JP2001034343A - 速度ガバナー - Google Patents

速度ガバナー

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JP2001034343A
JP2001034343A JP11209413A JP20941399A JP2001034343A JP 2001034343 A JP2001034343 A JP 2001034343A JP 11209413 A JP11209413 A JP 11209413A JP 20941399 A JP20941399 A JP 20941399A JP 2001034343 A JP2001034343 A JP 2001034343A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転軸と共に回転する回転板と固定ケース側
に保持された摩擦板との間の押圧力を変えることによっ
て所定回転速度域で所定のブレーキ力を発生するように
した速度ガバナーにおいて、静止時に作動するブレーキ
機能と、高速時の回転速度を制限するガバナー機能とを
併せ持ち、装置の小型化と軽量化とを可能にする。 【解決手段】 回転軸と共に回転するブレーキレバーホ
ルダーと、このブレーキレバーホルダに取付けられ径方
向内側および外側へ揺動してそれぞれ異なる第1および
第2の押圧部で回転板を押圧するブレーキレバーと、少
なくとも停止時にブレーキレバーを内側へ復帰させブレ
ーキレバーに第1の押圧部で回転板を押圧させる第1の
ばねと、使用回転域以上で遠心力により外側へ揺動する
ブレーキレバーが第2の押圧部で回転板を押圧しつつ圧
縮する第2のばねとを備え、使用回転域では第2のばね
がブレーキレバーの揺動を規制して回転板に対する押圧
力を0または十分小さくした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、停止時に所定の
ブレーキ力を発生して回転を規制すると共に、使用回転
域以上の高速回転時には回転速度の過大な上昇を制限す
ることができる速度ガバナーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】回転機において、回転速度が過大になる
のを防止し速度を安定化させるために遠心力を用いた速
度ガバナーが公知である。すなわち径方向へ揺動可能な
ブレーキレバーを設け、このブレーキレバーに作用する
遠心力が大きくなるとブレーキ力が増大するようにして
速度が過大になるのを防止するものである。
【0003】一方昇降機(リフト、ウインチを含む)に
おいては、人や荷物(以下荷物等という)の押上げ時に
電動モータなどの動力を作動させるが、静止時には荷物
等がその自重によって自然に下降するのを防ぐために、
通常ブレーキを設けている。すなわち荷物等の昇降時に
はこのブレーキを解放し、静止時にはこのブレーキによ
って自由降下を防ぐものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】昇降機などにおいて、
昇降速度を制限するための遠心速度ガバナーと、静止時
のブレーキとの両方を必要とする場合には、従来はこれ
らを別々に設ける必要があった。このため装置が大型化
し重くなるという問題があった。
【0005】この発明はこのような事情に鑑みなされた
ものであり、静止時に作動するブレーキ機能と、高速時
の回転速度を制限するガバナー機能とを併せ持ち、装置
の小型化と軽量化とを可能にする速度ガバナーを提供す
ることを目的とする。
【0006】
【発明の構成】この発明によればこの目的は、回転軸と
共に回転する回転板と固定ケース側に保持された摩擦板
との間の押圧力を変えることによって所定回転速度域で
所定のブレーキ力を発生するようにした速度ガバナーに
おいて、前記回転軸と共に回転するブレーキレバーホル
ダーと、このブレーキレバーホルダに取付けられ径方向
内側および外側へ揺動してそれぞれ異なる第1および第
2の押圧部で前記回転板を押圧するブレーキレバーと、
少なくとも停止時に前記ブレーキレバーを内側へ復帰さ
せ前記ブレーキレバーに前記第1の押圧部で前記回転板
を押圧させる第1のばねと、使用回転域以上で遠心力に
より外側へ揺動する前記ブレーキレバーが前記第2の押
圧部で前記回転板を押圧しつつ圧縮する第2のばねとを
備え、使用回転域では前記第2のばねが前記ブレーキレ
バーの揺動を規制して前記回転板に対する押圧力を0ま
たは十分小さくすることを特徴とする速度ガバナー、に
より達成される。
【0007】ブレーキレバーは回転板に対向する作用面
を持ち、回転板から離れた重りがこの作用面に近い揺動
軸を中心にして半径方向内側および外側に揺動すること
により、作用面の内端および外端がそれぞれ少なくとも
停止時および使用回転域以上で回転板を押圧する第1お
よび第2の押圧部となるように構成することができる。
【0008】
【実施態様】図1は本発明の一実施態様を用いた昇降機
用駆動装置を示す正面図、図2はその右側面図、図3は
図1におけるIII矢視図、図4はこの昇降機用駆動装
置を用いたリフトを示す図、図5はこのリフトの下降時
を示す図である。
【0009】この昇降機用駆動装置10は、図1に示す
ように、直流電動モータ12と、回転伝動機構14を収
容する歯車ケース16と、この歯車ケース16に固定さ
れモータ12と同方向に平行に突出するねじ軸保持ケー
ス18と、このねじ軸保持ケース18から突出するねじ
軸20と、このねじ軸20に螺合するナットホルダ22
とを有する。歯車ケース16には、モータ12の回転軸
24の回転を減速する中間平歯車26と、この中間平歯
車26の回転をさらに減速する終減速平歯車28と、こ
の終減速平歯車28に固定されたドライブ軸30とが収
容されている。
【0010】ねじ軸保持ケース18には、ねじ軸20が
僅かに折曲可能かつ回転自在に保持されている。すなわ
ちねじ軸20に固定したフランジ20a(図1)を両側
から皿ばね(図示せず)で挟み、これら皿ばねを一対の
スラストベアリング(図示せず)を介してねじ軸保持ケ
ース18内に保持したものである。
【0011】ドライブ軸30とねじ軸20とはジョイン
ト32で曲げ方向の僅かな変位を許容するように連結さ
れている。すなわちこのジョイント32は、両端から中
央付近まで互いに直交する溝が形成され、各溝にドライ
ブ軸30およびねじ軸20に貫挿したピン34,36を
係入させたものである。ナットホルダ22にはボールナ
ットが収容され、ナットホルダ22とねじ軸20により
送りねじ機構37が形成される。このナットホルダ22
にはねじ軸20のねじ山に係合する多数のボールベアリ
ング(鋼球)が循環可能に収容されている。このためナ
ットホルダ22の回転を規制しつつねじ軸20を回転す
れば、ボールベアリングが循環しつつナットホルダ22
がねじ軸20上を極めて小さい抵抗で移動する。
【0012】このナットホルダ22には、図2に示す円
板の対称位置の縁を切り欠いた形状の取付板38が固定
されている。ねじ軸保持ケース18の外周面には、水平
方向に突出する一対の軸受ピン40,40が固定されて
いる。電動モータ12は永久磁石を界磁に用いた永久磁
石式直流モータである。
【0013】電動モータ12には歯車ケース16の反対
側に本発明に係る速度ガバナー42が取付けられてい
る。モータ12のロータ軸すなわち回転軸24は歯車ケ
ース16の反対側に突出し、速度ガバナー42のケース
44内へ進入している。このケース44はベース部46
を挟んでモータ12に取付けられる。この速度ガバナー
42は回転軸24の停止時および極低速域と使用回転域
以上でブレーキ力を発生し、その間の使用回転域で発生
するブレーキ力は0または十分小さい。その構造につい
ては後記する。
【0014】この昇降機用駆動装置10は、例えば図
4,5に示すようなリフト64に使用される。これらの
図において、符号70は基台、72は可動台である。こ
れらは互いに支点74でX型に連結されたアーム76,
78により支持されている。すなわちアーム76,78
の一端はそれぞれ基台70および可動台72に軸着さ
れ、他端はそれぞれ基台70、可動台72に設けた水平
なガイドレール80,82上を移動する。
【0015】昇降機用駆動装置10は、ナットホルダ2
2の取付板38が支点74の下方でアーム78に軸支さ
れる。すなわちナットホルダ22は、アーム78に取付
けた水平な軸84を中心にして揺動可能にアーム78へ
連結される。ねじ軸保持ケース18の軸受ピン40,4
0は支点74の下方でアーム76に枢支される。
【0016】モータ12が正転する時にその駆動力が速
度ガバナー42の静止ブレーキ力を越えるとモータ12
は回転を開始し、回転速度の増大による遠心力の増大に
伴ってそのブレーキ力は減少する。そしてねじ軸20は
ナットホルダ22をねじ軸保持ケース18側へ近接させ
る方向に回転する。このため軸受ピン40とナットホル
ダ22が近接し、アーム76,78は立上がる方向に回
動して可動台72は上昇する。この時モータ12の回転
速度が過大になって使用回転域以上になると速度ガバナ
ー42は再びブレーキ力を発生し、速度を安定させる。
【0017】モータ12が停止した場合には、可動台7
2の重さやその上に載せた荷物等の重さによってナット
ホルダ22にはねじ軸保持ケース18から離れる向きの
力が加わる。このためねじ軸20に逆方向の回転力が加
わる。この回転力は回転伝動機構14によってモータ1
2に同様に逆回転させる向きの回転力(回転トルク
L)となって加わる。
【0018】しかしこのモータ12の停止時には速度ガ
バナー42がブレーキ力を発生する。この時の静止ブレ
ーキ力(制動トルク)をTBOとした時、このブレーキ力
(T BO)が前記した負荷(可動台72および荷物の重
さ)による回転力(TL)よりも大ならば、可動台72
は下降しない。
【0019】モータ12の駆動電流を正転時と逆に切換
えると、モータ12は逆転方向に回転駆動力(回転トル
クTM)を発生する。この回転力TMが速度ガバナー42
の静止ブレーキ力(TBO)と可動台72や荷物の重さが
モータ12に作用する回転力(TL)の差(TBO−TL
よりも大きくなれば、モータ12は回転を開始する。従
って可動台72は図5に示すように下降する。前記速度
ガバナー42の静止ブレーキ力(TBO)と、逆転時のモ
ータ12の回転力(TM)は、前記のように、TL
BO、かつTBO−TL<TM、となるように設定される。
すなわちTL<TBO<TM+TLに設定する。
【0020】次に速度ガバナー42を図6〜17を用い
て説明する。図6はその断面図、図7はブレーキレバー
ホルダの斜視図、図8は回転板の正面図(A)とその中
央断面図(B)、図9は背面板の正面図(A)とその中
央断面図(B)、図10は速度ガバナーのケースの正面
断面図、図11はそのXI−XI線断面図、図12は摩
擦板の正面図、図13はそのXIII−XIII線拡大
断面図、図14,15,16はそれぞれ停止時と使用回
転域時と使用回転域以上の高速時の動作説明図、図17
はブレーキ力(TB)の回転速度(N)に対する変化を
示す動作特性図である。
【0021】図6において100は軸受であり、モータ
12の回転軸24の一端を支持する。なおベース部46
はモータ12の蓋部を兼ねている。102はブレーキレ
バーホルダーであり、回転軸24に後記するように保持
されている。このホルダー102は図7に示すように、
円筒部104と、この円筒部104の一端から連続して
延出する小径部106と、この円筒部104の一端の外
周から外径方向に突出する8本の脚部108とを有す
る。
【0022】8本の脚部108は対向する2本を1組と
して各組が周方向に90°間隔で設けられている。各組
の2本の脚部108の間隙は小径部106に中心軸方向
に形成したスリット110に連続している。なお小径部
106の内径は回転軸24の外径より僅かに大きい。円
筒部104の内部は後記するコイルばね118,120
を収容するばね室となる。小径部106の外周面は断面
略四角形であり、この外周面に後記する回転板132,
134が係合する。
【0023】112はブレーキレバーであり、略L字状
に形成されている。このブレーキレバー112は、その
一端を各組の脚部108間に入れてL字状の折曲部付近
がホルダ102の各組の脚部108間に支軸109で軸
支される。そしてその他端は円筒部104の外周に沿っ
て延び、その先端にはピン113によって重り114が
取付けられている。
【0024】組み付け時には、まず回転軸24を垂直に
立ててベース部46と軸受100を装着する。次に回転
軸24には軸受100に当接するばね座金116が装着
され、この座金116に当接する第1および第2のコイ
ルばね118,120が回転軸24の上端から順に装着
され、さらに第1および第2のリング122,124が
装着される。次に予めブレーキレバー112を組付けた
ホルダー102が回転軸24の上端から挿入され、円筒
部104の内側に形成されるばね室にこれらのコイルば
ね118,120が収納される。なお座金116の外径
は円筒部104の内径よりも僅かに小さく、円筒部10
4はこの座金116の外周により径方向の位置決めがな
される。
【0025】第1のコイルばね118は第2のコイルば
ね120よりも線径が細く、第2のコイルばね120よ
りもばね定数が小さい。これらのコイルばね118,1
20の一端は前記のように座金116に当接する一方、
他端は第1および第2のリング122,124を介して
それぞれブレーキレバー112およびホルダー102側
の端面に当接する。
【0026】ここに第1および第2リング122,12
4は円筒部104の内周面および回転軸24の外周面に
それぞれ案内されて径方向の位置決めがなされる。また
小径部106のばね室側の端面には、第1のリング12
2が進入可能な環状溝126が形成されている。
【0027】以上のようにホルダー102を回転軸24
に挿入した後、ホルダー102を押して第1,第2のば
ね118,120を少し圧縮して初期荷重を付与した状
態で回転軸24にストッパリング130を装着し、ホル
ダー102を位置決めする。その後回転軸24にスリッ
ト110の間からピン128を貫挿して、ホルダー10
2を回転軸24に対して回り止めとする。そして回転板
等を次のように装着する。
【0028】132および134は回転板であり、前記
ホルダ102の小径部106の外周面(四角形)に係合
する略四角形の開口部136(図8)を有する。なお一
方の回転板134には図8に示すように等間隔に3つの
小孔138が形成されている。140は摩擦板であり、
両回転板132,134の間に介在する。すなわち回転
板132を小径部106に装着し、ピン128の抜け止
めとする。次に摩擦板140を装着し、さらに回転板1
34を小径部106に装着する。この時小孔138には
後記する係合ピン148とコイルばね150が組み付け
られ、これらは摩擦板140に形成された円形の開口内
に臨む。
【0029】なお摩擦板140の外周はケース44の内
面に係合して回転が規制される。図10は図6において
ケース44を摩擦板140の付近で断面して示すもので
あり、その内周面には略四角形を囲む係合凸部44Aが
形成されている。摩擦板140は図12,13に示すよ
うに略四角形の板140Aの両面に摩擦材140Bを円
環状に貼ったものであり、この板140Aの外周がケー
ス44の係合凸部44Aに係合することにより摩擦板1
40の回り止めとされる。
【0030】なおケース44の係合凸部44Aを形成す
る略四角形の各辺の中央には凹部44Bが形成され、対
向する2つの凹部44Bにはボルト孔44Cが臨んでい
る。このボルト孔44Cにはケース44をベース46と
共にモータ12に固定するためのボルトを通すものであ
る。なおベース46にはこれらボルト孔44Cを通るボ
ルトが通るボルト孔46A(図6参照)が形成されてい
る。
【0031】142は背面板であり、回転軸24の右端
に螺入される。この背面板142には、回転板134の
小孔138と同一径上に等間隔に12個の小孔146が
形成されている。回転板134の3つの小孔138に
は、図6に示すように摩擦板140側からカップ状の係
合ピン148とコイルばね150とがそれぞれ挿入され
ている。各ピン148にはこのピン148の内底面と回
転板132との間に縮装されたコイルばね150によっ
て背面板142側への復帰習性が付与されている。この
ためピン148は背面板142の小孔146のうちの3
つに係入し、背面板142の回り止めとなる。
【0032】なお摩擦板140と回転板132,134
との押圧力は、次のように調整する。12個の小孔14
6に同時に係合する高さが小孔146の深さと同一の1
2個の突起を有する専用工具を用意しておく。この工具
を用いて背面板142の小孔146を通して3つのピン
148を小孔146から同時に押し出し、この状態で工
具と共に背面板142を回転させれば背面板142を小
孔146の1ピッチ分ないし数ピチ分回すことができ、
ピン148が他の小孔146に係入する。このようにし
て背面板142の軸方向位置を変化させ再びロックさせ
ることができる。そして最後にケース44をその係合凸
部44Aが摩擦板140の板140Aの外周面に係合す
るように位置合せしながら上からかぶせ、2本のボルト
をボルト孔44C,46Aに通しモータ12に固定す
る。
【0033】次に速度ガバナー42の動作を説明する。
まず停止時を含む低速時には、図14に示すようにブレ
ーキレバー112は初期荷重を付与された第1のコイル
ばね118により押されてその重り114が内径側へ移
動する。すなわち第1のコイルばね118が第1のリン
グ122をホルダー102の環状溝126に押込み、こ
の第1のリング122がブレーキレバー112を押して
重り114を内側へ移動させるものである。
【0034】このブレーキレバー112の内側への揺動
により、ブレーキレバー122の回転板132に対向す
る部分、すなわち作用面150の径方向内側の端(ここ
では第1の押圧部Aという)が回転板132を押す。ホ
ルダー102は、この押圧力の反力によって回転軸24
上を図10上で左側へ押されるが、初期荷重を付与され
たばね定数の大きい第2のばね120によりその移動が
規制される。
【0035】この状態で回転速度(N)が次第に上昇
し、ブレーキレバー112の重り114に加わる遠心力
が次第に増大してブレーキレバー112が揺動を開始す
る回転速度(N1)になるまでの間では、ブレーキレバ
ー112の第1の押圧部Aによる押圧力は次第に減少す
る。従ってこの間では摩擦板140と回転板132,1
34との間に発生する摩擦力すなわちブレーキ力TB
図17に示すように徐々に減少する。なお静止摩擦係数
は動摩擦係数よりも大きいから、静止時(N=0)のブ
レーキ力(静止ブレーキ力)TBOはこのブレーキ力TB
よりも大きい。
【0036】回転速度(N)がさらに上昇すると、重り
114に加わる遠心力が増加し、ブレーキレバー112
が揺動して第1のコイルばね118を圧縮し、ブレーキ
力T Bは急激に減少する。回転速度が使用回転域のN2
なると、ブレーキレバー112は第2のコイルばね12
0の第2のリング124に当たり、それ以上の揺動が規
制される。この時にはブレーキレバー112の作用面1
50が回転板132と平行になる。図15はこの状態を
示している。
【0037】この状態で作用面150の回転板132に
対する押圧力はほとんど0となる。従ってこの状態では
ブレーキ力TBは十分に小さくなり、ほとんど0とな
る。第2のコイルばね120は、使用回転域(N2
3)の間はブレーキレバー112の揺動を規制するよ
うに設定されている。従って図17に示すようにN2
3の回転域ではブレーキ力TBはほぼ0に維持される。
【0038】回転速度がN3になると、重り114の遠
心力が第1および第2のコイルばね118,120の合
計ばね力よりも大きくなる。するとブレーキレバー11
2は、図16に示すように両コイルばね118,120
を圧縮しながら外側へ揺動する。この時にはブレーキレ
バー112の作用面150の外端(第2の押圧部Bとい
う)が回転板132を押圧する。この押圧力は回転速度
(N)の上昇と共に増大する。従って過大速度での回転
を防ぐガバナーとして機能する。
【0039】以上の動作の結果、この速度ガバナー13
は、図17に示すブレーキ力TBを発生するものとな
る。従ってこの速度ガバナー42を図4,5に示すリフ
ト64に用いた場合には、モータ12の停止時には大き
なブレーキ力TBOを発生して荷物の自然降下を防止する
ことができる。またモータ12が起動してその回転速度
Nが増加すると共にブレーキ力TBは減少し、使用回転
域(N2〜N3)に入るとブレーキ力TBは十分に小さく
なって円滑な昇降動作が可能になる。
【0040】そして例えば降下時などに荷物等の重量が
加わってその下降速度が過大になると、モータ12も増
速する。このモータ12の速度が高速域(N3以上)に
入ると、ブレーキ力TBが速度(N)の増大と共に増大
する。このため速度上昇が制限される。従って荷物等が
過大な速度で下降することがない。なお荷物等が軽いに
もかかわらずモータ12の駆動力が万一過大になって荷
物等の上昇速度が過大になる時にもこのブレーキ力TB
は増大し、予想外に高速で荷物等が昇降するのを防止す
る。
【0041】
【発明の効果】請求項1の発明は以上のように、ブレー
キレバーを少くとも停止時に内側へ復帰させて回転板を
第1の押圧部で押圧させる第1のばねと、使用回転域以
上では遠心力によりブレーキレバーが外側へ揺動して第
2の押圧部で回転板を押圧しつつ圧縮する第2のばねと
を設け、使用回転域では第2のばねがブレーキレバーの
揺動を規制して回転板に対するブレーキレバーの押圧力
が0または十分に小さくなるようにしたものであるか
ら、静止ブレーキ力を発生するブレーキ機能と過大な高
速回転を規制するガバナー機能とを併せて持つことがで
きる。このため静止ブレーキとガバナーとを別々に設け
る場合に比べて装置の小型化と軽量化が図れる。
【0042】ブレーキレバーは回転板に近い支軸と、回
転板から離れた重りとを持ち、支軸よりも回転板側に位
置する作用面の径方向内端を少くとも停止時に回転板を
押す第1の押圧部とし、径方向外端を使用回転域以上で
回転板を押す第2の押圧部とすることができる(請求項
2)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様を用いた昇降機用駆動装置
を示す正面図
【図2】その右側面図
【図3】図1におけるIII矢視図
【図4】この昇降機用駆動装置を用いたリフトを示す図
【図5】このリフトの下降時を示す図
【図6】速度ガバナーの断面図
【図7】ブレーキレバーホルダの斜視図
【図8】回転板の正面図(A)とその中央断面図(B)
【図9】背面板の正面図(A)とその中央断面図(B)
【図10】ガバナーのケースの正面断面図
【図11】図10におけるXI−XI線断面図
【図12】摩擦板の正面図
【図13】図12におけるXIII−XIII線断面図
【図14】速度ガバナーの動作説明図(停止時)
【図15】速度ガバナーの動作説明図(使用回転域時)
【図16】速度ガバナーの動作説明図(使用回転域以上
時)
【図17】動作特性図
【符号の説明】
10 昇降機用駆動装置 42 速度ガバナー 64 リフト 102 ブレーキレバーホルダ 112 ブレーキレバー 113 支軸 114 重り 118 第1のコイルばね 120 第2のコイルばね 122 第1のリング 124 第2のリング 126 環状溝 132、134 回転板 140 摩擦板 142 背面板 150 作用面 A 第1の押圧部 B 第2の押圧部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸と共に回転する回転板と固定ケー
    ス側に保持された摩擦板との間の押圧力を変えることに
    よって所定回転速度域で所定のブレーキ力を発生するよ
    うにした速度ガバナーにおいて、 前記回転軸と共に回転するブレーキレバーホルダーと、 このブレーキレバーホルダに取付けられ径方向内側およ
    び外側へ揺動してそれぞれ異なる第1および第2の押圧
    部で前記回転板を押圧するブレーキレバーと、 少なくとも停止時に前記ブレーキレバーを内側へ復帰さ
    せ前記ブレーキレバーに前記第1の押圧部で前記回転板
    を押圧させる第1のばねと、 使用回転域以上で遠心力により外側へ揺動する前記ブレ
    ーキレバーが前記第2の押圧部で前記回転板を押圧しつ
    つ圧縮する第2のばねとを備え、 使用回転域では前記第2のばねが前記ブレーキレバーの
    揺動を規制して前記回転板に対する押圧力を0または十
    分小さくすることを特徴とする速度ガバナー。
  2. 【請求項2】 ブレーキレバーは、回転板に近接する支
    軸と回転板から離れた重りとを持ち、前記支軸より回転
    板側に位置する作用面の径方向内端および外端をそれぞ
    れ第1および第2の押圧部とした請求項1の速度ガバナ
    ー。
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