JP2001024943A - 撮像装置 - Google Patents
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- Studio Devices (AREA)
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Abstract
な画質劣化を生じさせないようにした、スミア補正手段
を備えた撮像装置を提供する。 【解決手段】 CCD撮像素子5と、該撮像素子の垂直
OB画素の出力を用いてスミア成分を検出しスミア除去
基準信号を生成するスミア検出部8−1と、該スミア検
出部で生成されたスミア除去基準信号に基づいて有効信
号出力期間の撮像素子出力である有効画像信号を補正す
るスミア補正部8−2と、有効画像信号のレベルに応じ
てスミア補正部における補正内容を変更するシステムコ
ントローラ12とを設けて撮像装置を構成する。
Description
擬似信号補正機能を有する撮像装置に関する。
像装置においては、CCD撮像素子特有の現象として、
強烈な光が入射したときに発生するスミア現象による画
質劣化が問題となっている。すなわち、この現象は本来
の電荷蓄積領域に捕捉されなかった電荷がポテンシャル
障壁を乗り越えて垂直転送路に漏れ込むことによるもの
であり、通常の定常的な光に起因する場合は、これが垂
直転送期間にわたって発生するため、例えばスポット光
の場合はその上下に伸びる縦筋になり、例えば空を含む
景観のような高輝度部が水平方向に広がっている被写体
の場合は、画面全体がフレアがかった白けた画像が得ら
れる。
がその発生原理から垂直方向にほぼ同レベルで生じるこ
とに着目して、有効画素領域外の遮光された蓄積画素領
域である垂直OB(オプティカルブラック:光学的黒)
画素の出力レベルをスミア除去基準信号とし、これを有
効画面の画素出力信号から減じる方法が、例えば特開平
7−67038号公報に開示されていて公知である。
技術を用いて単純にスミア補正を行おうとすると、現実
のカメラに使用される撮像素子の出力レンジは限られて
いるため、スミア成分が大きい場合は補正によって却っ
て画質劣化を来す不具合があった。これを具体例を挙げ
て説明すると、強いスポット光に起因する縦筋状のスミ
アが撮像素子の飽和レベルに達するレベル(100%)で発
生している状態を考えた場合、スミアがない部分の撮像
素子出力信号はスミア補正後もそのまま出力されるが、
スミア部分では撮像素子飽和のため素子出力は 100%に
とどまるから、スミア補正後の出力(素子出力−スミア
成分)は0となってしまう。したがって、縦の黒筋が発
生することになる。あるいは、このときスポット光部分
自体を被写体として見れば、この部分もやはり出力0と
なってしまう。このような縦に伸びる黒筋や、非常に高
輝度の筈の被写体が黒つぶれしてしまうという現象は、
極めて奇異な画像を生じるものであり、たとえスミアレ
ベルが小さい通常の被写体において従来よりも高画質な
撮像が可能になるとしても、種々の被写体シーンを対象
とする撮像装置としては許容し難い画質劣化(破綻した
画像)を生じるものであり、したがって上記従来のスミ
ア補正方法は、採用が困難であるという問題点を有して
いた。
上記問題点を解消するためになされたもので、少なくと
も破綻をきたすような不自然な画質劣化を生じない効果
的なスミア補正が可能な撮像装置を提供することを目的
とする。請求項毎の目的を述べると、次の通りである。
飽和などに起因する新たな偽信号の発生を抑止すること
の可能なスミア補正手段を備えた撮像装置を提供するこ
とを目的とする。請求項2に係る発明は、画像信号の変
化に対していわゆる値飛び(不連続)に起因する偽信号
の発生を抑止することが可能なスミア補正手段を備えた
撮像装置を提供することを目的とする。請求項3に係る
発明は、補正演算によるいわゆる黒筋の発生などの不具
合を生じないようにしたスミア補正手段を備えた撮像装
置を提供することを目的とする。請求項4に係る発明
は、スミアの発生レベルに応じたより効果的な補正特性
を得ることが可能なスミア補正手段を備えた撮像装置を
提供することを目的とする。請求項5に係る発明は、ス
ミア成分の変化に対していわゆる値飛び(不連続)に起
因する偽信号の発生を抑止することが可能なスミア補正
手段を備えた撮像装置を提供することを目的とする。請
求項6に係る発明は、不自然な偽信号の発生を抑止でき
るようにしたスミア補正手段を備えた撮像装置を提供す
ることを目的とする。請求項7に係る発明は、信号飽和
に起因する出力レベル差(段差)を発生しないようにし
たスミア補正手段を備えた撮像装置を提供することを目
的とする。請求項8に係る発明は、補正に起因して出力
レベルが低下して画像が暗くなることを抑止できるよう
にしたスミア補正手段を備えた撮像装置を提供すること
を目的とする。
め、請求項1に係る発明は、撮像素子と、垂直ブランキ
ング期間に対応する前記撮像素子の出力に基づいて該撮
像素子のスミア成分を検出するスミア検出手段と、該ス
ミア検出手段の検出したスミア成分に基づいて有効信号
出力期間の撮像素子の出力である有効画像信号を補正す
るスミア補正手段と、前記有効画像信号のレベルに応じ
て前記スミア補正手段における補正処理内容を変更する
補正処理制御手段とで撮像装置を構成するものである。
有効画像信号のレベルに応じてスミア補正手段における
補正処理内容を変更するようにしているので、信号の飽
和などに起因する新たな偽信号の発生を抑止することが
可能となる。
像装置において、前記補正処理制御手段による補正処理
内容の変更は、前記有効画像信号のレベルの変化に対し
て該スミア補正手段による補正後の出力値が連続的に変
化するようになされるものであることを特徴とするもの
である。このように構成することにより、有効画像信号
のレベルの変化に対して補正後の出力値が連続的に変化
するようになされるから、画像信号の変化に対していわ
ゆる値飛び(不連続)に起因する偽信号の発生を抑止す
ることが可能となる。
係る撮像装置において、前記補正処理制御手段による補
正処理内容の変更は、少なくとも前記有効画像信号のレ
ベルが所定の信号飽和レベルに達していた場合にスミア
補正を無補正とするものであることを特徴とするもので
ある。このように構成することにより、有効画像信号の
レベルが所定の信号飽和レベルに達している場合には無
補正とされるので、補正演算によるいわゆる黒筋の発生
などの不具合を生じない。
ブランキング期間に対応する前記撮像素子の出力に基づ
いて該撮像素子のスミア成分を検出するスミア検出手段
と、該スミア検出手段の検出したスミア成分に基づいて
有効信号出力期間の撮像素子の出力である有効画像信号
を補正するスミア補正手段と、前記スミア検出手段の検
出したスミア成分のレベルに応じて前記スミア補正手段
における補正処理内容を変更する補正処理制御手段とで
撮像装置を構成するものである。
スミア成分のレベルに応じてスミア補正手段における補
正処理内容を変更するようになっているので、スミアの
発生レベルに応じたより効果的な補正特性が得られる。
像装置において、前記補正処理制御手段による補正処理
内容の変更は、前記スミア成分のレベルの変化に対して
該スミア補正手段による補正後の出力値が連続的に変化
するようになされるものであることを特徴とするもので
ある。このように構成した撮像装置においては、スミア
成分のレベルの変化に対して補正後の出力値が連続的に
変化するようになされるから、スミア成分の変化に対し
ていわゆる値飛び(不連続)に起因する偽信号の発生を
抑止することが可能となる。
係る撮像装置において、前記補正処理制御手段による補
正処理内容の変更は、前記スミア成分のレベルが所定値
以上の場合にスミア補正を無補正とするものであること
を特徴とするものである。このように構成した撮像装置
においては、スミア成分のレベルが所定値以上の場合に
無補正となすようにしているので、スミア成分が画像信
号の全てあるいは大部分を占めるような状況において
は、敢えて補正を行わないことになり、不自然な偽信号
の発生を抑止することができる。
ブランキング期間に対応する撮像素子の出力に基づいて
該撮像素子のスミア成分を検出するスミア検出手段と、
該スミア検出手段の検出したスミア成分に基づいて有効
信号出力期間の撮像素子の出力である有効画像信号を補
正するスミア補正手段とを備え、前記検出されたスミア
成分の値が異なっても前記スミア補正手段の最大出力レ
ベルは等しく保たれるようにして撮像装置を構成するも
のである。
スミア成分の値が異なってもスミア補正手段の最大出力
レベルは等しく保たれるから、信号飽和に起因する出力
レベル差(段差)の発生を防止することができる。
ずれか1項に係る撮像装置において、前記スミア補正手
段における補正の前後において、信号の最大レベルが等
しく保たれるように構成されていることを特徴とするも
のである。このように構成することにより、スミア補正
手段における補正の前後において信号の最大レベルが等
しく保たれるから、補正に起因して出力レベルが低下し
て画像が暗くなることを抑止することができる。
る。図1は、本発明に係る撮像装置の主たる実施の形態
のディジタルビデオカメラを示すブロック構成図であ
る。図1において、1はレンズ系、2はレンズ駆動機
構、3は露出制御機構、4はフィルタ系、5はCCD撮
像素子、6はCCDドライバ、7はA/Dコンバータを
含むプリプロセス回路、8はディジタルプロセス回路
で、ハードとしてメモリを含み、全てのディジタルプロ
セス処理を行うものである。9は記録部(VTRブロッ
ク)、10はビデオテープ、11はLCD画像表示系、12は
主たる構成としてマイコンを含むシステムコントロー
ラ、13は操作スイッチ系、14は表示用LCDを含む操作
表示系、15はレンズドライバ、16は露出制御ドライバ、
17はEEPROMである。
オカメラにおいては、システムコントローラ12が全ての
制御を統括的に行なっており、虹彩絞り(アイリス)で
ある露出制御機構3と、CCDドライバ6によるCCD
撮像素子5の駆動を制御して、所定の動画レートで露光
(電荷蓄積)及び信号の読み出しを行ない、それをプリ
プロセス回路7を介してディジタルプロセス回路8に一
旦格納し、この中で所定の各種信号処理を施した後に記
録部9に送出して、ビデオテープ10に記録するものであ
る。そして、上記各種信号処理を施すディジタルプロセ
ス回路8には、本発明の要部であるところの、垂直OB
画素の出力レベルを検出するスミア検出部8−1や該垂
直OB画素の出力レベル情報を用いたスミア補正部8−
2が含まれている。勿論これら全ての処理は、上記所定
の動画レートでの記録を行なうに足る速度で行われる、
いわゆるリアルタイム処理である。なお、撮像素子のス
ミア成分の検出に基づくスミア補正部8−2で行われる
スミア補正処理の処理内容の制御は、システムコントロ
ーラ12により行われるようになっている。
に直接かかわる処理を中心にシステムコントローラ12に
よるカメラ制御について説明を行なう。まず上記動作に
おける露光によって生じたCCD撮像素子5の信号電荷
を順次読み出した1画面に対応する撮像出力信号を、プ
リプロセス回路7を介してディジタルプロセス回路8の
所定メモリ領域に格納すると、まずスミア検出部8−1
で垂直OB画素の出力を用いてスミア成分を検出し、ス
ミア除去基準信号を算出する。算出に当たっては、必要
に応じて上記公開公報開示の従来技術と同様に、複数ラ
インあるOB画素のデータのうち同じ水平アドレスを持
つ画素毎の和をとり、その画素数で除することで平均値
を得る。上記スミア除去基準信号は1ライン分の画像信
号であるが、その1ライン分の画像信号を構成する各1
画素信号の値として、上記演算で得られる平均値を用い
る。このようにして得られるスミア除去基準信号をSm
(i)とする。但しi は水平アドレス、後出のjは垂直ア
ドレスである。
のスミア除去基準信号を用いて有効画像領域の撮像出力
信号Sig(i,j) に対して補正処理を施す。本発明のスミ
ア補正処理は、このときの撮像出力信号やスミアのレベ
ルに応じて異なる処理をするところに特徴がある。撮像
素子(又はその出力を受ける信号処理系)の飽和レベル
をSat、所定の比較レベルをR1及びR2(0<R1<
R2<Sat)、スミア補正後の出力をSout(i,j)とする
と(当然ながら0≦Sm(i)≦Sig(i,j) ≦Satであ
る)、本実施の形態における具体的なスミア補正信号処
理は、次の(1)〜(3)に示すケースに対応して行わ
れる。 (1)0≦Sm(i)≦R1の場合 Sout(i,j)=S1(i,j) ≡{Sig(i,j) −Sm(i)}×S
at/{Sat−Sm(i)} (2)R1≦Sm(i)≦R2の場合 Sout(i,j)=S2(i,j) ≡Ofs(i) +{Sig(i,j) −S
m(i)}×{Sat−Ofs(i) }/{Sat−Sm(i)} 但し、Ofs(i) ≡{Sm(i)−R1}×R2/(R2−R
1) (3)R2≦Sm(i)≦Satの場合 Sout(i,j)=Sig(i,j)
m(i)の値によってケース分けした場合の、スミア補正部
8−2の入出力特性を図2の(A)〜(D)に示す。図
2の(A)〜(D)において横軸は入力Sig(i,j) で、
縦軸は出力Sout(i,j)であり、図2の(A)は(1)の
ケース、図2の(B)は(1)と(2)の境界(共通)
ケース、図2の(C)は(2)のケース、図2の(D)
は(2)と(3)の境界(共通)ケースを示している。
号処理の具体的な意味について解説するため、対比され
る従来の処理方式を示すと、次の(4)項で示す内容と
なる。 (4)常に、Sout(i,j)=Sig(i,j) −Sm(i)
解し易い問題点の例を示したが、従来技術の問題点を一
般化すれば、問題点は出力信号のレンジが小さくなるこ
と、すなわち補正出力Sout(i,j)の最大値はスミアレベ
ルの分だけ小さくなって、Sat−Sm(i)になってしまう
ということである。そして、このため極端なケースでは
上記黒筋の発生となるが、そうでなくても「飽和が生じ
たとき、すなわちSig(i,j) =Sat」で「スミアが存在
する、すなわちSm(i)>0」のときは、そのスミアレベ
ルに応じて、グレイ〜黒の筋を生じてしまうことになっ
て、無補正の時の白筋に比して極めて不自然な奇異な画
像を生じることになる。これらの態様をグラフで示すと
図3の(A),(B)のようになる。図3の(A)は無
補正の場合の入出力特性を示す図で、図3の(B)は、
上記(4)項で示したスミア補正の入出力特性を示して
いる。この図3の(B)の特性から、本来の信号成分の
みが得られてはいるものの、最大値が小さくなっている
のがわかる。
おいては、スミアレベルSm(i)の値によって上記
(1),(2),(3)の各ケースに分けられるが、い
ずれのSout(i,j)を表す式においても、Sig(i,j) =S
atを代入すれば、出力Sout(i,j)=Satが得られる。す
なわち「撮像出力信号のレベルが飽和レベルに達してい
た場合に無補正とするもの」である。この場合、その部
分はスミアの影響又は被写体自体の高輝度のため飽和レ
ベルの白出力になってしまうが、少なくとも従来の無補
正画像と同等であるから、上記従来のスミア補正のよう
な奇異な画像を生じることはない。
飽和していない場合にはこれを判定検出して、単純に上
記(4)項で示した図3の(B)の特性の従来のスミア
補正を選択し、飽和している場合は図3の(A)に示す
特性の無補正を選択することも、一つの変形例として提
案し得るが、この方式はその信号処理が判定検出により
不連続に切り換えられることに起因する問題点を有して
いる。例えば、面状に分布した被写体とその全体に亙っ
てスミアが発生(重畳)しているため、撮像出力が飽和
レベル近傍に達している状況を考えると、飽和レベルに
達した部分の出力は無補正のためSout(i,j)=Satとな
り、ぎりぎりで飽和レベルに達していない部分は、Sig
(i,j) −Sm(i)≒Sat−Sm(i)となるため、スミアレベ
ルが大きい場合に、被写体に本来有り得ないレベル差
(段差)を生じてしまい擬似信号となってしまう。この
変形例として考えられるものの段差問題を解決するため
の一つの方法としては、1画面中の最大スミア(Max[i]
{Sm(i)})に着目して、全ての有効画素出力をSat−
Max[i]{Sm(i)}でクリップしてしまうことが有効であ
るが、当然撮像レンジが小さくなってしまい、スポット
的なスミアを取り除くために画面全体が暗くなるという
弊害を生じる。
が生じないように、Sout(i,j)がSig(i,j) に対して
も、またSm(i)に対しても連続関数となるように構成さ
れており、スミア補正部の最大出力レベルがスミア成分
の値によらず等しくなるようにすると同時に、補正の前
後において信号の最大レベルが等しく保たれるように構
成しているところが極めて特徴的な構成であって、この
ため上記変形例として考えられるものの有する不具合は
生じない。
に対応する変換特性(入出力特性)を図2の(A)〜
(D)に示したが、(1)のケースの場合は、従来の
(4)のケースの処理では出力レンジが不足するのを補
うべくスミアレベルに応じた所定の係数を乗じて、入力
レベルがSatのときに出力もSatに達するような式S1
(i,j) を採用してある。図2の(A)と図3の(B)を
比較すると、図2の(A){(1)のケースの場合}は
低輝度になるほど本来の信号成分のみである図2の
(B)の値に近づき(信号成分=0で一致)、高輝度側
では図3の(A)に示す無補正の値に近づいている(S
ig(i,j) =Satで一致)ことが判る。スミアの発生レベ
ルが比較的小さい場合は、特に低輝度被写体においてこ
れが視認されやすいから、この式S1(i,j) はスミアの
補正効果と上記従来の不具合現象の解消を、妥協的にで
はあるが効果的に両立させたものになっている。
が大きくなってSatに極めて近くなった場合にグラフが
ほとんど垂直に立ってしまい、Sig(i,j) に対して不連
続な(値飛びのある)特性にかなり近づいてしまう。ま
た、このような場合は、そもそも撮像素子の有効なレン
ジはほとんど残っていない状態であるから、多くの被写
体に対してはわざわざ信号補正を施して出力しても無意
味なものとなるから、補正の効果よりも弊害の方がより
大きい状態と言える。この点を考慮して、この式S1
(i,j) の特性は、Sm(i)が所定値以下(≦R1)である
(1)のケースの場合のみにとどめ、Sm(i)が大きい
(≧R2)(3)のケースの場合は無補正とし、この2
つの場合の間をなめらかに移行するように、対応する
(2)のケースの場合に関しては、Sm(i)の値がR1か
らR2に至るのに対応して0からR2に変化するオフセ
ット項Ofs(i) を有した式S2(i,j) を採用するもので
ある。
のスミア発生に対して従来のスミア補正に比較的近い
(スミアが目立ちやすい低輝度被写体部分では本来の被
写体信号により近い出力が得られる)充分な補正効果を
有しつつ、従来の補正で生じていた信号飽和に起因する
不具合が大幅に軽減されて、特に画質の破綻というべき
奇異な不自然な疑似信号が生じることのない高画質なス
ミア補正処理が行なわれるものである。
像信号Sout(i,j)は、適宜各種信号処理を経てビデオテ
ープ10に記録あるいはLCD画像表示系11に表示され
る。記録あるいは表示される画像は、スミアが効果的に
補正され不自然な疑似信号が生じない高画質な画像であ
る。
と共に従来公知の画素欠陥補償手段を有しており、有効
画素部分に対応する上記スミア補正後の出力信号に対し
て、上記EEPROM17に格納されている欠陥画素アド
レスデータに基づいて、この画素欠陥補償処理が為され
る。このときスミア補正処理を先に行い、欠陥補償処理
を後に行うことには意味がある。これは欠陥補償処理に
は通常異なる水平アドレスの出力信号を用いるから、処
理順序を単純に入替え欠陥補償処理を先に行なうと、ス
ミア補正処理が正しく行われず、新たな偽信号の原因に
なって好ましくないためである。
の実施の形態が考えられる。例えば、上記実施の形態で
は上記(1),(2),(3)の各ケースに分けたスミ
ア補正処理を用いたものを示したが、簡易的には全ての
場合に上記(1)のケースで示したと同様に式S1(i,
j) を適用してもよい。この場合、上記したとおりSig
(i,j) に対して不連続な(値飛びのある)特性にかなり
近づいてしまうが、従来の(4)のケースで示した補正
処理のような飽和による黒筋の発生は生じないし、完全
に無補正の場合の白筋画像に比しても特に不自然な画像
にはならない。上記主たる実施の形態と比しても、演算
的により単純化されている点は勿論、特性的にもわずか
とはいえ、残っている撮像素子のレンジを最大限活用す
るという観点からは、優れているとも言い得るものであ
って、極めて魅力的な変形例である。同様に、上記主た
る実施の形態において、R2=Satに設定した、すなわ
ち上記(1),(2)のケースのみを用いるものも、ま
た一つの変形例とすることができることも自明である。
検出のためにいわゆる垂直OB画素対応の出力を用いて
いるが、これは一例であり、現実に対応する光電変換素
子(画素蓄積部)がなくても、垂直ブランキング期間に
対応する撮像素子出力を用いスミアの検出は同様に可能
であるから、そのような周知の構成に置き換えても本発
明を実施することができることは明らかである。
動画を記録対象とするものであったが、信号処理は1フ
レームの画像のみ(フレーム内処理)で行なっているか
ら、これをそのまま静止画撮影に適用できることは当然
であり、例えば、上記カメラが付加的に有する静止画撮
影モードに、あるいは別の静止画撮影を主目的とするデ
ィジタルスチルカメラに応用したものは、それぞれ好適
な実施の形態となる。無論、上記説明は本発明の適用範
囲をフレーム内処理に限る意図では毛頭なく、フレーム
間処理に適用することも容易であることは言をまたな
い。
その変形例について具体的に示したが、本発明はこれら
に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載の限り
において如何なる態様をも取り得るものであることは言
うまでもない。
に、本発明によれば、スミア補正された従ってスミアが
軽減された、且つ不自然な疑似信号が生じることのない
高画質な画像を得ることが可能な撮像装置を実現するこ
とができる。特に請求項1に係る発明によれば、有効画
像信号のレベルに応じてスミア補正手段における補正処
理内容を変更するように構成されているので、信号の飽
和などに起因する新たな偽信号の発生を抑止することが
可能になる。また請求項2に係る発明によれば、有効画
像信号のレベルの変化に対して補正後の出力値が連続的
に変化するようになされるから、画像信号の変化に対し
ていわゆる値飛び(不連続)に起因する偽信号の発生を
抑止することが可能になる。また請求項3に係る発明に
よれば、有効画像信号のレベルが所定の信号飽和レベル
に達していた場合に無補正とするように構成されている
ので、補正演算によるいわゆる黒筋の発生などの不具合
を生じない。また請求項4に係る発明によれば、スミア
成分のレベルに応じてスミア補正手段における補正処理
内容を変更するように構成されているので、スミアの発
生レベルに応じたより効果的な補正特性が得られる。ま
た請求項5に係る発明によれば、スミア成分のレベルの
変化に対して補正後の出力値が連続的に変化するように
なされるから、スミア成分の変化に対していわゆる値飛
びに起因する偽信号の発生を抑止することが可能にな
る。また請求項6に係る発明によれば、スミア成分のレ
ベルが所定値以上の場合に無補正となすから、すなわち
スミア成分が画像信号の全てあるいは大部分を占めるよ
うな状況においては敢えて補正を行なわないように構成
されているので、不自然な偽信号の発生を抑止できる。
また請求項7に係る発明によれば、スミア成分の値が異
なってもスミア補正手段の最大出力レベルは等しく保た
れるように構成されているので、信号飽和に起因する出
力レベル差(段差)を発生しない。また請求項8に係る
発明によれば、スミア補正手段における補正の前後にお
いて信号の最大レベルが等しく保たれるように構成され
ているので、補正に起因して出力レベルが低下して画像
が暗くなることを抑止できる。
ルビデオカメラの構成を示すブロック図である。
ア補正の態様を説明するためのスミア補正部の入出力特
性を示す図である。
を入出力特性に対比するための従来のスミア補正の入出
力特性及び無補正時の入出力特性を示す図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 撮像素子と、垂直ブランキング期間に対
応する前記撮像素子の出力に基づいて該撮像素子のスミ
ア成分を検出するスミア検出手段と、該スミア検出手段
の検出したスミア成分に基づいて有効信号出力期間の撮
像素子の出力である有効画像信号を補正するスミア補正
手段と、前記有効画像信号のレベルに応じて前記スミア
補正手段における補正処理内容を変更する補正処理制御
手段とを有していることを特徴とする撮像装置。 - 【請求項2】 前記補正処理制御手段による補正処理内
容の変更は、前記有効画像信号のレベルの変化に対して
該スミア補正手段による補正後の出力値が連続的に変化
するようになされるものであることを特徴とする請求項
1に係る撮像装置。 - 【請求項3】 前記補正処理制御手段による補正処理内
容の変更は、少なくとも前記有効画像信号のレベルが所
定の信号飽和レベルに達していた場合にスミア補正を無
補正とするものであることを特徴とする請求項1又は2
に係る撮像装置。 - 【請求項4】 撮像素子と、垂直ブランキング期間に対
応する前記撮像素子の出力に基づいて該撮像素子のスミ
ア成分を検出するスミア検出手段と、該スミア検出手段
の検出したスミア成分に基づいて有効信号出力期間の撮
像素子の出力である有効画像信号を補正するスミア補正
手段と、前記スミア検出手段の検出したスミア成分のレ
ベルに応じて前記スミア補正手段における補正処理内容
を変更する補正処理制御手段とを有していることを特徴
とする撮像装置。 - 【請求項5】 前記補正処理制御手段による補正処理内
容の変更は、前記スミア成分のレベルの変化に対して該
スミア補正手段による補正後の出力値が連続的に変化す
るようになされるものであることを特徴とする請求項4
に係る撮像装置。 - 【請求項6】 前記補正処理制御手段による補正処理内
容の変更は、前記スミア成分のレベルが所定値以上の場
合にスミア補正を無補正とするものであることを特徴と
する請求項4又は5に係る撮像装置。 - 【請求項7】 撮像素子と、垂直ブランキング期間に対
応する撮像素子の出力に基づいて該撮像素子のスミア成
分を検出するスミア検出手段と、該スミア検出手段の検
出したスミア成分に基づいて有効信号出力期間の撮像素
子の出力である有効画像信号を補正するスミア補正手段
とを備え、前記検出されたスミア成分の値が異なっても
前記スミア補正手段の最大出力レベルは等しく保たれる
ように構成されていることを特徴とする撮像装置。 - 【請求項8】 前記スミア補正手段における補正の前後
において、信号の最大レベルが等しく保たれるように構
成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか
1項に係る撮像装置。
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