧、耐食性を必要とする配管等に広範
囲で使用可能とするバタフライ弁に関する。更に詳しく
は、本発明のバタフライ弁は、シールする弁座に剛性体
を用いて一次、二次の何れからの流体圧に対しても良好
にシール可能としたバタフライ弁を提供する。
【0002】
【従来の技術】バタフライ弁の弁箱内に装着し弁箱の接
触面及び弁体との摺動接触面で流体を流通遮断する弁座
は、圧縮復元性や弾性機能及び機械的強度、耐食性が要
求される。
【0003】このような弁座のシール機能を満足させる
ため従来から弁の構造や弁座の材質について各種の試み
がなされている。
【0004】一般的なバタフライ弁は、弁流路口径の中
心に弁棒を貫通させた弁体を介在して、弁棒の回転に依
り弁体を開閉し、流体の流通遮断を行うバルブである
が、その構造から弁棒を90°回転させれば操作できる
簡便さとコンパクトに設計ができ経済性に富むため、近
年急速に需要が高ってきている。
【0005】現在最も普及しているバタフライ弁は図1
の通りであり、1…弁箱、2…弁箱蓋、3…弁体、4…
弁座、5…上部弁棒、6…下部弁棒、7…パッキン押
え、8…六角穴付ボルト、9…パッキン、10…パッキ
ン押え輪、11…ハンドルである。
【0006】一般のバタフライ弁が普及した最大の原因
は高分子材料であるPTFE樹脂を弁座に用いた事にあ
る。
【0007】PTFE樹脂の弁座はそれ自体が弾性体で
あり、圧縮復元性に優れて居り、第2図に示した弁座単
体で使用されている。第2図中、21…弁箱、22…弁
箱蓋、23…弁体、24…弁座である。
【0008】PTEF樹脂の弁座は摩擦係数、不浸透
性、耐化学薬品性、圧縮復元などの弾性に優れているが
その他の要件である硬度、機械的強度、耐熱度に問題が
ある。
【0009】即ち、極低温領域では、液体窒素ガス、L
NG、LPGなどの流体で使用すると弁座が著しく収縮
し、シール機能が失われる他に弾性が無くなり、脆くな
るので破損され易くなる。
【0010】また、高温領域では、200℃以上の高温
流体に使用した場合、PTFEは高い膨張係数により、
寸法変化を起こし、弁座としての役割を担えない。
【0011】一般的には、100℃の温度領域で400
%以上、フローを起こし、弁座としての機能が果たせな
くなる。
【0012】上記の欠点を補うべく、PTFE樹脂にグ
ラスファイバーやカーボンファイバーなどを充填した
り、金属製のリテイナーを付けて、コールドフローの防
止などの改良策を施しているが、耐熱性や機械強度が若
干、向上するにすぎない。
【0013】そのため150℃で20kg/cm2まで
の圧力、温度が上限使用許容範囲である。
【0014】更に、非常時の火災など数百℃以上の高温
に晒されるとPTEF樹脂は、熱分解して昇華するので
可燃性流体を閉止することが困難となり、大災害を招く
恐れがある。
【0015】其のため高圧ガス設備に使用する弁でPT
FE樹脂などのソフト弁座を備えたものはファイヤーセ
ーフ機構を具備しなければならない。
【0016】第3図は、PTFE弁座にファイヤーセー
フ機能を備えたものであり、第3図中21…弁箱、22
…弁箱蓋、23…弁体、24…PTFE弁座、24a…
鋼製弁座でファイヤーセーフ機構である金属板補助シー
トである。
【0017】この機能を具備した弁座であっても、PT
FEの1次弁座が火災時に瞬時に破壊または昇華するこ
とは難しく、耐熱性を向上させるために、各種の充填材
を充填させたPTFEの場合は尚更であり、鋼製の二次
シートでシールする事は、非常に難しくなる。以上の経
緯から、最近特にメタル弁座の開発が盛んに行われてい
る。
【0018】しかし、一次側で閉止するには流体圧力に
依り、弁体が押圧されて弁座から離れるのに追随できる
よう、薄い鋼板を複雑に成型してスプリング効果を発揮
させてシールする方法がとられている。
【0019】第4図に示したのは板バネ式の弁座であり
21…弁箱、22…弁箱蓋、23…弁体、24…弁座で
ある。
【0020】この様な弁座は圧力的に弱く、高温流体に
長期間晒されるとスプリング効果は期待できなくなって
しまう。
【0021】そのため、剛体弁座を使用する場合もある
が、この場合は一次側シールでなく二次側に弁座を装着
し、流体圧により弁座を押圧して閉止めする方法がとら
れている。
【0022】更に弁体と弁座の双方が金属であるため、
シールを確実にするために両者の表面を平滑に仕上げる
と共に、寸法精度、弁体の傾斜角度など極めて精度の高
い加工が要求される。
【0023】金属材料は、硬度、耐熱性、耐蝕性などに
優れているが摩擦係数が大きい弁体と弁座に硬度差を付
けないと焼付きやカジリ付の問題を起こし弁の操作が難
しく、そのため弁座及び弁体に硬質の金属を含浸するな
どの表面処理が必要となる。
【0024】この様な処理を施しても弁は完全にシール
することは難しく、そのため、金属弁座を使用する場合
は許容漏れ量を規定している。
【0025】一般的に弁は、使用上、弁箱内に液溜りを
嫌う傾向がある。
【0026】バタフライ弁で、弁箱内に液溜りを作る構
造は一次側シールでなく二次側シールすることであり弁
を閉止した場合、常時、弁箱内に流体圧力が加わり、グ
ランド部からの漏れが起き易くなり、また一旦、グラン
ドパッキング部からの漏れがあった場合グランドパッキ
ングの増入れや交換は出来ず、増締めだけの処置しか出
来なくなる。
【0027】従って、バタフライ弁は一次側でシールし
たいというユーザーの声が強い。
【0028】
【発明の目的】回動弁の代表的なバタフライ弁に於て、
流体を一次側でシールする場合はPTFEや板バネ形
式、或は、PTFEと板バネの組合せに依る弾性体の弁
座が使用されている。そのため、極低温や高温、高圧の
条件下では、弁座がダメージを受け使用に耐え得ない。
【0029】そこで過酷な条件下でも使用に耐え得る剛
性の弁座を一次側に装着してバタフライ弁の構造と機能
を変え、弁としての諸条件を充分に満足する事が不可能
であったバタフライ弁を満足すべき諸用件を兼ね備えた
弁を提供する事にある。
【0030】更に詳しくは、バタフライ弁として要求さ
れる諸要件及び性能を満たすために、可撓性の無い剛体
材料を弁座の一次側に装備して、シール出来るようバタ
フライ弁の機構を変えて作用効果を発揮させ本発明の目
的を達成しようとするものである。
【0031】
【問題を解決するための手段】本発明は、前述の問題を
解決するために、バタフライ弁の機構及び機能を変え剛
性の弁座を用いて一次側でシールさせる事を提案するも
のである。
【0032】即ち、本発明のバタフライ弁は弁体の中央
部から5%以上偏心させた個所に弁棒を設け閉止する。
弁体の裏側に弁座と弁体がシールする位置で流体圧力に
依り弁体が押圧されて弁座面から離脱するのを防ぐた
め、弁体の閉止側に強固なストッパーを1個所以上設
け、内部流体圧力に係わらず弁体の位置が定位置に一定
させる事によって剛性の弁座を用いても一次側でシール
することができる構造を特徴としたバタフライ弁に関す
るものである。
【0033】剛性弁座部材である金属材料、非鉄金属材
料、非鉄材料、複合強化材料は、耐摩耗性、機械的強
度、不浸透性に優れて居り、例えば、黒鉛材料などの低
摩耗性材料を適宜選択する事に依り、低温から高温に亘
る広い範囲でこれ等の性質を保持できる。
【0034】常温及び低圧に使用する場合、PTFE樹
脂弁座を使用しても問題がない事は言うまで もな
い。
【0035】バタフライ弁に最も多く使われているソフ
ト弁座の形状を、剛性材質のもので、強度アップして代
替しようとしても、柔軟性が全くなく圧縮復元性が期待
できず、流体圧力で、弁体が押され、弁座面から離れる
ので、シールすることは非常に困難となる。
【0036】従来のバタフライ弁を流体の一次側でシー
ルするには、弁座を剛性体の材料では、弾性機能を付与
させざるを得ない。
【0037】弁体の弁座面からの離脱に、弁座が追随さ
せるためには薄い鋼板を複雑に成型してスプリング効果
を発揮させても、高温領域や高圧流体での使用では、ス
プリングとしての効果は発揮できず、また機械的な強度
不足もあり、弁座の改良だけでは満足出来ない事は、前
述の通りである。
【0038】本発明のバタフライ弁は、前記第2図から
第4図の如く、シール機能とスプリング機能を分担させ
る事なく、単一の剛性体、材料で弁座としての諸要件を
満たすためにバタフライ弁の機構を改良して、従来のバ
タフライ弁では得られなかった作用効果を発揮する。
【0039】以下、図面を参照しながら、本発明を更に
詳細に説明する。
【0040】第5図は、本発明のバタフライ弁の断面図
であり、 1…弁箱、2…弁箱蓋、3…弁体、4…弁座、5…上部
弁棒、6…下部弁棒、7…パッキン押え、8…六角穴付
ボルト、9…パッキン押え輪、10…枠(York)、
11…ハンドル、12…ストッパー、13…弁座ガスケ
ットである。
【0041】第6図は、第5図の側面の断面図であり、
図中“E”の如く、弁棒が中心から5%以上偏心させて
弁体に取付けされている。
【0042】第7図は、バタフライ弁の主要部分の平面
図であり、弁棒の位置を中心より“E”の部分だけ5%
以上偏心させた弁体の全開時の図面である。 図中 1…弁箱、2…弁箱蓋、3…弁体、4…弁座、5
…弁棒、12a、b、eはストッパー、13…弁座ガス
ケットである。
【0043】図面第8図、第9図は、弁を閉止する弁体
の動きを示す。反対に第10図は、弁を開く時の弁体の
動きを示している。
【0044】上記の如く、弁体の動きに対して、第11
図及び第12図の如く、内部流体“L”は、弁棒が
“E”の部分だけ偏心しており、その分“A”部の受圧
面積が多いので弁体を閉の方向に働かせる。
【0045】“B”エリアの部分に“E”の部分を偏心
させる事に依り“A”部の内部流体“L”の圧力が受圧
面積の多いA弁体の“A”部分に圧力が働き第12図の
如く弁座に密着する方向に力が加わる。
【0046】このままでは、弁体が流体圧力“L”に押
されて、弁座から離れてしまうので、弁体と弁座が完全
に密着し、閉止した状態で、弁体が離れない様、ストッ
パーを“A”部内に必要数だけ設けて弁体の動きを停止
させる。
【0047】従って、弁体は、閉止する方向の弁体の受
圧面積を大きく取るよう、弁棒の位置を設定し、弁座と
弁体が圧力に依り移動しないようストッパーを設けるこ
とが必須条件となる。
【0048】仮に従来のバタフライ弁の如く、弁棒が中
心に位置する弁又は弁体の中央部から5%未満の偏心さ
せた個所に弁棒が位置する弁に於ては第13図の如く弁
体に受ける荷重は“A”“B”共、同じであり、ストッ
パーを設けてないと弁体そのものが押され弁座面から離
れてシート漏れを起こす。
【0049】また、弁体にかかる内部流体圧によって
“A”、“B”共、同荷重となりストッパーを設けても
弁体が閉止の方向に動かないのでストッパーを付ける意
味をなさない。
【0050】また逆に弁棒を弁体の中心より“A”部の
方に偏心させると流体の受圧面積が“B”部の方が大き
くなり、弁体が逆の開の方向に働くので、流体を閉止す
ることは出来ない、また“B”部内にストッパーを設置
するのは、弁体の邪魔になるので設置できない。
【0051】弁棒を太くし、弁体を厚くして、また弁棒
に軸受けを設けて、弁体を強固にし、内部流体に抗する
事も可能ではあるが、この様な場合は、バタフライ弁の
弁としての機能低下を招く。
【0052】第14図、第15図に流路の断面図であ
る。
【0053】実施例1〜5及び比較例1〜5により本発
明を更に詳しく説明する。用いたバタフライ弁は6B
(150A)である。
【0054】実施例は第5図及び第6図に示した本発明
の構造であり、弁座として表1に示した剛性材質のもの
を用いた。
【0055】比較例に使用したバタフライ弁は従来の構
造であり、弁座として表2に示したソフトな材質のもの
を用いた。
【0056】尚第21図及び第22図の弁座を使用する
ために弁箱及び弁箱蓋の一部を改造した。
【0057】実施例1〜5、比較例4〜5に使用した弁
座は下記の方法で得、比較例1〜3の弁座はソフトな材
質の市販品を用意した。
【0058】実施例1の弁座は市販品のJIS−G−4
303 SUS304のステンレス鋼材を加工し、弁体
との摺動面にステライト合金(Co−Cr−W)を盛金
し加工研磨を施して得た。
【0059】実施例2の弁座は膨張黒鉛とステンレス鋼
板のラミネートシ−トであるが、膨張黒鉛は日本カーボ
ン(株)の製造する商品名ニカフィルムのシートを打抜
き加工した。
【0060】又ステンレス鋼板は市販品のJIS−G−
4303 SUS304の鋼板を円板状に打抜き加工し
第17図の形状に接着積層し一体化、機械加工し得た。
【0061】実施例3の弁座は炭素繊維とPTFE樹脂
の複合材料であり、日本カーボン(株)の製造する商品
名カーベストの積層体を用いた。
【0062】実施例4の弁座は炭素材料の気孔に金属を
含浸充填した金属含浸炭素材であり、日本カーボン
(株)の製造する商品名SCカーボンを用いた。
【0063】炭素材料は石油又は石炭ピッチのコークス
を石炭ピッチ等の粘結材と混合成形し、焼成、必要に応
じて黒鉛化して得られる。
【0064】炭素材料は焼成、黒鉛化によって熱分解ガ
スが揮発し20〜30%の気孔が生じる。このままでは
シール材としては使用できないので不浸透処理したもの
を用いる。
【0065】実施例5の弁座は前記の気孔を有する炭素
材料にフェノール樹脂を含浸充填した材料を用いた。
【0066】実施例2及び3を除く弁座はいずれも剛体
材料であるため、弁箱と弁座のシール材として弁座の両
面に膨張黒鉛シートのガスケットを用いた。
【0067】実施例4及び5の弁座は実施例1の如き強
度が無く、弁の開閉時の衝撃やウォーターハンマー或い
は摺動面にかかる応力などを緩和させるためにも弁座の
両面に膨張黒鉛シートのガスケットを装着することが好
ましい。
【0068】また剛体の炭素材弁座には強度を補足する
ために、第18図に示すように金属製の外輪(リテーナ
ー)を焼き嵌めすることも好ましい方法である。
【0069】各種材料の弁座を組込んだ本発明のバタフ
ライ弁は、各種の性能評価試験により、広い温度領域用
として安全性を確認した。その代表的な試験内容とその
結果は以下の通りである。
【0070】帯電防止 従来のバタフライ弁では弁座及びグランドパッキンにP
TFE樹脂などの絶縁体を使用すると弁棒とグランドパ
ッキン或いは弁体と弁座樹脂の摩擦により静電気が発生
し、特に引火点の低い油やガソリン、天然ガス、LPG
などに使用すると非常に危険である。
【0071】そのため従来のバルブには、弁棒や弁棒と
弁体の嵌合部に静電除去のための機構が設けられている
が、本バタフライ弁は弁座及び及びグランドパッキンそ
のものが電気の良導体を使用できるためそのままで優れ
た帯電防止機構を有し経済的である。
【0072】実施例1〜5、比較例1〜5共にいずれも
合格であった。ただし比較例1〜2は弁座がPTFE樹
脂であるが帯電防止機構が備わっており問題が無かっ
た。
【0073】水圧試験 水漏れ試験として18kg/cm2、21kg/cm2
53kg/cm2,105kg/cm2の各圧力で水圧試
験を行った。弁に上記圧力に相当する水圧を加え弁の開
閉操作を2〜3回繰り返し、弁を閉止して二次側を開放
し5分間保持し、弁座と弁体の摺動面及びガスケット
面、グランドパッキン部の漏洩や滲みの有無を検査し
た。
【0074】実施例1〜5、比較例1〜3は合格であっ
た。しかし比較例4及び5は各圧力段階で激しく漏洩し
た。
【0075】比較例4及び5の弁座は弾性に乏しく従来
構造のバタフライ弁では流体圧力で弁体がおされ弁座か
ら離れてしまい弁座としての役目を果たしていない状態
であった。
【0076】3.空気圧試験 各バタフライ弁の一次側をテスト台に取付け二次側にブ
ラインドフランジを取り付けて一次側より2kg/cm
2,6kg/cm2,10kg/cm2,16kg/c
2,20kg/cm2の各試験圧力の空気圧を加えた
後、弁を閉止し二次側のブラインドフランジを開放して
石鹸水により弁体と弁座の摺動面及び弁座のガスケット
面、グランドパッキン部からの漏洩の有無を検査した。
【0077】実施例1〜5、比較例1〜2は合格であっ
た。比較例4〜5は試験圧力2kg/cm2では若干の
漏れであったが、6kg/cm2以上では水圧試験と同
様弁体が弁座から離れて激しく漏洩した。
【0078】比較例3は2kg/cm2,6kg/cm2
までは合格であったが、10kg/cm2以上で圧力が
高くなるにつれて漏れが増加した。
【0079】4.蒸気試験 蒸気試験圧は6kg/cm2(164℃)、10kg/
cm2(183℃)、15kg/cm2(200℃)、2
0kg/cm2(214℃)の飽和蒸気を用い、弁全体
がほぼ等温になるまで 段階的に昇温し上記のの各温度
において、弁体と弁座の摺動面及び弁座のガスケット面
からの漏れを鏡(ミラー)により検査した。
【0080】実施例1〜5は全て合格であった。しかし
比較例はいずれも漏洩が見られた。
【0081】不合格のバルブ部材を点検したところ、比
較例1〜2は弁座が熱変形しリップ部が平坦になりフロ
ーしてはみ出していた。
【0082】比較例3は当初極少量の漏れであったが、
温度及び圧力の上昇と共に漏れが多くなった。
【0083】比較例4〜5は弁座そのものに問題が無か
ったが、内部圧力により弁体が押され弁座と離れおり閉
止出来なかった。
【0084】実施例1〜5は各温度領域で弁の開閉作動
試験を行ったが弁棒、弁座、弁体など焼き付きや、かじ
り付きなど一切認められずスムースに操作できた。
【0085】5.ファイヤーセーフ試験 通常のソフト弁座を用いたバタフライ弁では弁座、ガス
ケット、グランドパッキン等のシール材にゴムやPTF
E樹脂や他の樹脂で補強している非金属材料が使用され
ている。
【0086】そのため火災のとき高熱で損傷しグランド
部やガスケット等のシール部材から外部への漏洩や弁座
漏れ或いは作動不良を起こすなどして火災を著しく増大
させたり、弁の操作に支障を来すなどバタフライ弁の弁
座がソフト弁座であるが故のウィークポイントにならな
いことが肝要である。
【0087】このファイヤーセーフ試験は弁を閉止して
二次側に水を満たし35kg/cm2の水圧を加え反対
の一次側からLPGバーナー2基で760〜980℃の
火炎で30分間又は弁の表面温度が595℃に達した後
更に10分間燃焼を続け一次側からの漏れの有無を確認
した。
【0088】LPGバーナーを消化後弁が100℃又は
それ以下の温度まで自然冷却させたのち次の順序で試験
した。
【0089】弁の開閉を数回繰り返し操作性を確認す
る。弁を閉止し二次側から3.5kg/cm2の水圧を
かけて漏洩の有無を確認する。弁内部に二次側から10
kg/cm2の水圧をかけて漏洩の有無を確認する。
【0090】なおこのファイヤーセーフ試験に際しては
実施例及び比較例共に弁座以外のグランドパッキン、ガ
スケットは日本カーボン(株)の膨張黒鉛材料である商
品名ニカフィルムの成形体を使用した。
【0091】実施例1,2及び4と比較例4〜5は操作
性及び水漏れ試験共に合格であった。実施例3及び5は
操作性に問題がなかったが、弁座からの漏洩激しかっ
た。
【0092】比較例1〜3は弁座から著しい漏洩があっ
た。
【0093】上記の試験後に各々の弁を分解して各部材
を点検した。
【0094】実施例1,2及び4と比較例4〜5は各部
材とも異常を認めなかった。
【0095】比較例4〜5がファイヤー試験で異常を認
めなかったのは、二次側からの加圧水のために弁体が弁
座に密着可能となりシール出来たものと推測できる。
【0096】実施例3は弁座の材質が炭素繊維充填PT
FE樹脂であり、PTFE樹脂が高温に晒されて変質昇
華してポーラスとなり強度劣化し弁座としての機能を果
たせなかった。
【0097】実施例5は弁座の材質が気孔にフェノール
樹脂を充填熱処理した炭素材料であり、フェノール樹脂
成分が高温に晒されて一部が炭化し昇華してポーラスと
なり強度劣化し弁座としての機能を果たせなかった。
【0098】比較例1〜2はPTFE樹脂弁座が消失し
ていた。比較例3はSUS鋼がバネ弾性を失ってしまい
所要のシール面圧が保てず漏洩した。
【0099】
【発明の効果】本発明のバタフライ弁は前述の如く、剛
性の材料をバタフライ弁の弁座に用い、弁の構造及び機
能を変える事に依り、従来のバタフライ弁では、全く期
待できなかったシール性及び流量を確保し得る。画期的
な弁である。
【0100】この弁は、使用条件に応じて弁本体材質及
弁座材質を選択する事に依り、極低温から高温、低圧か
ら高圧に至る広い領域でバタフライ弁としての機能を発
揮するものである。
【0101】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】現在最も普及しているバタフライ弁の構造を示
す図である。
【図2】PTFE樹脂の弁座を示す図であり、弁座単体
で使用されている。
【図3】PTFE弁座にファイヤ−セ−フ機能を備えた
ものを示す図である。
【図4】板バネ式の弁座を示す図である。
【図5】本発明のバタフライ弁の断面図である。
【図6】本発明のバタフライ弁の側面の断面図である。
【図7】バタフライ弁の主要部分の平面図である。
【図8】弁を閉止する弁体の動きを示す図である。
【図9】弁を閉止する弁体の動きを示す図である。
【図10】弁を開く時の弁体の動きを示す図である。
【図11】内部流体Lは弁棒がEの部分だけ偏心してお
り、その分A部の受圧面積が多いので弁体を閉の方向に
働かせることを示す図である。
【図12】内部流体Lは弁棒がEの部分だけ偏心してお
り、その分A部の受圧面積が多いので弁体を閉の方向に
働かせることを示す図である。
【図13】従来のバタフライ弁において、弁棒が中心に
位置する弁又は弁体の中央部から5%未満の偏心させた
個所に弁棒が位置する弁においては、弁体に受ける荷重
がA、Bとも同じであることを示す図である。
【図14】流路の断面図である。
【図15】流路の断面図である。
【図16】本発明において金属含浸炭素材の弁座を用い
た構造のものを示す図である。
【図17】ステンレス鋼板を円板状に打抜き加工し、接
着積層し一体化、機械加工して得たものを示す図であ
る。
【図18】炭素体弁座に強度を補足するために、金属性
の外輪(リテ−ナ−)を焼き嵌めする構造を示す図であ
る。
【図19】本発明において炭素繊維充填PTFE樹脂材
からなる弁座を用いた構造のものを示す図である。
【図20】本発明においてステンレス鋼板からなる弁座
を用いた構造のものを示す図である。
【図21】弁座を使用するために弁箱及び弁箱蓋の一部
を改造したものを示す図である。
【図22】弁座を使用するために弁箱及び弁箱蓋の一部
を改造したものを示す図である。
【符号の説明】
1 弁箱 2 弁箱蓋 3 弁体 4 弁座 5 上部弁棒 6 下部弁棒 7 パッキン押え 8 六角穴付ボルト 9 パッキン 10 パッキン押え輪 11 ハンドル 12 ストッパ− 13 弁座ガスケット 21 弁箱 22 弁箱蓋 23 弁体 24 弁座
【手続補正書】
【提出日】平成12年11月15日(2000.11.
15)
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図14】
【図15】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図16】
【図21】
【図22】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】弁体に取り付ける弁棒の位置を弁体中央部
    から5%以上離し偏心させたことを特徴とするバタフラ
    イ弁。
  2. 【請求項2】弁体が流体圧力に押圧されて弁座面から離
    脱することを防止するために、弁箱内部に弁体の閉止位
    置に合わせて停止部材(ストッパー)を1個所以上設け
    たことを特徴とする請求項1記載のバタフライ弁。
  3. 【請求項3】圧縮復元性など弾性の全く期待できない剛
    性材料を弁座として使用可能にしたことを特徴とする請
    求項1及び請求項2記載のバタフライ弁。
  4. 【請求項4】流体の流れ方向に無関係に取付け可能とし
    たことを特徴とする請求項1、請求項2及び請求項3記
    載のバタフライ弁。
JP11162560A 1999-06-09 1999-06-09 弁棒の取り付け位置を弁体中央部から5%以上離し偏心させたバタフライ弁 Withdrawn JP2001041328A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006234168A (ja) * 2005-02-25 2006-09-07 Ksb Sas リップ付き弁座を備える弁
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CN116809339A (zh) * 2023-06-09 2023-09-29 瑞安市傲瑞机械有限公司 一种双通道流体密封偏心式蝶阀的浸渗用固定装置

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