JP2001041096A - 燃料噴射ノズル - Google Patents

燃料噴射ノズル

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JP2001041096A JP11209372A JP20937299A JP2001041096A JP 2001041096 A JP2001041096 A JP 2001041096A JP 11209372 A JP11209372 A JP 11209372A JP 20937299 A JP20937299 A JP 20937299A JP 2001041096 A JP2001041096 A JP 2001041096A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、燃焼室の燃焼温度を検出するに当っ
ての応答性および感度を十分に確保でき、燃焼状態の検
出を精度良く行えるとともに、構造簡単で性能劣化も少
なく、かつ安価な燃料噴射ノズルを得ることにある。 【解決手段】燃焼噴射ノズル15は、燃焼室4に臨むノズ
ルボデー18の先端部21に、燃焼温度に応じた熱起電力を
発生させる電極33を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディーゼルエンジ
ンに用いられる燃料噴射ノズルに係り、特にそのノズル
ボデーを利用して失火を含む異常燃焼を検出するための
構造に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ディーゼルエンジンの排ガス規制
に対応するため、排ガスを取り扱う装置に自己診断機能
を付与することが求められており、この診断項目の一つ
にエンジンの失火検出が含まれている。
【0003】この失火を検出する装置として、従来、
「特開昭57−79226号公報」に見られるように、
燃焼室から排出される燃焼ガスの温度を常時監視し、こ
の燃焼ガスの温度に基づいて失火を含む異常燃焼の有無
を検出するようにしたものが知られている。この従来の
検出装置では、燃焼室に連なる排気ポートと排気管との
接続部に温度センサが取り付けられている。温度センサ
は、燃焼ガスの排気経路に露出された感温部を有し、こ
の感温部で燃焼室から排出される燃焼ガスの温度を直接
検知することにより、エンジンに失火が生じたか否かに
ついての検出を行っている。
【0004】また、その他の従来例として、例えば「特
開平5−306664号公報」に示されるように、燃焼
室に装着される燃料噴射ノズルを利用して異常燃焼を検
知するようにしたものが知られている。
【0005】この従来の燃料噴射ノズルは、燃焼室に臨
むノズルボデーを有し、このノズルボデーの内部にニー
ドルと一体に移動する磁石と、この磁石と向かい合うサ
ーチコイルとが収容されている。磁石は、その温度が予
め設定されたキューリー点に達した時に、磁束密度が急
激に低下するような特性を有しており、これにより磁石
とサーチコイルとの間に生じる隙間の大小に拘わらず、
磁石とサーチコイルとの間に形成される磁気回路が遮断
されるようになっている。
【0006】したがって、異常燃焼が生じて燃焼室に臨
むノズルボデーが高温に過熱されると、この熱がノズル
ボデーを介して磁石に伝わり、この磁石の温度がキュー
リー点を上回る。これにより、サーチコイルとの間の磁
気回路が遮断されて、このサーチコイルの出力電圧が予
め設定された基準電圧に到達することができなくなり、
この出力電圧の低下に基づいて異常燃焼の発生を検出す
るようになっている。
【0007】なお、この他の例として、従来、燃焼時に
発生するイオンの流れを測定することにより、エンジン
の失火やノックを検出するようにした点火システムが提
案されている。例えばSAEペーパ1999-01-0204において
は、噴射装置の誘導コイルによって燃焼時のイオンの流
れを検出し、エンジン運転中に失火が生じたか否かにつ
いての検出を行っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、燃焼室から
排出される燃焼ガスの温度に基づいて失火を検出する従
来の検出装置では、各気筒の排気経路に温度センサを設
置しているので、気筒数に対応した数の温度センサが必
要となる。このため、気筒数が多くなる程、数多くの温
度センサを準備しなくてはならず、部品点数が多くな
る。
【0009】しかも、温度センサは、排気管又はシリン
ダヘッドに形成した取付孔に組み付けられているので、
これら排気管やシリンダヘッドに専用の取付孔を開けた
り、これら取付孔に温度センサを一つ一つ組み付けてい
く作業を必要とする。このため、気筒数が多くなる程、
排気管やシリンダヘッドに対する加工工数および温度セ
ンサの組み付け工数が増大し、上記部品点数が増大する
ことと合わせて、製造コストが高くなるといった問題が
ある。
【0010】これに対し、燃料噴射ノズルを利用して燃
焼ガスの温度を検出すれば、専用の温度センサやその取
り付け構造が不要となり、コスト的な面で有利な構成と
なる。
【0011】しかしながら、上記従来の燃焼噴射ノズル
では、燃焼ガスの温度をノズルボデーからニードル、ピ
ンおよび接着剤を介して間接的に磁石に伝えることによ
り異常燃焼を検出しているので、この燃焼ガスの温度を
直接検出することができない。このため、燃焼ガスの温
度変化に対する応答性の面で問題があり、燃料噴射ノズ
ルが過度に加熱された状態が継続するような異常燃焼の
検出は可能であるが、失火のような短期的な異常燃焼を
精度良く検出することはできない。
【0012】また、燃焼時に発生するイオンの流れから
失火を検出すれば、格別な温度検出手段を不要としつ
つ、応答性も確保することができる。しかしながら、燃
焼時に発生するイオンが非常に微弱であるために、イオ
ンの流れが少ない低負荷運転域での検出感度が非常に悪
くなる。このため、特に燃焼状態が不安定となる低負荷
運転域において、失火検出の信頼性が低下するといった
問題が生じてくる。
【0013】本発明は、このような事情にもとづいてな
されたもので、燃焼室の燃焼温度を検出するに当っての
応答性および感度を十分に確保でき、失火を含む異常燃
焼の検出を精度良く行えるとともに、構造簡単で性能劣
化も少なく、かつ安価な燃料噴射ノズルの提供を目的と
する。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る燃料噴射ノズルは、燃焼室に臨むノズ
ルボデーの先端部に、燃焼温度に応じた熱起電力を発生
させる金属素子を備えていることを特徴としている。
【0015】このような構成において、燃焼室への燃料
噴射に引き続いてこの燃焼室内で燃焼が開始されると、
燃焼室に臨むノズルボデーの先端部とここに設置された
金属素子とが加熱される。この加熱により、金属素子と
ノズルボデーとの間に燃焼温度に相当する熱起電力が生
じ、この熱起電力の大きさに基づいて燃焼状態に異常が
あるか否かを検出することができる。
【0016】この際、上記金属素子は燃焼室に臨んでい
るので、この燃焼室の燃焼温度を直接検出することがで
き、失火を含む異常燃焼が生じたか否かを精度良く検出
することができる。それとともに、検出素子が燃焼室内
の燃焼ガスに直接さらされるので、燃焼温度の変動に対
する応答性が高くなり、失火のような短期的な温度変化
も確実に検出できる。
【0017】また、この構成によれば、ノズルボデーを
利用して燃焼温度の検出が可能となるから、燃焼温度検
出用の格別な温度センサやこの温度センサを取り付ける
構造が不要となる。そのため、部品点数を削減できると
ともに、温度センサの組み付けに要する手間を省け、製
造コストの低減が可能となる。
【0018】上記目的を達成するため、本発明に係る燃
料噴射ノズルは、燃焼室に臨む先端部を有する金属製の
ノズルボデーと;このノズルボデーの先端部に設置さ
れ、上記ノズルボデーとは異種の金属からなる導電体
と;を具備している。この導電体は、上記ノズルボデー
との接続部分の温度差によって生じる熱起電力に基づい
て上記燃焼室の燃焼温度を検出することを特徴としてい
る。
【0019】このような構成において、燃焼室への燃料
噴射に引き続いてこの燃焼室内で燃焼が開始されると、
燃焼室に臨むノズルボデーの先端部とここに設置された
導電体とが加熱される。この加熱により、ノズルボデー
と導電体との接触部分の温度差に基づいて燃焼温度に相
当するような熱起電力が発生する。すなわち、導電体が
ノズルボデーと協働して熱電対を構成するので、この熱
電対により検出された熱起電力の大きさに基づいて燃焼
状態に異常があるか否かを検出することができる。
【0020】この際、上記導電体は、燃焼室に臨んでい
るので、この燃焼室の燃焼温度を直接検出することがで
き、失火を含む異常燃焼が生じたか否かを精度良く検出
することができる。それとともに、導電体が燃焼室内の
燃焼ガスに直接さらされるので、燃焼温度の変動に対す
る応答性が高くなり、失火のような短期的な温度変化に
も確実に対処できる。しかも、熱電対といった単純な構
成であるため、燃焼生成物の付着による検出能力の低下
等の性能劣化は少なく、燃焼温度を長期に亘って安定し
て検出することができる。
【0021】また、この構成によれば、ノズルボデーを
利用して燃焼温度の検出が可能となるから、燃焼温度検
出用の格別な温度センサやこの温度センサを取り付ける
構造が不要となる。そのため、部品点数を削減できると
ともに、温度センサの組み付けに要する手間を省け、製
造コストの低減が可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下本発明の第1の実施の形態
を、4サイクルディーゼルエンジンに適用した図1ない
し図6にもとづいて説明する。
【0023】図1において、符号1はシリンダブロッ
ク、2はシリンダヘッドを夫々示している。シリンダブ
ロック1は、ピストン3が収容されたシリンダ1aを有
し、このピストン3の頂面に燃焼室4を構成する凹所5
が形成されている。シリンダヘッド2は、吸気バルブ6
によって開閉される吸気ポート7と、排気バルブ8によ
って開閉される排気ポート9とを有している。これら吸
気ポート7および排気ポート9は、燃焼室4に連なって
いる。
【0024】図1および図2に示すように、シリンダヘ
ッド2には、ノズル装着孔10が形成されている。ノズ
ル装着孔10は、燃焼室4に向けて開口された小径な連
通口10aを有し、このノズル装着孔10に本発明に係
る燃料噴射ノズル15が取り付けられている。
【0025】燃料噴射ノズル15は、ノズルホルダ16
と、このノズルホルダ16にリテーニングナット17を
介して同軸状に連結されたノズルボデー18とを備えて
いる。ノズルホルダ16は、燃料パイプ19を介して燃
料噴射ポンプ20に連なっており、このノズルホルダ1
6の内部の燃料通路(図示せず)に燃料噴射ポンプ20
で加圧された燃料が供給されるようになっている。
【0026】ノズルボデー18は、例えばステンレス合
金にて構成されている。このノズルボデー18は、図2
に示すように、大径部18aと、この大径部18aに同
軸状に連なる小径部18bとを有する段付き円筒状をな
している。ノズルボデー18の大径部18aは、リテー
ニングナット17の内側に収められている。小径部18
bは、リテーニングナット17を貫通して上記連通口1
0aに導入されている。小径部18bは、先細り状に尖
る先端部21を有し、この先端部21が連通口10aを
通じて燃焼室4に突出されている。
【0027】ノズルボデー18の内部には、ガイド孔2
3が同軸状に形成されている。ガイド孔23は、大径部
18aから小径部18bに亘って連続して形成されてお
り、このガイド孔23の途中に燃料供給路24が接続さ
れている。この燃料供給路24は、上記燃料通路を介し
て燃料噴射ポンプ20に連なっている。
【0028】ガイド孔23の終端は、先細り状に尖る弁
座面23aをなしている。この弁座面23aは、上記小
径部18bの先端部21の内側に位置されている。ま
た、小径部18bの先端部21には、複数の噴射孔25
が形成されている。これら噴射孔25は、燃焼室4に連
なるとともに、上記弁座面23aに開口されている。
【0029】ガイド孔23には、ニードル27が軸方向
に摺動可能に精度良く嵌合されている。ニードル27
は、小径部18bの内側を貫通する部分の径がガイド孔
23の内径よりも小さく定められており、このニードル
27の外周面とガイド孔23の内面との間に、燃料を噴
射孔25に導くための隙間28が形成されている。
【0030】ニードル27は、弁座面23aに接離可能
なシール部29を有している。このニードル27は、シ
ール部29が弁座面23aに接する閉じ位置と、シール
部29が弁座面23aから離脱する開き位置とに亘って
軸方向に往復移動されるようになっている。このため、
ニードル27が開き位置に移動されると、噴射孔25が
開かれ、隙間28に充填された燃料が噴射孔25を通じ
て燃焼室4に噴射される。
【0031】なお、ニードル27のシール部29とは反
対側の端部は、プレッシャピン30に接している。この
プレッシャピン30は、図示しないリターンスプリング
を介して上記ニードル27を常に閉じ位置に向けて付勢
している。
【0032】図2ないし図4に示すように、燃焼室4に
臨むノズルボデー18の先端部21には、金属素子とし
ての電極33が設置されている。電極33は、例えば銅
のような上記ノズルボデー18とは異種の金属材料から
なる導電体にて構成されている。この電極33は、銅を
ノズルボデー18の先端部21の外周面にメッキした
り、あるいは銅の薄板を圧着することにより構成され、
上記噴射孔25の近傍において、先端部21の周方向に
連続するようなリング状をなしている。
【0033】このため、燃焼室4に臨むノズルボデー1
8の先端部21が燃焼ガスの熱影響を受けて加熱される
と、ノズルボデー18と電極33との接続部分の温度差
によって熱起電力が発生するようになっている。したが
って、電極33とノズルボデー18の先端部21とは、
互いに協働して熱電対を構成している。
【0034】図4に示すように、ノズルボデー18の大
径部18aの端面には、第1および第2の接続端子34
a,34bが配置されている。第1の接続端子34a
は、絶縁体35を介して大径部18aに支持されてお
り、この大径部18aに対し電気的に絶縁されている。
第2の接続端子34bは、大径部18aに支持されてお
り、この大径部18aと電気的に導通されている。
【0035】上記電極33は、導線36を介して第1の
接続端子34aに接続されている。導線36は、電極3
3と同種の金属材料、あるいは電極33との間で熱起電
力を発生し難いような金属材料、換言すれば上記熱電対
と近似の熱起電力を有する金属材料を用いることが望ま
しい。この導線36は、ノズルボデー18の外周面のガ
イド溝37を通して配線されている。ガイド溝37は、
ノズルボデー18の軸方向に沿って延びており、このガ
イド溝37の内部に上記導線36が電気的に絶縁された
状態で固定されている。
【0036】ノズルボデー18の第1および第2の接続
端子34a,34bは、ノズルボデー18とノズルホル
ダ16とを互いに連結した時に、このノズルホルダ16
のコネクタを介してリード線38(図1に示す)に接続
されるようになっている。リード線38は、ノズルホル
ダ16の内部をノズルボデー18とは遠ざかる方向に配
線された後、このノズルホルダ16の外部に引き出され
ている。そして、このリード線38は、図5に示すコン
トローラ40に接続されており、このコントローラ40
によって上記燃料噴射ポンプ20の動作が制御されるよ
うになっている。
【0037】このことから、ノズルボデー18の先端部
21と電極33との接触部分に生じた熱起電力は、燃焼
室4内の燃焼ガスの燃焼温度を示す信号として上記導線
36およびリード線38を介してコントローラ40に入
力される。
【0038】コントローラ40は、ノズルボデー18お
よび電極33を介して検出された実際の熱起電力と、予
め燃焼温度に対応して設定された熱起電力の閾値とを比
較することで、失火を含む異常燃焼の有無を判断するた
めのものである。
【0039】すなわち、コントローラ40は、上記リー
ド線38にA/D変換器41を介して接続された比較器
42と、失火の判断基準となる熱起電力の閾値を設定す
るための閾値可変機構43とを備えている。閾値可変機
構43は、エンジンの運転状況(燃料の噴射条件)に応
じた燃焼温度に基づく熱起電力の閾値を予め設定するた
めのもので、本実施の形態においては、アイドリング運
転域を含む低負荷低回転時のように燃焼温度が低い領域
での熱起電力の閾値と、エンジンを低温状態で運転した
時の燃焼温度に応じた熱起電力の閾値と、エンジンを高
温状態で運転した時の燃焼温度に応じた熱起電力の閾値
とが予め設定されている。
【0040】図6は、アイドリング運転域を含む低負荷
低回転運転時において、ノズルボデー18によって検出
された実際の熱起電力V1と、閾値可変機構43に設定
された熱起電力の閾値Tとの関係を開示している。
【0041】この図6から明らかなように、ノズルボデ
ー18で検出された実際の熱起電力V1を示す信号がコ
ントローラ40に入力されると、比較器42は、指定さ
れた噴射条件での熱起電力の閾値Tと、入力された実際
の熱起電力V1とを比較する。そして、熱起電力V1が閾
値Tを上回っていれば、図6の(B)に示すように着火
フラグを出力し、逆に熱起電力V1が閾値Tに達しない
場合は、図6の(A)に示すように着火フラグを断っ
て、失火を検出するようになっている。そして、この失
火が検出されると、この検出信号が燃料噴射ポンプ20
に出力され、この燃料噴射ポンプ20は上記検出信号に
基づいて燃料の噴射時期を進角側に制御する。
【0042】このような構成のディーゼルエンジンにお
いて、燃料噴射ポンプ20で加圧された燃料は、燃料パ
イプ19からノズルホルダ16および燃料供給路24を
介してノズルボデー18の隙間28に供給される。この
隙間28に供給された燃料の圧力がニードル27を閉じ
位置に付勢するリターンスプリングの付勢力に打ち勝つ
と、ニードル27が閉じ位置から開き位置に向けてリフ
トされ、噴射孔25が開かれる。このため、図1に破線
で示すように、隙間28に充填された燃料が噴射孔25
を通じて燃焼室4に噴射され、引き続き行われる着火爆
発により燃焼が開始される。
【0043】燃焼によって生じた燃焼ガスは、燃焼室4
内で燃え広がるので、燃焼室4に臨んでいるノズルボデ
ー18の先端部21が高温の燃焼ガスに直接さらされ
る。これにより、加熱されたノズルボデー18の先端部
と、ここに設置された電極33との接触部分に燃焼温度
に相当するような熱起電力V1が発生する。この熱起電
力V1は、コントローラ40の比較器42において閾値
Tと比較される。そして、熱起電力V1が閾値Tに達し
ない時に、その時の噴射条件での燃焼温度が低すぎると
判断されて、失火が検出される。
【0044】ところで、上記構成の燃料噴射ノズル15
によると、ノズルボデー18の先端部21と協働して熱
電対を構成する電極33は、このノズルボデー18の先
端部21と共に燃焼室4に臨んでいる。このため、燃焼
室4の燃焼温度を直接検出することができ、エンジン運
転中に失火が生じたか否かを精度良く検出することがで
きる。
【0045】加えて、温度検出用の電極33が燃焼室4
内の燃焼ガスに直接さらされるので、燃焼温度の変動に
対する応答性が向上し、失火のような短期的な温度変化
を確実に検出することができる。しかも、電極33は、
ノズルボデー18と協働して単純な熱電対を構成してい
るにすぎないので、燃焼に伴う生成物の付着による検出
能力の低下等の性能劣化は極僅かに抑えられ、燃焼室4
の燃焼温度を長期に亘り安定して検出することができ
る。
【0046】その上、燃料噴射ノズル15の電極33
は、アイドリング運転域を含む低負荷低回転運転時ばか
りでなく、エンジンを低温状態で運転した時およびエン
ジンを高温状態で運転した時においても、その時の燃焼
温度に比例する実際の熱起電力V1を出力する。この熱
起電力V1を示す信号は、コントローラ40においてエ
ンジンを低温状態で運転した時の熱起電力の閾値T又は
エンジンを高温で運転した時の熱起電力の閾値Tと比較
される。
【0047】このため、燃焼室4の燃焼温度に基づい
て、この燃焼温度と比例関係にある燃料噴射ノズル15
の作動温度が適正範囲内にあるか否かを検出することが
できる。よって、例えばノズルボデー18が過熱された
状態での燃料噴射ノズル15の連続作動による耐摩耗性
の低下あるいはノズルボデー18の温度が適正範囲に達
しない状態での燃料噴射ノズル15の連続作動による金
属腐食等を未然に防止することができ、燃料噴射ノズル
15の作動の信頼性を高めることができる。
【0048】また、この燃料噴射ノズル15によれば、
ノズルボデー18を利用して燃焼室4の燃焼温度を直接
検出できるので、燃焼温度検出用の格別な温度センサが
不要となる。それとともに、シリンダヘッド2あるいは
排気ポート9に連なる排気管に温度センサを取り付ける
孔を開ける工程が不要となるとともに、この孔に温度セ
ンサを組み付ける手間も省くことができ、上記温度セン
サが不要となることと合わせて製造コストを低減できる
といった利点がある。
【0049】なお、本発明は上記第1の実施の形態に特
定されるものではなく、図7に本発明の第2の実施の形
態を示す。
【0050】この第2の実施の形態は、主に電極51回
りの構成が上記第1の実施の形態と相違しており、それ
以外の燃料噴射ノズル15の基本的な構成は、第1の実
施の形態と同様である。
【0051】すなわち、図7に示すように、電極51
は、その燃焼室4に露出される部分51aの肉厚が厚く
形成されている。そして、この部分51aの表面には、
周方向に沿う複数の溝52が形成されており、これら溝
52は、ノズルホルダ18の軸方向に間隔を存して配置
されている。このため、溝52の存在により電極51の
表面が凹凸状となって表面積が増加しており、この電極
51と燃焼ガスとの接触面積が充分に確保されている。
【0052】また、電極51とノズルホルダ18との間
には、熱起電力を発生させるに充分な接触部位53を残
して断熱材54が介在されている。断熱材54は、例え
ば断熱性能に優れたセラミックスにて構成されており、
この断熱材54の存在により電極51とノズルボデー1
8との接触面積が必要最小限に抑えられている。
【0053】このような構成によると、電極51の表面
に複数の溝52を形成することで、この電極51と燃焼
ガスとの接触面積を大きくしたので、電極51の温度上
昇が速やかに行われる。しかも、電極51とノズルボデ
ー18との間には、断熱性に優れた断熱材54が介在さ
れているので、ノズルボデー18の先端部21が燃焼ガ
スの熱影響を受けた時に、電極51とノズルボデー18
との間に生じる温度差が大きくなる。
【0054】このため、温度差に相当する大きさの熱起
電力が確実に発生し、その分、燃焼温度の変動に対する
応答性が向上して、失火のような短期的な燃焼温度の変
動をより精度良く検出することができる。
【0055】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、燃焼室の
燃焼温度を直接検出できるので、エンジン運転中に失火
を含む異常燃焼が生じたか否かの検出精度を高めること
ができる。それとともに、検出素子としての導電体が燃
焼ガスに直接さらされるので、燃焼温度の変動に対する
応答性が向上し、失火のような短期的な温度変化を確実
に検出することができる。
【0056】しかも、導電体は、ノズルボデーと協働し
て単純な熱電対を構成しているにすぎないので、燃焼に
伴う生成物の付着による検出能力の低下等の性能劣化は
極僅かに抑えられ、燃焼室の燃焼温度を長期に亘り安定
して検出することができる。
【0057】また、ノズルボデーを利用して燃焼室の燃
焼温度を検出できるので、燃焼温度検出用の格別な温度
センサが不要となるとともに、その取り付け構造や取り
付けの手間を省くことができ、その分、燃焼室回りの構
造が簡略化されて、製造コストを低減できるといった利
点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る燃料噴射ノズルを備
えたディーゼルエンジンの断面図。
【図2】シリンダヘッドに取り付けられたノズルボデー
の断面図。
【図3】ノズルボデーの先端部を拡大して示す断面図。
【図4】電極を有するノズルボデーの斜視図。
【図5】燃料噴射の制御系統を概略的に示す図。
【図6】(A)は、失火時の熱起電力の閾値Tと実際の
熱起電力V1との関係を示す特性図。(B)は、着火時
の熱起電力の閾値Tと実際の熱起電力V1との関係を示
す特性図。
【図7】本発明の第2の実施の形態において、電極を有
するノズルボデーの先端部を拡大して示す断面図。
【符号の説明】
4…燃焼室 15…燃料噴射ノズル 18…ノズルボデー 21…先端部 33,51…検出素子、導電体(電極)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼室に臨むノズルボデーの先端部に、
    燃焼温度に応じた熱起電力を発生させる金属素子を備え
    ていることを特徴とする燃料噴射ノズル。
  2. 【請求項2】 請求項1の記載において、上記金属素子
    は、実際の燃焼室の燃焼温度に基づいて失火を含む異常
    燃焼を検出することを特徴とする燃料噴射ノズル。
  3. 【請求項3】 燃焼室に臨む先端部を有する金属製のノ
    ズルボデーと;このノズルボデーの先端部に設置され、
    上記ノズルボデーとは異種の金属からなる導電体と;を
    具備し、 上記導電体は、上記ノズルボデーとの温度差によって生
    じる熱起電力に基づいて上記燃焼室の燃焼温度を検出す
    ることを特徴とする燃料噴射ノズル。
  4. 【請求項4】 請求項3の記載において、上記ノズルボ
    デーの先端部は、燃焼室に開口する燃料の噴射孔を有
    し、また、上記導電体は、上記ノズルボデーの周方向に
    連続するリング状をなすとともに、上記噴射孔の近傍に
    位置されていることを特徴とする燃料噴射ノズル。
  5. 【請求項5】 請求項3の記載において、上記導電体
    は、導線を介してノズルボデーの外部のコントローラに
    接続され、このコントローラで上記導電体を介して検出
    された実際の熱起電力の値と、予め燃焼温度に対応して
    設定された熱起電力の閾値とを比較することで、失火を
    含む異常燃焼の有無を判断することを特徴とする燃料噴
    射ノズル。
  6. 【請求項6】 請求項3又は4の記載において、上記導
    電体は、その燃焼室に露出される部分の表面が凹凸状に
    形成されているとともに、この導電体と上記ノズルボデ
    ーとの間に、熱起電力を発生させるに充分な接触部位を
    残して断熱材を介在させたことを特徴とする燃料噴射ノ
    ズル。
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