JP2001029977A - 軽質石炭灰水処理材 - Google Patents

軽質石炭灰水処理材

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JP2001029977A
JP2001029977A JP11235903A JP23590399A JP2001029977A JP 2001029977 A JP2001029977 A JP 2001029977A JP 11235903 A JP11235903 A JP 11235903A JP 23590399 A JP23590399 A JP 23590399A JP 2001029977 A JP2001029977 A JP 2001029977A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】石炭灰から作られる水浄化材に、活性炭等に比
べて見劣りしないような生物担体としての機能を備えさ
せること。 【構成】石炭灰ゼオライトから作られる水処理用ペレッ
トに欠けている、数十ミクロンから100ミクロンレベ
ルの多孔質性を備えた水処理材を開発するため、石炭灰
のうち、比重1以下の軽さと比較的大きな球径、高い中
空度という特性を持つ浮灰と称される軽質な部分を利用
し、これを造粒成形し水処理材を作ることを研究した。
浮灰を成形・被覆する際、微細化した石炭灰を充填物と
してバインダーに混和して加えた。また、その際必要と
なる苛性ソーダを粉末状で適用する方法を考案した。 【効果】得られた造粒成形物は、市販の活性炭、セラミ
ックスの担体とほぼ同等な、硝化、脱窒機能を備えてい
ることが比較実験の結果示された。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は石炭灰のうち比重が1末
満の軽質灰(通称浮灰)を素材として得られる水処理材
及びその梨造方法に関する。
【0002】石炭灰中に含まれる比重が1未満の軽質な
部分は、水に浮くので通称“浮灰”といわれ、軽質のた
め水面に広く拡散するなど通常の石炭灰とは挙動も異な
り、取扱・処分上はなはだ厄介な産業廃棄物である。
【0003】最近では、石炭灰の埋め立て処分につい
て、処分用地の確保がますます困難になりつつある。ま
た、産業廃棄物処理費の軽減や安定した石炭灰の処分、
有効利用を図るためにも、現状の有効利用分野への量的
な拡大はもとより、少量需要と言えども石炭灰の特性を
生かした付加価値を持たせることなどにより、有効利用
分野の拡大を指向した研究開発が望まれる。
【0004】わが国では、水域環境の中でも特に閉鎖性
水域や、下水処理施設未達地域における河川等の水質悪
化が、今後益々懸念されており、とくに水中に含まれる
窒素、 りん等のために生じる水域の富栄養化による水
質悪化が大きな社会問題となっている。
【0005】現在、家庭などからの排水は下水処理場等
で浮遊懸濁物を取り除く一次処理、活性汚泥法による溶
存有機物を取り除く二次処理を行った後に河川、湖沼、
海などへ放流されているが、水質基準の維持達成、上記
のような公共水域の富栄養化の防止、更には水資源の有
効利用の観点から下水処理水の再利用の必要性が求めら
れている。このため、二次処理水にさらに三次処理を行
ってから放流、あるいは再利用の試みが行われるように
なってきた。しかし、窒素、りん除去を目的とした三次
処理は今のところ確立しておらず、これらの汚濁物質の
除去方法の技術開発が急がれている。最近では、従来の
化学的、物理的な方法を用いた窒素除去方法よりも微生
物を利用した生物学的な方法がコスト、環境に及ぼす影
響、再生方法の点から水質浄化に適していると考えられ
ている。また、最近の水処理のもう一つの重要な課題と
して農業用水路、下水道未達域の中小河川、水路、溜め
池などの水質汚濁の問題がある。このような現場におい
ては、水処理用の資材を相当多量に投入設置する必要に
迫られる。こうした観点から、富栄養化の重要な原因物
質である窒素成分を有効に除去でき、しかも比較的安価
で多量に利用できる水処理材の開発が強く望まれてい
る。
【0006】従来、石炭灰を水熱反応させて得られるゼ
オライトを成形し、主として窒素除去のための水浄化用
ペレットとして利用されているが、ゼオライトの特性
上、多孔質性の点でミクロレベルの孔径においては優れ
ているが、微生物の棲息場に適したより大きなサイズ
(メソスケール)の孔径に乏しいと言う短所がある。
【0007】そこで、本発明は石炭灰のうち軽質な浮灰
の球径が大きくかつ中空度の高い特徴を生かし、これを
成形して得られる多孔質でかつゼオライト化した表面を
備えた水処理材及びその製造方法に関するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】石炭灰から水熱反応で
合成される石炭灰ゼオライトは、天然のゼオライト同様
にミクロなオングストロームレベルでは多孔質であり、
アンモニウムイオン(NH )など特定のイオンの吸
着には特異性が高いが、より大きな数十ミクロンレベル
(メソスケール)の孔径には乏しく、そのため水処理材
として使用する場合、代表的な担体である活性炭やセラ
ミックス等に比べて、微生物担体としての機能にかなり
の差が生じるのもやむを得なかった。
【0009】石炭灰のうち、比重が1未満の浮灰といわ
れるものは、径が数10μ(ミクロン)から150μ程
度の相対的に大きな、中空度の高い球状の灰から成って
おり、このものの中空性と球径の大きなことを利用し、
微生物担体の表面材に用いることが出来れば、孔径が1
50ミクロン程度(メソスケール)の多孔質体が形成さ
れることになり、従来の石炭灰ゼオライトよりも微生物
担体用ペレットとしての機能が高まることが期待され
る。
【0010】しかしながら、浮灰は通常の石炭灰(フラ
イアッシュ)より粒径が大きくまた軽いため、セメント
等のバインダーで造粒成形することが困難である。バイ
ンダーの割合をかなり高くしない限り、造粒成形中或い
は成形後もペレットから表面の浮灰層の部分の剥離が生
じやすい。
【0011】そこで、浮灰とバインダーの他に充填材と
して、石炭灰(フライアッシュ)そのものやそれをすり
潰すなどして微細化した石炭灰を混合した、混合粉剤を
用いることによって、この問題は解決できることが分か
った。フライアッシュの微細化は、すり潰す方法に限る
ものではない。
【0012】また、バインダーにセメントよりも苛性ソ
ーダを使用した方が、ペレットをより軽量化し易いの
で、いろいろな長所が生まれると予想されるが、苛性ソ
ーダをそのまま粉末状にして浮灰の被覆の際に使用する
ことは、潮解性等の点から、ほとんど不可能である。し
かし、中核球に浮灰を被覆したペレットを成形する際の
バインダーは操作上粉末状であることが必要である。
【0013】そこで、苛性ソーダを粉末状で添加する方
法を考え、以下のように行なった。あらかじめ、石炭灰
あるいは石炭灰の微細化したものを苛性ソーダ(フレー
ク或いはブロック状など)と所定の割合に混合し、次い
でこの混合物をミキサーなどで粉砕混合して調製した粉
状混合物を、主成分である浮灰に添加混合することによ
り、浮灰、石炭灰、微細化石炭灰および苛性ソーダの4
者よりなる被覆用混合粉剤を使用することで解決した。
【0014】本発明はこのような発見に基づいてなされ
た。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、中空度と球径
の大きい特性を持つ軽質石炭灰(浮灰)にバインダー等
を混ぜて成形し、この成形体に水熱反応を施して得られ
る水処理材及びその製造方法に関する。本発明は、また
石炭灰とセメントからなる中核球の表面に、浮灰を、バ
インダーの他に微細化石炭灰、石炭灰を含む混合粉剤の
かたちで被覆成形し、これを水熱反応して得られる水処
理用ペレット及びその製造方法に関する。
【0016】軽質石炭灰を造粒成形するために使用する
バインダーとして価格の点でセメントが好ましいが、苛
性ソーダなど他の材料を使用することにより、浮灰の特
長を生かした軽い処理材の成形が可能となるなど、新た
な付加価値が期待される。また、表層に被覆する浮灰混
合粉剤にバインダーとして苛性ソーダを使用することが
できれば、最終的な液相での水熱反応による加工を施さ
なくても表面を多孔質化することが可能と考えられる。
このような観点から苛性ソーダをバインダーとして造粒
・被覆の工程に採用する方法を考えた。すなわち、苛性
ソーダにフライアッシュ或いは既に擦り潰すなどしてお
いた石炭灰(微細化石炭灰)の一定量を添加し、これを
更にミキサーなどで粉砕混合したものを粉状混合物とし
て、浮灰に混ぜ合わせ使用すると、苛性ソーダの吸湿性
を抑制しつつかつ粉状で造粒・被覆操作に用いる事が出
来る。なお、微細化の方法は、粉砕に限るものでなく、
例えば篩分で得られる75μ以下の細粒部分のフライア
ッシュなどでも可能である。
【0017】また、浮灰を含む混合粉剤を被覆する操作
において、石炭灰とセメントからなる中核球と被覆剤と
の中間の組成に調製した混合粉剤を中間剤として用いる
と、表層の被覆剤の固着性がよりよくなり最終成形物の
固化度、耐剥離度が向上することが認められた。
【0018】中核球造粒後60℃で6時間ほど養生した
後、転動式造粒機に移し、浮灰を主成分とする被覆用混
合粉剤を、水を噴霧しながら添加し造粒成形する。成形
後、セメントがバインダーの場合は、同じく60℃で8
時間養生し、苛性ソーダを用いた場合は、90℃で8時
間養生する。
【0019】混合被覆剤の組成は、セメントを用いる場
合は重量比で、浮灰75%以下、セメント15%前後、
充填材として微細化フライアッシュ15%未満が適切で
ある。
【0020】また、苛性ソーダを用いる場合は、浮灰7
5%以下、あらかじめ微細化石炭灰と苛性ソーダの一定
組成の混合物を更に粉砕・混合して得られる混合粉剤を
25%以上、Vブレンダーなどで混合した被覆剤を使用
する。微細化石炭灰と苛性ソーダの混合粉剤の組成は、
苛性ソーダの重量比(%)が、40、50,60、等の
ものをあらかじめ調製し、密閉容器に入れデシケータに
保存して、適宜使用する。
【0021】
【実施例】以下は本発明の実施例である。本発明はこの
実施例に限定されるものではない。
【0022】実施例1 浮灰を造粒成形後、アルカリによる水熱反応を施した水
処理用ペレットの製造(バインダーにセメントを用いる
場合)。 150μの篩で篩い分けた浮灰750gに微細化石炭灰
100gとセメント150gを加え、Vブレンダーで約
1時間攪拌混合した。この混合物を少量ずつ転動式パン
型造粒機に入れ、水を噴霧させながら造粒成形した。こ
の造粒体を水蒸気共存下で60℃で24時間養生し、次
いで、3規定の苛性ソーダ溶液に全量が浸るように入
れ、90℃〜沸騰点付近で8時間加熱した。ろ液を分別
・吸引回収した後、ペレットを弱硫酸水溶液と水で洗液
のpHが弱アルカリ性(pH8〜9)になるまで洗浄
し、風乾又は乾燥器で乾燥した。
【0023】実施例2 浮灰を微細化石炭灰と苛性ソーダの混合粉剤により造粒
成形した水処理用ペレットの製造(バインダーに苛性ソ
ーダを用いる場合)。 重量基準で浮灰75%未満と、微細化石炭灰と等量の苛
性ソーダを混合・粉砕した粉状混合物25%以上とをV
ブレンダーで1時間混合し、この混合物を転動式パン型
造粒機に一部入れ水を噴霧しながら、適宜混合物を少量
ずつ加えながら転動造粒した。得られた造粒体を水蒸気
共存下で95℃前後で8時間加熱した。この造粒体は軽
質で水に浮く特性がある。また、バインダーに苛性ソー
ダを用いる場合、液相での水熱反応を施さなくとも、造
粒体表面は多孔質化が達せられる。
【0024】実施例3 石炭灰とセメントの混合物を造粒成形し、これに浮灰を
被覆させたペレットの製造(セメントをバインダーとす
る場合) 石炭灰の850gにポルトランドセメント150gを添
加し、Vブレンダーを用いて約1時間混合した。この混
合粉体を転動パン式造粒機に一部移して水を噴霧しなが
ら適宜混合粉体を加え造粒成形を行った。造粒後これら
の造粒体を水蒸気共存下で、60℃で6時間養生した。
次いで、この造粒体を中心核としてこれに被覆成形する
ために、造粒機パン内に移し転動させながら、重量比で
75量の浮灰、15量のセメント、10量の微細化石炭
灰の混合物150gを水を噴霧しながら少量ずつ造粒体
に被覆させた。この浮灰の被覆造粒体(ペレット)を6
0℃で24時間養生した後、3規定の苛性ソーダ溶液中
で6時間、90℃〜沸騰以下の温度で加熱処理した。反
応液を排除して、pH4程度の弱い硫酸と水でペレット
を洗浄し、洗液のpHが8台まで低下したものを取り出
し、風乾または110℃で乾燥し製品とした。
【0025】実施例4 石炭灰とセメントの混合物を造粒成形し、これに浮灰を
被覆させたペレットの製造(苛性ソーダをバインダーと
する場合) 石炭灰とセメントよりなる中核球775gを転動式パン
型造粒機に入れ、水を噴霧しながら中間剤75gをまず
被覆させ、続いて主成分の浮灰とバインダーの苛性ソー
ダを含む表層被覆剤150gを同様に水を噴霧しながら
被覆させ成形した。被覆成形後のペレットを90℃〜9
5℃で8時間加熱した。被覆剤にバインダーとして苛性
ソーダ混合粉剤を使う場合には、液相での水熱反応は必
要ではない。中間剤は重量基準でフライアッシュ55
%、微細化石炭灰20%以下と苛性ソーダ10%以上と
の混合粉剤、及びセメント15%以下の比率で調製した
ものを使用した。また、表層被覆剤の組成は、浮灰70
%以下、微細化石炭灰と苛性ソーダとを等量粉末化した
混合粉剤30%以上の比率で調製したものを使用した。
【0026】実施例5 本発明の水処理材と市販の水処理材との硝化能の比較実
験(水路実験) 実施例3に示した方法で製造した水処理ペレット(試作
ペレット)に対照として、市販の活性炭、セラミックス
製水処理材、夫々を装着した水路を3系統作製した。水
路の仕様は、長さ29cm、幅8.5cm、深さ2,5
cm、各担体の充填容積400ml。微生物源として自
宅近くの梅田川の河川水を濾過した水を使用し馴養し、
次項に示す組成の塩類を含む人工廃液を夫々の水路に還
流させた。流し始めてから3週間経過したあたりから、
NH イオンが減少し始めたので、そのままNH
イオンがほぼなくなるまで還流し続けた後、一定量のN
イオンを含む人工廃液を新たに流し入れ、水路の
入口(共通採水点)と3種類の担体を充填した3本の水
路の夫々の出口で採水し、NH イオンをJISの比
色法で分析した。原水中のNH イオン濃度が10p
pmの場合、活性炭、セラミックス、及び試作ペレット
中を通過した通過水中のNH イオン濃度は、図1に
示すように、夫々0.9,0.89,1.08ppmと
約10分の1に減少した。夫々の担体のNH イオン
除去率(硝化率(%))は、91,91,89とほぼ同
じ能力を示している。また、原水中のNH イオン濃
度(負荷)を26ppmと高くした場合は、活性炭、セ
ラミックス、試作ペレットを通過した後では、夫々1.
2,1.4,1.9ppmとなっており、硝化率(%)
は、夫々、95,95,93である。負荷が高くなって
も、試作ペレットは十分に硝化能力を保持していると判
断できる。
【0027】人工廃液の組成 CHCOONa 233.5mg/l NHCl 76.4mg/l KHPO 15.0mg/l MgSO・7HO 11.3mg/l CaCl・2HO 1.4mg/l FeCl・6HO 0.1mg/l
【0028】実施例6 本発明の水処理材と市販の水処理材との硝化能及び脱窒
能の比較実験(ボトル実験) 系内の好気、嫌気条件の変化の際に、硝化、脱窒過程に
対する本発明の水処理材の機能を検討する目的では、水
路実験よりも操作の容易なボトル実験を、実施例4で製
造したペレットを用いて行なった。21の褐色ビン3本
に、(1)無担体、(2)活性炭、(3)試作ペレット
を各140gネット袋に入れてボトル内に吊るした。実
施例5と同様に、微生物を馴用させた人工廃液を各21
入れ、エアーストーンを入れ曝気を続けた。担体の入っ
たボトル内の液中のNH イオンの減少が顕著になっ
た段階に達したとき、新たに一定濃度のNH イオン
を含む人工廃液を夫々のボトルに入れ、一定時刻に採水
し、NH イオン濃度を経日的に追跡した。結果は図
2に示すように、活性炭、ペレットと共に、5日目には
ボトル中のアンモニウムイオン濃度はほぼ0になった。
無担体のボトルも、主として容器内壁等に付着した硝化
菌によってと推定されるが、少し遅れて8日目にはアン
モニウムイオンはほぼなくなった。本ペレットの方が、
活性炭よりもアンモニウムイオンの減少が速いのは、石
炭灰ゼオライトの特性であるNH の物理化学的吸着
によるものと思われる。このように曝気しながら硝化過
程を続けていくと、溶液中のNH は新たに添加した
後でない限りいずれもほぼ0の状態になるが、硝化の結
果生成する溶液中の硝酸イオン(NO )濃度は蓄積
されて高くなっていくと考えられる。そこで、このNO
をさらに分解(脱窒)する過程に対する本発明のペ
レットの効果を見るため、ボトル内の条件が嫌気的にな
ってNO の分解(脱窒過程)が進むように、曝気を
中止して担体をボトルの最底部に下げ、NO 濃度を
経日的に測定した。結果は、図3に示すように、この条
件だけでは7日間経っても70ppm前後で殆ど変化は
見られなかった。そこで、7日目に有機物として、グル
コースを各ボトルに0.5gずつ添加したところ8日目
からは明らかにNO の減少が見られ始めた。有機物
を加えてから試作ペレットのボトルのNO は活性炭
よりも速く減少し、4日目には両担体を含むボトルはい
ずれもはほぼ0になった。無担体のボトルのNO
減少は、この両者よりも著しく遅れて進行した。本実施
例の結果から推察すると、本発明のペレットは、硝化、
脱窒の夫々の過程において、好気、嫌気の条件と有機物
濃度の条件が同じように整えば、ほぼ、活性炭に匹敵す
る機能を備えていると考えられる。
【0029】
【発明の効果】本発明によって以下の効果を得ることが
出来る。
【0030】1)本発明は、石炭灰造粒体を核としてそ
の表面に軽質灰を被覆して水熱反応させ製造した造粒成
形体は、NH に対する硝化能力の点で、市販の活性
炭、セラミックスの担体とほぼ同等の性能を有すること
を示すことができた。
【0031】2)本発明は、石炭灰造粒体を核としてそ
の表面に軽質灰を被覆して水熱反応させた造粒成形体
は、NO に対する脱窒能力の点で、市販の活性炭と
ほぼ同等の能力を有することを示すことができた。
【0032】3)本発明における、バインダーとして用
いる苛性ソーダを混合粉剤の形で使用する方法によっ
て、造粒、被覆、成形に吸湿性の高い苛性ソーダを粉状
の形で使用することが可能となった。
【0033】4)本発明における軽質石炭灰を材料に水
処理材を成形することによって、最も軽い水に浮上する
ものから、水中遊する性質のもの、そして最も重く水底
に堆積するものまで、様々な比重の多孔質な水処理材を
製造することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3で製造したペレット及び、比較のため
の活性炭、セラミックス担体を充填した水路に人工廃液
を通し、水路通過前の原水と各水路通過後の流出液中の
NH 濃度を示す実施例5のグラフ。
【図2】実施例4で製造したペレットと比較のための活
性炭及び、担体を含まないボトル内でのNH 濃度の
経日変化を示す実施例6のグラフ。
【図3】実施例6で曝気を止め嫌気的条件にし、さらに
有機物を添加した場合のNO 濃度の経日変化のグラ
フ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軽質石炭灰(通称浮灰)に、微細化した
    石炭灰とバインダーを加えて成形し、水熱反応を施した
    軽質石炭灰水処理材。
  2. 【請求項2】 石炭灰からなる核の周囲に、軽質石炭灰
    (浮灰)と微細化した石炭灰とバインダーとの粉末混合
    物を被覆させて得られる水処理用ペレット。
  3. 【請求項3】 石炭灰或いは微細化した石炭灰と苛性ソ
    ーダとの混合物をさらに粉砕・混合して調製した混合粉
    剤を、バインダーとして用いる水処理用ペレットの製造
    方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100434613B1 (ko) * 2002-03-12 2004-06-05 동양물산기업 주식회사 미생물 고정화용 다공성 세라믹 담체
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