JP2001026666A - 合成樹脂用有機添加剤を担持してなる無機フィラー及びその製造方法 - Google Patents

合成樹脂用有機添加剤を担持してなる無機フィラー及びその製造方法

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JP2001026666A
JP2001026666A JP19853099A JP19853099A JP2001026666A JP 2001026666 A JP2001026666 A JP 2001026666A JP 19853099 A JP19853099 A JP 19853099A JP 19853099 A JP19853099 A JP 19853099A JP 2001026666 A JP2001026666 A JP 2001026666A
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organic additive
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Yumiko Takase
祐美子 高瀬
Ryoji Ito
亮治 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 合成樹脂用の有機添加剤の凝集を防ぎ、有効
表面積を大きくした合成樹脂用有機添加剤担持無機フィ
ラーを提供すること。 【解決手段】 カチオンポリマーで表面処理された無機
フィラーの外表面の少なくとも一部が合成樹脂用有機添
加剤で被覆されており、かつ平均粒子径が3μm以下で
ある合成樹脂用有機添加剤担持無機フィラー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成樹脂の特性を
改良するために、通常、合成樹脂に添加される添加剤の
うち、有機添加剤を表面に担持した無機フィラー、及び
その製造方法に関するものである。
【従来の技術】合成樹脂組成物には、製造時及び使用時
に品質低下の抑制や防止、及びさらなる性能の向上など
のために、結晶核剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、光安定
剤などの種々の添加剤が使用されている。例えば、結晶
性合成樹脂は、加熱成形溶融成形後の結晶化速度が遅い
為、成形サイクル性が低く、また加熱成形後の結晶化の
進行によって収縮する問題があり、また、これらの結晶
性合成樹脂は大きな結晶が生成する為に強度が不十分で
あるとの問題がある。これらの問題は、合成樹脂の結晶
化度を高め、微細な結晶を急速に生成させることができ
れば解消でき、この目的で、結晶核剤や結晶化促進剤と
いった添加剤が使用されている。
【0002】これらの結晶核剤は平均粒子径0.01〜50μ
mのものが用いられているが、均一な分散と効果の均一
性とを図るために、さらに平均粒子径が10μm以下、特
に3μm以下の微粒子に粉砕され提供されている。しか
しながら、この場合でも粒子の凝集を完全に避けること
ができない。又、該微粒子が凝集すると、結晶核剤とし
ての性能を発揮できる有効表面積が減少し、結晶核剤と
しての効果が十分発揮されないことになる。又、有効面
積が減少することは、結晶核剤の使用量を多くしなけれ
ばならないとの問題もある。従って、結晶核剤を有効面
積が大きい形態で、かつ合成樹脂に添加できる形態とす
ることが望まれている。これらの問題は、結晶核剤だけ
でなく、抗酸化剤、紫外線吸収剤、光安定剤などの種々
の合成樹脂用添加剤についても同様である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、合成樹脂用
の有機添加剤の凝集を防ぎ、有効表面積を大きくした合
成樹脂用有機添加剤担持無機フィラーを提供することを
目的とする。本発明は、又、合成樹脂用有機添加剤担持
無機フィラーの効率的な製造方法を提供することを目的
とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、数ある無機フ
ィラーのなかから、カチオンポリマーで表面処理された
無機フィラーを選択し、この外表面に、合成樹脂用有機
添加剤を担持させると、極めて効率的に凝集を防ぎ、有
効表面積を増大させることができるとの知見に基づいて
なされたのである。すなわち、本発明は、カチオンポリ
マーで表面処理された無機フィラーの外表面の少なくと
も一部が合成樹脂用有機添加剤で被覆されており、かつ
平均粒子径が3μm以下であることを特徴とする合成樹
脂用有機添加剤担持無機フィラーを提供する。本発明
は、又、無機粉体を、ジアリルアミン塩及び/又はアル
キルジアリルアミン塩10〜99モル%と非イオン性ビ
ニルモノマー1〜90モル%とを構成単位とする水溶性
カチオン性コポリマー分散剤の存在下、水性媒体中で湿
式粉砕し、乾燥、次いで合成樹脂用有機添加剤含有溶液
で処理することを特徴とする合成樹脂用有機添加剤担持
無機フィラーの製造方法を提供する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明で用いる無機フィラーとし
ては、特開平7―300568号公報(特願平6−93
200号)に記載の重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カル
シウム、タルク、セリサイト、硫酸カルシウム、モンモ
リロナイト、ゼオライト、亜硫酸カルシウム、水酸化ア
ルミニウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、硫酸バリウ
ム、カオリンなどの各種無機物の一種又は二種以上の混
合物があげられる。これらのうち、炭酸カルシウムが好
ましく、より好ましくは重質炭酸カルシウムである。粒
径は3μ以下であるのが好ましく、より好ましくは平均
粒径0.3〜2μ程度、特に好ましくは平均粒径0.6〜1.
5μである。特開平7―300568号公報の記載内容
は、本出願の明細書の記載に含まれるものとする。
【0006】本発明では、これらの無機フィラーをカチ
オンポリマーで表面処理したものが使用される。ここ
で、カチオンポリマーとしては、分子内にアミン塩とな
りえるアミノ基や第4級アンモニウム基を有するポリマ
ーが好ましいものとしてあげる。これらのうち、特に水
溶性カチオンポリマーが好ましく、特に、分子内にアミ
ン塩となりえるアミノ基や第4級アンモニウム基を有す
るモノマーと、非イオン性ビニルモノマーとのコポリマ
ーが好ましく、水溶性カチオン性コポリマー分散剤を用
いるのが好ましい。ここで、アルキルジアリルアミン塩
としては、炭素数1〜8のアルキル基、好ましくは炭素
数1〜4のアルキル基を有するものがあげられる。又、
ジアリルアミン及びアルキルジアリルアミンの塩として
は、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸などの無機酸や有機酸との
塩があげられる。
【0007】又、水溶性カチオン性コポリマー分散剤構
成する非イオン性ビニルモノマーとしては、アクリルア
ミド、メタクリルアミド、N−ビニルピロリドン、(メ
タ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル、(メ
タ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エ
チルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステルなど
が挙げられる。これらのうちアクリルアミド及び/又は
メタクリルアミドが好ましい。また、カチオンモノマー
としては、ジアリルアミン塩及び/又はアルキルジアリ
ルアミン塩が好ましい。これらのカチオンモノマーと非
イオン性ビニルモノマーとのモル比は、任意とすること
ができるが、10/90〜99/1(モル比:以下同
じ)とするのがよく、好ましくは50/50〜99/
1、更に好ましくは80/20〜98/2である。該カ
チオン性コポリマー分散剤は、水溶性であるかぎり分子
量は特に限定されないが、その極限粘度は通常0.05〜
3.00、好ましくは0.10〜1.80、特に好ましくは0.
15〜0.70である。該カチオン性コポリマー分散剤
は、特開平5−263010号公報に記載の方法により
容易に製造することができる。
【0008】本発明では、無機物100重量部当り、カ
チオンポリマーを0.01〜1重量部添加するのが好まし
く、より好ましくは0.01〜0.7重量部である。本発明
で用いる合成樹脂用添加剤のうち、結晶核剤としては、
メチレンビス(2,4- ジメチルフェニル) ホスフェートナ
トリウム、メチレンビス(2,4- ジエチルフェニル) ホス
フェートナトリウム、メチレンビス(2,4- ジtBu-フェニ
ル) ホスフェートナトリウム、メチレンビス(2,4-ジt-
アミルフェニル)ホスフェートナトリウム、メチレンビ
ス(2,4-ジメチルフェニル)ホスフェートリチウム、メ
チレンビス(2,4-ジエチルフェニル)ホスフェートリチ
ウム、メチレンビス(2,4-ジtBu-フェニル)ホスフェー
トリチウム、メチレンビス(2,4-ジt-アミルフェニル)
ホスフェートリチウム、ビス(メチレンビス(2,4- ジメ
チルフェニル)ホスフェート)カルシウム、ビス(メチ
レンビス(2,4-ジエチルフェニル)ホスフェートカルシ
ウム、ビス(メチレンビス(2,4-ジtBu-フェニル)ホス
フェート)カルシウム、ビス(メチレンビス(2,4-ジt-
アルミフェニル)ホスフェート)カルシウム、ビス(メ
チレンビス(2,4-ジメチルフェニル)ホスフェート)亜
鉛、ビス(メチレンビス(2,4-ジエチルフェニル)ホス
フェート)亜鉛、ビス(メチレンビス(2,4-ジtBu-フェ
ニル)ホスフェート)亜鉛、ビス(メチレンビス(2,4-
ジt- アミルフェニル)ホスフェート)亜鉛、ヒドロキ
シビス(メチレンビス(2,4-ジメチルフェニル)ホスフ
ェート)アルミニウム、ヒドロキシビス(メチレンビス
(2,4-ジエチルフェニル)ホスフェート)アルミニウ
ム、ヒドロキシビス(メチレンビス(2,4-ジtBu-フェニ
ル)ホスフェート)アルミニウム、ヒドロキシビス(メ
チレンビス(2,4-ジt-アミルフェニル)ホスフェート)
アルミニウム、ジヒドロキシメチレンビス(2,4-ジメチ
ルフェニル)ホスフェートアルミニウム、ジヒドロキシ
メチレンビス(2,4-ジエチルフェニル)ホスフェートア
ルミニウム、ジヒドロキシメチレンビス(2,4-ジtBu-フ
ェニル)ホスフェートアルニウム、ジヒドロキシメチレ
ンビス(2,4-ジt-アミルフェニル)ホスフェートアルミ
ニウム、リン酸ビス(4-tBu-フェニル)ナトリウム、ヒ
ドロキシリン酸ビス(4-tBu-2,6-ジメチル- フェニル)
アルミニウム等の芳香属有機リン酸エステルの金属塩;
ビス(p-エチルベンジリデン)ソルビトール等のジベン
ジリデンソルビトール誘導体の一種又は二種以上の混合
物があげられる。
【0009】又、酸化防止剤としては、4 ,4 −ブチリ
デンビス(3- メチル-6-t- ブチルフェノール) 、 1,1,3
- トリス(2- メチル-4- ヒドロキシ-5-t- ブチルフェニ
ル)ブタン、1,3,5-トリメチル-2,4,6- トリス(3,5-ジ-
t- ブチル-4- ヒドロキシベンジル)ベンゼン、 1,3,5-
トリス(3',5'- ジ-t- ブチル-4'-ヒドロキシベンジル)
-S-トリアジン- 2,4,6-(1H,3H,5H)トリオン、10-(3,5-
ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシベンジル)- 9,10-ジヒドロ
-9- オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキサイド
の一種又は二種以上の混合物があげられる。又、紫外線
吸収剤としては、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-
ヒドロキシ-4- メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ
-4- オクトキシベンゾフェノン、5,5'- メチレンビス(2
- ヒドロキシ-4- メトキシベンゾフェノン) などの2-ヒ
ドロキシベンゾフェノン類;2-(2-ヒドロキシ-5- メチル
フェニル) ベンゾトリアゾール、2-(2- ヒドロキシ-5-
第三オクチルフェニル) ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒ
ドロキシ-3,5- ジ第三ブチルフェニル)-5-クロロベンゾ
トリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3- 第三ブチル-5- メ
チルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2- ヒ
ドロキシ-3,5- ジクミルフェニル) ベンゾトリアゾー
ル、2 ,2'- メチレンビス(4- 第三オクチル-6- ベンゾ
トリアゾリル) フェノール、2-(2- ヒドロキシ-3- 第三
ブチル-5- カルボキシフェニル) ベンゾトリアゾールの
ポリエチレングリコールエステルなどの2-(2- ヒドロキ
シフェニル) ベンゾトリアゾール類; フェニルサリシレ
ート、レゾルシノールモノベンゾエート、2 ,4-ジ第三
ブチルフェニル-3,5- ジ第三ブチル-4- ヒドロキシベン
ゾエート、ヘキサデシル-3,5- ジ第三ブチル-4- ヒドロ
キシベンゾエートなどのベンゾエート類;2- エチル-2'-
エトキシオキザニリド、2-エトキシ-4'-ドデシルオキザ
ニリドなどの置換オキザニリド類; エチル−α−シアノ
−β, β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シア
ノ−3−メチル−3−(p- メトキシフェニル)アクリ
レートなどのシアノアクリレート類などの一種又は二種
以上の混合物があげられる。
【0010】又、光安定剤としては、2,2,6,6-テトラメ
チル-4- ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6-ペンタメ
チル-4- ピペリジルステアレート、2,2,6,6-テトラメチ
ル-4- ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6- テトラ
メチル-4- ピペリジル) セバケート、ビス(1,2,2,6,6-
ペンタメチル-4- ピペリジル) セバケート、テトラキス
(2,2,6,6- テトラメチル-4- ピペリジル) ブタンテトラ
カルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6- ペンタメチ
ル-4- ピペリジル) ブタンテトラカルボキシレート、ビ
ス(1,2,2,6,6- ペンタメチル-4- ピペリジル) ジ(トリ
デシル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、ビス
(1,2,2,6,6- ペンタメチル-4- ピペリジル)-2-ブチル-2
-(3,5-ジ第三ブチル-4- ヒドロキシベンジル) マロネー
ト、1-(2- ヒドロキシエチル)-2,2,6,6-テトラメチル-4
- ピペリジノール/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6-ビ
ス(2,2,6,6- テトラメチル-4- ピペリジルアミノ) ヘキ
サン/ジプロモエタン重縮合物、1,6-ビス(2,2,6,6- テ
トラメチル-4- ピペリジルアミノ) ヘキサン/2,4-ジク
ロロ-6- モルホリノ-s- トリアジン重縮合物、1,6-ビス
(2,2,6,6- テトラメチル-4- ピペリジルアミノ) ヘキサ
ン/2,4-ジクロロ-6- 第三オクチルアミノ-s- トリアジ
ン重縮合物、1,5,8,12- テトラキス[2,4- ビス(N- ブ
チル -N- (2,2,6,6- テトラメチル-4- ピペリジル) ア
ミノ)-S-トリアジン-6- イル]-1,5,8,12- テトラアザド
デカン、1,5,8,12- テトラキス[2,4-ビス(N−ブチル
−N−(1,2,2,6,6- ペンタメチル-4- ピペリジル) アミ
ノ-S-トリアジン-6- イル]-1,5,8,12- テトラアザドデ
カン、1,6,11- トリス[2,4- ビス(N- ブチル -N-
(2,2,6,6- テトラメチル-4- ピペリジル) アミノ)-S-ト
リアジン-6- イルアミノ〕ウンデカン、1,6,11- トリス
[2,4- ビス(N- ブチル -N-(1,2,2,6,6-ペンタメチル
-4- ピペリジル) アミノ)-s-トリアジン-6- イルアミ
ノ] ウンデカンなどのヒンダードアミン化合物、〔2,2'
- チオビス(4-tert-オクチルフェノラート)〕-n- ブ
チルアミンニッケル等の一種又は二種以上の混合物があ
げられる。上記合成樹脂用添加剤としては、有機溶媒可
溶性のものが好ましい。従って、上記結晶核剤、抗酸化
剤、紫外線吸収剤、光安定剤以外の合成樹脂用添加剤も
有機溶媒可溶性であるかぎり、本発明で用いることがで
きる。ここで、有機溶媒としては、メタノール、エタノ
ール、アセトン、クロロホルム、ベンゼン、トルエンな
どを用いることがができるが、溶解度の高い溶媒を用い
ることが望ましい。
【0011】本発明では、カチオンポリマーで表面処理
された無機フィラー100重量部あたり、合成樹脂用添
加剤を0.1 〜70重量部担持させるのがよく、好ましく
は1〜30重量部、さらに望ましくは3〜10重量部であ
る。本発明の合成樹脂用有機添加剤を担持してなる無機
フィラーは、例えば、次の方法で製造することができ
る。 (1)乾燥する前のカチオンポリマーで表面処理された
無機フィラーのスラリーに、有機溶媒に溶解した合成樹
脂用添加剤を添加し、混合攪拌、次いで乾燥し、解砕、
分級する方法。ここで、乾燥後の解砕工程や分級工程は
省略することもできる。 (2)カチオンポリマーで表面処理された無機フィラー
に有機溶媒に溶解した合成樹脂用添加剤または、合成樹
脂用添加剤のみを添加し、次いでヘンシェルミキサーや
リボンミキサーをもちいて、無機フィラー表面に合成樹
脂用添加剤をコートする方法。
【0012】これらの製造方法のうち、(2)の方法が
好ましく、有機溶媒に溶解した合成樹脂用添加剤を混合
操作中にスプレーコーティングでき、溶媒回収ができる
ものが望ましい。例えば、大川原製作所製のリボコーン
などを用いるのが好ましい。しかし、合成樹脂用添加剤
の融点が低い場合においては粉体または、スラリーを融
点より高い温度に保持し、無機フィラーに対して混合攪
拌してもよい。ここで、上記カチオンポリマーで表面処
理された無機フィラーとしては、無機粉体を、ジアリル
アミン塩及び/又はアルキルジアリルアミン塩10〜9
9モル%と非イオン性ビニルモノマー1〜90モル%と
を構成単位とする水溶性カチオン性コポリマー分散剤の
存在下、水性媒体中で湿式粉砕し、乾燥して製造するの
が好ましい。上記カチオンポリマーで表面処理された無
機フィラーを製造する前に、使用する無機物を、直ちに
湿式粉砕することができるが、湿式粉砕に先立って、予
め乾式粉砕しておくのがよい。この際、無機物の粒径を
40mm以下、好ましくは平均粒径を2mm〜2μ程度に粉
砕しておくのがよい。
【0013】次いで上記カチオン性コポリマー分散剤の
存在下で無機物を湿式粉砕する。具体的には、無機物/
水性媒体(好ましくは水)との重量比が70/30〜3
0/70、好ましくは60/40〜40/60の範囲と
なるように無機物に水性媒体を加え、ここにカチオン性
コポリマー分散剤を固形分として、無機物100重量部
当り0.01〜1重量部、好ましくは0.01〜0.7重量部
添加し、常法により湿式粉砕する。又は、上記範囲の量
となるカチオン性コポリマー分散剤を予め溶解してなる
水性媒体を無機物と混合し、常法により湿式粉砕する。
湿式粉砕は、バッチ式でも連続式でもよく、サンドミ
ル、アトライター、ボールミルなどの粉砕媒体を使用し
たミルなどが使用するのが好ましい。このように湿式粉
砕することにより、平均粒径が2μm 以下、好ましくは
平均粒径1〜0.3μm のものが得られる。次いで、湿式
粉砕品を乾燥するが、乾燥前に、分級工程を設けて、3
50メッシュオンといった祖粉を除くことができる。
【0014】乾燥は、熱風乾燥、粉噴乾燥など公知の方
法により行うことができるが、媒体流動乾燥により行な
うのが好ましい。媒体流動乾燥は、乾燥塔内で熱風によ
り流動化状態にある媒体粒子群(流動層)にスラリー状
物質を供給し、供給されたスラリー状物質は、活発に流
動化している媒体粒子の表面に膜状に付着しながら流動
層内に分散され、熱風による乾燥作用を受けることによ
り各種物質を乾燥する方法である。このような媒体流動
乾燥は、例えば、株式会社 奈良機械製作所製の媒体流
動乾燥装置、メディア スラリー ドライヤーなどを用
いて容易に行うことができる。この媒体流動乾燥を用い
ると乾燥と凝集粒子の一次粒子化が同時に行われるので
好ましい。上記方法により得られた湿式粉砕スラリーを
媒体流動乾燥すると、祖粉量が極めて少ない無機微粉体
が得られる。しかしながら、媒体流動乾燥後、所望の方
法で粒子の粉砕と分級とを行うことができる。
【0015】一方、媒体流動乾燥の代わりに、通常の熱
風乾燥により湿式粉砕品を乾燥した場合には、得られた
ケーキをさらに所望の方法で粒子の粉砕と分級とを行う
のがよい。上記方法により得られた湿式粉砕品の乾燥ケ
ーキは、潰れ易く、容易に無機微粉体を得ることができ
る。従って、乾燥ケーキを粉砕することなく、製品とす
ることができる。次いで、上記(1)又は(2)の方法
により、カチオンポリマーで表面処理された無機フィラ
ーを合成樹脂用有機添加剤含有溶液で処理することによ
り、合成樹脂用有機添加剤担持無機フィラーを得る。こ
こで、合成樹脂用有機添加剤担持無機フィラーとして
は、平均粒径が3μ以下であるのが好ましくは、より好
ましくは平均粒径0.6〜2μである。
【0016】本発明の合成樹脂用有機添加剤担持無機フ
ィラーにおける合成樹脂用有機添加剤の融点が、対象と
する合成樹脂の加工温度より高い場合は、合成樹脂用有
機添加剤を単独で用いた場合には、加工中に合成樹脂用
有機添加剤が合成樹脂中に溶融拡散しない為、本発明の
合成樹脂用有機添加剤担持無機フィラーは合成樹脂での
微分散に寄与できる。また、紫外線吸収剤のように適当
にポリマー中で拡散し、移動することにより、消失した
UVAを補充することが要求される場合、本発明の合成
樹脂用有機添加剤担持無機フィラーは担持した紫外線吸
収剤等の徐放性に寄与できる。以下本発明を実施例によ
って具体的に説明するが本発明は実施例によって限定さ
れるものではない。
【0017】
【実施例】実施例1 カチオンポリマーで表面処理された無機フィラーの調
製:平均粒子径8μmの重質炭酸カルシウム(乾式粉砕
品)を水と重量比40/60になる様に加え、モノマー
としてジアリルアミン塩酸塩(60%)500部とアク
リルアミド(40%)200部を用い、特開平7−30
0568号公報の参考例1に記載の方法で合成したカチ
オンポリマー(F−2X:サンノプコ社製)を重質炭酸
カルシウム100重量部にたいして0.06重量部加え、
テーブル式アトライター型媒体攪拌ミルを用いて、直径
1.2mm のガラスビーズ充填率170%、周速10m/sec
で湿式粉砕した。次いで350メッシュのスクリーンを
通して分級した。次いで得られたスラリーをスラリード
ライヤー(大川原製作所製)で乾燥し、カチオンポリマ
ーで表面処理された無機フィラーを得た。
【0018】一方、合成樹脂用添加剤である結晶核剤:
メチレンビス(2,4-ジ-tBu- フェニル)ホスフェートナ
トリウム(アデカスタブNA−11SF:旭電化
(株))をメタノール100重量部に対し50重量部を
加えて溶解した。ついで、上記の方法で得たカチオンポ
リマーで表面処理された無機フィラー100重量部に、
上記の方法で調製した結晶核剤のメタノール溶液24重
量部を加え、ヘンシェルミキサーで混合攪拌を行い、次
いで溶媒を除去し、本発明の結晶核剤担持無機フィラー
を得た。この結晶核剤担持無機フィラーにおける結晶核
剤の担持量は、7.4重量%で平均粒子径が1.197μ
m、最大粒子径が7.778μm、比表面積が5.934 m
2/ccであった。ここで、結晶核剤の担持量はTG−DT
A(セイコー電子工業(株))を用いて求めた。又、粒
度分布を日機装社製:Microtrac X-100 で測定し、図1
に示した。尚、本明細書でいう平均粒子径とはMicrotra
c X-100 で測定した粒度分布測定曲線の50重量%の粒
子径である。最大粒子径は累積値100%の粒子径であ
り、また、比表面積(m2/cc)はMicrotrac X-100 で測定
した粒度分布データから粒子を球と仮定し、計算により
求めた値である。
【0019】実施例2 カチオンポリマーの使用量を0.25重量部とし、かつカ
チオンポリマーで表面処理された無機フィラーの添加量
を30重量部とした以外は、実施例1と同様の方法によ
り、結晶核剤担持無機フィラーを調製した。この結晶核
剤担持無機フィラーの特性を実施例1と同様の方法で測
定したところ、結晶核剤の担持量は、8.6重量%で平均
粒子径が0.891μm、最大粒子径が3.889μm、比
表面積が8.531 m2/ccであった。粒度分布を図1に示
す。
【0020】実施例3 カチオンポリマーで表面処理された無機フィラーの調
製:平均粒子径8μmの重質炭酸カルシウム(乾式粉砕
品)とシリカ(NS-P:日本シリカ工業(株))を水と重
量比37/3/60になる様に加え、実施例1で用いた
のと同じカチオンポリマー(F−2X:サンノプコ社
製)を重質炭酸カルシウム100重量部にたいして0.57
重量部加え、テーブル式アトライター型媒体攪拌ミルを
用いて、直径1.2mm のガラスビーズ充填率170%、周速1
0m/sec で湿式粉砕した。次いで350メッシュのスク
リーンを通して分級し、スラリーを得た。このようにし
て調製したカチオンポリマーで表面処理された無機フィ
ラー100重量部に、実施例1で用いたのと同じ結晶核剤
のメタノール溶液25重量部を添加し、攪拌機(回転
数:1500rpm )を用い、混合した後105 ℃の温風乾燥機
内で乾燥した。次いでパルパライザーにより解砕し、結
晶核剤担持無機フィラーを調製した。この結晶核剤担持
無機フィラーの特性を実施例1と同様の方法で測定した
ところ、結晶核剤担持無機フィラーにおける結晶核剤の
担持量は、17重量%で平均粒子径が2.208μm、最
大粒子径が37.0μm、比表面積が3.673 m2/ccであ
った。粒度分布を図1に示す。
【0021】比較例1 メチレンビス(2,4-ジ-tBu- フェニル)ホスフェートナ
トリウム(アデカスタブNA−11:旭電化(株))自
体をそのまま用いる。特性を実施例1と同様の方法で測
定したところ、平均粒子径は9.455 μm、最大粒子径が
135.7μm、比表面積は0.916m2/ccであった。粒度分
布を図1に示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1〜3で得られた結晶核剤担持無機フ
ィラーの粒度分布及び比較例1の結晶核剤自体の粒度分
布を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09C 3/10 C09C 3/10 Fターム(参考) 4G076 AA16 AA24 AA26 AC04 BC08 BF06 CA26 CA28 DA02 4J002 CM011 DE106 DE146 DE236 DG046 DG056 DJ006 DJ036 DJ046 DJ056 FD016 GT00 4J037 AA10 AA17 AA27 CB04 CB08 CB11 CB19 CB22 CC16 CC29 DD05 DD24 EE04 EE08 EE28 EE29 EE35 EE43 FF15

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カチオンポリマーで表面処理された無機
    フィラーの外表面の少なくとも一部が合成樹脂用有機添
    加剤で被覆されており、かつ平均粒子径が3μm以下で
    あることを特徴とする合成樹脂用有機添加剤担持無機フ
    ィラー。
  2. 【請求項2】 合成樹脂用有機添加剤が、結晶核剤であ
    る請求項1記載の合成樹脂用有機添加剤担持無機フィラ
    ー。
  3. 【請求項3】 無機フィラーが重質炭酸カルシウムであ
    る請求項1記載の合成樹脂用有機添加剤担持無機フィラ
    ー。
  4. 【請求項4】 無機粉体を、ジアリルアミン塩及び/又
    はアルキルジアリルアミン塩10〜99モル%と非イオ
    ン性ビニルモノマー1〜90モル%とを構成単位とする
    水溶性カチオン性コポリマー分散剤の存在下、水性媒体
    中で湿式粉砕し、乾燥、次いで合成樹脂用有機添加剤含
    有溶液で処理することを特徴とする合成樹脂用有機添加
    剤担持無機フィラーの製造方法。
  5. 【請求項5】 無機フィラーが重質炭酸カルシウムであ
    る請求項4記載の方法。
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