JP7213033B2 - 高圧用トラニオン型ボール弁及びこれを用いた水素ステーション - Google Patents

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Description

本発明は、ボール弁に関し、特に、水素等の高圧流体が流れる水素ステーションなどの設備に好適な高圧用トラニオン型ボール弁及びこれを用いた水素ステーションに関する。
例えば、燃料電池自動車用水素ステーション等の配管設備では、高圧流体の水素が使用され、この水素は約98MPaの高圧に達することもある。そのため、この種の高圧流体が流れる配管設備では、高圧流体の漏れを確実に防ぎつつ流路を開閉するために、高圧用トラニオン型バルブが用いられることが多い。
このような配管設備で用いられる高圧流体用のトラニオン型ボール弁として、例えば、図4に示す構造のボールバルブ1が一般に知られ、本出願人においても特許文献1の高圧用トラニオン型バルブを出願している。このようなボールバルブでは、図4において、弁座シール性を確保しつつボール弁体の回動により流路を開閉するために、シール用シートリテーナ部材3が複数の皿バネ4により強い力でボール弁体2に押圧シールされている。これに対して、低トルクでボール弁体2を回動させて操作性を向上しつつ、軸封性も確保して駆動操作側への高圧流体の外部漏れを防止することが要求されている。
そのため、図4のボールバルブでは、ステム部5に形成した凹状の平行二面溝6(又は凸状の平行二面突部)と、ボール弁体2に形成した凸状の平行二面突部7(又は凹状の平行二面溝)とが凹凸嵌合され、これらの嵌合を介してステム部5の回転がボール弁体2に伝達される。
そして、ステム部5の回転時のトルクを軽減するために、このステム部5におけるボール弁体2側による嵌合部位である拡径部8の上面に、図4のボール弁では2枚の円板状のスラストワッシャ9、一方、特許文献1では1つのスラストベアリングがそれぞれ軸受部材として装着され、これらによりスラスト荷重を抑えるようになっている。
さらに、ステム部5の軸封性を確保するために、ステム軸装方向において、軸受部材9よりも上側となる位置にステムシール用シール部材10が装着されている。
これらのバルブを配管設備に設ける際には、高頻度で開閉動作をおこなって水素を供給・停止可能にするために、図4におけるアクチュエータ11が搭載されていることが多い。アクチュエータ11等の駆動によりバルブを安定して動作させるためには、弁体開閉時の動作トルクが安定していることが望ましく、そのためには軸受部材9を介して安定したステム部5の動作が必要になる。
特開2017-116105号公報
しかしながら、図4や特許文献1のボールバルブの場合、図4のステム部5の軸装方向において、ボール弁体2とシール部材10との間にスラストワッシャ(軸受部材)9が装着されているため、この軸受部材9が流路12側からキャビティ部13に流れ込む水素の接触領域に位置し、この水素にさらされた状態になって水素による悪影響を受けやすくなる。これにより軸受部材9が劣化してその摺動抵抗が増加し、ステム部5回転時の動作トルクが増大するおそれがある。
これに対して、軸受部材の水素に対する耐性を向上させるために、水素に耐え得るステンレス等の材質により設けられた玉軸受を軸受部材として使用することが考えられる。しかし、この玉軸受は、一般に流通していないことから入手が困難であり、経済性も悪い。一方、軸受部材を一般に使用される玉軸受とし、この玉軸受にグリース等の潤滑剤を塗布して摺動性の低下を抑える場合があるが、この場合、軸受部材が水素に接する位置に配置されていることで、潤滑剤の不純物が水素に混入する可能性が生じる。
図4の場合、表面が耐水素性を有するフッ素樹脂でコーティングされた無潤滑のスラストワッシャ9が用いられ、このスラストワッシャ9が2枚重ねされてスラストベアリングの機能が発揮されている。しかし、このように樹脂材料等でコーティングした軸受部材9を用いた場合、バルブの動作回数の増加に伴ってコーティング部の摩耗が激しくなり、その結果、ステム部5との摺動抵抗が徐々に増大して十分なトルク軽減機能を発揮できなくなる場合がある。
本発明は、上記の課題点を解決するために開発したものであり、その目的とするところは、特に高圧流体に適しており、弁体操作時のスラスト荷重を抑えた状態でバルブを開閉して高圧流体を流すことができ、バルブの回転動作回数が増加した場合にも、低トルク性を維持して操作性を確保した高圧用トラニオン型ボール弁並びに水素ステーションを提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、両側にシートリテーナが接続された状態でボデー内に回転自在に設けられたボールと、このボールに接続されて回転力を伝達するステムとを有するトラニオン型ボール弁であって、ステムの外周に設けた環状鍔部の上面にスラストベアリングを載置し、かつ、環状鍔部の下面に隙間を形成した状態で、ステムの収容部を閉じるグランドでスラストベアリングがボデー内に固定され、環状鍔部がスラスト方向においてスラストベアリングに接触した状態でステムの回転が伝達されると共に、スラストベアリングの上流側にステムの軸回りに流体漏れ防止用の軸封部が装着されて高圧流体を封止し、スラストベアリングをボデー内に流れる水素を含有する高圧流体に接触しない非接触領域に配置した高圧用トラニオン型ボール弁である。
請求項2に係る発明は、スラストベアリングは玉軸受よりなり、この玉軸受が、ステム回りに設けられた流体漏れ封止用の軸封部よりも上側に配置されている高圧用トラニオン型ボール弁である。
請求項3に係る発明は、高圧水素の供給ラインに高圧用トラニオン型ボール弁が用いられている水素ステーションである。
請求項1に係る発明によると、特に水素を含有する高圧流体に適しており、ステムにスラストベアリングを装着することでバルブ開閉時のスラスト荷重を抑えた状態で、バルブを開閉して高圧流体を流すことができる。この場合、流体漏れ防止用の軸封部により高圧流体を封止し、スラストベアリングを流体の非接触領域に配置していることにより、水素等の高圧流体のスラストベアリングへの接触を回避し、このスラストベアリングにコーティングを施すことなく、汎用の玉軸受をスラストベアリングとして利用できる。しかも、環状鍔部の下面に隙間を形成した状態で、この環状鍔部がスラスト方向においてスラストベアリングに接触した状態でステムの回転を伝達しているので、ステムを高効率で回転してステム回転時のトルクを低く抑えて操作性を向上でき、バルブの回転動作回数が増加した場合にもその摺動性を維持し、ステム回転時の低トルク性と軸封性とを確保して操作性を向上できる。グランドでスラストベアリングをボデー内に固定しているので、スラストベアリングの位置ずれを防止し、このスラストベアリングによるステム回転時のトルク軽減機能を発揮できる。
請求項2に係る発明によると、スラストベアリングを玉軸受とすることで汎用の玉軸受を用いることができ、この玉軸受にグリース等の潤滑剤を塗布して摺動性を高めてステム回転時のトルクを軽減し、ステムトルクの増加も回避した状態で安定した開閉動作を継続できる。玉軸受をステムの軸封部よりも上側に配置したことで、この軸封部によりステムの軸封性を確保して上側への流体漏れを阻止し、玉軸受への流体の接触を防ぐことにより流体への潤滑剤の混入を回避する。
請求項3に係る発明によると、特に高圧流体に適し、高圧下においても軸装部分の密封性を維持しながら、ステムへのスラスト荷重を抑えて低トルク性を実現し、略一定の安定した操作トルクにより開閉操作可能な高圧用トラニオンボール弁を備え、このボール弁により高圧流体の漏れを確実に防止しつつ、優れたトルク性により自動や手動で弁体を操作して所定量の水素を供給又は停止できる。



本発明の高圧用トラニオン型ボール弁の一実施形態を示した斜視図である。 図1の高圧用トラニオン型ボール弁の拡大縦断面図である。 水素ステーションを示したブロック図である。 従来の高圧流体用のトラニオン型ボール弁を示した縦断面図である。
以下に、本発明における高圧用トラニオン型ボール弁の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1においては、本発明の高圧用トラニオン型ボール弁の実施形態における斜視図、図2においては、図1の拡大縦断面図を示している。
図1、図2において、本発明におけるボール弁(以下、弁本体20という)は、特に、水素を含有する高圧流体を流す場合に好適な高圧用トラニオン型ボール弁からなっている。弁本体20は、ボデー21、ボール22、ステム23、スラストベアリング24、ジョイント25、ホルダ26、軸封部27、グランド28、キャップ部材29、シートリテーナ30、カバー31を有し、ボール22の両側にシートリテーナ30がシール接続された状態でこのボール22がボデー21内に回転自在に設けられ、このボール22にステム23がジョイント25を介して接続されて回転力を伝達するように設けられる。
本実施形態における高圧とは、例えば、21MPa程度の高圧や、或は35MPa以上の高圧であり、水素ステーションの配管設備用バルブとして用いる場合には、70~105MPa、具体的には、98MPa程度の高圧を想定している。
弁本体20のボデー21は、例えばステンレス鋼(SUS)により形成され、このボデー21の内部には、ボール22並びにステム23が軸装される方向(図2における鉛直方向)に収容部40が形成される。収容部40における底部側は縮径状に設けられ、ボール22と、このボール22に形成された後述の上ステム22a、下ステム22b付近が収容される小径収容部41が設けられる。収容部40の小径収容部41よりも上方には、やや拡径した中径収容部42が設けられ、さらにこの中径収容部42の上方には、さらに拡径した大径収容部43が設けられ、この大径収容部43の内部には雌螺子44が形成されている。
ボデー21の両側には、収容部40と直交する方向(図2における水平方向)に、ボデー内部に連通するめねじ部45が形成される。
ボール22は、SUSなどのステンレス鋼により形成され、このボール22の上下位置には同一径の上ステム22a、下ステム22bがそれぞれ形成され、さらに上ステム22aの上部には、凸状の平行二面構造を有する二面突部50が形成される。ボール22内部には、流体流路である貫通穴51が形成され、この貫通穴51と直交する向きに上ステム22a内部に連通孔52が形成される。連通孔52は、貫通穴51から上ステム22aの上面に連通するように形成され、この連通孔52を介して弁開時のキャビティCa内の圧力を貫通穴51側に抜くことが可能になっている。
ボール22は、上ステム22a、下ステム22bの外周にラジアル軸受53、53がそれぞれ装着された状態で小径収容部41内に回転自在に収容され、この状態で二面突部50を介してステム23に接続されて回転操作されることでバルブが開閉可能に設けられている。
ボール22に接続されるステム23は、SUSなどのステンレス鋼により形成され、その中間付近の外周に拡径状の環状鍔部60が形成される。鍔部60は、後述するスラストベアリング24の外径と略同径の外径に形成され、この鍔部60の上面61にスラストベアリング24が載置状態で装着される。ステム23の外径は、前述のボールの上ステム22aの外径と略同じに設けられる。
ステム23の下部には、ボール22の上ステム22aと同様に、凸状の平行二面構造を有する二面突部62が形成され、この二面突部62に対してジョイント25が接続可能に設けられる。ステム23の上部には、図示しないアクチュエータ或は手動ハンドルが接続される。
ジョイント25は、中径収容部42内に挿入可能な外径の略円筒状に設けられ、その中央部には、凹状の平行二面構造を有する上部の二面穴部63、下部の二面穴部64が連通して形成される。上部の二面穴部63は、ステム23の二面突部62が嵌合可能な大きさに形成され、一方、下部の二面穴部64は、ボール22の二面突部50が嵌合可能な大きさに形成される。
このジョイント25は、中径収容部42と小径収容部41との間に形成される環状段部面65を介して小径収容部41への移動が規制された状態で装着され、上述したように下部の二面穴部64に二面突部50、上部の二面穴部63に二面突部62がそれぞれ挿し込まれる。これにより、ジョイント25を介してボール22とステム23とが同軸に接続され、ボール22の上部にステム23が配置された状態でこれらが収容部40に収容される。このとき、ジョイント25の下面が環状段部面65、上面が後述のホルダ26側にそれぞれ接触しないように、これらの間にそれぞれ隙間G1、G2が設けられ、さらに、ジョイント25外周面と中径収容部42内周との接触を防ぐために、これらの間に隙間G3が設けられている。
上記ジョイント25を設けることにより、アクチュエータ或は手動ハンドルによりステム23を軸線回りに回転させたときに、このステム23の回転がジョイント25からボール22に伝達され、ボール22がステム23と一体に回転するようになっている。
スラストベアリング24は玉軸受よりなり、この玉軸受24を介してボール22側からのスラスト荷重が鍔部60に伝わってステム23操作時の回転トルクが低減される。この場合、ステム23は、鍔部60の上面61側のみがスラスト方向において玉軸受24に接触した状態で装着され、鍔部60の下面とホルダ26上面との間には隙間G4が設けられる。これにより、鍔部60がホルダ26に非接触の状態で玉軸受24を介してステム23側の回転が伝達される。
ジョイント25の上方外周には、上部に拡径環状部70を有する略円筒状のホルダ26が配置され、このホルダ26は、拡径環状部70の底面側が大径収容部43と中径収容部42との間の環状段部面71に載置されて位置決めされている。
ホルダ26の内周面とステム23外周面との間には、環状の保持リング72を介してパッキン75が装着される。
パッキン75は、いわゆるUリングシール(リップパッキン)からなり、ポリエチレン製のシール部位と、このシール部位に内装されるスプリングよりなる芯金とを有し、その内径がステム23の外径よりもやや小さく、外径がホルダ26の内径よりもやや大きくなるように設けられる。
パッキン75は、汎用のUリングシールを用いることができ、シール部位の外周がリップ部となって、このリップ部が流体圧により広がってステム23とホルダ23との間をシールするようになっている。このため、Oリングのように押圧力を加えてシール力を発揮するシール部材に比較してシール領域を小さくし、ステム23回転時の摺動抵抗を抑えることが可能になっている。
上記のパッキン75と保持リング72とにより、ステム23回りに流体漏れ防止用の軸封部27が構成され、この軸封部27により、ステム23の軸回りで高圧流体が確実に封止される。
一方、ホルダ26の下部外周面と中径収容部42との間には、環状のシール部材76と、このシール部材76を保持する保持用リング77とが装着され、これによりホルダ26外周側において高圧流体が封止される。
軸封部27を構成する各部品、及びシール部材76や保持用リング77は、例えば、耐水素性を有する樹脂材料により形成され、これらによりステム回り並びにホルダ回りよりも上部への高圧流体の流出を防ぎつつ、キャビティCa内に浸入した流体への不純物の混入を防いでいる。
前述したステム23の鍔部60は、上記の軸封部27よりも上側に設けられ、これにより、鍔部60に載置される玉軸受(スラストベアリング)24も、軸封部27よりも上側に配置されている。
このことから、玉軸受24は、軸封部27を介してボデー21内を流れる水素を含有する流体に対して非接触領域Rに配置されている。
グランド28は、ステンレス鋼(SUS)により略筒状に形成され、その外周には大径収容部43の雌螺子44に螺合する雄螺子80が形成される。グランド28内部の上部側には縮径状の収納凹部81が形成され、この収納凹部81の下部側には、より拡径した環状の嵌合凹部82が形成されている。
グランド28は、雄螺子80と雌螺子44との螺合により、大径収容部43内に形成された締付穴部28aを介して図示しない所定工具でねじ込まれて、収容部40が閉じられた状態でボデー21に固着される。このとき、収納凹部81には、鍔部60とこの鍔部60に載置された状態の玉軸受24が収納され、嵌合凹部82にはホルダ26の拡径環状部70が嵌合状態で挿入される。
このようにしてグランド28が玉軸受24の上からボデー21に装着されると、玉軸受24並びにホルダ26がそれぞれグランド28上部に形成された縮径鍔部83により押さえ付けられ、玉軸受24がこの縮径鍔部83と鍔部上面61との間に位置決めされた状態でボデー21内の軸装方向に固定される。
グランド28とボデー21との上面側には、枠状に形成されたカバー31が設けられ、このカバー31によりこれら上部が被覆される。カバー31は、ネジ84によりボデー21に取付けられ、これによりグランド28が所定箇所に位置決めされつつ、その抜け出しが防止される。
前述したボデー21の両側には、キャップ部材29が装着される。キャップ部材29は、SUSなどのステンレス鋼により略円筒状に形成され、その中央にはシートリテーナ30装着用の装着穴90が形成される。キャップ部材29の外周にはめねじ部45に螺着可能なおねじ部91が形成され、これらおねじ部91とめねじ部45との螺着を介して各キャップ部材29、29がボデー21に固着される。この場合、キャップ部材29の先端側とボデー21の被挿入側との間には環状のガスケット92が装着され、このガスケット92によりボデー21と各キャップ部材29、29との間がシールされて流体の漏れが防がれている。
キャップ部材29の装着穴90には、皿ばねよりなる複数のばね部材93、ゴム製のOリング94、Oリング94保持用として両側に設けられるスペーサリング95を介して、シートリテーナ30が装着される。キャップ部材29のシートリテーナ30装着側との他方側には接続部96が設けられ、この接続部96に図示しない外部の継手が接続可能になっている。キャップ部材29は、接着や溶着等によりボデー21に一体化されていてもよい。
シートリテーナ30は、ベリリウム銅などの銅合金により形成され、ボール22側に配置される拡径部100と、この拡径部100よりも縮径した筒状部101とを有している。拡径部100のボール22との対向側にはシール面102が設けられ、このシール面102には適宜のコーティング層が施され、ボール22とのシール性が高められている。シートリテーナ30は、筒状部101の外周に上記したばね部材93、Oリング94、スペーサリング95が装着された状態で、キャップ部材29が固着されたボデー21内に取付けられ、Oリング94により筒状部101の外周がシールされつつ、ばね部材93によりボール22方向に弾発されてシール接続される。
上述した弁本体20の内部構造により、ステム23を回転操作したときには、このステム23の回転に伴ってジョイント25を介してボール22が一体に回転してバルブ開閉可能となる。このとき、グランド28がボデー21に螺着され、このグランド28の嵌合凹部82に拡径環状部70を介してホルダ26が固定されていることより、これらグランド28とホルダ26とが、ステム23と共に回転することはない。
ステム23の装着後には、前述したように、ジョイント25下面と環状段部面65との間に隙間G1、ジョイント25上面とホルダ26側との間に隙間G2、ジョイント25外周面と中径収容部42との間に隙間G3がそれぞれ設けられ、これに加えて、鍔部60の下面とホルダ26上面との間にも隙間G4が設けられる。
これらのことから、ステム23及びジョイント25の回転時において、これらがスラスト方向で接触している部分は、鍔部上面61と玉軸受24との接触面のみとなる。この場合、玉軸受24は、上下面に接している部材を相対的に回転させる機能を有していることから、ステム23が回転するときの回転力が、グランド28に伝達されることが防止される。これにより、ステム23及びこのステム23と共に回転するジョイント25は、それぞれの上下に位置する部品に対して、その対向面の摺動が防がれてスラスト荷重が最小限に抑えられる。
なお、上記実施形態において、非接触領域Rは必ずしも軸封部27の上側に設けられることでなされている必要はなく、高圧流体の接触を回避する位置であれば、ボデー21内の別の位置に設けることもできる。
ここで、図2に示した本実施形態における弁本体20の供試品、図4の従来のボールバルブ1の比較品について、それぞれのステム部5、ステム23を繰り返し開閉操作し、この開閉回数に対するステム回動トルクTの変化を測定する実験を実施した。このステム開閉トルク実験の測定結果を表1に示す。
Figure 0007213033000001
ステム開閉回数が2000回程度になったときに、比較品に異音が発生した。これは、この段階で既に比較品の軸受部材9に摩耗が発生していたためと考えられる。さらに5000回まで開閉を繰り返したときには、トルク上昇が激しくなったため、そこで比較品については試験を中止した。
一方、供試品については、ステム開閉回数が5000回に達したときにも変化はみられなかったため、引き続きステム開閉を繰り返し、ステム開閉回数が40000回に達するまで実施した。
表1の結果より、供試品と比較品とにおいて、ステム23の開閉回数に対するステム開閉トルクTの変化を比較すると、初期状態のステム開閉トルクTについては、比較品が3.2N・m、供試品が3.0N・mとなり、双方でほぼ同等となった。
しかし、比較品のステム開閉回数が5000回に達すると、ステム開閉トルクTが9.5N・mまで増加していることに対して、供試品では、ステム開閉回数が40000回に達したときにも、ステム開閉トルクTが初期状態と同じ3.0N・mに抑えられた。
これらの結果より、供試品は、比較品に比べてステムを繰り返し開閉操作した場合でも、玉軸受(スラストベアリング)24の劣化を抑えることができ、この玉軸受24による摺動性を長期に渡って維持して低トルク性を維持できることが確認された。
次に、本発明における高圧用トラニオン型ボール弁の上記実施形態における作用を説明する。
本発明の弁本体20は、ボール22に接続されるステム23に回転トルクを低減するスラストベアリング24を装着し、このスラストベアリング24をボデー21内を流れる水素を含有する高圧流体に対して非接触領域Rに配置しているので、スラストベアリング24がキャビティCa内の水素にさらされることがない。そのため、軸受として、水素に対する耐性を有する特殊な材質のスラストベアリング、或は耐水素性の樹脂などでコーティングされたスラストベアリングを使用することなく、汎用の玉軸受をスラストベアリング24として利用してステム23操作時の摺動性を発揮できる。
この場合、玉軸受24を軸封部27よりも上側に配置していることにより、玉軸受24にグリース等の潤滑剤を塗布することで、玉軸受24の劣化を抑えて摺動性を維持し、ステム回転時のトルクを低く抑えて操作性を向上できる。
しかも、軸封部27に、Uリングシールからなるパッキン75を設けていることにより、このUリングシール75に水素の圧力が加わった際に、この高圧力で内外周側のシール部位がそれぞれ内径及び外径側に広がってステム23及びホルダ26をシールする。このため、ステム23軸回りから上側への流体漏れを確実に防止し、玉軸受24に塗布された潤滑剤の水素への混入を防いでいる。
ステム23の環状鍔部60のみをスラスト方向において玉軸受24に接触させた状態で、この玉軸受24を介してステム23の回転を伝達しているので、ステム23のスラスト荷重が他の部品に働くことを阻止できる。このため、玉軸受24による高い摺動性を確保し、低トルク性を発揮した状態でステム23からの回転をボール22に伝達可能になる。
図3においては、本発明の高圧用トラニオン型ボール弁が用いられた水素ステーションの一例を示している。
水素ステーションは、例えば、蓄圧器110、圧縮機111、ディスペンサ112、プレクール熱交換器113、迅速継手114、充填ホース115、充填ノズル116、車載タンク117を有し、これらを用いて高圧水素の供給ライン122が構成される。この水素ステーションに対して、図2の弁本体20を用いることが可能になっている。
この場合、弁本体20は圧力損失が小さい特性を有していることから、特に、供給ライン122のうちの圧縮機111内部の非圧縮流体の供給ライン、蓄圧器110の二次側などに設けるようにするとよく、これらの供給ラインに弁本体20を設けることで、全体の圧力損失を抑えることが可能となる。
弁本体20を設ける場合、手動操作用の手動弁120、或は自動操作用の自動弁121として供給ライン122の適宜位置に配設され、これら手動弁120又は自動弁121を手動或は自動で開閉制御して水素を供給或は停止することが可能になる。
これにより、供給ライン122において、車載タンク117への水素供給量などに応じて所定のプログラムで弁本体20を開閉し、適宜量の水素の供給或は停止の制御が可能になる。
例えば、供給ライン122における蓄圧器110、圧縮機111、ディスペンサ112付近の水素の供給や停止を制御する際には、蓄圧器110の内部が複数のタンクに分かれていることから、各タンクの切り替えが必要になる。この場合、蓄圧器110内の各タンク、圧縮機111、ディスペンサ112の流路の間に手動弁120、自動弁121を適宜配設する。
そして、これら手動弁120、自動弁121の開閉制御により、蓄圧器110内のタンクに圧縮機111から水素を所定圧力に達するまで充填し、所定圧力に達したタンクからディスペンサ112に供給するように適宜切替えるようにすればよい。
上記のように水素ステーションの供給ライン122に本発明の弁本体20を設けることにより、この弁本体20を繰り返し手動或は自動により操作し、供給ライン122の流路を開閉して高圧水素を供給・停止したとしても、弁本体20内の玉軸受24への高圧水素の接触を防いでスラストベアリングとしての機能を維持し、安定した低トルク性により優れた操作性を発揮して所定量の水素を正確に供給可能となる。この場合、軸封部27により弁本体20からの水素の外部漏れを確実に防止しているため安全に使用できる。
なお、図の水素ステーションは、本体側を自動車側よりも高圧にし、自動車接続側との差圧のみで水素充填をおこなう、いわゆる差圧充填式であるが、これ以外にも、蓄圧することなく圧縮機から自動車に直接水素を充填する、いわゆる直充填式の水素ステーションを設け、この水素ステーションに弁本体を用いることもできる(図示せず)。
本発明は、特に、燃料電池で使用される高圧流体の水素等が流れる水素ステーションなどの配管設備に好適であるが、高圧流体が流れる管路であれば優れたシール性とトルク性とを発揮でき、例えば、CNG(Compressed Natural Gas:圧縮天然ガス)ステーションにおけるバルブや、或は、パイプライン用バルブなどの各種の高圧流体の流れる場所で使用される高圧用ボール弁としても適している。
20 弁本体
21 ボデー
22 ボール
23 ステム
24 玉軸受(スラストベアリング)
27 軸封部
28 グランド
30 シートリテーナ
40 収容部
60 環状鍔部
122 供給ライン
R 非接触領域

Claims (3)

  1. 両側にシートリテーナが接続された状態でボデー内に回転自在に設けられたボールと、このボールに接続されて回転力を伝達するステムとを有するトラニオン型ボール弁であって、前記ステムの外周に設けた環状鍔部の上面にスラストベアリングを載置し、かつ、前記環状鍔部の下面に隙間を形成した状態で、前記ステムの収容部を閉じるグランドで前記スラストベアリングが前記ボデー内に固定され、前記環状鍔部がスラスト方向において前記スラストベアリングに接触した状態で前記ステムの回転が伝達されると共に、前記スラストベアリングの上流側に前記ステムの軸回りに流体漏れ防止用の軸封部が装着されて高圧流体を封止し、前記スラストベアリングを前記ボデー内に流れる水素を含有する高圧流体に接触しない非接触領域に配置したことを特徴とする高圧用トラニオン型ボール弁。
  2. 前記スラストベアリングは玉軸受よりなり、この玉軸受が、前記ステム回りに設けられた流体漏れ封止用の軸封部よりも上側に配置されている請求項1に記載の高圧用トラニオン型ボール弁。
  3. 高圧水素の供給ラインに請求項1又は2に記載の高圧用トラニオン型ボール弁が用いられていることを特徴とする水素ステーション。
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