JP2001030346A - 熱成形ロール - Google Patents

熱成形ロール

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JP2001030346A
JP2001030346A JP23449799A JP23449799A JP2001030346A JP 2001030346 A JP2001030346 A JP 2001030346A JP 23449799 A JP23449799 A JP 23449799A JP 23449799 A JP23449799 A JP 23449799A JP 2001030346 A JP2001030346 A JP 2001030346A
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roll
thermoforming
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grooves
inner cylinder
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Hajime Kawakami
肇 川上
Haruo Fujiwara
春男 藤原
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Kawakami Sangyo KK
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Kawakami Sangyo KK
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  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、プラスチック気泡シート製造装置の
改良に関し、高品質のプラスチック気泡シートおよびそ
れを安価に提供する技術にかんするものである。 【解決手段】ロール軸11を中心にして回転し、本体が
外筒12と内筒13からなり、外筒表面にロール中心軸
11から放射状に複数の凹み14を形成し、外筒12の
内筒13との接触面に中心軸11から一定の傾斜角度θ
1を設けた1条または多条の螺旋状の溝15を設け、上
記溝15と複数の凹み14の底部が接触、開孔し、さら
に内筒13の表面に一定間隔で設けられた穴18に接す
る中心軸と平行に開孔された横孔19を設け、ロール側
面から横孔19、穴18、溝15を通じ溶融した合成樹
脂を複数の凹み14によって凹凸に真空成形するロール
において、内筒13の表面に中心軸から一定の傾斜角度
θ2を与えられた、先の外筒の溝15と接触しないよう
に設置された1条または多条の螺旋状の溝16を有し、
ロール軸11に設けられた孔17が先の溝16と連結
し、孔17と溝16が冷却媒体の流路となることを特徴
とした、表面冷却性の改善された熱成形ロール。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック気泡
シート製造装置の改良に関し、高品質のプラスチック気
泡シートおよびそれを安価に提供する技術に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】主にポリオレフィン系のプラスチックを
主原料とした、多数の突起を設けたキヤツプフィルムの
突起の底面に、平坦なバツクフィルムを貼り合わせて多
数の密閉された気泡を形成してなるプラスチック気泡シ
ート、あるいはさらにキヤツプフイルムの突起の頂部に
さらにもう1枚平坦なライナーフイルムを貼り合わせた
気泡シート(以下、これらを総称して「気泡シート」と
略す。)は、包装などの分野で広く使用されている。特
に、主原料にポリエチレンを用いた比較的薄手のもの
は、「プチプチ」の商品名で知られており、包装材、緩
衝材、断熱材として多用されている。また、主原料にポ
リエチレン、ポリプロピレンを用いた厚手かつ硬質のも
のは、「プラパール」の商品名で知られており、断熱
材、構造材、芯材として多用されている。
【0003】これらの気泡シート類の製造装置としては
実公昭62−7642に開示されているような中心軸に
冷却媒体の流路が設けられ、表面に無数の凹凸を有し、
この凹凸の底部から中心軸に平行に開けられた複数の横
孔に向けて開口された微細な孔を有する直径150mm
〜400mm程度の熱成形ロールが多用されていた。本
来、気泡シートの高速での安定生産を考えるならば、直
径はある程度大きいことが好ましいのだが、後述のよう
な種々の理由からロール表面の肉厚がかなりの厚さとな
り、重量面での制約から最大でも直径400mm程度に
抑えられていた。
【0004】また、このような微細な孔をロール本体の
凹凸の底部に開孔した場合、目づまりを起こし易く、ロ
ールのメインテナンスに手間が掛かるという問題を有し
ていた。
【0005】そこで発明者らはこの目づまりを改善する
方法として、実公平1−23796で凹凸の底部に複数
の切れ込みを有する真空抜板をはめ込み、この真空抜板
の複数の切れ込みによって真空吸引を行うロール構造を
提案した。この方法は目づまりの防止、および発生した
目づまりの整備、保全にはたいへん有効な方法ではある
が、真空抜板をはめ込む数が増える、つまり、ロールの
面長、直径が大きくなっていくとその打ち込み作業が増
え、ロール製造の手間が増大するという問題があった。
【0006】この熱成形ロールの端面から、横孔を通じ
て真空吸引を行い、フィルムを凹凸に成形し、該熱成形
ロール上にてもう1枚平坦なフィルムを貼着、2層品の
気泡シートを得るか、さらに後の工程においてもう1枚
平坦なフイルムを反対面に貼着し3層品とするのが当該
業者間で知られているこれら気泡シートの一般的な製造
方法であった。(以下このロール構造を「一体型」と称
す。)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記のような熱
成形ロールにおいては比較的低速においての安定した生
産、という点では整備、保全の面からも取扱いに優れて
いたが、生産性の向上、つまり生産スピードの高速化が
近年望まれるようになってからは種々の問題を生じつつ
あった。
【0008】つまり、該熱成形ロールは、加熱溶融下フ
ィルムを吸引あるいは圧空付与にて凹凸に成形し、安定
して次工程に送るために安定して剥離させねばならな
い。このためにはロール表面の温度は適度に冷却されね
ばならない。もしロール表面の温度が高すぎるのであれ
ば、フィルムは該熱成形ロール上にて即座に巻き付いて
しまうであろう。
【0009】しかし、該熱成形ロールは、その表面上に
おいてもう1枚平坦なフィルムを貼着加圧して気泡シー
ト類の空気室を作るという機能がある。このためには該
熱成形ロールの表面温度を下げすぎる訳にはいかなかっ
た。つまり、該熱成形ロールの表面温度が低く凹凸に成
形されたフイルムが過剰に冷却されてしまったならば、
気泡シートの命である空気室を構成する2枚のフィルム
は溶融、密着せず空気室の充分な密閉性が得られず、製
品として機能しない。
【0010】当然、この相反する2つの条件を満たす温
度範囲は非常に狭く限定されてしまう。発明者らの知る
ところでは、特にポリエチレンを原材料として用いた場
合、この温度範囲は80度前後である。
【0011】そして、その生産速度、つまりは引き取り
速度を上げて行けば、相反する2つの条件を満たす温度
範囲はさらに狭くなっていくであろう。先に述べた、ポ
リエチレンは合成樹脂の中では、融点、軟化点等の非常
に曖昧な、温度上昇につれて徐々に柔軟になっていき、
ついには溶融する性質を持つ樹脂であり、上記温度範囲
のもっとも広いといわれている樹脂である。それ故気泡
シートあるいは気泡ボードをもっとも容易に作り得る樹
脂として当該業者間に知られている。しかし、ポリエチ
レンを素材とした汎用品に比べ、近年は機能性素材、例
えば脂肪族ポリエステル、ポリカプロカクトン、乳酸、
澱粉系等の生分解性素材、ナイロン、EVOH等のガス
バリア性素材などが注目されつつある。これらの素材は
皆、ポリエチレンに比べるなら融点、軟化点が顕著に出
るうえに、両者の幅が非常に狭く、一定の温度を境に固
体から液体に急激に存在相が変化する際めて扱いづらい
樹脂である。ポリエチレンとともにポリオレフィン樹脂
の代表として知られているポリプロピレンとてその例外
ではない。そのためこれらの樹脂で気泡シートあるいは
気泡ボードを作る場合、その生産スピードが従来ポリエ
チレンを用いた場合に比べ、数等劣ることは当該業者間
では公知の事実であった。
【0012】上記のように生産スピードを上げて行け
ば、成形、および融着の可能な温度範囲の幅はそれにつ
れてどんどん短くなっていく。それに加え、ポリエチレ
ン以外の樹脂は樹脂固有の性質としてその温度範囲は格
段に狭い。そのうえ生産スピードを上げていこうとする
ならばその温度範囲はさらに狭まり、ついにはピンポイ
ントになってしまう。こうなればロール表面の温度を一
定とし、わずかな誤差をも許さないものとなってしまう
であろう。つまり、気泡シートの生産性を決定的に左右
するのは、熱成形ロールの温度コントロールの正確さ、
および全体の均温性に尽きるのである。然るに、該成形
ロールはその表面からかなりの深さ迄を真空吸引の流路
に要し、冷却媒体の流路はそれより深い所を走らねばな
らないという構造上の問題を有していた。
【0013】このことは必然的にロール表面から冷却媒
体の流路の距離を遠くすることとなり、先に述べた気泡
シートの生産性を決定的に左右する要素、熱成形ロール
の温度コントロールの正確さ、および全体の均温性の面
で不満のある構造であった。これら問題を解決するもの
として、「ロールの肉厚を薄くする。」ことが先ず考え
られた。ロールの肉厚を厚くしている最大の問題点は、
真空吸引の際の空気の流路となる中心軸に平行な横孔の
存在である。これを改善する方法として、表面に複数の
溝を切ったロールを用意し、これに表面に凹凸の加工を
施した外筒を圧入や焼きばめ等の方法を用い、きついか
ん合にてかぶせていく方法が試みられた。確かに、この
方法を用いるなら、真空吸引の流路たる横孔が溝に変わ
るため、従来の約半分近くまでロールの肉厚を薄くする
ことも可能である。これは温度コントロール、軽量化の
両面から好ましいことである。加えて、圧入や焼きばめ
等の方法によってかぶせられる外筒は、幅方向に任意に
分割することが可能である。これならば従来の一体型の
ロールよりも面長の大きいロールも容易に作り得るであ
ろう。(以下このロール構造を「圧入型」と称す。)
【0014】しかし、発明者らのこの試みは失敗に終わ
った。なぜなら、溝を切ったロール内筒部と凹凸に加工
された外筒部は、圧入、焼きばめ等の方法によって一体
化されていると考えられていたのであるが、実際にはど
のように機械加工の精度が上がろうとも両者の間の隙間
は存在するのである。(以下、この隙間を「洲」と称
す。)そして、このロールの製法上、内筒と外筒の材質
の差もこの洲の問題を増長させる結果となった。温度の
上昇、降下を繰り返すごとに生じた洲が広がる結果とな
ったのである。この洲の部分は非常に微細な隙間にもか
かわらず、空気層であるが故に非常に高い断熱効果を生
じた。このためできたロールは従来構造のロールに比
べ、かえって均温性ならびに温度応答性において著しく
劣るものとなってしまった。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決する方法
としては、冷却媒体の流路をロール表面から浅い(近
い)位置、可能で有れば真空吸引の通路並の浅い部分に
設け温度コントロールの正確さ、および全体の均温性を
向上することが考えられる。しかし、かかる構造は冷却
媒体の流路と真空吸引の流路が交錯してしまい、技術的
に不可能と考えられていた。発明者らは鋭意研究の末、
上記問題点をついに解決するに至った。以下に図を用い
て説明する。
【0016】図1に本発明の1例を示す斜視図を、図2
に同じく断面図を示す。本発明熱ロール1は外筒12、
および主軸11を含む内筒13からなり、ロール軸11
を中心にして回転する構造となっている。外筒12と内
筒13は、圧入や焼きばめ等のきわめてきついかん合に
よってはめられている。勿論希望するかん合が得られる
なら他の方法を用いても構わない。外筒12の表面には
ロール中心軸11から放射状に複数の凹み14を形成し
ている。そしてこの外筒12の内面には、凹み14の頂
点に接触してわずかな開孔部24を生ずる中心軸11か
ら一定の傾斜角度θ1を設けた螺旋状の溝15が設けら
れている。さらに内筒13の表面に一定間隔で設けられ
た穴18に接する中心軸と平行に開けられた複数の横孔
19を設け、ロール側面から横孔19、穴18、溝15
を通じ溶融した合成樹脂を複数の凹み14によって凹凸
に真空成形する。
【0017】また、内筒13の表面には中心軸から一定
の傾斜角度θ2を与えられた、先の外筒の溝15と接触
しないように設置された螺旋状の溝16は、ロール軸1
1に設けられた孔17と連結し、孔17と溝16が冷却
媒体の流路となることにより、ロール表面から非常に浅
い位置を水等の冷却媒体が循環することになる。この
時、冷却媒体の循環を容易とするため、図1に示すよう
に、孔17と溝16の間にバイパス23を設けてもよ
い。この時溝15の傾斜角度θ1および溝16の傾斜角
度θ2は同じであることが好ましい。近似の角度であっ
てもよいのではあるが、ロールの構造上、寸法的に無駄
な部分が増え、ロール表面に設ける凹み14の間隔が広
くなり気泡シートの美観を損ねることとなるので好まし
くない。その許容差は発明者の鋭意研究するところによ
ると±5度以内である。また、溝15の傾斜角度θ1お
よび溝16の傾斜角度θ2は0〜45度の角度、さらに
は0〜30度の角度が好ましい。45度以上であるなら
ば、ロール表面に設ける凹み14の大きさにもよるが、
溝15および溝16の配列の関係上ロール表面に設ける
凹み14の間隔が広くなり気泡シートの美観を損ねるこ
ととなるので好ましくないし、また真空吸引の際の空気
のリークが激しくなり実用性も低下するので好ましくな
いからである。特殊な例として溝15の傾斜角度θ1お
よび溝16の傾斜角度θ2がともに0度となる場合もあ
るが、この場合凹み14の配列形状は従来技術の熱成形
ロールと同様の外観を呈する。この時のロール表面から
観た凹み14と溝15の関係を図3に示す。このよう凹
み14と溝15の間には、少なくとも1箇所以上、開孔
部24を有するわけである。このとき、開孔部24の幅
Wは、0.2〜0.8mmの範囲が好ましい。もし0.
2mm以下であるならば、幅が狭すぎ真空成形に支障を
きたすからであり、また0.8mm以上有れば真空吸引
によってフィルムの破れを生ずる恐れがあるからであ
る。また、冷却媒体の通る溝16に意図的に加工を施し
冷却媒体の流れを乱流とし、冷却効率をさらに高める手
段として用いてもよい。
【0018】図4に本発明熱成形ロールによって成形さ
れた気泡シート一般的な形状を示す。このように気泡シ
ートあるいは気泡ボードの成形部の頂点には、ロール表
面の凹み14の開孔部24の真空吸引の跡である1個あ
るいは複数個の半月型の膨らみ26が転写されている。
この膨らみ26の高さは、使用する樹脂の種類、厚み、
温度ならびに真空吸引の強さにより異なるが、発明者の
研究するところによると、1ないし1000μmの範囲
である。また、外観上この膨らみ26が気泡シートに転
写され、美観上好ましくない、あるいは開孔部24の目
づまりの改善を望むのであれば、凹み14を2段構造の
孔とし、実公平1−23796に開示されているような
凹凸の底部に複数の切れ込みを有する真空抜板25をは
め込んでもよい。その時のロール表面の外観を図5に示
す。
【0019】本体1を構成する基本構成は以上のような
形となるが、盲板20および空気の流路21を設けた摺
動板22が付くわけである。。特に空気の流路21を設
けた摺動板22は、従来用いられている熱成形ロールと
何等変わるものではなく、その形状も円盤状であって
も、空気の流路21を設ける上で必要な最小限な形状、
例えば扇形等の形状であっても構わない。また、この場
合、空気の流路21を設けた摺動板22を2段構造と
し、1段目において真空吸引を行い。2段目においては
逆に圧空を吹き出し、本発明熱成形ロールを使用した場
合に製品のロールからの剥離性の向上をはかることも可
能である。この場合は、ロール両端の空気の流路21を
設けた摺動板22の取り付け方は左右対称のの位置関係
でなく、溝15の傾斜角度θ1に併せて捻れた位置関係
に取り付けることが好ましい。あるいはより簡便な方法
として、真空吸引、および圧空の吹き出しの能力が充分
あるのであれば、ロールの片側の端面の空気の流路を塞
ぎ、残るもう一方の端面にのみ空気の流路21を設けた
摺動板22を取り付けて使用してもよい。
【0020】また、盲板20は空気の流路21を設けた
摺動板22と接触、絶えず摺動することから摺動板22
を痛めない素材、例えば銅、黄銅などの柔らかい金属
や、ナイロン等の合成樹脂などが好ましい。
【0021】本発明熱成形ロール構造を用いるならば、
ロール表面から冷却媒体との接触面との距離、いわゆる
肉厚を、気泡の形状、ロールの直径などによっても変化
するが、従来構造の熱成形ロールに比べその肉厚を1/
5〜1/10以下にすることが可能である。例えば、直
径300mmのロールに、直径10mm、深さ4mmの
凹み14の加工を施す場合、従来技術の熱成形ロールに
おいては、その肉厚は最低でも50mm程度必要であっ
たものが、本発明熱成形ロールの場合10mm以下にお
さえることが可能である。また圧入型ロールの作り方と
同様、幅方向に外筒12を複数に分割することも容易で
ある。しかも外筒12に接して冷却媒体の循環が行われ
るため、もし外筒12と内筒13の間に多少の洲が存在
したとしても、均温性ならびに温度応答性において問題
を生ずることはまったくない。また、中心軸11と内筒
13は一体構造であっても良いし、別構造の組立式とし
ても構わない。どちらの場合でも、内筒13の強度に支
障を来さない範囲の肉厚を維持したうえで図2に示すよ
うな中空構造にすれば従来技術の熱成形ロールに比し、
格段に軽量なロールとすることも可能である。これらの
本発明ロール特有の利点のため従来構造のロールで限界
とみられていた直径400mm以上の熱成形ロールも容
易に製作が可能となった。
【0022】以上のように本発明熱成形ロールの概要に
ついて説明してきたが、本発明熱成形ロールを構成する
個々の要素、例えば真空成形の流路構造、冷却媒体の流
路構造、あるいは溝15とロール表面の凹み14の位置
関係等を部分的に従来技術の一体型、圧入型の熱成形ロ
ール、あるいは表面が平坦な冷却ロールに用いてもかま
わない。
【0023】
【実施例】従来構造の一体型熱成形ロールと本発明熱成
形ロールを直径300mm、面長1200mmの同一外
形で作り、両者を実公平3−53869に開示されてい
る気泡シート製造装置に取り付けて同一条件で試作し
た。
【0024】
【試作テスト結果】従来構造の一体型熱成形ロールの場
合、気泡シートを安定して作り得るロール表面の速度が
20m/分であったのに対し、本発明熱成形ロールは4
0m/分を超えても安定して気泡シートを作ることが可
能となった。
【0025】
【作用】主にポリオレフィン系のプラスチックを主原料
とした、多数の突起を設けたキヤツプフィルムの突起の
底面に、平坦なバツクフィルムを貼り合わせて多数の密
閉された気泡を形成してなるプラスチック気泡シート、
あるいはさらにキヤツプフイルムの突起の頂部にさらに
もう1枚平坦なライナーフイルムを貼り合わせた気泡シ
ートは、包装などの分野で広く使用されている。これら
の気泡シート類の製造装置としては特公昭62−764
2に開示されているような中心軸に冷却媒体の流路が設
けられ、表面に無数の凹凸を有し、この凹凸の底部から
中心軸に平行に開けられた複数の横孔に向けて開口され
た微細な孔を有する熱成形ロールが多用されていた。し
かし上記のような熱成形ロールにおいては比較的低速に
おいての安定した生産、という点では整備、保全の面か
らも取扱いに優れていたが、生産性の向上、つまり生産
スピードの高速化が近年望まれるようになってからは種
々の問題を生じつつあった。つまり、該熱成形ロール
は、加熱溶融下フィルムを吸引あるいは圧空付与にて凹
凸に成形し、安定して次工程に送るために安定して剥離
させねばならない。このためにはロール表面の温度は適
度に冷却されねばならない。もしロール表面の温度が高
すぎるのであれば、フィルムは該熱成形ロール上にて即
座に巻き付いてしまうであろう。しかし、該熱成形ロー
ルは、その表面上においてもう1枚平坦なフィルムを貼
着加圧して気泡シート類の空気室を作るという機能があ
る。このためには該熱成形ロールの表面温度を下げすぎ
る訳にはいかなかった。つまり、該熱成形ロールの表面
温度が低く凹凸に成形されたフイルムが過剰に冷却され
てしまったならば、気泡シートの命である空気室を構成
する2枚のフィルムは溶融、密着せず空気室の充分な密
閉性が得られず、製品として機能しない。そして、その
生産速度、つまりは引き取り速度を上げて行けば、相反
する2つの条件を満たす温度範囲はさらに狭くなってい
くであろう。つまり、気泡シートの生産性を決定的に左
右するのは、熱成形ロールの温度コントロールの正確
さ、および全体の均温性に尽きるのである。上記問題を
解決する方法としては、冷却媒体の流路をロール表面か
ら浅い位置に設け温度コントロールの正確さ、および全
体の均温性を同上することが考えられる。しかし、かか
る構造は冷却媒体の流路と真空吸引の流路が交錯してし
まい、技術的に不可能と考えられていた。本発明熱成形
ロールは先に述べたような構造を用いる、ロール表面か
ら冷却媒体との接触面との距離、いわゆる肉厚を、気泡
の形状、ロールの直径などによっても変化するが、従来
構造の熱成形ロールに比べその肉厚を1/5〜1/10
如以下にすることを可能とした。
【0026】
【発明の効果】その結果、表面温度の均温性、温度コン
トロールの正確さが格段に向上し、また内筒13を中空
構造とすることにより軽量化にも成功し、従来よりも高
品質の気泡シートを従来より格段に高い生産スピードに
て生産し得るようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明熱成形ロールの1例を示す斜視図
【図2】 本発明熱成形ロールの1例を示す断面図
【図3】 本発明熱成形ロールの表面の形状の1例を示
す平面図
【図4】 本発明熱成形ロールによって成形された、一
般的な気泡シートおよび気泡ボードを示す。
【図5】 本発明熱成形ロールの表面の形状の別の1例
を示す平面図
【符号の説明】
1 本体 11 ロール中心軸 12 外筒 13 内筒 14 凹み 15 溝 16 溝 17 孔 18 穴 19 横孔 20 盲板 21 空気の流路 22 摺動板 23 バイパス 24 開孔部 25 真空抜板 26 膨らみ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロール軸11を中心にして回転し、本体
    が外筒12と内筒13からなり、外筒表面にロール中心
    軸11から放射状に複数の凹み14を形成し、外筒12
    の内筒13との接触面に中心軸11から一定の傾斜角度
    θ1を設けた1条または多条の螺旋状の溝15を設け、
    上記溝15と複数の凹み14の底部が接触、開孔し、さ
    らに内筒13の表面に一定間隔で設けられた穴18に接
    する中心軸と平行に開孔された横孔19を設け、ロール
    側面から横孔19、穴18、溝15を通じ溶融した合成
    樹脂を複数の凹み14によって凹凸に真空成形するロー
    ルにおいて、内筒13の表面に中心軸から一定の傾斜角
    度θ2を与えられた、先の外筒の溝15と接触しないよ
    うに設置された1条または多条の螺旋状の溝16を有
    し、ロール軸11に設けられた孔17が先の溝16と連
    結し、孔17と溝16が冷却媒体の流路となることを特
    徴とした、表面冷却性の改善された熱成形ロール。
  2. 【請求項2】 上記θ1、θ2が中心軸に平行であるこ
    とを特徴とした、請求項1記載の熱成形ロール。
  3. 【請求項3】 上記θ1、θ2が同一角度であることを
    特徴とした、請求項1記載の熱成形ロール。
  4. 【請求項4】 上記θ1、θ2の角度の差が±5度の範
    囲であることを特徴とした、請求項1記載の熱成形ロー
    ル。
  5. 【請求項5】 上記θ1、θ2が0から45度の範囲で
    あることを特徴とした、請求項1ないし4記載の熱成形
    ロール。
  6. 【請求項6】 上記熱成形ロールによって成形されたフ
    ィルムの片面、あるいは両面に、平坦なフィルムを1な
    いし2枚貼着したことを特徴とする、気泡シートあるい
    は気泡ボード。
  7. 【請求項7】 上記熱成形ロールによって成形されたフ
    ィルムの凸部の頂面に、半月状の吸引跡があることを特
    徴とする請求項6記載の気泡シートあるいは気泡ボー
    ド。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007044979A (ja) * 2005-08-09 2007-02-22 Kawakami Sangyo Co Ltd バックフィルムにラミネートフィルムを貼り合わせたプラスチック気泡シートの製造方法および製造装置
JP2008100463A (ja) * 2006-10-20 2008-05-01 Kawakami Sangyo Co Ltd プラスチック中空板の製造方法および製造装置
JP2010089449A (ja) * 2008-10-10 2010-04-22 Kawakami Sangyo Co Ltd 合成樹脂製気泡シート及びその製造方法

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