JP3556850B2 - エレクトロクロミック素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレクトロクロミック素子、特に、自動車用防眩ミラー等に利用されるエレクトロクロミック素子に関し、特に、広い反射率レンジを有し、着色、消色の応答性が迅速な自己消色型のエレクトロクロミック素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車用防眩ミラーや表示装置等に利用されるエレクトロクロミック素子が活発に開発されている。 自動車用防眩ミラーでは、通常の走行時には、エレクトロクロミック素子を消色(無色)状態として反射率を大きくしてミラーとしての反射機能を発揮させるが、後方からのヘッドライト等の強い光が照射されると着色状態となり反射率を低く抑え防眩作用を行うものである。
【0003】
すでに、エレクトロクロミック素子についての公知の技術としては、▲1▼特開昭58ー30729号公報、▲2▼特開昭62ー294225号公報、▲3▼特開昭63ー106730号公報、▲4▼米国特許第5724187号明細書等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、エレクトロクロミック素子では、消色、着色状態が100%完璧に近い方が、防眩ミラーや表示装置の性能としてはすぐれている。特に、防眩ミラーについてみれば、消色、着色の度合いは反射率の変化の変化となり、その反射率の領域(反射率レンジ)が広い(例えば、70〜8%)方が、防眩ミラーの持つ反射及び防眩の夫々の機能が十分発揮できる。
【0005】
又、エレクトロクロミック素子では、駆動回路により電圧を印加して着色反応を行わせ、逆電圧の印加又は電極間の短絡により消色反応を行わせるが、防眩ミラー、表示装置等においては、この着色、消色の応答性が迅速であることが要求される。
【0006】
特に、自動車用防眩ミラーでは、防眩作用時には、電圧(着色電圧)を印加しエレクトロクロミック素子を迅速に着色させて反射率を低下させるが、その後逆電圧(消色電圧)を印加又は電極間を短絡して迅速に消色してミラー本来の反射機能を復帰させるという、着色・消色のための迅速な応答性が、自動車の安全運転に要求される。
【0007】
さらに、着色状態において駆動回路が故障した場合、着色状態のままで反射機能の復帰が不可能となったり、あるいはゆっくりと消色し自動車用防眩ミラーの反射機能の回復が遅くなったりしては、自動車の安全運転上きわめて問題である。このような場合に、着色状態から消色状態に迅速に自己消色するフェイルセーフ機能が要求される。
【0008】
ところが、公知技術は、特に応答の迅速性や故障時の迅速な自己消色性の問題を意識し、解決手段を与えるものではなかった。本発明は、上記の従来の問題を解決することを目的として、電解液の溶質として、Li塩に加えて、酸化発色剤であるメタロセン(フェロセン、ニッケロセン等)及びN,N’ージフェニルベンジジンとを組み合わせて使用することにより、反射率レンジを十分確保しながらも、特に、着色、消色の応答性をより迅速にするとともに、故障時でも迅速に消色する自己消色性の向上を図ることを課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、対向する二枚の透明基板と、該二枚の透明基板の夫々より内側に位置して形成された対向する二枚の透明導電膜と、該二枚の透明導電膜の間の位置に配設され封止された電解液及びエレクトロクロミック層とを備えて成るエレクトロクロミック素子であって、上記電解液は、非水溶媒と、Liイオン源となるLi塩並びにメタロセン及び酸化発色剤であるN,N’ージフェニルベンジジンを含む溶質と、紫外線吸収剤とを含むことを特徴とするエレクトロクロミック素子を提供する。
【0010】
上記二枚の透明基板の一方の透明基板の外面、上記一方の透明基板と透明導電膜との間、又は上一方の透明基板の内側の透明導電膜の内面に成膜された金属反射膜を有し、防眩ミラーとして利用できることを特徴とする。
【0011】
上記2枚の透明導電膜の間に、切り換えスイッチにより直流電源接続される又は短絡される駆動回路を設けて成ることを特徴とする。
【0012】
又、本発明は、上記課題を解決するために、対向する二枚の透明基板と、該二枚の透明基板の一方の透明基板の内面に成膜された金属反射膜と、他方の基板の内面に形成された透明導電膜と、上記金属反射膜と上記透明導電膜との間にエレクトロクロミック層及び電解液が配設され封止されて成るエレクトロクロミック素子であって、上記電解液は、非水溶媒と、Liイオン源となるLi塩並びに酸化発色剤であるメタロセン及びN,N’ージフェニルベンジジンを含む溶質と、紫外線吸収剤とを含むことを特徴とするエレクトロクロミック素子を提供する。
【0013】
上記透明導電膜と上記金属反射膜の間に、切り換えスイッチにより直流電源に接続される又は短絡される駆動回路を設けて成ることを特徴とする。
【0014】
上記非水溶媒は、スルホラン、炭酸プロピレン、γーブチロラクトンを含む群から選択された1種以上であることを特徴とする。
【0015】
上記メタロセンは、フェロセン及びニッケロセンを含む群から選択された1種以上であることを特徴とする。
【0016】
上記Li塩は、LiBF及びLiClOを含む群から選択された1種以上であることを特徴とする。
【0017】
上記紫外線吸収剤は、サリチル酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及びシアノアクリレート系紫外線吸収剤を含む群から選択された1種以上であることを特徴とする。
【0018】
上記溶質の濃度は、0.001〜1.0mol/lであることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明に係るエレクトロクロミック素子及びこの素子を利用した防眩ミラーの具体的な構造を示す図である。図1(a)において、エレクトロクロミック素子1は、対向する二枚のガラス板2、3を有する。二枚のガラス板2、3(透明基板)の内面には、ITO、SnO等の透明導電膜4、5が形成されている。
【0020】
対向する二枚の透明導電膜4、5の間に、電解液6とエレクトロクロミック層7が配設されている。電解液6とエレクトロクロミック層7の両外側面はエポキシ接着剤等の材料により封止膜8、9が形成され封止されている。エレクトロクロミック層7は還元発色剤であるWO、MoO等の金属酸化物で構成される。
【0021】
二枚の透明導電膜4、5の間に、エレクトロクロミックの駆動電圧を印加する直流電源Eが切換スイッチ10を介し回路線11で接続され駆動回路12が構成されている。これにより、着色時には図1の状態で接続され、二枚の導電膜の間に駆動電圧が印加され、消色時には切換スイッチ10が切り換えられて短絡される。着色駆動電圧として1.0〜1.5Vが適切である。
【0022】
電解液は、非水溶媒として、スルホラン、炭酸プロピレン、γーブチロラクトン等を用い、溶質として、LiBF、LiClO等のLiイオン源となるLi塩と、酸化発色剤であるフェロセン、ニッケロセン等のメタロセン及びN,N’ージフェニルベンジジンとを用い、さらに紫外線吸収剤を添加して構成した。この溶質の濃度は、0.001〜1.0mol/lが望ましい。
【0023】
紫外線吸収剤は、WO、MoO等のエレクトロクロミック物質のフォトエレクトロクロミック現象(光を照射すると色を変え、暗所で再びもとの色に戻る現象。)を防止するために電解液中に添加される。そして、紫外線安定剤、ヒンダードアミン系光安定剤と併用して添加すると、耐候性が向上する。
【0024】
本発明の紫外線吸収剤としては、フェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線吸収剤、2,2’,4,4’ーテトラヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシー4ーメトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシー5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシー5’ーtertーブチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2−エチルヘキシルー2−シアノー3,3’−ジフェニルアクリレート、エチルー2−シアノー3,3’ージフェニルアクリレート等のシアノアクリレート系紫外線吸収剤等がある。又、紫外線吸収剤ではないが、紫外線吸収剤と併用して使用することにより耐候性を向上させる物質として、紫外線安定剤、ヒンダードアミン系光安定剤がある。紫外線安定剤として、ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド、〔2,2’ーチオビス(4ーtert−オクチルフェノラート)〕−n−ブチルアミンニッケル等がある。又、光安定剤として、SanolLS−770、Tinuvin−622等のヒンダードアミン系光安定剤がある。
【0025】
図1(b)は、本発明のエレクトロクロミック素子1を利用した防眩ミラー13の構造を示す図である。対向する二枚のガラス板の一方のガラス板2の外面に、Al、Ag、Cr等のいずれかの材料から成る金属反射膜14を蒸着やスパッタリング等により成膜し、このAl、Ag、Cr等の金属膜の防錆処理として、その外表面を囲うように保護膜15でコーティングして、他方のガラス板3側から入射する光を反射する防眩ミラー13が構成される。保護膜15の材料としては、アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系、シリコン樹脂系、エポキシ樹脂系等の塗料、又はシリコン系ゴム、塩化ビニル系ゴム等のゴムを利用する。
【0026】
図2は、ガラス板2、3、導電膜4、5、電解液6、エレクトロクロミック層7、金属反射膜14等の配置による、防眩ミラーの変形例を示す。図2(a)は、ガラス板2の内面に反射金属膜14を成膜し、その内面に透明導電膜4を形成した構造である。この変形例では、反射金属膜14は、ガラス板2、透明導電膜4により大気に接触しないような構造となっている。
【0027】
図2(b)は、金属反射膜14を透明導電膜4の内面に電解液6に接するように成膜して成る構造である。図2(c)は、ガラス板2の内面に金属反射膜14を成膜し、金属反射膜14が導電膜を兼ねた構成としている。エレクトロクロミック層は、この金属反射膜の内面に接している。駆動回路12の回路線11の一端はこの金属反射膜14の表面に結合されている。金属反射膜14は、ガラス板2と封止膜8により封止され、大気に接触しない構造となっている。
【0028】
以上の構成から成る本発明のエレクトロクロミック素子の作用を、防眩ミラーに利用した場合で説明する。今、エレクトロクロミック層として還元発色剤WOを使用し、電解液の溶質は、Li塩、酸化発色剤であるメタロセン(フェロセン、ニッケロセン等)及びN,N’ージフェニルベンジジンを含み、このLi塩としてLiClOを、メタロセンとしてフェロセンを使用した場合、図1(b)において、スイッチ10を閉じ電圧1.0〜1.5Vを印加すると、導電薄膜と電解液との界面では着色時に、ClO の吸着と、下記▲1▼に示す、N,N’ージフェニルベンジジンの酸化反応(着色反応)が生じ緑色に着色し、同時に、下記▲2▼に示す、フェロセンの酸化反応(着色反応)が生じる。
【0029】
一方、透明導電膜側4から、電子がエレクトロクロミック層7に注入され、電解液6中のLiイオンがエレクトロクロミック層7に注入されて、下記▲3▼に示す、還元反応(着色反応)が生じWOは青色に着色する。
【0030】
次に、着色後、切換スイッチ10により二枚の薄膜導電膜間を短絡させると、下記▲4▼に示す、酸化発色剤であるN,N’ージフェニルベンジジンは還元反応(消色反応)が生じ消色し、同時に、下記▲5▼に示す、酸化発色剤であるフェロセンは還元反応が生じ消色する。そして、下記▲6▼に示す還元発色剤WOは酸化反応(消色反応)が生じゼロ電位平衡となって消色する。
【0031】
【化1】
Figure 0003556850
【0032】
防眩ミラーでは、通常は消色状態にあり、ガラス板3側から入射した光は、電解液6、エレクトロクロミック層7内を通過して金属反射膜14により反射され高反射率の状態になり、ミラーとしての機能を発揮する。そして、着色時には、光の透過率が低下して低反射率の状態となり、反射光が低下して防眩機能を生じる。
【0033】
図3は、電圧印加及び駆動回路の短絡の時間経過による反射率との変化について、本発明の電解液の溶質として、Li塩に加えて使用される化合物を変えた時の、反射率特性の比較実験データである。(イ)は、本発明の構成を示すものであり、Li塩に加えて、N,N’ージフェニルベンジジンとフェロセンとを組み合わせて使用した場合である。(ロ)は、Li塩に加えて、N,N’ージフェニルベンジジン単体で使用した場合、(ハ)は、Li塩に加えて、フェロセン単体で使用した場合の夫々の反射率特性曲線を示している。
【0034】
この図3の実験データによると、本発明による(イ)では、電圧印加により、反射率がはぼ70%から9%へと急激に低下して反射を急激に抑えることができるから迅速に防眩機能を生じることができる。又、駆動回路を短絡すると、N,N’ージフェニルベンジジンとフェロセンとを夫々単体で使用する(ロ)、(ハ)に比較して急激に反射率が上昇し、しかも反射率はより高く維持されるから、ミラーとしての反射機能を十分発揮することができる。
【0035】
図4は、本件発明と公知技術との効果を対比するという試験研究の目的に沿って、米国特許第5、724、187号明細書中の「EXAMPLE1」に記載さたエレクトロクロミック素子を、本件出願人においてその記載の範囲内で忠実に作成し、電圧印加及び短絡の経過時間による反射率の変化の状態を測定して比較の対象である「実験例」とし、これを本件発明による測定値と対比した本件出願人実験比較データである。
【0036】
図4中の点線は、上記「EXAMPLE1」に記載さたエレクトロクロミック素子に係る「実験例」であり、実線は本出願に係るエレクトロクロミック素子(本出願品)に係る測定値である。図4によると、1.4Vの電圧を印加すると本出願品は実験例より迅速に着色し反射率が低下し、逆に駆動回路を短絡すると、本出願品は実験例より迅速に消色し反射率が上昇する。
【0037】
以上から、本発明のエレクロとクロミック素子を防眩ミラーに利用した場合に、電圧印加、短絡に応答して防眩時の着色と通常使用時の相互の切り換えが、迅速に行われる。
【0038】
次に、着色状態で、駆動回路が故障し電流が途絶えた場合について説明する。故障の例としては、部品の焼損による回路の短絡又は開放、半田のクラック(破損)による回路の開放、ハーネスの切断による回路の開放、コネクタの抜けによる回路の開放等がある。
【0039】
図5は、電圧印加及び駆動回路の短絡の時間経過による反射率との変化について、本発明において、回路が短絡した場合の自己消色(短絡消色)と開放した場合の自己消色(開放消色)について、電圧印加時及び回路の短絡又は開放時の反射率特性の比較実験データである。
【0040】
図5によると、通常の操作又は事故による短絡の場合(実線で示されている。)は、短絡後迅速に反射率が上昇(迅速に消色状態となる)し、防眩ミラーはその反射機能を回復する。又、事故による回路の開放の場合(点線で示されている。)は、短絡の場合より若干反射率の立ち上がりは遅いが、約1分経過すれば反射率はほぼ正常の状態(70%に)に回復するから、自動車の安全運転の観点から好ましい。
【0041】
【実施例1】
次に、具体的な実施例を説明する。自動車用インナーミラーサイズ(280×80mm)のITO基板(透過率80%、抵抗値8Ω/□)を2枚用い、片側にWO3膜を真空蒸着法にて6000オングストロームに成膜した。成膜後2枚の基板をエポキシ樹脂にて80μmのセルギャップにて接着した。
【0042】
この空セルにγーブチロラクトンを溶媒として、過塩素酸リチウム(LiClO)0.4mol/1、N,Nージフェニルベンジジン0.05mol/l、2,2’,4,4’ーテトラヒドロキシべンゾフェノン2wt%を溶質として電解液を作製し、真空注入法により、電解液を空セルに充填し、エレクトロクロミツク素子を作製した。
【0043】
一方のガラスの片側にアルミ(Al)を真空蒸着法より成膜し、反射型エレクトロクロミック素子とした。このエレクトロクロミック素子の反射率変化は消色時1.4Vの駆動電圧により、消色70%、着色8%の特性を示した。
【0044】
【実施例2】
実施例1の空セルに、γーブチロラクトンを溶媒として、過塩素酸リチウム(LiCl0)0.4mol/1、N,N−ジフェニルベンジジン0.05mol/l、フェロセン0.01mol/l、2,2’,4,4’ーテトラヒドロキシベンゾフェノン2 wt%を溶質として電解液を作製し、真空注入法により、電解液を空セルに充填し、エレクトロクロミック素子を作製した。
【0045】
一方のガラスの片側にアルミ(Al)を真空蒸着法より成膜し、反射型のエレクトロクロミック素子とした。このエレクトロクロミック素子の反射率変化は消色時1.4Vの駆動により、消色70%、着色9%の特性を示した。
【0046】
以上本発明の実施の形態を実施例とともに説明したが、特許請求の範囲の技術事項の範囲内では、上記実施の形態又は実施例にに限らず色々な態様があることは言うまでもない。
【0047】
【発明の効果】
本発明は、電解液の溶質として、メタロセンと、N,N’ージフェニルベンジジンの夫々を単体として使用せずに両者を組み合わせて使用したので、着色、消色の応答性を向上させ、しかも反射率レンジを広げることができ、瞬間的な照射量の増大に対する迅速な防眩機能を発揮するばかりでなく、通常のミラーとしての使用時には高い反射率をもってミラーとしての機能を発揮することができる。
【0048】
上記応答性について、特に、駆動電圧を短絡した場合の自己消色による反射率の上昇が、きわめて迅速に行われるので、通常の使用時における消色切換の迅速性はもちろんのこと、エレクトロクロミックミラーが着色状態で駆動電圧回路、電源等の故障により短絡した場合若しくは開放した場合にでも、自己消色は迅速に行われるから、ミラーとしての反射機能の回復はきわめて迅速に行われ、反射鏡の機能不全による運転者の危険を回避でき、安全運転に多大の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエレクトロクロミック素子及びこの素子を利用した防眩ミラーを説明する図である。
【図2】本発明のエレクトロクロミック素子を利用した防眩ミラーの変形例を示す図である。
【図3】電圧印加及び駆動回路の短絡の時間経過による反射率との変化について、本発明の電解液の溶質として、Li塩に加えて使用される化合物を変えた時の、反射率特性の比較実験データである。
【図4】電圧印加及び駆動回路の短絡の時間経過による反射率との変化について、公知例と本発明のエレクトロクロミック素子との本件出願人において測定し作成した比較実験データである。
【図5】電圧印加及び駆動回路の短絡の時間経過による反射率との変化について、本発明に係るエレクトロクロミック素子の駆動回路を短絡し消色した場合(短絡消色)と開放し消色した場合(開放消色)の比較実験データである。
【符号の説明】
1 エレクトロクロミック素子
2、3 ガラス板
4、5 透明導電膜
6 電解液
7 エレクトロクロミック層
8、9 封止膜
10 切換スイッチ
11 回路線
12 駆動回路
13 防眩ミラー
14 金属反射膜
15 保護膜

Claims (10)

  1. 対向する二枚の透明基板と、該二枚の透明基板の夫々より内側に位置して形成された対向する二枚の透明導電膜と、該二枚の透明導電膜の間の位置に配設され封止された電解液及びエレクトロクロミック層とを備えて成るエレクトロクロミック素子であって、
    上記電解液は、非水溶媒と、Liイオン源となるLi塩、酸化発色剤であるメタロセン及びN,N’ージフェニルベンジジンを含む溶質と、紫外線吸収剤とを含むことを特徴とするエレクトロクロミック素子。
  2. 上記二枚の透明基板の一方の透明基板の外面、上記一方の透明基板と透明導電膜との間、又は上記一方の透明基板の内側の透明導電膜の内面に成膜された金属反射膜を有し、防眩ミラーとして利用できることを特徴とする請求項1記載のエレクトロクロミック素子。
  3. 上記2枚の透明導電膜の間に、切り換えスイッチにより直流電源接続される又は短絡される駆動回路を設けて成ることを特徴とする請求項1又は2記載のエレクトロクロミック素子。
  4. 対向する二枚の透明基板と、該二枚の透明基板の一方の透明基板の内面に成膜された金属反射膜と、他方の基板の内面に形成された透明導電膜と、上記金属反射膜と上記透明導電膜との間にエレクトロクロミック層及び電解液が配設され封止されて成るエレクトロクロミック素子であって、
    上記電解液は、非水溶媒と、Liイオン源となるLi塩並びに酸化発色剤であるメタロセン及びN,N’ージフェニルベンジジンを含む溶質と、紫外線吸収剤とを含むことを特徴とするエレクトロクロミック素子。
  5. 上記透明導電膜と上記金属反射膜の間に、切り換えスイッチにより直流電源に接続される又は短絡される駆動回路を設けて成ることを特徴とする請求項4記載のエレクトロクロミック素子。
  6. 上記非水溶媒は、スルホラン、炭酸プロピレン、γーブチロラクトンを含む群から選択された1種以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子。
  7. 上記メタロセンは、フェロセン及びニッケロセンを含む群から選択された1種以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子。
  8. 上記Li塩は、LiBF及びLiClOを含む群から選択された1種以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子。
  9. 上記紫外線吸収剤は、サリチル酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及びシアノアクリレート系紫外線吸収剤を含む群から選択された1種以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子。
  10. 上記溶質の濃度は、0.001〜1.0mol/lであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子。
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