JP2001027153A - ロケットエンジン噴射器 - Google Patents

ロケットエンジン噴射器

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JP2001027153A
JP2001027153A JP11202337A JP20233799A JP2001027153A JP 2001027153 A JP2001027153 A JP 2001027153A JP 11202337 A JP11202337 A JP 11202337A JP 20233799 A JP20233799 A JP 20233799A JP 2001027153 A JP2001027153 A JP 2001027153A
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oxidant
propellant
injector
oxidizing agent
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JP11202337A
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Tadaoki Onkawa
忠興 恩河
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造の簡素化および軽量化を図ること。 【解決手段】 ロケットエンジン噴射器1の噴射孔7の
上部に円錐台形状の燃料流入口5を設け、その上部にお
いて、推薬調整棒4を上下移動可能にする。これによ
り、燃料流入口5と推薬調整棒4との隙間の面積が変化
するから、燃料調整弁として機能する。また、推薬調整
棒4のうち酸化剤室2内に位置する部分に、酸化剤流入
口6を穿設する。酸化剤流入口6は、隔壁8と推薬調整
棒4の上下移動によってその流入口面積が変化するか
ら、酸化剤調整弁として機能する。これら二つの弁を噴
射器内部に設けることで、弁数減少による構造の簡素化
および軽量化を図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ロケットエンジ
ン噴射器に関する。さらに詳しくは、構造の簡素化およ
び軽量化を可能とすると共に、燃料および酸化剤の流量
と混合比を調整可能なロケットエンジン噴射器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図7は、従来のロケットエンジン・シス
テムを示す構成図である。このロケットエンジン・シス
テムは、ターボポンプ式であって、燃焼器および高膨張
ノズル、燃料供給系、冷却系および酸化剤供給系から構
成されている。燃焼器は、噴射器75と燃焼室76とか
ら構成されている。噴射器75は、小さな穴から設計流
量に応じた推薬を燃焼室76に噴射し、燃料と酸化剤と
を混合霧化して燃焼させるものである。燃焼室76で
は、高圧の燃焼ガスを膨張させ、スロート77にて燃焼
ガスを加速する。高膨張ノズル78は、スロート77を
通過した燃焼ガスを膨張・加速し、後方に噴出する。
【0003】また、燃料供給系の配管上には、燃料ポン
プ71が設けられている。燃料ポンプ71は、燃料タン
クから圧縮供給される燃料により回転を開始する。さら
に、燃料供給系は、冷却系側と噴射器側とに分岐してい
る。当該冷却系は、燃焼室76および高膨張ノズル78
の燃焼室壁内に形成される冷却管により構成されてい
る。
【0004】さらに、前記冷却系の後段には、推力コン
トロールバルブ79が設けられている。推力コントロー
ルバルブ79は、それを開閉することにより燃料タービ
ン73に流入する燃料ガスの量を調整する。この燃料タ
ービン73により、前記燃料ポンプ71を直接あるいは
減速状態で回転させることができる。一方、分岐した噴
射器側の配管は、噴射器75に結合している。この噴射
器75には、燃料用の噴射孔と酸化剤用の噴射孔とがそ
れぞれ複数設けられている(図示省略)。これら燃料用
の噴射孔および酸化剤用の噴射孔の組み合わせには、た
とえば異種2点〜5点などを用いるようにする。
【0005】図8に、噴射器75の噴射孔87付近の断
面図を示す。噴射器75の内部は、酸化剤が導入される
上室82と燃料が導入される下室83とに分割されてい
る。下室83には、複数の噴射孔87が設けられてい
る。また、上室82と下室83との隔壁88には、酸化
剤を噴射孔87まで導く導入管81が突設されており、
その端部付近は下室83の噴射孔87内に若干遊挿され
ている。このため、上室82の酸化剤と下室83の燃料
とは、噴射孔87にて混合される。また、導入管81が
隔壁88に固定され且つその下端部が噴射孔87に遊挿
されているため、燃料を導入する面積(燃料流入面積)
は一定になる。また、導入管81上端部では、その穿孔
部86から酸化剤を導入するようにしているので、酸化
剤の導入面積(酸化剤流入面積)は一定である。
【0006】図7に戻り、前記酸化剤供給系には、酸化
剤ポンプ72が設けられている。酸化剤ポンプ72は酸
化剤タンクから圧縮供給される酸化剤により回転を開始
する。この酸化剤ポンプ72は、酸化剤タービン74に
直接あるいは減速機を介して結合している。酸化剤ター
ビン74は前記燃料タービン73の後段であって分岐し
た一方の配管に設けられている。さらに、他方の配管に
は混合比コントロールバルブ80が設けられている。こ
れら酸化剤タービン74および混合比コントロールバル
ブ80の配管は再び結合され、その端部はノズル出口に
て開放されている。混合比コントロールバルブ80は、
酸化剤ポンプ74の回転を制御することで噴射器に供給
される酸化剤の量を調節する。
【0007】つぎに、このロケットエンジン・システム
の動作について説明する。このロケットエンジン・シス
テムでは、酸化剤流入面積と燃料流入面積が一定である
から、燃料および酸化剤の供給量(混合比)を調整する
ために前記推力コントロールバルブ79および混合比コ
ントロールバルブ80を用いる必要がある。燃料タービ
ン73および酸化剤タービン74を回す流量は、推力コ
ントロールバルブ79により変化させる。燃料タービン
73の回転は燃料ポンプ71に伝わり、当該燃料ポンプ
71の作用により噴射器75に導入される燃料の供給量
が変化する。同様に、酸化剤タービン74の回転は酸化
剤ポンプ72に伝わり、噴射器75に導入される酸化剤
の供給量が変化する。
【0008】すなわち、推力コントロールバルブ79
は、噴射器75に導入される燃料および酸化剤双方の供
給量を同じ割合で調整するものであり、その一方、混合
比コントロールバルブ80は、酸化剤のみの供給量を調
整するものであるから、これら推進コントロールバルブ
79および混合比コントロールバルブ80によって燃料
に対する酸化剤の混合比を変化させることができる。
【0009】噴射器内部において、上室82の酸化剤
は、酸化剤ポンプ72によって加圧状態にあるので、導
入管81上端部の穿孔部86から下端部に向かって流出
する。下室83の燃料も同様に燃料ポンプ71によって
加圧状態にあるので、前記噴射孔87と導入管81との
隙間から噴射器75下部に流出する。これにより、これ
ら燃料と酸化剤とが噴射孔87にて混ざり合い、噴射器
75下部の燃焼室にて燃焼する。この燃焼ガスは、高膨
張ノズル78にて更に膨張・加速し、後方に噴出され
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のロケットエ
ンジン・システムでは、所望の推力および混合比を得る
ため、推力コントロールバルブ79および混合比コント
ロールバルブ80を用いて調整を行うようにしている。
また、最適な混合比を得るためには、上記構成のように
混合比を調整できるようにするのが好ましい。しかしな
がら、上記2種類のコントロールバルブを用いると、ロ
ケットエンジン・システムのバルブ数が増えることなど
により、構造が複雑になると共に重量が増大するという
問題点があった。
【0011】また、噴射量の調整を噴射器内で行うロケ
ットエンジン・システムとして、特開平5−34030
8号公報に記載のものが知られているが、このロケット
エンジン・システムでは、構造の簡素化および軽量化を
図ることができても、混合比の調整が行えないという問
題点がある。
【0012】この発明は、上記に鑑みてなされたもので
あって、構造の簡素化および軽量化を図ることができる
ロケットエンジン噴射器を提供することを目的とする。
また、燃料と酸化剤との混合比を調整できるロケットエ
ンジン噴射器を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、請求項1にかかるロケットエンジン噴射器は、燃
焼室内に噴射する燃料の流量を調整する燃料調整弁と、
燃焼室内に噴射する酸化剤の流量を調整する酸化剤調整
弁とを噴射器の内部に備え、一方の弁が全開のとき、他
方の弁が未だ調整可能な範囲にあるように設定し、当該
他方の弁の開閉動作により燃料および酸化剤の混合比を
調整するようにしたものである。
【0014】ロケットエンジンの推力を調整するために
は、噴射器から燃焼室に噴射する燃料および酸化剤の流
量を同時に調整する必要があるが、この発明による噴射
器では、燃料調整弁または酸化剤調整弁の一方が全開の
ときに、他方の弁が未だ調整可能な範囲に設定されてい
るので、当該他方の弁の開閉動作により、燃料および酸
化剤の混合比を調整することができる。また、燃料調整
弁と酸化剤調整弁を噴射器内部に有するので、噴射器外
部に燃料および酸化剤の流量を調整するための弁を設け
る必要がなく、燃料および酸化剤の供給系統が複雑とな
るのを避けることができる。
【0015】また、請求項2にかかるロケットエンジン
噴射器は、燃焼室に推薬を噴射するロケットエンジン噴
射器において、燃料の流量を調整する燃料調整弁と、酸
化剤の流量を調整する酸化剤調整弁とを備え、当該燃料
調整弁と酸化剤調整弁との形状を異なるものにすると共
に両者を機械的に結合して共動するようにしたものであ
る。
【0016】すなわち、燃料調整弁と酸化剤調整弁とを
機械的に結合しているから、一つのアクチュエータによ
り両弁を共動させることができる。このため、ロケット
エンジン噴射器の構造を簡素化、軽量化することができ
る。また、当該燃料調整弁と酸化剤調整弁の形状が異な
るため、両弁が共動することで、各弁を通過する燃料等
の流量を異なる割合で変化させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明にかかるロケット
エンジン噴射器につき図面を参照しつつ詳細に説明す
る。なお、この実施の形態により、この発明が限定され
るものではない。
【0018】(実施の形態1)図1は、この発明の実施
の形態1にかかるロケットエンジン噴射器1を示す断面
図である。ロケットエンジン噴射器1は、同軸構造であ
って、酸化剤および燃料からなる推薬を霧化して燃焼室
に噴射するものである。このロケットエンジン噴射器1
の内部は、酸化剤室2と燃料室3から構成され、当該両
室は隔壁8によって上下に分割されている。燃料室3の
下部には、推薬を燃焼室に噴射するための噴射孔7が設
けれている。推薬調整棒4は、推薬の流量を調整する中
空丸棒であり、上記隔壁8および噴射器外壁9を貫いて
噴射器に内挿され且つ噴射方向に移動できるようになっ
ている。
【0019】噴射孔7の上部には、円錐台形状の燃料流
入口5が連続形成されている。前記推薬調整棒4の下端
は、燃料流入口5内において上下移動する。これによ
り、当該燃料流入口5と推薬調整棒4との隙間(燃料流
入部)の面積を調整できるから、燃料調整弁として機能
させることができる。
【0020】また、推薬調整棒4の酸化剤室2内に位置
する部分には、図2の(a)に示すように、中空穴に酸
化剤を導入する四角形の酸化剤流入口6が径方向に穿設
されている。当該酸化剤流入口6は、推薬調整棒4が下
方に移動すると共に前記隔壁によって次第に塞がれ、推
薬調整棒4が最下点に達したとき、完全に塞がれる。こ
のように、当該酸化剤流入口6は、推薬調整棒4の上下
移動によってその流入口面積が変化するので、酸化剤調
整弁として機能させることができる。
【0021】また、このロケットエンジン噴射器1は、
推薬調整棒4が上方に移動して酸化剤流入口6が完全に
開口するに至った場合でも、当該推薬調整棒4の下端が
燃料流入口5内に位置するように設計されている。この
場合においては、燃料の流入量を調整することによっ
て、当該燃料と酸化剤との混合比を調整することが可能
になる。なお、これとは逆に、推薬調整棒4の下端が燃
料流入口内から出た場合でも、未だ酸化剤流入口6が隔
壁8と重なるように設計してもよい。この場合において
は、酸化剤の流入量を調整することによって、当該酸化
剤と燃料との混合比を調整することが可能になる。
【0022】前記推薬調整棒4の下端は開放されてお
り、噴射孔7に対して中空穴が露出している。一方、推
薬調整棒4の上端は、噴射器1の外部に突出しており、
当該推薬調整棒4の上下移動を行うアクチュエータに連
結してある。アクチュエータには、たとえば油圧シリン
ダー、モータおよび直動機構などを用いることができ
る。また、推薬調整棒4が隔壁8および噴射器外壁9を
貫く部分には、それぞれシールが施され、酸化剤室2お
よび燃料室3の機密性を確保している。
【0023】つぎに、このロケットエンジン噴射器の動
作について説明する。酸化剤タンク(図示省略)から酸
化剤室2内に導入された酸化剤は、推薬調整棒4に設け
た酸化剤流入口6から当該推薬調整棒4の中空穴に流れ
込み、噴射孔7まで導かれる。一方、燃料タンク(図示
省略)から燃料室3内に導入された燃料は、燃料流入部
から噴射孔7に流出する。
【0024】ここで、推薬調整棒4を上下移動すること
により、燃料と酸化剤の混合比を調整する。まず、推薬
調整棒4の最下端周縁が燃料流入口の内壁に接している
場合、燃料流入部が閉じた状態になるので、燃料は噴射
口に流入しない。また、酸化剤流入口6は、隔壁8によ
って塞がれるので、酸化剤は噴射口に流入しない。すな
わち、この状態では、酸化剤および燃料の双方が噴射さ
れないから、推力が「0」でエンジンが停止状態にあ
る。
【0025】つぎに、推薬調整棒4を徐々に引き上げた
場合、酸化剤流入口6および燃料流入部の面積は徐々に
大きくなる。具体的には、推薬調整棒4が引き上げられ
ることによって、前記隔壁8により塞がれていた酸化剤
流入口6が次第に開口する。このため、図2の(b)に
示すように、推薬調整棒4の移動量に比例して前記噴射
口に流入する酸化剤の量が増大する。また、燃料流入部
では、燃料流入口5が円錐台形状になっており、推薬調
整棒4の引き上げに伴って次第に開口するから、酸化剤
と同様に前記噴射孔7に流入する燃料の量も増大する。
【0026】そして、推薬調整棒4をさらに引き上げた
場合、酸化剤流入口6は隔壁8から外れて完全に開口す
る。このため、酸化剤流入口6からの流入量は一定にな
る。一方、燃料流入部は、酸化剤流入口6が開口した場
合であってもその流入量を調節できるように設計されて
いるから、推薬調整棒4を引き上げることにより、引き
続き燃料の流入量を調整することができる。すなわち、
酸化剤の流入量が一定の場合であっても前記推薬調整棒
4を引き上げることで燃料の流入量を変えることができ
るから、酸化剤と燃料の混合比を調整することが可能と
なる。噴射孔7では酸化剤と燃料が所定の比で混ざり合
い、当該混合した推薬は燃焼室に噴射される。
【0027】ここで、図3のグラフ図を用いて、酸化剤
および燃料の流入量と推薬調整棒4の移動量との関係に
ついて説明する。グラフの原点は、推薬調整棒4の最下
端周縁が燃料流入口に接している状態を示す。この状態
から推薬調整棒4を引き上げていくと、原点0から酸化
剤流入口が完全に開口する点sまでの範囲において、燃
料および酸化剤の流入量が移動量に比例して増大する。
そして、酸化剤流入口が完全に開口した後(点s以降)
は、流入する酸化剤の量が一定となる。一方、燃料の流
入量は前記移動量に比例してその後もしばらく増大する
ため、当該燃料の流入量を変えることにより酸化剤と燃
料の混合比を調整することが可能となる。
【0028】以上、この実施の形態1にかかるロケット
エンジン噴射器によれば、噴射器内部に酸化剤調整弁お
よび燃料調整弁を有するため、これらの調整弁を外部に
設ける必要がない。このため、構造が簡素になると共に
弁数減少による重量軽減を図ることができる。また、酸
化剤調整弁および燃料調整弁をそれぞれ異なる形状にし
て、燃料の流入量を単独で変えるようにしたので、酸化
剤および燃料の混合比を調整することができる。
【0029】なお、酸化剤流入口の形状は前記したよう
な四角形に限られない。図4の(a)および(c)は酸
化剤流入口の形状を示す説明図、(b)および(d)は
酸化剤の流入量と推薬調整棒4の移動量との関係を示す
グラフ図である。このように、酸化剤流入口の形状が
(a)または(c)の場合、酸化剤の流入量は開口面積
が大きくなるに伴い、それぞれ(b)または(d)のよ
うに変化する。したがって、あらかじめ流入口の形状を
所望の形状とすることにより、燃料流量に対する最適な
酸化剤流量を得ることができる。
【0030】(実施の形態2)図5は、この発明の実施
の形態2にかかるロケットエンジン噴射器を示す断面図
である。この実施の形態2のロケットエンジン噴射器
は、上記実施の形態1のロケットエンジン噴射器と略同
様の構成であるが、推薬調整棒を油圧シリンダーではな
く、駆動ガスの圧力により移動させるようにした点が異
なる。その他の構成は実施の形態1と同様であるからそ
の説明を省略する。
【0031】このロケットエンジン噴射器1において、
燃料室3の上部には、機密性が確保された容量可変の駆
動圧力室51が設けられている。この駆動圧力室51
は、隔壁8および燃料室3の内壁と、推薬調整棒52に
一体形成した移動隔壁50とから形成されている。移動
隔壁50の周縁には内壁に対するガイド面54が設けら
れ、さらに当該ガイド面54には、内壁との間で気密を
確保するシールが設けられている。また、移動隔壁50
と燃料室内壁との間には、移動隔壁50を上方に付勢す
るバネ53が設けられている。
【0032】この駆動圧力室51には、噴射器外部から
コンプレッサーなどにより駆動ガスが供給され、当該駆
動ガスの圧力により移動隔壁50が上下移動する。これ
により、移動隔壁50と一体構造となる推薬調整棒52
が所定量だけ移動する。かかる構成では、推薬調整棒5
2を噴射器上部から駆動させる必要がなくなるので、実
施の形態1の場合と異なり、推薬調整棒52を噴射器上
部に突設する必要はない。
【0033】以上、この実施の形態2にかかるロケット
エンジン噴射器によれば、実施の形態1のロケットエン
ジンと同様の効果が得られる他、推薬調整棒52を駆動
するアクチュエータをを自由な位置に設置できる。
【0034】(実施の形態3)図6は、この発明の実施
の形態3にかかるロケットエンジン噴射器64を示す断
面図である。このロケットエンジン噴射器64は、酸化
剤および燃料を別個の噴射孔61、62から燃焼室に霧
化噴射するシャワータイプであって、酸化剤室65と燃
料室3の配置および、それに基づく推薬調整棒63の形
状に特徴がある。なお、同図に示す酸化剤用噴射孔61
および燃料用噴射孔62の数は、それぞれ二つ以上であ
ってもよい。
【0035】このロケットエンジン噴射器64の内部
は、隔壁67により酸化剤室65と燃料室66が左右に
分割されている。また、酸化剤室65および燃料室66
の下部には、それぞれ酸化剤、燃料を燃焼室に噴射する
ための噴射孔61、62が別個に設けられている。
【0036】噴射孔62の上部には、実施の形態1と同
様に円錐台形状の燃料流入口5が連続形成されており、
推薬調整棒63の上下移動により燃料調整弁として機能
する。また、推薬調整棒63のうち酸化剤室65内に位
置する部分には、中空穴に酸化剤を導入する酸化剤流入
口6が径方向に穿設されている。この酸化剤流入口6
は、推薬調整棒63の上下移動により酸化剤調整弁とし
て機能する。また、各室の推薬調整棒63は、噴射器上
部に突出して音叉状に連結されている。
【0037】つぎに、このロケットエンジン噴射器64
の動作について説明する。各推薬調整棒63は、外部の
アクチュエータに接続され、同時に上下移動する。上記
実施の形態1と同様に、酸化剤室65内に導入された酸
化剤は、推薬調整棒63に設けた酸化剤流入口6から当
該推薬調整棒63の中空穴に流れ込み、噴射孔61まで
導かれる。一方、燃料室66内に導入された燃料は、燃
料流入部から噴射孔62に流出する。ここで、推薬調整
棒63を上下移動することにより、燃料と酸化剤との混
合比を調整する。
【0038】まず、燃料室66において、推薬調整棒6
3の最下端周縁が燃料流入口5の内壁に接している場
合、燃料流入部が閉じた状態になるので、燃料が噴射孔
62に流入しない。また、酸化剤室65において、当該
位置では、酸化剤流入口6が底壁によって塞がれている
ので、酸化剤が噴射孔61に流入しない。
【0039】つぎに、推薬調整棒63を徐々に引き上げ
た場合、酸化剤室65内の酸化剤流入口6および燃料室
66内の燃料流入口5の面積は徐々に大きくなる。これ
に伴い、燃焼室に噴射される酸化剤および燃料の量が増
大する。そして、推薬調整棒63をさらに引き上げた場
合、酸化剤室65内の酸化剤流入口6は底壁68から外
れて完全に開口するから、酸化剤流入口6からの流入量
は一定になる。その一方、燃料室66内の燃料流入口5
は、引き続き燃料の流入量を調整可能な状態にある。こ
のため、燃料の流入量を変えることにより、酸化剤と燃
料の混合比を調整することが可能になる。
【0040】以上、この実施の形態3にかかるロケット
エンジン噴射器64によれば、シャワータイプの噴射器
であっても上記実施の形態1と同様の効果を得ることが
できる。すなわち、ロケットエンジン噴射器の構造を簡
素化できると共にその重量を軽減することができる。ま
た、酸化剤および燃料の混合比を変化させることができ
る。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、この発明のロケッ
トエンジン噴射器(請求項1)では、燃料調整弁と酸化
剤調整弁とを噴射器内部に有するので、噴射器外部に燃
料および酸化剤の流量を調整するための弁を設ける必要
がない。このため、燃料および酸化剤の供給系統が複雑
になるのを避けられるから、ロケットエンジン噴射器の
簡素化および軽量化が可能になる。また、燃料調整弁ま
たは酸化剤調整弁の一方が全開のときに、他方の弁が未
だ調整可能な範囲に設定されているので、当該他方の弁
の開閉動作により、燃料および酸化剤の混合比を調整す
ることができる。
【0042】つぎに、この発明のロケットエンジン噴射
器(請求項2)では、燃料調整弁および酸化剤調整弁を
機械的に結合したので、当該両弁を一つのアクチュエー
タにより共動させることができる。このため、ロケット
エンジン噴射器の構造の簡素化および軽量化を図ること
ができる。また、燃料調整弁と酸化剤調整弁とを異なる
形状にしたので、両弁を共動しても前記各弁を通過する
燃料等の流量を異なった割合で変化させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1にかかるロケットエン
ジン噴射器の構成を示す断面図である。
【図2】酸化剤流入口の形状を示す説明図および酸化剤
の流入量と推薬調整棒の移動量との関係を示すグラフ図
である。
【図3】酸化剤および燃料の流入量と推薬調整棒の移動
量との関係を示すグラフ図である。
【図4】酸化剤流入口の形状を示す説明図および酸化剤
の流入量と推薬調整棒の移動量との関係を示すグラフ図
である。
【図5】この発明の実施の形態2にかかるロケットエン
ジン噴射器の構成を示す断面図である。
【図6】この発明の実施の形態3にかかるロケットエン
ジン噴射器の構成を示す断面図である。
【図7】従来におけるロケットエンジン・システムの一
例を示す構成図である。
【図8】図7に示した噴射器の噴射孔付近の構成を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 噴射器 2 酸化剤室 3 燃料室 4 推薬調整棒 5 燃料流入口 6 酸化剤流入口 7 噴射孔 8 隔壁

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼室内に噴射する燃料の流量を調整す
    る燃料調整弁と、燃焼室内に噴射する酸化剤の流量を調
    整する酸化剤調整弁とを内部に備え、 一方の弁が全開のとき、他方の弁が未だ調整可能な範囲
    にあるように設定し、当該他方の弁の開閉動作により燃
    料および酸化剤の混合比を調整するようにしたことを特
    徴とするロケットエンジン噴射器。
  2. 【請求項2】 燃焼室に推薬を噴射するロケットエンジ
    ン噴射器において、 燃料の流量を調整する燃料調整弁と、 酸化剤の流量を調整する酸化剤調整弁と、 を備え、 当該燃料調整弁と酸化剤調整弁との形状を異なるものに
    すると共に両者を機械的に結合して共動するようにした
    ことを特徴とするロケットエンジン噴射器。
JP11202337A 1999-07-15 1999-07-15 ロケットエンジン噴射器 Withdrawn JP2001027153A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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