JP2001025400A - 生細胞の細胞質内標的核酸を検出する方法 - Google Patents

生細胞の細胞質内標的核酸を検出する方法

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JP2001025400A JP11373904A JP37390499A JP2001025400A JP 2001025400 A JP2001025400 A JP 2001025400A JP 11373904 A JP11373904 A JP 11373904A JP 37390499 A JP37390499 A JP 37390499A JP 2001025400 A JP2001025400 A JP 2001025400A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生細胞の細胞質内標的核酸を検出する。 【解決手段】 細胞質内に標的核酸が存在する生細胞の
細胞質に、核膜透過阻害分子がリンカーを介して結合さ
れ、さらに前記標的核酸にハイブリダイズ可能な塩基配
列を有する、蛍光色素で標識された検出用プローブを導
入し、該標的核酸と前記プローブとのハイブリッド体形
成に基づく前記蛍光色素の蛍光変化を測定することによ
り、前記標的核酸を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生細胞の細胞質内
に存在する標的核酸を検出する方法に関する。さらに詳
しくは、本発明は、蛍光色素で標識されたプローブを用
いて、生細胞の細胞質内に存在する標的核酸をハイブリ
ダイゼーションにより検出する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】特定の塩基配列を有する核酸(以下、標
的核酸という)を検出するための方法の1つとしてハイ
ブリダイズ法が知られている。この方法では、検出用プ
ローブとして該標的核酸とハイブリダイズ可能な塩基配
列を有するオリゴヌクレオチドプローブを用いてハイブ
リッド体を形成し、該ハイブリッド体を種々の検出方法
を用いて検出することにより標的核酸の検出を行う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ハイブリダイズ法は、以下のような問題点があるため、
生細胞において細胞質内の標的核酸を検出するために用
いることが難しい。すなわち、細胞質内へ導入された検
出用プローブはすみやかに細胞核内へ移動してしまうの
で、細胞質内に存在する標的核酸とハイブリッド体を形
成させることが困難であることと、細胞質内へ導入され
た検出用プローブ(または検出用プローブと標的核酸と
のハイブリッド体)が細胞質内に存在する種々の核酸分
解酵素によりすみやかに分解され検出することが困難で
あることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、特定の構造
を有する検出用プローブが、生細胞の細胞質内へ導入さ
れてもすみやかに細胞核内へ移動せず、また核酸分解酵
素により容易に分解されないことを見出し本発明を完成
した。すなわち、特定の構造を有する検出用プローブを
細胞質内に導入することにより、該プローブが細胞核内
へは容易に移動せず、また核酸分解酵素により容易に分
解もされずに細胞質内に存在する標的核酸とハイブリッ
ド体を形成し、さらに該ハイブリッド体が核酸分解酵素
による分解を受けることなく検出可能となる。従って、
このような検出用プローブを用いると、生細胞の細胞質
内に存在する標的核酸を検出する方法(以下、本発明の
検出方法という)が達成される。
【0005】換言すれば、本発明の検出方法で用いる検
出用プローブは、標的核酸の特定の塩基配列とハイブリ
ダイズ可能な塩基配列を有するオリゴヌクレオチドプロ
ーブであって、核膜孔を通じる細胞核内への移動およ
び、好ましくは核酸分解酵素による分解を阻害する分子
を有し、さらに、標的核酸とのハイブリッド体のみを検
出可能とするための蛍光標識を有することを特徴とする
ものである。
【0006】また、本発明の検出方法で用いる好ましい
検出用プローブは、標的核酸とのハイブリッド体のみを
検出可能とするため、蛍光共鳴エネルギー移動(以下、
FRETともいう)を生じるようにエネルギードナー蛍
光色素(以下、ドナー蛍光色素、または単にドナーとも
いう)およびエネルギーアクセプター蛍光色素(以下、
アクセプター蛍光色素、または単にアクセプターともい
う)を結合した2種類のオリゴヌクレオチドプローブか
らなる1組のプローブであり、かつそれぞれのプローブ
が標的核酸と隣接してハイブリダイズしてハイブリッド
体を形成することが可能な塩基配列を有するオリゴヌク
レオチドプローブである。
【0007】すなわち、本発明は、かかる特定の構造を
有する検出用プローブを用いることを特徴とするもので
あり、本発明に従えば、以下の検出方法が提供される。
【0008】生細胞の細胞質内に存在する標的核酸を検
出する方法であって、前記細胞質に、核膜透過阻害分子
がリンカーを介して結合され、さらに前記標的核酸にハ
イブリダイズ可能な塩基配列を有する、蛍光色素で標識
された検出用プローブを導入し、該標的核酸と前記プロ
ーブとのハイブリッド体を形成させ、さらに前記ハイブ
リッド体形成に基づく前記蛍光色素の蛍光変化を測定す
ることを特徴とする前記検出方法。
【0009】さらに、本発明は、前記検出用プローブ
が、第1のプローブおよび第2のプローブからなり、前
記第1のプローブと、前記第2のプローブとは、前記標
的核酸に互いに隣接してハイブリダイズ可能な塩基配列
を有し、該第1のプローブがエネルギードナー蛍光色素
で標識され、そして該第2のプローブがエネルギーアク
セプター蛍光色素で標識され、前記蛍光色素の蛍光変化
が、該第1のプローブの蛍光色素から該第2のプローブ
の蛍光色素への蛍光共鳴エネルギー移動であることを特
徴とする、上記生細胞の細胞質内に存在する標的核酸を
検出する方法を提供する。
【0010】また、核膜透過阻害分子としては、好まし
くは核膜孔の通過を阻害する十分な大きさを有するタン
パク質、糖、ビーズ、および金属粒子からなる群より選
ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、上記検
出方法を提供する。特に好ましくは、タンパク質として
ストレプトアビジン、アビジンが含まれる。また、糖と
してデキストランが含まれる。
【0011】上記の検出方法において、検出用プローブ
がさらにリンカーを介して該検出用プローブに結合され
た核酸分解酵素阻害分子を有していてもよい。ここで、
前記核酸分解酵素阻害分子が核膜透過阻害分子と同一で
あることが好ましい。これは、本発明に用いられる核膜
透過阻害分子が核酸分解酵素阻害分子としての機能を備
え持つことを意味する。
【0012】核酸分解酵素阻害分子としては、好ましく
は核酸分解酵素による分解反応を立体障害により阻害す
るタンパク質、糖、ビーズ、金属粒子からなる群より選
ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、上記検
出方法を提供する。特に好ましくは、タンパク質として
ストレプトアビジン、アビジンが含まれる。また、糖と
してデキストランが含まれる。
【0013】上記の検出方法において、好ましくは検出
用プローブが10乃至20塩基からなるオリゴヌクレオ
チドである。
【0014】さらに、上記の検出方法において、好まし
くは検出されるべき標的核酸がメッセンジャーRNA
(mRNA)である。
【0015】以下、本発明を実施の形態に即して詳細に
説明する。
【0016】
【発明の実施の形態】(本発明の検出方法の概要)本発
明の検出方法の一例として、生細胞内で特定の種類のm
RNAを可視化して検出するための好ましい手順を以下
説明する。
【0017】まず、図1で模式的に示したように、検出
用の2種類のプローブを用意し、これらを混合して一組
として使用する。各プロ−ブは、1.標的mRNAにハ
イブリダイズするオリゴヌクレオチド、2.細胞内にお
いて、核膜を透過しない大きさをもつ分子、3.両者を
つなぐリンカー、の3つにより構成されるものとする。
第1のプローブと第2のプローブを構成する各オリゴヌ
クレオチドの塩基配列は、2つのプローブが検出対象の
mRNAの特定の部位に互いに隣接してハイブリダイズ
することが可能な塩基配列とする。
【0018】一般に、mRNAはそれ自体で複雑な立体
構造をとっていると考えられる。このため、オリゴヌク
レオチドがmRNAのある部位と相補的な塩基配列を有
していても、その部位で立体構造的にハイブリダイゼー
ションに障害が生じることがある。従って、オリゴヌク
レオチドが標的mRNAにハイブリダイズするmRNA
上の部位を選択する必要がある。特定部位の選択法は例
えば、以下のようにして可能である。まず、mRNAの
2次構造をシミュレーションする。これは例えば、DI
NsisなどのRNAの2次構造予測用の市販のコンピ
ュータープログラムを使用することにより可能である。
得られた2次構造図のなかで、RNAが一本鎖構造(ル
ープ)をとっている部位を中心に30−40塩基の部位
を選択する。その部位を2つに分割し(各15−20塩
基)、それぞれの部位に相補的な塩基配列をもつオリゴ
ヌクレオチドを合成する。これら2つの断片を第1およ
び第2のオリゴヌクレオチドとする。
【0019】さらに、第1および第2のオリゴヌクレオ
チドをそれぞれ異なる種類の蛍光色素で標識する。これ
らの2種類の蛍光色素は、お互いが適当な距離に存在す
ると(8nm以下)FRETをおこす組み合わせとする
(一方の色素をドナー、他方をアクセプターと表記す
る)。それぞれの蛍光色素のオリゴヌクレオチド上の標
識位置は、2種類のプローブと標的mRNAの3者がハ
イブリッド体を形成したときに、2種類の蛍光色素がF
RETをおこす距離に位置するような立体構造をとる位
置とする。実際には、ハイブリッド体において2つの蛍
光色素が20塩基以内の距離に位置するときにこの条件
を満たすが、より具体的には2−4塩基とすればFRE
Tが効率よく起こることがモデル実験から確かめられて
いる。一般的なFRETの解説については、Lakowicz,
J.R.“Principles of Fluorescence Spectroscopy”
(1983),Plenum Press,New Yorkを参照。
【0020】このようにして合成した第1および第2の
蛍光標識オリゴヌクレオチドを混合して蛍光スペクトル
を測定する。次に、標的mRNAをこの溶液に添加し
て、蛍光スペクトルの変化を観察する。これら3者でハ
イブリッド体が形成されれば2種類の蛍光色素間でFR
ETがおこり、その結果、ドナーの蛍光強度が減少し、
アクセプターの蛍光強度が増大した蛍光スペクトルが得
られる。
【0021】mRNAの2次構造図上で選択した何種類
かの各部位について上記の作業を行い、蛍光スペクトル
変化量を比較して、スペクトル変化量の大きい部位を選
択することが好ましい。上記の測定に使用するmRNA
は、対応するcDNAを組み込んだプラスミドDNAを
用いてインビトロ転写反応により合成することができ
る。
【0022】また、各部位の標的mRNAへのハイブリ
ダイゼーションの効率を正確に評価するためには、各蛍
光標識オリゴヌクレオチドと標的mRNAを水溶液中で
混合し反応させた後、高速液体クロマトグラフィ−によ
り、mRNAとハイブリダイズしたオリゴヌクレオチド
とハイブリダイズしなかったオリゴヌクレオチドとを分
離する。それぞれのピークの蛍光強度の面積比より、ハ
イブリダイズしたオリゴヌクレオチドの比率を求める。
【0023】また、生細胞の中での各オリゴヌクレオチ
ドの標的mRNAへのハイブリダイゼーションの確認・
評価を、in situ 転写法により行うことも可能である。
すなわち、生細胞に前記蛍光標識オリゴヌクレオチドを
取り込ませる。これは例えば、細胞を培養している培地
中に蛍光標識オリゴヌクレオチドを添加してしかるべき
時間インキュベートすることにより可能である。その
後、細胞を固定処理する。固定処理した細胞に対して、
該オリゴヌクレオチドの位置をプライマーの起点として
逆転写反応を行う。該オリゴヌクレオチドが標的mRN
Aにハイブリダイズしていれば、反応がおこり、標的m
RNAに対するcDNAが生産される。そこで合成され
たcDNAを検出する。
【0024】次に、それぞれのオリゴヌクレオチドにリ
ンカ−を介して核膜を透過しない大きさを有する分子を
結合させる。例えば、核膜を透過しない大きさを有する
分子としてタンパク質の一種であるストレプトアビジン
を使用し、リンカーとしてオリゴヌクレオチドを使用す
ることが可能である。このときには、標的mRNAとハ
イブリダイズさせる部位の蛍光標識オリゴヌクレオチド
と、リンカーとしての機能をもたせるオリゴヌクレオチ
ドを一つのオリゴヌクレオチドとして合成することが好
ましい。オリゴヌクレオチドの一端にビオチンを結合さ
せる。蛍光色素およびビオチンで標識されたオリゴヌク
レオチドをストレプトアビジンと水溶液中で混合して、
両者を結合させる。ストレプトアビジンはビオチンへの
結合に対して4価であるため、1分子のストレプトアビ
ジンに複数分子の蛍光標識オリゴヌクレオチドが結合す
ることを防ぐために、混合比はストレプトアビジンを過
剰とする。実際的にはモル比で、オリゴヌクレオチド:
ストレプトアビジン=1:4程度が望ましい。また、ド
ナープローブおよびアクセプタープローブをともにスト
レプトアビジンと結合させた形態として使用するため、
同一のストレプトアビジン分子にドナーオリゴヌクレオ
チドとアクセプターオリゴヌクレオチドの両者が結合す
ることは避けなければならない(両者が結合するとFR
ETがおこる)。オリゴヌクレオチドとストレプトアビ
ジンとの結合反応は、ドナーオリゴヌクレオチド、アク
セプターオリゴヌクレオチドそれぞれについてストレプ
トアビジン過剰の条件で行い、すべてのオリゴヌクレオ
チドをストレプトアビジンに結合させる。すなわち、ス
トレプトアビジンと予め混合したドナーオリゴヌクレオ
チドがストレプトアビジンと予め混合したアクセプター
オリゴヌクレオチドと混合されるとき、遊離の(自由
な)オリゴヌクレオチドは存在しない。
【0025】リンカーの長さは、細胞内での前記プロー
ブの標的mRNAへのハイブリダイゼーションが効率よ
くおこるように立体障害の緩和が有効におこればよい。
実際的には20塩基以下が望ましい。リンカ−部の塩基
配列については特に制限はないが、標的mRNAの他の
部位へのハイブリダイゼ−ションあるいは他の種類のm
RNAへのハイブダイゼーションがおこる可能性のある
配列は避ける。また、リンカ−部の骨格はS−オリゴ
(デオキシスルフォネート オリゴヌクレオチド)など
ヌクレアーゼ耐性が高いものを用いてもよい。
【0026】作製した2種類のプローブを混合し、細胞
内に導入する。例えば、マイクロインジェクションによ
り細胞質にプローブを注入する。
【0027】細胞の蛍光像を測定する。細胞の蛍光像は
通常の落射型蛍光顕微鏡で観察する。励起フィルター、
ダイクロイックミラー、蛍光用フィルターをそれぞれド
ナー色素、アクセプタ−色素の波長に適切にセットする
ことにより、ドナープローブの細胞内での分布、アクセ
プタープローブの細胞内での分布、およびそれらの時間
変化を観察することが可能である。細胞は顕微鏡のステ
ージ上でインキュベートする。必要に応じて培養液を循
環させるなどの方法により温度などを制御する。
【0028】細胞内でのFRETの測定は、2つの波長
域での蛍光強度の比率を求めることにより行うことが可
能である。すなわち、細胞内のある任意の位置における
FRETの効率を求めるときには、その位置における、
ドナー色素の励起波長域の光を細胞に照射したときのド
ナーの蛍光波長域における蛍光強度(Id値)とアクセ
プターの蛍光波長域における蛍光強度(Ia値)を測定
し、Id値とIa値の比率(Ia/Id)を求めればよ
い。Ia/Idの値はFRETの効率をあらわす。
【0029】2つの波長域での蛍光像、すなわち、ドナ
ー色素の励起波長域の光を細胞に照射してドナーの蛍光
波長域において撮像した蛍光像(以下、DD像という)
とアクセプターの蛍光波長域において撮像した蛍光像
(以下、DA像という)を取得すれば、DD像とDA像
とで画像間の割り算を行った像(DA/DD像、以下
「比画像」ともいう)を得ることにより、細胞内でのF
RETのイメージングが可能となる。図面において、特
記のない場合、蛍光像は比画像を表わす。
【0030】また、細胞内でのFRETの測定は、蛍光
の時間分解測定によっても可能である。すなわち、ドナ
ー色素の励起波長域の光を細胞にパルス的に照射し、ド
ナーの蛍光波長域またはアクセプターの蛍光波長域にお
ける蛍光強度の減衰カーブを測定する。FRETがおき
るとドナーの蛍光減衰は速くなり、アクセプターの蛍光
減衰は遅くなる。顕微鏡下での蛍光減衰の速さの測定
は、例えば、時間ゲート機能付きのカメラを使用して、
蛍光減衰がおきている時間内に2つの測定時間域を設定
し、各時間域での蛍光強度を測定してその蛍光強度比を
求めることにより行うことができる。時間分解測定によ
り、ハイブリッド体形成を有効に検出するときには、使
用する蛍光標識オリゴヌクレオチドは特許PCT/JP97/034
38に開示されている条件を満たすものを使用すればよ
い。
【0031】以下、本発明の検出方法をさらに、詳細に
説明する。
【0032】(標的核酸)本発明の検出方法を用いて検
出可能な細胞質内核酸の種類には特に制限はなく、従来
のハイブリダイズ法で検出可能なすべての種類の核酸、
またはその誘導体を含むものである。具体的には、DN
A、RNAが挙げられる。特に、前記RNAにはmRN
Aが含まれる。
【0033】さらに、本発明の検出方法を用いて検出可
能な標的核酸の有する構造にも特に制限はなく、従来の
ハイブリダイズ法が適用可能な構造を一部に有するもの
であればよい。すなわち、標的核酸の少なくとも一部の
塩基配列が知られているものである。また、塩基配列が
知られていない標的核酸についても、通常公知の種々の
塩基配列決定方法を用いて一部若しくは全部の塩基配列
を容易に決定することができる。かかる塩基配列に対し
て以下説明する検出用プローブが相補的にハイブリダイ
ズする。該塩基配列の塩基数には特に制限はなく、従来
のハイブリダイズ法で知られている条件を参照して容易
に選択することが可能である。
【0034】また、本発明の検出方法で検出可能な標的
核酸は、検出用プローブを細胞質内へ導入した際にすで
に細胞質内に存在するものに限定されない。検出用プロ
ーブを細胞質内へ導入した後に、細胞質内で生成され、
存在する核酸も検出可能である。
【0035】(検出用プローブ)本発明の検出方法で使
用可能な検出用プローブは少なくとも以下の特徴を有す
る。すなわち、(1)従来のハイブリダイズ法と同様に、
標的核酸の少なくとも一部の塩基配列とハイブリダイズ
可能な塩基配列を有するオリゴヌクレオチド構造である
こと、(2)標的核酸とハイブリダイズして形成されるハ
イブリッド体のみを検出可能な標識分子を有すること、
(3)細胞核膜孔の透過を阻害する核膜透過阻害分子を有
すること、さらに好ましくは(4)核酸分解酵素による分
解反応を阻害する核酸分解酵素阻害分子を有することで
ある。従って、上記の特徴を有するオリゴヌクレオチド
プローブであれば特に制限なく使用可能である。以下、
これらの特徴をより詳しく説明する。
【0036】(1)オリゴヌクレオチド構造 (a)上で説明した標的核酸の少なくとも一部の塩基配
列とハイブリダイズ可能な塩基配列の種類、また塩基数
については特に制限はなく、通常のハイブリダイズ法で
用いられる条件が好ましく適用できる。標的核酸の特定
の塩基配列に基づいてそれらと相補的な塩基配列を選択
することは容易である。さらに、ハイブリダイズ条件に
より上記相補性についても適宜選択することが可能であ
る。
【0037】本発明の検出用プローブにおいては、試料
の温度や試料中に存在する標的核酸の濃度等により最適
のハイブリダイズ条件を設定し、それに基づいて塩基数
を選択すればよい。例えば、オリゴヌクレオチドプロー
ブと標的RNAとで形成されるハイブリッド体の融点
は、プローブの塩基数が増すほど上昇する。室温では、
プローブの塩基数が15あれば十分に高い効率でハイブ
リッド体が形成されるが、37℃ではハイブリッドの形
成率は低い。従って、37℃で検出を行うためには20
塩基以上の長さをもつオリゴヌクレオチドをプローブと
して使用することが望ましい。一方、オリゴヌクレオチ
ドプローブの塩基数が長くなるほど、標的RNAとハイ
ブリッドを形成する反応速度は遅くなる。例えば、室温
において、20塩基のDNAプローブと標的RNAとの
ハイブリダイゼーション反応が終了するのに要する時間
は、15塩基のDNAプローブを使用したときと比べて
数倍長い。これらの要件から、使用するオリゴヌクレオ
チドプローブの塩基数は、10−50塩基の範囲である
ことが好ましく、より好ましくは15−20塩基の範囲
である。かかる範囲より塩基数が少ない場合は十分安定
なハイブリッド体を形成することが困難となり、またか
かる範囲より多い場合には検出用プローブの調製、安定
性、ハイブリッド形成に要する時間の点で問題となる場
合がある。また、検出用プローブと標的RNAとの塩基
配列の相補性については、最も好ましくは完全な相補性
を有する配列である。塩基配列が一部相補性をもたない
検出用オリゴヌクレオチドプローブは、標的RNAとの
ハイブリッド体の融点が完全相補性のものよりも下が
る。
【0038】(b)、(a)で説明した塩基配列を有す
るオリゴヌクレオチド構造を有する検出用プローブの他
の構造についても特に制限はない。
【0039】(c)検出用プローブは、必要ならば標的
核酸の複数の位置でハイブリッド体を形成するように使
用することも可能である。例えば標的核酸の末端付近の
位置、中間付近の位置、若しくは他の末端付近の位置等
である。
【0040】(2)標識分子 本発明の検出方法は、標的核酸と検出用プローブとのハ
イブリッド体を検出することにより細胞質内の標的核酸
を検出するものである。また、本発明においては、特に
生細胞の細胞質内に存在する標的核酸を検出可能とする
ものであることから、生成するハイブリッド体を分離す
ることなく、ハイブリッド体のみ検出可能とすることが
好ましい。従って、ハイブリッド体を検出するための標
識分子は、標的核酸に隣接してハイブリッドすることに
よりのみ生じる現象を利用したものであることが好まし
い。かかる現象については特に制限はなく、従来公知の
種々の現象が利用できる。特に本発明においては、高い
検出感度、および容易な測定手段等の観点から蛍光現象
を利用することが好ましい。具体的には、ハイブリッド
することによりのみ生じる蛍光現象として、FRETの
現象を利用したものであることが好ましい。かかる蛍光
による標識は1組の一本鎖のオリゴヌクレオチドプロー
ブに、エネルギードナー蛍光色素と、エネルギーアクセ
プター蛍光色素を標識することにより可能となる。ここ
でFRETが可能なドナー分子と、アクセプター分子と
しては特に制限されないが、すでに知られた蛍光色素の
組み合わせを適宜選択することは当業者にとり容易であ
る。具体的には、ドナーとしてはBodipy系(4,4-difluo
ro-4-bora-3a,4a-diaza-S-indacene, Molecular Probes
Inc.)、フルオレセイン系、ローダミン系の蛍光色素が
挙げられ、またアクセプターとしてはインドシアニン
系、ローダミン系が挙げられる。特に本発明において好
ましく使用可能なドナー/アクセプター分子の組み合わ
せとしては、Bodipy系/インドシアニン系が挙げられ
る。特に、好ましい個別の蛍光色素は、ドナーとしてBo
dipy493/503であり、アクセプターとしてCy5である。こ
れは前者の蛍光スペクトルと後者の蛍光スペクトルが波
長の上で、ほぼ分離されているからである。
【0041】(3)核膜透過阻害分子 上記(2)で説明した検出用プローブは、細胞内で容易
に細胞核膜孔を通じて細胞核内へ透過することを阻害す
る分子を有する。特に、拡散による核膜孔透過を阻害す
る分子として、核膜孔のサイズに基づいて十分大きな分
子を選択することができる。さらに、核膜透過阻害分子
の構成成分についても特に制限はなく、種々の生体成
分、合成成分が使用可能である。生体成分または生体成
分に基づくものとしては、たんぱく質、デキストランが
挙げられ、また合成成分としては、種々の成分からなる
ビーズ、金属粒子(例えば、金コロイド)が挙げられ
る。
【0042】また、核膜透過阻害分子を(1)で説明し
たオリゴヌクレオチドに結合する方法についても特に制
限はなく、通常公知の結合方法が適用可能である。例え
ば核膜透過阻害分子としてたんぱく質を選択する場合に
は該タンパク質内のアミノ酸残基(アミノ基、カルボン
酸基等)との反応により結合することが好ましい。ま
た、アビジンやストレプトアビジンとビオチンとの特異
的結合を利用してもよい。すなわち、オリゴヌクレオチ
ドの一端若しくは鎖内にビオチンを取り込ませたものを
合成し、これとアビジンまたはストレプトアビジンを混
合させる。この操作によりビオチンを含むオリゴヌクレ
オチドとアビジンまたはストレプトアビジンが結合す
る。ビオチンを含むオリゴヌクレオチドはDNA合成機
で容易に合成することが可能である。さらに、適当な長
さのリンカーを介して核膜透過阻害分子をオリゴヌクレ
オチドに結合する。かかるリンカーとしてはオリゴヌク
レオチド誘導体、オリゴペプチドが挙げられる。
【0043】(4)核酸分解酵素阻害分子 (2)説明した検出用プローブは、核酸分解酵素による
分解反応を阻害する核酸分解酵素阻害分子を有するが好
ましい。前記阻害作用については特に制限はないが、本
発明においては特に基質の立体障害に基づき酵素の基質
結合サイトへの基質の接近を阻害するような分子が好適
に使用される。さらに、核酸分解酵素阻害分子の構成成
分についても特に制限はなく、種々の生体成分、合成成
分が使用可能である。生体成分または生体成分に基づく
ものとしては、たんぱく質、デキストランが挙げられ、
また合成成分としては、種々の成分からなるビーズ、金
属粒子(例えば、金コロイド)が挙げられる。
【0044】また、核酸分解酵素阻害分子を(1)で説
明したオリゴヌクレオチドに結合する方法についても特
に制限はなく、通常公知の結合方法が適用可能である。
例えば、核酸分解酵素阻害分子としてたんぱく質を選択
する場合には該たんぱく質内のァミノ酸残基(アミノ
基、カルボン酸基等)との反応により結合することが好
ましい。また、アビジンやストレプトアビジンとビオチ
ンとの特異的結合を利用してもよい。すなわち、オリゴ
ヌクレオチドの一端もしくは鎖内にビオチンを取り込ま
せたものを合成し、これとアビジンまたはストレプトア
ビジンを混合させる。この操作によりビオチンを含むオ
リゴヌクレオチドとアビジンまたはストレプトアビジン
が結合する。ビオチンを含むオリゴヌクレオチドはDN
A合成機で容易に合成することが可能である。さらに、
必要な場合、適当な長さのリンカーを介して結合しても
よい。かかるリンカーとしてはオリゴヌクレオチド誘導
体、オリゴペプチドが挙げられる。また、ここでオリゴ
ヌクレオチドにはD−オリゴ(デオキシオリゴヌクレオ
チド)、S−オリゴが含まれる。
【0045】さらに、本発明においては特に、上で説明
した核膜透過阻害分子が同時に核酸分解酵素阻害分子で
もあることが好ましい。すなわち、核膜透過阻害分子が
検出用プローブの細胞核膜孔透過を阻害すると同時に、
検出用プローブ自体または検出用プローブと標的核酸と
のハイブリッド体の酵素による分解を阻害するものであ
る。かかる場合、これらの2つの阻害作用が有効に作用
する核膜透過阻害分子(同時に核酸分解酵素阻害分子)
は適当な種類、長さのリンカーを有することが好まし
い。リンカーの種類としては、具体的にはオリゴヌクレ
オチド、オリゴペプチドが挙げられ、特にオリゴヌクレ
オチドが好ましい。また、リンカーの長さがあまり長い
と酵素反応を阻害する立体障害を生じないことから、約
20塩基より短いことが好ましい。一方、あまりにリン
カーが短い場合には、その立体障害により標的核酸と安
定なハイブリッド体形成が阻害されることとなる。従っ
て、好ましいリンカーの種類および長さは、立体分子模
型、分子モデル計算プログラム等から適宜選択すること
が可能である。
【0046】(検出方法)本発明の検出方法の一つの好
適な実施の形態に従えば、上で説明した検出用プローブ
を細胞質内へ導入し、標的核酸とハイブリダイズさせて
ハイブリッド体を形成した際、プローブに結合したドナ
ー蛍光色素の励起光を照射することにより生じるFRE
Tに基づくアクセプター蛍光色素からの蛍光を観測す
る。すなわち、ハイブリッド体を形成していない検出用
プローブのドナー蛍光色素も同時に励起されるが、ハイ
ブリッド体を形成していない検出用プローブのアクセプ
ター蛍光色素との間ではFRETが生じないため、アク
セプター蛍光色素からの蛍光は観測されない。従って、
アクセプター蛍光色素からの蛍光は、ハイブリッド体の
存在を意味し、また、標的核酸の存在をも意味すること
となる。
【0047】さらに、本発明の検出方法に使用される検
出装置には特に制限はなく、ドナー蛍光色素を励起し、
かつアクセプター蛍光色素の蛍光を測定できるものであ
ればよい。具体的には蛍光顕微鏡の使用が挙げられる。
また、測定方法としても特に制限されず、蛍光強度測定
に基づく方法、または時間分解測定に基づく方法が挙げ
られる。
【0048】また、検出用プローブの細胞質内への導入
方法についても特に制限はなく公知の導入方法が使用可
能である。具体的にはマイクロインジェクション、リポ
フェクトアミン等のトランスフェクション試薬を担体と
した導入方法が挙げられる。
【0049】以下、実際にヒトc-fos遺伝子のmRNA
をCos7細胞において検出した実施例に基づいて本発
明の検出方法をさらに詳細に説明するが、本発明はこの
実施例に制限されることはない。ここで、蛍光色素は、
ドナーとしてBodipy493/503を、またアクセプターとし
てCy5の組み合わせを使用した。
【0050】
【実施例】(製造例1)蛍光標識オリゴデオキシヌクレ
オチドプローブの作製 1.c-fos mRNAの2次構造予測 DNASISデータベース(日立ソフトエアーエンジニ
アリング)からヒトc-fos cDNAの塩基配列を検索した。
その塩基配列に、ポリAテールを付加して、c-fos mRNA
の配列とした。この配列に対してDNASISソフトウ
エアー(日立ソフトエアーエンジニアリング)を用い
て、c-fos mRNAの2次構造のシミュレーションを行っ
た。得られた2次構造図において、ループ構造(一本鎖
構造)をとっている領域を4か所選択し、それぞれの領
域についてループ構造を含む40 merの部位を選択した。
これらは、それぞれ塩基番号206−245、657−
696、898−937、1659−1698の部位で
ある。
【0051】2.オリゴデオキシヌクレオチドの合成 選択した4か所の部位について、それぞれを20 merの2
つの領域に分割し、それぞれの配列に相補的な塩基配列
をもつオリゴデオキシヌクレオチド(オリゴDNA)を
合成した。 D1:206−225に相補的な配列をもつオリゴDN
A 5'−XGAACATCATCGTGGCGGTTA−
3' A1:226−245に相補的な配列をもつオリゴDN
A 5'−TAGTCTGCGTTGAAGCYCCGA−
3 ' D2:657−676に相補的な配列をもつオリゴDN
A 5'−XTCTAGTTGGTCTGTCTCCGC−
3' A2:677−696に相補的な配列をもつオリゴDN
A 5'−GCAAAGCAGACTTCTCYATCT−
3' D3:898−917に相補的な配列をもつオリゴDN
A 5'−XTCCGGGGTGGCAACCTCTGG−
3' A3:918−937に相補的な配列をもつオリゴDN
A 5'−GGGTGAAGGCCTCCTCYAGAC−
3' D4:1659−1678に相補的な配列をもつオリゴ
DNA 5'−XAAGGACTAAGGAGAAAGAGA−
3' A4:1679−1698に相補的な配列をもつオリゴ
DNA 5'−AGATTAGTTAATGCTAYTGAG−
3'
【0052】これらのオリゴDNAの合成は、Perkin E
lmer社:モデル394、またはPerspective社:Expepti
de Model 8909を使用して、ベータシアノエチルアミダ
イト法に従い合成した。ここで、「X」は、6−(トリ
フルオロアセチルアミノ)ヘキシル−(2−シアノエチ
ル)−(N、N−ジイソプロピル)−ホスホロアミダイ
ト(TFAcヘキサノールアミンリンカー、パーキンエ
ルマージャパン:CatNo.400808)を、「Y」は、Uni-Li
nk AminoModifier(CLONTECH, Code No.CL5190-1)を
表す。
【0053】得られた粗生成物をDEAE−HPLCで
分析し、主成分を分取した。保持時間は20−30分で
あった。さらに、分取液を脱塩の後、凍結乾燥した。 DEAE−HPLC(陰イオン交換)条件: 溶媒A:0.2M HCOONH4,20%CH3CN 溶媒B:1.0M HCOONH4,20%CH3CN カラム:TSK−gelDEAE−2WS:4.6x2
50mm(東ソー) 流量:0.8ml/min 温度:40℃ Bグラジエント:35−85%(20min)
【0054】3.オリゴデオキシヌクレオチドの蛍光標
識 3−1.Bodipy493/503の標識 D1、D2、D3、D4のオリゴDNAの「X」にそれ
ぞれ蛍光色素Bodipy493/503を以下の方法で結合した。
N−ヒドロキシサルフォサクシニミドナトリウム塩2.
5mgを30μlの滅菌水に、1−エチル−3−(3−
ジメチルアミノプロピル)−カルボジミドヒドロクロラ
イド5mgを50μlの滅菌水にそれぞれ溶解した。Bo
dipy493/503プロピオン酸(Molecular Probes)1mg
を50μlDMFに溶解したものを混合し、室温で30
分間反応させた。得られた溶液を、乾固したオリゴDN
Aを0.5M NaHCO3/Na2HCO3緩衝液(pH
9.0)300μlに溶解したものと混合し、遮光して
一晩反応させた。反応液をゲルろ過し、未反応の色素を
除去した。逆相−HPLCで分析し、25−35分のピ
ークを分取した。 逆相−HPLC条件 溶媒A:0.05M TEAA(triethylammonium aceta
te),5%CH3CN 溶媒B:0.05M TEAA,40%CH3CN カラム:CAPCELLPAKC186x250mm
(資生堂) 流量:1.0ml/min 温度:40℃ Bグラジエント30−80%(20分)
【0055】これらは凍結乾燥して保存した。使用直前
にDEPC(diethyl pyrocarbonate)水に溶解させた
後、1xSSC溶液に希釈して吸収スペクトルを測定し
た。260nmの吸収値と504nmの吸収値の比率よ
り、Bodipy493/503の標識率(Bodipy493/503/オリゴD
NA)を求めた。Bodipy493/503/オリゴDNA=0.8
−0.9(モル比)であった。
【0056】得られたBodipy493/503標識オリゴDNA
はそれぞれ以下のものである。 D1F:5'−(Bodipy493/503)GAACATCATCGT
GGCGGTTA−3' D2F:5'−(Bodipy493/503)TCTAGTTGGTCT
GTCTCCGC−3' D3F:5'−(Bodipy493/503)TCCGGGGTGGCA
ACCTCTGG−3' D4F:5'−(Bodipy493/503)AAGGACTAAGGA
GAAAGAGA−3'
【0057】3−2.Cy5の標識 A1、A2、A3、A4のオリゴDNAの「Y」に、C
y5を以下の方法で結合した。FluoroLink Cy5 Mono Re
active Dye (Amersham Pharmacia Biotech)を滅菌水1
00μlに溶解し、これを200μlの0.5M NaH
CO3/Na2HCO3緩衝液(pH9.0)に溶解させた
オリゴDNAと混合して、遮光して一晩反応させた。反
応液をゲルろ過して未反応のCy5を除いた後、逆相−
HPLCで分析し、20−25分のピークを分取した。 逆相−HPLC条件 溶媒A:0.05M TEAA,5%CH3CN 溶媒B:0.05M TEAA,40%CH3CN カラム:CAPCELLPAKC186x250mm
(資生堂) 流量:1.0ml/min 温度:40℃ Bグラジエント15−65%(20分)
【0058】これらは凍結乾燥して保存した。使用直前
にDEPC水に溶解させた後、1xSS緩衝液に希釈し
て吸収スペクトルを測定した。260nmの吸収値と6
49nmの吸収値の比率より、Cy5の標識率(Cy5
/オリゴDNA)を求めた。Cy5/オリゴDNA=
0.9−1.0(モル比)であった。
【0059】得られたCy5標識オリゴDNAはそれぞ
れ以下のものである。 A1F:5'−TAGTCTGCGTTGAAGC(Cy
5)CCGA−3' A2F:5'−GCAAAGCAGACTTCTC (C
y5)ATCT−3' A3F:5'−GGGTGAAGGCCTCCTC (C
y5)AGAC−3' A4F:5'−AGATTAGTTAATGCTA (C
y5)TGAG−3'
【0060】(製造例2)c-fos RNAの合成 c-fos RNAをin vitro転写反応により合成した。ヒトc-f
os DNAを、c-fosの全長cDNAが組み込まれたpSPTプラス
ミド(pSPT-cFos)として、理研ジーンバンクより入手
した。このpSPT-cFosを制限酵素EcoRIで処理してc-fos
DNA(2.1 kb)を切り出した。次に、このc-fos DNAフラ
グメントをpBluescript KII(+)プラスミド(Strategen
e)のEcoRIサイトに組み込んだプラスミド(pBluescrip
t-cFos)を作製した。pBlue-cFosを制限酵素SmaIで処理
して線状化し、in vitro転写反応の鋳型とした。in vit
ro転写反応は、T3 MEGAscript キット(Ambion)を使用
し、T3RNAポリメラーゼを作動させることにより行っ
た。反応液をフェノール/クロロフォルムにより脱タン
パク質処理して、合成されたRNAを抽出した後、エタ
ノールで沈殿させて回収した。
【0061】(実施例1)溶液中における蛍光標識プロ
ーブのc-fos RNAへのハイブリダイゼーションのアッセ
イ 1.蛍光標識オリゴDNAプローブ(蛍光標識プロー
ブ) c-fos mRNAの2次構造予測図においてループ構造(一本
鎖構造)をとっている部位に対する蛍光標識プローブと
して、D1FとA1F、D2FとA2F、D3FとA3
F、D4FとA4F、をそれぞれ一対として使用した。
これらは、それぞれ、c-fos mRNAの206−225の部
位(D1F)と226−245の部位(A1F)、65
7−676の部位(D2F)と677−696の部位
(A2F)、898−917の部位(D3F)と918
−937の部位(A3F)、1659−1678の部位
(D4F)と1679−1698の部位(A4F)、に
相補的な塩基配列をもち、ドナープローブ(Bodipy493/
503標識オリゴDNA)とアクセプタープローブ(Cy
5標識オリゴDNA)とc-fos RNAの3者でハイブリッ
ド体が形成されたとき、Bodipy493/503とCy5がそれ
ぞれ結合しているヌクレオチドの間に4ヌクレオチドが
存在する形態をとる。
【0062】2.蛍光スペクトルの測定 D1FとA1Fをそれぞれ1x10-6Mの濃度で1xS
SC緩衝液中で混合し、蛍光スペクトルを測定した。F
4500分光蛍光光度計(日立)を使用し、480nm
で励起し、500nmから750nmの範囲で蛍光スペ
クトルの測定を行った。
【0063】得られたスペクトルは、514nm付近に
ピークをもつものである。これは、Bodipy493/503の蛍
光のピークに相当する。Cy5の蛍光があらわれる65
0−700nmには、蛍光はほとんどない。これにc-fo
s RNAを1x10-6Mとなるように加えた(D1F:A
1F:c-fos RNA=1:1:1(モル比))。室温で1
5分反応させた後、蛍光スペクトルを測定した。同様の
実験をD2FとA2F、D3FとA3F、D4FとA4
F、をそれぞれ使用して行った。D2FとA2Fの組の
蛍光標識プローブを使用したときは、c-fos RNAを加え
ることによりスペクトルに大きな変化があらわれた。す
なわち、514nmのピーク(Bodipy493/503の蛍光)
が減少し668nmにピークをもつ蛍光(Cy5の蛍
光)が新たにあらわれた。668nmの蛍光強度と51
4nmの蛍光強度の比率は、プローブのみのときが0.
015、c-fos RNAを加えたときが0.55であった。同
様の変化は、D1FとA1Fを使用したときにも観察さ
れたが変化量は少なかった。また、D3FとA3F、D
4FとA4Fを使用したときには、c-fos RNAを加えて
もスペクトルにほとんど変化はおこらなかった。これら
の結果を次の表に示す。
【0064】
【表1】 c-fos RNAの添加後におけるBodipy493/503の蛍光の減少
とCy5の蛍光の増大は、2種類の蛍光標識プローブが
c-fos RNAにハイブリダイズし、Bodipy493/503からCy
5にFRETがおきたことを示している。これらの結果
にもとづき、c-fos RNAにハイブリダイズさせる領域と
して、657−696の部位(プローブ:D2F/A2
F)を選択した。
【0065】3.HPLCによるc-fos RNAと蛍光標識
プローブとのハイブリダイゼーションの確認 次に、D2FおよびA2Fがc-fos RNAとハイブリダイ
ズすることを確認するために、それぞれの蛍光標識プロ
ーブをc-fos RNAと1xSSC溶液中で混合した後、高
速液体クロマトグラフィー(HPLC)によりc-fos RN
Aとハイブリダイズしたプローブとハイブリダイズして
いない遊離のプローブを分離する実験を行った。D2F
またはA2Fとc-fos RNAを、1xSSC(pH7.
0)溶液中でモル比1:1で混合し(各2μM)室温で
20分間放置した後、イオン交換カラムを用いた高速液
体クロマトグラフィー(HPLC)で分析した。
【0066】カラム:DEAE−NPR(東ソー) 温度:25℃ 流速:1ml/min 移動相:10mM Tris−HClpH9.5、1mM
EDTA グラデイエント:NaCl、0.3−1M(10分) 検出:紫外吸収(260nm) 蛍光検出:励起475nm/蛍光515nm 励起650nm/蛍光667nm
【0067】遊離のプローブは3.5−4分に、c-fos R
NAは6.9−7.1分に溶出する。D2Fの溶出パターン
をBodipy493/503の蛍光により測定すると、遊離のオリ
ゴDNAの位置とc-fos RNAの位置にピークが観察され
た。ピークの面積積分値より、c-fos RNAと共溶出され
たD2Fプローブの比率は76%であった。また、A2
Fの溶出パターンを同様にしてCy5の蛍光により求め
たところ、43%がc-fos RNAの位置に溶出した。これ
らの結果から、各プローブとc-fos RNAとをモル比1:
1、室温で混合したときに、D2Fの76%、A2Fの
43%がc-fos RNAとハイブリダイズすることがわかっ
た。
【0068】4.ハイブリダイゼーションに及ぼすプロ
ーブの鎖長の影響 ハイブリダイゼーション(37℃)に対する蛍光標識プ
ローブの鎖長の影響を調べた。20merであるD2F
とA2Fの一組、および15merであるc-fos mRNAの
662−676の部位(D5F)と677−691の部
位(A5F)に相補的な塩基配列をもつドナープローブ
(Bodipy493/503標識オリゴDNA)とアクセプタープ
ローブ(Cy5標識オリゴDNA)をそれぞれ一対とし
て使用した。
【0069】使用した蛍光標識オリゴDNAは以下のも
のである。合成・精製は上記の方法により行った。 D5F:5'−(Bodipy493/503)TCTAGTTGGTC
TGTC−3' A5F:5'−GCAGACTTCTC (Cy5)ATC
T−3' D2FとA2Fの組をそれぞれ1x10-6Mの濃度で1
xSSC緩衝液中で混合し、蛍光スペクトルを測定し
た。これにc−fos RNAを1x10-6Mとなるように加え
た(D2F:A2F:c−fos RNA=1:1:1モル
比)。同様の実験をD5FとA5Fの組を使用して行っ
た。さらに、37℃でこれらのハイブリダイゼーション
試験を繰り返した。すべての場合、5−15分の間にハ
イブリダイゼーションが完了した。室温における15分
後の蛍光スペクトルの変化は、D2FとA2Fを使用し
たときのほうがD5FとA5Fを使用したときより大き
かった。結果を表2に示す。
【0070】前述のとおり、668nmの蛍光強度(I
(668))と514nmの蛍光強度(I(514))
の比率をとると、これは蛍光標識プローブが標的核酸
(c−fos RNA)にハイブリダイズする割合を表す。プロ
ーブのハイブリダイズする割合は、D2FとA2Fを使
用したときのほうがD5FとA5Fを使用したときより
大きかった。また、温度を室温から37℃まで上昇させ
ると、ハイブリダイズの割合は、両方の場合共に減少し
た。しかしながら、減少率はD2FとA2Fの場合、比
較的少なかったのに比して、D5FとA5Fの場合甚だ
しかった。従って、哺乳類の生細胞でハイブリダイゼー
ションプローブとして用いるには、20merがより好
ましいことがわかった。
【0071】
【表2】
【0072】(実施例2)細胞における蛍光標識プロー
ブのc-fos mRNAへのハイブリダイゼーションのアッセイ 1.蛍光標識プローブの細胞へのインジェクションによ
る導入と蛍光顕微鏡による観察 D2FプローブとA2Fプローブを滅菌水中で各1x1
-5Mの濃度になるように混合し、この2種類の蛍光標
識プローブの混合液をCos7細胞にマイクロインジェ
クションで導入した。
【0073】底面にカバーグラスを貼り付けたデイッシ
ュ(P35G-0-14-C, MatTek Corp.)にCos7細胞をプ
レーテイングした半日後の細胞を実験に使用した。実験
直前に、培養液を取り除き、HBSS溶液で3回洗浄し
た後、倒立型落斜蛍光顕微鏡で観察した。顕微鏡ステー
ジ上での細胞の温度制御は、37℃のHBSS液を還流
させることにより行った。 顕微鏡:カール・ツアイス Axiovert135TV、対物レン
ズ:プランネオフルアール40倍(位相差、NA=0.
75、品番4403519902) マイクロインジェクションは、エッペンドルフ:マイク
ロマニピュレーター 5171、またはエッペンドルフ:ト
ランスジェクター 5246Plus/BASIC、を使用し、フェム
トチップ(エッペンドルフ)を用いて行った。なお、測
定中の蛍光退色を最小にするため励起光を3%NDフィ
ルターを用いて減衰させた。
【0074】励起光源:超高圧水銀ランプ(品番L400
2) フィルター: Bodipy493/503の蛍光像(DD像) 励起フィルター:BP450-490、ダイクロイックミラー:F
T510、 バリアフィルター:BP515-565 Cy5の蛍光像(AA像) 励起フィルター:BP575-625、ダイクロイックミラー:F
T645、 バリアフィルター:BP660-710 蛍光像は冷却型CCDカメラ(浜松ホトニクス:C48
80)で撮像し、画像処理・解析装置(浜松ホトニク
ス:ARGUS−50)に取り込んだ。
【0075】インジェクションで細胞質に導入した蛍光
標識プローブ(D2F、A2F)はともに10分後には
そのほとんどが核に移行し、集積された(図2(a)、
(b))。
【0076】2.ストレプトアビジン結合オリゴDNA
の細胞内での分布 蛍光色素とビオチンで2重標識されたオリゴDNAを以
下の手順で合成した。 5'−XTCTAGTTGGTCTGTCTCCGCV
−3' 5'−WGCAAAGCAGACTTCTCYATCT
−3' 「X」はTFAcヘキサノールアミンリンカー(パーキ
ンエルマージャパン)、「Y」はUni-Link AminoModifi
er(CLONTECH)、「V」はBiotin ON CPG (CLONTECH)、
「W」はBiotin amidite (PE Biosystems)である。合成
・精製は上記の方法により行った。「X」にBodipy493/
503を、「Y」にCy5を、上記の方法により結合し
て、以下の蛍光色素・ビオチン2重標識オリゴDNAを
得た。 D2FB:5'-(Bodipy493/503)TCTAGTTGGTCTGTCTCCGC(B
iotin)-3' A2FB:5'-(Biotin)GCAAAGCAGACTTCTC(Cy5)ATCT-3'
【0077】これらの蛍光/ビオチン標識オリゴDNA
とストレプトアビジンを結合させた。ストレプトアビジ
ン(Molecular Probes, Cat No. S-2669)100μgを
PBS10μlに溶かした。これにDEPC水に溶解し
たD2FB(10-4M)、またはA2FB(10-4M)
を、ストレプトアビジンとオリゴDNAのモル比が4:
1になるように加えて、室温で10分間放置した。その
後、D2FB/ストレプトアビジン溶液、A2FB/ス
トレプトアビジン溶液を混合した。
【0078】このストレプトアビジン結合蛍光標識オリ
ゴDNA溶液を、Cos7細胞にインジェクションし
た。細胞のBodipy493/503の蛍光像およびCy5の蛍光
像を観察すると、D2FB/ストレプトアビジンプロー
ブ、A2FB/ストレプトアビジンプローブはともに細
胞質に局在した(図2(c)、(d))。インジェクシ
ョンした細胞を顕微鏡のステージ上で1時間インキュベ
ートした後も、プローブの分布に変化はおこらなかっ
た。これらの結果から、ストレプトアビジンと結合させ
たオリゴDNAプローブは細胞質に局在し、核へは移行
しないことがわかる。また、プローブのオリゴDNA部
が細胞内に存在するヌクレアーゼ等で分解を受けると、
蛍光標識された20mer以下のオリゴDNAがストレ
プトアビジンから遊離する。遊離したオリゴDNAはす
みやかに核へ移行しそこで集積すると予想される。した
がって、インジェクション後1時間の間に核の蛍光強度
がほとんど変化しないことは、ストレプトアビジンに結
合したオリゴDNAの分解がほとんどおきていないこと
を示している。
【0079】次に、蛍光標識プローブのc-fos RNAへの
ハイブリダイゼーションに対するストレプトアビジン結
合の効果を調べた。1xSSC溶液において、ストレプ
トアビジン結合蛍光標識プローブ各1x10-6 M(D2FB
/ストレプトアビジン、A2FB/ストレプトアビジ
ン)とin vitro転写反応で作製したc-fos RNA 1x10-6 M
(モル比1:1)を混合し、室温で15分間放置した
後、蛍光スペクトルを測定した。コントロール実験とし
てストレプトアビジンと結合していない蛍光標識プロー
ブ(D2F、A2F)を用いて同様の測定を行った(図
3)。いずれの試料においても、c-fos RNAを加えるとB
odipy493/503の蛍光が減少しCy5の蛍光が増大した。
変化量はストレプトアビジン結合蛍光標識プローブのと
きの方がやや少なかった。これは、プローブとc-fos RN
Aとのハイブリッド体形成に対して、ストレプトアビジ
ンによる立体障害が少し生じているためであると考えら
れる。
【0080】3.c-fos mRNA発現細胞の構築 pSPT-cFosを制限酵素EcoRIで処理してc-fos DNA(2.1 k
b)を切り出し、これをpME18S発現ベクターのEcoRIサイ
トへ挿入した(pME18S-cFos)。得られた発現ベクター
(pME18S-cFos)を電気穿孔法により、Cos7細胞に
導入した。Cos7細胞の培養は、10% ウシ胎児血清を
含むDMEM培地、5% CO2、37℃の条件で行っ
た。Cos7細胞をセルクレーバーではがしてPBSで
洗浄した後、細胞懸濁液(1x107 cells/ml)にpME18S-c
Fos 5μgを添加し、930Vのパルス電圧をかけた(BioRa
d: Gene PulserII)。得られた細胞懸濁液をDMEM培
地で20倍に希釈し、遠心ろ過で2回洗浄した。細胞を
懸濁し、ガラス底デイッシュ(P35−0−14−C,MatTe
k,Ashland)にまいて培養した。
【0081】4.c-fos mRNAの発現の確認 4−1.ドットブロット 発現ベクターで処理したCos7細胞におけるc-fos mR
NAの発現をドットブロッティングにより確認した。培養
1日後の細胞をトリプシン処理によりはがし、PBSで
洗浄した。その後、QuickPrep Total RNA Extraction K
it (PharmaciaBiotech)を用いて細胞から全RNAを抽
出した。細胞から抽出したRNA液をナイロン膜に転写
し、紫外線照射によりクロスリンク固定した(BioRad:
Gene Linker)。これにジゴキシゲニン(DIG)標識c
-fos RNA用プローブ(c-fos mRNAに相補的な配列を
もつ2.1kbのRNA)を反応させた。アルカリフォスフ
ァターゼ標識抗DIG抗体を反応させた後、DIG核酸
検出キット(Boehringer Mannheim)を用いて、アルカ
リフオスファターゼで触媒される4−nitroblue tetraz
oliumを生成させた。ナイロン膜上にハイブリダイズし
たc-fos RNA用プローブの量を生成された4-nitroblue t
etrazoliumの量をデンシトメータにより定量することに
より求めた。インビトロ転写反応により得られた濃度既
知のc-fos RNAを同様にブロットすることにより細胞か
ら抽出されたRNA分画に含まれるc-fos mRNA量を推定
した。前記DIG標識c-fosRNAプローブの作製は、p
Bluescript-cFosを制限酵素EcoRVで処理して線状化した
ものを鋳型としてT7 MEGAscriptキット(Ambion)を使用
して、T7RNAポリメラーゼを作動させることにより行っ
た。その結果、トランスフェクト処理後、12、24、
48、72、96時間後においてc-fos mRNAの発現が認
められた。
【0082】4−2.in situハイブリダイゼーション また、発現している細胞の比率を確認するために蛍光 i
n situハイブリダイゼーション(FISH)を行った。
FISHは公知のプロトコールにしたがって行った。pM
E18S-cFosで処理したCos7細胞を1日培養した後
に、細胞を4 %パラフォルムアルデヒド/PBS (pH 7.4)、
15分間室温で固定した。固定した細胞を、DIG標識
c-fos antisense RNAプローブで処理した。その後、細
胞をFITC標識抗DIG抗体で染色し、蛍光顕微鏡で
観察した。その結果、トランスフェクト処理細胞の80
−90%以上において、c-fos mRNAの発現が確認され
た。
【0083】5.in situ転写法による生細胞内におけ
るプローブのハイブリダイゼーションの確認 上記のc-fos mRNA発現細胞において、細胞に導入する蛍
光標識プローブ(D2F、A2F)がc-fos mRNAにハイ
ブリダイズすることを以下の実験により確認した。すな
わち、細胞が生きている状態においてプロ−ブを細胞内
に導入し、その後細胞を固定する。固定した細胞におい
て、導入したプローブをプライマーとする逆転写反応を
行ない、cDNAの合成の有無を検出するものである
(in situ転写法(IST法、Politz, J.C., Taneja, K.
L., Singer, R.H.(1995) Nucleic Acids Research 23 4
946-4953)。pME18S-cFosでトランスフェクト処理をし
たCos7細胞を1晩培養した。蛍光標識プローブとト
ランスフェクション試薬Trans Fast(Promega)を荷電
比1:1になるように混合し、これを無血清培地中、1
時間培養した細胞の培養液に10μM(最終濃度)添加
し、37℃で1時間インキュベートした。細胞を洗浄
後、4 %パラフォルムアルデヒド/PBS (pH 7.4)で室温1
5分間、処理を行い、細胞を固定した。0.5% TritonX-1
00処理(90秒)により細胞膜の透過性を上げた後、逆
転写酵素Moloney Murine Leukemia VirusReverse Trans
criptase(RNaseH-)、0.35mM DIG標識dUT
P、1mMdNTPを含む転写溶液に細胞を浸して30
℃で1.5時間インキュベートし、逆転写反応を行わせ
た。その後、細胞をFITC標識抗DIG抗体で処理
し、蛍光顕微鏡で観察した。
【0084】その結果、D2Fをトランスフェクト処理
をした細胞に取り込ませた試料においては、細胞質全体
が強い蛍光を発していた。すなわち、細胞質においてc-
foscDNAが合成されていた。トランスフェクト処理
を行っていないCos7細胞にD2Fを取り込ませたと
きには細胞質に蛍光は観察されなかった。また、c-fos
mRNAの657−676の部位と同じ配列をもつオリゴD
NA(センスプローブ、D2Fと相補的な塩基配列をも
つ)をトランスフェクト処理細胞に作用させたときに
も、細胞に蛍光は観察されなかった。これらの結果か
ら、D2Fは、トランスフェクト処理によりc-fos mRNA
を発現しているCos7細胞において、細胞が生状態で
c-fos mRNAにハイブリダイズすることが確認された。A
2Fについても同様の結果が得られ、A2FはCos7
細胞のc-fos mRNAとハイブリダイズすることが確認され
た。
【0085】実験に使用したセンスプローブの塩基配列
は以下のものである。合成・精製は上記の方法により行
った。 657−676部位の配列をもつオリゴDNA 5'−(Bodipy493/503)GCGGAGACAGACCAA
CTAGA−3' 677−696部位の配列をもつオリゴDNA 5'−AGATGAGAAGTCTGCT(Cy5)TTGC
−3'
【0086】6.生細胞内でのハイブリッド体形成にと
もなう蛍光像の変化 ドナープローブとしてD2FB/ストレプトアビジンお
よびアクセプタープローブとしてA2FB/ストレプト
アビジンをモル比1:1で混合した溶液(プローブ濃度
2x10-5 M、PBS緩衝液)をCos7細胞にインジェ
クションした。蛍光顕微鏡において、DD像(Bodipy49
3/503の蛍光)、AA像(Cy5の蛍光)に加えて、Bod
ipy493/503からCy5へのFRETを観察するためにD
A像(Bodipy493/503の励起波長の光を照射しCy5の
蛍光を撮像する)を取得した。DA像の観察は以下のフ
ィルタ−を用いて行った。励起フィルター: BP450-49
0、ダイクロイックミラー: FT510、バリアフィルタ
ー:BP660-710。FRETが生じると、DD像(ドナ
ー)の蛍光強度が減少し、DA像(アクセプター)の蛍
光強度が増大する。DA像とDD像の蛍光強度の比率
(DA/DD、以下比画像ともいう)はFRETの効率
を反映する。これは、以下の実験結果により確認され
た。ここで、DA像、DD像の比率を取るに際して、そ
れぞれの画像からバックグランドを差し引く処理を行っ
た。
【0087】すなわち、D2FB/ストレプトアビジン
およびA2FB/ストレプトアビジンを1xSSC溶液
中で各1x10-5M(モル比1:1)で混合し、これ
に、プローブに対して相補的な塩基配列をもつ40me
rのRNAを0.1、 0.2、 0.5、 0.75、 1.0、 1.25の
比率になるように添加して室温で30分間放置した後、
各々のドナープローブ/アクセプタープローブ/40m
erRNAの混合液をカバーグラス上に滴下し、これら
の溶液の蛍光像(DD像、DA像)を取得した。DD像
の蛍光強度とDA像の蛍光強度の比率(DA/DD)の
値を求めて、RNAとプローブの比率(RNA/プロー
ブ)に対してプロットした(図4)。
【0088】添加した40merRNAの量が多くなる
ほど、DD像の蛍光強度は減少し、DA像の蛍光強度は
増大した。すなわち、D2FB/ストレプトアビジン,
A2FB/ストレプトアビジンと40merRNAによ
る3者のハイブリッド体の形成にともない、DA/DD
値は増大していく。プローブのみのとき(RNA/プロ
ーブ=0)にはDA/DD=0.08であるが、RNA
/プローブ=1のときにはDA/DD=1.5となっ
た。
【0089】D2FB/ストレプトアビジンとA2FB
/ストレプトアビジンの混合液をCoS7細胞にインジ
ェクションした。その直後の細胞における細胞質のDA
/DD値は0.08であり、上記数値はインジェクショ
ン液の値と同じであった。細胞を顕微鏡ステージ上で1
5分間インキュベートした後のDA/DD値に変化はみ
られなかった。次に、この細胞に、c-fos mRNAの657-69
6の部位と同じ配列をもつ40merRNA(2x10-5
M、DEPC水に溶解したもの)をインジェクションし
た。2分後の蛍光像においては、DD像の細胞質の蛍光
強度が減少し、DA像の蛍光強度が増大した(図5)。
DA/DD値は1.5であった。DA/DD値を時間に対
してプロットした結果を図7示す。
【0090】図5を参照すると、細胞質中のほぼすべて
のドナ−プローブとアクセプタープローブが40mer
RNAと3者のハイブリッド体を形成したことがわか
る。コントロール実験として、c-fos mRNAの657-696部
位のアンチセンス配列をもつ40merDNA(ドナ−
プローブの塩基配列とアクセプタープローブの塩基配列
を連続させたもの)をインジェクションしたときには蛍
光像の変化はおこらなかった(図6)。以上の結果か
ら、細胞質に導入したD2FB/ストレプトアビジンと
A2FB/ストレプトアビジンは、ともに、標的RNA
が存在するとすみやかにハイブリダイズすることが可能
な状態で存在すること(すなわち、これらのプローブは
細胞質内で束縛されずに自由に拡散されうる)、細胞質
内でドナープローブ、アクセプタープローブ、標的RN
Aの3者によるハイブリッド体が形成されると蛍光像が
変化し、DA/DD値が上昇することがわかる。
【0091】実験に使用したRNA、DNAの塩基配列
は以下のものであり、合成・精製は上記の方法により行
った。 c-fos mRNAの657-696の部位と同じ配列をもつ40me
rRNA 5'-GCGGAGACAGACCAACUAGAAGAUGAGAAGUCUGCUUUGC- 3' c-fos mRNAの657-696の部位と同じ配列をもつ40me
rDNA 5'-GCGGAGACAGACCAACTAGAAGATGAGAAGTCTGCTTTGC-3' c-fos mRNAの657-696の部位のアンチセンス配列をもつ
40merDNA 5'-GCAAAGCAGACTTCTCATCTTCTAGTTGGTCTGTCTCCGC-3'
【0092】7.生細胞におけるc-fos mRNAの検出 次に、ドナープローブとしてD2FB/ストレプトアビ
ジンおよびアクセプタープローブとしてA2FB/スト
レプトアビジンをモル比1:1で混合した溶液(プロー
ブ濃度 2x10-5 M、PBS緩衝液)を、pME18S-cFosでト
ランスフェクト処理をしたCos7細胞(c-fos mRNAを
発現している細胞)にインジェクションした。インジェ
クション20分後においても細胞質のDA/DD値の上
昇はみられなかった(図8、図12)。この結果から細
胞質においては、オリゴDNAプローブのc-fos mRNAへ
のハイブリダイゼーションに対してストレプトアジピン
が立体障害となつていることが考えられる。そこで、ハ
イブリダイゼーション用オリゴDNAとストレプトアビ
ジンの間に「リンカー」を導入した形態のオリゴDNA
をプローブとして使用した。「リンカー」にもオリゴD
NAを使用し、前記ドナープローブの3'端に10個の
C(シトシン)を、前記アクセプタープローブの5'端
に20個のCを結合した。
【0093】実験に使用したストレプトアビジン結合オ
リゴDNAプローブは以下のものであり、オリゴDNA
の合成・精製、およびストレプトアビジンとの結合は上
記の方法により行った。 リンカー導入ドナープローブ(D2FBL): 5'-(Bodipy493/503)TCTAGTTGGTCTGTCT
CCGCCCCCCCCCCC(Biotin)-3'−(ストレ
プトアビジン) リンカー導入アクセプタープローブ(A2FBL): (ストレプトアビジン)−5'-(Biotin)CCCCCCC
CCCCCCCCCCCCCGCAAAGCAGACT
TCTC(Cy5)ATCT-3'
【0094】D2FBLとA2FBLをモル比1:1で
混合し、pME18S-cFosでトランスフェクト処理をしたC
os7細胞(c-fos mRNAを発現している細胞)にインジ
ェクションした。インジェクション5分後に、DD像、
DA像、AA像、および位相差(Ph)像をそれぞれ撮
像したものを図9に示す。AA像からはCy5の蛍光が細
胞質全体で観測されるが、特に核の近傍の特定の領域で
より強い蛍光が観測されるのが分かる。これはCy5(す
なわちアクセプタープローブA2FBL)が細胞質全体
に拡散して分布しているが、核の近傍の特定の領域での
濃度が高いことを示す。DD像からBodipy493/503の蛍
光が細胞質全体で観測されるのが分かる。Cy5の蛍光分
布と同様に比較的強いBodipy493/503の蛍光が核の近傍
領域で観察されるが、AA像中ほど明瞭ではない。FR
ETによる蛍光を表すDA像から、DD像およびAA像
で強い蛍光が観測される領域でやはり同様に強い蛍光が
観測されることが分かる。これら蛍光画像は、ドナープ
ローブとアクセプタープローブが核近傍の領域に高い濃
度で存在し、該領域でFRETが細胞質の他の領域でよ
りもより高い効率で起こっていることを示す。さらに、
細胞内でのFRETの効率を評価するために、インジェ
クション5分後のDA/DD比画像を求め擬似色で表示
したものが図10aである。図10aによればDA/D
D値は細胞中、不均一な分布をしている。核の近傍の領
域でDA/DD値は、0.7−1.2であり、他の領域
で0.3−0.4であった。これらの値はいずれもイン
ジェクション液の値(0.08)よりも大きく、FRE
Tが細胞質のほとんどの領域で起こっていることを示し
ている。インジェクション20分後のDA/DD比画像
を擬似色で表示したものが図10bである。蛍光の分布
のパターンは、図10aとほとんど変わらない。DA/
DD値は増大しており、これはプローブのc-fos mRNAへ
のハイブリダイゼーションがインジェクション後20分
の間、進行していることを示す。図11は、得られたD
A/DD画像の別の例であり、蛍光像の時間変化を示し
たものである。インジェクション5分後において、細胞
質の一部においてDA/DD値が上昇した。さらに、時
間とともに細胞質のDA/DD値の増大が観察された。
核のDA/DD値は低い値を示したままである。図12
は、細胞質のDA/DD値の平均値をインジェクション
後の時間経過に対してプロットしたものである。
【0095】コントロール実験として、同じ一組のプロ
ーブをpME18S-cFosでトランスフェクト処理をしていな
いCos7細胞(c-fos mRNAを発現していない細胞)に
インジェクションしたときには、DA/DD値はインジ
ェクション液の値(0.08)とほぼ同じ低い値を示し
た(図12、図13)。また、c-fos mRNAの657−6
76部位と同じ塩基配列をもつアクセプタープローブと
677−696部位と同じ塩基配列をもつドナープロー
ブの混合液(センス配列をもつプローブ、プローブは上
記アンチセンスプローブと同様のリンカー部を含む)を
pME18S-cFosでトランスフェクト処理をしたCos7細
胞(c-fos mRNAを発現している細胞)にインジェクショ
ンしたときにも、DA/DD値はインジェクション液の
値(0.08)とほぼ同じ低い値を示した(図12、図
14)。後者のコントロール試料についてインジェクシ
ョン5分後に、DD像、DA像、AA像、および位相差
像をそれぞれ撮像したものを図15に示す。DD像およ
びAA像からBodipy493/503の蛍光もCy5の蛍光も共に
細胞質全体にわたって、一様に観察されることが分か
る。DA像では、蛍光はほとんど観測されなかった。さ
らに、図10aと同様に、インジェクション5分後の比
画像DA/DDを求め擬似色で表示したものが図16a
である。DA/DD値は約0.1であり、インジェクシ
ョン液の値(0.08)とほぼ同じであった。また、イ
ンジェクション20分後の比画像DA/DDを求め擬似
色で表示したものが図16bである。図から、蛍光の分
布およびDA/DD値がインジェクション後、20分間
変化しなかったことが分かった。これらの結果は、この
コントロールでFRETが起こらず、従ってハイブリッ
ド体の形成もなかったことを示す。
【0096】実験に使用したストレプトアビジン結合オ
リゴDNAプローブは以下のものであり、オリゴDNA
の合成・精製、およびストレプトアビジンとの結合は上
記の方法により行った。 リンカー導入センスプローブ 657−676部位と同じ塩基配列をもつ(D2SFB
L) 5'−(Bodipy493/503)AGATGAGAAGTCTG
CTTTGCCCCCCCCCCCCCCCCCCCC
C(Biotin)−3'−(ストレプトアビジン) 677−696部位と同じ塩基配列をもつ(A2SFB
L) (ストレプトアビジン)−5'−(Biotin)CCCCCC
CCCCGCGGAGACAGACCAAC(Cy5)TA
GA−3'
【0097】以上の結果は、細胞に導入したc-fos mRNA
の657−676部位に相補的な塩基配列をもつドナー
プローブと677−696部位に相補的な塩基配列をも
つアクセプタープローブが、ともにc-fos mRNAにハイブ
リダイズしたことを、顕微鏡下の蛍光像として検出でき
たことを示している。リンカ−部を有しないドナープロ
ーブとアクセプタープローブは、in vitro(水溶液中)
においてはc-fos RNAとハイブリッド体を形成する。ま
た、細胞内において相補的塩基配列をもつ40merR
NAともハイブリッド体を形成する。それにもかかわら
ず、これらのプローブをc-fos mRNAを発現している細胞
に導入したときに、細胞質におけるFRETが観察され
なかった(DA/DD値の上昇がおこらなかった)の
は、プローブのc-fos mRNAへのハイブリダイゼーション
に対するストレプトアビジンによる立体障害の程度が、
水溶液中よりも細胞中の方がはるかに大きいことによる
と考えられる。
【0098】(実施例3)生細胞中のc-fos mRNAの発現
量の推定 実施例2と同様にして、リンカー導入ドナープローブ
(D2FBL)とリンカー導入アクセプタープローブ
(A2FBL)を個々の細胞に約105分子づつpME18S-
cFosでトランスフェクト処理をしたCos7細胞に、処
理後、3−5、24、48、72時間後の時点でインジ
ェクションした。細胞質の全蛍光強度をDD像、DA像
それぞれについて求め、個々の細胞のDA/DD値を求
めた。図17において、個々の細胞のDA/DD値をプ
ロットした。また、それぞれの時間における細胞間の平
均値を示した。DA/DD値は、0.1より大きく、細
胞毎に大きく異なった値をとる。コントロール実験とし
て、実施例2と同様に、前記プローブをpME18S-cFosで
トランスフェクト処理をしていないCos7細胞にイン
ジェクションした。また、センス配列をもつプローブ
(D2SFBLおよびA2SFBL)をpME18S-cFosで
トランスフェクト処理をしたCos7細胞にインジェク
ションした。インジェクションは24時間後に行った。
コントロール試料のDA/DD値は、約0.1であり、
インジェクション液の値(0.08)とほぼ同じであっ
た。
【0099】それぞれの時間における細胞質内に存在す
るハイブリッド体の平均分子数を、平均DA/DD値か
ら算出した。ここで、プローブ分子の全数を105と仮
定した。その結果、トランスフェクション後、3−5、
24、48、72時間でのインジェクションについて、
各々約13000、30000、24000、および1
9000という値が得られた。これらの数値は、細胞あ
たりのc-fos mRNAの発現分子数をドットブロッティング
によって求めた値とほぼ一致する(図18)。従って、
本方法によれば、単一の細胞レベルでの遺伝子の発現
(mRNA)がアッセイ可能となる。
【0100】
【発明の効果】本発明の検出方法で使用する検出用プロ
ーブは(1)標的核酸の少なくとも一部の塩基配列とハイ
ブリダイズ可能な塩基配列を有するオリゴヌクレオチド
を含む構造であること、(2)標的核酸とハイブリダイズ
して形成されるハイブリッド体のみを検出可能な標識分
子を有すること、(3)細胞核膜孔の透過を阻害する核膜
透過阻害分子を有すること、さらに、好適には(4)核酸
分解酵素による分解反応を阻害する核酸分解酵素阻害分
子を有するという特徴がある。
【0101】従って、かかる特定の構造を有する検出用
プローブは生細胞の細胞質内に導入しても細胞核内へは
容易に移動せず、また核酸分解酵素により容易に分解も
されない。従って、細胞質内に存在する標的核酸とハイ
ブリッド体を形成し、該ハイブリッド体を核酸分解酵素
による分解を受けることなく検出可能とする。
【0102】また、本発明の検出方法は、特異性が高
く、生細胞中に多数の他の種類の核酸が存在するにも拘
わらず標的核酸のみを高感度に検出可能とする。
【0103】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110>Laboratory of Molecular Biophotonics <120>Method for detecting a target nucleic acid in the cytoplasm of ali ving cell <130>MBP-162 <160>29 <210>1 <211>20 <212>DNA <213>Artificial Sequence <220> <223>probe <400>1 gaacatcatc gtggcggtta 20 <210>2 <211>20 <212>DNA <213>Artificial Sequence <220> <223>probe <400>2 tagtctgcgt tgaagcccga 20 <210>3 <211>20 <212>DNA <213>Artificial Sequence <220> <223>probe <400>3 tctagttggt ctgtctccgc 20 <210>4 <211>20 <212>DNA <213>Artificial Sequence <220> <223>probe <400>4 gcaaagcaga cttctcatct 20 <210>5 <211>20 <212>DNA <213>Artificial Sequence <220> <223>probe <400>5 tccggggtgg caacctctgg 20 <210>6 <211>20 <212>DNA <213>Artificial Sequence <220> <223>probe <400>6 gggtgaaggc ctcctcagac 20 <210>7 <211>20 <212>DNA <213>Artificial Sequence <220> <223>probe <400>7 aaggactaag gagaaagaga 20 <210>8 <211>20 <212>DNA <213>Artificial Sequence <220> <223>probe <400>8 agattagtta atgctatgag 20 <210>9 <211>20 <212>DNA <213>Artificial Sequence <220> <223>probe <400>9 gaacatcatc gtggcggtta 20 <210>10 <211>20 <212>DNA <213>Artificial Sequence <220> <223>probe <400>10 tctagttggt ctgtctccgc 20 <210>11 <211>20 <212>DNA <213>Artificial Sequence <220> <223>probe <400>11 tccggggtgg caacctctgg 20 <210>12 <211>20 <212>DNA <213>Artificial Sequence <220> <223>probe <400>12 aaggactaag gagaaagaga 20 <210>13 <211>20 <212>DNA <213>Artificial Sequence <220> <223>probe <400>13 tagtctgcgt tgaagcccga 20 <210>14 <211>20 <212>DNA <213>Artificial Sequence <220> <223>probe <400>14 gcaaagcaga cttctcatct 20 <210>15 <211>20 <212>DNA <213>Artificial Sequence <220> <223>probe <400>15 gggtgaaggc ctcctcagac 20 <210>16 <211>20 <212>DNA <213>Artificial Sequence <220> <223>probe <400>16 agattagtta atgctatgag 20 <210>17 <211>20 <212>DNA <213>Artificial Sequence <220> <223>probe <400>17 gcggagacag accaactaga 20 <210>18 <211>20 <212>DNA <213>Artificial Sequence <220> <223>probe <400>18 agatgagaag tctgctttgc 20 <210>19 <211>20 <212>DNA <213>Artificial Sequence <220> <223>probe <400>19 tctagttggt ctgtctccgc 20 <210>20 <211>20 <212>DNA <213>Artificial Sequence <220> <223>probe <400>20 gcaaagcaga cttctcatct 20 <210>21 <211>20 <212>DNA <213>Artificial Sequence <220> <223>probe <400>21 tctagttggt ctgtctccgc 20 <210>22 <211>20 <212>DNA <213>Artificial Sequence <220> <223>probe <400>22 gcaaagcaga cttctcatct 20 <210>23 <211>40 <212>RNA <213>Artificial Sequence <220> <223>probe <400>23 gcggagacag accaacuaga agaugagaag ucugcuuugc 40 <210>24 <211>40 <212>DNA <213>Artificial Sequence <220> <223>probe <400>24 gcggagacag accaactaga agatgagaag tctgctttgc 40 <210>25 <211>40 <212>DNA <213>Artificial Sequence <220> <223>probe <400>25 gcaaagcaga cttctcatct tctagttggt ctgtctccgc 40 <210>26 <211>30 <212>DNA <213>Artificial Sequence <220> <223>probe <400>26 tctagttggt ctgtctccgc cccccccccc 30 <210>27 <211>40 <212>DNA <213>Artificial Sequence <220> <223>probe <400>27 cccccccccc cccccccccc gcaaagcaga cttctcatct 40 <210>28 <211>30 <212>DNA <213>Artificial Sequence <220> <223>probe <400>28 cccccccccc gcggagacag accaactaga 30 <210>29 <211>40 <212>DNA <213>Artificial Sequence <220> <223>probe <400>29 agatgagaag tctgctttgc cccccccccc cccccccccc 40
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は、本発明において使用するプローブ
の一構成例を示す。また、図1(b)は、本発明の検出方
法を説明する概略図である。
【図2】図2は、一組の蛍光標識プローブをCos7細
胞にマイクロインジェクションで導入した10分後の細
胞の蛍光像を示す蛍光顕微鏡写真である。図中、(a)
はBodipy493/503標識オリゴDNAプローブ(D2F)
を導入したときのDD像を、(b)はCy5標識オリゴD
NAプローブ(A2F)を導入したときのAA像を、
(c)はストレプトアビジンに結合させたBodipy493/50
3標識オリゴDNAプローブ(D2FB/ストレプトア
ビジン)を導入したときのDD像を、(d)はストレプ
トアビジンに結合させたCy5標識オリゴDNAプローブ
(A2FB/ストレプトアビジン)を導入したときのA
A像を示す。
【図3】図3は、一組の蛍光標識プローブ溶液にc-fos
RNAを加えたときの蛍光スペクトルの変化を示すグラ
フ。図中、(a)はD2FとA2Fをモル比1:1で混
合したときのスペクトルを、(b)はD2FとA2Fの
混合溶液にin vitro転写反応で合成したc-fos RNAを加
えて15分間インキュベートしたときのスペクトル(D
2F:A2F:c-fosRNA=1:1:1(モル比))を、
(c)はD2FB/ストレプトアビジンとA2FB/ス
トレプトアビジンをモル比1:1で混合したときのスペ
クトルを、(d)はD2FB/ストレプトアビジンとA
2FB/ストレプトアビジン混合溶液にc-fos RNAを加
えて15分間インキュベートしたときのスペクトル(D
2FB/ストレプトアビジン:A2FB/ストレプトア
ビジン:c-fosRNA=1:1:1(モル比))を示すグラ
フである。
【図4】図4は、一組の蛍光標識プローブを蛍光顕微鏡
で測定したときに、一組のプローブと標的RNAの3者
によるハイブリッド体が形成されるのにともない、蛍光
顕微鏡像(DD像とDA像)における蛍光強度の比率
(DA/DD)が変化していくことを示すグラフであ
る。ここで、D2FB/ストレプトアビジンとA2FB
/ストレプトアビジンをモル比1:1で混合した溶液
に、プローブに対して相補的な塩基配列をもつ40me
rRNAをいろいろな比率で混合し、室温で15分間イ
ンキュベ−トした。インキュベ−ト溶液から蛍光顕微鏡
下、DD像とDA像を取得し、DD値とDA値の比率
(DA/DD)をRNAとプローブの比率(RNA/プ
ローブ)に対してプロットした。
【図5】図5は、一組の蛍光標識プローブが導入された
細胞において、プローブの標的RNAをインジェクショ
ンで導入したときの細胞の蛍光像の変化を示す蛍光顕微
鏡写真である。ここで、D2FB/ストレプトアビジン
とA2FB/ストレプトアビジンをモル比1:1で混合
した溶液をCos7細胞にマイクロインジェクションで
導入した。図中、(a)はDD像を、(b)はDA像を
示す。10分後に40merの標的RNAをさらにイン
ジェクションした。(c)はそのときのDD像を、
(d)はDA像を示す。(a)のバーの長さは20μm
をあらわす。
【図6】図6は、一組の蛍光標識プローブが導入された
細胞において、プローブの非標的DNAをインジェクシ
ョンで導入したときの細胞の蛍光像の変化を示す蛍光顕
微鏡写真である。ここで、D2FB/ストレプトアビジ
ンとA2FB/ストレプトアビジンをモル比1:1で混
合した溶液をCos7細胞にマイクロインジェクション
で導入した。図中、(a)はDD像を、(b)はDA像
を示す。10分後に40merの非標的DNAをさらに
インジェクションした。(c)はそのときのDD像を、
(d)はDA像を示す。(a)のバーの長さは20μm
をあらわす。
【図7】図7は、図5、6の実験における、細胞質のD
A/DD値の変化を時間に対してプロットしたものであ
る。図中、(a)は図5の細胞を、(b)は図6の細胞
を示す。
【図8】図8は、一組の蛍光標識プローブをmRNA発
現細胞にマイクロインジェクションで導入した後の細胞
の蛍光像の時間変化を示す蛍光顕微鏡写真である。ここ
で、ストレプトアビジンに結合させたリンカ−を有さな
いプローブ(D2FB、A2FB)をトランスフェクト
処理したCos7細胞に導入した。図中、(a)は1分
後、(b)は5分後、(c)は10分後、(d)は20
分後を示す。(a)のバーの長さは20μmをあらわ
す。
【図9】図9は、一組の蛍光標識プローブをmRNA発
現細胞にマイクロインジェクションで導入した後の細胞
の蛍光像を示す蛍光顕微鏡写真である。ここで、ストレ
プトアビジンに結合させたリンカ−導入プローブ(D2
FBL、A2FBL)をトランスフェクト処理したCo
s7細胞に導入した。 図中、(a)はDD像、(b)
はDA像、(c)はAA像、(d)は位相差像を示す。
(a)のバーの長さは20μmをあらわす。
【図10】図10は、図9の実験におけるDA像をDD
像で割ることによって得られた比画像を擬似色で示した
ものである。図中、(a)は5分後、(b)は20分後
を示す。
【図11】図11は、一組の蛍光標識プローブをmRN
A発現細胞にマイクロインジェクションで導入した後の
細胞の蛍光像の時間変化を示す蛍光顕微鏡写真である。
ここで、D2FBLとA2FBLをトランスフェクト処
理したCos7細胞に導入した。図中、(a)は1分
後、(b)は5分後、(c)は10分後、(d)は20
分後を示す。(a)のバーの長さは20μmをあらわ
す。
【図12】図12は、図8、11、13、14の実験に
おいて、各細胞の細胞質のDA/DD値を時間に対して
プロットしたものである。図中、(a)は図11の細
胞、(b)は図13の細胞、(c)は図14の細胞、
(d)は図8の細胞を示す。
【図13】図13は、一組の蛍光標識をmRNA発現細
胞にマイクロインジェクションで導入した後の細胞の蛍
光像の時間変化を示す蛍光顕微鏡写真である。ここで、
D2FBLとA2FBLをトランスフェクト処理してい
ないCos7細胞に導入した。図中、(a)は1分後、
(b)は5分後、(c)は10分後、(d)は20分後
を示す。(a)のバーの長さは20μmをあらわす。
【図14】図14は、一組の蛍光標識プローブをmRN
A発現細胞にマイクロインジェクションで導入した後の
細胞の蛍光像の時間変化を示す蛍光顕微鏡写真である。
ここで、ストレプトアビジンに結合させたリンカ−導入
プローブ(センス配列をもつプローブ:D2SFBL、
A2SFBL)をトランスフェクト処理したCos7細
胞に導入した。図中、(a)は1分後、(b)は5分
後、(c)は10分後、(d)は20分後を示す。
(a)のバーの長さは20μmをあらわす。
【図15】図15は、一組の蛍光標識プローブをmRN
A発現細胞にマイクロインジェクションで導入した後の
細胞の蛍光像を示す蛍光顕微鏡写真である。ここで、D
2FSBLとA2FSBLをトランスフェクト処理した
Cos7細胞に導入した。図中、(a)はDD像、
(b)はDA像、(c)はAA像、(d)は位相差像を
示す。
【図16】図16は、図15の実験におけるDA像をD
D像で割ることによって得られた比画像を擬似色で示し
たものである。図中、(a)は5分後、(b)は20分
後を示す。
【図17】図17は、プローブをインジェクションした
個々の細胞について、細胞質のDA/DD値をプロット
したものである。個々のマーカーが個々の細胞を表わ
す。ここで、D2FBLとA2FBLを各1x105
子混合した溶液をトランスフェクト処理したCos7細
胞にトランスフェクト後、3−5、24、48、72時
間後にマイクロインジェクションで導入した。コントロ
ール実験として、D2FBLとA2FBLをトランスフ
ェクト処理していない細胞に(コントロール1)、D2
SFBLとA2SFBLをトランスフェクト処理した細
胞に(コントロール2)インジェクションした。
【図18】図18は、一細胞あたり発現されたc−fos
mRNAの平均分子数をトランスフェクション後、それぞれ
の時間においてドットブロットによって推定した結果を
示したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石橋 要 静岡県浜北市平口5000番地 株式会社分子 バイオホトニクス研究所内 Fターム(参考) 2G054 AA08 BA01 CA30 CB02 CE02 EA03 EB01 GA04 4B024 AA11 CA01 CA09 CA11 CA12 HA14 4B063 QA01 QQ42 QQ52 QQ53 QR32 QR43 QR48 QR51 QR56 QR63 QR66 QR67 QS02 QS03 QS34 QS36 QX02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生細胞の細胞質内に存在する標的核酸を
    検出する方法であって、前記細胞質に、核膜透過阻害分
    子がリンカーを介して結合され、さらに前記標的核酸に
    ハイブリダイズ可能な塩基配列を有する、蛍光色素で標
    識された検出用プローブを導入し、該標的核酸と前記プ
    ローブとのハイブリッド体を形成させ、さらに前記ハイ
    ブリッド体形成に基づく前記蛍光色素の蛍光変化を測定
    することを特徴とする前記検出方法。
  2. 【請求項2】 前記検出用プローブが、第1のプローブ
    および第2のプローブからなり、該第1のプローブと、
    該第2のプローブとは、前記標的核酸に互いに隣接して
    ハイブリダイズ可能な塩基配列を有し、該第1のプロー
    ブがエネルギードナー蛍光色素で標識され、そして該第
    2のプローブがエネルギーアクセプター蛍光色素で標識
    され、前記蛍光色素の蛍光変化が、該第1のプローブの
    エネルギードナー蛍光色素から該第2のプローブのエネ
    ルギーアクセプター蛍光色素への蛍光共鳴エネルギー移
    動(FRET)であることを特徴とする請求項1に記載
    の検出方法。
  3. 【請求項3】 核膜透過阻害分子が、ストレプトアビジ
    ン、アビジン、デキストラン、ビーズ、および金属粒子
    からなる群より選ばれる少なくとも1つであることを特
    徴とする請求項1または2に記載の検出方法。
  4. 【請求項4】 検出用プローブが、さらにリンカーを介
    して該検出用プローブに結合された核酸分解酵素阻害分
    子を有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    か一項に記載の検出方法。
  5. 【請求項5】 前記核酸分解酵素阻害分子が核膜透過阻
    害分子と同一であることを特徴とする請求項4に記載の
    検出方法。
  6. 【請求項6】 検出用プローブが10乃至20塩基から
    なるオリゴヌクレオチドであることを特徴とする請求項
    1〜5のいずれか一項に記載の検出方法。
  7. 【請求項7】 標的核酸がmRNAであることを特徴と
    する請求項1〜6のいずれか一項に記載の検出方法。
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