JP6745605B2 - 高圧用トラニオン型ボール弁およびこれを用いた水素ステーション - Google Patents

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Description

本発明は、ボール弁に関し、特に、水素等の高圧流体が流れる水素ステーションなどの設備に好適な高圧用トラニオン型ボール弁およびこれを用いた水素ステーションに関する。
近年、エネルギー政策の見直しに伴って、燃料電池自動車用水素ステーションの供給インフラの普及が強く推進されている。水素ステーションなどの高圧流体が流れる配管設備では、特に、流体が水素であるときには80MPa以上の高圧になることがあり、場合によっては、約103MPa(15000psi)程度の高圧水素ガスが発生することもある。これに対して、流量を確保しつつ流路をオンオフするために、高圧用トラニオン型ボール弁が使用されることが多い。
この場合、高圧用トラニオン型ボール弁では、弁体に高い流体圧が加わり、この弁体からステム軸装部に流路方向に力が働くことで操作時のトルクが大きくなりやすい。そのため、特に、この種のバルブでは、高圧下においても弁座シール性を維持しつつ、操作時には低トルク性を確保しながら操作性を安定させることが求められている。
この種のボール弁として、例えば、特許文献1の高圧用トラニオン型ボール弁が本件出願人により先に出願されている。このボール弁は、ボール、シートリテーナ、シートリテーナの外周面に装着されたシール部材が設けられ、ボールの上下に同一径の上ステムと下ステムとがそれぞれ延設されてボール部材が構成され、ボールを中心に上下ステムの対称位置に、軸受を介して同一構造の軸装シール機構が装着されてバランス構造に設けられている。これにより、このボール弁に、高圧流体である水素等のガス流体が流れる場合、ステム(ボール)のスラスト荷重が抑えられ、弁座シール性が確保されつつ安定した低トルク性によって開閉操作可能に設けられている。
WO2015/30122号公報
しかしながら、特許文献1の高圧用トラニオン型ボール弁に対して、液体を含む混合流体などの非圧縮性流体が流れる場合には、水素等の気体などの圧縮性流体が流れる場合に比較して軸受がスラスト方向の力を受けやすくなり、この力を緩和することが難しくなる。その結果、軸受がボールとは反対側に移動して軸装シール機構を押圧することで、この軸装シール機構に過度な負荷がかかり、破損や激しい消耗が生じて漏れを生じるおそれがある。
これを防ぐため、仮に、軸装シール機構側への流路を塞いだ場合には、流体が軸受周辺を自由に移動できなくなり、非圧縮性流体によって上下の軸受にバランスの崩れたスラスト荷重が加わることになる。その結果、ボール側から軸装シール機構までのキャビティ内の均一な圧力の確保が難しくなり、上下の軸装シール機構には片寄った圧力が加わって軸シール性能が損なわれる可能性がある。これを回避するために、流体が非圧縮性流体の場合にもボール側から軸装シール機構側までのキャビティ内圧力を均等に確保しつつ、上下の軸装シール機構のバランス構造を維持することが求められる。
本発明は、上記の課題点を解決するために開発したものであり、その目的とするところは、特に高圧流体に適しており、非圧縮性流体が流れる場合にも、弁座シール性を確保しつつステムへのスラスト荷重を抑えて安定した低トルク性で開閉操作でき、軸受の移動を規制することにより軸シール部位への過度な負荷を回避してその破損や消耗を防ぎつつ、軸シール部位のバランス構造を維持して優れた軸シール性能を発揮する高圧用トラニオン型ボール弁およびこれを用いた水素ステーションを提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、蓋部材を有するボデー内に回転自在に設けたボールと、このボールとシール接続するシートリテーナと、このシートリテーナをシール側に弾発力を付与するバネ部材と、シートリテーナの外周面に装着したシール部材を有するトラニオン型ボール弁であって、ボールの上下に同一径の上ステムと下ステムがそれぞれ延設された状態でボール部材が構成され、この上下ステムには、ボールを中心に対称位置に同一構造の軸装シール機構と軸受が装着されてバランス構造とすることによりスラスト荷重が回避され、バルブ内部側に設けられた係合部に軸受に設けられた係止部が係止された状態で当該軸受のボールの反対側への移動が防がれ軸受又はボデー側にはボール側と軸装シール機構側とが連通される連通部が設けられていると共に、上下ステムのボール近傍位置に鍔部が設けられ、この鍔部で軸受のボール側が保持され、軸受の全長が鍔部上面から軸装シール機構までの距離よりも短く、かつ、係止部の長さが鍔部から係合部までの距離よりも短く設けられていることを特徴とする高圧用トラニオン型ボール弁高圧用トラニオン型ボール弁である。
請求項2に係る発明は、ボデーと蓋部材に略環状の係合部が設けられ、この係合部に軸受に鍔状に形成された係止部が係止された高圧用トラニオン型ボール弁である。
請求項3に係る発明は、係止部の外周とボデーの内周との間に隙間が設けられ、この隙間によりボデーから係止部へのラジアル荷重の伝達が回避されている高圧用トラニオン型ボール弁である。
請求項4に係る発明は、軸受の外周に形成された連通溝、又は軸受の外周面に貫通される連通孔とした高圧用トラニオン型ボール弁である。
請求項に係る発明は、高圧水素の供給ラインに高圧用トラニオン型ボール弁が用いられた状態で構成されている水素ステーションである。
請求項1に係る発明によると、特に高圧流体に適しており、スラスト荷重による摩擦力の発生を回避しつつ、ボールのシール部材へのずれを防止して弁座シール性を確保して漏れを確実に防ぎ、上下ステムでバランスよく均等にボールを支えることで安定した低トルク性による開閉操作が可能となる。この場合、バルブ内部の係合部に軸受の係止部を係止させてこの軸受のボールの反対側への移動を防ぐことで、液体を含有する混合流体などの非圧縮性流体がバルブ内部に流れる場合にも、軸受による軸装シール機構への過度な負荷を回避してその破損や消耗を防止できる。しかも、軸受又はボデー側に連通部を設けていることにより、この連通部を介して流体が移動してボール側から軸装シール機構までの圧力を均一に確保し、軸装シール機構のバランス構造を維持して優れた軸シール性能を発揮できる。
しかも、抜け出し方向の移動を係止部で防止した状態の軸受に対してボール側から鍔部で保持することで、この軸受をボデー内の所定位置に配置でき、これら上下の軸受によって流路の中心にバランスを保持しながらボールを配置できる。これにより、弁開又は弁閉操作時に、ボールへの流体圧を軸受に均等に働かせてステムをスムーズに回転操作でき、弁閉時にはシートリテーナによるシール性を向上できると共に、軸受と軸装シール機構、軸受とボデーとの間にそれぞれ軸装方向のクリアランスを設けることができ、このクリアランスによって軸受によるボールの軸装方向への位置決めを防ぐことができとともに、これにより、ボールとシートリテーナとの芯ずれを防ぎつつ、ボールをシートリテーナで位置決めしながら所定位置に配置し、シート漏れを防止できる。
請求項2に係る発明によると、係止部と係合部とを係止させて軸受の抜け出し方向への移動を規制していることで、内部の簡略化を図りながら軸受の移動を確実に規制できる。
請求項3に係る発明によると、係止部とボデーとの間に設けた隙間でボデーから係止部へのラジアル荷重の伝達を回避することにより、ラジアル荷重が筒部のみに加わるようにして受圧面積を十分に確保し、ラジアル荷重に対する軸受の強度を確保してその破損を防止できる。
請求項4に係る発明によると、軸受の外周に設けた連通溝、又は軸受の外周面を貫通する連通孔である連通部を介して、ボール側から軸装シール機構側までを連通させてキャビティ内圧力を均一に確保し、このキャビティ内圧力で押圧される上下の軸装シール機構のバランス構造を維持して軸シール性を発揮させながらバルブを開閉操作できる。
請求項に係る発明によると、特に高圧流体に適し、高圧下においても軸装部分の密封性を維持しながら、ステムへのスラスト荷重を抑えて低トルク性を実現し、略一定の安定した操作トルクにより開閉操作可能な高圧用トラニオン型ボール弁を備えており、このボール弁により高圧流体の漏れを確実に防止しつつ、優れたトルク性により自動や手動で弁体を操作して所定量の水素を供給または停止できる。
本発明の高圧用トラニオン型ボール弁の実施形態を示した斜視図である。 図1の高圧用トラニオン型ボール弁の一部省略拡大縦断面図である。 図2の要部拡大断面図である。 軸受を示す斜視図である。 (a)は、軸受の縦断面図である。(b)は、軸受の平面図である。 軸受の他例を示す縦断面図である。 水素ステーションの一例を示したブロック図である。
以下に、本発明における高圧用トラニオン型ボール弁の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1においては、本発明における高圧用トラニオン型ボール弁の実施形態の斜視図、図2においては、図1のボール弁の一部省略拡大縦断面図を示している。
図において、本発明におけるボール弁本体(以下、バルブ本体という)1は、特に、高圧流体を流す場合に好適なトラニオン構造からなり、蓋部材2を有するボデー3、これらの内部にボール10、軸受11、シートリテーナ12、バネ部材13、シール部材14、バネ押え15、補助リング16、軸装シール機構20を有し、例えば、2.5kg程度の重さに設けられる。本実施形態における高圧とは、例えば、21MPa程度の高圧や、或は35MPa以上の高圧であり、水素ステーション用の配管設備用バルブとして用いる場合には、70〜105MPa、具体的には103MPa程度の高圧を想定している。そして、本発明におけるバルブ本体1は、例えば、−50〜85℃までの流体の温度変化に対応可能になっている。
バルブ本体1のボデー3は、例えばステンレス鋼(SUS)からなり、このボデー3において、内部の流路方向(図2における水平方向)には穴状の装着部21が設けられ、ボデー3上部側のボール10の軸装方向(図2における鉛直方向)に軸装穴22が設けられ、ボデー3の下部側(ボトム側)に装入穴23が設けられ、この装入穴23の内周の一部にはメネジ部24が設けられている。
バルブ内部の軸装穴22のボール10側には、略環状の係合部30が軸装穴22よりも拡径して段部状に設けられる。
図2に示した蓋部材2は、例えばSUSにより蓋状に形成され、メネジ部24に螺合するオネジ部31を有し、このオネジ部31を介してボデー3のボトム側から着脱可能に設けられる。蓋部材2の内部にはボデー3の軸装穴22と同径の軸装穴32が設けられ、この軸装穴32のボール10側には、ボデー3と同様に略環状の係合部33が軸装穴32よりも拡径して段部状に設けられる。蓋部材2の底面側には、軸装穴32に続けてリリーフ孔34が穿設されている。リリーフ孔34は、バルブ本体1の組立て時の部品挿入時における空気抜きの機能を発揮し、組立て後には、リークポートの機能を発揮する。メネジ部24の奥側(ボール10側)には、例えば銅製からなる環状ガスケット35が装着され、このガスケット35によりボデー3と蓋部材2とがシールされる。
ボデー3の装着部21には、ボール10やシートリテーナ12等が装着可能に設けられ、ボデー3内には流路40が形成されている。ボデー3の両側にはめねじ3aが設けられ、このめねじ3aに、例えばSUSからなるキャップ状の流入部42と流出部43とにそれぞれ設けられたおねじ42a、43aが螺着され、この流入部42、流出部43がそれぞれボデー3に固着される。めねじ3aの奥側(ボール側)には、環状ガスケット35が装着され、このガスケット35によりボデー3と流入部42、流出部43との間がシールされる。
流入部42、流出部43のボデー3接続側には、段状の装着穴44、44がそれぞれ形成され、これら装着穴44、44にそれぞれシートリテーナ12、バネ部材13、シール部材14、バネ押え15、補助リング16が装着される。流入部42、流出部43における装着穴44の他方側には、それぞれ雌ねじ45、45が形成され、これら雌ねじ45、45を介して図示しない外部の配管が接続可能に設けられる。
ボデー3内の流入側、流出側には、双方とも同じ弁座シール構造、すなわち、図2に示すような左右対称構造に設けられている。
図2、図3において、ボール10は、例えばSUSからなり、このボール10の上下には同一径の上ステム50と下ステム51とがそれぞれ延設されてボール部材52が構成され、上下ステム50、51が軸受11、軸装シール機構20で支承されながらボール部材52がバルブ本体1内に装着される。
上ステム50と下ステム51の外径は、ボール10の球径よりも小径に設定される。これにより、ボデー3の軸装穴22や装入穴23の径もそれぞれ小さく設定され、流体の耐圧に必要なボデー3や蓋部材2の肉厚を薄く形成可能となり、バルブ本体1の大きさを小さくできる。上ステム50、下ステム51の外径が小さくなることで、これら上ステム50、下ステム51の軸心から軸受11との接触面までの距離(モーメントアーム)が小さくなるため、上下ステム50、51回転時の摺動抵抗が抑えられて操作トルクの上昇が防止される。
ボール球径は、例えば、φ20mm程度であるとよい。仮に、このボール球径よりも上下側のステム外径が大きい場合には、ボデー3外形が大きくなると共に、上記モーメントアームが大きくなり、摺動抵抗の増加により操作トルクも大きくなるが、前述したようにこれを防ぐことが可能になっている。
ボール10は、ボデー3のボトム側より装入可能に設けられ、これによりボデー3内の軸装穴22に上ステム50が軸装され、この状態でボデー3のボトム側が蓋部材2で被蓋され、この蓋部材2の軸装穴32に下ステム51が軸装されることにより、ボール10がボデー3内の所定位置に配設される。
上下ステム50、51外周の軸装穴22、32には、それぞれ軸受11、11、軸装シール機構20、20が装着され、これらを介してボデー3内にボール部材52が回転自在に取付けられる。ボール10は、上ステム50により回動操作され、このボール10内部に形成された図示しないボール孔とシートリテーナ12の内部流路12aとが連通したときに、バルブ本体1内に流体が流れる。上下ステム50、51のボール10近傍位置には、それぞれ鍔部53が形成されている。
図4、図5に示した軸受11は、例えば、アルミニウム青銅等の合金材料により、図2のボール10の上下側と、各軸装シール機構20、20との間に装着可能な長さに形成され、略円筒状の筒部60と、この筒部60よりも外径方向に突出した係止部61とを有する形状に一体成形される。この一体成形により、複数部材を組み合わせた場合のように、部材間にガタや芯ズレが生じるおそれがなく、コストダウンも図られる。軸受11は、シール機能を有することなく、ボデー3への装着後には内周側、外周側ともに流体が通過可能に設けられている。
係止部61は、バルブ内部の係合部30、33に係止可能な外径の鍔状により、軸受11の端部側に形成される。係止部61は、バルブ内部の係合部30、33にそれぞれ係止され、この状態により軸受11のボール10の反対側への移動が防がれている。
係止部61及び係合部30、33は、ボール10の反対側への移動を防止可能であれば、その態様にこだわることはなく鍔状や環状以外の形状に設けられていてもよい。さらに、本実施形態では、段部状の係合部30、33に突状の係止部61を係止しているが、逆の係止構造であってもよく、各種の態様に設けることができる。
上記軸受11を設ける場合には、この軸受11に働こうとするラジアル方向の荷重(ラジアル荷重)とスラスト方向の荷重(スラスト荷重)、及び軸受11とボール10との位置関係をそれぞれ考慮しながら、その外形や大きさなどを設定するとよい。
図3において、ラジアル荷重への対応としては、軸受11が十分に耐えうる強度を有することが必須であり、そのため、受圧面積を十分に確保するように設計する。これを満足するためには、軸受11をラジアル荷重に耐えうる長さに設定した上で、これに合わせてボール10と軸装シール機構20との間隔を設定して、内部に軸受11を収納可能なボデーサイズとするとよい。
その際、軸受11は、上記係止部61を有し、この係止部61が荷重を受けたときには、十分な受圧面積が得られずに軸受11全体の破損につながる可能性がある。このため、ラジアル方向の荷重が筒部60のみに加わるようにし、係止部61には荷重が加わらないような形状の軸受11とする。
これを満足するために、筒部60の長さをL1としたときに、この長さL1の寸法をラジアル荷重に耐えうる寸法、すなわち、受圧面積を確保して面圧を十分に低下できる大きさに設定し、さらに、軸受11を面圧に耐えうる材料で形成しつつ、係止部61の外周とボデー3の内周との間に環状の隙間W2を設け、この隙間W2によってボデー3から係止部61へのラジアル荷重の伝達を回避した。図中、隙間W1は、筒部60とボデー3との間のクリアランスであり、この隙間W1は、ごくわずかな大きさとする。
一方、スラスト荷重への対応としては、流体が流れる順序を考慮する必要がある。
バルブ本体1に流体を流し始めたときには、この流体が軸受11のボール10側から軸装シール機構20側に流れ込むまでにある程度の時間を要し、これによって上下の軸装シール機構20のバランス構造が成立するまでには若干のタイムラグが生じる。このタイムラグの間に、上下ステム50、51のボール10側と、端部側(上ステム50のトップ側或は下ステム51のボトム側)とでは大きな差圧が生じ、この差圧によりボール10がスラスト方向に移動しようとする。
特に、流体を流し始める瞬間には、スラスト方向への荷重が非常に大きくなり、軸受11が外側に強く押し出されてその負荷により軸装シール機構20を破損させる可能性がある。これは、流体が非圧縮性流体である場合に特に顕著になるため、その対策が必要になる。
これに応じて、係止部61が流体による負荷に耐えうるように、軸受11の材料強度、並びに図3における係止部61の長さL2及び幅L3とをそれぞれ設定する。この場合、考慮する負荷としては、ボール10の当接により軸受が押し出されようとする最大の負荷であり、この負荷は、ステム50、51のボール10側と端部側との最大差圧により、ステム50、51がスラスト方向に受ける荷重となる。
また、軸受11とボール10との位置関係としては、ボール10が上下方向に位置決めされた状態(固定された状態)で、このボール10に対してスラスト方向にわずかに移動可能となるように、軸受11の寸法を設定するようにする。
すなわち、軸受11の全長(筒部60の長さL1+係止部61の長さL2)が、ボール10の鍔部53上面から軸装シール機構20までの距離L4よりもわずかに短く、かつ、係止部61の長さL2が、ボール10の鍔部53からボデー3の係合部30までの距離L5よりもわずかに短くなるように設ける。これにより、ボール10側に軸受11が寄った状態では、図中のクリアランスC1及びC2が生じることになる。
このように、軸受11と軸装シール機構20との間にクリアランスC1、軸受11とボデー3との間にクリアランスC2をそれぞれ軸装方向に設けていることにより、ボール10が軸受11によって軸装方向に位置決めされることはなく、シートリテーナ12により位置決め可能に設けられている。これにより、ボール10とシートリテーナ12との芯ずれを防ぎながらボール10をシートリテーナ12で所定位置に配置してシート漏れを防止した状態にしている。
軸受11の外周には、連通溝からなる連通部62が軸方向に沿って2条形成され、この連通溝62により、ボール10側と軸装シール機構20側とがバルブ本体1内部で連通される。本実施形態では、図5(a)、図5(b)に示すように、連通溝62は、係止部61の外周から筒部60の一部に差し掛かる深さで軸受11の上下端面間を連通するように形成され、この形状により、軸受11を介してボール10側と軸装シール機構20側との間を流体が確実に移動可能となる。
連通部62を設ける場合、流体の移動空間を十分に確保するためにその深さを大きく形成することが望ましい。このとき、筒部60の肉厚を厚く形成するとよく、この場合には連通溝62の深さを大きくしながら軸受11の強度も確保できる。
図6においては、軸受の他例を示しており、この軸受70においては、外周面71である上端面72、下端面73を貫通する連通孔75を連通部として設けたものである。このように、連通部はボール10側と軸装シール機構20側とを連通可能であれば各種の態様に形成でき、図示しないが、例えば、連通孔を傾斜させたり、その孔径を適宜変更したり、連通溝と連通孔とを組合わせる等の構造に設けるようにしてもよい。
軸受70は、上下ステム50、51の鍔部53によりボール10側が保持され、これにより軸受70の自重によるボール10側への移動が規制される。鍔部53は、軸受70のボール側端面を保持可能な外径に設けられる。
図4〜図6においては、連通部62、75が軸受11、70の対称位置に2箇所形成されているが、この連通部は必要に応じて増減してもよい。連通部を2箇所よりも多く設ける場合にも軸受に対して対称位置に形成するとよく、この場合、流体をバランスよく移動させて軸受から軸装シール機構20に流体が移動するときに片寄った力が加わることを防止できる。
また、図示しないが、連通部をボデー3側や蓋部材2側に設けるようにしてもよく、この場合にも、軸受に設けた場合と同様の機能を発揮する。
軸装シール機構20は、Uリングシール80、バックアップリング81、金属リング82を有しており、これらの各部品の内径、外径寸法は、略同一に設定されている。
軸装シール機構20において、ボール10側にUリングシール80が設けられ、このUリングシール80にバックアップリング81が積層され、このバックアップリング81の外周位置(ボール10から見た外周側の位置)に金属リング82が積層されている。
Uリングシール80は、例えば、ポリエチレン製の外周部位と芯金(スプリング)部位とからなり、シール機能を発揮させるために、その内径が上ステム50の外径よりもやや小さく、外径が軸装穴32の内径よりもやや大きく設定されている。このUリングシール80は、市販のUパッキンと同等に設けられ、U字形断面の外周部位がリップ部位となり、このリップ部位が流体圧により拡径し、上下ステム50、51とボデー3、蓋部材2とをシールする構造となる。従って、Oリングのように押圧力を加える構造のシール部品に比べてシール領域を小さくでき、摺動抵抗を小さくできる。このようなUリングシール80は、リップパッキンとも称される。
バックアップリング81は、例えば、ポリエチレンからなり、Uリングシール80と金属リング82との間に介在され、Uリングシール80の軸装穴32中心側へのはみ出しを防ぎ、かつ、Uリングシール80と金属リング82との間でクッションの役割を果たしており、キャビティ側からの高圧にも耐えうる。このバックアップリング81の材質や構造を変えることにより、軸受としての機能を発揮させることも可能となる。
金属リング82は、例えば、アルミニウム銅合金からなっている。金属リング82が配置されるボデー3の軸装穴32の上部は小径に設けられ、この小径部分によって段状に形成されている。金属リング82は、段状部分によって上面が係止される。金属リング82の内径は、上下ステム50、51の外径よりもやや大きく、小径部分の内径よりも小さく設定される。これにより、金属リング82の内径側は、小径部分の上方から視認可能な状態になり、軸装穴32の外側からこの金属リング82を適宜の治具等で押すことも可能になる。そのため、軸装穴32に挟まって取出しにくいUリングシール80やバックアップリング81を、分解時等において金属リング82を上方から押出すことで同時に取外しできる。金属リング82には、スラストベアリングとしての機能は不要になっている。
軸装シール機構20は、上記構成によりボール10を中心に対称位置に同一構造で上下ステム50、51に装着される。ここで、同一構造とは、少なくともシール部材(本実施形態においてはUリングシール80)のシール径が同一であることをいう。ボール10において、前述したように上ステム50と下ステム51とは同一径であり、この上ステム50と下ステム51に軸装シール機構20が装着されることでバランス構造に設けられ、このバランス構造により、スラスト荷重が回避される。
バランス構造とは、流体圧が加わった場合でも、ボール10がスラスト方向(ステム軸方向)に移動しようとする荷重を上下対称にすることで相殺する構造をいう。バランス構造は、ボール10と上ステム50、下ステム51とを一体化し、且つ、各ステム50、51にシール部材を装着することで得られる。本実施形態において、シール部材は、Uリングシール80となる。
バランス構造を得るためには、上下ステム50、51のUリングシール80、80のシール径が一致している必要があり、これによりボール10のスラスト方向への移動が阻止される。この場合、ボール10からUリングシール80のシール位置までの距離が上下で一致している必要はない。すなわち、上下のUリングシール80、80のシール径が同一であれば、ボール10からシール位置までが同距離又は異なる距離であっても、バランス構造によりスラスト荷重を相殺可能となる。例えば、上ステム50、下ステム51に段部が形成されていたとしても、上下Uリングシール80、80のシール径が同じであればバランス構造による機能が発揮される。一方、ボール10からUリングシール80の上下のシール位置までが同距離であっても、上下Uリングシール80、80のシール径が異なっていると、バランス構造による機能が発揮されることが難しくなる。
軸装シール機構20、20のうち、下ステム51に装着される軸装シール機構20は、蓋部材2に内挿される。この蓋部材2は、バルブ本体1の内方側(ボール側)が最小径部になるように形成され、この最小径部に軸受11が内挿されている。本実施形態においては、最小径部をボール10の球径よりもやや大きく形成することにより、最小径部に対応する蓋部材2の装入穴23の奥部を介してボール10をバルブ本体1内に内挿するようにしている。
図2において、ボデー3内の装着部21に装着されるシートリテーナ12は、例えばBeCu合金(ベリリウム銅合金)などの銅基合金を母材として形成され、この母材に適宜の熱処理を行うことで、例えばビッカース硬さHv360〜450程度に設けられる。シートリテーナ12を銅基合金で形成した場合には、水素による脆化が防がれる。
シートリテーナ12は、ボール10とシール接続可能に設けられ、ボール10側に対向配置される拡径部90と、この拡径部90よりも縮径した筒状部91とを有している。拡径部90のボール10側との対向面にはシール面92が設けられ、このシール面92には、例えばDLC(ダイヤモンドライクカーボン)によるコーティング層が施される。DLCは、主に炭化水素、或は炭素の同素体からなるアモルファスの硬質膜であり、高硬度であって、潤滑性、耐摩耗性、表面平滑性、化学的安定性などの特性に優れている。DLCを施す際の製法としては、例えば、プラズマCVD法やPVD法などの成膜法がある。
シートリテーナ12の筒状部91の外周には、バネ部材13、バネ押え15、シール部材14、補助リング16が装着され、この状態で装着穴44に装入されることでシートリテーナ12が流路方向に移動可能になっている。
バネ部材13は、例えばSUSにより皿バネ状に設けられ、シートリテーナ12の拡径部90とバネ押え15との間に弾発状態で装着される。これにより、バネ部材13によりシートリテーナ12に対してボール10をシールする側に弾発力が付与される。バネ部材13を皿バネとした場合、適宜のばね係数で形成したものを複数枚使用することにより、小さい設置スペースで高荷重を得ることができ、特にボール弁の流入側と流出側とが低差圧の状態下におけるシール性を向上することが可能になる。バネ部材13は、皿バネに限られることはなく、例えば、図示しないコイルスプリングであってもよい。
バネ押え15は、例えばSUSにより略筒状に形成され、拡径環状部位と、この拡径環状部位よりも縮径した挿入筒部位とを有している。拡径環状部位の内周側には、上記バネ部材13が装着され、挿入筒部位は、装着穴44の縮径側に装着される。
シール部材14は、例えばエチレンプロピレンゴム等のゴム製のOリングよりなり、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)やPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)により形成され、バックアップ用の補助リング16の間に挟まれた状態でバネ押え15により装着穴44の奥側に装着される。この装着構造により、シートリテーナ12外周がシール部材14によりシールされる。
この実施形態においては、ボデー3と蓋部材2とを設け、これらの内部にそれぞれ形成した軸装穴22、32に装着した軸装シール機構20によって上ステム50と下ステム51とを支承する構成であるが、図示しない一体構造のボデー内の上下部に軸装シール機構を配置するようにしてもよい。この場合、上下ステムを一体構造のボデーで支承してボールをボデー内部に高精度に装着できるため、回転防止板材や止部材を不要にしつつ、ボールに対するシートリテーナのずれやボール部材の軸ブレを防ぎながら全体を一体化できる。
図1において、バルブ本体1には、手動ハンドル100が装着される。手動ハンドル100は、上ステム50の上端部に着脱可能に装着可能に設けられ、ボール10回転操作用の把持部101が設けられている。図示しないが、この把持部101の先端側には突設部が設けられている。
図1、図2に示すように、ボデー3上面には複数のストッパ部102が一体に突設形成され、このストッパ部102に回転操作時のハンドル100の突設部が当接可能に設けられる。このようにストッパ部102に突設部が当接することにより、ハンドル100の回転を所定の操作角度に規制可能となる。これによって、ストッパ部102を90°間隔で形成しておけば、ハンドル100を90°回転操作して所定の弁閉又は弁開状態にできる。また、弁開・弁閉用のストッパ部102を複数組設けていることにより、操作方向やバルブ本体1に対する向きを変更しながらハンドル100を取付けできる。
バルブ本体1には、図示しないアクチュエータを搭載して自動でバルブ開閉操作をおこなうこともできる。この場合、図示しないが、アクチュエータが搭載されるボデー3の上面側に、適宜の高さ寸法の円筒部材を載置し、この円筒部材を介してアクチュエータの図示しない出力軸と上ステム50とを接続すればよい。このように、円筒部材を介在させることで、ストッパ部102がアクチュエータ搭載の邪魔になることがなく、かつ、アクチュエータとバルブ本体1に対して所定間隔で搭載することが可能になる。さらに、円筒部材の高さを適宜設定することで、各種の規格に対応したアクチュエータの搭載も可能となる。
次に、本発明における高圧用トラニオン型ボール弁の上記実施形態における作用を説明する。
本発明の高圧用トラニオン型ボール弁は、上下ステム50、51にボール10を中心に対称位置に同一構造の軸装シール機構20を装着し、バランス構造とすることでスラスト荷重を回避していることにより、例えば103MPaの高圧の水素が流れる場合にも、シートリテーナ12に対するボール10のずれを防止してこのボール10とシートリテーナ12との密着による弁座シール性を維持し、シートリテーナ12のボール10に対する自緊力を利用して封止性を高めることができる。このように上下ステム50、51でバランスよく均等にボール10を支えていることで、低トルク性を発揮して操作性が向上する。
ボール10の上下に同一径の上ステム50と下ステム51とをそれぞれ延設してボール部材52を構成し、上下ステム50、51には、ボール10を中心に対称位置になるように同一構造の軸装シール機構20を装着しているため、ボール10に流体圧が負荷されたときの上ステム50、下ステム51に加わるスラスト方向(各ステム50、51の軸心方向)の荷重を同一にさせて相殺できる。このようにバランス構造に設けていることで、スラスト荷重の発生を確実に回避できる。
具体的には、上ステム50と下ステム51とにそれぞれ装着された軸装シール機構20、とりわけUリングシール80の内径を同一寸法に設定している。これにより、上ステム50と下ステム51とにおける軸シール径が同一になり、流体圧によって各ステム50、51がバルブ外方側に受ける力が同一になることでこれらを相殺する。
従って、流体圧を受けてもスラスト荷重の発生を回避してボール10の上下動を防ぎ、シートリテーナ12のシール面92との弁座シール性を維持できる。軸装シール機構20は、ボール10を中心に対称位置に配置しているので、各軸装シール機構20のボール10側に装着する軸受11も、ボール10を中心に対称位置に配置できる。上下ステム50、51は、ボール10側が流体圧によるラジアル方向への変位が大きくなることから、この部位を軸受11で支持することにより、上記の変位が抑制された上下ステム50、51を軸装シール機構20で確実にシールできる。
軸受11は、ボール10を中心に対称位置に同一構造により上ステム50、下ステム51にそれぞれ装着していることにより、ボール10が流体圧によって受ける力を均等に受けている。特に、弁閉状態では、ボール10は、上記流体圧によるラジアル方向(ステムの径方向)の荷重により二次側に移動しようとする。これをボール10に一体に形成した上下ステム50、51を介して各軸受11、11で上下均等に支持するため、バルブを弁閉や弁開操作する際に、特に弁閉位置近傍の操作をスムーズにおこなうことができる。
これによって、ボール10の上下移動を防止でき、このボール10のシートリテーナ12に対するずれを防止する。そのため、ボール10にシートリテーナ12が適切なシール位置により均圧状態で接し、安定した弁座シール性を確保して漏れを防止する。ボール10の回転操作時には、このボール10に対してスラスト荷重による摩擦抵抗力の発生を防いで、シートリテーナ12を介して上下ステム50、51でボール部材52を均等に支えて低トルク性を発揮し、軽い力で開閉操作できるため手動操作も容易となる。このとき、トルクむらも抑えて、略一定の安定した操作トルクで操作可能となる。
ところで、バルブ本体1には、液体を含む混合流体等の非圧縮流体が流体として流れることもある。この場合、軸受11がスラスト方向の力を受けやすくなるが、本実施形態のバルブ本体1は、バルブ内部側のボデー3と蓋部材2とに設けた係合部30、33に、軸受11に設けた係止部61を係止させた状態でこの軸受11のボール10の反対側への移動を防いでいることで、軸受11の軸装シール機構20への押圧による負荷を回避する。これにより、軸装シール機構20の破損や消耗を防止し、高シール性を維持して確実に漏れを防止できる。
しかも、軸受11の外周にはボール10側と軸装シール機構20側とを連通する連通部62を形成していることにより、軸受11が流体圧を受けてバルブ外方側に移動しようとする、いわゆるピストン現象を防止し、ボール10側から軸装シール機構20側までのキャビティ内圧力を均一にすることで、軸受11の上下側の軸装シール機構20のUリングシール80の損傷を回避し、軸装シール機構20のシール性を維持できる。
連通溝62が軸受11の対称位置に2箇所設けられていることにより、何れか一方の連通溝62がごみ等より狭くなったり塞がった場合にも、他方の連通溝62を介して流体が流れることで、キャビティ内の均圧状態を確実に維持できる。
この場合、軸受11は、その内周面に上下ステム50、51外周面が摺動するため、外径側に設けた溝状の連通部62が、軸受11に対するボール10の回転動作に悪影響を及ぼすことはない。
また、上下ステム50、51のボール10近傍位置に鍔部53を設け、この鍔部53により軸受11のボール10側を保持しているため、軸受11のボール10側への飛び出し防ぎつつ、この軸受11によりボール10を挟むように支承できる。このため、軸受11によるシートリテーナ12やボール10への干渉も防止して高シール性を維持できる。
図7においては、本発明の高圧用トラニオン型ボール弁を設けた水素ステーションの一例を示している。この水素ステーションは、本体側を自動車側よりも高圧にし、自動車接続側との差圧のみで水素充填をおこなう、いわゆる差圧充填式であるが、これ以外にも、蓄圧することなく圧縮機から自動車に直接水素を充填する、いわゆる直充填式の水素ステーションに本発明の高圧用トラニオン型ボール弁を設けることもできる(図示せず)。
図の水素ステーションに対して、前述したバルブ本体1が接続され、このバルブ本体1は、例えば、水素ステーションの高圧水素の供給ラインや後述の圧縮機111内部の図示しない非圧縮流体の供給ラインなどに用いられる。
水素ステーションは、蓄圧器110、圧縮機111、ディスペンサ112、プレクール熱交換器113、迅速継手114、充填ホース115、充填ノズル116、車載タンク117を有し、これらは高圧水素の供給ライン122としてシステムを構成している。
本発明の高圧用トラニオン型ボール弁は、圧力損失が小さいため、圧縮機111内部の非圧縮性流体の供給ラインのほか、蓄圧器110の二次側に設けたり、その他の供給ラインに設けることによって、システム全体の圧力損失が小さくなることで図7のシステムに好適となる。本発明の高圧用トラニオン型ボール弁は、特に、非圧縮性流体を流したときに生じ易かった軸受11の移動を防止し、これにより軸装シール機構20への押圧による負荷を回避できるので、非圧縮性流体が用いられる圧縮機111内部のバルブに極めて好適であるほか、高圧水素ガスの供給ラインにおいても高い効果を発揮する。
図に示すように、水素ステーションの各ユニットの接続部位に手動弁120を設け、各ユニットの一次側又は二次側に適宜に自動弁121を設けて開閉制御している。
蓄圧器110の内部は、複数のタンクに分かれており、それぞれのタンクと圧縮機111とを接続するバルブ120、及びそれぞれのタンクとディスペンサ112とを接続するバルブ120を適宜切り替えることにより、所定圧に至ったタンクから水素をディスペンサ112に供給する一方、所定の下限値圧を下回ったタンクには、圧縮機111から水素を前記所定圧に至るまで充填する。
図の水素ステーションのブロック図の供給ライン122に示したように、所定のプログラムによってシステムにおける水素供給を制御したり、車両供給量に応じて適宜に水素を供給制御可能になる。
本発明は、特に、燃料電池で使用される高圧流体の水素等が流れる水素ステーションなどの配管設備に好適であるが、高圧流体が流れる管路であれば優れたシール性とトルク性とを発揮でき、例えば、CNG(Compressed Natural Gas:圧縮天然ガス)ステーションにおけるバルブや、或は、パイプライン用バルブなどの各種の高圧流体の流れる場所で使用される高圧用ボール弁として適している。
1 バルブ本体
2 蓋部材
3 ボデー
10 ボール
11 軸受
12 シートリテーナ
13 バネ部材
14 シール部材
20 軸装シール機構
30、33 係合部
50 上ステム
51 下ステム
52 ボール部材
53 鍔部
61 係止部
62 連通溝(連通部)
75 連通孔(連通部)
122 供給ライン

Claims (5)

  1. 蓋部材を有するボデー内に回転自在に設けたボールと、このボールとシール接続するシートリテーナと、このシートリテーナをシール側に弾発力を付与するバネ部材と、前記シートリテーナの外周面に装着したシール部材を有するトラニオン型ボール弁であって、前記ボールの上下に同一径の上ステムと下ステムがそれぞれ延設された状態でボール部材が構成され、この上下ステムには、前記ボールを中心に対称位置に同一構造の軸装シール機構と軸受が装着されてバランス構造とすることによりスラスト荷重が回避され、バルブ内部側に設けられた係合部に前記軸受に設けられた係止部が係止された状態で当該軸受の前記ボールの反対側への移動が防がれ前記軸受又はボデー側には前記ボール側と前記軸装シール機構側とが連通される連通部が設けられていると共に、前記上下ステムのボール近傍位置に鍔部が設けられ、この鍔部で前記軸受のボール側が保持され、前記軸受の全長が前記鍔部上面から前記軸装シール機構までの距離よりも短く、かつ、前記係止部の長さが前記鍔部から前記係合部までの距離よりも短く設けられていることを特徴とする高圧用トラニオン型ボール弁。
  2. 前記ボデーと前記蓋部材に略環状の係合部が設けられ、この係合部に前記軸受に鍔状に形成された前記係止部が係止された請求項1に記載の高圧用トラニオン型ボール弁。
  3. 前記係止部の外周と前記ボデーの内周との間に隙間が設けられ、この隙間により前記ボデーから前記係止部へのラジアル荷重の伝達が回避されている請求項1又は2に記載の高圧用トラニオン型ボール弁。
  4. 前記連通部は、前記軸受の外周に形成された連通溝、又は前記軸受の外周面に貫通される連通孔とした請求項1乃至3の何れか1項に記載の高圧用トラニオン型ボール弁。
  5. 高圧水素の供給ラインに請求項1乃至の何れか1項に記載された高圧用トラニオン型ボール弁が用いられた状態で構成されていることを特徴とする水素ステーション。
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