JP2001024489A - 遅延発生器ならびにその遅延発生器を用いた周波数シンセサイザおよび逓倍器 - Google Patents

遅延発生器ならびにその遅延発生器を用いた周波数シンセサイザおよび逓倍器

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JP2001024489A
JP2001024489A JP11190136A JP19013699A JP2001024489A JP 2001024489 A JP2001024489 A JP 2001024489A JP 11190136 A JP11190136 A JP 11190136A JP 19013699 A JP19013699 A JP 19013699A JP 2001024489 A JP2001024489 A JP 2001024489A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分数に比例した遅延時間を発生させることが
できる遅延発生器、アキュムレータの出力信号からジッ
タのない信号を抽出することができる周波数シンセサイ
ザ、フィルタが不要である逓倍器を提供する。 【解決手段】 ランプ波電圧VRを発生するランプ波発
生回路26をラッチ16、第1の電流源18、第1の容
量22等から構成し、閾値電圧VTを発生する閾値電圧
発生回路27をラッチ17、第2の電流源19、第2の
容量23等から構成し、ランプ波発生回路26、閾値電
圧発生回路27にそれぞれデータ入力DR、DTを送出す
るデータセレクタ部89をセレクタ14等から構成し、
ランプ波電圧VRと閾値電圧VTとが一致するタイミング
で立ち上がるパルスを出力するコンパレータ24を設
け、コンパレータ24の出力パルスを入力して時定数τ
に応じたパルス幅の出力パルスを出力するワンショット
25を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は設定された時間遅れ
で立ち上がるパルスを発生する遅延発生器、無線通信装
置などに用いられる周波数シンセサイザおよび逓倍器に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】図15は従来の遅延発生器(参考文献:
アナログデバイセズ社、リニア・データブック1994/199
5、pp.12-36〜12-64)を示す図である。図に示すよう
に、電流源2、容量3およびスイッチ8により積分器が
構成される。トリガ回路1はリーク信号入力端子9に入
力するリーク信号およびトリガ信号入力端子10に入力
するトリガ信号に応じてスイッチ8を開閉し、積分器が
ランプ波電圧VRを発生する。一方、ラッチ4はラッチ
信号入力端子11に入力するラッチ信号に応じて設定デ
ータK入力端子12に入力する設定データKをラッチし
てD/A変換器5に設定する。D/A変換器5は設定デ
ータKに比例した閾値電圧(最終到達電圧)VTを発生
する。コンパレータ6はランプ波電圧VRと閾値電圧VT
とを比較し、ランプ波電圧VRと閾値電圧VTとが一致す
るタイミングで立ち上がるパルスを出力する。ワンショ
ット7はコンパレータ6の出力パルスを入力し、時定数
τに応じたパルス幅のパルスを出力端子13に出力す
る。
【0003】図16は図15に示した遅延発生器の動作
例を示すタイムチャートである。図16の(a)はトリガ
信号、(b)はラッチ信号、(c)は設定データK、(d)は
リーク信号、(e)は容量3の一端の電圧であるランプ波
電圧VR、(f)はD/A変換器5の出力電圧である閾値
電圧VT、(g)は遅延発生器の出力端子13から出力さ
れる出力信号である。
【0004】まずはじめに、設定データKがラッチ信号
に同期してラッチされ、D/A変換器5は設定データK
に比例した閾値電圧VTを出力する。そして、閾値電圧
Tは、D/A変換器5の単位電圧をV0とすると、次式
で表される。
【0005】
【数1】VT=−K・V0 つぎに、トリガ信号の入力をトリガとして、容量3に電
流が流れてランプ波電圧VRが変化する。時刻tでのラ
ンプ波電圧VRは、電流源2の電流値をI、容量3の容
量値をC、トリガ信号の立ち上がり時刻をt0とする
と、次式で表される。
【0006】
【数2】VR=−(I/C)・(t−t0) つぎに、コンパレータ6はランプ波電圧VRと閾値電圧
Tとの一致を検出する。時刻t0からランプ波電圧VR
と閾値電圧VTとが一致して出力信号が立ち上がるまで
の遅延時間tdは(数1)、(数2)式より次式で表さ
れる。
【0007】
【数3】td=(K・V0・C)/I この出力信号はワンショット7の時定数τ経過後に立ち
下がる。また、リーク信号により容量3はリークされ、
ランプ波電圧VRは初期化される。以上により、従来の
遅延発生器は(数3)式で表される設定データKに比例
した遅延時間を発生することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、周波数シン
セサイザの高性能化に伴い、分子と分母とがともに可変
である分数に比例した遅延時間が必要とされている。こ
のような分数に比例した遅延時間が必要となるのは、例
えばアキュムレータの出力信号からジッタのない信号を
抽出しようとする場合や、フラクショナルN・PLL周
波数シンセサイザのスプリアスを低減させようとする場
合である。
【0009】しかし、従来の遅延発生器は、(数3)式
に示すように、設定データKに比例する遅延時間td
発生できるが、分数に比例した遅延時間は発生すること
ができない。また、(数3)式に示すように、遅延時間
dを表す式には回路定数V0、C、Iが入っているの
で、遅延時間tdの絶対精度を向上するためには、回路
定数V0、C、Iそれぞれの調整が不可欠となる。
【0010】なお、(数3)式によれば、電流源2の電
流値Iを変化させることにより分数に比例した遅延時間
の発生は可能であるが、回路定数V0、C、Iが直接遅
延時間tdに影響するため、遅延時間tdの絶対精度向上
のためには回路定数V0、Cの調整が必要であることに
変わりはない。このように、従来の遅延発生器では遅延
時間の精度が要求される周波数シンセサイザなどへの応
用は難しい。
【0011】また、従来の逓倍器は素子の非線形性を利
用しており、またはミキサを利用しているから、フィル
タが必要であるので、製造コストが高価である。
【0012】また、従来の遅延発生器を使用すること
で、入力信号の周期よりも短い間隔でパルスを発生させ
ることにより、入力信号の周波数の整数倍の出力信号を
得ようとする場合、入力信号の周波数に特化して回路定
数V0、C、Iの調整を行なわなければならない。入力
周波数が決まっている場合においても、従来の遅延発生
器では、遅延発生器の精度向上のために回路定数V0
C、Iの調整が必要である。
【0013】さらに、従来の遅延発生器では、閾値電圧
Tのレベルによってコンパレータ6の動作時間にばら
つきがあると、発生する遅延時間tdにその分の誤差を
含むことになる。また、ランプ波電圧VRの傾きによっ
てコンパレータ6の動作時間にばらつきがあると、発生
する遅延時間tdにその分の誤差を含むことになる。こ
れらの誤差を抑えるためには、コンパレータ6の動作時
間のばらつきを抑える必要がある。具体的には、コンパ
レータ6の動作時間の閾値電圧依存性およびランプ波電
圧の傾き依存性を抑える必要があるが、このためにはコ
ンパレータ6に大電流を流す必要があり、消費電力の面
で問題となる。
【0014】本発明は上述の課題を解決するためになさ
れたもので、分数に比例した遅延時間を発生させること
ができる遅延発生器を提供することを目的とする。ま
た、アキュムレータの出力信号からジッタのない信号を
抽出することができる周波数シンセサイザを提供するこ
とを目的とする。さらに、フィルタが不要である逓倍器
を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明においては、ランプ波電圧を発生するランプ
波発生回路と、閾値電圧を供給する閾値電圧供給手段
と、上記ランプ波電圧と上記閾値電圧とを比較して上記
ランプ波電圧と上記閾値電圧とが一致したときに出力パ
ルスを発生する比較回路とを有する遅延発生器におい
て、上記ランプ波発生回路として2段階の傾きを持つ上
記ランプ波電圧を発生するものを用いる。
【0016】この場合、上記ランプ波発生回路として上
記ランプ波電圧の傾きを第1のデータ入力に対応した傾
きとするものを用い、上記閾値電圧供給手段として上記
閾値電圧の傾きを第2のデータ入力に対応した傾きとす
る閾値電圧発生回路を用い、同じ時刻に上記第1のデー
タ入力として第1の設定データを送出するとともに第2
のデータ入力として第2の設定データを送出し、所定時
間経過後に上記第1のデータ入力として第2の設定デー
タを送出するとともに第2のデータ入力として0を送出
するデータセレクタ部を設けてもよい。
【0017】この場合、上記ランプ波発生回路として、
上記第1のデータ入力に比例する電流を提供する第1の
電流源と、上記第1の電流源により充電されかつ一端を
所定電圧に結合した第1の容量とを有し、上記第1の容
量の他端に上記ランプ波電圧を発生するものを用い、上
記閾値電圧発生装置として、上記第2のデータ入力に比
例する電流を提供する第2の電流源と、上記第2の電流
源により充電されかつ一端を所定電圧に結合した第2の
容量とを有し、上記第2の容量の他端に上記閾値電圧を
発生するものを用いてもよい。
【0018】この場合、上記第2の電流源と並列に電流
スイッチを設けてもよい。
【0019】また、上記ランプ波発生回路として上記ラ
ンプ波電圧の傾きを第1のデータ入力に対応した傾きと
するものを用い、上記閾値電圧供給手段として上記閾値
電圧の傾きを第2のデータ入力に対応した傾きとする閾
値電圧発生回路を用い、同じ時刻に上記第1のデータ入
力として第1の設定データを送出するとともに上記第2
のデータ入力として第2の設定データに加算データを加
算した値を送出し、所定時間経過後に上記第1のデータ
入力として第2の設定データを送出するとともに第2の
データ入力として0を送出するデータセレクタ部を設け
てもよい。
【0020】この場合、上記ランプ波発生回路として、
上記第1のデータ入力に比例する電流を提供する第1の
電流源と、上記第1の電流源により充電されかつ一端を
所定電圧に結合した第1の容量とを有し、上記第1の容
量の他端に上記ランプ波電圧を発生するものを用い、上
記閾値電圧発生装置として、上記第2のデータ入力に比
例する電流を提供する第2の電流源と、上記第2の電流
源により充電されかつ一端を所定電圧に結合した第2の
容量とを有し、上記第2の容量の他端に上記閾値電圧を
発生するものを用いてもよい。
【0021】これらの場合、上記ランプ波発生回路に含
まれる回路定数と上記閾値電圧発生回路に含まれる回路
定数とを同一値としてもよい。
【0022】また、上記ランプ波発生回路として上記ラ
ンプ波電圧の傾きをデータ入力に対応した傾きするもの
を用い、上記閾値電圧供給手段として一定の上記閾値電
圧を供給するものを用い、上記データ入力として第1の
設定データを送出し、所定時間経過後に上記データ入力
として第2の設定データを送出するデータセレクタ部を
設けてもよい。
【0023】この場合、上記ランプ波発生回路として、
上記データ入力に比例する電流を選択的に提供する電流
源と、上記電流源により充電されかつ一端を所定電圧に
結合した容量とを有し、上記容量の他端に上記ランプ波
電圧を発生するものを用いてもよい。
【0024】また、周波数シンセサイザにおいて、クロ
ック信号および設定データを入力しかつ上記クロック信
号に同期して上記設定データを累算するアキュムレータ
と、上記アキュムレータの出力の最上位ビットまたは上
記アキュムレータのオーバーフロー信号を所定の時間遅
延する上記の遅延発生器とを設ける。
【0025】この場合、上記アキュムレータのビット数
をn、上記最上位ビットの出力信号が立ち上がる直前の
上記アキュムレータの出力信号の値をθp、上記設定デ
ータをK、上記クロック信号の周期をTとしたとき、上
記遅延発生器の上記最上位ビットの遅延時間を{(2n-1
−θp)/K}・Tとしてもよい。
【0026】また、上記アキュムレータのビット数を
n、上記アキュムレータの出力信号をθ、上記設定デー
タをK、上記クロック信号の周期をTとしたとき、上記
遅延発生器の上記オーバーフロー信号の遅延時間を{(2
n−θ)/K}・Tとしてもよい。
【0027】また、逓倍器において、被逓倍信号を入力
しかつ複数種類の遅延時間を発生する上記の複数の遅延
発生器と、上記被逓倍信号を入力しかつ上記複数の遅延
発生器のそれぞれに遅延発生のタイミングを送出する分
配回路と、上記複数の遅延発生器の出力の論理和をとる
論理和手段とを設ける。
【0028】この場合、上記複数の遅延発生器として、
上記被逓倍信号の周期をT、任意の時間をd、2以上の
整数をN、1以上の整数をMとしたときに、N種類の特
定の遅延時間d+(k・M/N)T(kは0からN−1ま
でのすべての整数)を発生するものを用いてもよい。
【0029】
【発明の実施の形態】(遅延発生器の第1の実施の形
態)図1は本発明に係るの遅延発生器を示す図である。
図に示すように、ランプ波発生回路26はラッチ16、
ラッチ16の出力信号に応じた電流を提供する第1の電
流源(電流スイッチアレイ)18、電流源18により充
電されかつ一端を所定電圧に結合した第1の容量22、
容量22と並列に設けられかつR側リーク信号入力端子
29から入力するR側リーク信号によりオンとなるスイ
ッチ20から構成され、容量22の一端の電圧としてラ
ンプ波電圧VRを出力する。また、閾値電圧供給手段で
ある閾値電圧発生回路27はラッチ17、ラッチ17の
出力信号に応じた電流を提供する第2の電流源(電流ス
イッチアレイ)19、電流源19により充電されかつ一
端を所定電圧に結合した第2の容量23、容量23と並
列に設けられかつT側リーク信号入力端子32から入力
するT側リーク信号によりオンとなるスイッチ21から
構成され、容量23の一端の電圧として閾値電圧VT
出力する。また、ランプ波発生回路26と閾値電圧発生
回路27とは同一の回路構成であり、ランプ波発生回路
26に含まれる回路定数と閾値電圧発生回路27に含ま
れる回路定数とは同一値である。すなわち、容量22、
23の容量値C、電流源18、19の単位電流I0など
は同一値である。これは、ランプ波発生回路26と閾値
電圧発生回路27とを同一基板上に集積化することによ
り容易に実現可能である。また、ランプ波発生回路26
および閾値電圧発生回路27には共通のクロック信号入
力端子28が接続されている。また、データセレクタ部
89はセレクタ14、15、88から構成され、第1の
データ入力であるデータ入力DRとして設定データS入
力端子30から入力された第1の設定データである設定
データS、設定データK入力端子33から入力された第
2の設定データである設定データKまたは0をランプ波
発生回路26に送出し、第2のデータ入力であるデータ
入力DTとして設定データKまたは0を閾値電圧発生回
路27に送出する。また、比較回路であるコンパレータ
24はランプ波電圧VRと閾値電圧VTとを比較し、ラン
プ波電圧VRと閾値電圧VTとが一致するタイミングで立
ち上がるパルスを出力する。ワンショット25はコンパ
レータ24の出力パルスを入力し、時定数τに応じたパ
ルス幅の出力パルスを出力端子35に出力する。
【0030】図2は図1に示した遅延発生器の動作例を
示すタイムチャートである。図2の(a)はクロック信号
入力端子28から入力するクロック信号、(b)はデータ
入力DT、(c)はデータ入力DR、(d)はT側イネーブル
信号入力端子34から入力するT側イネーブル信号、
(e)はR側イネーブル信号入力端子31から入力するR
側イネーブル信号、(f)は閾値電圧VT、(g)はランプ
波電圧VR、(h)は出力端子35から出力する出力信
号、(i)はT側リーク信号、(j)はR側リーク信号であ
る。
【0031】初期状態では、R側イネーブル信号および
T側イネーブル信号はローであり、セレクタ14、1
5、88は図1に示すように下側を選択している。この
とき、データ入力DRおよびデータ入力DTには0が入力
されている。遅延発生の一連のプロセスはR側イネーブ
ル信号およびT側イネーブル信号を立ちあげることから
開始する。これに伴い、セレクタ14、15、88はす
べて上側を選択し、データ入力DRには設定データSが
入力され、データ入力DTには設定データKが入力され
る。続いて、R側イネーブル信号が立ち上がってから最
初に入力されるクロック信号の立ち上がりで、ラッチ1
6はDR=Sを出力し、ラッチ17はDT=Kを出力す
る。これに同期して、電流源18、19がそれぞれ設定
データSに比例する電流SI0、設定データKに比例す
る電流KI0を提供するから、設定データSに比例した
傾きを持つランプ波電圧VRと、設定データKに比例し
た傾きを持つ閾値電圧VTとの生成が開始される。さら
に、次のクロック信号が立ち上がる時刻をt0、クロッ
ク周期をTとすると、時刻t(t0−T≦t≦t0)にお
けるランプ波電圧VRは次式で表される。
【0032】
【数4】VR=−(SI0/C)・(t−t0+T) また、時刻t(t0−T≦t≦t0)における閾値電圧VT
は次式で表される。
【0033】
【数5】VT=−(KI0/C)・(t−t0+T) また、(数4)、(数5)式から、時刻t0でのランプ
波電圧VRと閾値電圧VTとはそれぞれ次式で表される。
【0034】
【数6】VR=−(SI0/C)・T
【0035】
【数7】VT=−(KI0/C)・T また、時刻t0までにはT側イネーブル信号を立ち下げ
る制御を行ない、これによりセレクタ15a、88aが
下側を選択するから、データ入力DRには設定データK
が、データ入力DTには0がそれぞれ入力される。した
がって、時刻t0にラッチ16はDR=Kを、ラッチ17
はDT=0をそれぞれ出力し、これに同期して、設定デ
ータSに比例していたランプ波電圧VRの傾きは設定デ
ータKに比例した傾きに変化する。そして、時刻t0
降(t0≦t)のランプ波電圧VRは次式で表される。
【0036】
【数8】 VR=−(SI0/C)・T−(KI0/C)・(t−t0) したがって、ランプ波発生回路26は2段階の傾きを持
つランプ波電圧VRを発生する。一方、時刻t0以降(t
0≦t)の閾値電圧VTは(数7)式の電圧すなわち時刻
0での電圧が保持される。
【0037】そして、コンパレータ24はランプ波電圧
Rと閾値電圧VTとの一致を検出し、ランプ波電圧VR
と閾値電圧VTとが一致するタイミングで立ち上がるパ
ルスを出力する。このとき、時刻t0からランプ波電圧
Rと閾値電圧VTとが一致して出力信号が立ち上がるま
での遅延時間tdは(数7)、(数8)式より次式で表
される。
【0038】
【数9】td={(K−S)/K}・T その後、R側リーク信号、T側リーク信号の立ち上がり
でスイッチ20、21がオンとなるから、容量22、2
3はリークされ、ランプ波電圧VR、閾値電圧VTは初期
値に戻る。なお、R側リーク信号、T側リーク信号のタ
イミングは、ランプ波電圧VRと閾値電圧VTとの一致が
検出されて、出力信号が出力された後であればよい。図
2ではともに時刻t0+Tで立ち上がり、時刻t0+2T
で立ち下がるように設定しているが、出力信号を各リー
ク信号としてフィードバックしてもよい。
【0039】以上により、ランプ波発生回路26は2段
階の傾きすなわち設定データSに比例した傾きおよび設
定データKに比例した傾きを持つランプ波電圧VRを発
生し、設定データSおよび設定データKはそれぞれデー
タ入力DTまたはデータ入力DRに入る任意に設定可能な
値であるから、遅延発生器は(数9)式で表される分子
と分母とがともに可変である分数(K−S)/Kに比例し
た遅延時間tdを発生することができる。また、ランプ
波発生回路26と閾値電圧発生回路27とに含まれる回
路定数、すなわち容量22、23の容量値Cおよび電流
源18、19の単位電流I0を同一値としたから、(数
9)式に回路定数が含まれていない。このため、各回路
定数の値が遅延時間tdに影響しないので、各回路定数
の値が設計値と違っていても回路定数の調整は不要であ
る。また、ランプ波発生回路26、閾値電圧発生回路2
7の動作は外部から入力されるクロック信号に同期して
いるので、遅延時間tdの絶対精度の向上が可能であ
る。さらに、設定データKを一定にした場合には、ラン
プ波電圧VRと閾値電圧VTとが一致する時点でのランプ
波電圧VRの傾きおよび閾値電圧VTの電圧値は設定デー
タSによらずに一定となる。このことは、コンパレータ
24への要求性能を大幅に軽減することができる。なぜ
ならば、一般的にコンパレータ24はランプ波電圧VR
の傾きおよび閾値電圧VTの電圧値により動作時間が変
化してしまい、遅延時間tdの誤差発生の原因となる
が、これを抑えるためにはコンパレータ24の注意深い
設計が必要でありかつ消費電力の増加が避けられないか
らである。
【0040】(遅延発生器の第2の実施の形態)図3は
本発明に係る他の遅延発生器を示す図である。図に示す
ように、ランプ波発生回路26aはラッチ16a、ラッ
チ16aの出力信号に応じた電流を提供する第1の電流
源18a、電流源18aにより充電されかつ一端を所定
電圧に結合した第1の容量22a、容量22aと並列に
設けられかつR側リーク信号入力端子29aから入力す
るR側リーク信号によりオンとなるスイッチ20aから
構成され、容量22aの一端の電圧としてランプ波電圧
Rを出力する。また、閾値電圧供給手段である閾値電
圧発生回路27aはラッチ17a、ラッチ17aの出力
信号に応じた電流を提供する第2の電流源19a、電流
源19aにより充電されかつ一端を所定電圧に結合した
第2の容量23a、電流源19aと並列に接続された電
流スイッチ36、容量23aと並列に設けられかつT側
リーク信号入力端子32aから入力するT側リーク信号
によりオンとなるスイッチ21aから構成され、容量2
3aの一端の電圧として閾値電圧VTを出力する。ま
た、ランプ波発生回路26と閾値電圧発生回路27とは
ほぼ同一の回路構成であり、ランプ波発生回路26aに
含まれる回路定数と閾値電圧発生回路27aに含まれる
回路定数とは同一値である。すなわち、容量22a、2
3aの容量値C、電流源18a、19aの単位電流I0
などは同一値である。これは、ランプ波発生回路26a
と閾値電圧発生回路27aとを同一基板上に集積化する
ことにより容易に実現可能である。また、ランプ波発生
回路26aおよび閾値電圧発生回路27aには、共通の
クロック信号入力端子28aが接続されている。また、
データセレクタ部89aはセレクタ14a、15a、8
8aから構成され、データ入力DRとして設定データS
入力端子30aから入力された設定データS、設定デー
タK入力端子33aから入力された設定データKまたは
0をランプ波発生回路26aに送出し、データ入力DT
として設定データKまたは0を閾値電圧発生回路27a
に送出する。コンパレータ24aはランプ波電圧VR
閾値電圧VTとを比較し、ランプ波電圧VRと閾値電圧V
Tとが一致するタイミングで立ち上がるパルスを出力す
る。ワンショット25aはコンパレータ24aの出力パ
ルスを入力し、時定数τに応じたパルス幅のパルスの出
力信号を出力端子35aから出力する。
【0041】図4は図3に示した遅延発生器の動作例を
示すタイムチャートである。図4の(a)はクロック信号
入力端子28aから入力するクロック信号、(b)はデー
タ入力DT、(c)はデータ入力DR、(d)はT側イネーブ
ル信号入力端子34aから入力するT側イネーブル信
号、(e)はR側イネーブル信号入力端子31aから入力
するR側イネーブル信号、(f)は閾値電圧VT、(g)は
ランプ波電圧VR、(h)は出力端子35aから出力する
出力信号、(i)はT側リーク信号、(j)はR側リーク信
号である。
【0042】図3に示した遅延発生器の動作は図1に示
した遅延発生器の動作と閾値電圧VTが僅かに異なるの
みである。すなわち、設定データKよりも小さい値をα
としたときの電流スイッチ36の電流をαI0とする
と、時刻t0以降(t0≦t)の閾値電圧VTは次式で表
される。
【0043】
【数10】VT=−{(K+α)I0/C}・T 一方、ランプ波電圧VRは図1に示した遅延発生器と同
じであり、時刻t0以降(t0≦t)のランプ波電圧VR
は(数8)式で表される。したがって、時刻t0からラ
ンプ波電圧VRと閾値電圧VTとが一致して出力信号が立
ち上がるまでの遅延時間td′は(数8)、(数10)
式より次式で表される。
【0044】
【数11】td′={(K+α−S)/K}・T (数11)式の遅延時間td′と(数9)式の遅延時間
dとの差は(α/K)Tであり、設定データKを半固定
とする遅延発生器の使用法においては定数となる。すな
わち、このような使用法においては、閾値電圧発生回路
27aに含まれる電流スイッチ36の電流値αI0は、
それがない場合の遅延時間tdに定数時間を加算させる
ことを意味する。このように、遅延発生器が発生する遅
延時間に定数時間の加算は、周波数シンセサイザへの応
用および逓倍器への応用では自由に行なうことができ
る。なぜならば、周波数シンセサイザおよび逓倍器にお
いては、遅延発生器が出力するパルスのパルス間隔しか
意味を持たず、その時刻は任意に選べるからである。こ
のように、遅延発生器の遅延時間に定数時間を加算する
ことは、極めて小さい遅延時間の発生が必要な場合に、
適当な定数時間を加算することで発生する遅延時間の精
度を高くできる点で利点がある。
【0045】なお、図3では電流スイッチ36を設けて
いるが、電流スイッチ36を取り除き、時刻t0−Tに
データ入力DRとして設定データSを送出するとともに
データ入力DTとして設定データKに設定データKより
も小さい加算データαを加算した値K+αを送出し、時
刻t0にデータ入力DRとして設定データKを送出すると
ともにデータ入力DTとして0を送出するデータセレク
タ部を設けることによっても、(数9)式の遅延時間t
dに同じ定数時間を加算することができる。
【0046】(遅延発生器の第3の実施の形態)図5は
本発明に係る他の遅延発生器を示す図である。図に示す
ように、ランプ波発生回路26bはラッチ16b、ラッ
チ16bの出力信号に応じた電流を提供する電流源(電
流スイッチアレイ)18b、電流源18bにより充電さ
れかつ一端を所定電圧に結合した容量22b、容量22
bと並列に設けられかつR側リーク信号入力端子29b
から入力するR側リーク信号によりオンとなるスイッチ
20bから構成され、容量22bの一端の電圧としてラ
ンプ波電圧VRを出力する。また、ランプ波発生回路2
6bにはクロック信号入力端子28bが接続されてい
る。一方、閾値電圧供給手段である閾値電圧入力端子3
7から一定の閾値電圧VTが与えられる。データセレク
タ部89bはセレクタ14b、88bから構成され、デ
ータ入力DRとして設定データS入力端子30bから入
力された設定データS、設定データK入力端子33bか
ら入力された設定データKまたは0をランプ波発生回路
26b送出する。比較回路であるコンパレータ24bは
ランプ波電圧VRと閾値電圧VTとを比較し、ランプ波電
圧VRと閾値電圧VTとが一致するタイミングで立ち上が
るパルスを出力する。ワンショット25bはコンパレー
タ24bの出力パルスを入力し、時定数τに応じたパル
ス幅の出力パルスを出力端子35bに出力する。
【0047】図6は図5に示した遅延発生器の動作例を
示すタイムチャートである。図6の(a)はクロック信号
入力端子28bから入力されるクロック信号、(c)はデ
ータ入力DR、(e)はR側イネーブル信号入力端子31
bから入力されるR側イネーブル信号、(f)は閾値電圧
T、(g)はランプ波電圧VR、(h)は出力端子35bか
ら出力される出力信号、(j)はR側リーク信号入力端子
29bから入力されるR側リーク信号である。
【0048】図5に示した遅延発生器の動作は図1に示
した遅延発生器の動作と比較して、閾値電圧発生回路2
7を取り除き、代わりに閾値電圧入力端子37を通して
外部から閾値電圧VTを入力する点が異なる。時刻t0
降(t0≦t)のランプ波電圧VRは(数8)式で与えら
れるので、ランプ波電圧VRと外部から入力される閾値
電圧VTとが一致して出力信号が立ち上がるまでの遅延
時間tdは次式で表すことができる。
【0049】
【数12】td=(−VTC/KI0)−(S/K)・T 設定データKを半固定とする遅延発生器の使用法におい
ては(数12)式の右辺第1項は定数となる。すでに述
べたように、遅延発生器が発生する遅延時間への定数時
間の加算は、周波数シンセサイザへの応用および逓倍器
への応用では自由に行なうことができる。このような応
用では遅延発生器が出力するパルス間隔の精度は必要で
あるが、出力パルスの時刻は意味を持たないからであ
る。また、閾値電圧VTは定数時間の加算にのみ影響す
るパラメータであるので、周波数シンセサイザへの応用
および逓倍器への応用では閾値電圧VTには高い精度は
要求されない。
【0050】(周波数シンセサイザの第1の実施の形
態)図7は本発明に係る周波数シンセサイザを示す図で
ある。図に示すように、この周波数シンセサイザはアキ
ュムレータ40、ランプ波発生回路、閾値電圧発生回
路、コンパレータ、ワンショットを有する遅延発生器本
体41、データ変換回路42、制御回路43から構成さ
れる。アキュムレータ40は加算器38、ラッチ39か
ら構成される。設定データK入力端子45から入力され
る設定データKはアキュムレータ40の加算器38、遅
延発生器本体41およびデータ変換回路42に設定され
る。クロック信号入力端子44から入力されるクロック
信号はアキュムレータ40のラッチ39および遅延発生
器本体41に与えられる。
【0051】図8は図7に示した周波数シンセサイザの
動作を説明する図である。アキュムレータ40のビット
数nは3、設定データKは3である。アキュムレータ4
0の出力信号θの最上位ビット出力信号θMSBは、2n
8クロック周期の時間(8T)内にK=3個のパルスを含
んでいる。したがって、その平均周波数f0は、クロッ
ク周波数をfCLKとすると、次式で表される。
【0052】
【数13】f0=(K/2n)fCLK このアキュムレータ40はそれ単体でダイレクトディジ
タルシンセサイザの最も簡単な形であり、他の形式の多
くのダイレクトディジタルシンセサイザにも位相信号の
計算のために使用されている。しかし、図8に示すよう
に、アキュムレータ40単体では出力信号θMSBに大き
なジッタを含んでいる。周波数スペクトルの観測では、
ジッタは大きなスプリアス成分(不要波成分)となって
現れるので、アキュムレータ40単体を無線通信機器用
の局部発振器に適用することは難しい。このスプリアス
成分を抑えるために、最も一般的なダイレクトディジタ
ルシンセサイザでは、ROMを用いて正弦波を出力とし
て発生させる方法がとられている。また、スプリアス成
分を抑える他の方法として、位相補間の手段が知られて
いる(参考文献:V. Reinhardt et a1., "A short surv
ey of frequency synthesizer techniques", in Proc.
40th Annual Frequency Control Symp., pp.355-365, M
ay 1986)。
【0053】図8に示すように、位相補間の手段はアキ
ュムレータ40の出力信号θMSBの各パルスをパルス毎
に遅延させて遅延出力信号θidealを発生させる。この
パルスの遅延時間δtは、出力信号θMSBが立ち上がる直
前の出力信号θの値をθpとすると、次式で表される。
【0054】
【数14】δt={(2n-1−θp)/K}・T 例えば、図8に示すように、1つ目の出力信号θMSB
立ち上がる直前の出力信号θの値θpが3であるときに
は、1つ目の出力信号θMSBについてδt={(4−3)/
3}・T=T/3((数14)式により計算)遅延させ
れば、遅延出力信号θidealの一つ目のパルスに一致す
る。
【0055】従来の位相補間の手段としては、従来技術
として示した閾値電圧発生回路とランプ波発生回路とを
異なる回路で構成する遅延発生器(参考文献:H. Nosak
a, T. Nakagawa, and A. Yamagishi, "A phase interpo
lation direct digita1 synthesizer with a digita11y
contro11ed de1ay generator", in 1997 Symp. VLSICi
rcuits Dig., June 1997, pp.75-76)や、遅延線のタッ
プを切り替えるタイプの遅延発生器(参考文献:V. N.
Kochemasov and A. N. Fadeev, "Digital-computer syn
thesizers of two-1eve1 signa1s with phase-error co
mpensation",Te1ecommunications and radio engineeri
ng, vol.36/37, pp.55-59, Oct. 1982)がある。しかし
これらの遅延発生器は、精度を出すためには遅延時間
(遅延量)の調整が必要であり、また単位遅延時間の調
整が難しいという問題があった。
【0056】図1、図3、図5に示したような本発明に
係る遅延発生器は、無調整で任意の値の遅延時間を得る
ことができるので、図7に示すように、本発明に係る遅
延発生器を位相補間の手段として用いたダイレクトディ
ジタルシンセサイザは、無調整で低スプリアスな出力信
号を得ることが可能である。
【0057】図7に示した周波数シンセサイザにおいて
は、アキュムレータ40の出力信号θはデータ変換回路
42および制御回路43に入力される。制御回路43は
出力信号θからR側イネーブル信号およびT側イネーブ
ル信号を生成する。T側イネーブル信号は出力信号θ
MSBが立ち上がる1クロック前に立ち上がり、パルス幅
が1クロックの信号として出力される。また、R側イネ
ーブル信号はT側イネーブル信号のパルス幅を2クロッ
クにして出力される。出力信号θMSBの1クロック前に
立ち上がるT側イネーブル信号は出力信号θから演算で
発生できるが、出力信号θMSBのパルス幅を1クロック
に修正した信号をT側イネーブル信号としてもよい。そ
の場合は、図9(e)に示したT側イネーブル信号より1
クロック違れるので、遅延発生器本体41に入力する他
の信号すべてを1クロック遅延させればよい。T側イネ
ーブル信号およびR側イネーブル信号は、上述したよう
に遅延発生器本体41が遅延発生を開始するトリガ信号
として機能する。遅延発生器本体41に送出するデータ
入力DRに設定される設定データSはデータ変換回路4
2にて計算される。このように、図1、図3、図5に示
した本発明の遅延発生器のデータセレクタ部89、89
a、89bの役割はデータ変換回路42、制御回路43
が担う。遅延発生器本体41の遅延時間は(数9)式等
で表されるが、一方ダイレクトディジタルシンセサイザ
で必要とされる遅延時間δtは(数14)式で表され
る。ここで、値θpはその定義からθ−Kで表される。
したがって(数14)式は次式で表すことができる。
【0058】
【数15】δt=[{K−(θ−2n-1)}/K]・T (数15)式を(数9)式と比較すると遅延発生器本体
41に設定する設定データSは次式で演算すればよいこ
とがわかる。
【0059】
【数16】S=θ−2n-1 すなわち、データ変換回路42はまずアキュムレータ4
0の出力信号θを入力し、(数16)式の減算を演算し
て設定データSを出力する。さらに、次のクロックにお
いてデータ変換回路42はデータ入力DRとして設定デ
ータKを出力する。なお、(数16)式はnビットの2
進数演算では、出力信号θから最上位ビットを捨てて下
位n−1ビットを取り出すことで実現できる。R側リー
ク信号およびT側リーク信号は遅延発生器本体41の出
力信号をフィードハックして使用する。
【0060】このような構成により、遅延発生器本体4
1は(数14)式に示す遅延時間δtを発生し、本周波
数シンセサイザは基本周波数が(数13)式で表される
スプリアス成分の少ない矩形波を出力する。
【0061】図9は図7に示した周波数シンセサイザの
動作例を示すタイムチャートである。図9の(a)はクロ
ック信号、(b)はアキュムレータ40の出力信号θ、
(c)はアキュムレータ40の出力信号θMSB、(d)はラ
ンプ波電圧VR、(e)はT側イネーブル信号、(f)は閾
値電圧VT、(g)は出力端子46から出力する出力信
号、(h)はT側リーク信号、(i)はR側リーク信号であ
る。なお、アキュムレータ40のビット数nは3、設定
データKは3である。また、出力信号θMSBの立ち上が
りの1クロック周期後のタイミングを遅延発生器本体4
1における時刻t0に一致させている。遅延発生器本体
41の内部では、出力信号θMSBの1つ目のパルスの立
ち上がりと同時にS=6−4=2((数16)式より計
算)に比例した傾きでランプ波電圧VRが生成される。
これと同時にK=3に比例した傾きで閾値電圧VTの値
を変化させる。次のクロックの立ち上がりの時刻(遅延
発生器の時刻t0)においてランプ波電圧VRの傾きはK
=3に比例した傾きに変化し、一方で閾値電圧VTは保
持される。時刻t0から出力信号が立ち上がるまでの遅
延時間δtは(数9)式から算出されるように(1/3)
Tとなる。出力信号はT側リーク信号およびR側リーク
信号としてフィードバックされ、閾値電圧VTおよびラ
ンプ波電圧VRを初期化する。
【0062】なお、出力端にトグルフリップフロップ
(T−FF)を付加すると、デューティ比50%の矩形
波のシンセサイザ出力を得ることが可能である。この場
合の基本周波数は(数13)式に示した平均周波数f0
の半分になる。
【0063】図9において注目すべき点は、ランプ波電
圧VRが閾値電圧VTに達し、出力信号が立ち上がる時点
では、閾値電圧VTはいつも同じ電圧であり、ランプ波
電圧VRの傾きもいつも一定であることである。現実の
コンパレータの動作時間は閾値電圧依存性、ランプ波電
圧傾き依存性を持つが、これが遅延時間へ影響を及ぼす
ことがないため、周波数シンセサイザの出力信号のパル
スは理想的に等間隔に並ぶ。
【0064】なお、図3、図5に示した遅延発生器の説
明で述べたとおり、周波数シンセサイザへの応用では遅
延発生器が発生する遅延時間に任意の定数時間を加算す
ることができる。すなわち、遅延発生器の閾値電圧VT
に一定電圧のずれがあってもよいし、閾値電圧発生回路
を取り除き閾値電圧VTを一定電圧として外部から入力
するようにしてもよい。周波数シンセサイザへの応用で
は、周波数設定によっては遅延発生器は極めて小さい遅
延時間を発生する場合があり、閾値電圧VTに適当な電
圧を加算しておくことで極めて小さい遅延時間を発生す
る必要がなくなり、遅延時間の精度がとりやすくなる利
点がある。
【0065】このように、図7に示した周波数シンセサ
イザにおいては、図1等に示した分子と分母とがともに
可変である分数に比例した遅延時間を発生する遅延発生
器をダイレクトディジタルシンセサイザにおける位相補
間の手段として用いているから、アキュムレータの出力
信号からジッタのない信号を抽出することができる。ま
た、無調整で必要とされるすべての遅延時間を得ること
ができるので、低スプリアスな出力信号を発生させるこ
とができる。また、遅延発生器本体41は設定データK
を半固定とする動作を行なうため、コンパレータへの性
能要求を大幅に緩和することができる。このことは、周
波数シンセサイザ全体としての低消費電力化、低コスト
化に有効である。また、クロック周波数に特化して遅延
発生器内の回路定数を調整する必要がない。
【0066】(周波数シンセサイザの第2の実施の形
態)ところで、これまでは出力信号θMSBを遅延発生器
本体41のT側イネーブル信号およびR側イネーブル信
号の基準のタイミングにした場合の周波数シンセサイザ
について述べたが、アキュムレータのオーバーフロー信
号を基準のタイミングとすることによっても周波数シン
セサイザを構成することができる。
【0067】図10は本発明に係る他の周波数シンセサ
イザを示す図である。図に示すように、周波数シンセサ
イザはアキュムレータ40a、遅延発生器本体41a、
データ変換回路42a、制御回路43aから構成され
る。アキュムレータ40aは加算器38a、ラッチ39
aから構成される。設定データK入力端子45aから入
力される設定データKはアキュムレータ40aの加算器
38a、遅延発生器本体41aおよびデータ変換回路4
2aに設定される。クロック信号入力端子44aから入
力されるクロック信号はアキュムレータ40aのラッチ
39aおよび遅延発生器本体41aに与えられる。ま
た、アキュムレータ38aのオーバーフロー信号OFは
データ変換回路42aおよび制御回路43aに送出され
る。
【0068】図11は図10に示した周波数シンセサイ
ザの動作を説明する図である。アキュムレータ40aの
ビット数nは3、設定データKは3である。アキュムレ
ータ40aのオーバーフロー信号OFは、2n=8クロ
ック周期の時間8T内にK=3個のパルスを含んでい
る。したがって、その平均周波数f0は(数13)式で
表される。オーバーフロー信号OFは遅延発生器本体4
1aによりパルス毎に遅延され、遅延出力信号θideal
で示す等間隔のパルス列に並べ直される。その遅延時間
δtは次式で表される。
【0069】
【数17】δt={(2n−θ)/K}・T 一方、遅延発生器本体41aで発生する遅延時間td
(数9)式で表されるので、設定データSは次式で演算
される。
【0070】
【数18】S=K+θ−2n すなわち、データ変換回路42aにおいて、(数18)
式の演算を行ない、遅延発生器本体41aへ送出すれば
よい。nビットの2進数の演算では、(数18)式の2
nの加算は意味を持たないため、S=K+θとすること
ができる。さらに、アキュムレータ40aの動作を考慮
すると、K+θは「オーバーフロー信号OFが立ち上が
る次のクロック周期後の出力信号θ」である。すなわ
ち、次のタイミングの出力信号θをそのまま設定データ
Sとして使用することができる。
【0071】図12は図10に示した周波数シンセサイ
ザの動作例を示すタイムチャートである。図12の(a)
はクロック信号、(b)はアキュムレータ40aの出力信
号θ、(c)はアキュムレータ40aのオーバーフロー信
号OF、(d)はランプ波電圧VR、(e)はT側イネーブ
ル信号、(f)は閾値電圧VT、(g)は出力端子46aか
ら出力する出力信号、(h)はT側リーク信号、(i)はR
側リーク信号である。なお、アキュムレータ40aのビ
ット数nは3、設定データKは3である。また、オーバ
ーフロー信号OFの立ち上がりの1クロック周期後のタ
イミングを遅延発生器本体41aにおける時刻t0に一
致させている。また、遅延発生器本体41aの内部で
は、オーバーフロー信号OFの1つ目のパルスの立ち上
がりと同時にS=6+3−8=1((数18)式により
計算)に比例した傾きでランプ波電圧VRが生成され
る。これと同時にK=3に比例した傾きで閾値電圧VT
の電圧を変化させる。次のクロックの立ち上がりの時刻
(遅延発生器の時刻t0)においてランプ波電圧VRの傾
きはK=3に変化し、一方で閾値電圧VTは保持され
る。時刻t0から出力信号が立ち上がるまでの遅延時間
δtは(数9)式から算出される通り(2/3)Tとな
る。出力信号はT側リーク信号およびR側リーク信号と
してフィードバックされ、閾値電圧VTおよびランプ波
電圧VRを初期化する。
【0072】なお、出力端にトグルフリップフロップ
(T−FF)を付加すると、デューティ比50%の矩形
波のシンセサイザ信号を得ることが可能である。この場
合の基本周波数は(数13)式に示した平均周波数f0
の半分になる。
【0073】図12において注目すべき点は、ランプ波
電圧VRが閾値電圧VTに達し、出力信号が立ち上がる時
点では、閾値電圧VTはいつも同じ電圧であり、ランプ
波電圧VRの傾きもいつも一定であることである。現実
のコンパレータの動作時間は、閾値電圧依存性、ランプ
波電圧傾き依存性を持つが、これが遅延時間へ影響を及
ぼすことがないため、周波数シンセサイザの出力信号の
パルスは理想的に等間隔に並ぶ。
【0074】なお、図3、図5に示した遅延発生器の説
明で述べたとおり、周波数シンセサイザへの応用では遅
延発生器本体41aが発生する遅延時間に任意の定数時
間を加算することができる。すなわち、遅延発生器本体
41aの閾値電圧VTに一定電圧のずれがあってもよい
し、閾値電圧発生回路を取り除きVTを一定電圧として
外部から入力するようにしてもよい。また、周波数シン
セサイザへの応用では、周波数設定によっては遅延発生
器は極めて小さい遅延時間を発生する場合があるが、閾
値電圧VTに適当な電圧を加算しておくことで実際に極
めて小さい遅延時間を発生する必要がなくなり、遅延時
間の精度がとりやすくなる利点がある。
【0075】(逓倍器の実施の形態)図13は本発明に
係る逓倍器を示す図である。図において、47は分配回
路の役割を担うT−FF、48〜53はD−FF、54
〜59は同一の容量値Cを持つ容量、60〜65はスイ
ッチ、66、68は電流値I0の電流源(電流スイッ
チ)、67、69は電流値3I0の電流源(電流スイッ
チ)、70〜75は電流値4I0の電流源(電流スイッ
チ)、76〜79はコンパレータ、80〜83はパルス
幅調整回路、84は論理和手段である論理和ゲート、8
5はワンショットマルチバイブレータ(ワンショッ
ト)、86はクロック信号入力端子、87は出力端子で
ある。本逓倍器は、被逓倍信号の周期をT、任意の時間
をd、2以上の整数をN、1以上の整数をMとしたとき
に、N種類の特定の遅延時間td=d+(k・M/N)T
(kは0からN−1までのすべての整数)を発生する遅
延発生器を使用することで、入力される被逓倍信号のN
/M倍の周波数の信号を得るものである。
【0076】図13に示した逓倍器は、d=(1/4)
T、N=2、M=1とした場合の2逓倍器の構成例であ
り、N=2種類の特定の遅延時間tdを発生する遅延発
生器がそれぞれ2個、すなわち第1〜第4の4個の遅延
発生器(それぞれコンパレータ76〜79を有する遅延
発生器)から構成されている。第1の遅延発生器はラン
プ波電圧VR=V1、閾値電圧VT=V3であり、第2の
遅延発生器はランプ波電圧VR=V2、閾値電圧VT=V
3であり、第3の遅延発生器はランプ波電圧VR=V
4、閾値電圧VT=V6であり、第4の遅延発生器はラ
ンプ波電圧VR=V5、閾値電圧VT=V6である。特定
の遅延時間td=(1/4)Tは第2および第4の遅延発
生器により発生され、特定の遅延時間td=(3/4)T
は第1および第3の遅延発生器により発生される。
【0077】図14は図13に示した逓倍器の動作例を
示すタイムチャートである。図14の(a)はクロック信
号、(b)はT−FF47の非反転信号CLK1、(c)は
T−FF47の反転信号CLK2、(d)は第1および第
2の遅延発生器の各電圧V1〜V3、(e)は第3および
第4の遅延発生器の各電圧V4〜V6、(f)は出力端子
87から出力される出力信号である。
【0078】第1および第2の遅延発生器の動作につい
て以下に説明する。非反転信号CLK1がハイの状態の
時、電圧V1はI0、電圧V2は3I0、電圧V3は4I
0に比例した傾きのランプ波となる。非反転信号CLK
1が立ち上がってからクロック周期Tの期間は常にV
1:V2:V3=1:3:4の電圧比のまま推移し、こ
の電圧比は非反転信号CLK1が立ち下がる瞬間まで維
持される。非反転信号CLK1が立ち下がると(すなわ
ち反転信号CLK2が立ち上がると)、電圧V3はその
電圧を保持する一方、電圧V1、V2は4I0に比例し
た傾きのランプ波となる。反転信号CLK2が立ち上が
ってから時間(1/4)T経過後に電圧V2と電圧V3と
は一致する。これは(数9)式においてK=4、S=3
としたことと等価である。また、反転信号CLK2が立
ち上がってから時間(3/4)T経過後に電圧V1と電圧
V3とは一致する。これは(数9)式においてK=4、
S=1としたことと等価である。
【0079】第3および第4の遅延発生器の動作は、以
上説明した第1および第2の遅延発生器の動作とクロッ
ク周期Tずれているだけである。このように、4個の遅
延発生器は時間(1/2)T毎に順番に出力信号パルスを
発生するので、図13に記載の逓倍器は2逓倍の動作を
行なうことが分かる。
【0080】図14において注目すべき点は、ランプ波
電圧VR(電圧V1、V2、V4、V5)が閾値電圧VT
(電圧V3、V6)に達し、出力信号が立ち上がる時点
では、閾値電圧VTはいつも同じ電圧であり、ランプ波
電圧VRの傾きもいつも一定であることである。現実の
コンパレータの動作時間は、閾値電圧依存性、ランプ波
電圧傾き依存性を持つが、これが遅延時間へ影響を及ぼ
すことがないため、逓倍器の出力信号のパルスは理想的
に等間隔に並ぶ。
【0081】なお、図3、図5に示した遅延発生器の説
明で述べたとおり、逓倍器への遅延発生器の応用におい
ては、閾値電圧VTの精度は求められない。すなわち、
閾値電圧VTに相当する電圧V3および電圧V6を発生
させる電流スイッチ72、75の電流値は必ずしも4I
0に比例していなくてもよいし、さらには電圧V3およ
び電圧V6を外部から一定電圧として入力してもよい。
【0082】このように、図13に示した逓倍器におい
ては、図1等に示した遅延発生器と同様な遅延発生器を
入力信号の周期よりも短い間隔でパルスを発生させる手
段として用いることにより、素子の非線形性を利用した
従来の逓倍器やミキサを利用した従来の逓倍器と比較し
て、フィルタが不要であり、フィルタ無しで多段接続が
可能である。このことは、逓倍器の周波数範囲の拡大
や、回路規模の縮小に効果がある。また、無調整で正確
に等間隔に並ぶパルスを発生することができるので、低
ジッタ、低スプリアスな出力信号を得ることができる。
また、PLL周波数シンセサイザを用いた従来の逓倍器
と比較して、回路規模が小さく、低消費電力である効果
がある。また、入力周波数に特化して遅延発生器内の回
路定数を調整する必要がない。また、図1等に示した遅
延発生器と同様な遅延発生器を使用することは、回路定
数の設計値からのずれや電源変動などがスプリアス特性
の悪化を招かないことに効果がある。また、ランプ波電
圧を2段階の傾きとすることになるため、コンパレータ
が動作を行なう時点での閾値電圧を一定とし、かつラン
プ波電圧の傾きを一定にできる利点がある。これはコン
パレータへの性能要求を大幅に緩和するものであり、逓
倍器全体としての低消費電力化、低コスト化に有効であ
る。
【0083】なお、上述実施の形態においては、値α、
加算データαを設定データKよりも小さい値としたが、
これらを任意の値とすることができる。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る遅延
発生器においては、分数に比例した遅延時間を発生する
ことができる。
【0085】また、第2の電流源と並列に電流スイッチ
を設けたときには、遅延時間に定数時間を加算すること
ができる。
【0086】また、同じ時刻に第1のデータ入力として
第1の設定データを送出するとともに第2の設定データ
に加算データを加算した値を送出し、所定時間経過後に
第1のデータ入力として第2の設定データを送出すると
ともに第2のデータ入力として0を送出するデータセレ
クタ部を設けたときには、遅延時間に定数時間の加算す
ることができる。
【0087】また、ランプ波発生回路に含まれる回路定
数と閾値電圧発生回路に含まれる回路定数とを同一値と
したときには、回路定数の調整は不要である。
【0088】また、本発明に係る周波数シンセサイザに
おいては、アキュムレータの出力信号からジッタのない
信号を抽出することができる。
【0089】また、上記アキュムレータのビット数を
n、最上位ビットの出力信号が立ち上がる直前のアキュ
ムレータの出力信号の値をθp、設定データをK、クロ
ック信号の周期をTとしたとき、遅延発生器の最上位ビ
ットの遅延時間を{(2n-1−θp)/K}・Tとしたときに
は、遅延発生器のコンパレータへの性能要求を大幅に緩
和することができ、またコンパレータの動作時間が遅延
時間へ影響を及ぼすことがないから、周波数シンセサイ
ザの出力信号のパルスは理想的に等間隔に並び、またク
ロック周波数に特化して遅延発生器内の回路定数を調整
する必要がない。
【0090】また、上記アキュムレータのビット数を
n、アキュムレータの出力信号をθ、設定データをK、
クロック信号の周期をTとしたとき、遅延発生器のオー
バーフロー信号の遅延時間を{(2n−θ)/K}・Tとし
たときには、遅延発生器のコンパレータへの性能要求を
大幅に緩和することができ、またコンパレータの動作時
間が遅延時間へ影響を及ぼすことがないから、周波数シ
ンセサイザの出力信号のパルスは理想的に等間隔に並
び、またクロック周波数に特化して遅延発生器内の回路
定数を調整する必要がない。
【0091】また、本発明に係る逓倍器においては、フ
ィルタが不要である。
【0092】また、複数の遅延発生器として、被逓倍信
号の周期をT、任意の時間をd、2以上の整数をN、1
以上の整数をMとしたときに、N種類の特定の遅延時間
d+(k・M/N)T(kは0からN−1までのすべての
整数)を発生するものを用いたときには、遅延発生器の
コンパレータへの性能要求を大幅に緩和することがで
き、またコンパレータの動作時間が遅延時間へ影響を及
ぼすことがないから、逓倍器の出力信号のパルスは理想
的に等間隔に並び、また入力周波数に特化して遅延発生
器内の回路定数を調整する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る遅延発生器を示す図である。
【図2】図1に示した遅延発生器の動作例を示すタイム
チャートである。
【図3】本発明に係る他の遅延発生器を示す図である。
【図4】図3に示した遅延発生器の動作例を示すタイム
チャートである。
【図5】本発明に係る他の遅延発生器を示す図である。
【図6】図5に示した遅延発生器の動作例を示すタイム
チャートである。
【図7】本発明に係る周波数シンセサイザを示す図であ
る。
【図8】図7に示した周波数シンセサイザの動作の説明
図である。
【図9】図7に示した周波数シンセサイザの動作例を示
すタイムチャートである。
【図10】本発明に係る他の周波数シンセサイザを示す
図である。
【図11】図10に示した周波数シンセサイザの動作の
説明図である。
【図12】図10に示した周波数シンセサイザの動作例
を示すタイムチャートである。
【図13】本発明に係る逓倍器を示す図である。
【図14】図13に示した逓倍器の動作例を示すタイム
チャートである。
【図15】従来の遅延発生器を示す図である。
【図16】図15に示した遅延発生器の動作例を示すタ
イムチャートである。
【符号の説明】
18、18a…第1の電流源 18b…電流源 19、19a…第2の電流源 22、22a…第1の容量 22b…容量 23、23a…第2の容量 24、24a、24b…コンパレータ 26、26a、26b…ランプ波発生回路 27、27a、27b…閾値電圧発生回路 36…電流スイッチ 37…閾値電圧入力端子 40、40a…アキュムレータ 41、41a…遅延発生器本体 42、42a…データ変換回路 43、43a…制御回路 54〜59…容量 66〜75…電流スイッチ 76〜79…コンパレータ 84…論理和ゲート 89、89a、89b…データセレクタ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村口 正弘 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 Fターム(参考) 5J001 BB00 BB01 BB02 BB05 BB06 BB08 BB09 BB12 BB14 BB17 CC00 5J039 AC03 KK02 KK04 KK08 KK09 KK10 KK13 KK16 KK20 KK29 MM04 MM10 NN01 5J043 AA03 AA05 AA06 BB04 DD05 DD07 DD10 DD11 DD14 DD15

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ランプ波電圧を発生するランプ波発生回路
    と、閾値電圧を供給する閾値電圧供給手段と、上記ラン
    プ波電圧と上記閾値電圧とを比較して上記ランプ波電圧
    と上記閾値電圧とが一致したときに出力パルスを発生す
    る比較回路とを有する遅延発生器において、上記ランプ
    波発生回路として2段階の傾きを持つ上記ランプ波電圧
    を発生するものを用いたことを特徴とする遅延発生器。
  2. 【請求項2】上記ランプ波発生回路として上記ランプ波
    電圧の傾きを第1のデータ入力に対応した傾きとするも
    のを用い、上記閾値電圧供給手段として上記閾値電圧の
    傾きを第2のデータ入力に対応した傾きとする閾値電圧
    発生回路を用い、同じ時刻に上記第1のデータ入力とし
    て第1の設定データを送出するとともに第2のデータ入
    力として第2の設定データを送出し、所定時間経過後に
    上記第1のデータ入力として第2の設定データを送出す
    るとともに第2のデータ入力として0を送出するデータ
    セレクタ部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の
    遅延発生器。
  3. 【請求項3】上記ランプ波発生回路として、上記第1の
    データ入力に比例する電流を提供する第1の電流源と、
    上記第1の電流源により充電されかつ一端を所定電圧に
    結合した第1の容量とを有し、上記第1の容量の他端に
    上記ランプ波電圧を発生するものを用い、上記閾値電圧
    発生装置として、上記第2のデータ入力に比例する電流
    を提供する第2の電流源と、上記第2の電流源により充
    電されかつ一端を所定電圧に結合した第2の容量とを有
    し、上記第2の容量の他端に上記閾値電圧を発生するも
    のを用いたことを特徴とする請求項2に記載の遅延発生
    器。
  4. 【請求項4】上記第2の電流源と並列に電流スイッチを
    設けたことを特徴とする請求項3に記載の遅延発生器。
  5. 【請求項5】上記ランプ波発生回路として上記ランプ波
    電圧の傾きを第1のデータ入力に対応した傾きとするも
    のを用い、上記閾値電圧供給手段として上記閾値電圧の
    傾きを第2のデータ入力に対応した傾きとする閾値電圧
    発生回路を用い、同じ時刻に上記第1のデータ入力とし
    て第1の設定データを送出するとともに上記第2のデー
    タ入力として第2の設定データに加算データを加算した
    値を送出し、所定時間経過後に上記第1のデータ入力と
    して第2の設定データを送出するとともに第2のデータ
    入力として0を送出するデータセレクタ部を設けたこと
    を特徴とする請求項1に記載の遅延発生器。
  6. 【請求項6】上記ランプ波発生回路として、上記第1の
    データ入力に比例する電流を提供する第1の電流源と、
    上記第1の電流源により充電されかつ一端を所定電圧に
    結合した第1の容量とを有し、上記第1の容量の他端に
    上記ランプ波電圧を発生するものを用い、上記閾値電圧
    発生装置として、上記第2のデータ入力に比例する電流
    を提供する第2の電流源と、上記第2の電流源により充
    電されかつ一端を所定電圧に結合した第2の容量とを有
    し、上記第2の容量の他端に上記閾値電圧を発生するも
    のを用いたことを特徴とする請求項5に記載の遅延発生
    器。
  7. 【請求項7】上記ランプ波発生回路に含まれる回路定数
    と上記閾値電圧発生回路に含まれる回路定数とを同一値
    としたことを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載
    の遅延発生器。
  8. 【請求項8】上記ランプ波発生回路として上記ランプ波
    電圧の傾きをデータ入力に対応した傾きするものを用
    い、上記閾値電圧供給手段として一定の上記閾値電圧を
    供給するものを用い、上記データ入力として第1の設定
    データを送出し、所定時間経過後に上記データ入力とし
    て第2の設定データを送出するデータセレクタ部を設け
    たことを特徴とする請求項1に記載の遅延発生器。
  9. 【請求項9】上記ランプ波発生回路として、上記データ
    入力に比例する電流を選択的に提供する電流源と、上記
    電流源により充電されかつ一端を所定電圧に結合した容
    量とを有し、上記容量の他端に上記ランプ波電圧を発生
    するものを用いたことを特徴とする請求項8に記載の遅
    延発生器。
  10. 【請求項10】クロック信号および設定データを入力し
    かつ上記クロック信号に同期して上記設定データを累算
    するアキュムレータと、上記アキュムレータの出力の最
    上位ビットまたは上記アキュムレータのオーバーフロー
    信号を所定の時間遅延する請求項1〜9のいずれかに記
    載の遅延発生器とを具備したことを特徴とする周波数シ
    ンセサイザ。
  11. 【請求項11】上記アキュムレータのビット数をn、上
    記最上位ビットの出力信号が立ち上がる直前の上記アキ
    ュムレータの出力信号の値をθp、上記設定データを
    K、上記クロック信号の周期をTとしたとき、上記遅延
    発生器の上記最上位ビットの遅延時間を{(2n-1−θp)
    /K}・Tとしたことを特徴とする請求項10に記載の
    周波数シンセサイザ。
  12. 【請求項12】上記アキュムレータのビット数をn、上
    記アキュムレータの出力信号をθ、上記設定データを
    K、上記クロック信号の周期をTとしたとき、上記遅延
    発生器の上記オーバーフロー信号の遅延時間を{(2n
    θ)/K}・Tとしたことを特徴とする請求項10に記載
    の周波数シンセサイザ。
  13. 【請求項13】被逓倍信号を入力しかつ複数種類の遅延
    時間を発生する請求項1〜9のいずれかに記載の複数の
    遅延発生器と、上記被逓倍信号を入力しかつ上記複数の
    遅延発生器のそれぞれに遅延発生のタイミングを送出す
    る分配回路と、上記複数の遅延発生器の出力の論理和を
    とる論理和手段とを具備したことを特徴とする逓倍器。
  14. 【請求項14】上記複数の遅延発生器として、上記被逓
    倍信号の周期をT、任意の時間をd、2以上の整数を
    N、1以上の整数をMとしたときに、N種類の特定の遅
    延時間d+(k・M/N)T(kは0からN−1までのす
    べての整数)を発生するものを用いたことを特徴とする
    請求項13に記載の逓倍器。
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