JP2001027589A - アレルゲン測定用被検液作成方法およびアレルゲン測定用被検液作成装置 - Google Patents
アレルゲン測定用被検液作成方法およびアレルゲン測定用被検液作成装置Info
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- JP2001027589A JP2001027589A JP11201222A JP20122299A JP2001027589A JP 2001027589 A JP2001027589 A JP 2001027589A JP 11201222 A JP11201222 A JP 11201222A JP 20122299 A JP20122299 A JP 20122299A JP 2001027589 A JP2001027589 A JP 2001027589A
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Abstract
て、一連のアレルゲン測定用被検液の作成を衛生的で、
簡易に、精度高くしかも安価に行うためのアレルゲン測
定用被検液作成方法及びアレルゲン測定用被検液作成装
置を提供する。 【解決手段】 アレルゲン濃度を測定しようとする空気
をサンプリング用フィルタ6に透過させ、空気中に浮遊
する塵埃を捕捉する捕集工程と、サンプリング用フィル
タ6をアレルゲンの抽出液に接触させて、捕捉された塵
埃を抽出液70に懸濁させ、塵埃に含まれるアレルゲン
を溶解する抽出工程と、アレルゲン抽出後の抽出液をサ
ンプリング用フィルタ6に透過させて塵埃を分離し、ア
レルゲンが溶解した被検液を作成する分離工程とを有す
る。
Description
等の中の塵埃に含有されるアレルゲンの濃度分析を行う
ために必要な被検液を調製するアレルゲン測定用被検液
作成方法及びアレルゲン測定用被検液作成装置に関す
る。
ルギー性気管支喘息、アトピー性皮膚炎等のいわゆるア
レルギー症状が、先進諸国を中心に増加傾向にあり、ダ
ニ、花粉、動物の毛、カビ等のようなアレルギーの抗原
となる発症原因物質がアレルゲンとして特定されてきて
いる。これらのアレルギー症状は比較的軽度の場合もあ
るが、アレルギー性気管支喘息のように死に至るほど重
篤な場合もある。このため、感作、発症を抑制するため
の一つの手段として、各個人に特有な発症原因物質とな
る環境中のアレルゲン濃度を低レベルに維持することが
必要になってくる。しかし、現状ではアレルゲン濃度の
測定は比較的難しい高度な技術とされ、専門の測定技術
者を必要とし、半日から1日かかる長い測定時間を必要
とし、かつ高価な測定装置が必要である。ところで、環
境中のアレルゲン濃度とアレルギー疾患の感作、発症は
一般的に相関することが知られている。このようにアレ
ルゲン濃度は、掃除、洗濯等をどの程度で行ったり、ど
のくらいの頻度で行えばよいのかの指標となり、アレル
ギー症の患者やアレルギー疾患の感作の危険のある者に
とって社会生活上有用なものである。また、アレルギー
症の患者の血液中のIgE抗体の濃度が即時型アレルギ
ー反応のI型アレルギーの感作の程度の指標になること
も一般に知られており、血液中のIgE抗体濃度の測定
が感作の程度ひいてはアレルギー疾患の程度を知るため
の指標としてきわめて有用である。
過ごす家庭や職場等の環境中に例えば塵埃に付着して存
在したり、又は単独で存在したりするものであり、これ
らアレルゲンが各個人の家庭、職場等で簡単に分析可能
であれば、アレルギーへの対応が取り易くなり有用であ
る。この家庭でのアレルゲンの分析を実現するには、こ
の測定方法の確立と共に、測定用被検液を作成する方法
とその方法実現のための手段とを確立する必要が有る。
従来の方法とその方法実現のための手段を説明する。例
えば、免疫学的方法等によってアレルゲンの分析を行う
に際してダニアレルゲンの測定用被検液を作成する場合
には、下記(1)〜(3)の操作が行われている。
除機で吸引し、吸引された空気中の塵埃を捕集する。
浸漬させ、緩衝液の撹拌操作を行いながらアレルゲンを
抽出する。
除去する分離操作を行って被検液を作成する。
は、掃除機の吸引側に設置したスポンジ体に塵埃を捕集
することが記載され、さらに特開平8−178807に
は、掃除機の吸引側に設けたスポンジ体で塵埃を捕集
し、前記スポンジ体を抽出液を入れた収納容器内に収納
し、外側から手で揉むことによりダニアレルゲンの測定
用被検液を作成する方法が記載されている。
来のダニレルゲンの測定用被検液の作成方法には、次の
4つの問題点を有していた。
行させる際に塵埃がむき出しとなり埃が舞い上がるた
め、作業者がその埃に付着または単独で存在するアレル
ゲンを吸込んだり、埃に手が触れてしまい、不快かつ不
衛生である。
行させる際、また抽出液を手で揉むことにより抽出する
ため手間が掛かる。
るため一定のアレルゲンの抽出ができず測定誤差の原因
となる。
検液に残存するため、この微細懸濁物質が原因となっ
て、測定されるアレルゲン濃度に誤差を生じさせる。
件、分離条件を一定にすることができ、一連のアレルゲ
ン測定用被検液の作成を衛生的で、簡易に、精度高くし
かも安価に行えることが要求されている。
を一定にして、一連のアレルゲン測定用被検液の作成を
衛生的で、簡易に、精度高くしかも安価に行うためのア
レルゲン測定用被検液作成方法およびアレルゲン測定用
被検液作成装置を提供することを目的とする。
に本発明のアレルゲン測定用被検液作成方法は、アレル
ゲン濃度を測定しようとするサンプルガスをサンプリン
グ用フィルタに透過させ、空気中に浮遊する塵埃を捕捉
する捕集工程と、サンプリング用フィルタをアレルゲン
の抽出液に接触させて捕捉された塵埃を懸濁させ、塵埃
に含まれるアレルゲンを溶解する抽出工程と、アレルゲ
ン抽出後の抽出液をサンプリング用フィルタに透過させ
て塵埃を分離し、アレルゲンが溶解した被検液を作成す
る分離工程とを有している。これにより、サンプリング
される空気の捕集条件、アレルゲンの抽出条件、アレル
ゲン抽出後の塵埃の分離条件を一定にして、一連のアレ
ルゲン測定用被検液の作成を衛生的にしかも精度よく簡
単に行うことができる。
ゲン測定用被検液作成装置は、サンプリングされる空気
を吸気側から排気側に透過させて空気中に浮遊する塵埃
を捕捉するサンプリング用フィルタを備えた塵埃溜め部
と、サンプリング用フィルタの排気側の下方に配置さ
れ、塵埃に含まれるアレルゲンを抽出する抽出液及びア
レルゲン抽出後の被検液が溜められる抽出液部と、サン
プリング用フィルタの吸気側及び排気側の空気圧をファ
ンを用いて制御し、サンプリングされる空気、抽出液及
び被検液をサンプリング用フィルタを介して吸気側から
排気側又は排気側から吸気側に移動させる切替え手段を
備えた送風機構とを有している。これにより、捕集条
件、抽出条件、分離条件を容易に一定化することがで
き、一連のアレルゲン測定用被検液の作成を衛生的かつ
簡易に高精度で行うことができる。
ゲン測定用被検液作成方法は、アレルゲン濃度を測定し
ようとする空気をサンプリング用フィルタに透過させ、
空気中に浮遊する塵埃を捕捉する捕集工程と、サンプリ
ング用フィルタをアレルゲンの抽出液に接触させて捕捉
された塵埃を懸濁させ、塵埃に含まれるアレルゲンを溶
解する抽出工程と、アレルゲン抽出後の抽出液をサンプ
リング用フィルタに透過させて塵埃を分離し、アレルゲ
ンが溶解した被検液を作成する分離工程とを備えた構成
を有する。これによって、アレルゲンを含む空気の捕集
条件、アレルゲンの抽出、分離条件を一定に設定でき、
一連のアレルゲン測定用被検液の作成を衛生的に、しか
も高い精度で簡易に行えるという作用を有する。さら
に、サンプリング用フィルタを空気中からの塵埃の補集
と、抽出液からの塵埃の分離との2つの目的で使用でき
るので、アレルゲン測定用被検液の作成工程を簡略化で
きるという作用を有する。
作成方法は、抽出工程には、塵埃を懸濁させた抽出液に
撹拌用空気を吹き込んで抽出液を旋回撹拌させる工程が
含まれる構成としている。これによって、抽出液を所定
位置に保持させたままで短時間で効率的に撹拌混合を行
うことができ、アレルゲンの変性を抑制して、アレルゲ
ン濃度の適正な値を求めることができるという作用をゆ
うする。
作成方法は、請求項1又は2に記載のアレルゲン測定用
被検液作成方法において、サンプリング用フィルタは、
網状織布状および不織布状のいずれか1種類の形状また
は両方が複合した形状である構成としている。これによ
って、サンプリング用フィルタの開口率を高くできるた
め通気抵抗を少なくして捕集に必要な動力を小さく設定
でき、アレルゲン測定用被検液を安価に作成できるとい
う作用を有する。
作成方法は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のア
レルゲン測定用被検液作成方法において、サンプリング
用フィルタは、セルロース、ポリプロピレン、ナイロ
ン、フッ素樹脂、ポリエチレン、ポリスチレン、アクリ
ル樹脂、ステンレス、チタン、鉄、銅のいずれか1種類
の材質または複数種類が複合した材質である構成として
いる。これによって、汎用性の高い材料の中から選択し
てサンプリング用フィルタとすることができ、アレルゲ
ン測定用被検液を高い精度で安価に作成できるという作
用を有する。
作成方法は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のア
レルゲン測定用被検液作成方法において、サンプリング
用フィルタの捕捉可能な塵埃の粒径が1μm以上、10
0μm以下である構成としている。これによって、必要
以上に吸気抵抗を大きくすることなく大部分のアレルゲ
ンを捕捉可能であり、吸気するための動力を最小限とし
て、安価にアレルゲン測定用被検液を作成できるという
作用を有する。ここで捕捉可能な塵埃の粒径が1μmよ
り少ないと、吸気抵抗が大きくなってサンプリング時間
が長くなる。逆に100μmを越えると、大部分の塵埃
を捕捉することが困難になる。
作成装置は、サンプリングされる空気を吸気側から排気
側に透過させて空気中に浮遊する塵埃を捕捉するサンプ
リング用フィルタを備えた塵埃溜め部と、サンプリング
用フィルタの排気側の下方に配置され、塵埃に含まれる
アレルゲンを抽出する抽出液及びアレルゲン抽出後の被
検液が溜められる抽出液部とサンプリング用フィルタの
吸気側及び排気側の空気圧をファンを用いて制御し、サ
ンプリングされる空気、抽出液及び被検液をサンプリン
グ用フィルタを介して吸気側から排気側又は排気側から
吸気側に移動させる送風機構とを有する構成としてい
る。これによって、サンプリング用フィルタの排気側か
らの吸引で塵埃溜め部内に塵埃を溜め、この排気側を抽
出液に浸漬し、塵埃と抽出液をファンで移送して接触さ
せるので、一定の捕捉精度を有するサンプリング用フィ
ルタにより、捕集条件、分離条件を安定化でき、またア
レルゲンに手を接触させることなくサンプリング用フィ
ルタによりアレルゲン測定用被検液を作成することがで
き、一連のアレルゲン測定用被検液の作成を衛生的、簡
易に、かつ高精度で行えるという作用を有する。
作成装置は、請求項6において、送風機構には、サンプ
リング用フィルタの排気側が抽出液部の抽出液中に浸漬
されたときに、塵埃溜め部に入れられた抽出液に撹拌用
空気を供給して抽出液を撹拌する旋回流路が設けられる
構成としている。これによって、塵埃溜め部に抽出液を
保持させた状態のままで抽出液を短時間で効果的に撹拌
することができ、アレルゲンの空気との接触が最小限に
押さえられアレルゲンの変性がおこりにくく、一連のア
レルゲン測定用被検液の作成を衛生的、簡易に、高精度
で行えるという作用を有する。
作成装置は、請求項6又は7において、アレルゲン測定
用被検液作成装置には、抽出液を溜めておく貯液槽が設
けられ、貯液槽に溜められた抽出液を重力またはファン
による負圧力を用いて抽出液部に導入する構成としてい
る。これによって、塵埃の捕集後、抽出液を自動的に供
給することができるので、塵埃に使用者が触れることな
く衛生的、簡易にアレルゲン測定用被検液の作成を行う
ことができるという作用を有する。
作成装置は、請求項6乃至8のいずれか1項において、
塵埃溜め部でアレルゲンと接触させた抽出液を、重力ま
たはファンの負圧力を利用してサンプリング用フィルタ
に透過させ、アレルゲン抽出後の塵埃とアレルゲンを抽
出した被検液とに分離する構成としている。これによっ
て、塵埃の捕集後、抽出液を自動的に供給することがで
きるので、塵埃に使用者が触れることなく衛生的、簡易
に抽出液の作成を行うことができるという作用を有す
る。
液作成装置は、請求項6乃至9のいずれか1項におい
て、ファンを制御する制御部を備え、制御部は塵埃の捕
集、抽出および分離の動作を自動的に行う構成としてい
る。これによって、捕集条件、抽出条件、分離条件を自
動制御により一定にすることができるので、一連のアレ
ルゲン測定用被検液の作成を精度高く、安価に行うこと
ができるという作用を有する。
液作成装置は、請求項6乃至10のいずれか1項におい
て、アレルゲン測定用被検液作成装置には、抽出液の温
度を一定に保持する温度保持装置が設けられている構成
としている。これによって、抽出条件の中でも特に大き
な誤差要因となる抽出液の温度を一定とすることが可能
であり、アレルゲン測定用被検液の作成を精度高く行う
ことができ、また、抽出液の温度を周囲温度よりも高く
設定することで拡散速度の向上ひいては抽出時間の短縮
が可能になるという作用を有する。
て図1〜図11を参照しながら説明する。
態1によるアレルゲン測定用被検液作成装置を示す構成
図であり、図2は図1のアレルゲン測定用被検液作成装
置を適用するアレルゲン測定用被検液作成方法における
捕集工程を示す捕集工程説明図、図3(a)〜(c)は
同アレルゲン測定用被検液作成方法における抽出工程を
示す抽出工程説明図、図4は同アレルゲン測定用被検液
作成方法における分離工程を示す分離工程説明図であ
る。
まれた空気を吸入するためのサンプリグ用ノズル、2は
サンプリング用ノズル1から吸い込まれた塵埃を含む空
気を後述の吸気路4Aを介して後述のサンプリング用フ
ィルタ6に移送するための外部吸気路、3は塵埃のうち
で測定誤差の要因となる比較的大きな粒径のものを除去
するためのスクリーニング用フィルタである。
Aの一端は外部吸気路2とテーパ接続等により着脱自在
に接続され、他端は後述の抽出液溜め7内の後述の塵埃
溜め5とテーパ接続等により着脱自在に接続され、前記
2点の接続部の間で内部吸気路4Dと接続されている。
内部吸気路4Bの一端は抽出液溜め7に接続され、他端
は後述の捕集抽出切替用弁8(本発明の切替え手段)に
接続されている。
8に接続され、他端は後述のフィルタバッグ固定用ジョ
イント9を介して後述のフィルタバッグ10と着脱自在
に接続されている。内部吸気路4Dの一端は内部吸気路
4Aと接続され、他端は捕集抽出切替用弁8に接続され
ている。
略円筒状の塵埃溜め(本発明の塵埃溜め部)、6は塵埃
を捕集、抽出、分離するためのサンプリング用フィル
タ、7は塵埃からアレルゲンを抽出して作成した被検液
を貯留する抽出液溜め(本発明の抽出液部)、8は内部
吸気路の流路を制御する捕集抽出切替用弁、9はフィル
タバッグ10を固定するためのフィルタバッグ固定用ジ
ョイント、10はサンプリング用フィルタ6で捕集しき
れなかった微細な塵埃を除去するフィルタバッグ、11
は吸引力を発生するための吸引ファン(本発明のファ
ン)、12はフィルタバッグ10で捕集しきれなかった
微細な塵埃を除去する最終フィルタ、13は排気を排出
する排気口、14は抽出液を貯えておくための抽出液貯
液槽、15は抽出液・吸気(空気)を移送・導入するた
めの抽出液吸気導入管、16は抽出液貯液槽14内の抽
出液の抽出液溜め7への移送を制御するための抽出用
弁、17は作成した被検液を取り出すための被検液採取
用内部配管、18は被検液採取用ポート、19は被検液
採取用シリンジ、20は分離のためのフィルタを内蔵し
た分離用フィルタ、21は筐体、22は本体の移動用の
ハンドル、23はフィルタバッグ10の交換のためのフ
ィルタバッグ交換用扉、24は抽出液溜めのメンテナン
スのための抽出液溜めメンテナンス用扉、25は本体の
移動用キャスター、28は抽出工程において撹拌用の空
気を導入するための抽出液貯液槽上部開口、抽出用吸気
路、31はコンセント、32は電線、33はAC/DC
コンバータ、34は一連の吸引装置の動作、自動化、温
度の制御をするための制御部、35は演算部、36はス
イッチである。
気を塵埃溜め5に導入し、抽出液に旋回流をおこさせる
ために設けられた撹拌用開口、61は撹拌用開口60へ
空気を供給するための撹拌用内部配管である。
アレルゲン測定用被検液作成装置は、サンプリングされ
る空気を吸気側から排気側に透過させて空気中に浮遊す
る塵埃を捕捉するサンプリング用フィルタ6を備えた塵
埃溜め5と、サンプリング用フィルタ6の排気側の下方
に配置され、塵埃に含まれるアレルゲンを抽出する抽出
液及びアレルゲン抽出後の被検液が溜められる抽出液溜
め7と、サンプリング用フィルタ6の吸気側及び排気側
の空気圧を吸引ファン11を用いて制御し、サンプリン
グされる空気、抽出液及び被検液をサンプリング用フィ
ルタ6を介して吸気側から排気側又は排気側から吸気側
に移動させる送風機構とを有して構成されている。な
お、送風機構は、サンプリング用フィルタ6の吸気側及
び排気側の空気圧を制御するための機構であり、内部吸
気路4A〜4D、内部吸気路の空気の流れ制御するため
の捕集抽出切替用弁8、内部吸気路内を減圧するための
吸引ファン11を構成要素として備えている。
その上端の開放部が内部吸気路4Aの下端に密着して接
続され、下側にはサンプリング用フィルタ6が抽出液と
接触できる高さに取り付けられている。そして塵埃溜め
5の下端の開放部は抽出液溜め7の底部に位置付けら
れ、塵埃溜め5の下端の開放部を介して抽出液溜め7内
の抽出液や空気をサンプリング用フィルタ6の部分に導
入したり、塵埃溜め5内の空気やアレルゲン抽出後の被
検液を抽出液溜め7に排出したりすることができる。ま
た、前記塵埃溜め5と抽出液溜め7との上下方向の相対
位置は必要に応じて変更することができるようになって
いる。これによって、塵埃溜め5内でアレルゲンの溶解
抽出を終了したときに、塵埃溜め5の下端開放部を抽出
液溜め7の底部より引き上げて、塵埃を含む抽出液をサ
ンプルリング用フィルタ6に透過させ、得られる被検液
を抽出溜め7の底部に滴下させることができる。
被検液作成装置について、その機能、動作等を図2〜図
6を用いて説明する。図5は図1のアレルゲン測定用被
検液作成装置の塵埃溜めと抽出液溜めを示す断面図、図
6はダニアレルゲンrDerf IIの検量線を示すグ
ラフ図である。図5において、塵埃溜め5、サンプリン
グ用フィルタ6、抽出液溜め7とは図1と同様のものな
ので、同一符号を付し、説明は省略する。51は抽出液
溜め7と塵埃溜め5が設置された状態において抽出液溜
め7と塵埃溜め5の間に空気、液体が流通する為の間隙
を形成するための開口形成用脚、52は塵埃溜め5の一
端にサンプリング用フィルタ6を通気性、通液性を維持
しながら固定する支持体、70は抽出液である。
プリングが容易なように例えば蛇腹式等の軟質の合成樹
脂を使用することが好ましい。
がし易いように、脱着自在に構成されている。そして、
スクリーニング用フィルタ3が捕捉する最低粒径は0.
1mm以上、3mm以下とすることにより、捕集する塵
埃中の測定誤差となる比較的大きな塵埃を除去し、後の
抽出等の操作を容易かつ安定にすることができる。より
好ましくは0.2mm以上、1mm以下の範囲である。
形状は網状、織布状、不織布状等のいずれか1種類のも
のまたは複数種類が複合したものが使用でき、材質はセ
ルロース、ポリプロピレン、ナイロン、フッ素樹脂、ポ
リエチレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、ステンレ
ス、チタン、鉄、銅等のいずれか1種類のものまたは複
数種類が複合したものが使用できる。この複合の形態と
しては、スクリーニング用フィルタ3を2層以上で構成
し、各層毎に捕捉できる塵埃の最低粒径、材質、形状を
変えること等が考えられる。
プリング用フィルタ6、抽出液溜め7、捕集抽出切替用
弁8、撹拌用開口60、撹拌用内部配管61は抽出液7
0の上部に空気を導入し、抽出液70に旋回流をおこさ
せることにより撹拌してアレルゲンを抽出液中に抽出す
る主要構成を成すものであり、内部吸気路4A〜4D、
塵埃溜め5、サンプリング用フィルタ6、抽出液溜め7
はアレルゲン抽出後の塵埃と被検液を分離する主要構成
を成すものである。サンプリング用フィルタ6の捕捉す
る最低粒径は1μm以上、100μm以下とすることに
より、捕集する塵埃中のアレルゲンの大部分を捕捉する
ことができ、抽出操作後の分離操作にも適用することが
できる。より好ましくは10μm以上、60μm以下の
範囲である。サンプリング用フィルタ6の形状は網状、
織布状、不織布状等のいずれか1種類のものまたは複数
種類が複合したものが使用でき、材質はセルロース、ポ
リプロピレン、ナイロン、フッ素樹脂、ポリエチレン、
ポリスチレン、アクリル樹脂、ステンレス、チタン、
鉄、銅等のいずれか1種類のものまたは複数種類が複合
したものが使用できる。この複合の形態としては、サン
プリング用フィルタ6を2層以上で構成し、各層で捕捉
する塵埃の最低粒径、材質、形状を変えること等が考え
られる。
め5側より負圧にすると外部吸気配管2から空気がサン
プリング用フィルタ6に吸引され、空気中に浮遊する塵
埃を分離することができる。逆に、抽出液を抽出液溜め
7に注いだ後、塵埃溜め5側を負圧にすると、撹拌用開
口60から撹拌用の空気が塵埃溜め5内の抽出液の上部
に吹きつけられ、抽出液70に旋回流をおこさせて撹拌
することができる。ここで前記空気の流れを制御する捕
集抽出切替用弁8は手動弁であっても自動弁であっても
使用することができる。
粒径は0.1μm以上、1μm以下とすることにより、
サンプリング用フィルタ6を通過した微細な塵埃を、ひ
いてはアレルゲンの大部分を捕捉することができる。よ
り好ましくは0.2μm以上、0.5μm以下の範囲で
ある。形状は網状、不織布状等のいずれか一種類または
複数が複合したものが使用でき、材質はセルロース、ポ
リプロピレン、ナイロン、フッ素樹脂、ポリエチレン、
ポリスチレン、アクリル樹脂、ステンレス、チタン、
鉄、銅等のいずれか1種類のものまたは複数種類が複合
したものが使用できる。複合の形態としては、2層以上
で構成し各層の捕捉する塵埃の最低粒径、材質、形状を
変えること等が考えられる。また、フィルタバッグ10
の形態は通気抵抗を低下させるためにプリーツ状、蛇腹
状等の形態を適用し表面積を大きくする構造をとり通気
抵抗を極力小さくすることが好ましい。
させるためにプリーツ状、蛇腹状等の形態を適用し表面
積を大きくする構造をとることが好ましい。そして、最
終フィルタ12が捕捉する最低粒径は0.1μm以上、
1μm以下とすることにより、フィルタバッグ10を通
過した微細な塵埃ひいてはアレルゲンの大部分を捕捉す
ることができる。より好ましくは0.2μm以上、0.
5μm以下の範囲である。形状は網状、織物、不織布状
等のいずれか1種類のものまたは複数種類が複合したも
のが使用でき、材質はセルロース、ポリプロピレン、ナ
イロン、フッ素樹脂、ポリエチレン、ポリスチレン、ア
クリル樹脂、ステンレス、チタン、鉄、銅等のいずれか
1種類のものまたは複数種類が複合したものが使用でき
る。この複合の形態としては、最終フィルタ12を2層
以上で構成し各層の捕捉する最低粒径、材質、形状を変
えること等が考えられる。また、複合の形態は通気抵抗
を低下させるためにプリーツ状、蛇腹状等の形態を適用
し表面積を大きくする構造をとり通気抵抗を極力小さく
することが好ましい。最終フィルタ12はフィルタバッ
グ10が排出すべきでないアレルゲンを十分に捕捉可能
な場合は省略することが可能である。
14、抽出液吸気導入管15、抽出用弁16は抽出液を
送り込む主要構成を成している。そして、抽出用弁16
は自動化のために自動弁が採用されている。しかし、手
動で切り替えを行う手動弁であってもよい。また、前述
の通り、被検液採取用内部配管17、被検液採取用ポー
ト18、被検液採取用シリンジ19、分離用フィルタ2
0は抽出液を採取する主要構成である。そして、吸引フ
ァン11と内部吸気路4A〜4Dと捕集抽出切替用弁8
とは、捕集抽出切替用弁8を切り替えることにより、塵
埃溜め5側と抽出液溜め7側を選択的に負圧にすること
のできる吸引装置となっている。塵埃溜め5のサンプリ
ング用フィルタ6が塵埃を捕集する場合の排気側となる
抽出液溜め7側を塵埃溜め5の排気側と定義することに
する。また、これとは逆の方向を吸気側と称することに
する。そして、抽出液溜め7に溜まった被検液を被検液
採取用ポート18、分離用フィルタ20を介して被検液
採取用内部配管17に接続した被検液採取用シリンジ1
9のピストンを引っ張ることで被検液採取用シリンジ1
9の内部に負圧を発生させ、抽出液溜め7に溜まった被
検液を被検液採取用シリンジ19内に移送する。この際
分離用フィルタ20で被検液中の残存する懸濁物質と被
検液を分離することができる。
された塵埃溜め5と抽出液溜め7とについて図5に基づ
いて説明する。まず、図5の抽出液の状態は塵埃溜め5
の上部が負圧となり、当初抽出液溜め7と塵埃溜め5に
満たされていた抽出液70の大部分が塵埃溜め5に移行
した状態を示している。
程について説明する。図1のアレルゲン測定用被検液作
成装置においては、捕集工程と抽出工程と分離工
程と採取工程との4段階の工程によりアレルゲン測定
用被検液を作成する。
フィルタ6上に捕集する工程である。図2に示すよう
に、あらかじめ抽出用弁16を閉じた状態で所定量の抽
出液70を抽出液貯液槽14に注入し、捕集抽出切替用
弁8は内部吸気路4Bと内部吸気路4Cが導通するよう
に設定する。スイッチ36により吸引ファン11を起動
して負圧を発生させ、一定時間、一定面積の条件でサン
プリング用ノズル1を測定対象物に接触させ、測定対象
物に付着している塵埃の大部分を外部吸気路2、スクリ
ーニング用フィルタ3、内部吸気路4A、塵埃溜め5を
介してサンプリング用フィルタ6上に捕集し、大部分の
塵埃が取り除かれた空気はさらに抽出液溜め7、内部吸
気路4B、捕集抽出切替用弁8、内部吸気路4C、フィ
ルタバッグ10、吸引ファン11、最終フィルタ12、
排気口13を通過して系外に排出される。この際、微細
なアレルゲンはフィルタバッグ10または最終フィルタ
12で捕捉され、系外にアレルゲンを撒き散らさない。
に、主に蛋白質であるアレルゲンの変性を抑制する為に
pHの緩衝作用を有する緩衝液であり、好ましくはりん
酸緩衝液、ホウ酸緩衝液等である。より好ましくは緩衝
液に主に蛋白質であるアレルゲンの変性を抑制する為に
浸透圧を一定に保持する作用を有する塩である塩化ナト
リウム、塩化カリウム、界面活性作用により主に蛋白質
であるアレルゲンの抽出作用を有する界面活性剤等を混
合して使用するのが適当である。界面活性剤はポリオキ
シエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、ポリオ
キシエチレン(80)ソルビタンモノラウレート等を含
有させたものが適当である。界面活性剤の濃度は好まし
くは0.001W/V%以上、1W/V%以下にするこ
とにより、アレルゲン等を効率的に抽出することができ
る。より好ましくは0.01W/V%以上、0.2W/
V%以下の範囲である。緩衝液のpHは好ましくはpH
5以上、pH9以下にすることにより安定な抽出ができ
る。より好ましくはpH6以上、pH8以下の範囲であ
る。また、抽出液70の液量は1mL(ミリリットル)
以上、200mL以下とすることにより測定に必要な液
量とアレルゲン濃度を確保することができる。より好ま
しくは5mL以上、20mLの範囲である。ここで捕集
する時間は好ましくは10秒間以上、10分間以下で一
定とすることにより、一定条件下で塵埃ひいてはアレル
ゲンの測定に必要な量を捕集することができる。より好
ましくは30秒間以上、5分間以下の範囲である。ま
た、捕集する面積は好ましくは0.1m2以上、10m2
以下で一定とすることにより、一定条件下で塵埃ひいて
はアレルゲンの測定に必要な量を捕集することができ
る。より好ましくは0.5m2以上、2m2以下の範囲で
ある。
抽出液70に抽出する工程である。抽出工程は、第1の
抽出工程と第2の抽出工程とから構成される。
1の抽出工程は抽出液70を抽出液溜め7に流入させる
工程である。スイッチ36により吸引ファン11を停止
した状態で、図3(a)に示すように、抽出用弁16を
開放して、抽出液70を抽出液溜め7に流入させる。す
ると、図3(b)に示すように、抽出液溜め7と塵埃溜
め5に抽出液が満たされ、サンプリング用フィルタ6上
の塵埃は抽出液70により浸漬された状態となる。捕集
抽出切替用弁8は内部配管4Dと4Cを導通させた状態
に切替える。
2の抽出工程は抽出液70の上部の撹拌用開口60と撹
拌用内部配管61によて空気を導入し、抽出液70に旋
回流をおこさせることにより撹拌し、サンプリング用フ
ィルタ6に捕捉された塵埃からアレルゲンを抽出する工
程である。スイッチ36により吸引ファン11を起動
し、一定時間運転する。図3(c)に示すように、この
際、一部の吸気は、抽出液貯液槽上部開口28から入
り、抽出液吸気導入管15、抽出用弁16を介して一部
は抽出液溜め7ひいてはサンプリング用フィルタ6に到
達し、一部は撹拌用内部配管61、撹拌用開口60を介
して塵埃溜め5の上部に到達する。抽出液70の大部分
はサンプリング用フィルタ6より上部すなわち塵埃溜め
5内に移行した状態で、撹拌用開口60から流入する空
気を導入し、抽出液70に旋回流をおこさせることによ
り撹拌される。その排気は内部吸気路4A、内部吸気路
4D、捕集抽出切替用弁8、内部吸気路4Cを介してフ
ィルタバッグ10、吸引ファン11、最終フィルタ1
2、排気口13を通過して系外に排出される。また、残
りの吸気はサンプリング用ノズル1より流入し、外部吸
気路2、内部吸気路4D、捕集抽出切替用弁8、内部吸
気路4Cを介してフィルタバッグ10、吸引ファン1
1、最終フィルタ12、排気口13を通過して系外に排
出される。この際、微細なアレルゲンは最終フィルタ1
2で捕捉され、系外にアレルゲンを撒き散らさない。こ
の際、フィルタバッグ10に空気は通過するが微細なア
レルゲンは通過しない仕様のフィルタを採用すると最終
フィルタ12を省略することも可能である。
入による撹拌は抽出液が塵埃溜め5から吸気側に移行し
ない程度の強さで行う必要がある。もし抽出液70上部
への空気の導入による撹拌が強すぎると抽出液の系外へ
の流出が生じることになる。そこで、抽出液70上部へ
の空気の導入による撹拌の強さを調整できるように抽出
液貯液槽14上部に設けた抽出液充填用の開口部の開口
面積を調整できるように構成したり、撹拌専用の吸引フ
ァンを設置したり、塵埃溜め5の内側上部に邪魔板を設
置したりすることで、より安定した空気の混入による撹
拌を行うことができる。また、抽出液70上部への空気
の導入による撹拌以外にも様々な撹拌方式を適用するこ
とができる。例えば、吸引力を利用する方法であれば、
吸引力により羽根車を回転させこの回転運動を同軸また
はギヤ等を使用して、抽出液70内に設置した撹拌用プ
ロペラに伝達する方法等が適用できる。その他にも、独
立したモータを設置しその回転運動を同軸またはギヤ等
を使用して、抽出液70内に設置した撹拌用プロペラに
伝達する方法等を適用することができる。
入による撹拌される際に、物理的な撹拌作用を受け、抽
出液70と塵埃の接触機会が増えることでサンプリング
用フィルタ6上に捕捉した塵埃からアレルゲンが抽出液
70に溶解され易くなる。ここで抽出する時間は好まし
くは10秒間以上、30分以下で一定とすることによ
り、一定条件下で塵埃ひいては測定に必要な量のアレル
ゲンを抽出することができる。より好ましくは30秒間
以上、5分間以下の範囲である。
化するために、抽出液の温度調整機構(温度保持装置
(図示せず)および制御部34)を設けることも可能で
ある。より詳細には、熱源にペルチェ素子、電熱線ヒー
タ等を使用し、温度検出に熱電対、サーミスタ、白金測
温体等を使用し、検出した温度により熱源を起動・停止
して設定温度を保持する制御部34よりなる温度調整機
構である。また、設定温度は好ましくは5℃以上、45
℃以下で一定とすることにより、抽出時間をより早めた
り、抽出条件を一定化することができる。より好ましく
は30℃以上、40℃以下の範囲である。
向上させるために、アレルゲン自体を測定するアレルゲ
ン測定器を本実施の形態によるアレルゲン測定用被検液
作成装置に組み込むことも可能である。
プリング用フィルタ6により塵埃とアレルゲンを抽出し
た被検液とに分離する工程である。スイッチ36により
吸引ファン11を停止する。図4に示すように、抽出液
70は負圧が解除され開放となる為、塵埃溜め5内に保
持された状態から抽出液溜め7に重力で流下する。この
際、サンプリング用フィルタ6により、塵埃とアレルゲ
ンを抽出した被検液とに分離されてアレルゲン測定用被
検液となり、抽出液溜め7に溜まる。
に採取する工程である。抽出液溜め7を外してアレルゲ
ン測定用被検液を取り出し、測定に供する。または、例
えば図1の被検液採取用内部配管17、被検液採取用ポ
ート18、被検液採取用シリンジ19からなる被検液を
採取する機構によりアレルゲン測定用被検液を取り出
し、測定に供する。アレルゲン測定用被検液に分離精度
がさらに必要な場合には、例えば分離用フィルタ20を
被検液採取用ポート18と被検液採取用シリンジ19と
の間に設置して分離することもできる。
被検液はサンドイッチELISA法等の手法を使ってア
レルゲンの濃度を測定することができる。例えば図6は
ダニアレルゲンrDer f IIの検量線を示すグラ
フ図であるが、このように作成した検量線により、アレ
ルゲンの濃度を測定することができる。図6の縦軸のA
bs(−、490nm)は490nmの吸光度を示す。
の被検液作成のための一連の操作を自動化するために制
御部34が設けられている。制御部34はマイクロコン
ピュータ等からソフトウェア的に構成されるもので、当
初ファン11を駆動して抽出液溜め7側を吸引して、サ
ンプリング用フィルタ6に塵埃を捕集し、次いでファン
11を停止すると共に、抽出用弁16を開放して抽出液
貯液槽14内の抽出液を抽出液溜め7に移行させ、次い
で捕集抽出切替用弁8を切り替えてファン11を駆動し
て塵埃溜め5側を吸引し、この負圧により抽出液に空気
の混入をおこなって抽出液の撹拌を行い、サンプリング
用フィルタ6上の塵埃からアレルゲンを抽出液に溶解さ
せる。次いで制御部34は、ファン11を停止し、上記
抽出液から、アレルゲンが溶解した塵埃をサンプリング
用フィルタ6により分離する。この様に制御部34はア
レルゲンの被検液作成のための一連の操作を自動的に行
うことができる。なお、制御部34はソフトウェア的に
動作するとしたが、ハードウェア的な回路の組合わせで
も制御部34の動作を実現することができる。
条件、分離条件は一定の捕捉精度を有するサンプリング
用フィルタにより安定化され、抽出条件は各撹拌手段に
より一定の撹拌強度を与えることができ、一連のアレル
ゲン測定用被検液の作成を衛生的、簡易に、精度高くし
かも安価に行うことができる。
態2によるアレルゲン測定用被検液作成装置を示す構成
図であり、図8(a)、(b)、(c)は図7のアレル
ゲン測定用被検液作成装置での被検液作成における抽出
工程を示す抽出工程説明図、図8(d)は図7のアレル
ゲン測定用被検液作成装置での被検液作成における分離
工程を示す分離工程説明図である。
ル1、外部吸気路2、スクリーニング用フィルタ3、サ
ンプリング用フィルタ6、フィルタバッグ固定用ジョイ
ント9、フィルタバッグ10、吸引ファン11、最終フ
ィルタ12、排気口13、抽出用弁16、筐体21、ハ
ンドル22、フィルタバッグ交換用扉23、コンセント
31、電線32、AC/DCコンバータ33、制御部3
4、演算部35、スイッチ36、抽出液70は図1、図
2と同様のものなので、同一符号を付し、説明は省略す
る。4は内部吸気路、5A及び5Bはそれぞれ外部に開
放された開放部が形成され、サンプリング用フィルタ6
A、6Bが底面をなすように取り付けられた塵埃溜め
(本発明の塵埃溜め部)、7Aは内部吸気路4の上方に
形成された抽出液溜め(本発明の抽出液部)、26は抽
出時に抽出用弁16と抽出用継手27の間に空気の流路
を形成するための抽出用吸気路、27は抽出時に抽出用
吸気路26と塵埃溜め5Aの間に空気の流路を形成する
ための抽出用継手である。
あって、塵埃の補集工程時には、5Aに示す位置に取り
つけて塵埃を捕捉し、抽出工程以降では5Bに示す位置
に取り付けて塵埃に含まれるアレルゲンの抽出を行うよ
うになっているが、同時に別の塵埃溜めをそれぞれの位
置に配置して用いることもできる。
埃溜め5Aに空気を導入し、抽出液70に旋回流をおこ
させるように上部に設けられた撹拌用開口である。な
お、内部吸気路4の吸気側の端部には装着部が設けられ
(図示しない)、サンプリングされた空気を取り込むた
めの塵埃溜め5Aが装着できるようになっている。
被検液作成装置の機能、動作等について、図7、図8を
用いて説明する。
11により発生させた負圧を内部吸気路4と抽出用吸気
路26と抽出用継手27とを介して塵埃溜め5Bへ伝達
するものである。このように吸引ファン11、内部吸気
路4、抽出用弁16、抽出用吸気路26、抽出用継手2
7、塵埃溜め5B、サンプリング用フィルタ6B、抽出
液溜め7A、撹拌用開口60は抽出を行うための主要構
成を成している。
路2、塵埃溜め5A、サンプリング用フィルタ6A、内
部吸気路4は、アレルゲンを含む空気から塵埃を捕集す
るための主要構成を成すものである。そして、抽出用弁
16は手動で切り替えを行う手動弁が採用されている。
しかし、自動化のために自動弁を使用してもよい。
程について説明する。図7のアレルゲン測定用被検液作
成装置は、捕集工程と抽出工程と分離工程と採
取工程との4段階の工程によりアレルゲン測定用被検液
を作成する。
Aのサンプリング用フィルタ6上に捕集する工程であ
る。図7に示すように、あらかじめ塵埃溜め5Aを外部
吸気路2と内部吸気路4との間に装着し、抽出用弁16
を閉じた状態でスイッチ36により吸引ファン11を起
動して排気側に負圧を発生させ、一定時間、測定しよう
とする面をサンプリング用ノズル1で一定面積となるよ
うに掃く条件で操作して、サンプリング用ノズル1を測
定対象物に接触させ、測定対象物に付着している塵埃の
大部分を外部吸気路2、スクリーニング用フィルタ3、
塵埃溜め5Aを介してサンプリング用フィルタ6A上に
捕集する。大部分の塵埃が取り除かれた空気はさらに内
部吸気路4、フィルタバッグ10、吸引ファン11、最
終フィルタ12、排気口13を通過して系外に排出され
る。この際、微細なアレルゲンはフィルタバッグ10ま
たは最終フィルタ12で捕捉され、系外にアレルゲンを
撒き散らさない。ここで捕集する時間は好ましくは10
秒間以上、10分間以下で一定とすることにより、一定
条件下で塵埃ひいてはアレルゲンを測定に必要な量だけ
捕集することができる。この補集時間は、より好ましく
は30秒間以上、5分間以下の範囲である。また、捕集
する面積は好ましくは0.1m2以上、10m2以下で一
定とすることにより、一定条件下で塵埃ひいてはアレル
ゲンを測定に必要な量、捕集することができる。より好
ましくは0.5m2以上、2m2以下の範囲である。
ンを抽出液70に抽出する工程であり、第1の抽出工程
と第2の抽出工程とから構成される。
7Aに注ぐ工程である。
を停止した状態で、図8(a)に示すように、塵埃の捕
集された塵埃溜め5Aを外部吸気路2と内部吸気路4と
の間から取り外して、抽出液溜め7A内に配置して、こ
れを塵埃溜め5Bとする。そして、抽出液70を塵埃溜
め5B内に注ぎ入れる。これによりサンプリング用フィ
ルタ6上の塵埃は抽出液70により浸漬され、以降の操
作で空気中に移行し難くなる。さらに、図8(b)に示
すように、抽出用継手27を塵埃溜め5Bに連結して、
抽出用弁を開ける。
2の抽出工程は抽出液70の上部の撹拌用開口60から
空気を導入し、抽出液70に旋回流をおこさせることに
より撹拌し、サンプリング用フィルタ6に捕捉された塵
埃からアレルゲンを抽出する工程である。スイッチ36
により吸引ファン11を起動し、一定時間排気側とは逆
方向に運転する。図8(c)に示すように、この際、撹
拌用空気が撹拌用開口60から導入される。これによっ
て、抽出液70の大部分をサンプリング用フィルタ6B
より上部のレベルに移行させた状態で、撹拌用開口60
から流入する空気によって抽出液70に旋回流をおこさ
せる。
バッグ10、吸引ファン11、最終フィルタ12、排気
口13を通過して系外に排出される。また、一部の吸気
はサンプリング用ノズル1より流入し、外部吸気路2、
スクリーニング用フィルタ3、内部吸気路4を介してフ
ィルタバッグ10、吸引ファン11、最終フィルタ1
2、排気口13を通過して系外に排出される。この際、
微細なアレルゲンは最終フィルタ12で捕捉され、系外
にアレルゲンを撒き散らさない。この際、フィルタバッ
グ10に空気は通過するが微細なアレルゲンは通過しな
い仕様のフィルタを採用すると最終フィルタ12を省略
することも可能である。
入による撹拌は抽出液が塵埃溜め5Bから吸気側に移行
しない程度の強さで行う必要がある。もし抽出液70上
部への空気の導入による撹拌が強すぎると抽出液の系外
への流出が生じることになる。そこで、抽出液70上部
への空気の導入による撹拌の強さを調整できるように、
撹拌専用の吸引ファンを設置したり、塵埃溜め5の内側
上部に邪魔板を設置したりすることで、より安定した空
気の混入による撹拌を行うことができる。また、抽出液
70上部への空気の導入による撹拌以外にも様々な撹拌
方式を適用することができる。例えば、吸引力を利用す
る方法であれば、吸引力により羽根車を回転させこの回
転運動を同軸回転する棒材またはギヤ等を使用して、抽
出液70内に設置した撹拌用プロペラに伝達する方法等
が適用できる。その他にも、独立したモータを設置しそ
の回転軸またはギヤ等を使用して、抽出液70内に設置
した撹拌用プロペラに伝達する方法等を適用することが
できる。
入による撹拌される際に、物理的な撹拌作用を受け、抽
出液70と塵埃の接触機会が増えることでサンプリング
用フィルタ6B上に捕捉した塵埃からアレルゲンが抽出
液70に溶解され易くなる。ここで抽出する時間は好ま
しくは10秒間以上、30分以下で一定とすることによ
り、一定条件下で塵埃ひいては測定に必要な量のアレル
ゲンを抽出することができる。より好ましくは30秒間
以上、5分間以下の範囲である。
化するために、抽出液の温度調整機構(温度保持装置
(図示せず)および制御部34)を設けることも可能で
ある。より詳細には、熱源にペルチェ素子、電熱線ヒー
タ等を使用し、温度検出に熱電対、サーミスタ、白金測
温体等を使用し、検出した温度により熱源を起動、停止
して設定温度を保持する温度制御のための制御部34を
備えた送風機構である。また、設定温度は好ましくは5
℃以上、45℃以下で一定とすることにより、抽出時間
をより早めたり、抽出条件を一定化することができる。
より好ましくは30℃以上、40℃以下の範囲である。
向上させるために、アレルゲン自体を測定するアレルゲ
ン測定器を本実施の形態によるアレルゲン測定用被検液
作成装置に組み込むことも可能である。
プリング用フィルタ6Bを用いて塵埃と前記アレルゲン
を抽出した被検液とに分離する工程である。スイッチ3
6により吸引ファン11を停止し、抽出用継手27を塵
埃溜め5Bから外す。図8(d)に示すように抽出液7
0は負圧が解除されるため、塵埃溜め5B内に保持され
た状態から抽出液溜め7Aに重力で流下する。この際、
サンプリング用フィルタ6Bにより塵埃と前記アレルゲ
ンを抽出した被検液とに分離されてアレルゲン測定用被
検液となり抽出液溜め7Aに溜まる。
に採取する工程である。抽出液溜め7Aを外してアレル
ゲン測定用被検液を取り出し、測定に供する。この際、
競合法等を適用してサンプルの清澄性があまり必要とさ
れない場合にはこの工程を省略することも可能である。
なお、制御部34はソフトウェア的に動作するとした
が、ハードウェア的な回路の組合わせでも制御部34の
動作を実現することができる。
条件は一定の捕捉精度を有するサンプリング用フィルタ
により安定化され、抽出条件は各撹拌手段により一定の
撹拌強度を与えることができ、一連のアレルゲン測定用
被検液の作成を衛生的、簡易に、精度高くしかも安価に
行うことができる。
ダニ(Dermatofagoides farina
e)のアレルゲンであるDer f IIを含む含有量
が既知の培地を一定量ずつ撒いた状態の絨毯からアレル
ゲン測定用被検液を作成した。本実施例では図1のアレ
ルゲン測定用被検液作成装置を使用し、4段階の工程
(捕集工程、抽出工程、分離工程、採取工程)
によりアレルゲン測定用被検液を作成する。あらかじめ
コナヒョウヒダニを繁殖させた培地を1μg−Der
f II/m2から0.005μg−Der f II
/m2となるように絨毯に散布したものを試験に供し
た。
塵埃における粒径分布例を示すグラフ図であり、図10
は本実施例において散布したダニアレルゲンの設定値と
図1のアレルゲン測定用被検液作成装置を使用したダニ
アレルゲンの測定値との関係を示すグラフ図である。つ
まり、図10には、前記絨毯に散布したダニアレルゲン
の設定値と図1のアレルゲン測定用被検液作成装置によ
り作成した被検液のサンドイッチELISA法によるダ
ニアレルゲンの測定値との関係が示されている。
ダルベッコりん酸緩衝生理食塩水に0.05w/v%ポ
リオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレートを
含有し、pH7.4±0.2の溶液(以下PBS−T)
10mLを抽出液貯液槽14に注入した。抽出用弁16
は自動弁を使用した。
を導通させた状態で、スイッチ36により吸引ファン1
1を起動し1.2m3/分で吸気しながら、測定対象と
なる部位をサンプリング用ノズル1で2分間、1m2の
条件で操作した。サンプリング用ノズル1から吸い込ま
れた塵埃の大部分を外部吸気路2、スクリーニング用フ
ィルタ3、内部吸気路4A、塵埃溜め5を介してサンプ
リング用フィルタ6上に捕集し、大部分の塵埃が取り除
かれた空気はさらに抽出液溜め7、内部吸気路4B、捕
集抽出切替用弁8、内部吸気路4C、フィルタバッグ1
0、吸引ファン11、排気口13を通過して系外に排出
された。この際、微細なアレルゲンはフィルタバッグ1
0で捕捉した。
3で捕捉する塵埃の最低粒径は0.3mmでステンレス
製の網状のものを使用した。また、サンプリング用フィ
ルタ6で捕捉する塵埃の最低粒径は25μmでステンレ
ス製網状体で、直径25mmのものを使用した。ここ
で、サンプリング用フィルタ6で捕捉する塵埃の最低粒
径を25μmとしたのは、事前の調査結果である図9に
示すように、塵埃中のダニアレルゲンDer f II
の粒径分布は25μm以上のところに大部分が存在する
ことが判明していたからである。また、フィルタバッグ
10が捕捉する塵埃の最低粒径は0.3μmで不織布
状、セルロースのものを使用した。なお、最終フィルタ
12はフィルタバッグ10が排出すべきでないアレルゲ
ンを十分に捕捉可能であるため設置しなかった。
構成される。
1の抽出工程は抽出液70を抽出液溜め7に流入させる
工程である。まず抽出用弁16を開放して、抽出液70
を抽出液溜め7に流入させた。この後、サンプリング用
フィルタ6は抽出液70により浸漬された状態とした。
捕集抽出切替用弁8は内部配管4Dと4Cを導通させた
状態に切替える。捕集抽出切替用弁8は自動弁を使用し
た。
2の抽出工程は抽出液70の上部の撹拌用開口60と撹
拌用内部配管61によて空気を導入し、抽出液70に旋
回流をおこさせることにより撹拌し、サンプリング用フ
ィルタ6に捕捉された塵埃からアレルゲンを抽出する工
程である。まずスイッチ36により吸引ファン11を起
動し、5分間運転した。この際一部の吸気は、抽出液貯
液槽14の開口部から入り抽出液吸気導入管15、抽出
用弁16を介して抽出液溜め7ひいてはサンプリング用
フィルタ6に到達し、抽出液70の大部分はサンプリン
グ用フィルタ6より上部すなはち塵埃溜め5内に移行し
た状態で撹拌用開口60から流入する空気を導入し、抽
出液70に旋回流をおこさせることにより撹拌された。
このときのサンプリング用フィルタ6における線速度は
50m/sであった。その排気は内部吸気路4A、内部
吸気路4D、捕集抽出切替用弁8、内部吸気路4Cを介
してフィルタバッグ10、吸引ファン11、最終フィル
タ12、排気口13を通過して系外に排出された。ま
た、一部の吸気はサンプリング用ノズル1より流入し、
外部吸気路2、内部吸気路4D、捕集抽出切替用弁8、
内部吸気路4Cを介してフィルタバッグ10、吸引ファ
ン11、排気口13を通過して系外に排出された。この
際、微細なアレルゲンはフィルタバッグ10で捕捉され
た。
70は負圧が解除され開放となる為、塵埃溜め5内から
抽出液溜め7に、サンプリング用フィルタ6により塵埃
と前記アレルゲンを抽出した被検液に分離されて測定用
被検液となり抽出液溜め7に溜まった。
本実施例では、分離用フィルタ20による分離精度の向
上は不必要であったため、分離用フィルタ20は使用し
なかった。
用被検液のダニアレルゲンDerf IIを測定した。
作成装置により作成したアレルゲン測定用被検液は設定
値の90%程度を検出可能であること、また、相関係数
が0.999と高く、安定に検出可能であることがわか
る。
作成装置は種々考えることが出来る。例えば、より自動
化を推進した装置や、測定装置も一体化された装置等が
考えられる。
ダニ(Dermatofagoides farina
e)のアレルゲンであるDer f IIを含む含有量
が既知の培地を、一定量ずつ撒いた状態の絨毯から測定
用被検液を作成した。本実施例では図1のアレルゲン測
定用被検液作成装置を使用し、4段階の工程(捕集工
程、抽出工程、分離工程、採取工程)によりアレ
ルゲン測定用被検液を作成する。あらかじめコナヒョウ
ヒダニを繁殖させた培地を1μg−Der f II/
m2から0.005μg−Der f II/m2となる
ように絨毯に散布したものを試験に供した。
レルゲンの設定値と図1のアレルゲン測定用被検液作成
装置を使用したダニアレルゲンの測定値との関係を示す
グラフ図である。つまり、図11には、前記絨毯に散布
したダニアレルゲンの設定値と図1のアレルゲン測定用
被検液作成装置により作成した被検液のサンドイッチE
LISA法によるダニアレルゲンの測定値との関係が示
されている。
ファン11を起動し1.0m3/分で吸気しながら、測
定対象となる部位をサンプリング用ノズル1で2分間、
1m2の条件で操作した。サンプリング用ノズル1から
吸い込まれた塵埃の大部分を外部吸気路2、スクリーニ
ング用フィルタ3、塵埃溜め5を介してサンプリング用
フィルタ6上に捕集し、大部分の塵埃が取り除かれた空
気はさらに内部吸気路4、フィルタバッグ10、吸引フ
ァン11、最終フィルタ12、排気口13を通過して系
外に排出した。この際、微細なアレルゲンはフィルタバ
ッグ10で捕捉した。また、スクリーニング用フィルタ
3、サンプリング用フィルタ6、フィルタバッグ10は
実施例1と同様のものを用い、最終フィルタ12はフィ
ルタバッグ10が排出すべきでないアレルゲンを十分に
捕捉可能であるため設置しなかった。
程とから構成される。まず第1の抽出工程について説明
する。第1の抽出工程は抽出液70を抽出液溜め7に注
ぐ工程である。まずスイッチ36により吸引ファン11
を停止した状態で、塵埃を捕集した塵埃溜め5とサンプ
リング用フィルタ6を抽出液溜め7に設置し、抽出液7
0を塵埃溜め5を介して注いだ。抽出液として、ダルベ
ッコりん酸緩衝生理食塩水に0.05w/v%ポリオキ
シエチレン(20)ソルビタンモノラウレートを含有
し、pH7.4±0.2の溶液(以下PBS−T)10
mLを使用した。
2の抽出工程は抽出液70の上部の撹拌用開口60によ
て空気を導入し、抽出液70に旋回流をおこさせること
により撹拌し、サンプリング用フィルタ6に捕捉された
塵埃からアレルゲンを抽出する工程である。まずスイッ
チ36により吸引ファン11を起動し、5分間運転し
た。この際、一部の吸気は、抽出液溜め7から入り、サ
ンプリング用フィルタ6に到達し、抽出液70の大部分
はサンプリング用フィルタ6より上部すなわち塵埃溜め
5内に移行した状態で、撹拌用開口60から流入する空
気を導入し、抽出液70に旋回流をおこさせることによ
り撹拌された。空気が吹き込まれて撹拌された。その排
気は内部吸気路4を介してフィルタバッグ10、吸引フ
ァン11、最終フィルタ12、排気口13を通過して系
外に排出された。また、一部の吸気はサンプリング用ノ
ズル1より流入し、外部吸気路2、スクリーニング用フ
ィルタ3、内部吸気路4を介してフィルタバッグ10、
吸引ファン11、最終フィルタ12、排気口13を通過
して系外に排出された。
継手27を塵埃溜め5から外した。抽出液70は負圧が
解除され開放となる為、塵埃溜め5内に保持された状態
から抽出液溜め7に重力で流下する。この際、サンプリ
ング用フィルタ6によりアレルゲンを抽出し後の抽出液
から塵埃が分離されて測定用被検液となり抽出液溜め7
に溜まった。
本実施例では、分離用フィルタ20による分離精度の向
上は不必要であったため、分離用フィルタ20は使用し
なかった。サンドイッチELISA法により前記測定用
被検液のダニアレルゲンDer f IIを測定した。
液作成装置により作成した被検液は設定値の80%程度
を検出可能であること、また、相関係数が0.998と
高く、安定に検出可能であることがわかる。
作成装置は種々考えることが出来る。例えば、自動化を
さらに推進した装置や、アレルゲン自体を測定する装置
も一体化された装置等が考えられる。
被検液作成方法によれば、以下のような有利な効果が得
られる。
ン濃度を測定しようとする空気をサンプリング用フィル
タに透過させ、空気中に浮遊する塵埃を捕捉する捕集工
程と、サンプリング用フィルタをアレルゲンの抽出液に
接触させて捕捉された塵埃を懸濁させ、塵埃に含まれる
アレルゲンを溶解する抽出工程と、アレルゲン抽出後の
抽出液をサンプリング用フィルタに透過させて塵埃を分
離し、アレルゲンが溶解した被検液を作成する分離工程
とを有するので、アレルゲンを含む空気の捕集条件、ア
レルゲンの抽出、分離条件を一定に設定することが容易
であり、一連のアレルゲン測定用被検液の作成を衛生的
に、しかも高い精度で簡易に行うことができる。さら
に、サンプリング用フィルタを空気中からの塵埃の補集
と、抽出液からの塵埃の分離との2つの目的で使用でき
るので、経済的であり、かつ被検液の作成工程を簡略化
できる。
の効果に加えて次のような効果を有する。即ち、抽出工
程には、塵埃を懸濁させた抽出液に撹拌用空気を吹き込
んで抽出液を旋回撹拌させる工程が含まれるているの
で、抽出液を所定位置に保持させたままで短時間で効率
的に撹拌混合を行うことができ、アレルゲンの変性を抑
制して、アレルゲン濃度の適正な値を求めることができ
る。
又は2の効果に加えて、次のような効果を有する。即
ち、サンプリング用フィルタの形状は、網状、織布状お
よび不織布状のいずれか1種類の形状または両方が複合
した形状であることにより、サンプリング用フィルタの
開口率が高いものを選択して通気抵抗を小さくし、捕集
に必要な動力を小さく設定でき、安価にアレルゲン測定
用被検液を作成できるという効果が得られる。
乃至3のいずれか1項の効果に加え、次の効果を有す
る。即ち、サンプリング用フィルタは、セルロース、ポ
リプロピレン、ナイロン、フッ素樹脂、ポリエチレン、
ポリスチレン、アクリル樹脂、ステンレス、チタン、
鉄、銅のいずれか1種類の材質または複数種類が複合し
た材質であることにより、汎用性のある材料で構成され
るので、アレルゲン測定用被検液の作成が簡易に高精度
でしかも安価に行われるという効果が得られる。
乃至4のいずれか1項の効果に加えて、次の効果を有す
る。即ち、サンプリング用フィルタの捕捉可能な粒径を
特定範囲にしているので、サンプリングの際の吸気抵抗
を適正化して、かつ大部分のアレルゲンを捕捉可能にす
ると共に、吸引するための動力を最小限にできることか
ら、アレルゲン測定用被検液を安価に作成できる。
ングされる空気を吸気側から排気側に透過させて空気中
に浮遊する塵埃を捕捉するサンプリング用フィルタを備
えた塵埃溜め部と、サンプリング用フィルタの排気側の
下方に配置され、塵埃に含まれるアレルゲンを抽出する
抽出液及びアレルゲン抽出後の被検液が溜められる抽出
液部とサンプリング用フィルタの吸気側及び排気側の空
気圧をファンを用いて制御し、サンプリングされる空
気、抽出液及び被検液をサンプリング用フィルタを介し
て吸気側から排気側又は排気側から吸気側に移動させる
送風機構とを有するので、サンプリング用フィルタを用
いて塵埃溜め部内に塵埃を捕捉し、この排気側を抽出液
に浸漬し、塵埃と抽出液を送風機構を用いて移送して捕
集条件、分離条件を安定化できる。塵埃溜め部を移動さ
せことなく塵埃の補集、抽出、分離が行えるので、アレ
ルゲンに直接手を触れることなくアレルゲン測定用被検
液を作成することができ、一連のアレルゲン測定用被検
液の作成を衛生的、簡易に、精度高くおこなえるという
効果を有する。
の効果に加えて、次の効果を有する。即ち、送風機構に
は、サンプリング用フィルタの排気側が抽出液部の抽出
液中に浸漬されたときに、塵埃溜め部に入れられた抽出
液に撹拌用空気を供給して抽出液を撹拌する旋回流路が
設けられているので、塵埃溜め部を固定したままで保持
する保持する抽出液を短時間で効率的に撹拌混合するこ
とができる。これによって、アレルゲンの空気との接触
が最小限に押さえられ変性がおこりにくく、一連のアレ
ルゲン測定用被検液の作成を衛生的、簡易に、精度高く
おこなえる。
又は7の効果に加えて、次の効果を有する。即ち、アレ
ルゲン測定用被検液作成装置には、抽出液を溜めておく
貯液槽が設けられ、貯液槽に溜められた抽出液を重力ま
たはファンによる負圧力を用いて抽出液部に導入するの
で、塵埃の捕集後、抽出液を自動的に供給して、塵埃に
使用者が触れることなく衛生的、簡易にアレルゲン測定
用被検液の作成を行うことができる。
乃至8のいずれか1項の効果に加えて、次の効果を有す
る。即ち、塵埃溜め部でアレルゲンと接触させた抽出液
を、重力またはファンの負圧力を利用してサンプリング
用フィルタに透過させ、アレルゲン抽出後の塵埃とアレ
ルゲンを抽出した被検液とに分離するので、塵埃の捕集
後、抽出液を自動的に供給することができ、塵埃に使用
者が触れることなく衛生的に抽出液の簡単に作成を行う
ことができる。
6乃至9のいずれか1項の効果に加えて、次の効果を有
する。ファンを制御する制御部を備え、制御部は塵埃の
捕集、抽出および分離の動作を自動的に行うことができ
るので、捕集条件、抽出条件、分離条件を自動制御によ
り一定にして、一連のアレルゲン測定用被検液の作成を
精度高く、安価に行うことができる。
6乃至10のいずれか1項の効果に加えて、次の効果を
有する。即ち、アレルゲン測定用被検液作成装置には、
抽出液の温度を一定に保持する温度保持装置が設けられ
ているので、抽出条件の中でも特に大きな誤差要因とな
る抽出液の温度を一定として、アレルゲン測定用被検液
の作成を高い精度で行うことができ、また、抽出液の温
度を周囲温度よりも高く設定することで拡散速度の向上
ひいては抽出時間の短縮が可能になるという効果を奏す
る。
被検液作成装置を示す構成図
するアレルゲン測定用被検液作成方法における捕集工程
を示す捕集工程説明図
を適用するアレルゲン測定用被検液作成方法における抽
出工程を示す抽出工程説明図 (b)図1のアレルゲン測定用被検液作成装置を適用す
るアレルゲン測定用被検液作成方法における抽出工程を
示す抽出工程説明図 (c)図1のアレルゲン測定用被検液作成装置を適用す
るアレルゲン測定用被検液作成方法における抽出工程を
示す抽出工程説明図
するアレルゲン測定用被検液作成方法における分離工程
を示す分離工程説明図
溜めと抽出液溜めを示す断面図
示すグラフ
被検液作成装置を示す構成図
を適用するアレルゲン測定用被検液作成方法における抽
出工程を示す抽出工程説明図 (b)図7のアレルゲン測定用被検液作成装置を適用す
るアレルゲン測定用被検液作成方法における抽出工程を
示す抽出工程説明図 (c)図7のアレルゲン測定用被検液作成装置を適用す
るアレルゲン測定用被検液作成方法における抽出工程を
示す抽出工程説明図 (d)図7のアレルゲン測定用被検液作成装置を適用す
るアレルゲン測定用被検液作成方法における分離工程を
示す分離工程説明図
る粒径分布例を示すグラフ
設定値と図1のアレルゲン測定用被検液作成装置を使用
したダニアレルゲンの測定値との関係を示すグラフ
設定値と図1のアレルゲン測定用被検液作成装置を使用
したダニアレルゲンの測定値との関係を示すグラフ
Claims (11)
- 【請求項1】アレルゲン濃度を測定しようとする空気を
サンプリング用フィルタに透過させ、空気中に浮遊する
塵埃を捕捉する捕集工程と、 前記サンプリング用フィルタをアレルゲンの抽出液に接
触させて、捕捉された塵埃を抽出液に懸濁させ、塵埃に
含まれるアレルゲンを溶解する抽出工程と、 アレルゲン抽出後の前記抽出液を前記サンプリング用フ
ィルタに透過させて塵埃を分離し、アレルゲンが溶解し
た被検液を作成する分離工程とを有することを特徴とす
るアレルゲン測定用被検液作成方法。 - 【請求項2】前記抽出工程には、前記塵埃を懸濁させた
抽出液に撹拌用空気を吹き込んで前記抽出液を旋回撹拌
させる工程が含まれるていることを特徴とする請求項1
に記載のアレルゲン測定用被検液作成方法。 - 【請求項3】前記サンプリング用フィルタは、網状、織
布状および不織布状のいずれか1種類の形状または両方
が複合した形状であることを特徴とする請求項1又は2
に記載のアレルゲン測定用被検液作成方法。 - 【請求項4】前記サンプリング用フィルタは、セルロー
ス、ポリプロピレン、ナイロン、フッ素樹脂、ポリエチ
レン、ポリスチレン、アクリル樹脂、ステンレス、チタ
ン、鉄、銅のいずれか1種類の材質またはこれらの組み
合わせからなる材質であることを特徴とする請求項1乃
至3のいずれか1項に記載のアレルゲン測定用被検液作
成方法。 - 【請求項5】前記サンプリング用フィルタによって捕捉
可能な塵埃の粒径が1μm以上、100μm以下である
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載
のアレルゲン測定用被検液作成方法。 - 【請求項6】サンプリングされる空気を吸気側から排気
側に透過させて空気中に浮遊する塵埃を捕捉するサンプ
リング用フィルタを備えた塵埃溜め部と、 前記サンプリング用フィルタの排気側の下方に配置さ
れ、塵埃に含まれるアレルゲンを抽出する抽出液及びア
レルゲン抽出後の被検液が溜められる抽出液部と、 前記サンプリング用フィルタの吸気側及び排気側の空気
圧をファンを用いて制御し、前記サンプリングされる空
気、前記抽出液及び前記被検液を前記サンプリング用フ
ィルタの吸気側から排気側又は排気側から吸気側に移動
させる切替え手段を備えた送風機構とを有することを特
徴とするアレルゲン測定用被検液作成装置。 - 【請求項7】前記送風機構には、前記サンプリング用フ
ィルタの排気側が前記抽出液部の抽出液中に浸漬された
ときに、前記塵埃溜め部に入れられた抽出液の上部に撹
拌用空気を供給して抽出液を撹拌する旋回流路が設けら
れていることを特徴とする請求項6に記載のアレルゲン
測定用被検液作成装置。 - 【請求項8】前記アレルゲン測定用被検液作成装置に
は、前記抽出液を溜めておく貯液槽が設けられ、前記貯
液槽に溜められた抽出液を重力または前記ファンによる
負圧力を用いて前記抽出液部に導入することを特徴とす
る請求項6又は7に記載のアレルゲン測定用被検液作成
装置。 - 【請求項9】前記塵埃溜め部でアレルゲンと接触させた
抽出液を、重力または前記ファンの負圧力を利用して前
記サンプリング用フィルタに透過させ、アレルゲン抽出
後の塵埃とアレルゲンを抽出した被検液とに分離するこ
とを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の
アレルゲン測定用被検液作成装置。 - 【請求項10】前記ファンを制御する制御部を備え、前
記制御部は塵埃の捕集、抽出および分離の動作を自動的
に行うことを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項
に記載のアレルゲン測定用被検液作成装置。 - 【請求項11】前記アレルゲン測定用被検液作成装置に
は、前記抽出液の温度を一定に保持する温度保持装置が
設けられていることを特徴とする請求項6乃至10のい
ずれか1項に記載のアレルゲン測定用被検液作成装置。
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---|---|---|---|
JP20122299A JP3633380B2 (ja) | 1999-07-15 | 1999-07-15 | アレルゲン測定用被検液作成装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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ID=16437371
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7055334B2 (en) * | 2003-03-18 | 2006-06-06 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Air-conditioning unit and air-conditioning apparatus incorporating same |
JP2006330494A (ja) * | 2005-05-27 | 2006-12-07 | Kyocera Mita Corp | 定着装置 |
JP2009139115A (ja) * | 2007-12-04 | 2009-06-25 | Hitachi Plant Technologies Ltd | 捕集デバイス、及びそれを用いる分析システム |
CN111443069A (zh) * | 2013-10-28 | 2020-07-24 | 多茨技术公司 | 过敏原检测 |
JP6771690B1 (ja) * | 2019-07-29 | 2020-10-21 | 三菱電機株式会社 | 電気掃除機およびダスト採取スティック |
CN114562793A (zh) * | 2022-02-08 | 2022-05-31 | 珠海格力电器股份有限公司 | 空气净化装置的性能检测方法、装置、系统及存储介质 |
JP7538434B2 (ja) | 2022-08-12 | 2024-08-22 | ダイキン工業株式会社 | 分析用接触液、および分析方法 |
-
1999
- 1999-07-15 JP JP20122299A patent/JP3633380B2/ja not_active Expired - Fee Related
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