JP2001033830A - エレクトロクロミック素子の封止構造 - Google Patents

エレクトロクロミック素子の封止構造

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JP2001033830A
JP2001033830A JP11206970A JP20697099A JP2001033830A JP 2001033830 A JP2001033830 A JP 2001033830A JP 11206970 A JP11206970 A JP 11206970A JP 20697099 A JP20697099 A JP 20697099A JP 2001033830 A JP2001033830 A JP 2001033830A
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resistance
silicone rubber
film
electrochromic
sealing structure
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Hideyuki Kikuchi
英幸 菊池
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Murakami Corp
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  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 封止ガラスを不要としてエレクトロクロ
ミック素子の軽量化、低コスト化を図るとともに、外部
からの水分、薬品、油等を遮断して、素子の損傷や、着
色・消色機能の低下を防止する。 【解決手段】 エレクトロクロミック層4及び金属膜5
は、その背面側から、耐候性、耐熱性、耐薬品性及び耐
油性を有するシリコーンゴム12と、シリコーンゴム1
2と予め一体に形成されている耐水性、耐湿性、耐摩耗
性及び耐熱性を有するポリマーフィルム13により被覆
され保護及び封止されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種の表示装置や
自動車のインナーミラー又はアウターミラー等の防眩ミ
ラーとして用いられるエレクトロクロミック素子に関
し、特にエレクトロクロミック素子の封止構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】エレクトロクロミック素子は、電圧を印
加してエレクトロクロミック物質の酸化、還元反応を起
こさせて着色・消色等の変化を生じさせる素子であり、
従来から、各種の表示装置や自動車のインナーミラー又
はアウターミラー等の防眩ミラーとして用いられるとこ
ろである。例えば、実開平2−134521号公報、特
開平8−292457号公報、特開昭59−13223
号公報、米国特許第4852979号明細書等がある。
【0003】図1は、従来のエレクトロクロミック素子
の封止構造の基本的な例を説明する図であり、具体的に
は、エレクトロクロミック防眩ミラーの封止構造に適用
した従来例の断面図である。
【0004】図1において、エレクトロクロミック防眩
ミラー1は、透明な基板ガラス2の背面に透明導電膜
3、エレクトロクロミック層4、電極兼反射膜として機
能する金属膜5が順次積層され、エレクトロクロミック
層4及び金属反射膜5は、その背面から、両側面及び背
面が全体的に略コの字型にエポキシ樹脂等の封止樹脂6
により被覆され、さらに封止樹脂6の背面に封止ガラス
7が貼り合わされている。
【0005】エレクトロクロミック層4は、IrOx、
NiO等の酸化発色膜8、Ta 等の固体電解質膜
9、及びWO、MO等の還元発色膜10が順次積層
されて構成される。金属膜5は、Al、Ag、Cr等の
金属膜から形成されている。透明導電膜3は、ITO、
SnO等の膜が使用される。
【0006】この従来例において、エレクトロクロミッ
ク層4が、酸化発色膜8としてIr酸化膜、固体電解質
膜9としてTa膜及び還元発色膜10としてWO
膜が順次積層されて構成される場合の着色、消色反応
について説明する。Ir酸化膜8には、HOが水酸化
イリジウムIr(OH) として存在する。
【0007】今、透明導電膜3の端子を直流電源(図示
せず。)の正極端子に接続し、金属膜5の端子を上記直
流電源の負極端子に接続すると、Ir酸化膜8では、T
膜9へのプロトンH 移動及び透明導電膜3
への電子放出が生じ、次のの酸化反応が進んでIr酸
化膜8は着色する。 Ir(OH) →IrO(OH)nーx(着色)+xH+xe・・・
【0008】一方、Ta膜9中のプロトンH
WO膜10中へ移動し、金属膜5から電子がWO
10に注入され、WO膜10では、次のの還元反応
が進んでWO膜10は着色する。 WO+xH+xe→HWO(着色)・・・
【0009】そして、上記直流電源の正負極の接続を切
り換えると、Ir酸化膜8では上記と逆向きに還元反
応が進んで消色し、WO膜10では上記とは逆向き
に酸化反応が進み消色する。なお、Ta膜9には
Oが含まれており、上記直流電源に接続することで
電離し、プロトンH、OH イオンの状態でも含ま
れており、上記着色及び消色反応に寄与している。
【0010】封止ガラス7は、封止樹脂6により封止さ
れたエレクトロクロミック層4及び金属膜5を背面側か
ら機械的強度をもって支持するとともに、防水性、防透
湿性、耐食性等を向上する保護的な機能を有する。さら
に、封止ガラス7は、イオンの行き来を阻止するイオン
遮断性を有し、エレクトロクロミック層4中に一定量存
在する着色及び消色反応を起こすプロトンH(H
オン)とOHイオンの外部への溶出及び外部からのイ
オンの侵入を防ぎ、エレクトロクロミック層4の着色及
び消色反応が正常に機能するようにしている。
【0011】このような構成のエレクトロクロミック防
眩ミラー1の透明電極膜3と金属膜5の間に電圧を印加
することにより、Ir酸化膜8及びWO膜10に着色
反応を起こさせて、金属膜5の入射光及び反射光が弱め
られ、エレクトロクロミック防眩ミラー1の反射率を低
下させる。
【0012】このような防眩機能を利用して、エレクト
ロクロミック防眩ミラー1により夜間走行時における後
続車のヘッドライト等に対する防眩作用を行わせるよう
にするものである。上記と逆方向の電圧を印加すること
により、上記酸化還元反応と逆向きの反応による無色化
(消色化)することにより、エレクトロクロミック防眩
ミラー1の反射率を低下させることのない通常の反射状
態にする。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図1に
示す従来のエレクトロクロミック防眩ミラーでは次のよ
うな問題点がある。 (1)封止ガラス7の製作工程を必要とするとともに、
この封止ガラス7の重量により、エレクトロクロミック
防眩ミラー1全体が重くなる。
【0014】(2)エレクトロクロミック層4は、外部
からの水分、薬品、油等により損傷しやすく、特に、外
部からエレクトロクロミック層4内に水分が侵入する
と、上記着色、消色反応が低下し防眩機能が劣化する。
【0015】この水分、薬品、油等による、損傷や機能
劣化の問題についてさらに詳説する。エレクトロクロミ
ック層4中には着色消色反応を起こすプロトンHとO
イオンが一定量存在する。特に、金属膜5と封止樹
脂6との界面にプロトンHとOHイオンが多量存在
する。着色消色反応が正常に機能するためには、このイ
オン量の変動を防止する必要があり、特に、外部からの
吸湿による水分の増加を防止する必要がある。
【0016】従来は、上記エレクトロクロミック層4に
対する、外部からの水分、薬品、油等により損傷や、上
記着色、消色反応の低下による機能劣化を防止するため
には、エポキシ樹脂等の封止樹脂6を介して封止ガラス
7で封止している。しかし、封止ガラス7は、上記のと
おり重量が嵩んだりその製造工程が必要である。
【0017】又、封止樹脂6は、封止ガラス7を設ける
ことを前提とし、単に封止機能を目的として配設されて
いるために、従来の封止樹脂は、エポキシ樹脂等の一般
的な樹脂が選択されていた。ところが、このような一般
的な樹脂では、単一ポリマーであり直鎖状に重合されて
いるために密度が低く、吸水、吸湿性が高く外部からの
水分の増加を防止することはできない。さらに、このよ
うなエポキシ樹脂であると、硬化時に発熱が生じ、硬化
後はその硬度がシェアー硬度で90近くとなり、エレク
トロクロミック層4に損傷を与えやすいという問題があ
る。
【0018】そこで、本発明は、上記従来の問題点の原
因である封止ガラスやエポキシ樹脂等による封止構造を
用いずに、エレクトロクロミック層に対する、外部から
の水分、薬品、油等により損傷や、上記着色、消色反応
の低下による機能劣化を防止し、しかも軽量化を図るこ
とのできるエレクトロクロミック素子の封止構造を提供
することを課題とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、透明な基板ガラスの背面に、透明導電膜
と、酸化又は還元反応により発色する発色膜と電解質膜
とを含むエレクトロクロミック層と、金属膜とが順次積
層されて成るエレクトロクロミック素子を封止する封止
構造であって、上記エレクトロクロミック層及び金属膜
は、その背面側から、背面及び側面も含めて全体的に、
耐候性、耐熱性、耐薬品性及び耐油性を有するシリコー
ンゴムにより被覆され保護及び封止され、シリコーンゴ
ムの背面には耐水性、耐湿性、耐摩耗性及び耐熱性を有
する部材が付設され、上記基板ガラス、上記透明導電
膜、上記エレクトロクロミック層、上記金属膜、上記シ
リコンーゴム並びに上記耐水性、耐湿性、耐摩耗性及び
耐熱性を有する部材の外周面は防湿材で被覆されてお
り、上記シリコーンゴムと上記耐水性、耐湿性、耐摩耗
性及び耐熱性を有する部材は、予め一体に形成されたシ
リコーンゴム付き部材が利用され、該シリコーンゴム付
き部材の上記シリコーンゴムが、上記エレクトロクロミ
ック層及び金属膜を包み込むように上記背面及び側面に
貼着されていることを特徴とするエレクトロクロミック
素子の封止構造を提供する。
【0020】上記耐水性、耐湿性、耐摩耗性及び耐熱性
を有する部材は、ポリエステル、ポリエチレン、アルミ
−ポリエチレンテレフタレート(PET)、ビニリデン
クロライドコポリマー、ナイロン12及びSiOxーPETから
成る群から選択されたポリマーフィルムを利用してもよ
い。
【0021】上記防湿剤は、シリコーンゴム塗料、ブチ
ルゴム及びUV硬化樹脂から成る群から選択された材料
から形成されたものを利用してもよい。
【0022】上記エレクトロクロミック層4は、酸化発
色膜、電解質膜及び還元発色膜とが順次積層された構成
としてもよい。
【0023】上記エレクトロクロミック層4は、酸化発
色膜として機能するIr酸化膜、電解質膜として機能す
るTa膜及び還元発色膜として機能するWO
が順次積層された構成としてもよい。
【0024】上記シリコーンゴムは、その背面に、耐水
性、耐湿性、耐摩耗性及び耐熱性を有するゴム系の粘着
シート又はポリマーフィルムが被着され、上記シリコー
ンゴムの変質が防止されるとともに、耐水性、耐湿性、
耐傷性が増強されるような構成としてもよい。
【0025】上記ポリマーフィルムは、上記シリコーン
ゴムの背面に、粘着材により貼り付けられたもの又は塗
布されて形成された構成としてもよい。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を実施例に基
づいて図面を参照して以下に説明する。図2は、本発明
に係るエレクトロクロミック素子の封止構造を、エレク
トロクロミック防眩ミラーの封止構造に適用した実施例
を示す断面図である。
【0027】図2において、本発明の実施例に係るエレ
クトロクロミック防眩ミラー11は、上記従来技術で示
したエレクトロクロミック防眩ミラー1同様に、透明な
基板ガラス2の背面に透明導電膜3、エレクトロクロミ
ック層4、防眩ミラーでは電極兼反射膜として機能する
金属膜5が順次後方に向かって積層されている。
【0028】エレクトロクロミック層4は、上記従来の
エレクトロクロミック防眩ミラー1同様に、IrOx、
NiO等の酸化発色膜8、Ta等の固体電解質膜
9、及びWO等の還元発色膜10が順次積層されて構
成される。金属膜5は、Al、Ag、Cr等の金属膜5
から構成されている。
【0029】本発明の構成のポイントは、従来生じてい
た上記問題の原因であった封止樹脂6及び封止ガラス7
に代わる新規な封止構造を採用した点である。この封止
構造では、エレクトロクロミック層4及び金属膜5を背
面から、即ち両側面及び背面を全体的に略コの字型に耐
候性、耐熱性、耐薬品性及び耐油性を有するシリコーン
ゴム12で覆うとともに、シリコーンゴム12の背面に
ポリマーフィルム13で覆う構造としている。
【0030】即ち、本発明では、従来のエレクトロクロ
ミック防眩ミラー1におけるような封止樹脂6と封止ガ
ラス7を設ける代わりに、その両者の機能を兼ね備えた
シリコーンゴム12により、エレクトロクロミック層4
及び金属膜5を背面から全体的に略コの字型に柔軟に包
み込んで封止する構造としている。
【0031】ポリマーフィルム13は、ポリエステル、
ポリエチレン、アルミ−ポリエチレンテレフタレート
(PET)、ビニリデンクロライドコポリマー、ナイロ
ン12及びSiOxーPETから成る群から選択されたポリマー
フィルムが使用される。
【0032】ここで、本発明の特徴とするところは、こ
のシリコーンゴム12とその背面のポリマーフィルム1
3でエレクトロクロミック層4を封止する構造は、予め
ポリマーフィルム13にシリコーンゴム12が成膜され
一体化されて成るシリコンーンゴム付きポリマーフィル
ムを、エレクトロクロミック層4及び金属膜5を背面か
ら貼り付けることにより形成される点である。
【0033】いずれにしろ、シリコーンゴム付きポリマ
ーフィルムを用いれば、貼り付けるだけのきわめて簡単
な工程でエレクトロクロミック層4及び金属膜5封止さ
れる。このようなシリコーンゴム付きポリマーフィルム
としては、三菱樹脂株式会社製の「珪樹」(商品名)、
住友スリーエム株式会社製の「ロールカバリングテープ
No.5461」(商品名)等が使用される。
【0034】実際の製造に際しては、シリコーンゴム付
きポリマーフィルムから、製造されるべきエレクトロク
ロミックミラー等の素子の平面形状とほぼ同じ形状に切
り取り、エレクトロクロミック層4及び金属膜5の背面
から貼り付ければよい。この場合、エレクトロクロミッ
ク層4及び金属膜5は、1.5μm程度できわめて薄
く、しかもシリコーンゴム12自体は柔軟性、伸縮性が
あるからポリマーフィルム13とシリコーンゴム12と
は一緒に切り出された同じサイズのものでも、シリコー
ンゴム12でエレクトロクロミック層4及び金属膜5の
側部を十分包み込むことができる。
【0035】なお、この実施例では、シリコーンゴム付
きポリマーフィルムを利用したが、ポリマーフィルム1
3でなくても、耐水性、耐湿性、耐摩耗性及び耐熱性を
有する部材であって、しかも従来の封止ガラスのような
重量のある部材や重量の出てしまう用い方(例.厚い構
造で利用する。)でなければ、ゴム、金属(軽量金属部
材あるいは強度の担保された金属軽量構造部材。)、セ
ラミックス(従来の封止ガラスを除く。)等の部材でも
よい。即ち、これらの部材とシリコーンゴムが一体とな
ったシリコーンゴム付き部材を利用してもよい。
【0036】そして、シリコーンゴム12とポリマーフ
ィルム13のさらに外側部から、外部の湿気等の影響を
抑制するために、同類の材料であるシリコーンゴム、耐
湿性の優れたブチルゴム、又はUV硬化樹脂等の防湿材
14で被覆し封止する。
【0037】以上のような構成から成る本発明に係るエ
レクトロクロミック防眩ミラー11の封止構造の作用に
ついて以下説明する。エレクトロクロミック層4の着
色、消色反応は、従来のエレクトロクロミック防眩ミラ
ー1と同じであるから、ここでは説明を省略する。この
エレクトロクロミック防眩ミラー11の封止構造では、
エレクトロクロミック層4をシリコーンゴム12が柔軟
に包み込み機械的強度をもって支持するとともに、耐食
性を向上させる保護機能を有する。
【0038】そして、シリコーンゴム12のシロキサン
結合が、外部からの水分、薬品、油等を遮断し、エレク
トロクロミック層4に対する、外部からの水分、薬品、
油等による損傷や、上記着色、消色反応の低下による機
能劣化を防止する。
【0039】即ち、本発明のシリコーンゴム12とポリ
マーフィルム13は、従来の封止ガラス7と同様に、耐
水性、耐候性、耐熱性、耐薬品性、耐油性、耐摩耗性等
を有し、外部からの水分、薬品、油等の侵入を防止し、
エレクトロクロミック層4の着色及び消色反応が正常に
機能するようにしている。
【0040】ところで、本発明の封止構造において、シ
リコーンゴム12とポリマーフィルム13を別体にし
て、後で貼り付けたりすると、シリコーンゴム12は密
着性が悪いために、貼着面に隙間ができ剥離の原因とな
ったりする。又、ポリマーフィルム13を一体にカバ−
しないでシリコーンゴム12をむき出しにしている場合
には、シリコーンゴム12自体が耐摩耗性がないために
他の機器や取り付け部材等との接触等に弱く、その取り
扱い上の問題が生じる。
【0041】しかしながら、本発明では、予めポリマー
フィルム13にシリコーンゴム12が成膜され一体化さ
れているシリコンーンゴム付きポリマーフィルム13
を、エレクトロクロミック層4及び金属膜5を背面から
貼り付けて封止するために、封止構造の形成はきわめて
簡単となるばかりでなく、上記取り扱い上の問題、即
ち、密着性が悪い、耐摩耗性が無い等のシリコーンゴム
12の扱いにくい部分をカバーでき、二次加工性、汎用
性が増す。
【0042】(実験例)次に、本発明に係るエレクトロ
クロミック素子の封止構造を具体的に作製し、その実験
を行った。この実験例を以下説明する。本実験例では、
自動車用インナーミラーサイズ(280×80mm)の
ITOガラス基板(透過率80%、抵抗値8Ω/□)上
に、1000ÅのIrOx膜、6000ÅのTa
膜及び6000ÅのWO膜から成るエレクトロクロミ
ック層4、さらに1000ÅのAl膜を真空蒸着法にて
順次成膜した。そして、Al膜上に三菱樹脂(株)製の
シリコーンゴム付きフィルム「珪樹」(商品名)を貼着
し、周辺を信越化学工業(株)製のシリコーンゴム「K
E402」(商品名)で封止し、エレクトロクロミック
素子を作成した。
【0043】反射率特性を確認したところ、1.5Vの
駆動電圧により、着色時10%、消色時75%の特性を
示した。そして、色むらの発生も見られなかった。さら
に、駆動電圧1.5Vの駆動により、着色・消色を繰り
返す作動試験(電圧印加時間は各20秒。)を行ったと
ころ、10万回程度の作動を行った後も、初期測定時の
反射率特性と変化しない値を示し、色むらの発生もみら
れなく、高い耐久性のを持つことが確認された。
【0044】以上、本発明に係るエレクトロクロミック
素子の封止構造を、エレクトロクロミック防眩ミラーの
封止構造に適用した実施例によって説明したが、この封
止構造が適用されるエレクトロクロミック素子は、防眩
ミラーに限るものではなく、エレクトロクロミック素子
表示装置等、エレクトロクロミック素子が適用されるも
のであれば、いろいろな装置にも適用できることは言う
までもない。
【0045】又、上記実施例では、エレクトロクロミッ
ク防眩ミラー全体が平坦なフラットタイプの防眩ミラー
に適用した構成について説明したが、シリコーンゴムは
弾性を有するから、基板ガラス、透明導電膜、エレクト
ロクロミック層及び金属膜を含め全体的に湾曲状のエレ
クトロクロミック防眩ミラー等のエレクトロクロミック
素子の封止構造にも応用ができる。
【0046】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0047】(1)封止ガラスを不要とする構造によ
り、エレクトロクロミック素子を大幅に軽量化できる。
そして、封止ガラスの製造工程を不要とし、予め用意し
たシリコーンゴム付き部材(例.シリコーンゴム付きポ
リマーフィルム)を貼着するという簡易な製造工程で済
むために、工程数の低減となり、大幅な低コスト化が達
成できる。
【0048】(2)エレクトロクロミック層をシリコー
ンゴムで柔軟に包み込んで封止したので、熱硬化樹脂の
ように、硬化時の発熱やその高硬度化によって、エレク
トロクロミック層に悪影響や損傷を与えることがなくな
り、又シリコーンゴムのシロキサン結合が外部からの水
分、薬品、油等を遮断するように機能するために、エレ
クトロクロミック層に対する外部からの水分、薬品、油
等による損傷や、上記着色、消色反応の低下による機能
劣化を防止することができる。
【0049】(3)シリコーンゴムに加えて耐水性、耐
湿性、耐摩耗性及び耐熱性を有する部材(例.ポリマー
フィルム)を被着することにより、高い強度や耐傷性が
付与されるとともに、防水性、防湿性等の一層の向上が
図られる、エレクトロクロミック素子を他の部材に取り
付けたりする場合等の二次加工性や汎用性等、即ち取扱
い易くなる。
【0050】(4)シリコーンゴムは、弾性を有するか
ら、上記実施例のようなフラット型のエレクトロクロミ
ック防眩ミラーだけでなく、全体的に曲率のついたエレ
クトロクロミック防眩ミラーにも応用ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のエレクトロクロミック素子の封止構造を
適用したエレクトロクロミック防眩ミラーの封止構造の
断面図を示す。
【図2】本発明に係るエレクトロクロミック素子の封止
構造の実施例であり、エレクトロクロミック防眩ミラー
の封止構造の断面図を示す。
【符号の説明】
1、11 エレクトロクロミック防眩ミラー 2 基板ガラス 3 透明導電膜 4 エレクトロクロミック層 5 金属膜 6 封止樹脂 7 封止ガラス 12 シリコーンゴム 13 ポリマーフィルム 14 防湿材(シリコーンゴム、ブチルゴム、UV硬
化樹脂等)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明な基板ガラスの背面に、透明導電
    膜と、酸化又は還元反応により発色する発色膜と電解質
    膜とを含むエレクトロクロミック層と、金属膜とが順次
    積層されて成るエレクトロクロミック素子を封止する封
    止構造であって、 上記エレクトロクロミック層及び金属膜は、その背面側
    から、背面及び側面も含めて全体的に、耐候性、耐熱
    性、耐薬品性及び耐油性を有するシリコーンゴムにより
    被覆され保護及び封止され、 シリコーンゴムの背面には耐水性、耐湿性、耐摩耗性及
    び耐熱性を有する部材が付設され、 上記基板ガラス、上記透明導電膜、上記エレクトロクロ
    ミック層、上記金属膜、上記シリコーンゴム並びに上記
    耐水性、耐湿性、耐摩耗性及び耐熱性を有する部材の外
    周面は防湿材で被覆されており、 上記シリコーンゴムと上記耐水性、耐湿性、耐摩耗性及
    び耐熱性を有する部材は、予め一体に形成されたシリコ
    ーンゴム付き部材が利用され、該シリコーンゴム付き部
    材の上記シリコーンゴムが、上記エレクトロクロミック
    層及び金属膜を包み込むように上記背面及び側面に貼着
    されていることを特徴とするエレクトロクロミック素子
    の封止構造。
  2. 【請求項2】 上記耐水性、耐湿性、耐摩耗性及び耐
    熱性を有する部材は、ポリエステル、ポリエチレン、ア
    ルミ−ポリエチレンテレフタレート(PET)、ビニリ
    デンクロライドコポリマー、ナイロン12及びSiOxーPET
    から成る群から選択されたポリマーフィルムであること
    を特徴とする請求項1記載のエレクトロクロミック素子
    の封止構造。
  3. 【請求項3】 上記防湿剤は、シリコーンゴム塗料、
    ブチルゴム及びUV硬化樹脂から成る群から選択された
    材料から形成されたものであることを特徴とする請求項
    1又は2記載のエレクトロクロミック素子の封止構造。
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Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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