JP2001024523A - 復号器 - Google Patents

復号器

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JP2001024523A
JP2001024523A JP11195081A JP19508199A JP2001024523A JP 2001024523 A JP2001024523 A JP 2001024523A JP 11195081 A JP11195081 A JP 11195081A JP 19508199 A JP19508199 A JP 19508199A JP 2001024523 A JP2001024523 A JP 2001024523A
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circuit
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JP11195081A
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Kenji Higuchi
憲二 樋口
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Advantest Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型化とコスト低減を図った復号器を提供す
ること。 【解決手段】 第1の生成行列で畳み込まれた符号系列
が伝送路上に送信される。逆畳み込み復号器120は、
この符号系列を受信し、第1の生成行列に基づいて定め
られる第2の生成行列で畳み込みを行い、それをモジュ
ロ2で加算して訂正前復号信号を出力する。再畳み込み
符号器140は、この訂正前復号信号を第1の生成行列
で畳み込む。誤り検出回路160は、再畳み込み符号器
140から出力される符号系列と受信された符号系列と
を比較して、シンドロームを検出し、そのシンドローム
のパターンに基づいて誤りが生じているビット位置を特
定し、誤り訂正パルスを出力する。誤り訂正回路180
は、訂正前復号信号と誤り訂正パルスのタイミングを一
致させた上で誤り訂正パルスによって訂正前復号信号中
の誤りビットを反転させることにより、訂正前復号信号
を訂正して訂正後復号信号を生成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、受信した信号に対
して所定の復号処理を行う復号器に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の無線通信システムにおいては、誤
り検出および誤り訂正のために、送信機が情報系列(送
信対象の情報ビット列とこの情報ビット列に続くテール
ビット列(K−1ビット以上の“0”のビット列))に
対して畳み込み符号化処理を行って符号系列を送信し、
受信機がこの符号系列の復号化処理を行うという手法が
広く用いられている。
【0003】図30は、従来の畳み込み符号器の構成を
示す図である。同図に示す畳み込み符号器900は、1
系列の情報系列に対して畳み込み符号化処理を行ってQ
系列(Q=1/R、R:符号化率)の符号系列を送信す
るものであり、拘束長はKである。この畳み込み符号器
900は、拘束長Kよりも1だけ少ないK−1段の縦続
接続された単位時間遅延素子(例えばD型フリップフロ
ップ)901−(1)〜901−(K−1)と、モジュ
ロ2(mod2)演算部902−1〜902−Qとを含
んで構成されている。
【0004】単位時間遅延素子901−(1)〜901
−(K−1)は、あらかじめリセットされている。情報
系列が直列に入力されると、これらの単位時間遅延素子
901−(1)〜901−(K−1)は、この情報系列
を時間軸上で展開する。
【0005】モジュロ2演算部902−1〜902−Q
のそれぞれは、縦続接続された複数の排他的論理和回路
によって構成されている。そして、モジュロ2演算部9
02−1〜902−Qのそれぞれにおいて、初段の単位
時間遅延素子901−(1)の入力端子のタップから最
終段の単位時間遅延素子901−(K−1)の出力端子
のタップまでのK個のタップの中からいくつかのタップ
が選択されており、これらの選択されたタップが排他的
論理和回路に接続されている。ただし、タップの選択に
おいては、モジュロ2演算部902−1〜902−Qの
それぞれに対応するタップの選択のいずれかにおいて初
段の単位時間遅延素子901−(1)の入力端子のタッ
プと最終段の単位時間遅延素子901−(K−1)の出
力端子のタップが必ず選択されていること、およびモジ
ュロ2演算部902−1〜902−Qのそれぞれに対応
するタップの選択の組み合わせがそれぞれ異なっている
ことが条件となる。
【0006】モジュロ2演算部902−1〜902−Q
のそれぞれは、縦続接続された複数の排他的論理和回路
によって、選択されたタップから出力される信号をモジ
ュロ2で加算してQ系列の符号系列を生成する。ここ
で、初段の単位時間遅延素子901−(1)の入力端子
のタップを0、出力端子のタップを1、2段目の単位時
間遅延素子901−(2)の出力端子のタップを2、
…、最終段の単位時間遅延素子901−(K−1)の出
力端子のタップをK−1と番号を付ける。gi をi番目
のタップの選択の有無を表す値とすると、畳み込み符号
器900によって生成される行列は G=[g01 ・・・ gK-1] …(1) となる。ここで、タップ選択ありの場合はgi =1、タ
ップ選択なしの場合はgi=0である。
【0007】また、図31は、ビタビ復号器の構成を示
す図である。同図に示すビタビ復号器950は、上述し
た畳み込み符号器900から送信されるQ系列の符号系
列に対して最尤復号法による復号化処理を行って厳密な
信号誤りの検出および訂正を行うためのものであり、ブ
ランチメトリック回路951、パスメトリック回路95
2、加算比較選択回路953、パスメモリ954、出力
バッファ955を含んで構成されている。
【0008】符号系列が伝送路上を伝送されることによ
って、符号系列に誤り系列が加算されたQ系列の受信系
列が入力されると、ブランチメトリック回路951は、
トレリス(trellis:状態遷移を時間軸上で表したも
の)上の各時点において、受信系列と各ブランチ(bran
ch:トレリスの枝)に対応する送信系列候補とのハミン
グ距離(hamming distance:受信系列と送信系列候補の
ビット列間の差、すなわち受信系列と送信系列候補の対
応する位置のビットが異なっている箇所の数)またはユ
ークリッド距離(euclid distance:受信系列と送信系
列候補のアナログ的な距離)により、各ブランチのブラ
ンチメトリック(branch metric)を算出する。
【0009】パスメトリック回路952は、各時点にお
いてブランチメトリックが算出されるごとに、トレリス
上のパス(path)について、そのパスを構成するブラン
チのブランチメトリックを累積してパスメトリック(pa
th metric)を算出する。ただし、トレリス上のパスの
数は時間経過とともに累乗的に増加するため、全てのパ
スについてパスメトリックを算出すると計算量が膨大に
なる。このため、各時点において生き残りのパスを選択
し、選択されたパスについてのみブランチメトリックを
累積することにより、計算量を減らす処理が行われる。
【0010】加算比較選択回路953は、各時点ごと
に、選択可能な全てのパスのパスメトリックの候補(1
時刻前のパスメトリックにブランチメトリック回路95
1によって算出されたブランチメトリックを加算したも
の)を比較し、最小のパスメトリックの候補を有するパ
スを生き残りのパスとして選択する。
【0011】そして、パスメトリック回路952は、加
算比較選択回路953によって選択された生き残りパス
についてのみブランチメトリックを累積し、選択されな
かったパスについては以降のブランチメトリックの累積
を打ち切る。
【0012】パスメモリ954は、加算比較選択回路9
53による生き残りパスの選択結果を一時的に保存す
る。出力バッファ955には、復号結果である情報系列
が逆順に書き込まれる。そして、出力バッファ955に
書き込まれた情報系列は、正順に読み出されて出力され
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述した最尤復号法に
よる復号化処理では、畳み込み符号器900の拘束長K
が大きくなるにつれて、ビタビ復号器950の装置規模
が指数関数的に大きくなるという問題があった。また、
ビタビ復号器950を用いて、最尤復号法に近似した逐
次復号法による復号化処理を行うことも可能であるが、
この場合にはパスメモリ954の記憶容量を大きくしな
ければならなかった。このため、装置規模が小さくかつ
コストを低減した復号器が要求されている。
【0014】特に、従来の無線機の試験装置は、上述し
たビタビ復号器950を備えて被測定装置から送出され
る信号の復号を行っていたが、一般に無線機の試験装置
の受信部と被測定装置の送信部は、短い同軸ケーブルや
アンテナカップラによって接続されるため、伝送路は理
想状態に近く符号系列に誤り系列が加算されて信号誤り
が発生することはほとんどない。したがって、必ずしも
無線機の試験装置にビタビ復号器950を備えて厳密な
信号誤りの検出および訂正を行う必要はなく、ビタビ復
号器950を用いずに試験装置の小型化とコスト低減を
図ることが要求されている。
【0015】本発明は、このような点に鑑みて創作され
たものであり、その目的は小型化とコスト低減を図った
復号器を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載された復
号器は、畳み込み符号化用の第1の生成行列によって送
信側で畳み込まれた複数の符号系列が順次入力され、こ
れらの前記符号系列を前記第1の生成行列に基づいて定
められる第2の生成行列を用いてそれぞれ畳み込み、そ
の畳み込んだ結果をモジュロ2で加算することによって
訂正前復号信号を出力する逆畳み込み復号手段を含んで
構成されるものである。送信側では、情報系列に対して
畳み込み符号化用の第1の生成行列を用いて畳み込みが
行われ、この結果生成された符号系列が伝送路上に送信
される。受信側では、この伝送路上を伝送して来た符号
系列を受信して復号する。このとき、受信される符号系
列には、伝送路上を伝送する間に加算された誤り系列が
含まれている。そこで、逆畳み込み復号手段は、送信側
の畳み込みに用いられた畳み込み符号化用の第1の生成
行列に基づいて定められる第2の生成行列を用いて畳み
込みを行い、その畳み込み結果をモジュロ2で加算し
て、訂正前復号信号を生成する。無線機の試験装置の受
信部と被測定装置の送信部との間のように、短い同軸ケ
ーブルやアンテナカップラによって接続された伝送路
は、理想状態に近く符号系列に誤り系列が加算されて信
号誤りが発生することはほとんどないので、従来の復号
器のようにビタビ復号器を備える必要はなく、この発明
のように簡単な回路構成の逆畳み込み復号手段によって
復号処理を行うことが可能であり、復号器の小型化とコ
スト低減を図ることができる。
【0017】請求項2に記載された復号器は、畳み込み
符号化用の第1の生成行列によって送信側で畳み込まれ
た複数の符号系列が順次入力され、これらの前記符号系
列を前記第1の生成行列に基づいて定められる第2の生
成行列を用いてそれぞれ畳み込み、その畳み込んだ結果
をモジュロ2で加算することによって訂正前復号信号を
出力する逆畳み込み復号手段と、前記逆畳み込み復号手
段から出力される前記訂正前復号信号を前記第1の生成
行列によって畳み込み、第2の符号系列として出力する
再畳み込み符号手段と、前記第1及び第2の符号系列を
比較してシンドロームを検出し、検出されたシンドロー
ムのパターンに基づいて前記第1符号系列中に存在する
誤りビットを判定し誤り訂正パルスを出力する誤り検出
手段とを備えるものである。再畳み込み符号手段は、逆
畳み込み復号手段によって生成された訂正前復号信号に
対して、送信側と同じ畳み込み符号化用の第1の生成行
列を用いた畳み込みを行って第2の符号系列を生成す
る。誤り検出手段は、受信手段によって受信された第1
の符号系列と再畳み込み符号手段によって生成された第
2の符号系列とを比較してシンドロームを検出する。受
信された第1の符号系列に誤りが存在する場合には、検
出されたシンドロームのパターンと誤り系列のパターン
との間に相関関係が存在するので、誤り検出手段は、シ
ンドローム中の特定パターンを検出して誤りビットの位
置を判定し、そのビット位置に誤り訂正パルスを出力す
る。この誤り訂正パルスに基づいて訂正前復号信号中の
誤りビットを反転させるなどの処理を行うことによっ
て、誤りを訂正することができる。
【0018】請求項3に記載された復号器は、前記請求
項2に記載された復号器において、前記誤り検出手段か
ら出力される前記誤り訂正パルスを用いて前記逆畳み込
み復号手段から出力される前記訂正前復号信号を反転さ
せることによって訂正後復号信号を出力する誤り訂正手
段をさらに備えるものである。この発明の復号器は、誤
り訂正の方法を具体的に特定したものであり、誤り検出
手段から出力される誤り訂正パルスを用いて、訂正前復
号信号を反転させて、誤りの訂正された訂正後復号信号
を出力するようにしたものである。
【0019】請求項4に記載された復号器は、前記請求
項3に記載された復号器の一実施態様として、前記誤り
訂正手段から出力される前記訂正後復号信号を前記第1
の生成行列によって畳み込み、第3の符号系列として出
力する接続手段と、前記第1の生成行列に基づいて定め
られる第3の生成行列を用いて前記接続手段から出力さ
れる前記第3の符号系列を畳み込み、この畳み込み結果
をモジュロ2で加算することによって第2の訂正前復号
信号を出力する第2の逆畳み込み復号手段と、前記第2
の逆畳み込み復号手段から出力される前記第2の訂正前
復号信号を前記第1の生成行列によって畳み込み、第4
の符号系列として出力する第2の再畳み込み符号手段
と、前記第3及び第4の符号系列を比較してシンドロー
ムを検出し、検出されたシンドロームのパターンに基づ
いて前記第3符号系列中に存在する誤りビットを判定し
誤り訂正パルスを出力する第2の誤り検出手段と、前記
第2の誤り検出手段から出力される前記誤り訂正パルス
を用いて前記第2の逆畳み込み復号手段から出力される
前記第2の訂正前復号信号を反転させることによって第
2の訂正後復号信号を出力する第2の誤り訂正手段とを
備えるものである。本発明の復号器は、請求項3に記載
された復号器と同じ構成の復号器を、接続手段を介して
縦続に接続したものであり、これによって、誤り訂正能
力を向上させることができる。
【0020】請求項5に記載された復号器は、前記請求
項4に記載された復号器の一実施態様として、前記接続
手段、前記第2の逆畳み込み復号手段、前記第2の再畳
み込み符号手段、前記第2の誤り検出手段及び前記第2
の誤り訂正手段から構成される誤り訂正復号手段を縦続
に2以上接続したものである。本発明の復号器は、請求
項4に記載された復号器をさらに2以上、すなわち、全
体として3段以上縦続に接続したものであり、これによ
って、さらに誤り訂正能力を向上させることができる。
【0021】請求項6に記載された復号器は、前記請求
項3に記載された復号器の一実施態様として、前記誤り
訂正手段から出力される前記訂正後復号信号を前記第1
の生成行列によって畳み込み、第3の符号系列として出
力する接続手段と、前記接続手段から出力される前記第
3の符号系列を所定時間記憶した後に再び前記逆畳み込
み復号手段及び前記誤り検出手段に出力する記憶手段と
を備えるものである。本発明の復号器は、接続回路と記
憶手段を用いて、請求項4又は5に記載された発明のよ
うに、全体として復号器を複数段接続した場合と同等の
動作をさせるようにしたものである。請求項4又は5に
記載された復号器のように類似する構成を多段接続する
と、回路規模が大きくなるので、このように一つの復号
器を用いて構成することによって、小さな回路規模で同
様の誤り訂正能力の向上を図ろうとしたものである。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した一実施形
態の復号器について図面を参照しながら説明する。
【0023】図1は、一実施形態の復号器の構成を示す
図である。同図に示す復号器1は、1つのブロック回路
100を含んで構成されている。このブロック回路10
0は、図30に示した送信側の畳み込み符号器900
(拘束長K)から出力されるQ系列(Q=1/R、R:
符号化率)の符号系列を復号するためのものであり、逆
畳み込み復号器120、再畳み込み符号器140、誤り
検出回路160、誤り訂正回路180を含んで構成され
ている。
【0024】逆畳み込み復号器120は、送信側の畳み
込み符号器900から出力された符号系列に誤り系列が
加算されたQ系列の受信系列のうち少なくとも2系列以
上が入力されており、これらの入力された2系列以上の
受信系列に対して畳み込み復号化処理を行って訂正前復
号信号を生成する。
【0025】図2は、逆畳み込み復号器120の詳細な
構成を示す図である。同図に示す逆畳み込み復号器12
0は、シフトレジスタ121−1〜121−Q、モジュ
ロ2演算部122−1〜122−Q、モジュロ2回路1
23を含んで構成されている。
【0026】シフトレジスタ121−1〜121−Q
は、それぞれK−1段の縦続接続された単位時間遅延素
子によって構成され、受信系列のいずれか1系列が入力
される。例えば、シフトレジスタ121−1は、第1列
の受信系列が入力される。また、シフトレジスタ121
−2は、第2列の受信系列が入力される。これらのシフ
トレジスタ121−1〜121−Qは、内蔵する単位時
間遅延素子により、入力される受信系列を時間軸上に展
開する。なお、シフトレジスタ121−1〜121−Q
内の単位時間遅延素子は、必ずしもK−1段でなくても
よく、K−1段以下であればよい。
【0027】モジュロ2演算部122−1〜122−Q
のそれぞれは、縦続接続された複数の排他的論理和回路
によって構成されている。そして、これらの縦続接続さ
れた複数の排他的論理和回路は、対応するシフトレジス
タ121−1〜121−Qに内蔵された初段の単位時間
遅延素子の入力端子のタップ0から最終段の単位時間遅
延素子の出力端子のタップK−1までのK個のタップの
中から選択されたいくつかのタップに接続されている。
なお、タップの選択においては、送信側の畳み込み符号
器900の生成行列によって決定されるタップ選択の組
み合わせの中から適当な組み合わせが選択される。
【0028】モジュロ2演算部122−1〜122−Q
のそれぞれは、縦続接続された複数の排他的論理和回路
によって、選択されたタップから出力される信号をモジ
ュロ2で加算し、この加算結果をモジュロ2回路123
に出力する。モジュロ2回路123は、これらの加算結
果をさらにモジュロ2で加算して、訂正前復号信号を生
成する。
【0029】再畳み込み符号器140は、図30に示し
た送信側の畳み込み符号器900と同じ生成行列を有し
ており、訂正前復号信号に対して畳み込み符号化処理を
行って再符号化信号を生成する。
【0030】図3は、再畳み込み符号器140の詳細な
構成を示す図である。同図に示す再畳み込み符号器14
0は、訂正前復号信号に対して畳み込み符号化処理を行
ってQ系列の再符号化信号を生成するためのものであ
り、拘束長はKである。この畳み込み符号器140は、
拘束長Kよりも1だけ少ないK−1段の縦続接続された
単位時間遅延素子141−(1)〜141−(K−1)
と、モジュロ2演算部142−1〜142−Qとを含ん
で構成されている。
【0031】単位時間遅延素子141−(1)〜141
−(K−1)は、あらかじめリセットされており、情報
系列が直列に入力されると、この情報系列を時間軸上で
展開する。
【0032】モジュロ2演算部142−1〜142−Q
のそれぞれは、縦続接続された複数の排他的論理和回路
によって構成されている。そして、モジュロ2演算部1
42−1〜142−Qのそれぞれにおいて、初段の単位
時間遅延素子141−(1)の入力端子のタップ0から
最終段の単位時間遅延素子141−(K−1)の出力端
子のタップK−1までのK個のタップの中からいくつか
のタップが選択されており、これらの選択されたタップ
が排他的論理和回路に接続されている。
【0033】モジュロ2演算部142−1〜142−Q
のそれぞれは、縦続接続された複数の排他的論理和回路
によって、選択されたタップから出力される信号をモジ
ュロ2で加算してQ系列の再符号化信号を生成する。こ
こで、giをi番目のタップの選択の有無を表す値とす
ると、再畳み込み符号器140によって生成される行列
は送信側の畳み込み符号器900によって生成される行
列と同じ式(a)となる。
【0034】Q系列の再符号化信号は、初段の単位時間
遅延素子141−(1)に訂正前復号信号の最初のビッ
トが入力されてから最後のビットが入力されるまでの
間、並列に出力される。誤り検出回路160は、再畳み
込み符号器140から出力される再符号化信号と受信系
列とを比較して、誤りビットが生じているビット位置を
特定し、誤り訂正パルスを出力する。
【0035】図4は、誤り検出回路160の詳細な構成
の一例を示す図である。同図に示す誤り検出回路160
は、シンドローム生成部161−1〜161−Q、パタ
ーン検出回路166を含んで構成されている。
【0036】シンドローム生成部161−1〜161−
Qは、それぞれ遅延回路162−1および比較器として
動作する排他的論理和回路163−1等を含んで構成さ
れている。遅延回路162−1〜162−Qは、それぞ
れ縦続接続された単位時間遅延素子によって構成され、
受信系列の1系列が入力されている。遅延回路162−
1には第1列の受信系列が入力され、遅延回路162−
2には第2列の受信系列が入力される。
【0037】これらの遅延回路162−1〜162−Q
は、入力された受信系列を遅延させる。再畳み込み符号
器140から出力される再符号化信号は、逆畳み込み復
号器120および再畳み込み符号器140の内部遅延に
よって遅れが生じているため、遅延回路162−1〜1
62−Qによって受信系列を遅延させることにより、受
信系列と再符号化信号のタイミングを一致させている。
【0038】排他的論理和回路163−1〜163−Q
のそれぞれは、対応する遅延回路162−1〜162−
Qから出力される受信系列とこの受信系列と同一系列の
再符号化信号との排他的論理和を演算することにより受
信系列と再符号化信号とを比較して、符号系列を伝送す
る際に加わった誤り系列だけに依存して送信側の元の情
報系列には依存しないQ系列のシンドローム(syndrom
e)を生成する。
【0039】例えば、排他的論理和回路163−1は、
受信系列の第1列と再符号化信号の第1列との排他的論
理和を演算して第1列のシンドロームを生成し、排他的
論理和回路163−2は、受信系列の第2列と再符号化
信号の第2列との排他的論理和を演算して第2列のシン
ドロームを生成する。
【0040】このシンドロームのビットパターンは、誤
り系列のビットパターンと相関関係があり、Kビット中
の1ビットのみが誤っているなどのように誤りが少ない
場合には1対1で対応する。パターン検出回路166
は、シンドローム中の特定パターンを検出することによ
り、誤りビットの生じたビット位置を特定し、誤り訂正
パルスを出力する。
【0041】ところで、図4に示した誤り検出回路16
0によって検出されるシンドロームには、伝送路で加え
られた誤りが逆畳み込み復号器120および再畳み込み
符号器140によって二重に畳み込まれているため、単
独(1ビット)の誤りであっても最大2K−1ビットに
渡って展開されることになり、必ずしも常に高い誤り検
出能力を維持することができるとは限らない。誤り検出
能力とは、誤りビットを見逃さずにそのビット位置を正
確に特定すること、および誤りのないビットを誤りがあ
ると誤判定しないことの両方を意味する。従って、図4
に示した誤り検出回路160よりも誤り検出能力を高め
た誤り検出回路を用いるようにしてもよい。
【0042】図5は、図4に示したパターン検出回路1
66の詳細な構成を示す図である。図5に示すようにパ
ターン検出回路166は、シンドローム修正回路167
−1〜167−Q、パターン比較器168を含んで構成
されている。
【0043】シンドローム修正回路167−1〜167
−Qは、それぞれ複数の論理積回路とこれらの論理積回
路と同数の単位時間遅延素子を含んでおり、1つの論理
積回路の出力端子に1つの単位時間遅延素子の入力端子
が接続された組み合わせ回路の縦続接続によって構成さ
れている。
【0044】シンドローム修正回路167−1〜167
−Qのそれぞれにおいて、初段の組み合わせ回路を構成
する論理積回路の一方の入力端子にはシンドロームの1
系列の信号が入力され、他方の入力端子にはパターン比
較器168から出力される誤り訂正パルスが入力され
る。また、この論理積回路の一方の入力端子に入力され
るシンドロームの1系列の信号のそれぞれがパターン比
較器168に入力されている。
【0045】また、初段以外の組み合わせ回路を構成す
る論理積回路の一方の入力端子には前段の組み合わせ回
路を構成する単位時間遅延素子から出力される信号が入
力され、他方の入力端子にはパターン比較器168から
出力される誤り訂正パルスが入力される。また、この論
理積回路の一方の入力端子に入力される信号のそれぞれ
は、パターン比較器168に入力される。また、最終段
の組み合わせ回路を構成する単位時間遅延素子から出力
される信号がパターン比較器168に入力される。
【0046】パターン比較器168は、各シンドローム
修正回路167−1〜167−Qから出力される信号に
基づいて誤りビットの生じたビット位置を特定し、誤り
訂正パルスを出力する。また、この誤り訂正パルスは、
各シンドローム修正回路167−1〜167−Qに内蔵
された論理積回路にフィードバックされて、シンドロー
ムが全て0になるように修正されるため、誤りビットの
間隔が拘束長K程度に狭い場合の誤り検出能力を高める
ことができる。なお、パターン検出回路166では、論
理積回路と単位時間遅延素子を用いているが、単位時間
遅延素子にリセット入力端子がある場合には、リセット
入力によりシンドロームを修正するようにしてもよい。
【0047】図6は、誤り検出回路の詳細な構成の他の
例を示す図である。同図に示す誤り検出回路160a
は、シンドローム生成部161a−1、161a−2、
シンドローム畳み込み回路164a−1、164a−
2、モジュロ2回路165a、パターン検出回路166
aを含んで構成されている。この誤り検出回路160a
は、誤り検出能力を高めるために、受信された受信系列
中の2つの系列を選択している。
【0048】一方のシンドローム生成部161a−1
は、遅延回路162a−1および比較器として動作する
排他的論理和回路163a−1を含んで構成されてい
る。他方のシンドローム生成部161a−2は、遅延回
路162a−2および排他的論理和回路163a−2を
含んで構成されている。遅延回路162a−1、162
a−2はそれぞれ縦続接続された複数の単位時間遅延素
子によって構成され、選択された1系列の受信系列が入
力される。これらの遅延回路162a−1、162a−
2によって受信系列に遅延を生じさせることにより、受
信系列と再符号化信号のタイミングを一致させる。排他
的論理和回路163a−1、163a−2は、対応する
遅延回路162a−1、162a−2から出力される受
信系列とこの受信系列と同一系列の再符号化信号との排
他的論理和を演算することによりシンドロームを生成す
る。
【0049】シンドローム畳み込み回路164a−1、
164a−2は、それぞれシンドロームの畳み込み演算
処理を行う。なお、畳み込み演算処理における生成行列
は、送信側の畳み込み符号器900および再畳み込み符
号器140と同一の生成行列が用いられる。このよう
に、シンドローム畳み込み回路164a−1、164a
−2によって、シンドロームの畳み込み演算処理が行わ
れることにより、ビット誤りは、逆畳み込み復号器12
0によって展開された分が縮退されて、再畳み込み符号
器140によって展開された分(Kビット)のみとな
る。
【0050】モジュロ2回路165aは、シンドローム
畳み込み回路164a−1、164a−2によって畳み
込まれたシンドロームをそれぞれモジュロ2で加算す
る。この演算結果(シンドロームのビットパターン)
は、誤り系列のビットパターンと相関関係がある。パタ
ーン検出回路166aは、シンドローム中の特定パター
ンを検出することにより、誤りビットの生じたビット位
置を特定し、誤り訂正パルスを出力する。
【0051】図7は、図6のパターン検出回路166a
の詳細な構成を示す図である。図7に示すようにパター
ン検出回路166aは、シンドローム修正回路167
a、パターン比較器168a−1〜168a−P、論理
和回路169aを含んで構成されている。
【0052】シンドローム修正回路167aは、複数の
論理積回路とこれらの論理積回路と同数の単位時間遅延
素子を含んでおり、1つの論理積回路の出力端子に1つ
の単位時間遅延素子の入力端子が接続された組み合わせ
回路が縦続接続されることによって構成されている。
【0053】シンドローム修正回路167aにおいて、
初段の組み合わせ回路を構成する論理積回路の一方の入
力端子にはシンドロームの1系列の信号が入力され、他
方の入力端子には論理和回路169aから出力される誤
り訂正パルスが入力される。また、この論理積回路の一
方の入力端子に入力されるシンドロームの1系列の信号
はパターン比較器168a−1〜168a−Pにそれぞ
れ入力される。
【0054】また、初段以外の組み合わせ回路を構成す
る論理積回路の一方の入力端子には前段の組み合わせ回
路を構成する単位時間遅延素子から出力される信号が入
力され、他方の入力端子には論理和回路169aから出
力される誤り訂正パルスが入力される。また、この論理
積回路の一方の入力端子に入力される信号は、パターン
比較器168a−1〜168a−Pにそれぞれ入力され
る。また、最終段の組み合わせ回路を構成する単位時間
遅延素子から出力される信号がパターン比較器168a
−1〜168a−Pにそれぞれ入力される。
【0055】パターン比較器168a−1〜168a−
Pは、シンドローム修正回路167aから出力される信
号に基づいて誤りビットの生じたビット位置を特定し、
そのビット位置に対応するパルスを出力する。
【0056】論理和回路169aは、各パターン比較器
168a−1〜168a−Pの論理和を演算して、その
演算結果を誤り訂正パルスとして出力する。また、この
誤り訂正パルスは、各シンドローム修正回路167a内
の各論理積回路にフィードバックされ、そこでシンドロ
ームが全て0になるように修正されるため、誤りビット
の間隔が拘束長K程度に狭い場合の誤り検出能力を高め
ることができる。
【0057】図8は、図1の誤り訂正回路180の詳細
な構成を示す図である。図8に示すように誤り訂正回路
180は、遅延回路181、排他的論理和回路183を
含んで構成されている。遅延回路181は、縦続接続さ
れた複数の単位時間遅延素子によって構成され、入力さ
れる訂正前復号信号を順次遅延させる。誤り検出回路1
60から出力される誤り訂正パルスは、再畳み込み符号
器140および誤り検出回路160の内部遅延によって
遅れが生じているため、遅延回路181によって訂正前
復号信号に遅延を生じさせることにより、訂正前復号信
号と誤り訂正パルスのタイミングを一致させる。排他的
論理和回路183は、訂正前復号信号と誤り検出回路1
60から出力される誤り訂正パルスとの排他的論理和を
演算する。すなわち、排他的論理和回路183は、誤り
訂正パルスによって訂正前復号信号中の誤りビットを反
転させることにより、訂正前復号信号を訂正して訂正後
復号信号を生成する。
【0058】上述した逆畳み込み復号器120が逆畳み
込み復号手段に、再畳み込み符号器140が再畳み込み
符号手段に、誤り検出回路160が誤り検出回路に、誤
り訂正回路180が誤り訂正手段にそれぞれ対応する。
【0059】次に、送信側の畳み込み符号器が拘束長K
=3、符号化率R=1/2の畳み込み符号を送信し、受
信側の復号器がこの畳み込み符号を復号するまでの動作
について説明する。なお、以下の説明においては式
(1)の生成行列の代わりに次式(2)の生成多項式を
用いるものとして説明する。なお、本明細書中の各式に
出てくる「+」は行列の加算を意味する。
【0060】
【数1】
【0061】図9は、送信側の畳み込み符号器の一例を
示す図である。図9に示すように畳み込み符号器300
は、拘束長K=3、符号化率R=1/2であり、単位時
間遅延素子301,302、モジュロ2回路303〜3
05を含んで構成される。この畳み込み符号器300に
は次式のような情報系列I(D)が入力される。
【0062】I(D)=i0+i1D+i2D2+・・・+in-1Dn-1 また、畳み込み符号器300は、次式のような生成多項
式G1(D)、G2(D)を有している。
【0063】G1(D)=1+D2 G2(D)=1+D+D2 畳み込み符号器300は、情報系列I(D)を、生成多
項式G1(D)、G2(D)に従って、次のような2系列
の符号系列W1(D)、W2(D)に符号化して伝送路に
出力する。
【0064】 W1(D)=G1(D)I(D) =i0+i1D+(i0+i2)D2+・・・+(in-3+in-1)Dn-1 W2(D)=G2(D)I(D) =i0+(i0+i1)D+(i0+i1+i2)D2+・・・+(in-3+in-2+in-1)Dn-1 なお、上式における括弧内(Dの係数)の加算は、畳み
込み符号器300内のモジュロ2回路によって行われ
る。
【0065】図10は、2系列の符号系列W1(D)、
2(D)が伝送される伝送路の一例を示す図である。
図10に示す伝送路310は、符号化率R=1/2であ
り、排他的論理和回路311、312を含んで構成され
る。この伝送路310に畳み込み符号器300から出力
される符号系列W1(D)、W2(D)が入力されると、
次式のような誤り系列E1(D),E2(D)が加算さ
れ、2系列の受信系列Y1(D)、Y2(D)が生成され
る。
【0066】E1(D)=e1,0+e1,1D+e1,2D2+・・・+e1,n-1Dn-1 E2(D)=e2,0+e2,1D+e2,2D2+・・・+e2,n-1Dn-1 Y1(D)=W1(D)+E1(D)=G1(D)I(D)+E1(D) =(i0+e1,0)+(i1+e1,1)D+(i0+i2+e1,2)D2+・・・ +(in-3+in-1+e1,n-1)Dn-1 Y2(D)=W2(D)+E2(D)=G2(D)I(D)+E2(D) =(i0+e2,0)+(i0+i1+e2,1)D+(i0+i1+i2+e2,2)D2+・・・ +(in-3+in-2+in-1+e2,n-1)Dn-1 これらの受信系列Y1(D)、Y2(D)は復号器1内の
逆畳み込み復号器120および誤り検出回路160に入
力される。
【0067】図11は、受信系列Y1(D)、Y2(D)
に関する逆畳み込み復号器120の簡単な構成例を示す
図である。図11に示す逆畳み込み復号器320は、拘
束長K=3、符号化率R=1/2であり、モジュロ2回
路321を含んで構成される。この逆畳み込み復号器3
20は、誤り系列E1(D),E2(D)が加算される前
の符号系列W1(D)、W2(D)が入力されると、次式
のように簡単に情報系列DI(D)を復号することがで
きる。
【0068】W1(D)+W2(D)=(G1(D)+G2(D))I(D)=DI(D) これに対して、この逆畳み込み復号器320は、生成多
項式A1(D)=1,A2(D)=1を有しているので、
誤り系列E1(D),E2(D)が加算された2系列の受
信系列Y1(D)、Y2(D)については次式のような訂
正前復号信号J(D)を生成する。
【0069】J(D)=A1(D)Y1(D)+A2(D)Y2(D) =W1(D)+E1(D)+W2(D)+E2(D) =DI(D)+E1(D)+E2(D) このようにして逆畳み込み復号器320によって生成さ
れた訂正前復号信号J(D)は再畳み込み符号器140
に入力される。
【0070】図12は、受信系列Y1(D)、Y2(D)
に関する再畳み込み符号器140の簡単な構成例を示す
図である。図12に示す再畳み込み符号器330は拘束
長K=3、符号化率1/2であり、単位時間遅延素子3
31,332、モジュロ2回路333〜335を含んで
構成されている。この再畳み込み符号器330は、送信
側の畳み込み符号器300と同じ構成であり、同一の生
成多項式G1(D)、G2(D)を有している。再畳み込
み符号器330は、これらの生成多項式G1(D)、G2
(D)を用いて訂正前復号信号J(D)に対して畳み込
み符号化処理を行うことにより、次式のような2系列の
再符号化信号Z1(D)、Z2(D)を生成する。
【0071】 Z1(D)=G1(D)J(D)=G1(D)(DI(D)+E1(D)+E2(D)) Z2(D)=G2(D)J(D)=G2(D)(DI(D)+E1(D)+E2(D)) これらの再符号化信号Z1(D)、Z2(D)は誤り検出
回路160に入力される。
【0072】図13は、受信系列Y1(D)、Y2(D)
に関する誤り検出回路160内のシンドローム生成部の
簡単な構成例を示す図である。図13に示すシンドロー
ム生成部340は、受信系列Y1(D)、Y2(D)およ
び再符号化信号Z1(D)、Z2(D)が入力されると、
次式のような2系列のシンドロームS1(D)とS
2(D)を生成する。
【0073】S1(D)=DY1(D)+Z1(D) =D(G1(D)I(D)+E1(D))+G1(D)(DI(D)+E1(D)+E2(D)) =(D+G1(D))E1(D)+G1(D)E2(D) =(1+D+D2)E1(D)+(1+D2)E2(D) S2(D)=DY2(D)+Z2(D) =D(G2(D)I(D)+E2(D))+G2(D)(DI(D)+E1(D)+E2(D)) =G2(D)E1(D)+(D+G2(D))E2(D) =(1+D+D2)E1(D)+(1+D2)E2(D) =S1(D) 上式から明らかなように、シンドロームS1(D)とシ
ンドロームS2(D)は同一であるため、いずれか一方
だけを生成すればよいことになる。従って、図12に示
した再畳み込み符号器330及び図13に示したシンド
ローム生成部340においては、点線部分で示した構成
については省略することができる。なお、これ以降の説
明ではシンドロームS(D)とする。
【0074】図14は、上述の訂正前復号信号J(D)
とシンドロームS(D)に関する式に基づいた、誤り系
列E1(D)、E2(D)の誤りのパターンE1,E2と、
シンドロームS(D)のパターンSと、I(D)=0の
場合の訂正前復号信号J(D)の誤りパターンJとの間
のそれぞれの対応関係を示す図である。なお、シンドロ
ームS(D)のパターンS中の「XX」はこれ以前の誤
りに依存していることを示す。
【0075】図15は、受信系列Y1(D)、Y2(D)
に関する誤り検出回路160のパターン検出回路166
と誤り訂正回路180とから構成されるパターン検出及
び誤り訂正回路350の簡単な構成例を示す図である。
図15に示すようにパターン検出及び誤り訂正回路35
0は、論理積回路351〜354、単位時間遅延素子3
55,356、否定回路357、論理和回路358、排
他的論理和回路359を含んで構成される。このパター
ン検出及び誤り訂正回路350は、図14に示した誤り
系列E1(D)、E2(D)の誤りのパターンE1、E2
シンドロームS(D)のパターンSとI(D)=0の場
合の訂正前復号信号J(D)の誤りパターンJとの間の
それぞれの対応関係から導き出されるものである。パタ
ーン検出及び誤り訂正回路350は、シンドローム生成
部340から出力されるシンドロームS(D)に基づい
て誤り訂正パルスを生成し、この誤り訂正パルスを用い
て、逆畳み込み復号器320から出力される訂正前復号
信号J(D)を訂正して訂正後復号信号を生成する。
【0076】次に、実際に移動体通信システムで利用さ
れている拘束長K=9、符号化率R=1/3の畳み込み
符号を送信する場合について説明する。図16は、送信
側の畳み込み符号器の他の例を示す図である。図16に
示す畳み込み符号器400は、拘束長K=9、符号化率
R=1/3であり、単位時間遅延素子401〜408、
モジュロ2回路409〜423を含んで構成される。こ
の畳み込み符号器400には次式のような情報系列I
(D)が入力される。
【0077】I(D)=i0+i1D+i2D2+・・・+in-1Dn-1 また、畳み込み符号器400は、次式のような生成多項
式G1(D)、G2(D)、G3(D)を有している。
【0078】G1(D)=1+D2+D3+D5+D6+D7+D8 G2(D)=1+D+D3+D4+D7+D8 G3(D)=1+D+D2+D5+D8 畳み込み符号器400は、情報系列I(D)を、生成多
項式G1(D)、G2(D)、G3(D)に従って、次の
ような3系列の符号系列W1(D)、W2(D)、W
3(D)に符号化して伝送路に出力する。
【0079】W1(D)=G1(D)I(D) W2(D)=G2(D)I(D) W3(D)=G3(D)I(D) 図17は、3系列の符号系列W1(D)、W2(D)、W
3(D)が伝送される伝送路の一例を示す図である。図
17に示す伝送路430は、符号化率R=1/3であ
り、排他的論理和回路431〜433を含んで構成され
る。この伝送路430に畳み込み符号器400から出力
される符号系列W1(D)、W2(D)、W 3(D)が入
力されると、次式のような誤り系列E1(D)、E
2(D)、E3(D)が加算され、3系列の受信系列Y1
(D)、Y2(D)、Y3(D)が生成される。
【0080】 E1(D)=e1,0+e1,1D+e1,2D2+・・・+e1,n-1Dn-1 E2(D)=e2,0+e2,1D+e2,2D2+・・・+e2,n-1Dn-1 E3(D)=e3,0+e3,1D+e3,2D2+・・・+e3,n-1Dn-1 Y1(D)=W1(D)+E1(D)=G1(D)I(D)+E1(D) Y2(D)=W2(D)+E2(D)=G2(D)I(D)+E2(D) Y3(D)=W3(D)+E3(D)=G3(D)I(D)+E3(D) これらの受信系列Y1(D)、Y2(D)、Y3(D)が
復号器1内の逆畳み込み復号器120および誤り検出回
路160に入力される。逆畳み込み復号器120は、3
系列の受信系列Y1(D)、Y2(D)、Y3(D)の全
てを利用して復号処理を行う場合には、生成多項式のペ
アA1(D)、A2(D)、A3(D)として、次式に示
すような条件のものを有する。
【0081】A1(D)G1(D)+A2(D)G2(D)+A3(D)G3(D)=Dm
【0082】
【数2】
【0083】
【数3】
【0084】
【数4】
【0085】上式において、mは0≦m≦2(K−1)
であり、a1,i、a2,i、a3,iは0または1であり、a
1,0、a2,0、a3,0の少なくとも1つは1である。
【0086】上述の生成多項式のペアを簡略化し、逆畳
み込み復号器120がA1(D)、A2(D)を生成多項
式のペアとして有するものとして説明する。すなわち、
復号器1の入力として3系列の受信系列のうちの2系列
が逆畳み込み復号器120および誤り検出回路160に
入力され、2系列の受信系列を利用して復号処理を行う
場合について説明する。従って、この場合には、逆畳み
込み復号器120は次式に示すような条件を満たす生成
多項式のペアA1(D)、A2(D)を有する。
【0087】A1(D)G1(D)+A2(D)G2(D)=Dm
【0088】
【数5】
【0089】
【数6】
【0090】上式において、mは0≦m≦2(K−1)
であり、a1,i、a2,iは0または1であり、a1,0、a
2,0、の少なくとも1つは1である。
【0091】図18は、逆畳み込み復号器120の別の
構成例を示す図である。図18に示す逆畳み込み復号器
440は、拘束長K=9、符号化率R=1/3であり、
単位時間遅延素子441〜450、モジュロ2回路45
1〜457を含んで構成される。この逆畳み込み復号器
440は、生成多項式G1(D)で受信系列Y1(D)を
畳み込み、生成多項式G2(D)で受信系列Y2(D)を
畳み込むことによって次式のような信号X1(D)、X2
(D)を生成する。
【0092】X1(D)=A1(D)Y1(D)=A1(D)(G1(D)I(D)+E
1(D)) X2(D)=A2(D)Y2(D)=A2(D)(G2(D)I(D)+E2(D)) そして、逆畳み込み復号器440は、これらの信号X1
(D)、X2(D)をモジュロ2で加算することによっ
て次式のような訂正前復号信号J(D)を出力する。
【0093】 J(D)=X1(D)+X2(D) =A1(D)(G1(D)I(D)+E1(D))+A2(D)(G2(D)I(D)+E2(D)) =(A1(D)G1(D)+A2(D)G2(D))I(D)+A1(D)E1(D)+A2(D)E2(D) =DmI(D)+A1(D)E1(D)+A2(D)E2(D) 逆畳み込み復号器440の場合は、生成多項式のペアA
1(D)、A2(D)は、次式のようになる。
【0094】A1(D)=1+D2+D5 A2(D)=1+D+D2+D3+D5 この逆畳み込み復号器440は、前述のような2系列の
受信系列Y1(D)、Y2(D)が入力されると、次式の
ような訂正前復号信号J(D)を出力する。
【0095】 J(D)=DmI(D)+(1+D2+D5)E1(D)+(1+D+D2+D3+D5)E2(D) この訂正前復号信号J(D)は再畳み込み符号器140
に入力される。
【0096】図19は、再畳み込み符号器140の別の
構成例を示す図である。同図に示す再畳み込み符号器4
60は、拘束長K=9、符号化率1/3であり、単位時
間遅延素子461〜468、モジュロ2回路469〜4
79を含んで構成される。この再畳み込み符号器460
は、次式のような生成多項式G1(D)、G2(D)を有
している。
【0097】G1(D)=1+D2+D3+D5+D6+D7+D8 G2(D)=1+D+D3+D4+D7+D8 これらの生成多項式G1(D)、G2(D)は、送信側の
畳み込み符号器400の生成多項式のうち、2系列の受
信系列Y1(D)、Y2(D)に対応する生成多項式と同
じである。この再畳み込み符号器460は、生成多項式
1(D)、G2(D)に従って訂正前復号信号J(D)
の畳み込み符号化処理を行うことにより、次式のような
2系列の再符号化信号Z1(D)、Z2(D)を生成す
る。
【0098】 Z1(D)=G1(D)J(D)=G1(D)(DmI(D)+A1(D)E1(D)+A2(D)E2(D)) =(1+D2+D3+D5+D6+D7+D8)(D7I(D)+(1+D2+D5)E1(D)+(1+D+D2+D3+D5)E2(D)) =(1+D2+D3+D5+D6+D7+D8)D7I(D) +(1+D3+D4+D5+D6+D7+D8+D9+D11+D12+D13)E1(D) +(1+D+D3+D6+D8+D9+D10+D12+D13)E2(D) Z2(D)=G2(D)J(D)=G2(D)(DmI(D)+A1(D)E1(D)+A2(D)E2(D)) =(1+D+D3+D4+D7+D8)(D7I(D)+(1+D2+D5)E1(D)+(1+D+D2+D3+D5)E2(D)) =(1+D+D3+D4+D7+D8)D7I(D) +(1+D+D2+D4+D7+D10+D12+D13)E1(D) +(1+D3+D4+D5+D6+D8+D11+D12+D13)E2(D) これらの再符号化信号Z1(D)、Z2(D)は誤り検出
回路160に入力される。
【0099】図20は、誤り検出回路160内のシンド
ローム生成部の別の構成例を示す図である。図20に示
すようにシンドローム生成部480は、単位時間遅延素
子481〜494、排他的論理和回路495、496を
含んで構成される。このシンドローム生成部480は、
受信系列Y1(D)と再符号化信号Z1(D)に基づいて
次式のようなシンドロームS1(D)を生成する。
【0100】 S1(D)=DmY1(D)+Z1(D) =Dm(G1(D)I(D)+E1(D))+G1(D)(DmI(D)+A1(D)E1(D)+A2(D)E2(D)) =(DmG1(D)+G1(D)Dm)I(D)+(Dm+G1(D)A1(D))E1(D)+G1(D)A2(D)E2(D) 上式において、 DmG1(D)+G1(D)Dm=0 Dm+G1(D)A1(D)=G2(D)A2(D) であるから、シンドロームS1(D)は次式のようにな
る。
【0101】S1(D)=G2(D)A2(D)E1(D)+G1(D)A2(D)E2(D) =A2(D)(G2(D)E1(D)+G1(D)E2(D)) また、シンドローム生成部480は、受信系列Y
2(D)と再符号化信号Z2(D)に基づいて次式のよう
なシンドロームS2(D)を生成する。
【0102】 S2(D)=DmY2(D)+Z2(D) =Dm(G2(D)I(D)+E2(D))+G2(D)(DmI(D)+A1(D)E1(D)+A2(D)E2(D)) =(DmG2(D)+G2(D)Dm)I(D)+G2(D)A1(D)E1(D)+(Dm+G2(D)A2(D))E2(D) 上式において、 DmG2(D)+G2(D)Dm=0 Dm+G2(D)A2(D)=G1(D)A1(D) であるから、シンドロームS2(D)は次式のようにな
る。
【0103】 S2(D)=G2(D)A1(D)E1(D)+G1(D)A1(D)E2(D) =A1(D)(G2(D)E1(D)+G1(D)E2(D)) これらのシンドロームS1(D)、S2(D)はシンドロ
ーム畳み込み回路に出力される。
【0104】図21は、シンドローム畳み込み回路の一
例を示す図である。図21に示すようにシンドローム畳
み込み回路500は、単位時間遅延素子501〜51
6、モジュロ2回路517〜528を含んで構成され
る。このシンドローム畳み込み回路500は、再畳み込
み符号器460と同じ次式のような生成多項式G
1(D)、G2(D)を有する。
【0105】G1(D)=1+D2+D3+D5+D6+D7+D8 G2(D)=1+D+D3+D4+D7+D8 従って、シンドローム畳み込み回路500は、G
2(D)でシンドロームS1(D)を畳み込み、G
1(D)でシンドロームS2(D)を畳み込んで、これら
の畳み込み結果をモジュロ2で加算することによって次
式のようなシンドロームS(D)を生成する。
【0106】 S(D)=G2(D)S1(D)+G1(D)S2(D) =(G2(D)A2(D)+G1(D)A1(D))(G2(D)E1(D)+G1(D)E2(D)) =Dm(G2(D)E1(D)+G1(D)E2(D)) =D7((1+D+D3+D4+D7+D8)E1(D)+(1+D2+D3+D5+D6+D7+D8)E2(D)) 図22は、逆畳み込み復号器440から出力される訂正
前復号信号J(D)とシンドローム畳み込み回路500
から出力されるシンドロームS(D)に関する式に基づ
いた、誤り系列E1(D)、E2(D)の誤りのパターン
1,E2と、シンドロームS(D)のパターンSと、I
(D)=0の場合の訂正前復号信号J(D)の誤りパタ
ーンJとの間のそれぞれの対応関係を示す図である。
【0107】図23は、誤り検出回路160のパターン
検出回路166の他の構成例を示す図である。同図に示
すパターン検出回路530は、組み合わせ回路531〜
538、否定回路539〜547、論理積回路548〜
550、論理和回路551を含んで構成される。図24
は、図23の組み合わせ回路531〜538の構成を示
す図である。組み合わせ回路531〜538は、1つの
論理積回路552の出力端子に1つの単位時間遅延素子
553の入力端子が接続されることによって構成され
る。このパターン検出回路530は、シンドローム畳み
込み回路500から出力されるシンドロームS(D)に
基づいて3系列の誤り検出パルスED1〜ED3を生成
する。
【0108】図25は、図1の誤り訂正回路180の詳
細な構成例を示す図である。図25に示す誤り訂正回路
560は、単位時間遅延素子561〜589、論理和回
路590〜593、排他的論理和回路594を含んで構
成される。縦続接続された15個の単位時間遅延素子5
61〜575によって所定時間の遅延回路が形成されて
いる。この誤り訂正回路560は、パターン検出回路5
30から出力される3系列の誤り検出パルスED1〜E
D3に基づいて誤り訂正パルスを生成し、この誤り訂正
パルスを用いて、逆畳み込み復号器440から出力され
る訂正前復号信号J(D)を訂正して訂正後復号信号を
出力するものである。
【0109】図23のパターン検出回路530および図
25の誤り訂正回路560は、図22に示した誤り系列
1(D)、E2(D)の誤りのパターンE1、E2とシン
ドロームS(D)のパターンSおよびI(D)=0の場
合の訂正前復号信号J(D)の誤りパターンJとの間の
関係から導き出されるものである。
【0110】なお、逆畳み込み復号器320、440に
よる復号処理が可能となるためには、送信側の畳み込み
符号器300、400(拘束長K、符号化率R)の生成
多項式を
【0111】
【数7】
【0112】と定め、逆畳み込み復号器320、440
の生成多項式を
【0113】
【数8】
【0114】と定めた場合に、
【0115】
【数9】
【0116】を満たすAj(D)の組み合わせが存在し
なければならない。
【0117】また、送信側の畳み込み符号器300、4
00の生成多項式Gj(D)として有意な組み合わせの
数NGとこの有意な組み合わせの数NGの中の復号可能な
組み合わせの数NGAは拘束長Kと符号化率Rによって決
まる。ここで、「有意な組み合わせ」とは、以下の
(1)〜(4)の条件を満たすものである。 (1)1/R個の生成多項式Gj(D)は互いに異な
る。 (2)全ての生成多項式Gj(D)は0ではない。すな
わち、係数gj,iのいずれかが1である。 (3)少なくとも1つ以上の生成多項式Gj(D)にお
いてD0 =1の項の係数gj,0が1である。 (4)少なくとも1つ以上の生成多項式Gj(D)にお
いてDk-1 =1の項の係数gj,k-1が1である。
【0118】なお、逆畳み込み復号器320、440に
よる復号処理が可能となるための生成多項式Aj(D)
の組み合わせの条件として、冗長なものを取り除くため
に以下の(5)、(6)を定める。 (5)すべての生成多項式Aj(D)は0ではない。す
なわち、係数aj,iのいずれかが1である。 (6)少なくとも1つ以上の生成多項式Aj(D)にお
いてD0 =1の項の係数aj,0が1である。
【0119】以上の(1)〜(6)の条件の下で、符号
化率R=1/2とすると、有意な組み合わせの数N
Gと、この有意な組み合わせの数NGの中の復号可能な組
み合わせの数NGAは、 NG=3(3×22k-5−2k-3) NGA=3×22k-4 のようになり、NGA/NGは、次式のような関係にな
る。
【0120】
【数10】
【0121】また、符号化率R=1/2の場合には、復
号可能なGj(D)の組み合わせにおいて復号可能なAj
(D)の組み合わせ数NAはNA=2Kとなる。
【0122】図26は、符号化率R=1/2のときにお
ける拘束長K=2〜9に対応する上記NG、NGA、NGA
/NG、NAのそれぞれの値を示す。図26において、復
号することができない生成多項式G1(D)、G2(D)
の組み合わせとしてはG1(D)、G2(D)それぞれに
おけるDi (0≦i≦K−1)の項の係数g1,i=1、
2,i=1の項の数がともに偶数の場合などである。
【0123】図27は、符号化率R=1/3のときにお
いて、3系列の受信系列を全て復号処理に使用する場合
の拘束長K=2〜4に対応する上記NG、NGA、NGA
G、NAのそれぞれの値を示す。図26および図27か
ら明らかなように、符号化率Rが小さいほど復号可能な
生成多項式Gj(D)の組み合わせの割合NGA/NGが増
加する傾向にあることが理解できる。
【0124】このように、上述の実施の形態の復号器に
おいては、図31に示した従来のビタビ復号器のような
複雑な復号法を用いていないため、簡単な回路で復号処
理を行うことが可能となる。したがって、復号器の小型
化とコスト低減を図ることができる。特に、この実施の
形態に係る復号器を無線機の試験装置に適用した場合に
は、伝送路は理想状態に近く符号系列に誤り系列が加算
されて信号誤りが発生することはほとんどないため、試
験の信頼性を低下させることなく復号器の小型化とコス
ト低減を図ることができる。
【0125】なお、本発明は上述の実施の形態に限定さ
れるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形
実施が可能である。例えば、図1に示した実施の形態で
は、1つのブロック回路100を用いて復号器1を構成
したが、ブロック回路を多段に縦続接続して復号器を構
成するようにしてもよい。
【0126】図28は、復号器の変形例を示す図であ
る。同図に示す復号器1Aは、2段に縦続接続されたブ
ロック回路100A、100Bと、これらのブロック回
路100A、100Bを接続する接続回路200Aとを
含んで構成されている。
【0127】ブロック回路100Aは、逆畳み込み復号
器120A、再畳み込み符号器140A、誤り検出回路
160A、誤り訂正回路180Aを含んで構成されてい
る。このブロック回路100Aは、送信側の畳み込み符
号器から出力された符号系列に誤り系列が加算された受
信系列の訂正を行って第1の訂正後符号信号を生成す
る。
【0128】接続回路200Aは、再畳み込み符号器2
01A、遅延回路202Aを含んで構成されている。再
畳み込み符号器201Aは、ブロック回路100Aから
出力される第1の訂正後復号信号に対して畳み込み符号
化処理を行って再符号化信号を生成する。遅延回路20
2Aは、受信系列に遅延を生じさせる。再畳み込み符号
器201Aから出力される再符号化信号は、ブロック回
路100Aおよび再畳み込み符号器201Aの内部遅延
によって遅れが生じているため、遅延回路202Aによ
って受信系列に遅延を生じさせることにより、受信系列
と再符号化信号のタイミングを一致させる。
【0129】ブロック回路100Bは、逆畳み込み復号
器120B、再畳み込み符号器140B、誤り検出回路
160B、誤り訂正回路180Bを含んで構成されてい
る。このブロック回路100Bは、接続回路200Aか
ら出力される受信系列と再符号化信号の復号化処理を行
って第2の訂正後復号信号を生成する。
【0130】このように、接続回路を用いてブロック回
路を多段に縦続接続することにより、ビット誤りが連続
する場合や受信系列中の複数の系列に同時にビット誤り
が生じている場合においても誤り訂正を確実に行うこと
ができ、誤り訂正能力を高めることができる。
【0131】上述した接続回路200Aが接続手段に、
逆畳み込み復号器120Bが第2の逆畳み込み復号手段
に、再畳み込み符号器140Bが第2の再畳み込み符号
手段に、誤り検出回路160Bが第2の誤り検出手段
に、誤り訂正回路180Bが第2の誤り訂正手段に、接
続回路200Aおよびブロック回路100Bが誤り訂正
復号手段にそれぞれ対応する。
【0132】なお、ブロック回路100A内の誤り訂正
回路180Aから出力される第1の訂正後復号信号を接
続回路200A内の再畳み込み符号器201Aおよびブ
ロック回路100B内の逆畳み込み復号器120Bを経
ずに、ブロック回路100B内の再畳み込み符号器14
0B、誤り訂正回路180Bに入力させるようにしても
よい。また、接続回路200Aおよびブロック回路10
0Bからなる誤り訂正復号手段を2以上縦続接続して、
誤り訂正能力をさらに向上させるようにしてもよい。
【0133】また、1つのブロック回路によって複数回
の誤り訂正を行うようにしてもよい。図29は、復号器
の他の変形例を示す図である。同図に示す復号器1C
は、切換器50、ブロック回路100C、接続回路20
0C、バッファメモリ250を含んで構成されている。
【0134】切換器50は、2系列の受信系列とバッフ
ァメモリ250から出力される信号のいずれかを選択し
てブロック回路100Cに入力する。具体的には、切換
器50は、受信系列が入力された時にはこの受信系列を
選択してブロック回路100Cに入力し、受信系列の入
力が終了した後はバッファメモリ250から出力される
信号を選択してブロック回路100Cに入力する。
【0135】ブロック回路100Cは、逆畳み込み復号
器120C、再畳み込み符号器140C、誤り検出回路
160C、誤り訂正回路180Cを含んで構成されてい
る。このブロック回路100Cは、送信側の畳み込み符
号器から出力された符号系列に誤り系列が加算された受
信系列の復号化処理を行って第1の訂正後符号信号を生
成する。
【0136】接続回路200Cは、再畳み込み符号器2
01C、遅延回路202Cを含んで構成されている。再
畳み込み符号器201Cは、ブロック回路100Cから
出力される訂正後復号信号に対して畳み込み符号化処理
を行って再符号化信号を生成する。
【0137】遅延回路202Cは、切換器50から出力
される受信系列に遅延を生じさせる。再畳み込み符号器
201Cから出力される再符号化信号は、ブロック回路
100Cおよび再畳み込み符号器201Cの内部遅延に
よって遅れが生じているため、遅延回路202Cによっ
て受信系列に遅延を生じさせることにより、受信系列と
再符号化信号のタイミングを一致させる。
【0138】バッファメモリ250は、接続回路200
Cから出力される再符号化信号および受信系列とを格納
して所定のタイミングで切換器50に出力する。接続回
路200Cから出力される信号をブロック回路100C
にフィードバックする場合には、受信系列の畳み込み符
号化の対象となるブロックの畳み込み符号化処理が終了
している必要があるため、このバッファメモリ250に
よって接続回路200Cから出力される信号をブロック
回路100Cにフィードバックするタイミングが調整さ
れる。そして、ブロック回路100Cは、切換器50を
介してバッファメモリ250から出力される再符号化信
号および受信系列の復号化処理を行う。
【0139】上述した接続回路200Cが接続手段に、
バッファメモリ250が記憶手段にそれぞれ対応する。
【0140】このように、1つのブロック回路によって
複数回の誤り訂正を行うことにより、ビット誤りが連続
する場合や受信系列中の複数の系列に同時にビット誤り
が生じている場合においても誤り訂正を確実に行うこと
ができ、誤り訂正能力を高めることができ、しかも、1
つのブロック回路を備えるだけでよいため、さらなる復
号器の小型化を図ることができる。
【0141】また、図2に示した逆畳み込み復号器12
0にはQ系列の受信系列が全て入力されているが、少な
くとも2系列が入力されていればよい。ただし、入力さ
れる系列によっては復号することができない場合もある
ため、復号可能な系列を選択する必要がある。
【0142】また、図4に示した誤り検出回路160に
はQ系列の受信系列が全て入力されているが、少なくと
も1系列が入力されていればよい。なお、逆畳み込み復
号器120にQ系列の受信系列が全て入力されておら
ず、一部の系列のみが入力されている場合において、逆
畳み込み復号器120に入力される系列と誤り検出回路
160に入力される系列は同じでなくてもよい。
【0143】また、図5に示したパターン検出回路16
6は、シンドローム修正回路167−1等を備えてお
り、図7に示したパターン検出回路166aは、シンド
ローム修正回路167aを備えているが、これらのシン
ドローム修正回路は省略してもよい。また、誤り訂正パ
ルスは、既存の方法で生成するようにしてもよい。ま
た、パターン検出回路166、166aは、シンドロー
ム中の特定パターンを検出することにより、誤りビット
の生じたビット位置を特定しているが、特定パターンに
は様々なものが考えられる。
【0144】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば、従来
の復号器のようにビタビ復号器を備える必要がなく、簡
単な回路で復号処理を行うことが可能となり、復号器の
小型化とコスト低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一実施形態の復号器の構成を
示す図である。
【図2】図1の逆畳み込み復号器の詳細な構成を示す図
である。
【図3】図1の再畳み込み符号器の詳細な構成を示す図
である。
【図4】図1の誤り検出回路の詳細な構成の一例を示す
図である。
【図5】図4のパターン検出回路の詳細な構成を示す図
である。
【図6】図1の誤り検出回路の詳細な構成の他の例を示
す図である。
【図7】図6のパターン検出回路の詳細な構成を示す図
である。
【図8】図1の誤り訂正回路の詳細な構成を示す図であ
る。
【図9】送信側の畳み込み符号器の具体例を示す図であ
る。
【図10】伝送路の具体例を示す図である。
【図11】図1の逆畳み込み復号器の具体例を示す図で
ある。
【図12】図1の再畳み込み符号器の具体例を示す図で
ある。
【図13】図4のシンドローム生成部の具体例を示す図
である。
【図14】誤り系列の誤りパターンとシンドロームのパ
ターンおよび訂正前復号信号の誤りパターンとの間の関
係を示す図である。
【図15】図4の誤り検出回路を構成するパターン検出
回路と図1の誤り訂正回路から構成されるパターン検出
及び誤り訂正回路の具体例を示す図である。
【図16】送信側の畳み込み符号器の他の具体例を示す
図である。
【図17】伝送路の他の具体例を示す図である。
【図18】図1の逆畳み込み復号器の他の具体例を示す
図である。
【図19】図1の再畳み込み符号器の他の具体例を示す
図である。
【図20】図4のシンドローム生成部の他の具体例を示
す図である。
【図21】図6のシンドローム畳み込み回路の具体例を
示す図である。
【図22】誤り系列の誤りパターンとシンドロームのパ
ターンおよび訂正前復号信号の誤りパターンとの間の関
係を示す図である。
【図23】図4のパターン検出回路の他の具体例を示す
図である。
【図24】図23の組み合わせ回路の一例を示す図であ
る。
【図25】図1の誤り訂正回路の他の具体例を示す図で
ある。
【図26】拘束長に対応する生成多項式Gj(D)、逆
畳み込み復号器による復号処理が可能となるための生成
多項式Aj(D)、復号可能なGj(D)の組み合わせに
おいて復号可能なAj(D)の組み合わせ数NAの一例を
示す図である。
【図27】拘束長に対応する生成多項式Gj(D)、逆
畳み込み復号器による復号処理が可能となるための生成
多項式Aj(D)、復号可能なGj(D)の組み合わせに
おいて復号可能なAj(D)の組み合わせ数NAの他の例
を示す図である。
【図28】図1の復号器の変形例を示す図である。
【図29】図1の復号器の他の変形例を示す図である。
【図30】従来の畳み込み符号器の構成を示す図であ
る。
【図31】従来のビタビ復号器の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 復号器 100 ブロック回路 120 逆畳み込み復号器 140 再畳み込み符号器 160 誤り検出回路 180 誤り訂正回路

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 畳み込み符号化用の第1の生成行列によ
    って送信側で畳み込まれた複数の符号系列が順次入力さ
    れ、これらの前記符号系列を前記第1の生成行列に基づ
    いて定められる第2の生成行列を用いてそれぞれ畳み込
    み、その畳み込んだ結果をモジュロ2で加算することに
    よって訂正前復号信号を出力する逆畳み込み復号手段を
    備えることを特徴とする復号器。
  2. 【請求項2】 畳み込み符号化用の第1の生成行列によ
    って送信側で畳み込まれた複数の第1の符号系列が順次
    入力され、これらの前記符号系列を前記第1の生成行列
    に基づいて定められる第2の生成行列を用いてそれぞれ
    畳み込み、その畳み込んだ結果をモジュロ2で加算する
    ことによって訂正前復号信号を出力する逆畳み込み復号
    手段と、 前記逆畳み込み復号手段から出力される前記訂正前復号
    信号を前記第1の生成行列によって畳み込み、第2の符
    号系列として出力する再畳み込み符号手段と、 前記第1及び第2の符号系列を比較してシンドロームを
    検出し、検出されたシンドロームのパターンに基づいて
    前記第1符号系列中に存在する誤りビットを判定し誤り
    訂正パルスを出力する誤り検出手段と、 を備えることを特徴とする復号器。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 前記誤り検出手段から出力される前記誤り訂正パルスを
    用いて前記逆畳み込み復号手段から出力される前記訂正
    前復号信号を反転させることによって訂正後復号信号を
    出力する誤り訂正手段をさらに備えることを特徴とする
    復号器。
  4. 【請求項4】 請求項3において、 前記誤り訂正手段から出力される前記訂正後復号信号を
    前記第1の生成行列によって畳み込み、第3の符号系列
    として出力する接続手段と、 前記第1の生成行列に基づいて定められる第3の生成行
    列を用いて前記接続手段から出力される前記第3の符号
    系列を畳み込み、この畳み込み結果をモジュロ2で加算
    することによって第2の訂正前復号信号を出力する第2
    の逆畳み込み復号手段と、 前記第2の逆畳み込み復号手段から出力される前記第2
    の訂正前復号信号を前記第1の生成行列によって畳み込
    み、第4の符号系列として出力する第2の再畳み込み符
    号手段と、 前記第3及び第4の符号系列を比較してシンドロームを
    検出し、検出されたシンドロームのパターンに基づいて
    前記第3符号系列中に存在する誤りビットを判定し誤り
    訂正パルスを出力する第2の誤り検出手段と、 前記第2の誤り検出手段から出力される前記誤り訂正パ
    ルスを用いて前記第2の逆畳み込み復号手段から出力さ
    れる前記第2の訂正前復号信号を反転させることによっ
    て第2の訂正後復号信号を出力する第2の誤り訂正手段
    と、 を備えることを特徴とする復号器。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 前記接続手段、前記第2の逆畳み込み復号手段、前記第
    2の再畳み込み符号手段、前記第2の誤り検出手段及び
    前記第2の誤り訂正手段から構成される誤り訂正復号手
    段を2以上縦続接続したことを特徴とする復号器。
  6. 【請求項6】 請求項3において、 前記誤り訂正手段から出力される前記訂正後復号信号を
    前記第1の生成行列によって畳み込み、第3の符号系列
    として出力する接続手段と、 前記接続手段から出力される前記第3の符号系列を所定
    時間記憶した後に再び前記逆畳み込み復号手段及び前記
    誤り検出手段に出力する記憶手段と、 を備えることを特徴とする復号器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2377146A (en) * 2001-02-19 2002-12-31 Radioscape Ltd Convolutional code decoder which applies the inverse of the encode matrix to the received data and only applies Viterbi decoding to sections with errors
JP2017053864A (ja) * 2011-06-10 2017-03-16 ローデ ウント シュワルツ ゲーエムベーハー ウント コー カーゲー 測定装置及び測定方法

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