JP2001030402A - 吸水吸湿生地およびこれを用いたパッド - Google Patents

吸水吸湿生地およびこれを用いたパッド

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JP2001030402A
JP2001030402A JP11211984A JP21198499A JP2001030402A JP 2001030402 A JP2001030402 A JP 2001030402A JP 11211984 A JP11211984 A JP 11211984A JP 21198499 A JP21198499 A JP 21198499A JP 2001030402 A JP2001030402 A JP 2001030402A
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absorbing
moisture
water
fiber
layer
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JP11211984A
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English (en)
Inventor
Ryoichi Tagaito
良一 田垣内
Keiji Uchida
恵二 内田
Yoshikatsu Mizukami
義勝 水上
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Kanebo Synthetic Fibers Ltd
Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Synthetic Fibers Ltd
Kanebo Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】発汗時の汗や水蒸気を即座に吸収して皮膚に対
しべたついた感じを与えにくい、優れたインナーウエア
となる吸水吸湿生地およびこれを用いたパッドを提供す
る。 【解決手段】下記の特性を備えた高吸水吸湿繊維(A)
を5重量%以上含有する繊維素材からなる高吸水吸放湿
層1の少なくとも片面に、疎水性繊維を含有する繊維素
材からなる水分拡散層2を接合一体化した。 (A)20℃,60%RHにおける吸湿率R1 と、20
℃,97%RHにおける吸湿率R2 の差(R2 −R1
が30%以上で、繊維単位吸水量が300重量%以上8
000重量%以下の高吸水吸湿繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸水吸湿性に優れ
た吸水吸湿生地およびこれを用いたパッドに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来から、インナーウエア用の生地素材
としては、天然繊維である綿が広く用いられている。こ
れは、綿繊維が柔軟で肌触りがよく、しかも吸水性に優
れ、汗をよく吸うからである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記綿
繊維からなるインナーウエアは、発汗により生じた汗
を、初期には効果的に吸水して一定の快適感を与える
が、多汗時には、吸水された汗が生地に保持されたまま
冷えて生地を濡らし、生地がべたついて皮膚に張り付く
ため、必ずしも快適なインナーウエアとはいえないもの
であった。
【0004】また、発汗により生じた水蒸気も、衣服の
内側に溜まって充分に吸湿されないため、特に梅雨時や
人の集まる場所での蒸れ感が大きくなり、不快を感じる
ものであった。
【0005】そこで、多汗時にもべたつくことのない、
快適なインナーウエアとなる素材が望まれているが、こ
のようなものは未だ開発されていないのが実情である。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、発汗時の汗や水蒸気を即座に吸収して皮膚に対
しべたついた感じを与えにくい、優れたインナーウエア
となる吸水吸湿生地およびこれを用いたパッドの提供を
その目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、下記の特性を備えた高吸水吸湿繊維
(A)を5重量%以上含有する繊維素材からなる高吸水
吸放湿層の少なくとも片面に、疎水性繊維を含有する繊
維素材からなる水分拡散層が接合一体化されている吸水
吸湿生地を第1の要旨とする。
【0008】(A)20℃,60%RHにおける吸湿率
1 と、20℃,97%RHにおける吸湿率R2 の差
(R2 −R1 )が30%以上で、繊維単位吸水量が30
0重量%以上8000重量%以下の高吸水吸湿繊維。
【0009】また、本発明は、上記吸水吸湿生地のなか
でも、特に、高吸水吸放湿層に熱融着繊維が3〜50重
量%含有されているとともに、上記水分拡散層の疎水性
繊維として熱融着性繊維が用いられており、上記高吸水
吸放湿層と水分拡散層が、熱加工もしくは超音波加工に
よって接合一体化されているものを第2の要旨とし、上
記水分拡散層の疎水性繊維として、異型断面糸が用いら
れているものを第3の要旨とする。
【0010】そして、本発明は、上記吸水吸湿生地が少
なくとも一部に用いられているパッドを第4の要旨と
し、そのなかでも特に、生地周縁部が帯状素材で縁取り
されているものを第5の要旨とする。
【0011】すなわち、本発明の吸水吸湿生地によれ
ば、繊維単位吸水量が大きく、しかも高湿度下で急激に
吸湿率が高くなる特性を備えた特殊な高吸水吸湿繊維を
含有する高吸水吸放湿層と、疎水性繊維を含有する特殊
な水分拡散層とを接合一体化したものであるため、イン
ナーウエア等に適用すると、軽運動等によって大量の発
汗を生じたり皮膚表面が蒸れてきた場合、瞬時に効果的
に汗および水蒸気を吸収して、蒸れ感を大きく低減させ
ることができ、非常に快適な着用感を得ることができ
る。また、汗取り用パッド等に適用することにより、優
れた汗取り効果を奏することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態につ
いて説明する。
【0013】本発明の吸水吸湿生地は、例えば図1に示
すように、高吸水吸放湿層1と、水分拡散層2とが、接
合一体化された構造になっている。
【0014】上記高吸水吸放湿層1は、皮膚から発生す
る水蒸気や液体である汗を速やかに吸収して外部に放出
する機能を果たすもので、特殊な高吸水吸湿繊維を含有
する繊維素材で構成されている。
【0015】上記高吸水吸湿繊維としては、20℃,6
0%RHにおける吸湿率R1 と、20℃,97%RHに
おける吸湿率R2 の差(R2 −R1 )が30%以上で、
繊維単位吸水量が300重量%以上8000重量%以下
のものが用いられる。
【0016】すなわち、上記吸湿率R1 ,R2 の差が3
0%未満では、通常の状態から発汗による高温多湿状態
に変化した場合に、迅速な吸水吸湿が行われず、優れた
吸水吸湿効果を得ることができないからである。また、
上記繊維単位吸水量が300重量%(以下「%」と略
す)未満では保水量が小さく、充分に吸水吸湿すること
ができず、8000%を超えると、繊維としての形態維
持と強度の点で支障が生じるからである。
【0017】なお、上記「吸湿率」とは、各条件下で繊
維を24時間放置して吸湿させたときの重量とその繊維
の元の重量との差をその繊維の元の重量で除したときの
値をいい、「繊維単位吸水量」とは、20℃,60%R
H雰囲気下で一昼夜放置した繊維を水に浸漬して吸水さ
せ、菱形状に載置して10分以上放置して水切りした後
の重量とその繊維の元の重量との差をその繊維の元の重
量で除したときの値をいう。
【0018】上記特性を備えた高吸水吸湿繊維として
は、例えば架橋アクリル酸塩系繊維、アクリル繊維を後
加工によりその表面を加水分解させて得られた繊維、ポ
リエステル等の繊維にアクリル酸やメタクリル酸をグラ
フト重合した繊維等があげられ、これらは単独で用いて
も2種以上を併用してもよい。
【0019】そして、これらのなかでも、特に、架橋ア
クリル酸塩系繊維が、非常に高吸水性と高吸湿性を兼備
しており、好適である。
【0020】上記架橋アクリル酸塩系繊維は、アクリル
酸系モノマーと、これと架橋結合を形成しうる官能基を
有するモノマーとを反応させて得られるポリマーを架橋
処理したもので、上記アクリル酸系モノマーとしては、
アクリル酸(AA)、メタクリル酸、マレイン酸、ある
いはこれらのアルカリ金属塩等があげられる。また、こ
れらを反応させるモノマーとしては、ヒドロキシエチル
メタクリレート(HEMA)、ヒドロキシプロピルメタ
クリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキ
シプロピルアクリレート、グリセリルモノメタクリレー
ト、グリセリルモノアクリレート等のヒドロシキル系モ
ノマーや、ジメチルアミノエチルアクリレート(AE
A)、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルア
ミノプロピルメタクリレート等のアミノ系モノマー等が
あげられる。
【0021】これらのモノマーは、単独で用いても複数
種類を組み合わせて用いてもよいが、アクリル酸系モノ
マーと官能基モノマーとは、アクリル酸に対し官能基が
当量以下に設定することが好適である。そして、これら
を反応させる際には、可塑性を付与するために、他のビ
ニルモノマー、例えば酢酸ビニル(VA)、アクリロニ
トリル等を配合することができる。ただし、可塑化のた
めのモノマーの配合量は全体に対し30%以下にするこ
とが望ましい。
【0022】このような架橋アクリル酸系繊維の好適な
市販品としては、鐘紡社製のベルオアシスや、東洋紡績
社製のランシール等をあげることができる。例えば、上
記ベルオアシスの場合、自重の80倍まで水分を吸収す
ることができるという優れた吸水性能を示す。そして、
横軸に20℃での相対湿度(%RH)をとり、縦軸に吸
湿率(%)をとってその吸湿率の変化を測定すると、上
記ベルオアシスは、図2において曲線Pで示すように、
相対湿度が高くなればなる程、吸湿率が急激に上昇して
おり、相対湿度が低くなるにつれて、再び急激に吸湿率
が下降するという特徴を有することがわかる。ちなみ
に、97%RHでの吸湿率は142%、60%RHでの
吸湿率は39%で、その差(R2 −R1 )が実に100
%を超えている。なお、図2において、曲線QはB型シ
リカゲルの吸湿率特性を示し、曲線R、曲線Sはそれぞ
れA型シリカゲルの吸湿率特性、綿繊維の吸湿率特性を
示している。
【0023】本発明の高吸水吸放湿層1は、上記高吸水
吸湿繊維のみ、もしくはこれと他の繊維とを組み合わせ
た繊維素材を、不織布、織り生地、編み生地等、適宜の
形態にして得ることができる。製法は従来公知のどのよ
うな方法によってもよい。例えば不織布の場合、ニード
ルパンチ法やエアレイ法等によって得ることができる。
ただし、どのような形態にするにせよ、上記高吸水吸湿
繊維を、高吸水吸放湿層1全体に対し5%以上含有させ
なければならない。すなわち、5%未満では、上記高吸
水吸湿繊維の特性を活かして高吸水吸湿効果を得ること
ができない。特に、発汗蒸気を効果的に吸収し、蒸れ感
を効果的に低減させ、かつ良好な着用感を得るために
は、生地として薄く、しかも吸放湿性に優れた構造体と
することが必要である。このような生地を得るには、上
記高吸水吸湿繊維を20%以上含有させ、かつまた、高
吸水吸放湿層1の目付を60〜150g/m2 に設定す
ることが好適である。そして、得られる吸水吸湿生地を
汗取りパッド等に用いる場合には、より吸水吸湿性能を
高める必要から、上記高吸水吸放湿層1の目付を100
g/m2 以上に設定することが好適である。
【0024】なお、上記高吸水吸放湿層1において、高
吸水吸湿繊維とともに用いることのできる繊維として
は、例えばポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリエチ
レン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアミド繊維、ポリ
クラール繊維、綿、麻等があげられる。これらは単独で
用いても2種以上を併用してもよい。なかでも、ポリエ
ステル繊維,ポリエチレン繊維,ポリプロピレン繊維等
の熱融着性を備えた繊維を用いると、得られる吸水吸湿
生地の耐洗濯安定性が向上するだけでなく、不織布を形
成するのにも好都合である。すなわち、水分拡散層2に
も熱融着性を備えた繊維を用いることにより、高吸水吸
放湿層1と水分拡散層2とを、熱融着により接合一体化
することができる。
【0025】また、前記水分拡散層2は、皮膚に接する
側の層として用いられるもので、図3において矢印で示
すように、皮膚表面Xから生じる汗や水蒸気を、この水
分拡散層2で取り込んで繊維間で拡散させることによ
り、瞬時に皮膚面からべたつき感を除去し、その拡散し
た水分を上記高吸水吸放湿層1に移行させる機能を有す
るものである。したがって、この水分拡散層2は、この
内部で水分が滞留しないよう、微細な疎水性空間が形成
されていることが望ましい。そこで、水分拡散層2は、
疎水性繊維のみ、もしくは所定の割合で疎水性繊維が配
合された繊維素材で形成される必要がある。なお、疎水
性繊維以外の繊維と組み合わせる場合には、疎水性繊維
が水分拡散層2全体に対し10%以上含有されるよう設
定することが好ましい。
【0026】上記水分拡散層2に用いられる疎水性繊維
としては、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポ
リエチレン繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ポリ
ビニルアルコール繊維、綿,麻等の天然繊維、レーヨン
等の再生繊維等があげられる。これらの繊維は単独で用
いても2種以上を併用してもよい。
【0027】ただし、上記水分拡散層2を構成する繊維
素材の疎水性が強すぎると、皮膚からの水分が水分拡散
層2内に浸透しにくいため、ある程度親水性を付与する
ために、親水性の樹脂や油剤をコーティングする等し
て、繊維表面の改質処理を行うことができる。したがっ
て、上記水分拡散層2における繊維表面は、水に対する
接触角が90°以上程度の疎水性に設定されていること
が好適である。
【0028】また、上記水分拡散層2は,水分拡散とい
う観点から、水分が移動しうる空間を多く有しているこ
とが好ましいが、生地全体としては、これを衣料やパッ
ドに適用した場合の着用感や軽量性を保持することが望
ましい。そこで、上記疎水性繊維としては、中空率また
は空隙率の高い繊維を用いることが好ましく、そのよう
な繊維としては、繊維断面がC型、Y型、W型、O型、
△型、菱型等の異型断面糸や、十字型や米型に分割され
た割繊糸等があげられる。これらの特殊断面糸は、特殊
形状の紡糸口金を用いて得られるものと、例えば繊維形
成成分(第1成分)と、溶解もしくは分解除去可能な成
分(第2成分)との2成分からなる複合繊維の、第2成
分をアルカリ処理等で除去して得られるものがある。
【0029】なお、上記水分拡散層2の疎水性繊維とし
て好適な市販品として、鐘紡社製のキラットP(C型断
面糸)や、同じく鐘紡社製のソアリオン(Y型断面糸)
があげられる。
【0030】上記水分拡散層2も、前記高吸水吸放湿層
1と同様、不織布や織り生地,編み生地として形成され
るが、なかでも、2成分からなる原糸・仮撚糸を用いて
編み立てた編み生地を、アルカリ等で減量加工して得ら
れる異型断面編み生地や、特殊形状の紡糸口金によって
紡出された糸を編み立てて得られる異型断面編み生地
が、大きな嵩高性を有しており、しかも軽量で毛管現象
による吸水性能にも優れ、好適である。
【0031】上記高吸水吸放湿層1と水分拡散層2の接
合一体化は、両層1,2をそれぞれ不織布、織り生地,
編み生地等として別々に作製した場合は、これらをミシ
ンでキルトにしたり、接着剤によってボンディングした
りして、接合一体化を行う。また、予め高吸水吸放湿層
1および水分拡散層2に熱融着性繊維を混合させておく
ことにより、両層1,2を、熱もしくは超音波によって
ボンディングを行うこともできる。なかでも、超音波を
用いてボンディングを行うことが好適である。すなわ
ち、上記超音波を用いたボンティング加工は、超音波振
動エネルギーによるポイント接着になるため、他の方法
に比べて、生地本来のドレープ性とボリューム感が損な
われることなく接合でき、しかも接着剤(樹脂)を使用
しないため、素材変化が起こりにくいという利点を有す
る。また、2層以上の多層接着の場合も、一回の加工で
接合処理を行うことができるという利点を有する。
【0032】また、両層1,2は、必ずしも上記のよう
に別々に作製する必要はなく、場合によっては、上記高
吸水吸放湿層1を構成しうる繊維からなる糸と、上記水
分拡散層2を構成しうる繊維からなる糸とを、丸編み等
により表裏一体の編み生地として得るようにしてもよ
い。
【0033】さらに、高吸水吸放湿層1と水分拡散層2
は、互いに一層ずつ接合する以外に、例えば高吸水吸放
湿層1の両面に、上記水分拡散層2をそれぞれ接合一体
化して、生地のどちら側の面を皮膚に当てても同様の効
果が得られるようにすることができる。また、それぞれ
の層1(2)を2層以上準備し、各層1(2)を交互に
重ねて接合一体化するようにしてもよい。
【0034】そして、上記高吸水吸放湿層1および水分
拡散層2の少なくとも一方に、所定の薬剤を配合した
り、繊維素材に加工処理を施したりすることにより、難
燃性、抗菌性、消臭性、防虫性、抗かび性等を付与する
ことができる。
【0035】さらに、上記高吸水吸放湿層1および水分
拡散層2からなる吸水吸湿生地の表面(皮膚に当たらな
い外側の面)に、消臭シートや防水シート,各種フィル
ム等、適宜の素材を組み合わせて接合一体化することも
できる。
【0036】このようにして得られた吸水吸湿生地は、
水分拡散層2から水分を急速に取り込んで繊維間で拡散
させ、これを高吸水吸放湿層1で保持し、低湿度側に放
出することができるため、従来にない、優れた高吸水吸
放湿特性を示す。
【0037】したがって、上記吸水吸湿生地を、インナ
ーウエア等の衣料に用いたものは、優れた吸水吸放湿性
を備えており、発汗しても皮膚と生地の間がべとつか
ず、快適な着用感が得られる。
【0038】なお、本発明の吸水吸湿生地は、インナー
ウエアの他、直接肌に着るシャツやパジャマ、リゾート
ウエア、スポーツウエア等、各種の衣料に適用すること
ができる。また、いわゆる「衣料」の他、帽子,ヘアバ
ンド,マスク,腹巻等、直接身につける各種の装身具に
適用することができる。
【0039】そして、本発明の吸水吸湿生地を、上記各
種の衣料に適用する場合、衣料全体を上記吸水吸湿生地
で構成することはもちろん、インナーウエアの脇や背中
部分等、汗をかきやすい部分のみを、上記吸水吸湿生地
で切り替えるようにしてもよいし、衣料内側の汗をかき
やすい部分に、所定形状に成形した吸水吸湿生地を縫合
する等して取り付けたものであっても差し支えはない。
【0040】さらに、本発明の吸水吸湿生地は、衣料に
取り付けられるパッドに適用することができる。上記パ
ッドとしては、胸パッド、脇パッド等、各種の汗取りパ
ッドをあげることができる。また、特殊用途のパッドと
して、防弾チョッキの下に着用する身頃パッドや、プロ
テクター,コルセット等の内側に装着するパッド等があ
げられる。これらのパッドは、上記衣料と同様、優れた
吸水吸放湿性を備えているため、この上に衣料や防弾チ
ョッキ,プロテクター等を重ねることにより、蒸れ感の
ない、快適な着用感を得ることができる。
【0041】なお、上記パッドは、下着等に縫合して一
体化することもできるが、面状ファスナーやファスナ
ー、フック、ハトメ金具、ボタン等を用いて着脱自在に
取り付けて用いるようにしてもよい。また、面状ファス
ナーを使用する場合は、同一面に雌雄部材が混在したも
のを用いることが、全面生地との絡み合いを防止する点
で好ましい。このような面状ファスナーとしては、フリ
ーマジックテープ(クラレ社製)等があげられる。
【0042】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0043】
【実施例1】高吸水吸湿繊維(ベルオアシス;9d,鐘
紡社製)を30%、レーヨン繊維(3d)を55%、熱
融着性繊維(ポリエステルステープル、3d)を15%
混合し、常法に従い混綿機で予備開繊を行った後、ニー
ドルパンチ法により、目付60g/m2 、見掛厚さ2m
mの不織布を得た。また、表裏地として、C型の異型断
面糸(キラットP,鐘紡社製、75d/24f)を用
い、通常の方法により編み立て、更に減量加工を施すこ
とにより、目付65g/m2 の丸編生地を得た。そし
て、上記高吸水吸湿繊維含有不織布を中にして、その上
下に、上記異型断面糸の丸編生地を重ねて3層とし、融
着加工機(Cromslon&Knowles社製)を
用いてピンソニック加工を施して、3層構造のインナー
ウエア用生地を得た。
【0044】
【実施例2】高吸水吸湿繊維(ベルオアシス;9d,鐘
紡社製)を30%、アクリル繊維(3d)を70%混合
し、常法に従って、混紡、カード、練条、粗紡を行い、
1/40メートル番手の高吸水吸湿糸を作製した。そし
て、実施例1と同様の異型断面糸(キラットP,鐘紡社
製、75d/24f)と、上記高吸水吸湿糸とを常法に
従って編み立て、リバーシブル丸編み生地に仕立てるこ
とにより、インナーウエア用生地を得た。
【0045】
【比較例1】インナーウエア用生地として、市販の綿1
00%フライス肌着を準備した。
【0046】
【比較例2】表裏地として、親水性繊維からなる糸(レ
ーヨン繊維、3d)を用い、通常の方法により編み立て
て目付65g/m2 の丸編生地を得た。そして、実施例
1と同様の高吸水吸湿繊維含有不織布を中にして、その
上下に、上記親水性繊維からなる丸編生地を重ねて3層
とし、キルティング加工を施して、3層構造のインナー
ウエア用生地を得た。
【0047】これらの実施例品、比較例品について、J
IS L1018 パイレック法に従って吸水浸透性を
測定した。そして、その結果を下記の表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】また、上記実施例1品と比較例1品につい
て、下記の方法により、衣服内気候を測定し、その結果
を図5、図6に示す。
【0050】〔衣服内気候〕図4に示すように、ベース
20上に、四角枠状のスペーサ21を載置して、10c
m×10cm×2cmのスペース22を形成し、この内
側に、30℃に設定した熱板23を置き、その上に湿潤
させた濾紙24を載せ、さらにその上に透湿防水布25
を二枚重ねた後、上記スペーサ21の上面に試料26を
置いてフィルム27で覆った。そして、内層(試料26
と熱板23の間)と、外層(フィルム27表面)の温度
と湿度をセンサ28,28′で経時的に測定した。
【0051】
【実施例3】まず、C型の異型断面糸(キラットP,鐘
紡社製、75d/24f)を用い、通常の方法により編
み立て、更に減量加工を施すことにより、目付140g
/m 2 の緻密トリコット生地を得た。そして、アクリル
酸のグラフト重合加工により、この生地に親水加工を施
し、肌側の第1層とした。また、前述の高吸水吸湿繊維
(ベルオアシス;9d,50mm、鐘紡社製)を30
%、PETステープル(1.5d,50mm、ユニチカ
社製)を50%、熱融着タイプの芯・鞘型PETステー
プル(4d,50mm、ユニチカ社製)を20%の割合
で混繊してニードルパンチにより、目付130g/m2
の不織布を作製し、第2層とした。さらに、PETフィ
ラメント(150d/72f,カネボウ合繊社製)を用
いて目付200g/m2 のポンジー生地を作製し、第3
層(肌と反対側の層)とした。これらを3層に重ねて、
超音波ミシン(ブラザー社製)で格子状にキルティング
を行い、3層を部分的に接合し、一体化した。なお、ミ
シン目は、幅0.5mm、長さ2mm、間隔1mmの鎖
線状で、一辺の長さが2.5cm、120°夾角の菱形
格子とした。
【0052】上記生地を、防弾チョッキの耐弾部分の寸
法に合わせてトムソン刃で型抜きし、生地の周縁に1c
m幅のPETテープをミシン掛けし縁取りを行い、中間
層のほつれ防止を行うことにより、吸汗パッドを得た。
なお、この吸汗パッドは、防弾チョッキの肌側の4隅
に、幅2cmのフリーマジックテープ(クラレ社製)で
着脱自在に取り付けるようにした。
【0053】上記吸汗パッドは、生理食塩水を300m
l以上吸水することができ、実用テストに供した結果、
防弾チョッキ着用時の発汗量を充分吸収し、快適な着用
感が得られた。また、上記吸汗パッドを、家庭用洗濯機
でJIS L0217(103法)洗濯試験に準じて繰
り返し洗濯を30回行った結果、生理食塩水の吸水量は
260mlに低下したが、実用上、充分な吸汗性能を維
持していた。
【0054】
【発明の効果】以上のように、本発明の吸水吸湿生地
は、繊維単位吸水量が大きく、しかも高湿度下で急激に
吸湿率が高くなる特性を備えた特殊な高吸水吸湿繊維を
含有する高吸水吸放湿層と、疎水性繊維を含有する特殊
な水分拡散層とを接合一体化したものであるため、従来
にない、優れた高吸水吸放湿特性を備えている。したが
って、この吸水吸湿生地をインナーウエア等に適用する
と、軽運動等によって大量の発汗を生じたり皮膚表面が
蒸れてきた場合、瞬時に効果的に汗および水蒸気を吸収
して、蒸れ感を大きく低減させることができ、非常に快
適な着用感を得ることができる。また、汗取り用パッド
等に適用することにより、優れた汗取り効果を奏するこ
とができる。なお、本発明の吸水吸湿生地を用いた衣料
やパッドを水に浸漬し濡らして着用すると、水の蒸発熱
による冷却効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す構成図である。
【図2】上記実施例に用いる高吸水吸湿繊維の吸湿率特
性を示す線図である。
【図3】上記実施例における水分拡散層の機能を示す説
明図である。
【図4】上記実施例の特性を評価するための試験方法の
説明図である。
【図5】上記特性評価試験による実施例品と比較例品の
経時的な温度変化を示す線図である。
【図6】上記特性評価試験による実施例品と比較例品の
経時的な湿度変化を示す線図である。
【符号の説明】
1 高吸水吸放湿層 2 水分拡散層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内田 恵二 大阪府大阪市北区梅田一丁目2番2号 カ ネボウ合繊株式会社内 (72)発明者 水上 義勝 大阪府大阪市北区梅田一丁目2番2号 カ ネボウ合繊株式会社内 Fターム(参考) 3B028 JA03 JB01 JB04 3B029 HA02 HA04 HA06 HB02 4F100 AK41A BA02 BA03 BA10A BA10B BA10C BA13 DG01A DG01B DG01C DG03A DG11A DG11B DG11C DG18A DG19B DG19C EC03 EJ41 EJ42 GB72 JB06B JB06C JD15A JD16A JL12A JL12B JL12C YY00A

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の特性を備えた高吸水吸湿繊維
    (A)を5重量%以上含有する繊維素材からなる高吸水
    吸放湿層の少なくとも片面に、疎水性繊維を含有する繊
    維素材からなる水分拡散層が接合一体化されていること
    を特徴とする吸水吸湿生地。 (A)20℃,60%RHにおける吸湿率R1 と、20
    ℃,97%RHにおける吸湿率R2 の差(R2 −R1
    が30%以上で、繊維単位吸水量が300重量%以上8
    000重量%以下の高吸水吸湿繊維。
  2. 【請求項2】 上記高吸水吸放湿層に熱融着繊維が3〜
    50重量%含有されているとともに、上記水分拡散層の
    疎水性繊維として熱融着性繊維が用いられており、上記
    高吸水吸放湿層と水分拡散層が、熱加工もしくは超音波
    加工によって接合一体化されている請求項1記載の吸水
    吸湿生地。
  3. 【請求項3】 上記水分拡散層の疎水性繊維として、異
    型断面糸が用いられている請求項1または2記載の吸水
    吸湿生地。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項に記載され
    た吸水吸湿生地が少なくとも一部に用いられていること
    を特徴とするパッド。
  5. 【請求項5】 生地周縁部が帯状素材で縁取りされてい
    る請求項4記載のパッド。
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