JP2001038470A - 自動溶接装置 - Google Patents

自動溶接装置

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JP2001038470A
JP2001038470A JP11214616A JP21461699A JP2001038470A JP 2001038470 A JP2001038470 A JP 2001038470A JP 11214616 A JP11214616 A JP 11214616A JP 21461699 A JP21461699 A JP 21461699A JP 2001038470 A JP2001038470 A JP 2001038470A
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Japan
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welding
groove
electrode
fixing jig
valve casing
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JP11214616A
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English (en)
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Yuichiro Tsuji
裕一郎 辻
Takeshi Araya
雄 荒谷
Kazuhiko Endo
一彦 遠藤
Masakazu Midorikawa
正和 緑川
Naohiko Iwata
直彦 岩田
Masamichi Kikuchi
正道 菊池
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】溶接変形を抑制するとともに作業効率を向上さ
せる自動溶接装置を提供する。 【解決手段】溶接対象物を固定する固定治具上に支持部
材によって溶接対象物の周方向に沿って設置されるレー
ルと、溶接対象物の狭開先を溶接する溶接電極が備えら
れ前記レールに沿って周方向に移動可能に設置される溶
接ヘッドと、溶接対象物に対する前記溶接電極の角度を
操作するとともに前記溶接ヘッドの移動を制御する溶接
制御装置とを有し、前記溶接制御装置は、一定電圧が印
加される溶接電極が溶接対象物の開先内面に接触するこ
とによる溶接電圧の低下を検出して、印加される電圧が
一定値になるように溶接電極の溶接位置を制御すること
を特徴とする自動溶接装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は厚板溶接構造物、特
に発電機器用溶接構造物の多層盛溶接に用いる自動溶接
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】発電機器用の厚板溶接構造物について
は、高精度の寸法が要求されるため、溶接入熱による変
形に注意を払う必要がある。従来では、特に、溶接後の
機械加工が困難な溶接においては、溶接変形を最小にす
るために溶接部を強固に固定したり、溶接入熱の制限あ
るいは狭開先を用いて溶接を行っていた。また、溶接前
の組み立てにあっては、溶接変形を予め考慮した状態、
例えば溶接による収縮量を加え、また角変形による傾き
を補正した組み立てを実施していた。
【0003】また、溶接装置としては、開先形状がVま
たはX型のものを用いた半自動溶接装置、あるいは、狭
開先を適用したものとしては、ミグ溶接のような消耗式
電極を用いたものがある。
【0004】以下、従来の発電機器用の厚板溶接構造物
に用いられる溶接固定治具及び溶接装置について、図1
6から図18を用いて説明する。
【0005】図16はバルブケーシングの概略図であ
る。一般にバルブケーシングは中空の複数の部片、例え
ば本図に示すように部片1および部片2から構成されて
おり、これらの部片1と部片2を溶接により接合して、
それぞれの部片内に蒸気を通す通路を形成している。こ
の部片1および部片2においては、その溶接される接合
面には機械加工により狭開先部が形成されている。な
お、図中に示す点線は部片内に形成された蒸気通路であ
る。
【0006】図17は、従来の溶接固定治具を示してい
る。先に述べた部片1及び部片2を溶接する際には、ま
ず汎用台3a及び3bを床と平行に設置し、この汎用台
3a,3bの台上に部片2,部片3を保持させている。
また、図中に示すLは保持させる部片2,3間の距離、
θは床面に対する部片の傾斜角度を示している。部片
2,3を保持させる際には、製品として求められる寸法
に比較して溶接収縮量分を加えた距離L、また、溶接に
よる角変形分を見込んだ角度θだけ修正して設置してい
る。なお、角変形分の変位量は汎用台3a上にスペーサ
4を入れることによって調整を行っている。従来では、
以上のように部片同士を組み立てた状態で、手動溶接あ
るいは自動溶接装置を用いて全姿勢溶接にて行われてい
た。なお、図18は、以上のように設置された部片を溶
接する溶接開先の寸法を示したものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の溶接にあって
は、溶接する部片を組み立てた後での製品の移動が困難
なことから、前述したような組み立てた状態を保持した
まま、溶接変形が大きく溶接条件の設定が困難である全
姿勢溶接にて実施していた。このため、高精度の寸法精
度が求められる溶接構造物では、溶接により生じる溶接
変形によって、希望する寸法以上の変形が生じる場合が
あった。この溶接による変形量も、溶接部の板厚が大き
くなるほど増加する傾向があり、また、この変形を防止
するために多大な工数を要していた。
【0008】本発明は、上記した問題に鑑みなされたも
のであって、その目的とするところは、溶接変形を抑制
するとともに作業効率を向上させる自動溶接装置を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の自動溶接装置は、溶接対象物を固定する固
定治具上に支持部材によって溶接対象物の周方向に沿っ
て設置されるレールと、溶接対象物の狭開先を溶接する
溶接電極が備えられ前記レールに沿って周方向に移動可
能に設置される溶接ヘッドと、溶接対象物に対する前記
溶接電極の角度を操作するとともに前記溶接ヘッドの移
動を制御する溶接制御装置とを有し、前記溶接制御装置
は、一定電圧が印加される溶接電極が溶接対象物の開先
内面に接触することによる溶接電圧の低下を検出して、
印加される電圧が一定値になるように溶接電極の溶接位
置を制御するものである。
【0010】また、好ましくは、前記溶接制御装置は、
印加される電圧が一定値になる範囲内で前記溶接電極を
揺動させるように制御するものである。
【0011】また、好ましくは、前記溶接対象物を固定
する固定治具は、溶接対象物を保持するとともに所定の
方向にスライドさせるスライド機構を備えたものであ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例である自
動溶接装置について図面を用いて説明する。図1は、本
発明の一実施例であるバルブケーシング固定用の治具を
示す。バルブケーシングを構成する部片1,2は、それ
ぞれ機械加工面を下にして第1のバルブケーシング固定
治具5a上に設置される。また、部片2はその開先位置
に応じて任意の高さに設定される固定治具6によって、
所定の開先高さに合わせられる。なお、固定治具6は固
有の高さをもつ治具を数種類準備しておき、それらを積
み重ねることで任意の高さに設定される。また、この他
にも機械式(スクリュウ式等)や油圧式といった、自由
に高さを変えられる器具を用いても良い。固定治具6に
よって所定の高さに固定される部片2は、床面に沿って
配置されるバルブケーシング固定治具5aと略垂直方向
に設置される第2のバルブケーシング固定治具5bに、
水平移動用調整治具7によって固定される。
【0013】図2(a)は、図1に示すバルブケーシン
グ固定治具5aの詳細図、図3は図2に示すスライド機
構の他の実施形態を示した図である。前述したバルブケ
ーシング固定治具5aは水平方向(図中X方向)にのみ
移動可能なスライド機構32が備えられている。このよ
うなスライド機構32を有するバルブケーシング固定治
具5a上には、前述した部片1が水平方向に移動可能
に、すなわち部片1とバルブケーシング固定治具5aと
が接する面に沿ってスライドするように設置される。図
2(b)は、図2(a)に示すバルブケーシング固定治
具5aの断面図であり、スライド機構32の詳細を示し
たものである。スライド機構32としては、部片1とバ
ルブケーシング固定治具5a間の摩擦係数を減らすもの
が好ましく、例えば、図2(b)に示すように、テーパ
状に断面が形成された構成体32a,32bを組み合わ
せることによって、スライド機構32が構成されてい
る。そして、スライド機構32の摩擦が生じる面には潤
滑剤が塗布することで、さらに摩擦力の低減が図られて
いる。また、スライド機構32としては、図2(c)に
示すように凹部が形成された構成体32dを設け、この
凹部に構成体32cを挿入して、構成体32cが凹部に
沿って水平移動させるように構成しても良い。また、図
3に示すようにベアリング機構32eを用いることで、
さらに可動を容易にすることができる。また、摩擦が生
じる材料の選定においては、金属−金属,金属−プラス
チック(エンジニアリングプラスチック)、およびプラ
スチック−プラスチック等の同材、あるいは異材との組
み合わせの選択が可能である。
【0014】以上のように、バルブケーシング固定治具
5aにスライド機構32を構成することで、部片1と部
片2の溶接時には、溶接入熱による膨張・収縮の変形に
伴って部片1が水平方向に移動させることができる。す
なわち、本実施例の固定治具ではスライド機構によっ
て、ある一定の方向(水平方向)のみを移動可能に構成
しているため、溶接部が拘束されることをなくすことが
でき、したがって溶接部の歪みが小さく、溶接変形や割
れ等の溶接欠陥の発生を抑制することが可能となる。
【0015】このとき、溶接により発生する応力は、ス
ライド部に対して水平方向だけでなく垂直方向にも働く
ことになる。しかし、図2(a)に示すスライド部から
溶接部の距離Yに対して、スライド面の距離X(或いは
面積)を十分にとれば、水平方向への応力は可動面の摩
擦力より大きくなり容易に稼動させることができる。ま
た、溶接時には垂直方向(図中Y方向)に角変形が生じ
ようとするが、この変形は溶接による伸び,収縮であ
り、溶接による変形をなくすためには、変形応力に耐え
うる治具でなければならない。ここで、前述した垂直方
向の応力は、溶接による金属の溶融,凝固により生じる
応力が主であるとすると、溶接部の凝固に伴う収縮力は
金属の弾性域以上で拘束することにより変形を防止可能
である。仮に、破壊応力で保持した場合、溶接部におい
て溶融金属の断面積は1層で約75mm2 (開先幅:15
mm,1層:5mm)であり、金属の引張り強さを50kgf
/mm2 とした場合、3750kgf以上の応力に耐えうる
治具及びスライド機構であれば、垂直方向の変形を防止
して水平方向のみを変形させることができる。
【0016】以上のように構成されたバルブケーシング
固定治具は、まず図4(b)の状態に組み立てられる。
しかしながら、この様な状態のままでは溶接線が縦向き
となるため溶接が困難である。そこで、図4(b)に示
すように固定治具を90°起こした状態に配置して、溶
接線を横向きとすることにより、溶接位置により溶接条
件の変化が少ない溶接が可能となる。ここで用いられる
固定治具は、図示するようにL字型の形状をしているた
め、図5に示すように必要に応じて固定治具の側面に梁
8を渡して、強度を持たせた状態で使用することが望ま
しい。
【0017】また、組み立て時のバルブケーシングの開
先は開先ギャップが0に合わせられ、それぞれの部片は
バルブケーシング固定治具に固定される。さらに、部片
を固定治具に固定するとともに、開先内を直接溶接にて
溶接する場合、図6(a),(b)に示すような開先合
せ治具9,10により固定される。組み立て時の部片1
及び2の位置調整は、ジャッキまたはスクリュウ式の水
平移動用調整治具7によって微調整される。このように
組み立てた後、図4に示すように固定治具を90°反転
させることによって溶接線が横向きにされる。この状態
において、部片同士が固定されていない場合、部片1が
部片2の上部に配置され、部片1の自重が開先部に掛か
ることになる。部片1の重量が4000kgである場合、
開先のルートフェイス面積の285,433mm2(内径6
00mmの場合)に部片1の重量が掛かるが、このときル
ートフェイスに掛かる荷重は0.7kg/mm2であり、溶接
に影響を与えるほどではない。
【0018】上述したバルブケーシング固定治具に部片
を固定したのち、横向き溶接を行った場合でも、溶接終
了後の収縮は前述したスライド機構32により部片が移
動するため、溶接前の予熱や溶接中での熱膨張による伸
びが緩和される。この様な変形防止は、片方の部片の拘
束をなくすことで可能であり、図7に示すように部片1
のスライド機構32を固定し、溶接時には部片2の自重
を支えることになる水平移動用調整治具7や固定治具6
を除き、部片2が拘束されないようにした場合も同様の
効果を得ることができる。
【0019】次に、本発明の一実施例を示す自動溶接装
置について以下説明する。
【0020】図8は、前述したバルブケーシング固定治
具を適用した自動溶接装置を示す。本実施例の自動溶接
装置は、バルブケーシング固定治具21に固定される走
行レール固定用梁22と、走行レール固定用梁22上に
設置され、横向きの溶接線全周に沿って配置された走行
レール13と、走行レール13上に搭載される溶接ヘッ
ド20を有する。また、本実施例の自動溶接装置は、溶
接装置に電力を供給する溶接電源23,溶接ヘッド20
を遠隔操作する遠隔操作ボックス24を有する溶接制御
盤25と、供給する冷却水を循環させる冷却水循環装置
26,溶接装置に供給するアルゴンガスを貯蔵するタン
ク27を備えている。
【0021】図9は、前記した溶接ヘッド部の詳細図で
ある。溶接ヘッド部は前記した走行レール13に形成さ
れたラック14との歯車によってレール上に保持され
る。溶接ヘッド部は、この走行レール13上を移動する
ことで溶接線全周に沿っての溶接を行う。また、揺動ト
ーチ11は電極が溶接対象に対して左右60°まで揺動
するように設定されており、このように揺動させながら
溶接することで、溶接壁面を十分溶融することが可能と
なる。なお、揺動トーチ11を揺動させる角度は、開先
形状によって最適な範囲に変更できる。また、揺動トー
チ11は溶接方向に対して垂直と左右方向に遠隔操作に
て稼動させることが可能であり、常に溶融池の最適な位
置に供給することができる。
【0022】さらに、溶接ヘッド部には狭開先内を溶接
する偏平ノズルを有する揺動トーチ11と、溶接池内に
溶接材を供給するワイヤトーチ12が設置される。ま
た、溶接ヘッド部は、走行レール上を走行する駆動軸で
ある走行ユニット15と、多層溶接を行うため溶接線に
対し上下に駆動可能な駆動軸であるトーチ上下駆動ユニ
ット16と、溶接線に対し左右方向に駆動可能な駆動軸
であるトーチ左右駆動ユニット17、および電極揺動軸
であるトーチ揺動ユニットを備えている。これら4軸
は、同時に制御可能となっている。
【0023】また溶接ヘッド部には、溶融池およびその
近傍を直接認識可能なフィルター開閉機能付き監視カメ
ラ19が設置される。この監視カメラ19は、走行ユニ
ット15の進行方向と後方にそれぞれ配置させ、アーク
電流と連動したシャッターの開閉によって、適正な溶接
状態を認識することができる。
【0024】また、溶接ヘッド部は走行レール13によ
って容易に着脱可能である。溶接対象物の大きさによっ
て、ボルト等による簡便な固定法により走行レール13
に対する取付位置を変更することができ、より広い溶接
範囲までの溶接適用範囲を持っている。また、溶接ヘッ
ド部の着脱無しに溶接ヘッド部のみ90°稼動するよう
に構成しているため、電極消耗等のメンテナンスにおい
ては、開先内部より電極を交換可能な位置まで移動して
容易に電極交換等の各種メンテナンスが可能となる。
【0025】従来の溶接装置では、図11に示すように
走行レール13をレール取付治具を介して直接溶接対象
物に取付けていたので、走行レールの水平面を溶接面に
対して水平にレベル調整が必要であった。これに対し
て、本実施例では図10に示すように走行レール13は
バルブケーシング固定治具上にレール固定梁を介して設
置しているため、前述したレベル調整が不要となる。さ
らには、走行レールを溶接対象物に取付ける必要がない
ため、溶接対象物に傷や変形を生じさせることもなく、
またレール取付治具を削除することができる。
【0026】また、本装置によれば、バルブケーシング
固定治具上は機械加工された面を持っているため、走行
レールを機械加工面上のレール固定用梁に取付けるだけ
で、走行レールとバルブケーシング固定治具および、溶
接対象物を精度良く組み立てることが可能になり、従来
よりも取付け作業の工数を削減することができる。
【0027】次に、前述した溶接装置の制御方法につい
て図12から図14を用いて説明する。本実施例の自動
溶接装置による溶接では、アークの発生位置の検出は自
動にて行われる。ここで、図12(a)は開先内に挿入
された揺動トーチ電極28を溶接ヘッドから見た図であ
るが、揺動トーチ電極28にはあらかじめ一定電圧が印
加される。揺動トーチ電極28は、左右の開先壁面29
の間で角度θ1,θ2揺動させて、図12(b)に示す
ように、急激に電圧が低下した揺動トーチ電極28の位
置(角度)を検出して、壁面接触位置として認識させ
る。このとき、左右の揺動角度が等しく(θ1=θ2)
なるまで揺動トーチ電極28を移動させることにより、
開先線中央位置が検出できる。同様に、電極と溶接部と
の高さは図13に示すように、溶接トーチ電極28を開
先内底面31に軽く接触するまで移動させ、開先内底面
31に接触後、任意の高さまで移動させることにより溶
接高さが決定される。このように、開先底面位置が検出
されることから、溶接位置での径を掌握することができ
る。これにより、各相での溶接条件が自動で演算実行で
きる。つまり、事前に溶接対象物の内径,外径および溶
接途中での溶接条件を入力しておけば、溶接位置、つま
り揺動トーチ電極28の途中位置が検出されているた
め、その位置に適した条件が瞬時に対応可能にできる。
【0028】また、溶接中には溶接電圧(V)を監視し
て、図14(b)に示すように、電圧を電圧制御範囲内
に保持するように図14(a)に示す揺動トーチ電極2
8を移動させることで、常に最適なアーク長さを保持す
ることが可能となり、同時に開先内低面31との距離を
モニタで確認しながら倣い制御を行うことができる。こ
のような開先倣い制御は、溶接最終層においては開先壁
面が存在せず、溶接線の検出が困難となるが、本実施例
における最終層の溶接検出では、最終層の前の開先検出
可能な溶接線を記憶保管させ、最終層の溶接線にシフト
させることにより開先線倣いを可能とさせている。
【0029】なお、本実施例の自動溶接装置では、走行
レールの溝には溶接終了点が刻まれており、溶接ヘッド
が溶接終了点をカウントする度に、つまり1層毎に溶接
を終了させている。溶接ヘッドが溶接終了点をカウント
した後は、溶接ヘッドは自動走行でスタート位置に戻り
再スタート行う。このとき、再スタートの位置は、溶接
欠陥の発生防止のため、各溶接層毎に位置を変えること
が望ましい。
【0030】従来の狭開先構造物の自動溶接では、溶接
面が縦向き方向であったため開先内の溶接部に未溶接部
が生じ易く、溶接初層においては常に安定した裏波ビー
ドの形成が困難であった。また、全姿勢溶接では溶接施
行に用いられる溶接条件は一定ではなかったため、溶着
金属量が溶接位置により変化してしまい、良好な溶接ビ
ードの形成ができず、溶接に伴う大きな変形が生じてし
まう虞があった。さらには、従来では溶接変形を見込ん
だ組立作業を行う必要があったので、溶接作業に多大の
工数を要していた。
【0031】これに対して、上述したように、本実施例
の自動溶接装置、すなわちバルブケーシング固定治具を
適用することで、溶接線の向きを横向きとすることがで
きるので溶接条件の変化が少ない溶接が可能となり、し
たがって溶接変形を見込んだ組立作業を行う必要がなく
なる。よって、作業効率を向上させることが可能となっ
た。
【0032】また、溶接変形による溶接位置ずれの防止
に、溶接アーク発生による電圧変化を検出し、常に適正
位置にて溶接を行っているので、安定した溶接ビードを
形成することができ、したがって溶接品質の向上を図る
ことができた。なお、上述した溶接装置を適用すること
で、図15に示すように従来より開先幅を小さくするこ
とが可能となった。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、溶接変形を抑制すると
ともに作業効率を向上させる自動溶接装置を提供できる
という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】バルブケーシングを固定治具に取付けた状態
図。
【図2】図1に示すバルブケーシング固定治具の詳細
図。
【図3】図2に示すスライド機構の他の実施形態を示し
た図。
【図4】バルブケーシングの組み立て状態図。
【図5】バルブケーシング固定治具に梁を適用した図。
【図6】開先部を固定する開先合わせ治具を適用した
図。
【図7】部片1が固定され、部片2が稼動する状態を示
した図。
【図8】本実施例の自動溶接装置の構成図。
【図9】図8に示す溶接ヘッド部の詳細図。
【図10】走行レールを取付けた状態図。
【図11】従来の走行レールを取付けた状態を示す図。
【図12】狭開先内における溶接位置(開先線中央)の
検出方法を示す図。
【図13】狭開先内における溶接位置(高さ)の検出方
法を示す図。
【図14】アーク長さの一定制御方法を示す図。
【図15】本実施例の自動溶接装置に適用される開先形
状を示した図。
【図16】バルブケーシング断面の概略図。
【図17】従来の組み立て方法を示した図。
【図18】従来の溶接方法による開先形状を示した図。
【符号の説明】
1,2…部片、3…汎用台、4…スペーサ、5…バルブ
ケーシング固定治具、6…固定治具、7…水平移動用調
整治具、8…梁、9,10…開先合わせ治具、11…揺
動トーチ、12…ワイヤトーチ、13…走行レール、1
4…ラック、15…走行ユニット、16…トーチ上下駆
動ユニット、17…トーチ左右駆動ユニット、18…ト
ーチ揺動ユニット、19…監視カメラ、20…溶接ヘッ
ド、21…バルブケーシング固定治具、22…レール固
定用梁、23…溶接電源、24…遠隔操作ボックス、2
5…溶接制御盤、26…冷却水循環装置、27…タン
ク、28…揺動トーチ電極、29…開先壁面、30…揺
動トーチ電極、31…開先内底面、32…スライド機
構。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年9月17日(1999.9.1
7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】図17は、従来の溶接固定治具を示してい
る。先に述べた部片1及び部片2を溶接する際には、ま
ず汎用台3a及び3bを床と平行に設置し、この汎用台
3a,3bの台上に部片,部片を保持させている。
また、図中に示すLは保持させる部片間の距離、
θは床面に対する部片の傾斜角度を示している。部片
を保持させる際には、製品として求められる寸法
に比較して溶接収縮量分を加えた距離L、また、溶接に
よる角変形分を見込んだ角度θだけ修正して設置してい
る。なお、角変形分の変位量は汎用台3a上にスペーサ
4を入れることによって調整を行っている。従来では、
以上のように部片同士を組み立てた状態で、手動溶接あ
るいは自動溶接装置を用いて全姿勢溶接にて行われてい
た。なお、図18は、以上のように設置された部片を溶
接する溶接開先の寸法を示したものである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例である自
動溶接装置について図面を用いて説明する。図1は、本
発明の一実施例であるバルブケーシング固定用の治具を
示す。バルブケーシングを構成する部片1,2は、それ
ぞれ機械加工面を下にして1のバルブケーシング固定
治具5a上に設置される。また、部片2はその開先位置
に応じて任意の高さに設定される固定治具6によって、
所定の開先高さに合わせられる。なお、固定治具6は固
有の高さをもつ治具を数種類準備しておき、それらを積
み重ねることで任意の高さに設定される。また、この他
にも機械式(スクリュウ式等)や油圧式といった、自由
に高さを変えられる器具を用いても良い。固定治具6に
よって所定の高さに固定される部片2は、床面に沿って
配置されるバルブケーシング固定治具5aと略垂直方向
に設置される第2のバルブケーシング固定治具5bに、
水平移動用調整治具7によって固定される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】図2(a)は、図1に示すバルブケーシン
グ固定治具5aの詳細図、図3は図2に示すスライド機
構の他の実施形態を示した図である。前述したバルブケ
ーシング固定治具5aは水平方向(図中X方向)にのみ
移動可能なスライド機構30が備えられている。このよ
うなスライド機構30を有するバルブケーシング固定治
具5a上には、前述した部片1が水平方向に移動可能
に、すなわち部片1とバルブケーシング固定治具5aと
が接する面に沿ってスライドするように設置される。図
2(b)は、図2(a)に示すバルブケーシング固定治
具5aの断面図であり、スライド機構30の詳細を示し
たものである。スライド機構30としては、部片1とバ
ルブケーシング固定治具5a間の摩擦係数を減らすもの
が好ましく、例えば、図2(b)に示すように、テーパ
状に断面が形成された構成体30a,30bを組み合わ
せることによって、スライド機構30が構成されてい
る。そして、スライド機構30の摩擦が生じる面には潤
滑剤が塗布することで、さらに摩擦力の低減が図られて
いる。また、スライド機構30としては、図2(c)に
示すように凹部が形成された構成体30dを設け、この
凹部に構成体30cを挿入して、構成体30cが凹部に
沿って水平移動させるように構成しても良い。また、図
3に示すようにベアリング機構30eを用いることで、
さらに可動を容易にすることができる。また、摩擦が生
じる材料の選定においては、金属−金属,金属−プラス
チック(エンジニアリングプラスチック)、およびプラ
スチック−プラスチック等の同材、あるいは異材との組
み合わせの選択が可能である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】以上のように、バルブケーシング固定治具
5aにスライド機構30を構成することで、部片1と部
片2の溶接時には、溶接入熱による膨張・収縮の変形に
伴って部片1が水平方向に移動させることができる。す
なわち、本実施例の固定治具ではスライド機構によっ
て、ある一定の方向(水平方向)のみを移動可能に構成
しているため、溶接部が拘束されることをなくすことが
でき、したがって溶接部の歪みが小さく、溶接変形や割
れ等の溶接欠陥の発生を抑制することが可能となる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】また、組み立て時のバルブケーシングの開
先は開先ギャップが0に合わせられ、それぞれの部片は
バルブケーシング固定治具に固定される。さらに、部片
を固定治具に固定するとともに、開先内を直接溶接にて
溶接する場合、図6(a),(b)に示すような開先合
せ治具9,10により固定される。組み立て時の部片1
及び2の位置調整は、ジャッキまたはスクリュウ式の水
平移動用調整治具7によって微調整される。このように
組み立てた後、図4に示すように固定治具を90°反転
させることによって溶接線が横向きにされる。この状態
において、部片同士が固定されていない場合、部片1が
部片2の上部に配置され、部片1の自重が開先部に掛か
ることになる。部片1の重量が4000kgである場合、
開先のルートフェイス面積の5,652mm2(内径600
mmの場合)に部片1の重量が掛かるが、このときルート
フェイスに掛かる荷重は0.7kg/mm2であり、溶接に影
響を与えるほどではない。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】バルブケーシングを固定治具に取付けた状態
図。
【図2】図1に示すバルブケーシング固定治具の詳細
図。
【図3】図2に示すスライド機構の他の実施形態を示し
た図。
【図4】バルブケーシングの組み立て状態図。
【図5】バルブケーシング固定治具に梁を適用した図。
【図6】開先部を固定する開先合わせ治具を適用した
図。
【図7】部片1が固定され、部片2が稼動する状態を示
した図。
【図8】本実施例の自動溶接装置の構成図。
【図9】図8に示す溶接ヘッド部の詳細図。
【図10】走行レールを取付けた状態図。
【図11】従来の走行レールを取付けた状態を示す図。
【図12】狭開先内における溶接位置(開先線中央)の
検出方法を示す図。
【図13】狭開先内における溶接位置(高さ)の検出方
法を示す図。
【図14】アーク長さの一定制御方法を示す図。
【図15】本実施例の自動溶接装置に適用される開先形
状を示した図。
【図16】バルブケーシング断面の概略図。
【図17】従来の組み立て方法を示した図。
【図18】従来の溶接方法による開先形状を示した図。
【符号の説明】 1,2…部片、3…汎用台、4…スペーサ、5…バルブ
ケーシング固定治具、6…固定治具、7…水平移動用調
整治具、8…梁、9,10…開先合わせ治具、11…揺
動トーチ、12…ワイヤトーチ、13…走行レール、1
4…ラック、15…走行ユニット、16…トーチ上下駆
動ユニット、17…トーチ左右駆動ユニット、18…ト
ーチ揺動ユニット、19…監視カメラ、20…溶接ヘッ
ド、21…バルブケーシング固定治具、22…レール固
定用梁、23…溶接電源、24…遠隔操作ボックス、2
5…溶接制御盤、26…冷却水循環装置、27…タン
ク、28…揺動トーチ電極、29…開先壁面、30…
ライド機構、31…開先内底面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 遠藤 一彦 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立事業所内 (72)発明者 緑川 正和 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立事業所内 (72)発明者 岩田 直彦 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立事業所内 (72)発明者 菊池 正道 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立事業所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶接対象物を固定する固定治具上に支持部
    材によって溶接対象物の周方向に沿って設置されるレー
    ルと、溶接対象物の狭開先を溶接する溶接電極が備えら
    れ前記レールに沿って周方向に移動可能に設置される溶
    接ヘッドと、溶接対象物に対する前記溶接電極の角度を
    操作するとともに前記溶接ヘッドの移動を制御する溶接
    制御装置とを有し、 前記溶接制御装置は、一定電圧が印加される溶接電極が
    溶接対象物の開先内面に接触することによる溶接電圧の
    低下を検出して、印加される電圧が一定値になるように
    溶接電極の溶接位置を制御することを特徴とする自動溶
    接装置。
  2. 【請求項2】前記溶接制御装置は、印加される電圧が一
    定値になる範囲内で前記溶接電極を揺動させるように制
    御することを特徴とする請求項1に記載の自動溶接装
    置。
  3. 【請求項3】前記溶接対象物を固定する固定治具は、溶
    接対象物を保持するとともに所定の方向にスライドさせ
    るスライド機構を備えたことを特徴とする請求項1に記
    載の自動溶接装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016084925A (ja) * 2014-10-29 2016-05-19 株式会社フジキン バルブ用自動溶接機およびバルブ
JP2020026683A (ja) * 2018-08-13 2020-02-20 Jfe建材株式会社 セグメント組立用治具及びセグメントの製造方法
CN112705894A (zh) * 2021-01-03 2021-04-27 孟阳 钢筋混凝土铰座自动焊接装置

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