JP2001037738A - 磁気共鳴画像内のアーティファクトの補正方法 - Google Patents

磁気共鳴画像内のアーティファクトの補正方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 勾配磁界(G)を発生するための勾配コイル
システム(10)と磁気共鳴信号を励起するための高周
波送信器(12)とを含んでいる磁気共鳴装置のなか
で、磁気共鳴装置の基本磁界(B0)に対して横方向に
向けられている横方向の磁界成分により惹起される磁気
共鳴画像内のアーティファクトを補正する方法におい
て、横方向の磁界成分により発生される磁気共鳴像内の
アーティファクトを補正する。 【解決手段】 補正範囲(z0)に対する測定シーケン
スの間に高周波送信器(12)に周波数補正値(Δω)
が供給され、周波数補正値(Δω)が横方向の磁界成分
に関係して決定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、勾配磁界を発生す
る勾配コイルシステムと磁気共鳴信号を励起する高周波
送信器とを含んでいる磁気共鳴装置のなかで、磁気共鳴
装置の基本磁界に対して横方向に向けられている横方向
の磁界成分により惹起される磁気共鳴画像内のアーティ
ファクトを補正する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】冒頭にあげた種類の方法はJournal of M
agnetic Resonance in Medicine 、第29巻、199
3、第796〜803頁の“Nonaxial Whole‐Body Ins
tant Imaging”という表題のRobert M. Weisskoff,Mark
S. Cohan,Richard R. Rzedzianの論文に記載されてい
る。そこには、中央の平面から脇に離れている層の撮像
の際に二次的な勾配磁界がこれらの像内に像歪みおよび
ゴーストを惹起し得ることが述べられている。二次的な
勾配磁界は常に撮像する勾配磁界と結び付けられてお
り、直接的にマクスウェルの式から導き出される。従っ
てこれらの追加的な望ましくない勾配磁界はマクスウェ
ル項とも呼ばれている。たとえばそこには、撮像するx
勾配と常に磁界のx成分のなかの横方向のz勾配コイル
が結び付けられていることが述べられている。マクスウ
ェル項により惹起される像歪みを減ずるために、高周波
励起パルスと180°再集束パルスとの間に追加的なリ
ード勾配を挿入することが提案されている。それによっ
て再集束パルスの前にマクスウェル項による再集束パル
スの後と同じ位相の励起されるスピンが付加される。測
定シーケンスのなかに勾配パルスを挿入することによる
補正の際の欠点は、この方法がそもそもただ1つの特定
のシーケンス形式に対してしか可能でないこと、状況に
よっては測定シーケンスの能力が勾配に対する追加的な
スイッチング時間により減ぜられることである。他方に
おいて勾配パルスの挿入に対する周辺条件によりシーケ
ンス設計のなかの他の最適化規範が排除される。
【0003】上記の論文中には、マクスウェル項により
惹起される像歪みがZ2シムパルスによる補償電流を用
いて補正されることも述べられている。しかしこれはそ
こで費用のかかる補正方法とみなされる。なぜならば、
正弦波状の勾配の際に補償電流が正弦波の二乗状でなけ
ればならないからである。他方において、勾配パルスが
2磁界を発生しないので、補正が不完全にしか行われ
ない。
【0004】最後に上記の論文中には、マクスウェル項
により惹起されるアーティファクトが像後処理中に補正
されることも述べられている。この後処理は、実際の磁
界が補正アルゴリズムに考慮に入れられることによっ
て、均等でない撮像勾配の補償と類似している。後処理
の際の歪み除去の欠点は、多くのエコーの破壊的な干渉
による信号損失が補償されないことにある。
【0005】ドイツ特許出願公開第19821780号
明細書には、エコー‐プラナー撮像の際にマクスウェル
項により発生されるアーティファクトを補正する方法が
記載されている。そのためにマクスウェル項により惹起
される周波数および位相誤差が計算され、続いてデータ
取得中に受信周波数および位相のダイナミックなマッチ
ングにより補償される。
【0006】米国特許第5877629号明細書はMR
像内のアーティファクトの補正方法を開示し、予め計算
された位相誤差が、より高い次数のマクスウェル場を補
償するためにコイルを駆動するための電流を決定するた
めに利用される。代替的に受信器のなかの基準周波数が
受信中に相応に変更される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、横方
向の磁界成分により発生される磁気共鳴像中のアーティ
ファクトを補正し、それによって従来の技術の欠点を十
分に回避する方法を提案することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この課題は、補正範囲に
対する測定シーケンス中に高周波送信器に周波数補正値
が供給され、周波数補正値が横方向の磁界成分に関係し
て決定されることにより解決される。一般に磁気共鳴装
置のなかの追加的な磁界は共振周波数のシフト、従って
なかんずく撮像中の歪みを生じさせる。本発明により、
横方向の磁界成分により惹起される共振周波数のシフト
を励起周波数の相応の追跡により補償することが提案さ
れる。マクスウェル項は位置依存性を有するので、この
方法はアーティファクトの補正がその付近で完全である
特定の空間的な基準点への固定を必要とする。しかしな
がら、この基準点の周りの範囲内でも、周波数シフトの
位置依存性が横方向の磁界成分により級数展開として表
されならば、補正が達成される。提案される方法ではこ
の級数展開の第0次の項は、位置非依存性の周波数シフ
トに相応して、高周波の励起周波数相応の追跡により補
償される。空間的に直線的に位置依存性の周波数シフト
に相応する第1次の項は相応の軸線のなかの勾配オフセ
ットにより補償される。より高い次数の項は確かに原理
的には、たとえば相応に構成されているコイルのダイナ
ミックな駆動により、考慮に入れられる。しかしこれは
わずかな残留誤差のゆえにここでは行われていない。
【0009】本発明による方法によりマクスウェル項の
挙動の空間的な変換が達成される。これは軸線方向にも
半径方向にも当てはまる。軸線方向とは基本磁界の方向
をいい、半径方向とはそれに対して横方向をいう。従来
のソレノイド構成の磁気共鳴装置ではたとえば軸線方向
のマクスウェル項の挙動の変換が大きい層シフトを有す
るほぼアーティファクトのない測定のために利用され得
よう。半径方向のマクスウェル項の挙動のシフトはたと
えば肩の最適化された検査の際に、アーティファクトを
避けるための助けとなり得よう。
【0010】多層技術(マルチスライス)へのこの方法
の応用は、層信号が勾配パルスの作用を受ける層がその
各々の勾配パルスに対応付けられるかぎり可能である。
【0011】特に有利な実施態様では、周波数補正値
が、横方向の磁界成分の対称性挙動に対して特徴的であ
る対称性パラメータに関係して選ばれる。それによって
非対称な勾配コイルの際にマクスウェル項の挙動が、対
称な勾配コイルのそれに相応するように、空間のなかで
シフトされる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。
【0013】高い勾配振幅または低い磁界強度を有する
磁気共鳴装置では測定シーケンスの際に、たとえば −位相敏感な方法(たとえば磁束測定)における位相誤
差、 −像歪み、 −像のなかの不均等性(たとえば影)、または −測定ボリュームにわたる磁化のデフェージングによる
信号損失として現れるアーティファクトが生じる。
【0014】これらのアーティファクトは、それらがい
わゆる横方向の磁界成分、特に勾配コイルにより発生さ
れる横方向の磁界成分、に帰するものであれば、ここに
説明される方法により補正されなければならない。撮像
のために必要な磁界との横方向の磁界成分の物理的な関
係は確かに文献に記載されているが、それらはここで理
解のためにもう一度示されるべきである。勾配コイルの
非対称な構成形態から生ずる特殊性がここで同じく考慮
に入れられる。
【0015】診断用の磁気共鳴装置では磁石の静的な基
本磁界B0 に勾配コイルにより、直角座標系で成分
x、By、Bzを有するベクトルBgrad(r)により記
述される位置依存性の磁界が重畳される。基本磁界B0
の方向はここで座標系のZ軸を定めるべきである。磁気
共鳴測定のために重要な励起すべき核の共鳴周波数はそ
の場合に絶対値B(r)から生ずる。
【数1】
【0016】基本磁界B0 が勾配コイルの磁界Bgrad
にくらべて大きいという仮定のもとに下記の近似が成り
立つ。
【数2】
【0017】勾配コイルは一般に、Bz成分がそれぞれ
の座標系x、y、zのなかで直線的な位置依存性を有す
るように最適化される。その場合、たとえばx勾配コイ
ルの直線的な範囲内で
【数3】 が成り立つ。ここでGxはx方向の勾配強度、またxは
x方向の座標値を意味する。
【0018】典型的には撮像のために第1項(Gx
x)のBz成分のみが考察される。第2項は勾配磁界強
度の増大と共に、または小さい基本磁界B0を有する低
磁界システムの際に重要性を得る。
【0019】この第2項はしばしば“マクスウェル項”
と呼ばれる。最適化された磁界成分Bzと第2項のなか
の横方向の磁界成分BxまたはBzとの間の関係は磁界
【数4】 に対するマクスウェル式からの直接的な帰結であり、従
って原理的に回避可能でない。
【0020】たとえばX勾配コイルのz軸上の任意の点
zにおける横方向の磁界成分Bx(z)は点z°から出
発してマクスウェル式を用いて積分により計算される。
なお、z°からBx(z°)がわかる。
【数5】
【0021】たとえばX勾配コイルの直線性ボリューム
の内側では、
【数6】 と仮定される。
【0022】それにより簡単化 Bx(z)=Bx (z° )+Gx (z−z° ) が行われる。
【0023】点z° を、それがMR座標系の原点(勾
配‐アイソセンター)と合致するように選ぶことは目的
にかなっている。原点(z=0)はここでZ勾配コイル
により決定されている。
【0024】それによって計算が Bx(z)=Bx(z=0)+Gx・z に簡単化される。
【0025】平面z=0に関して対称な構成形態を有す
る勾配コイルの際には原点でBx(0)=0である。そ
れに対して非対称な構成形態の際にはBx(0)≠0で
あり得る。その際に横方向の磁界成分は当該の勾配コイ
ルを通る電流に比例している、すなわち勾配振幅Gx
比例している。従って、勾配コイルのこの特徴的なパラ
メータΨを、その物理的な単位が長さに相当する相対的
な量として定義することは目的にかなっている。 Bx(0)∝Gx⇒Ψ・Bx(0)/Gx
【0026】従って Bx(z)=Bx(0)+Gxz=Gx(Ψ+z) となる。
【0027】コイルの構成形態に応じて対称性の理由か
らBy(z)=0である。By =0の仮定によりMR実
験に対して重要な上記で探索される基本磁界の絶対値
【数7】 が生ずる。
【0028】最後の項はここで“マクスウェル項”と呼
ばれる。この項は、勾配振幅の二乗に比例し、磁石の基
本磁界強度に逆比例している擾乱項として作用する。従
って特に高い勾配振幅または低い磁界強度を有する磁気
共鳴トモグラフにはいくつかの測定シーケンスの際にア
ーティファクトが生じる。z方向のマクスウェル項の位
置依存性が、非対称な勾配コイル(Ψ≠0)に対して座
標原点からずらされている放物線に相当することにも注
意しなければならない。
【0029】x勾配コイルに対するマクスウェル項の前
記の導関数はY勾配コイルに対しても相応に当てはま
る。
【0030】Z勾配コイルに対しては、前記文献中に同
じく記載されている若干異なる計算式が当てはまる。
【0031】いわゆるマクスウェル項は位置依存性を有
するので、補正方法は、その付近で補正が完全である特
定の空間的な基準点への固定を必要とする。
【0032】この基準点の周りの小さい範囲δのなかで
は周波数シフトの位置依存性は横方向の磁界成分により
計算され、また級数展開として表され得る。ここに提案
される補正方法では−この級数展開の、位置非依存性の
周波数シストを生じさせる第0次の項が周波数補正値Δ
ωを有する励起周波数の相応の追跡により補償され、−
空間的に直線的に位置依存性の周波数シストを生じさせ
る第1次の項が相応の軸の勾配オフセットΔGにより補
償される。
【0033】より高い次数のその他の項は確かに原理的
には考慮に入れられ得よう。しかし相応のコイルの(た
とえばシム‐システムの)ダイナミックな駆動はここで
は予定されていない。
【0034】図1は、横方向の磁界成分により発生され
る磁気共鳴像内のアーティファクトを十分にかつ応用す
べき測定シーケンスに無関係に減じる診断用磁気共鳴装
置の基本的な構成およびその構成要素の共同作用を示
す。能動的な漏れ磁界シールド4を有する軸状の超伝導
空心コイル磁石として構成されている基本磁界磁石2は
検査すべき身体6のなかの原子核をポラライズするため
に時間的に一定なかつ均等な磁界B0を発生する。基本
磁界B0は磁石に関して軸線方向に向けられており、x
yz直角座標系8のz座標方向を定めなければならな
い。測定ボリュームのなかの必要な空間的な均等性は磁
石の孔のなかに位置しているいわゆるシム(たいていは
特定の配置の鉄板または特殊な電界コイル)により作ら
れる。
【0035】円筒状の勾配コイルシステム10が同心に
磁石の孔のなかに入れられている。勾配コイルシステム
10は、それぞれ与えられた電流に比例し空間的にそれ
ぞれ互いに直交する勾配磁界を発生する3つの勾配コイ
ルを含んでいる。基本磁界の方向の勾配磁界は軸線方向
の勾配磁界とも呼ばれ、それに対して横方向の両方の勾
配磁界は半径方向の勾配磁界とも呼ばれる。勾配磁界を
発生する勾配コイルも相応に呼ばれる。勾配コイルシス
テム10の内側に高周波アンテナ11が位置している。
この高周波アンテナの役目は、高周波送信器12から与
えられる高周波パルスを原子核を励起するための交番磁
界に変換し、続いて歳差運動する核モーメントから出発
する交番磁界を受信枝路14に供給される電圧に変換す
ることである。検査すべき身体範囲に応じて代替的に特
殊な局所的に敏感なアンテナいわゆるローカルアンテナ
16が信号受信のために使用される。
【0036】患者寝台18が上記の装置構成要素を補
う。
【0037】受信アンテナ11または16は外部の高周
波擾乱に対して十分に遮蔽されていなければならないの
で、それらは磁石2、コイル10および寝台18と共に
閉じられた金属製のキャビネット20の内側に位置して
いる。キャビネットのなかの導線は阻止フィルタ22を
介して導かれる。
【0038】パルスシーケンス制御部24は、相応に制
御プログラムを備えており、測定の進行をシステムコン
ピュータ26にほぼ無関係に制御する。パルスシーケン
ス制御部24は一方では勾配‐パルスフォーム発生器2
8を制御し、その勾配‐パルスフォーム発生器28の出
力側はそのつどの勾配軸線に対する勾配増幅器30と接
続されている。さらにパルスシーケンス制御部24から
ディジタル‐アナログ変換器32を介して変調器34に
高周波パルスに対する包絡振幅が供給される。変調器3
4の出力側は高周波電力増幅器35と接続されている。
同じくパルスシーケンス制御部24は受信枝路14のな
かのアナログ‐ディジタル変換器36を制御する。最後
に、核(撮像の際にはほぼ専ら陽子)を励起するための
周波数と核から放射される磁気共鳴信号とに相当する搬
送周波数がパルスシーケンス制御部24から高周波発生
器38に与えられる。高周波発生器38は送信枝路のな
かの変調器34に対する変調周波数、および受信枝路1
4のなかで入力増幅器39の後に接続されている復調器
37に対する復調周波数を供給する。
【0039】オペレータコンソール42を含むモニタ4
0を介して磁気共鳴像が表され、相応のオペレータイン
タフェースを介して磁気共鳴装置が操作される。
【0040】磁気共鳴像内のアーティファクトを免れる
ため、オフセンター領域(すなわち磁気共鳴装置のアイ
ソセンターに対して間隔をおいて位置している層)の撮
像の際に、横方向の磁界成分に起因するアーティファク
トの発生が周波数補正値Δωおよび/または追加勾配磁
界ΔGによりほぼ避けられる。周波数補正値Δωはパル
スシーケンス制御部24で求められ、周波数値ωに追加
され、追加的にパルスシーケンス制御部24から追加勾
配磁界ΔGが横方向の磁界成分を補償するために与えら
れる。追加勾配磁界ΔGの振幅および時間的経過は勾配
磁界に対する従来の仕方で形成される目標値に追加され
る。
【0041】物理的背景の前記の叙述から既に認識され
るように、補償位置によっては周波数補正値Δωならび
に個々のまたはすべての追加勾配磁界ΔGは零である。
【0042】図2は補正方法の入力量および出力量を一
覧図で示す。入力量として本方法は基本磁界磁石の基本
磁界強度B0と、各々の勾配コイルの横方向成分の対称
挙動のための勾配コイルの構成形式により種々の方位G
X、GYおよびGZに対して有効な特徴的なパラメータ
ΨX、ΨYおよびΨZとを使用する。測定‐またはシー
ケンスパラメータに関係して本方法にシーケンスの各々
の時点での勾配振幅Gと、補償が有効になるべき補正位
置とが入力される。これらの入力量から相応の補正位置
に対して、高周波発生器をダイナミックに追跡するため
の補正周波数Δωとして用いられる第0次の補正項が決
定される。たとえば補償すべきマクスウェル項が非対称
なx勾配コイルにより惹起されると、補正位置z0の周
りの小さい範囲のなかでマクスウェル項が高周波発生器
38に対する補正周波数Δωとして考慮に入れられる。
x勾配振幅Gxから補正周波数が関係式 Δω=(γ/2B0)(Ψx+z0)(Ψx−z0)Gx 2 (ここでγは相応の核の磁気回転定数)に従って生ず
る。
【0043】非対称なxおよびy勾配コイルを使用する
際には補正周波数は Δω=(γ〔nucleus〕/2B0)((Ψx+z0)(Ψx
−z0)Gx 2+(Ψx+z0)(Ψx−z0)Gy 2) に従って生ずる。
【0044】対称な勾配コイルが使用されると、システ
ムパラメータΨXおよびΨYは零である。
【0045】第1次の補正項は追加勾配磁界ΔGにより
補償される。非対称なx勾配コイルの際にはz勾配コイ
ルに、 ΔGz=(−1/B0)(Ψ+z0)・Gx 2 により求められる追加勾配磁界ΔGzが追加される。
【0046】非対称なxおよびy勾配コイルの場合には
勾配振幅Gzに対する補正値が ΔGz=(−1/B0)(Ψx+z0)・Gx 2+(Ψy
0)・Gy 2 により生ずる。
【0047】ここでも対称な勾配コイルの際にはシステ
ムパラメータΨxおよびΨyは零である。
【0048】より多くの層(マルチスライス‐シーケン
ス)を測定する際には、各々の層に対してz0に対する
異なる値が使用される。その場合、補正値を計算するた
めにシーケンスの各々の勾配コイルに、それらのスピン
にマクスウェル項が作用する層の位置パラメータが対応
付けられなければならない。
【0049】図3は周波数補正値Δωおよび追加勾配磁
界ΔGによる補正作用を示す。非対称に構成されたx勾
配コイルのマクスウェル項の定量的な経過48がz座標
の方向の位置に関係して示されている。非対称に構成さ
れたx勾配コイルは−15cmのz位置にマクスウェル
‐アイソセンター50を有する。座標系の原点はz勾配
コイルから発生されるBz成分の零通過により定義され
ている(勾配‐アイソセンター)。マクスウェル項によ
る磁界歪みの経過はほぼ放物線に相当する。いま位置z
0=5cmの周りの範囲のなかで、横方向の磁界成分に
起因する像歪みが減ぜられるべきであれば、線分52に
相当するz方向の追加的な勾配磁界ΔGと、線分54に
相当する周波数補正値Δωとにより、磁気共鳴信号のな
かのマクスウェル項により惹起される周波数シフトが考
慮に入れられ、それにより惹起される像歪みが信号発生
の際にほぼ補正される。
【図面の簡単な説明】
【図1】横方向の磁界成分により発生されるアーティフ
ァクトがほぼ補償されている診断用磁気共鳴装置を原理
的に示すブロック回路図。
【図2】半径方向の勾配磁界の際のマクスウェル項を軸
線方向の位置に関係して示す図。
【図3】本補正方法の入力量および出力量を示す図。
【符号の説明】
2 基本磁界磁石 4 能動的な漏れ磁界シールド 6 身体 8 座標系 10 勾配コイルシステム 11 勾配コイルアンテナ 12 高周波送信器 14 受信枝路 16 ローカルアンテナ 18 患者寝台 20 キャビネット 22 阻止フィルタ 24 パルスシーケンス制御部 26 システムコンピュータ 28 勾配‐パルスフォーム発生器 30 勾配増幅器 32 ディジタル‐アナログ変換器 34 変調器 35 高周波電力増幅器 36 アナログ‐ディジタル変換器 37 復調器 38 高周波発生器 39 入力増幅器 40 モニタ 42 オペレータコンソール 48 マクスウェル項の経過 50 マクスウェル‐アイソセンター 52 線分(周波数補正値Δωに相当) 54 線分(追加勾配磁界ΔGに相当)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 勾配磁界(G)を発生する勾配コイルシ
    ステム(10)と磁気共鳴信号を励起する高周波送信器
    (12)とを含んでいる磁気共鳴装置のなかで、磁気共
    鳴装置の基本磁界(B0)に対して横方向に向けられて
    いる横方向の磁界成分により惹起される磁気共鳴画像内
    のアーティファクトを補正する方法において、補正範囲
    (z0)に対する測定シーケンス中に高周波送信器(1
    2)に周波数補正値(Δω)が供給され、周波数補正値
    (Δω)が横方向の磁界成分に関係して決定されること
    を特徴とする磁気共鳴画像内のアーティファクトの補正
    方法。
  2. 【請求項2】 周波数補正値(Δω)が半径方向の勾配
    磁界(Gx、Gy)の二乗に関係して決定されることを特
    徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 周波数補正値(Δω)が、非対称に構成
    された勾配コイルシステムの横方向の磁界成分のマクス
    ウェル‐アイソセンタの位置である対称性パラメータ
    (ΨX、ΨY、ΨZ)に関係して形成されることを特徴
    とする請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 周波数補正値(Δω)が関係式 Δω=(γ/2B0)(Ψ+z0)(Ψ−z0)G2 ここでΔω:周波数補正値 γ :磁気回転成分 B0:基本磁界 Ψ :半径方向の勾配コイルの非対称な構成方式の際の
    非対称性に対する尺度としての対称性パラメータ z0:z勾配磁界の零点に関する層の位置 G :半径方向の勾配コイルにより発生される磁界勾配
    に従って形成されることを特徴とする請求項1ないし3
    の1つに記載の方法。
  5. 【請求項5】 横方向の磁界成分を補償するために追加
    勾配磁界(ΔG)が発生されることを特徴とする請求項
    1ないし4の1つに記載の方法。
  6. 【請求項6】 追加勾配磁界(ΔG)が半径方向の勾配
    磁界(Gx、Gy)の二乗に関係して形成されることを特
    徴とする請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 追加勾配磁界(ΔG)が、非対称に構成
    された勾配コイルシステムの横方向の磁界成分のマクス
    ウェル‐アイソセンタの位置を特徴付ける対称性パラメ
    ータ(ΨX、ΨY、ΨZ)に関係して形成されることを
    特徴とする請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 追加勾配磁界(ΔG)が関係式 ΔG=(−1/B0)(Ψ+z0)G2 ここでΔG:補償のための追加勾配 B0:基本磁界 Ψ :半径方向の勾配コイルの非対称な構成方式の際の
    非対称性に対する尺度としての対称性パラメータ z0:z勾配磁界の零点に関する層の位置 G :半径方向の勾配コイルにより発生される磁界勾配 に従って形成されることを特徴とする請求項7記載の方
    法。
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