JP2001025773A - 多孔質膜及びそれを用いた銀溶出方法 - Google Patents
多孔質膜及びそれを用いた銀溶出方法Info
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Abstract
を長期間にわたって安定的に溶出させ水等の流体に殺菌
性を付与することのできる、多孔質膜および銀溶出方法
を提供すること。 【解決手段】多孔質膜の少なくとも流体と接触する面
に、硫化銀6を担持する。
Description
溶出させ抗菌作用を付与する多孔質膜および銀溶出方法
に関するものである。
や家庭用途で様々な多孔質膜が使用されている。多孔質
膜とは、一定以上の粒子を捕捉し、更に流体の通過を可
能とするものを指し、例えば濾紙、不織布、糸巻きフィ
ルター、更に三菱レイヨン(株)製中空糸膜EHF膜等
があげられる。従来の多孔質膜は、濾過そのものを主な
用途としており、水に抗菌性を付与するためには別途、
紫外線、熱、オゾン等により抗菌する抗菌手段を設ける
必要があった。
て、銀を溶出させることが有効である。たとえば、銀容
器や銅容器に溜めた水は、長時間保存しても腐らない
(細菌が繁殖しない)ことは古来よりよく知られてい
る。このような銀の有する抗菌作用を利用した技術とし
て、活性炭の表面に銀化合物または金属銀を表面に添着
した銀添着活性炭が知られており、具体例として、たと
えばクラレケミカル(株)製粒状活性炭T−Sシリーズ
をあげることができる。
は、塩化銀等を添着させた活性炭と、比較的孔径の大き
い(0.5〜1μm)膜フィルタとを併用する構成が開
示されている。これにより、1μmを超える大きさの細
菌等は膜フィルタにより除去され、1μm以下の細菌等
は溶出した銀イオンにより不活性化されるため、単位時
間当りの浄水吐出量を多くしつつ衛生的な浄水を供給す
ることができるとされている。
活性炭を使用した場合には、銀の溶出は活性炭に添着さ
れた銀化合物または金属銀の溶解度に依存したものとな
り、銀の溶出量は一般に低い上、経時的に溶出量が変動
しやすかった。特に、水との接触時間により溶出量は大
きく変動し、溶出量を制御することは非常に困難であっ
た。さらに、活性炭表面には種々の物質が吸着するた
め、長期にわたって繰り返し浄水した場合に銀と水との
接触面積が減少し、銀の溶出量が減少することがあっ
た。また、銀添着活性炭近傍では絶えず銀が溶出するこ
とにより抗菌性が付与されるものの、銀添着活性炭以降
の流路の水に抗菌性を付与することは困難であった。
れた浄水器も上述した銀添着活性炭の課題を有してお
り、特に、水の流量による銀の溶出量の変動、および、
長期使用時における銀溶出量の安定性に関し、なお改善
の余地を有していた。
って、水等との接触時間にかかわらず一定の銀イオンを
長期間にわたって安定的に溶出させ水等の流体に抗菌性
を付与することのできる、多孔質膜および銀溶出方法を
提供することを目的とする。
明によれば、流体を通過させることが可能な多孔質膜で
あって、該多孔質膜の少なくとも流体と接触する面に難
溶性銀化合物が担持されてなることを特徴とする多孔質
膜が提供される。
たは酸化剤を含む水を通水し、銀を水中に溶出すること
を特徴とする銀溶出方法が提供される。
触する面に難溶性銀化合物が担持されている。難溶性銀
化合物は、水等の流体との接触だけでは溶出することは
なく、酸または酸化剤を含む流体と接触した場合に化学
反応を起こして銀が溶出する。このような機構により銀
が溶出するため、銀化合物の溶解度に依存する銀添着活
性炭を用いた従来技術と比べ、所望の濃度の銀イオンを
制御性良く溶出させることができ、特に、水等の流体と
の接触時間にかかわらず一定の銀イオンを溶出させるこ
とができる。流体に含まれる酸または酸化剤の量や難溶
性銀化合物の量の調整により、銀の溶出量を容易に制御
できるからである。なお、反応により酸または酸化剤が
消費され消滅した場合にはそれ以上銀は溶出しないた
め、酸または酸化剤の濃度の調節により必要以上の銀の
溶出を防ぐこともできる。
性銀化合物が担持されているため、表面吸着性を有する
活性炭に添着した場合と異なり、長期間にわたって安定
的に所望濃度の銀を溶出させることができる。また、多
孔質膜として中空糸膜を使用することにより、水等の流
体と膜との接触面積が大きくなり、より効率的に銀を溶
出させることができる。
等の流体を濾過することができるものであればよく、例
えば、一般に糸巻きフィルターと呼ばれる毛糸状の糸を
ボビンに巻きつけてなるフィルターや、ウォータージェ
ット法、ニードルパンチ法、抄紙法等により製造される
不織布、更に、湿式紡糸法、溶融紡糸延伸法等により製
造される多孔質の平膜や中空糸膜が一例としてあげられ
る。又、難溶性銀化合物の担持方法は、通水により難溶
性銀化合物が脱落することのない方法であればよく、例
えば、抄紙法により製造される不織布の場合には、スラ
リー状の原料に難溶性銀化合物を分散させ抄紙を行う事
により難溶性銀化合物を担持させることができ、又、湿
式紡糸法、溶融紡糸延伸法等により製造される多孔質の
平膜や中空糸膜の場合にも原料に難溶性銀化合物を分散
させ多孔質膜を製造することにより難溶性銀化合物を担
持させることができる。又、その他には、バインダーを
含んだ溶液中に難溶性銀化合物を分散させ、溶液に多孔
質膜を浸漬乾燥させる方法や、多孔質膜の表面で化学反
応により難溶性銀化合物を生成させる方法等があげられ
る。なお多孔質膜の孔径は特に制限がなく、用途に応じ
て適宜設定することができる。
の流体へ溶解しにくい銀化合物をいい、好ましい例とし
て硫化銀を挙げることができる。たとえば硫化銀は、水
への溶解度が6.15×10-13g/L(25℃)と水
にほとんど不溶である。従って硫化銀は水等の流体との
接触だけではほとんど溶出せず、酸または酸化剤を含む
水等の流体と接触することによりはじめて溶出する。一
方、塩化銀は水に対する溶解度が高く(1.93×10
-3g/L(25℃))、水中に長時間滞留した場合、次
亜塩素酸等の酸化剤の有無に関わらず高濃度に溶解して
しまいやすい。以上のことから、難溶性銀化合物として
は、硫化銀を用いることが好ましい。
例えば硝酸、塩酸、硫酸、次亜塩素酸、過酸化水素水等
を挙げることができるが、危険性、反応性等を考慮した
場合、次亜塩素酸を用いることが好ましい。
させるために難溶性銀化合物に接触する手前で水中に適
宜酸または酸化剤を添加する必要があるが、予め抗菌の
ため次亜塩素酸を添加してある水道水に銀を溶出させる
場合には酸または酸化剤を改めて添加する必要がない。
この場合、銀の溶出とともに、次亜塩素酸は分解される
ので、次亜塩素酸の臭いや皮膚刺激性を軽減または無く
すこともできる。
する。
製)円状の吐出口を有する中空糸製造用ノズルに、硫化
銀粉末とポリエチレン(三井化学(株)Hizex22
0J)を供給し、吐出温度170℃、巻き取り速度12
0m/minで紡糸した。
%延伸し、引き続き110℃に加熱された加熱炉中で熱
延伸倍率550%になるまで熱延伸を行って、硫化銀粒
子6を含む難溶性銀化合物担持多孔質中空糸膜を得た
(図2)。
した難溶性銀化合物担持多孔質中空糸膜を使用した中空
糸膜モジュールの概略図である。水の入口1及び水の出
口2を有する容器3内にはポッティング材4により中空
部を開口した状態で支持固定された多数本の硫化銀担持
多孔質中空糸膜5が配設されてなる。
入り口から、次亜塩素酸濃度を1.0ppmに調整した
調整水を0.5、1.0、2.0リットル/minで通
水し、水の出口から導出された処理水に含まれる銀濃度
をICP発光分光分析法により測定した。上記調整水
は、実際に使用されている水道水と同程度の次亜塩素酸
濃度となっている。なお、ICP発光分光分析装置の検
出限界は6ppbであった。結果を表1に示す。
ールの水の入り口から、次亜塩素酸を含まない水を0.
5、1.0、2.0リットル/minで通水し、水の出
口から導出された処理水に含まれる銀濃度をICP発光
分光分析法により測定した。このときICP発光分光分
析装置の検出限界は6ppbであった。結果を表1に示
す。
亜塩素酸濃度を1.0ppmに調整した調整水(実験
1)では、水流量に関係なく30ppb以上の銀を溶出
させることができた。次亜塩素酸濃度を含まない調整水
(実験2)では、銀の溶出量はICP発光分光分析装置
の検出限界である6ppb以下であった。
条件で積算流量1000リットルまで通水し、積算流量
100リットル毎に処理水をサンプリングし銀濃度を測
定したところ、銀溶出濃度の変動は小さく、安定的に3
0〜40ppbの範囲の銀が溶出されることが確認され
た。
孔質中空糸膜は、水道水の浄水に用いた場合、水の流量
に関わらず、また、長期間にわたって安定的に、一定濃
度の銀が溶出されることがわかった。
は、多孔質膜の流体と接触する面に難溶性銀化合物が担
持されているため、所望の濃度の銀イオンを比較的長期
間にわたって安定的に溶出させ、特に、水との接触時間
にかかわらず一定の銀イオンを溶出させ、これにより水
等の流体に抗菌性を効果的に付与することができる。
を用いるため、流量に関係なく、銀の濃度を安定して溶
出することができる。
の概略図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 流体を通過させることが可能な多孔質膜
であって、該多孔質膜の少なくとも流体と接触する面に
難溶性銀化合物が担持されてなることを特徴とする多孔
質膜。 - 【請求項2】 前記多孔質膜が中空糸膜であることを特
徴とする請求項1に記載の多孔質膜。 - 【請求項3】 難溶性銀化合物が硫化銀であることを特
徴とする請求項1または2に記載の多孔質膜。 - 【請求項4】 請求項1乃至3いずれかに記載の多孔質
膜を用い、該浄水用多孔質膜に酸または酸化剤を含む水
を通水し、銀を水中に溶出することを特徴とする銀溶出
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11200219A JP2001025773A (ja) | 1999-07-14 | 1999-07-14 | 多孔質膜及びそれを用いた銀溶出方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11200219A JP2001025773A (ja) | 1999-07-14 | 1999-07-14 | 多孔質膜及びそれを用いた銀溶出方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001025773A true JP2001025773A (ja) | 2001-01-30 |
Family
ID=16420799
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11200219A Pending JP2001025773A (ja) | 1999-07-14 | 1999-07-14 | 多孔質膜及びそれを用いた銀溶出方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001025773A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6652751B1 (en) * | 1999-04-27 | 2003-11-25 | National Research Council Of Canada | Intrinsically bacteriostatic membranes and systems for water purification |
WO2011092987A1 (ja) * | 2010-01-26 | 2011-08-04 | パナソニック電工株式会社 | 浄水装置 |
CN102309927A (zh) * | 2011-07-18 | 2012-01-11 | 济南大学 | 抑菌性聚醚砜中空纤维超滤膜及其制备方法 |
-
1999
- 1999-07-14 JP JP11200219A patent/JP2001025773A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6652751B1 (en) * | 1999-04-27 | 2003-11-25 | National Research Council Of Canada | Intrinsically bacteriostatic membranes and systems for water purification |
WO2011092987A1 (ja) * | 2010-01-26 | 2011-08-04 | パナソニック電工株式会社 | 浄水装置 |
CN102309927A (zh) * | 2011-07-18 | 2012-01-11 | 济南大学 | 抑菌性聚醚砜中空纤维超滤膜及其制备方法 |
CN102309927B (zh) * | 2011-07-18 | 2014-04-30 | 济南大学 | 抑菌性聚醚砜中空纤维超滤膜及其制备方法 |
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