JP2001029453A - 抗血栓性バルーンカテーテル - Google Patents
抗血栓性バルーンカテーテルInfo
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 体内に長期間留置しても、血栓が生じ難いバ
ルーンカテーテルを提供すること。 【解決手段】 カテーテルチューブの遠位端部のバルー
ン装着部にバルーンを装着したバルーンカテーテルにお
いて、カテーテルチューブとバルーンとの間に生じる隙
間を、反応型ポリエーテル系ポリウレタンまたは室温硬
化型シリコーンエラストマー等を用いてシールした抗血
栓性バルーンカテーテル。
ルーンカテーテルを提供すること。 【解決手段】 カテーテルチューブの遠位端部のバルー
ン装着部にバルーンを装着したバルーンカテーテルにお
いて、カテーテルチューブとバルーンとの間に生じる隙
間を、反応型ポリエーテル系ポリウレタンまたは室温硬
化型シリコーンエラストマー等を用いてシールした抗血
栓性バルーンカテーテル。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バルーンカテーテ
ルに関し、詳しくは、カテーテルチューブの遠位端部の
バルーン装着部の両端に生じるバルーンとカテーテルチ
ューブとの隙間または段差を、抗血栓性室温硬化型エラ
ストマーを用いてシールしたバルーンカテーテルに関す
る。
ルに関し、詳しくは、カテーテルチューブの遠位端部の
バルーン装着部の両端に生じるバルーンとカテーテルチ
ューブとの隙間または段差を、抗血栓性室温硬化型エラ
ストマーを用いてシールしたバルーンカテーテルに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、サーモダイリューションカテーテ
ル(TCD)等の循環器系バルーンカテーテルのカテー
テルチューブの遠位端部のバルーン装着部に装着される
バルーンは、例えば、シアノアクリレート系接着剤等を
使用して接着される。そして、バルーン装着部の両端部
分に生じるバルーンとカテーテルチューブとの隙間また
は段差の部分は、エポキシ樹脂等のポッテイング剤を使
用してシールしている。
ル(TCD)等の循環器系バルーンカテーテルのカテー
テルチューブの遠位端部のバルーン装着部に装着される
バルーンは、例えば、シアノアクリレート系接着剤等を
使用して接着される。そして、バルーン装着部の両端部
分に生じるバルーンとカテーテルチューブとの隙間また
は段差の部分は、エポキシ樹脂等のポッテイング剤を使
用してシールしている。
【0003】しかし、エポキシ樹脂等のポッテイング剤
は、生体適合性あるいは抗血栓性が良好ではなく、その
ために、このようなバルーンカテーテルを長期間、体内
に留置すると、ポッテイング剤を使用した部分に血栓が
生じやすく、また、血管内壁等の生体組織に損傷を与え
る危険性がある。
は、生体適合性あるいは抗血栓性が良好ではなく、その
ために、このようなバルーンカテーテルを長期間、体内
に留置すると、ポッテイング剤を使用した部分に血栓が
生じやすく、また、血管内壁等の生体組織に損傷を与え
る危険性がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、体内
に長期間留置しても、血栓が生じ難いバルーンカテーテ
ルを提供することにある。そこで本発明者は鋭意検討の
結果、室温硬化型シリコーンゴムを、前記バルーン装着
部の両端部分に生じるバルーンとカテーテルチューブと
の隙間または段差の部分をシールするポッテイング剤と
して使用したところ、このようなバルーンカテーテル
は、血栓が生じ難いことを見出し、この知見に基づき本
発明を完成するに至った。
に長期間留置しても、血栓が生じ難いバルーンカテーテ
ルを提供することにある。そこで本発明者は鋭意検討の
結果、室温硬化型シリコーンゴムを、前記バルーン装着
部の両端部分に生じるバルーンとカテーテルチューブと
の隙間または段差の部分をシールするポッテイング剤と
して使用したところ、このようなバルーンカテーテル
は、血栓が生じ難いことを見出し、この知見に基づき本
発明を完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、カテーテルチューブの遠位端部のバルーン装着部に
バルーンを装着したバルーンカテーテルにおいて、カテ
ーテルチューブとバルーンとの間に生じる隙間または段
差を抗血栓性室温硬化型エラストマーを用いてシールす
ることを特徴とする抗血栓性バルーンカテーテルが提供
される。
ば、カテーテルチューブの遠位端部のバルーン装着部に
バルーンを装着したバルーンカテーテルにおいて、カテ
ーテルチューブとバルーンとの間に生じる隙間または段
差を抗血栓性室温硬化型エラストマーを用いてシールす
ることを特徴とする抗血栓性バルーンカテーテルが提供
される。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のカテーテルチューブは、
サーモダイリューションカテーテル、ペーシングカテー
テル等の循環器系バルーンカテーテルであることが好ま
しい。
サーモダイリューションカテーテル、ペーシングカテー
テル等の循環器系バルーンカテーテルであることが好ま
しい。
【0007】本発明のバルーンカテーテルは、カテーテ
ルチューブおよびバルーンが抗血栓性材料で形成されて
いることが好ましい。抗血栓性材料としては特に制限は
ないが、例えば、ポリウレタン、シリコーンゴム、ポリ
アミド等は、成形が容易であるので、好適に使用するこ
とができる。
ルチューブおよびバルーンが抗血栓性材料で形成されて
いることが好ましい。抗血栓性材料としては特に制限は
ないが、例えば、ポリウレタン、シリコーンゴム、ポリ
アミド等は、成形が容易であるので、好適に使用するこ
とができる。
【0008】前記抗血栓性を有するポリウレタンとして
は、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナ
ート(MDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジ
イソシアナート(水添MDI)、ヘキサメチレンジイソ
シアナート等をポリイソシアナート成分とし、ポリエー
テル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール等をポリ
オール成分とするポリウレタン等を挙げることができ
る。
は、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナ
ート(MDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジ
イソシアナート(水添MDI)、ヘキサメチレンジイソ
シアナート等をポリイソシアナート成分とし、ポリエー
テル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール等をポリ
オール成分とするポリウレタン等を挙げることができ
る。
【0009】抗血栓性を有するシリコーンゴムとして
は、例えば、側鎖にビニル基を有するメチルシリコーン
ゴムに、架橋剤として過酸化物を配合した材料等を挙げ
ることができる。
は、例えば、側鎖にビニル基を有するメチルシリコーン
ゴムに、架橋剤として過酸化物を配合した材料等を挙げ
ることができる。
【0010】抗血栓性を有するポリアミドとしては、例
えば、ナイロン12とポリテトラメチレングリコールと
のブロック共重合体であるポリアミドエラストマー等を
挙げることができる。
えば、ナイロン12とポリテトラメチレングリコールと
のブロック共重合体であるポリアミドエラストマー等を
挙げることができる。
【0011】本発明のバルーンカテーテルにおいて、カ
テーテルチューブは、可撓性を有する材料で構成される
ことが好ましい。具体的には、例えば、ポリエチレン、
ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、エチレ
ン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、ポリ塩化ビニル(PVC)、架橋型エチレン−酢酸
ビニル共重合体、ポリウレタン、ポリアミド、ポリアミ
ドエラストマー、ポリイミド、ポリイミドエラストマ
ー、シリコーンゴム、天然ゴム等が挙げられる。これら
のなかでも、ポリウレタン、シリコーンゴム、ポリアミ
ドエラストマーが好ましい。
テーテルチューブは、可撓性を有する材料で構成される
ことが好ましい。具体的には、例えば、ポリエチレン、
ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、エチレ
ン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、ポリ塩化ビニル(PVC)、架橋型エチレン−酢酸
ビニル共重合体、ポリウレタン、ポリアミド、ポリアミ
ドエラストマー、ポリイミド、ポリイミドエラストマ
ー、シリコーンゴム、天然ゴム等が挙げられる。これら
のなかでも、ポリウレタン、シリコーンゴム、ポリアミ
ドエラストマーが好ましい。
【0012】本発明のバルーンカテーテルは、カテーテ
ルチューブの遠位端が曲面状に加工されていることが好
ましい。遠位端の近傍に装着部を設けることが好まし
い。カテーテルチューブは、通常は、バルーンを膨らま
せるための気体用のルーメンのほか、薬液注入用のルー
メン、圧力測定用のルーメン、電極用のルーメン等使用
目的に応じたルーメンを備えることが好ましい。また、
バルーンを膨らませるための気体用のルーメンは、バル
ーン装着部に開孔部を有することが好ましい。
ルチューブの遠位端が曲面状に加工されていることが好
ましい。遠位端の近傍に装着部を設けることが好まし
い。カテーテルチューブは、通常は、バルーンを膨らま
せるための気体用のルーメンのほか、薬液注入用のルー
メン、圧力測定用のルーメン、電極用のルーメン等使用
目的に応じたルーメンを備えることが好ましい。また、
バルーンを膨らませるための気体用のルーメンは、バル
ーン装着部に開孔部を有することが好ましい。
【0013】本発明のバルーンカテーテルは、バルーン
を、カテーテルチューブの遠位端から挿入し、バルーン
装着部にはめ合わせ、バルーンの両端を接着部におい
て、接着剤等により接着することが好ましい。使用する
接着剤には特に制限はないが、接着時間が短く作業性の
よいシアノアクリレート系接着剤を使用することが好ま
しい。
を、カテーテルチューブの遠位端から挿入し、バルーン
装着部にはめ合わせ、バルーンの両端を接着部におい
て、接着剤等により接着することが好ましい。使用する
接着剤には特に制限はないが、接着時間が短く作業性の
よいシアノアクリレート系接着剤を使用することが好ま
しい。
【0014】本発明のバルーンカテーテルは、抗血栓性
室温硬化型エラストマーを用いて、バルーン装着部とカ
テーテルチューブとの間に生じる隙間や段差をシールす
ることを特徴とする。抗血栓性室温硬化型エラストマー
は、室温において適当な化学反応によりエラストマーに
硬化するコンパウンドであり、得られるエラストマーが
抗血栓性を有するものである。硬化反応の種類として
は、具体的には、室温で空気中の水分と反応して硬化す
るもの、光重合開始剤の存在下で紫外線を照射して硬化
するもの、硬化剤により硬化するもの等が挙げられ、こ
れらの中でも、プレポリマー型ポリウレタン、室温硬化
型シリコーン等が好ましい。
室温硬化型エラストマーを用いて、バルーン装着部とカ
テーテルチューブとの間に生じる隙間や段差をシールす
ることを特徴とする。抗血栓性室温硬化型エラストマー
は、室温において適当な化学反応によりエラストマーに
硬化するコンパウンドであり、得られるエラストマーが
抗血栓性を有するものである。硬化反応の種類として
は、具体的には、室温で空気中の水分と反応して硬化す
るもの、光重合開始剤の存在下で紫外線を照射して硬化
するもの、硬化剤により硬化するもの等が挙げられ、こ
れらの中でも、プレポリマー型ポリウレタン、室温硬化
型シリコーン等が好ましい。
【0015】プレポリマー型ポリウレタンは、末端にイ
ソシアネート基を有するポリウレタンプレポリマー及び
末端にアクリル基を有する多官能光反応型ポリウレタン
が挙げられる。末端にイソシアネート基を有するポリウ
レタンプレポリマーは、ポリテトラメチレングリコール
等のポリエーテル(数平均分子量500〜2000)及
び4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート(MD
I)等の多官能イソシアネートを、窒素雰囲気下、触媒
を添加せずに、ポリエーテル分子中の水酸基と多官能イ
ソシアネート分子中のイソシアネート基とが、モル比
1.1〜5程度の割合で混合した混合物である。これら
は、一般に熱可塑性ポリウレタンを合成するためのプレ
ポリマーとして知られているものであり、室温で空気中
の水分と反応して硬化する。
ソシアネート基を有するポリウレタンプレポリマー及び
末端にアクリル基を有する多官能光反応型ポリウレタン
が挙げられる。末端にイソシアネート基を有するポリウ
レタンプレポリマーは、ポリテトラメチレングリコール
等のポリエーテル(数平均分子量500〜2000)及
び4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート(MD
I)等の多官能イソシアネートを、窒素雰囲気下、触媒
を添加せずに、ポリエーテル分子中の水酸基と多官能イ
ソシアネート分子中のイソシアネート基とが、モル比
1.1〜5程度の割合で混合した混合物である。これら
は、一般に熱可塑性ポリウレタンを合成するためのプレ
ポリマーとして知られているものであり、室温で空気中
の水分と反応して硬化する。
【0016】末端にアクリル基を有する多官能光反応型
ポリウレタンは、両末端にイソシアネート基を有するポ
リウレタンオリゴマーに4,2−ヒドキシエチルアクリ
レートのようなアクリレートとを反応させて調製したも
のである。これらは、光重合開始剤を添加し、紫外線を
照射して室温にて硬化することができる。
ポリウレタンは、両末端にイソシアネート基を有するポ
リウレタンオリゴマーに4,2−ヒドキシエチルアクリ
レートのようなアクリレートとを反応させて調製したも
のである。これらは、光重合開始剤を添加し、紫外線を
照射して室温にて硬化することができる。
【0017】室温硬化型シリコーンは、一般にRTVシ
リコーンゴムとして知られ、室温で硬化する液状シリコ
ーンゴムコンパウンドである。1液型と2液型があり、
1液型は、主成分の水酸化ケイ素が、主として縮合反応
により室温にて硬化するものである。2液型は、末端反
応性ジオルガノポリシロキサンと多官能シラン等とをス
ズ化合物等の触媒の存在下で室温にて硬化させるもので
ある。
リコーンゴムとして知られ、室温で硬化する液状シリコ
ーンゴムコンパウンドである。1液型と2液型があり、
1液型は、主成分の水酸化ケイ素が、主として縮合反応
により室温にて硬化するものである。2液型は、末端反
応性ジオルガノポリシロキサンと多官能シラン等とをス
ズ化合物等の触媒の存在下で室温にて硬化させるもので
ある。
【0018】なお、本発明のバルーンカテーテルは、バ
ルーンの膨張前の外径d2とカテーテルチューブの外径
d1の比d2/d1が、0.8〜1.2であることが好
ましい。この場合、膨張前のバルーンの外径がカテーテ
ルチューブの外径とほぼ等しいので、シースイントロデ
ューサーを通じてバルーンカテーテルを血管内に挿入す
るとき、取り扱いやすく作業性が良好である。また、バ
ルーン内の圧力を常圧に戻したとき、バルーンが膨張前
の形状に戻り、表面に皺やたるみを生じないので、皺の
部分に血栓が生成するおそれがなく、バルーンの外径が
カテーテルチューブの外径とほぼ等しくなるので、血管
から抜き出す際も取り扱いやすく、作業性が良好であ
る。
ルーンの膨張前の外径d2とカテーテルチューブの外径
d1の比d2/d1が、0.8〜1.2であることが好
ましい。この場合、膨張前のバルーンの外径がカテーテ
ルチューブの外径とほぼ等しいので、シースイントロデ
ューサーを通じてバルーンカテーテルを血管内に挿入す
るとき、取り扱いやすく作業性が良好である。また、バ
ルーン内の圧力を常圧に戻したとき、バルーンが膨張前
の形状に戻り、表面に皺やたるみを生じないので、皺の
部分に血栓が生成するおそれがなく、バルーンの外径が
カテーテルチューブの外径とほぼ等しくなるので、血管
から抜き出す際も取り扱いやすく、作業性が良好であ
る。
【0019】また、本発明のバルーンカテーテルにおい
て、バルーン5が膨張したときの外径d3とカテーテル
チューブの外径d1の比d3/d1は5〜9であること
が好ましい。この場合、バルーンが大きく膨張するの
で、細いバルーンカテーテルを用いることができ、バル
ーンを膨張させることによりバルーンカテーテルが血管
内を円滑に流れるとともに、血管を閉塞する処置も容易
に行うことができる。
て、バルーン5が膨張したときの外径d3とカテーテル
チューブの外径d1の比d3/d1は5〜9であること
が好ましい。この場合、バルーンが大きく膨張するの
で、細いバルーンカテーテルを用いることができ、バル
ーンを膨張させることによりバルーンカテーテルが血管
内を円滑に流れるとともに、血管を閉塞する処置も容易
に行うことができる。
【0020】
【作用】本発明のバルーンカテーテルによれば、バルー
ン装着部とカテーテルチューブとの間に生じる隙間をシ
ールした室温硬化型エラストマーが抗血栓性を有してい
ることから、長期間体内に留置する場合でも、カテーテ
ルチューブまたはバルーンに血栓が生じ難い。
ン装着部とカテーテルチューブとの間に生じる隙間をシ
ールした室温硬化型エラストマーが抗血栓性を有してい
ることから、長期間体内に留置する場合でも、カテーテ
ルチューブまたはバルーンに血栓が生じ難い。
【0021】本発明のバルーンカテーテルは、カテーテ
ル表面に血栓が生じることによる段差が出来にくいこと
から、生体組織や血管内壁等を傷つける危険性が低下す
る。
ル表面に血栓が生じることによる段差が出来にくいこと
から、生体組織や血管内壁等を傷つける危険性が低下す
る。
【0022】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を説明する。図
1(a)は、カテーテルチューブの遠位端部分の側面図
である。図1(b)は、バルーンを装着した状態を示す
側面図である。
1(a)は、カテーテルチューブの遠位端部分の側面図
である。図1(b)は、バルーンを装着した状態を示す
側面図である。
【0023】図1(a)に示すように、カテーテルチュ
ーブの遠位端1は、曲面状に加工することが好ましい。
遠位端の近傍に、カテーテルチューブ2の本体より外径
を小さくしたバルーン装着部3を設ける。カテーテルチ
ューブは、通常は、バルーンを膨らませるための気体用
のルーメンのほか、薬液注入用のルーメン、圧力測定用
のルーメン、電極用のルーメン等使用目的に応じたルー
メンが備えられる。バルーンを膨らませるための気体用
のルーメンは、バルーン装着部に開孔部4を有する。
ーブの遠位端1は、曲面状に加工することが好ましい。
遠位端の近傍に、カテーテルチューブ2の本体より外径
を小さくしたバルーン装着部3を設ける。カテーテルチ
ューブは、通常は、バルーンを膨らませるための気体用
のルーメンのほか、薬液注入用のルーメン、圧力測定用
のルーメン、電極用のルーメン等使用目的に応じたルー
メンが備えられる。バルーンを膨らませるための気体用
のルーメンは、バルーン装着部に開孔部4を有する。
【0024】本実施例では、4,4’−ジフェニルメタ
ンジイソシアナート(MDI)100ミリモルに対し
て、ポリテトラメチレングリコール(PTMG、数平均
分子量1,000)85ミリモル、1.4−ブタンジオ
ール10ミリモル及びトリメチロールプロパン3ミリモ
ルを含有する混合物を加熱することにより、外径2.3
mm、内径1.9mm、長さ9.0mmのポリウレタン
樹脂製のバルーンを調製した。
ンジイソシアナート(MDI)100ミリモルに対し
て、ポリテトラメチレングリコール(PTMG、数平均
分子量1,000)85ミリモル、1.4−ブタンジオ
ール10ミリモル及びトリメチロールプロパン3ミリモ
ルを含有する混合物を加熱することにより、外径2.3
mm、内径1.9mm、長さ9.0mmのポリウレタン
樹脂製のバルーンを調製した。
【0025】図1(b)は、バルーンを装着した状態を
示す側面図である。バルーン5は、カテーテルチューブ
の遠位端から挿入し、バルーン装着部3にはめ合わせ、
バルーンの両端を接着部6において、接着剤等により接
着する。
示す側面図である。バルーン5は、カテーテルチューブ
の遠位端から挿入し、バルーン装着部3にはめ合わせ、
バルーンの両端を接着部6において、接着剤等により接
着する。
【0026】本実施例では、直径2.33mmのポリウ
レタン製カテーテルチューブの遠位端より1.4mm離
れたところから10.4mm離れたところまで、9.0
mmにわたって外径を1.93mmになるよう加工して
バルーン装着部を形成した。上記のポリウレタン製のバ
ルーンを、カテーテルチューブのバルーン装着部にはめ
合わせ、その両端それぞれ1.0mmの部分をシアノア
クリレート系接着剤を用いてカテーテルチューブに接着
した。
レタン製カテーテルチューブの遠位端より1.4mm離
れたところから10.4mm離れたところまで、9.0
mmにわたって外径を1.93mmになるよう加工して
バルーン装着部を形成した。上記のポリウレタン製のバ
ルーンを、カテーテルチューブのバルーン装着部にはめ
合わせ、その両端それぞれ1.0mmの部分をシアノア
クリレート系接着剤を用いてカテーテルチューブに接着
した。
【0027】図1(b)に示すように、バルーン装着部
6の両端には、バルーン5とカテーテルチューブ2との
間に、わずかな隙間7が生じる。本実施例では、隙間7
の幅は、最大0.2mmである。
6の両端には、バルーン5とカテーテルチューブ2との
間に、わずかな隙間7が生じる。本実施例では、隙間7
の幅は、最大0.2mmである。
【0028】前記隙間7は、抗血栓性室温硬化型エラス
トマーを注入することによりシールされ、図2(b)に
示すように、シール8が形成される。本実施例では、抗
血栓性室温硬化型エラストマーとして、反応型ポリエー
テル系ポリウレタン(A)、アクリレート系ポリウレタ
ン(B)及び室温硬化型シリコーン(C)を用いた。
トマーを注入することによりシールされ、図2(b)に
示すように、シール8が形成される。本実施例では、抗
血栓性室温硬化型エラストマーとして、反応型ポリエー
テル系ポリウレタン(A)、アクリレート系ポリウレタ
ン(B)及び室温硬化型シリコーン(C)を用いた。
【0029】反応型ポリエーテル系ポリウレタン(A)
の場合は、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナー
ト(MDI)10部、ポリテトラメチレングリコール
(PTMG、数平均分子量1,000)20部を、乾燥
雰囲気中において混合し、これを、注射針(サイズ:2
5G)を用いて、前記隙間7の部分に注入し、室温にて
硬化させた。
の場合は、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナー
ト(MDI)10部、ポリテトラメチレングリコール
(PTMG、数平均分子量1,000)20部を、乾燥
雰囲気中において混合し、これを、注射針(サイズ:2
5G)を用いて、前記隙間7の部分に注入し、室温にて
硬化させた。
【0030】アクリレート系ポリウレタン(B)の場合
は、ポリエーテル系ポリウレタンアクリレート(共栄油
脂社製)100部に対して、ベンゾイン系光重合開始剤
IRG651(チバガイギー社製)2部を混合し、これ
を、注射針(サイズ:25G)を用いて、前記隙間7の
部分に注入した後、紫外線ランプを60秒間照射して硬
化させた。
は、ポリエーテル系ポリウレタンアクリレート(共栄油
脂社製)100部に対して、ベンゾイン系光重合開始剤
IRG651(チバガイギー社製)2部を混合し、これ
を、注射針(サイズ:25G)を用いて、前記隙間7の
部分に注入した後、紫外線ランプを60秒間照射して硬
化させた。
【0031】室温硬化型シリコーン(C)の場合は、2
液硬化型反応性シリコーン(信越化学社製)を、注射針
(サイズ:25G)を用いて、前記隙間7の部分に注入
し、50℃にて12時間硬化させた。
液硬化型反応性シリコーン(信越化学社製)を、注射針
(サイズ:25G)を用いて、前記隙間7の部分に注入
し、50℃にて12時間硬化させた。
【0032】本実施例においては、上記の処理を行った
バルーンカテーテルの抗血栓性試験は、以下のように行
った。バルーンカテーテルを、雌のヤギの鎖骨下静脈に
シースイントロデューサを用いて挿入し、空気1.7m
lを注入してバルーンを膨らませ、肺動脈分岐部まで流
し、空気を抜いてバルーンを収縮させて留置した。7日
間留置後にバルーンカテーテルを引き出し、下記の基準
に従い、バルーンとカテーテルチューブの状態を観察し
た。
バルーンカテーテルの抗血栓性試験は、以下のように行
った。バルーンカテーテルを、雌のヤギの鎖骨下静脈に
シースイントロデューサを用いて挿入し、空気1.7m
lを注入してバルーンを膨らませ、肺動脈分岐部まで流
し、空気を抜いてバルーンを収縮させて留置した。7日
間留置後にバルーンカテーテルを引き出し、下記の基準
に従い、バルーンとカテーテルチューブの状態を観察し
た。
【0033】−:血栓が観察されない。 +:走査型電子顕微鏡による観察で、変形した血球が観
察できる。 ++:目視で、表面積の10%以下程度の範囲に、血栓
が観察できる。 +++:目視で、表面積の10%以上程度の範囲に、血
栓が観察できる。
察できる。 ++:目視で、表面積の10%以下程度の範囲に、血栓
が観察できる。 +++:目視で、表面積の10%以上程度の範囲に、血
栓が観察できる。
【0034】また、比較のため、従来からポッテイング
剤として用いられているエポキシ樹脂を使用したバルー
ンカテーテル及びポッテイング剤を使用しない場合につ
いても、同様に抗血栓性試験を行った。
剤として用いられているエポキシ樹脂を使用したバルー
ンカテーテル及びポッテイング剤を使用しない場合につ
いても、同様に抗血栓性試験を行った。
【0035】
【表1】
【0036】抗血栓性試験の結果を示した表1によれ
ば、抗血栓性室温硬化型エラストマーを、バルーン装着
部3とカテーテルチューブ2との間に生じた隙間7に注
入したカテーテルチューブ(本発明:実施例1、2及び
3)は、7日間留置後もカテーテルチューブの表面には
血栓が観察されないことから、良好な抗血栓性が保たれ
ることが分かる。
ば、抗血栓性室温硬化型エラストマーを、バルーン装着
部3とカテーテルチューブ2との間に生じた隙間7に注
入したカテーテルチューブ(本発明:実施例1、2及び
3)は、7日間留置後もカテーテルチューブの表面には
血栓が観察されないことから、良好な抗血栓性が保たれ
ることが分かる。
【0037】これに対して、ポッテイング剤としてエポ
キシ樹脂を用いた場合(比較例1)及びポッテイング剤
を用いなかった場合(比較例2)は、7日間留置後に
は、カテーテルチューブの表面には明確に血栓が観察さ
れることが分かる。
キシ樹脂を用いた場合(比較例1)及びポッテイング剤
を用いなかった場合(比較例2)は、7日間留置後に
は、カテーテルチューブの表面には明確に血栓が観察さ
れることが分かる。
【0038】
【発明の効果】かくして本発明によれば、体内に長期間
留置しても、血栓が生じ難いバルーンカテーテルを提供
される。本発明のバルーンカテーテルは、その表面等に
血栓が生じ難いことから、生体組織を損傷する危険性が
低下する。
留置しても、血栓が生じ難いバルーンカテーテルを提供
される。本発明のバルーンカテーテルは、その表面等に
血栓が生じ難いことから、生体組織を損傷する危険性が
低下する。
【図1】 図1(a)は、カテーテルチューブの遠位端
部分の側面図である。図1(b)は、バルーンを装着し
た状態を示す側面図である。
部分の側面図である。図1(b)は、バルーンを装着し
た状態を示す側面図である。
【図2】 図2(a)は、図1(a)と同様に、カテー
テルチューブの遠位端部分の側面図である。図2(b)
は、バルーン5をバルーン装着部3に装着した状態の長
手方向側視断面図である。図2(c)は、バルーンが膨
張した状態を示す側面図である。
テルチューブの遠位端部分の側面図である。図2(b)
は、バルーン5をバルーン装着部3に装着した状態の長
手方向側視断面図である。図2(c)は、バルーンが膨
張した状態を示す側面図である。
【符号の説明】 1 カテーテルチューブの遠位端 2 カテーテルチューブ 3 バルーン装着部 4 開孔部 5 バルーン 6 バルーン接着部 7 隙間 8 シール部分
Claims (1)
- 【請求項1】 カテーテルチューブの遠位端部のバルー
ン装着部にバルーンを装着したバルーンカテーテルにお
いて、カテーテルチューブとバルーンとの間に生じる隙
間または段差を抗血栓性室温硬化型エラストマーを用い
てシールすることを特徴とする抗血栓性バルーンカテー
テル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11204915A JP2001029453A (ja) | 1999-07-19 | 1999-07-19 | 抗血栓性バルーンカテーテル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11204915A JP2001029453A (ja) | 1999-07-19 | 1999-07-19 | 抗血栓性バルーンカテーテル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001029453A true JP2001029453A (ja) | 2001-02-06 |
Family
ID=16498495
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11204915A Pending JP2001029453A (ja) | 1999-07-19 | 1999-07-19 | 抗血栓性バルーンカテーテル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001029453A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008000553A (ja) * | 2006-06-26 | 2008-01-10 | Asahi Intecc Co Ltd | バルーンカテーテルの製造方法及びバルーンカテーテル |
-
1999
- 1999-07-19 JP JP11204915A patent/JP2001029453A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008000553A (ja) * | 2006-06-26 | 2008-01-10 | Asahi Intecc Co Ltd | バルーンカテーテルの製造方法及びバルーンカテーテル |
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