JP2001032020A - テーパ鋼材の製造方法 - Google Patents
テーパ鋼材の製造方法Info
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Abstract
田園耐候性や海岸耐候性を具備する高張力テーパ鋼材の
製造方法を提供する。 【解決手段】 重量%で、C:0.025 %以下、Mn、B、
Nb、Tiを適正量含み、あるいはさらにCu、Ni、Crのうち
から選ばれた1種または2種以上を、 0.05 ≦ Cu/16+
Ni/7+Cr/23 ≦0.20 を満足する条件下で含有し、また
はさらに、(11P+4.0Cu +3.1Ni +2.6Mo )/(1−
0.1(10000 B)0.35 )≧1+13X(ここに、X:飛来塩
分量(mg/dm2/day))を満足する条件下で、P、Cu、N
i、Moのうちから選ばれた1種または2種以上を含有す
る鋼素材を、1000〜1200℃の範囲に加熱したのち、950
℃以下での累積圧下量を50%以下、圧延終了温度を板厚
中心温度で850 ℃以上とする圧延を施した後、空冷また
は徐冷する。
Description
梁、船舶等の鋼構造物の使途に好適な、長手方向に厚み
が変化するテーパ鋼材に係り、とくに、引張強さ490MPa
以上で、鋼材内の材質差が少ないテーパ鋼材の製造方
法、さらに腐食環境で使用可能な、耐候性に優れたテー
パ鋼材の製造方法に関する。
ーパ鋼材は、造船、土木、建築、橋梁等の分野で用いら
れ、素材重量の軽減、組立て時の部材数の削減、溶接線
の削減などに多大な効果を有している。近年、構造物の
死荷重低減の目的から、更なる素材重量軽減の要望があ
り、高強度テーパ鋼材の要望が高い。
手段として、従来の厚鋼板におけるように、焼入れ−焼
戻し処理あるいは制御冷却を採用すると、厚み差に起因
する冷却速度差により組織変化が大きく、鋼材内の強度
ばらつきが大きくなるという問題があった。とくに、引
張強さを570MPa以上とする高強度化の場合には、厚み差
に起因する冷却速度差により組織変化が助長され、強度
ばらつきが顕著となる。
均一性が満足されることが重要であり、とくに、鋼構造
物に適用するテーパ鋼材では、鋼材内で材質が一定であ
るという前提のもとで、厚部と薄部のサイズを設計して
いるため、テーパ鋼材内で材質が変化することは設計上
好ましくない。また、主として橋梁用として使用される
場合には、通常、鋼材の錆発生による肉厚減少を抑制す
るため、鋼材表面に塗装を施すことが行われている。し
かし、塗装費用が高価であること、さらに塗膜劣化等に
より再塗装を必要とすることなど、塗装処理は経済的に
不利となることから、P、Cu、Ni、Cr等を多量添加し、
塗装処理を必要とせず裸使用が可能な耐候性鋼材の使用
が増加している。
の多量添加は、厚みが変化するテーパ鋼材においては、
厚み差に起因する材質ばらつきをさらに増大することに
なり、問題を残していた。このようなことから、主とし
て橋梁用として、耐候性に優れ、しかも材質ばらつきの
少ないテーパ鋼材が強く要望されていた。このような問
題に対し、例えば、特開昭62-166013 号公報には、均一
な材質を得るために、冷却前の長手方向の温度を実測
し、この実測値に基づいて、各点の最適冷却条件を演算
し、板厚に応じて冷却時の通板速度を修正するテーパプ
レートの冷却方法が示されている。また、特開平7-6830
9 号公報には、板厚が長手方向に連続してテーパ状に変
化する鋼板を冷却装置内で冷却するに際し、冷却装置内
で鋼板の先端部および尾端部の冷却時間を変化させる鋼
板の制御冷却方法が提案されている。
量を0.03wt%以下の極低炭素域まで低減し、熱間圧延後
に加速冷却と析出処理とを行い、組織をベイナイト単相
とした500MPa以上の高強度と長手方向の材質ばらつきを
低減した鋼板の製造方法が提案されている。また、特開
平9-310117 号公報には、C:0.001 〜0.025wt %を含
み、さらにMn、Ni、Cu、Nb量に依存する特定式を満足す
る条件下でMn、Ti、Nb、B、Al等を含有する鋼素材を、
Ar3 変態点〜1350℃の温度範囲に加熱後、あるいはさら
に熱間圧延を施したのち、10℃/s以下で冷却する、材質
ばらつきが少なく溶接性に優れた高強度高靱性厚鋼板の
製造方法が記載されている。
Ni等の合金元素が多量に添加され、材質の冷却速度依存
性が大きい鋼をテーパ鋼材に適用するに際し、特開昭62
-166013 号公報、特開平7-68309 号公報に記載された技
術を適用しても、合金元素の添加量が多すぎて、鋼材内
材質のばらつきを十分に減少することができないという
問題があった。
技術では、板厚差に起因する材質ばらつきを軽減するこ
とはできるが、析出処理のための等温保持、徐冷プロセ
スを必要とし、そのための特殊設備を必要とするうえ、
圧延時間が通常より長くなり、生産性の低下が問題とし
て残されていた。また、特開平9-310117 号公報に記載
された技術は、板内の圧延条件が一定である鋼板につい
てのものであり、厚み差による冷却速度の相違に起因す
る材質のばらつきに対してはある程度の効果が期待でき
るが、テーパ鋼材におけるように、圧延条件が鋼材内で
相違するテーパ鋼材の場合には、鋼材内の材質ばらつき
の低減には限界があるという問題があった。
の適用指針(「耐候性鋼材の橋梁への適用に関する共同
研究報告書(XX)、1993.3、建設省土木研究所、
(社)鋼材倶楽部、(社)日本橋梁建設協会発行)が公
表され、飛来塩分量が0.05mg/dm2/day以上の地域、すな
わち海岸地帯では、従来の耐候性鋼(JIS G 3114:溶接
構造用耐候性熱間圧延鋼材)は無塗装で使用できないこ
とになっている。耐候性鋼は、海岸地帯などの塩分の多
い環境では、飛来する海塩粒子の作用により安定さびが
形成されにくく、腐食の抑制が認められない。
境下では、普通鋼材にフタル酸樹脂、塩化ゴム、タール
エポキシ樹脂等の塗装を行って対処している。しかしな
がら、河口付近の海岸地帯に建設される橋梁では腐食が
著しく、再塗装の要求が高いが、長大橋が多く、しかも
再塗装作業が困難な場合が多い。このようなことから、
海岸地帯で無塗装で使用できる鋼材への要望は高い。
し、加速冷却や析出処理を必要とせず、生産性が高く、
引張強さ490MPa以上で、鋼材内の材質ばらつきの少ない
高強度テーパ鋼材の製造方法を提案することを目的とす
る。また、本発明は、塗装、表面処理などを必要とせず
腐食環境下で使用可能な、田園耐候性に優れかつ鋼材内
の材質差が少ない高強度テーパ鋼材の製造方法を、さら
には海岸地帯の塩分が多く雨掛かりのない環境下でも使
用可能な、海岸耐候性に優れかつ鋼材内の材質差が少な
い高強度テーパ鋼材の製造方法を提案することも目的と
する。
を達成するために、テーパ鋼材内の材質ばらつきの低減
について鋭意研究を行った。その結果、テーパ鋼材を引
張強さ490MPa以上と高強度化し、かつ鋼材内の材質ばら
つきを抑制するためには、C含有量を0.025wt %以下と
極低炭素域まで低減し、さらにMn、Nb、B等の合金元素
量を最適範囲に調整することにより、板厚100mm 鋼板〜
板厚10mm鋼板の空冷速度に相当する0.05〜1 ℃/sの広範
な冷却速度範囲内で、鋼板の組織を同一のグラニュラ−
ベイニティック−フェライト組織とすることができ、厚
み差に起因した冷却速度差による材質ばらつきを低減で
きることを見いだした。
明する。C:0.012 %、Si:0.2 %、Mn:1.55%、Nb:
0.045 %、B:0.002 %を含む鋼板(鋼板A)に種々の
冷却を施し、組織と引張特性を調査した。比較として、
C:0.12%、Mn:1.3 %を含む鋼板(鋼板B)について
も同様の調査を行った。その結果を図1に示す。
し、合金元素量を調整した鋼材Aでは、板厚100mm 鋼板
〜板厚10mm鋼板の空冷速度に相当する0.05〜1 ℃/sの冷
却速度範囲でグラニュラ−ベイニティック−フェライト
組織となり、引張強さも500MPa以上の高強度化が達成で
き、しかも厚み起因の冷却速度による強度の変化もほど
んど見られない。一方、C含有量の高い鋼材Bでは、板
厚100mm 鋼板〜板厚10mm鋼板の空冷速度に相当する0.05
〜1 ℃/sの冷却速度範囲で引張強さが490MPa以上を確保
できないうえ、冷却速度による強度のばらつきが大き
い。
ち、950 ℃以下の温度域での累積圧下量と圧延終了温度
とが、グラニュラ−ベイニティック−フェライト組織の
強度に大きく影響することを見いだした。本発明者ら
は、上記した鋼材Aと同種の極低炭素(C:0.02%)鋼
素材を用い、950 ℃以下のオーステナイト未再結晶温度
域での累積圧下量と圧延終了温度を変化する熱間圧延を
行い、30mm厚の鋼材とし、圧延後空冷し、引張特性を調
査した。その結果を、図2に、引張強さ、降伏強さと、
950 ℃以下の温度域での累積圧下量との関係で示す。
下量を50%以下とすることにより、累積圧下量が変化し
ても降伏強さ、引張強さの変化が少ないことがわかる。
しかし、圧延終了温度を800 ℃と低温にすると、950 ℃
以下の温度域での累積圧下量が50%以下でも降伏強さ、
引張強さが変化する。一方、圧延終了温度を850 ℃とす
れば、50%以下での累積圧下量の変化にかかわらず降伏
強さ、引張強さの変化はない。950 ℃以下の温度域での
累積圧下量を50%以下としたうえで、圧延終了温度を85
0 ℃以上とすることが材質ばらつきの防止に効果的であ
ることがわかる。
ク−フェライト組織の転位密度増加による強化は、つぎ
のように考えられる。熱間圧延、とくに950 ℃以下のオ
ーステナイト未再結晶温度域での累積圧下量に応じ、オ
ーステナイト粒に導入された転位が蓄積され、その1部
が変態後のグラニュラ−ベイニティック−フェライトに
継承され、その結果、強度が増加するものと考えられ
る。さらに、圧延終了温度が低温となるにしたがい、累
積圧下量が同じでも蓄積される転位量が増加するため、
強度の増加は大きい。したがって、従来のテーパ鋼材に
おいては、厚みが変化し、厚部と薄部の累積圧下量が異
なり、薄部の累積圧下量が大きくなるとともに、薄部の
圧延終了温度が低下するため、厚部と薄部の強度差が拡
大することになる。
のようなテーパ鋼材における材質ばらつきを少なくする
ためには、熱間圧延条件のうち、950 ℃以下の温度域で
の累積圧下量を50%以下、圧延終了温度を板厚中心部で
850 ℃以上とすることがよいという結論に到達した。ま
た、本発明者らは、田園耐候性を改善するために、合金
元素の影響をさらに検討した。その結果、Cu、Ni、Crを
次(1)式 0.05 ≦ Cu/16+Ni/7+Cr/23 ≦0.20 ……(1) (ここで、Cu、Ni、Cr:各元素の含有量(重量%))を
満足する条件下で含有することにより、大気暴露時の板
厚減少量が低下することを見いだした。なお、本発明で
いう田園耐候性とは、田園地帯の大気環境下で暴露され
たときの耐食性を意味するものとする。
金元素の影響についての実験結果を説明する。0.012wt
%C−1.55wt%Mn−0.045wt %Nb−0.0015wt%Bを基本
成分として、Cu、Ni、Crを変化した鋼塊を製造し、これ
ら鋼塊に950 ℃以下の累積圧下量を50%以下、圧延終了
温度を850 ℃とする熱間圧延を施し、厚鋼板とした。こ
れら厚鋼板について、組織観察、大気暴露試験を実施
し、ミクロ組織(グラニュラ−ベイニティック−フェラ
イト量:GBF量)、大気暴露試験における板厚減少量
(暴露期間:1年間)を調査した。それらの結果を、A
値={Cu/16 +Ni/7+Cr/23 }との関係で整理し、図3
に示す。
より、組織が90体積%以上のグラニュラ−ベイニティッ
ク−フェライトを有する冷却速度依存性の少ないミクロ
組織となり、材質ばらつきの少ない鋼材とすることが可
能であり、さらに大気暴露による板厚減少量も10μm 以
下と少なく優れた田園耐候性を示すことがわかる。一
方、本発明者らは、海岸耐候性を改善するために、合金
元素の影響をさらに検討した結果、塩分を多く含む環境
下では、Crは耐候性を劣化させるという知見を得た。本
発明でいう海岸耐候性とは、海岸地帯の大気環境下で暴
露されたときの耐食性を意味する。
Cu、Ni、Moのうちの1種以上の含有量を、飛来塩分量に
関連して次(2)式 (11P+4.0Cu +3.1Ni +2.6Mo )/(1−0.1(10000 B)0.35 )≧1+13X ……………(2) (ここに、P、Cu、Ni、Mo、B:各元素の含有量(重量
%)、X:JIS Z 2381に規定されるガーゼ法により測定
される飛来塩分量(mg/dm2/day))を満足するように、
調整することにより、海岸地帯など塩分が多く、かつ雨
掛かりがない環境下でも耐候性に優れた鋼材が得られる
ことを見いだした。
に検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発
明は、重量%で、C:0.025 %以下、Si:0.60%以下、
Mn:2.0 %以下、Al:0.10%以下、B:0.0002〜0.0050
%、Nb:0.01〜0.10%、Ti:0.005 〜0.20%を含み、あ
るいはさらにCa:0.0100%以下、REM :0.0100%以下、
Zr:0.0100%以下のうちから選ばれた1種または2種以
上、および/またはV:0.02〜0.10%を含有し、残部Fe
および不可避的不純物からなる組成を有する鋼素材を、
1000〜1200℃の範囲に加熱したのち、該鋼素材に、厚み
を長手方向にテーパ状に変化させる熱間圧延を施すにあ
たり、950 ℃以下の温度域での累積圧下量を50%以下、
圧延終了温度を板厚中心温度で850 ℃以上とし、熱間圧
延終了後、放冷または徐冷することを特徴とする材質ば
らつきの少ないテーパ鋼材の製造方法である。
に、前記鋼素材を、重量%で、C:0.025 %以下、Si:
0.60%以下、Mn:2.0 %以下、Al:0.10%以下、B:0.
0002〜0.0050%、Nb:0.01〜0.10%、Ti:0.005 〜0.20
%を含み、あるいはさらにV:0.02〜0.10%を含有し、
さらに、Cu:0.05〜2.0 %、Ni:0.05〜1.0 %、Cr:0.
05〜1.0 %のうちから選ばれた1種または2種以上を、
次(1)式 0.05 ≦ Cu/16+Ni/7+Cr/23 ≦0.20 ……(1) (ここで、Cu、Ni、Cr:各元素の含有量(重量%))を
満足するように含有し、残部Feおよび不可避的不純物か
らなる組成を有する鋼素材とすることが好ましく、ま
た、本発明では、前記組成に加えてさらに、重量%で、
Ca:0.0100%以下、REM :0.0100%以下、Zr:0.0100%
以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有して
もよい。
に、前記鋼素材を、重量%で、C:0.025 %以下、Si:
0.60%以下、Mn:2.0 %以下、Al:0.10%以下、B:0.
0002〜0.0050%、Nb:0.01〜0.10%、Ti:0.005 〜0.20
%を含み、あるいはさらにV:0.02〜0.10%を含有し、
さらに、P:0.005 〜0.15%、Cu:0.05〜2.0 %、Ni:
0.05〜6.0 %、Mo:0.005 〜0.50%のうちから選ばれた
1種または2種以上を、次(2)式 (11P+4.0Cu +3.1Ni +2.6Mo )/(1−0.1(10000 B)0.35 )≧1+13X ……………(2) (ここに、P、Cu、Ni、Mo、B:各元素の含有量(重量
%)、X:JIS Z 2381に規定されるガーゼ法により測定
される飛来塩分量(mg/dm2/day))を満足するように含
有し、かつCr:0.05%以下とし、残部Feおよび不可避的
不純物からなる組成を有する鋼素材とするのが好まし
く、また、本発明では、前記組成に加えてさらに、重量
%で、Ca:0.0100%以下、REM :0.0100%以下、Zr:0.
0100%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含
有してもよい。
由について説明する。 C:0.025 %以下 Cは、鋼の強度を増加する元素であり、所望の強度を得
るためには0.001 %以上の含有が望ましいが、0.025 %
を超えて多量に含有すると、パーライト相が生成し易く
なりベイナイト単相とならず、また溶接性、靱性が劣化
する。このためCは0.025 %以下に限定した。なお、安
定さびの形成を促進するためにはCは0.015 %以下とす
るのが好ましい。より好ましくは0.005 〜0.012 %であ
る。
る元素であり、冷却速度によらず強度を増加させるため
には、0.10%以上含有するのが望ましい。しかし、多量
に含有すると靱性および溶接性を劣化させるため、0.60
%以下に限定した。なお、好ましくは0.10〜0.35%であ
る。
強度および靱性の増加に寄与する元素である。グラニュ
ラ−ベイニティック−フェライト組織とするためには、
0.80%以上の含有が好ましい。一方、2.0 %を超えて多
量に含有すると、M−A Constituentsを含むベイニテ
ィック−フェライト組織となり、靱性が低下する。この
ため、Mnは2.0 %以下に限定した。なお、好ましくは、
0.80〜1.80%である。
が、0.10%を超えて含有すると、酸化物系介在物量が増
加し靱性に悪影響を及ぼすため、0.10%を上限とした。 Nb:0.01〜0.10% Nbは、Mnと同様に、極低炭素鋼の連続冷却変態挙動に大
きく影響し、強度および靱性の増加に寄与する元素であ
る。グラニュラ−ベイニティック−フェライト組織とし
強度を増加させるためには、0.01%以上の含有を必要と
するが、0.10%を超えて多量に含有すると、靱性が低下
する。このため、Nbは0.01〜0.10%の範囲に限定した。
なお、好ましくは、0.02〜0.06%である。
上の含有で効果が認められるが、0.20%を超えて含有し
ても効果が飽和する。このため、Tiは0.005 〜0.20%に
限定した。 B:0.0002〜0.0050% Bは、本発明で重要な元素であり、焼入性を増加させグ
ラニュラ−ベイニティック−フェライト組織とし、さら
に耐候性を向上させる元素である。このような効果は0.
0002%以上の含有で認められるが、0.0050%を超えて含
有しても含有量に見合う効果を期待できない。このた
め、Bは0.0002〜0.0050%の範囲に限定した。溶接部靱
性を考慮すると、好ましくは、0.0020〜0.0030%の範囲
である。
でないが、次のように考えられる。錆層中に付着した塩
分は、降雨、結露水(あるいは潮解)によってイオン化
し、Clイオンとなり錆層中のpHを低下させる。このpHの
低下は、鉄のアノード溶解を促進し、耐候性を劣化させ
る。Bはこの塩素によるpH低下を防ぐ作用を有している
と考えられる。
に、Cu:0.05〜2.0 %、Ni:0.05〜1.0 %、Cr:0.05〜
1.0 %のうちから選ばれた1種または2種以上を(1)
式を満足するように含有できる。Cu、Ni、Crはいずれ
も、グラニュラ−ベイニティック−フェライトの変態時
に生じる変態歪を増加させ、転位密度が増加する結果、
鋼材の強度を増加させる効果を有し、また、複合して含
有することにより、鋼の表面に生成する錆を安定化させ
る効果を有し、必要に応じ単独あるいは複合して含有で
きる。
加効果が顕著に認められが、2.0 %を超えて含有する
と、熱間圧延後の冷却でCu析出物が生成し著しく強度が
増加し、それに伴い靱性が劣化する。このため、Cuは0.
05〜2.0 %に限定するのが好ましい。Niは、0.05%以上
の含有で上記した強度増加効果が顕著に認められが、1.
0 %を超えて含有すると、強度増加が飽和し、含有量に
見合う効果が期待できないため、経済的に高価となる。
このため、Niは0.05〜1.0 %に限定するのが好ましい。
未再結晶温度域が拡大し、累積圧下量の相違による材質
ばらつきを生じることなく強度増加が図れるが、1.0 %
を超えて含有すると、Cr炭化物の生成が顕著となり、と
くに溶接HAZの靱性を劣化させる。このため、Crが0.
05〜1.0 %に限定するのが好ましい。Cu、Ni、Crは、各
々上記した範囲内でかつ、次(1)式 0.05 ≦ Cu/16+Ni/7+Cr/23 ≦0.20 ……(1) (ここで、Cu、Ni、Cr:各元素の含有量(重量%))を
満足するように含有されるのが好ましい。A値={Cu/1
6 +Ni/7+Cr/23 }が、0.20を超えると、テーパ鋼材各
部の組織を全てグラニュラ−ベイニティック−フェライ
ト組織とすることができず、テーパ鋼材内の材質ばらつ
きが増加する。一方、A値が0.05未満では、耐食性が低
下し、田園耐候性が劣化する。
に、P:0.005 〜0.15%、Cu:0.1〜1.5 %、Ni:0.1
〜6.0 %、Mo:0.005 〜0.5 %のうちから選ばれた1種
または2種以上を(2)式を満足するように含有でき
る。P、Cu、Ni、Moはいずれも、錆粒子を緻密化し耐候
性を向上させる作用を有し、本発明では必要に応じ1種
または2種以上を含有できる。
る元素であるが、P含有量が0.005%未満では、これら
効果が認められない。しかし、0.15%を超えると耐候性
向上効果も飽和しさらに溶接性が劣化する。このため、
Pは0.005 〜0.15%の範囲とするのが好ましい。なお、
より好ましくは0.020 〜0.120 %である。 Cu:0.1 〜1.5 % Cuは、錆粒子を緻密化し耐候性を向上させる。しかし、
Cu含有量が0.1 %未満ではその効果が少なく、一方、1.
5 %を超えると熱間加工性を阻害するとともに、耐候性
向上効果も飽和し経済的に不利となる。このため、Cu含
有量は0.1 〜1.5 %の範囲に限定した。
未満の含有ではその効果が少ない。一方、6.0 %を超え
て含有しても効果が飽和し含有量に見合う効果が認めら
れず、経済的に不利となる。このため、Niは0.1 〜6.0
%の範囲とした。なお、耐候性の観点から、1.0 〜3.5
%の範囲が好ましい。
0.005 %未満の含有ではその効果が少ない。一方、0.5
%を超えて含有しても効果が飽和し含有量に見合う効果
が認められず、経済的に不利となる。このため、Moは0.
005 〜0.5 %の範囲とした。なお、靱性の観点から、0.
005 〜0.35%の範囲が好ましい。
Cu、Ni、Moのうちの1種以上の含有量を、飛来塩分量に
関連して次(2)式を満足するように調整する。 (11P+4.0Cu +3.1Ni +2.6Mo )/(1−0.1(10000 B)0.35 )≧1+13X ……………(2) ここに、P、Cu、Ni、Mo、B:各元素の含有量(重量
%)、X:JIS Z 2381に規定されるガーゼ法により測定
される飛来塩分量(mg/dm2/day)である。(2)式を満
足するように、Bの含有量と、P、Cu、Ni、Moのうちの
1種以上の含有量を調整することにより、飛来塩分量X
の多い海岸地帯における海岸耐候性が顕著に向上する。
飛来塩分量Xに応じ、B、P、Cu、Ni、Mo量を調整する
ことにより、腐食環境に対応した鋼材となり、不必要な
合金元素の添加を防止でき経済的に有利となる。
000 B)0.35 ) が、(2)式の右辺 C=1+13X より小さい場合、すなわち、B<Cの場合には、合金元
素による耐食性向上効果より飛来塩分による耐食性劣化
効果の方が大きい。なお、本発明では、(2)式中の合
金元素のうち添加されない元素がある場合には、当該元
素の含有量は0として計算するものとする。
あるいはCa、REM 、Zrのうちから選ばれた1種または2
種以上を必要に応じ含有できる。 V:0.02〜0.10% Vは、グラニュラ−ベイニティック−フェライトの変態
時に生じる変態歪を増加させ、転位密度の増加を介して
鋼材の強度を増加させる効果を有する。このような効果
は0.02%以上の含有で認められるが、0.10%を超える含
有は、VNが多量に析出し、靱性を低下させる。このた
め、Vは0.02〜0.10%の範囲とするのが好ましい。
Zr:0.0100%以下のうちから選ばれた1種または2種以
上 Ca、REM 、Zrはいずれも、硫酸化物を形成し、溶接時の
昇温過程でオーステナイト粒をピンニングして粒粗大化
を抑制し、溶接部靱性を向上させる効果を有し、必要に
応じ選択して含有することができる。
を向上させる効果を有し、0.0005%以上含有させるのが
望ましいが、0.0100%を超える含有はクラスター状の介
在物を形成し靱性に悪影響をおよぼす。このため、Caは
0.0100%以下に制限するのが好ましい。REM は、溶接部
靱性を向上させる効果を有し、0.0005%以上含有させる
のが望ましいが、多量の含有は、効果が飽和するうえ鋼
材の清浄度を劣化させる。このため、REM は0.0100%と
するのが好ましい。
し、0.0005%以上含有させるのが望ましいが、0.0100%
を超える含有はクラスター状の介在物を形成し靱性に悪
影響をおよぼす。このため、Zrは0.0100%以下とするの
が好ましい。本発明では、上記した成分以外の残部は、
Feおよび不可避的不純物である。不可避的不純物とし
て、S:0.01%以下、N:0.010 %以下、O:0.010 %
以下が許容できる。なお、海岸地帯で耐候性が必要な場
合にはCr:0.05%以下とするのが好ましい。
等通常公知の溶製方法で溶製し、連続鋳造法あるいは造
塊法により鋼素材とする。また、溶製方法は、真空脱ガ
ス精錬等を実施してもよい。ついで、これら鋼素材は、
加熱炉等で加熱され熱間圧延を施され、所定の寸法のテ
ーパ厚鋼板とされる。
いため、Nbの連続冷却変態挙動におよぼす効果が十分に
得られない。一方、1200℃を超えるとオーステナイト粒
が粗大化してその後の圧延によっても細粒化が進まず靱
性が劣化する。このため、鋼素材の加熱温度は1000〜12
00℃の範囲に限定するのが好ましい。
長手方向に板厚が変化するテーパを付与する。テーパ鋼
材における長手方向の厚みの変化は、鋼材をかみ込んだ
のち、あらかじめ設定したパスごとにロール開度を変化
させることにより達成できる。パスごとの圧下量につい
ては特に限定しない。
以下 グラニュラ−ベイニティック−フェライト組織では、未
再結晶域の圧下量の増大により、伸展したオーステナイ
ト組織から変態する際にパケットとよばれるラスの集積
した組織単位が細かくなり、靱性が向上する。しかし、
加工オーステナイトの転位の一部が受け継がれ、累積圧
下量に応じて強度が増加する傾向を有する。したがっ
て、テーパ鋼材の厚部と薄部では、厚みが異なり累積圧
下量が異なるため、厚み比(最厚部厚みt max /最薄部
厚みt min )が大きくなるほど強度の相違が大きくな
る。図2に示すように、この傾向は、950 ℃以下の温度
域での累積圧下量が50%を超える領域で顕著となり、累
積圧下量に応じて強度が増加する。テーパ鋼材で、950
℃以下の温度域での累積圧下量が50%を超える領域が存
在すると、鋼材内で強度ばらつきが生じることになる。
このため、本発明では、950 ℃以下の温度域での最薄部
の累積圧下量、すなわち鋼材内最大累積圧下量を50%以
下に限定するのが好ましい。
オーステナイト粒への歪蓄積量が増大する。したがっ
て、加工オーステナイトからグラニュラ−ベイニティッ
ク−フェライトへの転位の受け継ぎが著しくなり、強度
が増大する。このため、本発明では、圧延終了温度は85
0 ℃以上に限定するのが好ましい。
いる鋼素材の組成範囲では、空冷(厚み10mm相当の空冷
では1.0 ℃/s)を超える冷却速度で圧延後冷却すると、
硬質な組織(ベイニティック−フェライト)が低温で生
成される場合があり、強度が上昇しテーパ鋼材の強度ば
らつきの要因となる。このため、本発明では、圧延終了
後の冷却速度を空冷または徐冷に限定するのが好まし
い。
で溶製し、連続鋳造法でスラブに鋳造した。このスラブ
を表2に示す熱間圧延条件で、図4に示すような、長手
方向に板厚が変化する3種のテーパ厚鋼板とした。テー
パの付与は、各パスごとに、噛込み後ロール開度を変化
させることにより達成した。
(最厚部)および最小板厚部(最薄部)から試験片(圧
延方向に直角方向:C方向)を採取し、引張特性、低温
靱性を調査し、母材特性を評価した。これらの結果を表
3に示す。
の高強度と、最厚部の強度と最薄部の強度差ΔTSが3
MPa 以下、最厚部の破面遷移温度(vTrs)と最薄部の破
面遷移温度(vTrs)の差ΔvTrsが3℃以下と、強度およ
び靱性ともに板内ばらつきの極めて少ないテーパ厚鋼板
となっている。 一方、本発明範囲を外れる比較例で
は、最厚部の強度と最薄部の強度差ΔTSが8〜28MPa
、ΔvTrsが7〜16℃と強度・靱性の材質ばらつきが大
きい。
累積圧下量が本発明の範囲を外れる鋼板No.5(比較例)
では、板内強度ばらつきΔTSが28MPa 、板内靱性ばら
つきΔTrsが16℃と大きく、また、圧延終了温度が本発
明の範囲を外れる鋼板No.6(比較例)では、板内強度ば
らつきが8MPa 、板内靱性ばらつきΔTrsが7℃と大き
くなっている。また、熱間圧延の加熱温度が本発明範囲
を外れる鋼板No.16 (比較例)では、母材のvTrsが−1
〜+5℃と低靱性となっている。また、熱間圧延後の冷
却が本発明範囲を外れる鋼板No.17 (比較例)では、板
内強度ばらつきが20MPa と大きくなっている。
2 〜No.27 では、強度あるいは靱性が低下している。 (実施例2)表4に示す組成の溶鋼を、転炉で溶製し、
連続鋳造法でスラブに鋳造した。このスラブを表5に示
す熱間圧延条件で、実施例1と同様に、図4に示すよう
な、長手方向に板厚が変化する3種のテーパ厚鋼板とし
た。テーパの付与は、実施例1と同様に、各パスごと
に、噛込み後ロール開度を変化させることにより達成し
た。
同様に、最厚部および最薄部の引張特性、低温靱性を調
査し、母材特性を評価した。さらに、これらテーパ厚鋼
板の表面部から、5mm×50mm×100mm の腐食試験片を採
取し、圧延時に生成したスケールをショットブラストに
より除去したのち、大気暴露試験により耐候性を評価し
た。大気暴露試験は、飛来塩分量0.02mg/dm2/dayの田園
地帯を選定し、それぞれ試験片の地鉄面を南面に向け地
面から30°の角度で設置し1年間暴露した。暴露試験
後、地鉄表面に形成されたさび層を除去し、試験片の重
量減少量を測定し、板厚減少量に換算し、田園耐候性を
評価した。
Paの高強度と、最厚部の強度と最薄部の強度差ΔTSが
2MPa 以下、最厚部の破面遷移温度(vTrs)と最薄部の
破面遷移温度(vTrs)の差ΔvTrsが7℃以下と、強度お
よび靱性ともに板内ばらつきの極めて少ないテーパ厚鋼
板となっている。 一方、本発明範囲を外れる比較例
(鋼材No.2-2)では、最厚部の強度と最薄部の強度差Δ
TSが29MPa 、ΔvTrsが16℃と強度・靱性の材質ばらつ
きが大きい。
o.2-6)は、いずれも田園地帯での大気暴露試験の板厚
減少量が7μm 以下と少なく、田園耐候性に優れてい
る。なお、A値が本発明の好適範囲を外れる鋼材No.2-6
は、大気暴露試験での板厚減少量が17μm と田園耐候性
が若干劣化している。 (実施例3)表7に示す組成の溶鋼を、転炉で溶製し、
連続鋳造法でスラブに鋳造した。このスラブを表8に示
す熱間圧延条件で、実施例1と同様に、図4に示すよう
な、長手方向に板厚が変化する3種のテーパ厚鋼板とし
た。テーパの付与は、実施例1と同様に、各パスごと
に、噛込み後ロール開度を変化させることにより達成し
た。
同様に、最厚部および最薄部の引張特性、低温靱性を調
査し、母材特性を評価した。さらに、これらテーパ厚鋼
板の表面部から、5mm×50mm×100mm の腐食試験片を採
取し、圧延時に生成したスケールをショットブラストに
より除去したのち、大気暴露試験により耐候性を評価し
た。大気暴露試験は、飛来塩分量0.8mg/dm2/day の海岸
地帯を選定し、雨掛かりのない条件で、それぞれ試験片
の地鉄面を南面に向け地面から30°の角度で設置し1年
間暴露した。暴露試験後、地鉄表面に形成されたさび層
を除去し、試験片の重量減少量を測定し、板厚減少量に
換算し、海岸耐候性を評価した。
の高強度と、最厚部の強度と最薄部の強度差ΔTSが3
MPa 以下、最大板厚部の破面遷移温度(vTrs)と最小板
厚部の破面遷移温度(vTrs)の差ΔvTrsが4℃以下と、
強度および靱性ともに板内ばらつきの極めて少ないテー
パ厚鋼板となっている。また、本発明例は、板厚減少量
が15〜27μm と、市販耐候性鋼成分のテーパ鋼板(鋼板
No.3-27 )の板厚減少量145 μm に比べ著しく少ない腐
食量を示し、優れた海岸耐候性を示している。
度・靱性の材質ばらつきが大きいか、あるいは海岸耐候
性が低下している。熱間圧延における950 ℃以下の温度
域での累積圧下量が本発明の範囲を外れる鋼板No.3-5、
No.3-18 (比較例)では、板内強度ばらつきΔTSが27
MPa 、13MPa 、板内靱性ばらつきΔTrsが16℃、15℃と
大きく、また、圧延終了温度が本発明の範囲を外れる鋼
板No.3-6、No.3-19 (比較例)では、板内強度ばらつき
が23MPa 、17MPa 、板内靱性ばらつきΔTrsが12℃、13
℃と大きくなっている。また、熱間圧延の加熱温度が本
発明範囲を外れる鋼板No.3-16 (比較例)では、母材の
vTrsが+5〜+10℃と低靱性となっている。また、熱間
圧延後の冷却が本発明範囲を外れる鋼板No.3-17 (比較
例)では、板内強度ばらつきが33MPa と大きくなってい
る。
-23 は、強度・靱性ばらつきが大きくなっている。B値
がC値より小さく本発明の範囲から外れる比較例(鋼板
No.3-23 〜No.3-26 )は、大気暴露試験における板厚減
少量が37〜67μm と大きく、海岸耐候性が劣化してい
る。このように、本発明例は、加速冷却等の強制冷却を
施すことなく圧延のままで、引張強さ490MPa以上の高強
度を有し、しかも板内材質ばらつきが少なく、海岸耐候
性に優れたテーパ厚鋼板となっている。
さ490MPa以上を有し、かつ鋼材内の材質均一性に優れた
高張力テーパ鋼材、さらには田園地帯、海岸地帯などの
環境下での優れた耐候性を具備する高張力テーパ鋼材を
安価に安定して製造でき、産業上格別の効果を奏する。
を示すグラフである。
すグラフである。
(G.B.下量)、大気暴露試験における板厚減少量と
A値の関係を示すグラフである。
ある。
Claims (4)
- 【請求項1】 重量%で、 C:0.025 %以下、 Si:0.60%以下、 Mn:2.0 %以下、 Al:0.10%以下、 B:0.0002〜0.0050%、 Nb:0.01〜0.10%、 Ti:0.005 〜0.20% を含む組成を有する鋼素材を、1000〜1200℃の範囲に加
熱したのち、該鋼素材に、厚みを長手方向にテーパ状に
変化させる熱間圧延を施すにあたり、950 ℃以下の温度
域での累積圧下量を50%以下、圧延終了温度を板厚中心
温度で850 ℃以上とし、熱間圧延終了後、放冷または徐
冷することを特徴とするテーパ鋼材の製造方法。 - 【請求項2】 前記鋼素材が、前記組成に加えてさら
に、重量%で、Cu:0.05〜2.0 %、Ni:0.05〜1.0 %、
Cr:0.05〜1.0 %のうちから選ばれた1種または2種以
上を、下記(1)式を満足するように含有することを特
徴と請求項1に記載のテーパ鋼材の製造方法。 記 0.05 ≦ Cu/16+Ni/7+Cr/23 ≦0.20 ……(1) ここで、Cu、Ni、Cr:各元素の含有量(重量%) - 【請求項3】 前記鋼素材が、前記組成に加えてさら
に、重量%で、P:0.005 〜0.15%、Cu:0.05〜2.0
%、Ni:0.05〜6.0 %、Mo:0.005 〜0.50%のうちから
選ばれた1種または2種以上を、下記(2)式を満足す
るように含有し、かつCr:0.05%以下であることを特徴
と請求項1に記載のテーパ鋼材の製造方法。 記 (11P+4.0Cu +3.1Ni +2.6Mo )/(1−0.1(10000 B)0.35 )≧1+13X ……………(2) ここに、P、Cu、Ni、Mo、B:各元素の含有量(重量
%) X:JIS Z 2381に規定されるガーゼ法により測定される
飛来塩分量(mg/dm2/day) - 【請求項4】 前記鋼素材が、前記組成に加えてさら
に、重量%で、Ca:0.0100%以下、REM :0.0100%以
下、Zr:0.0100%以下のうちから選ばれた1種または2
種以上を含有することを特徴とする請求項1ないし3の
いずれかに記載のテーパ鋼材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21051299A JP4218139B2 (ja) | 1999-07-26 | 1999-07-26 | テーパ鋼材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP21051299A JP4218139B2 (ja) | 1999-07-26 | 1999-07-26 | テーパ鋼材の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001032020A true JP2001032020A (ja) | 2001-02-06 |
JP4218139B2 JP4218139B2 (ja) | 2009-02-04 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010163643A (ja) * | 2009-01-14 | 2010-07-29 | Jfe Steel Corp | 耐候性に優れた構造用鋼材 |
-
1999
- 1999-07-26 JP JP21051299A patent/JP4218139B2/ja not_active Expired - Fee Related
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