JP2001028491A - 高温においても性能を維持する電磁波吸収体 - Google Patents

高温においても性能を維持する電磁波吸収体

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JP2001028491A
JP2001028491A JP11200880A JP20088099A JP2001028491A JP 2001028491 A JP2001028491 A JP 2001028491A JP 11200880 A JP11200880 A JP 11200880A JP 20088099 A JP20088099 A JP 20088099A JP 2001028491 A JP2001028491 A JP 2001028491A
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Japan
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electromagnetic wave
soft magnetic
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polymer
powder
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JP11200880A
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English (en)
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Shinichiro Yahagi
慎一郎 矢萩
Hiroshi Endo
博司 遠藤
Kazuhisa Tsutsui
和久 筒井
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Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軟磁性物質の粉末をポリマー中に分散させ
てなる電磁波吸収体において、電磁波の吸収性能が温度
120〜130℃まで、常温時の少なくとも70%を維
持している、高温においても性能を維持する電磁波吸収
体を提供すること。 【解決手段】 軟磁性物質としてキュリー点が450
℃以上のもの、代表的にはFe−7Cr−9Al合金の
粉末を使用し、ポリマーとして耐熱温度が150℃以上
であるもの、具体的にはシリコンゴムを使用し、粉末を
混合物の40容積%程度を占めるように配合し、シート
に成形したもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁波吸収体の改
良に関し、100℃を超える高い使用温度においても性
能を維持する電磁波吸収体を提供する。
【0002】
【従来の技術】電子機器類に対して外部から来る電磁波
の影響を抑え、また外部への電磁波の漏洩を防ぐ目的
で、種々の電磁波吸収体が開発され、使用されている。
その代表的な製品は、フェライトや軟磁性金属などの磁
性物質の粉末を、塩素化ポリエチレンゴムのようなポリ
マー中に、容積にして40%程度配合し、分散させてな
る構造を有するものであって、通常はシート状に成形さ
れている。この種の電磁波吸収体は、使用する軟磁性物
質の種類、粒子の形態や寸法、配合率およびシートの厚
さなどの因子によって周波数特性が異なり、ある領域に
吸収のピークを有する。そこで、電磁波吸収シートは、
特性が吸収すべき電磁波の周波数帯域に合致するよう設
計され、製造される。
【0003】こうした電磁波吸収体を実際に使用してみ
ると、ときに期待通りの性能を発揮しない場合があるこ
とが経験された。その原因を追求してみると、電磁波吸
収体の使用される温度が予期しなかった高い温度に達
し、常温では高かった吸収性能が低下したためであるこ
とが判明した。たとえばパソコンのような電子機器類に
おいて、処理データ量の増大に伴うCPUの負荷増大時
にCPUの発熱量が増加する、といったことが見られる
ほか、自動車の制御系統に多用されているマイコン等
は、使用されているところの温度そのものが上昇するこ
とが避けがたい、という宿命にある。高温での電磁波吸
収性能の低下は、マイコンの正常な動作を危うくするか
ら、安全上深刻な問題である。
【0004】自動車のマイコンに関して使用する電磁波
吸収体が使用される温度は、容易に100℃を超える。
ときに150〜180℃にまで達するが、それは極限状
態であって、通常は120〜130℃までであるから、
吸収特性がこの温度域まで常温時と大差なく維持されて
いれば、当面は問題がなくなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
した問題を解決し、電磁波の吸収性能が温度120〜1
30℃まで、常温時の少なくとも70%を維持すること
ができるような電磁波吸収体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の高温においても
性能を維持する電磁波吸収体は、軟磁性物質の粉末をポ
リマー中に分散させてなる電磁波吸収体において、軟磁
性物質としてキュリー点が450℃以上のものを使用
し、ポリマーとして耐熱温度が150℃以上であるもの
を使用したことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施形態】この発明は、軟磁性物質の粉末をマ
トリクス材料中に分散させてなる電磁波吸収シートの吸
収性能を決定する最大の磁気的特性は、シートの透磁率
であるという事実から出発し、キュリー点が相対的に低
い軟磁性物質の粉末を配合したシートは、温度の上昇に
ともなう透磁率の低下が顕著であり、キュリー点が相対
的に高い軟磁性物質の粉末を配合したものは、高い温度
まで常温時に近い透磁率を示し、したがって電磁波吸収
性能が高い温度まで維持できるという、発明者らの得た
知見に基づいてなったものである。
【0008】軟磁性物質として好適なものは、Fe−C
r−Al系合金およびCr系ステンレス鋼たとえばSU
SL410Lである。これを混合し分散させるマトリク
スとなるポリマーとしては、シリコンゴム、アクリルゴ
ムまたはフッ素ゴムから選んだものが適切である。これ
らのポリマーの耐熱温度は、一般に、シリコンゴムは1
80℃、アクリルゴムは150℃、そしてフッ素ゴムは
250℃である。これ以外の、いわゆる耐熱性プラスチ
ックも使用可能であるが、シートへの成形および製品の
使用の容易さの点で、一般にエラストマーをマトリクス
材料とする方が有利である。
【0009】本発明の電磁波吸収体において、実際上も
っとも好適な構成は、Fe−7Cr−9Al合金の粉末
を、シリコンゴム中に、混合物の20〜60容積%を占
めるように練り込んだ混合物を、シート状に成形してな
る電磁波吸収体である。比較的低い周波数帯、たとえば
数百MHzの領域に吸収のピークを実現しようとする場
合、軟磁性合金の粉末は球状でなく扁平なものが好まし
く、扁平なものはどちらかといえばポリマーに混練しに
くい傾向にあるが、40容積%程度までは問題ない。
【0010】軟磁性物質の粉末をマトリクス材料に混合
すること、および混合物をシートに成形することは、こ
の分野ですでに確立された技術に従えばよい。
【0011】
【実施例】下の表に掲げた7種の軟磁性物質の粉末を用
意し、それらのキュリー点を測定して、それぞれ表に示
す値を得た。この測定は、VSM(振動式磁束計)に試
料を入れ、昇温しながら磁力を測定し、ゼロになった温
度をもってキュリー点とした。印加磁界は10kOe、
昇温速度は8℃/min.である。
【0012】つぎに、これらの粉末を、シリコンゴムに
対して、混合物中の40容積%を占めるように配合し、
ロールで混練し、加熱プレス成形して厚さ1.0mmの
シートを製造した。成形条件は、温度165℃、時間1
5min.である。
【0013】得られた電磁波吸収シートについて、25
0MHzおよび500MHzにおける透磁率を、常温お
よび140℃において測定した。その結果に基づいて、
140℃において常温時の透磁率がどの程度維持されて
いるかを算出した。結果を、表にまとめて示す。
【0014】 軟磁性材料 軟磁性材料の 透磁率μ’の保持割合(140℃) キュリー点 500MHz 250MHz SUS410L 735℃ 81% 70% Fe−7Cr−9Al 654℃ 80% 69% センダスト 548℃ 82% 71% PBパーマロイ 468℃ 80% 72% PCパーマロイ 442℃ 75% 62% NiZnフェライト 395℃ 47% 20% 表のデータをプロットすると、図1に示すグラフが得ら
れ、高温時の電磁波吸収性能の維持とキュリー点との関
係に顕著な臨界性があることが、このグラフから明瞭に
読み取れる。
【0015】
【発明の効果】本発明の電磁波吸収体は、電子機器類の
中で電磁波吸収体が使用される条件で通常到達する可能
性のある、120〜130℃という温度域に至るまで、
常温時の電磁波吸収性能の少なくとも70%を維持す
る。この電磁波吸収体を使用すれば、機器類の自己発熱
により、あるいは環境温度の上昇により、使用温度が高
まっても、電磁波の漏洩・干渉が増大して誤作動を引き
起こしたりすることが防止できる。このことは、一方で
電子機器の冷却負荷を低くし、消費電力の低減や騒音の
低下をもたらし、機器のいっそうの小型化を可能にし、
他方で機器の動作の正確さを側面から支える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施データであって、電磁波吸収シ
ートの常温時の透磁率が140℃において維持される割
合と、シート内に分散している軟磁性物質のキュリー点
との関係を示したグラフ。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 BD121 BG041 CP031 DC006 FD206 GQ00 5E321 BB32 BB44 BB53 GG05 GG07 GG11 5J020 BD02 EA02 EA04 EA10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟磁性物質の粉末をポリマー中に分散さ
    せてなる電磁波吸収体において、軟磁性物質としてキュ
    リー点が450℃以上のものを使用し、ポリマーとして
    耐熱温度が150℃以上であるものを使用したことを特
    徴とする高温においても性能を維持する電磁波吸収体。
  2. 【請求項2】 軟磁性物質が、Fe−Cr−Al系合金
    およびCr系ステンレス鋼から選んだものであり、ポリ
    マーがシリコンゴム、アクリルゴムおよびフッ素ゴムか
    ら選んだものである請求項1の電磁波吸収体。
  3. 【請求項3】 Fe−7Cr−9Al合金の粉末を、シ
    リコンゴム中に、混合物の20〜60容積%を占めるよ
    うに練り込んだ混合物をシート状に成形してなる請求項
    2の電磁波吸収体。
JP11200880A 1999-07-14 1999-07-14 高温においても性能を維持する電磁波吸収体 Withdrawn JP2001028491A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005018298A2 (en) * 2003-08-18 2005-02-24 Showa Denko K.K. Electromagnetic wave absorber
JP2011082278A (ja) * 2009-10-06 2011-04-21 Nec Tokin Corp 複合磁性体

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005018298A2 (en) * 2003-08-18 2005-02-24 Showa Denko K.K. Electromagnetic wave absorber
WO2005018298A3 (en) * 2003-08-18 2005-05-19 Showa Denko Kk Electromagnetic wave absorber
JP2011082278A (ja) * 2009-10-06 2011-04-21 Nec Tokin Corp 複合磁性体

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