JP2001024199A - 薄膜半導体装置 - Google Patents

薄膜半導体装置

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JP2001024199A
JP2001024199A JP19645599A JP19645599A JP2001024199A JP 2001024199 A JP2001024199 A JP 2001024199A JP 19645599 A JP19645599 A JP 19645599A JP 19645599 A JP19645599 A JP 19645599A JP 2001024199 A JP2001024199 A JP 2001024199A
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film
thin
temperature
film semiconductor
thin film
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友信 ▲もたい▼
Tomonobu Motai
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Abstract

(57)【要約】 【課題】広い温度範囲において薄膜スイッチ素子の温度
補償を可能にする。 【解決手段】薄膜半導体装置は電界効果により電流量を
制御する薄膜半導体スイッチ素子10と、薄膜半導体ス
イッチ素子10の少なくとも一端に直列に接続される薄
膜抵抗素子12A,12Bとを備える。特に、薄膜抵抗
素子12A,12Bは薄膜半導体スイッチ素子10の温
度特性の傾きに対して逆の傾きで薄膜半導体スイッチ素
子10のオン抵抗値の約半分から約5倍までの範囲の抵
抗値に設定される温度特性を持つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、任意の基板上に配
置される薄膜半導体に形成される薄膜半導体装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】薄膜半導体技術は、例えばガラスの基板
上に半導体素子を容易に集積できるという利点から液晶
表示パネルへの応用が盛んである。液晶表示パネルは薄
型軽量および低駆動電圧であり、腕時計、電卓、ワード
プロセッサ、パーソナルコンピュータ、小型ゲーム機器
等のディスプレイとして広く用いられ、さらに電子手帳
等の携帯用端末機(PDA)のディスプレイにも拡大し
ている。
【0003】最近では、熱活性化およびELA(エキシ
マ・レーザ・アニール)により得られる多結晶シリコン
膜のような高移動度の半導体膜に薄膜トランジスタ(T
FT)を形成できるようになった。これに伴い液晶駆動
回路用のTFTを画素スイッチ用のTFTと一緒にパネ
ル基板に組込んだ駆動回路一体型の液晶表示パネルが実
用段階にきている。この構造は、TAB等を使用してパ
ネル端部に液晶駆動回路ICを取付ける従来構造に比べ
て表示画面外側の額縁幅を狭めると共に製造コストを低
減することが可能である。
【0004】ところで、表示画面の高精細化および大型
化のために画素数を増大する場合には、液晶駆動回路の
動作速度をより高速にしなくてはならない。このために
は、より高い移動度ならびにより低いしきい値電圧Vt
hがTFTに求められ、さらにこれらの素子特性が短い
チャネル長でも広い温度範囲で安定である必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、TFTは室温
で移動度並びにしきい値電圧について良好な素子性能を
有していても、移動度のような素子性能は温度上昇に伴
って劣化してしまう。半導体膜がもし単結晶シリコン膜
から形成されていれば、室温での結晶格子散乱の影響に
より移動度μ=K×T−1.5(K:定数,T:温度)
で表される温度特性を持つ。この特性式の指数部は−
1.5という値となるが、多結晶シリコン膜ではこれが
−1程度かそれ以下となる。多結晶シリコンTFTの移
動度は温度上昇に伴って単結晶シリコンTFTのように
低い値まで低下することはないが、移動度変化による動
作の遅れが回路設計を難しくする要因となる。
【0006】本発明の目的は、広い温度範囲において安
定に薄膜スイッチ素子の温度補償が可能な薄膜半導体装
置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1観点によれ
ば、電界効果により電流量を制御する薄膜半導体スイッ
チ素子と、前記薄膜半導体スイッチ素子の少なくとも一
端に直列に接続される薄膜抵抗素子とを備え、薄膜抵抗
素子は薄膜半導体スイッチ素子の温度特性の傾きに対し
て逆の傾きで薄膜半導体スイッチ素子のオン抵抗値の約
半分から約5倍までの範囲の抵抗値に設定される温度特
性を持つ薄膜半導体装置が提供される。
【0008】本発明の第2観点によれば、第1観点に記
載した薄膜半導体スイッチ素子は移動度μ(Si)=K
×T(K:室温時の定数,m:素子固有である負の定
数,T:絶対温度)で表される温度特性を持つ多結晶シ
リコン膜から形成され、薄膜抵抗素子は薄膜半導体スイ
ッチ素子に対して等価的に移動度μ(R)=L×T
(ここで、Lは室温時の定数,nは素子固有の定数,
Tは絶対温度)で表される温度特性を持ち、定数nが|
K/L|<2でない場合に薄膜半導体スイッチ素子の動
作保証温度範囲において|(m+n)−log(K/
L)|<0.5という関係を満足し、|K/L|<2で
ある場合に薄膜半導体スイッチ素子の動作保証温度範囲
において|(m+n)|<0.2という関係を満足する
抵抗体膜から形成される薄膜半導体装置が提供される。
【0009】本発明の第3観点によれば、第2観点に記
載した薄膜抵抗素子の抵抗体膜はさらに定数nが薄膜半
導体スイッチ素子の動作保証温度範囲において正の値で
あり、この動作保証温度範囲よりも高い温度に対して2
分の1から負値という範囲に低下するよう形成される薄
膜半導体装置が提供される。
【0010】本発明の第4観点によれば、第1観点に記
載した薄膜半導体スイッチ素子は移動度μ(Si)=K
×T(K:室温時の定数,m:素子固有である正の定
数,T:絶対温度)で表される温度特性を持つアモルフ
ァスシリコン膜から形成され、薄膜抵抗素子は薄膜半導
体スイッチ素子に対して等価的に移動度μ(R)=L×
(L:室温時の定数,n:素子固有の定数,T:絶
対温度)で表される温度特性を持ち、定数nが前記薄膜
半導体スイッチ素子の動作保証温度範囲において|(m
+n)−log(K/L)|<3という関係を満足する
抵抗体膜から形成される薄膜半導体装置が提供される。
【0011】これら薄膜半導体装置では、薄膜抵抗素子
が薄膜半導体スイッチ素子の温度特性の傾きに対して逆
の傾きで薄膜半導体スイッチ素子のオン抵抗値の約半分
から約5倍までの範囲の抵抗値に設定される温度特性を
持つため、動作時の自己発熱等によるスイッチ素子温度
の上昇に伴なう著しい移動度の変化を生じることなく広
い温度範囲で安定に動作することができる。また、薄膜
半導体スイッチ素子および薄膜抵抗素子は共通の半導体
膜から形成可能であるため、占有スペースを著しく増大
することが避けられる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1実施形態に係
る薄膜半導体装置について図面を参照して説明する。
【0013】アクティブマトリスク液晶表示パネルで
は、一般に複数の画素電極がパネル基板においてマトリ
クス状に配置され、複数の薄膜トランジスタがこれら画
素電極に画素スイッチとしてそれぞれ接続される。この
液晶表示パネルが駆動回路一体型である場合には、画素
スイッチ用薄膜トランジスタがこれら画素電極の各々を
対応画素スイッチを介して駆動する液晶駆動回路を構成
する複数の薄膜トランジスタと一緒にパネル基板に形成
される。薄膜半導体装置は例えば画素スイッチ用あるい
は液晶駆動回路用の薄膜トランジスタに代えて液晶表示
パネルに組込まれるものである。
【0014】図1はこの薄膜半導体装置の回路構造を示
す。図1に示すように、薄膜半導体装置は例えば電界効
果により電流量を制御する薄膜トランジスタ(TFT)
である薄膜半導体スイッチ素子10と、この薄膜半導体
スイッチ素子10の両端にそれぞれ接続される感温性薄
膜抵抗素子12Aおよび12Bとを備える。図1では、
薄膜半導体スイッチ素子10が感温性薄膜抵抗素子12
Aおよび12Bと直列に接続されるが、薄膜半導体スイ
ッチ素子10に対する素子バイアス方向、すなわち電圧
極性が変化せず一定である場合にはこれら感温性薄膜抵
抗素子12Aおよび12Bの一方を省略してもよい。
【0015】図2は薄膜半導体装置の断面構造を示す。
薄膜半導体スイッチ素子10は図2に示すようにガラス
等のパネル基板20上に形成される半導体膜21および
この半導体膜21上にゲート絶縁膜22を介して形成さ
れるゲート電極23を有する。感温性薄膜抵抗素子12
Aおよび12Bはゲート電極23の両側において半導体
膜21にコンタクトしソース領域およびドレイン領域を
兼ねて形成される抵抗体膜24で構成される。ゲート絶
縁膜22は半導体膜21、抵抗体膜24およびパネル基
板20を覆って形成され、感温性薄膜抵抗素子12Aお
よび12Bの抵抗体膜24をそれぞれ露出する2個の開
口HLを持つ。感温性薄膜抵抗素子12Aおよび12B
はゲート絶縁膜22上に形成される金属配線層25にこ
れら開口HLをそれぞれ介して接続される。ゲート電極
23および金属配線層25は絶縁保護膜26によって覆
われる。半導体膜21は例えば多結晶シリコン膜あるい
はアモルファスシリコン膜等で構成される。尚、薄膜半
導体スイッチ素子10はゲート電極23が半導体膜21
の上面側に配置されるトップゲート構造の薄膜トランジ
スタであるが、これとは逆にゲート電極23が半導体膜
21の下面側に配置されるボトムゲート構造の薄膜トラ
ンジスタとして形成されてもよい。
【0016】図3は薄膜半導体スイッチ素子10並びに
感温性抵抗素子12Aおよび12Bの温度特性を示す。
図3では、比較を行うために、感温性抵抗素子12Aお
よび12Bの温度特性が薄膜半導体スイッチ素子10の
温度特性に対して等価的に移動度によって表される。具
体的には、薄膜半導体スイッチ素子10と同一の電圧印
加条件で得られる見かけの移動度が感温性抵抗素子12
Aおよび12Bの温度特性を表すために用いられる。
【0017】ここで、薄膜半導体スイッチ素子10の移
動度をμ1、感温性薄膜抵抗素子12Aおよび12Bの
移動度をμ2とすると、これら素子の接続により得られ
る合成移動度μaは1/μa=1/μ1+1/μ2で表
される。この式によれば、合成移動度μaを一定にする
ように感温性薄膜抵抗素子12Aおよび12Bの移動度
μ2を決定することにより薄膜半導体スイッチ素子10
の温度依存性を補償できることがわかる。
【0018】最も簡単な補償方法としては、移動度μ2
が比較的低レベルでフラットに維持される図3に示す特
性線L1のような温度特性を持つ感温性薄膜抵抗素子1
2Aおよび12Bを用いることである。これにより、薄
膜半導体スイッチ素子10の温度依存性をほぼ解消可能
である。しかし、この薄膜半導体装置は移動度の低さの
ために実用とならない。このため、感温性薄膜抵抗素子
12Aおよび12Bは移動度μ2が温度上昇による薄膜
半導体スイッチ素子10の移動度μ1の変化に対応して
変化する温度特性を持つように予め設定される。例えば
薄膜半導体スイッチ素子10が図3に示す特性線L2の
温度特性を持つ場合には、感温性薄膜抵抗素子12Aお
よび12Bが図3に示す特性線L3の温度特性を持つこ
とが好ましい。
【0019】薄膜半導体スイッチ素子10の半導体膜2
1が多結晶シリコン膜で構成される場合、半導体膜21
はCVD(化学気相成長)またはグロー放電等を用いた
堆積処理でアモルファスシリコン膜をパネル基板20上
に形成し、さらに電気炉やエキシマ・レーザー・アニー
ル(ELA)または赤外線等を用いた加熱処理でアモル
ファスシリコンを結晶成長させて多結晶シリコン膜にす
ることにより得られる。
【0020】感温性薄膜抵抗素子12Aおよび12Bの
抵抗体膜24は上述のアモルファスシリコン膜から形成
される。具体的には、例えばELAでゲート電極23に
対応するアモルファスシリコン膜の領域だけを半導体膜
21用多結晶シリコン膜として結晶化し、抵抗体膜24
を形成するために多結晶シリコン膜の両側に残されたア
モルファスシリコン膜の領域にマスクパターンを用いて
不純物をドープする。この不純物としては、シリコン原
子に対してドナー原子として働くP(リン)、As(ひ
素)、Sb(アンチモン)、あるいはアクセプタ原子と
して働く、B(ホウ素)、In(インジウム)等の元素
が用いられる。抵抗体膜24の固有抵抗は、1017
1021/cm、好ましくは1018〜1020/c
の不純物原子を注入することで、おおよそ必要とな
る0.0003〜0.03Ω・cmの範囲に制御可能で
ある。また、抵抗体膜24の縦横比を適切に選定するこ
とにより所望の抵抗値を絶対値として得ることができ
る。抵抗体膜24の抵抗値を例えば2倍にしたい場合に
は、電流の流れに沿った水平方向の長さを垂直方向の長
さの2倍とすることで、この抵抗値を得ることができ
る。
【0021】尚、感温性薄膜抵抗素子12Aおよび12
Bの形成では、上述のようにゲート電極23に対応する
アモルファスシリコン膜の領域だけを半導体膜21用多
結晶シリコン膜として結晶化する代りに、アモルファス
シリコン膜を全体的に結晶化させて多結晶シリコン膜を
形成した後でゲート電極23に対応する領域を半導体膜
21として残すように写真マスクを用いてこの多結晶シ
リコン膜をエッチング処理し、半導体膜21にコンタク
トした抵抗体膜24を形成するためにアモルファスシリ
コン膜を再度堆積させることもできる。
【0022】薄膜半導体スイッチ素子10の動作保証温
度範囲を−50℃〜150℃とすると、抵抗体膜24の
温度特性は移動度μ=K×T−n(K:室温時の定数,
T:絶対温度)という式で概ね表すことができる。この
特性式の指数nは、単結晶シリコンの場合にn=1.5
という値となり、多結晶シリコンの場合にn=0.5〜
1程度の値となる。これに対してアモルファスシリコン
の場合には、指数nがn=−3〜−9という値となる。
このように、逆符号の温度係数がアモルファスシリコン
の結晶格子欠陥の多さからに付加される場合には、絶対
温度Tに対して正の指数値を得ることができる。従っ
て、このような感温性薄膜抵抗素子12Aおよび12B
の抵抗体膜24をアモルファスシリコン膜とすることに
より、薄膜半導体スイッチ素子10の温度依存性を補償
可能である。
【0023】この抵抗体膜24に関し、温度特性は上述
した抵抗値制御用の不純物に加えて温度特性制御用の不
純物を加えることで制御可能である。この不純物は例え
ばセラミックスのサーミスタを構成するために用いられ
るチタン酸バリウムやチタン酸バリウムに添加元素(ジ
ルコニア、ストロンチウム、鉛)を加えた物質などの温
度に敏感な特性を有する物質である。この他にペロブス
カイト構造を有する多くの混合物質でも、スパッタある
いは有機錯体化した原料物質のプラズマ合成などを利用
して薄膜半導体プロセスで温度に敏感な抵抗体膜24を
形成できる。
【0024】ちなみに、これら温度特性制御用の不純物
は半導体膜21のシリコン材料との反応特性が非常に良
好である。このため、図2に示す薄膜半導体装置を例え
ば図4に示すように互いに離れて形成される抵抗体膜2
4および半導体膜21を電極層27および金属配線層2
5を介して電気的に接続するよう変形し、抵抗体膜24
の不純物と半導体膜21のシリコンとの反応を防止すれ
ば、この薄膜半導体装置の信頼性を向上させることがで
きる。電極層27および金属配線層25は例えばルテニ
ウム、白金、タングステン、チタン酸ストロンチウムの
ように耐腐食性の高い材料で構成されることが好まし
い。尚、図1に示す薄膜半導体装置の回路構造はこの変
形例にも適用される。
【0025】また、薄膜半導体スイッチ素子10の半導
体膜21は多結晶シリコン膜の代りに正の傾きの温度特
性を持つアモルファスシリコン膜で構成されてもよい。
この場合、アモルファスシリコン膜の温度特性の傾きに
対して逆の傾きの温度特性を持つ抵抗体膜24を薄膜抵
抗素子12Aおよび12Bとして用いることにより薄膜
半導体スイッチ素子10の温度依存性を補償可能とな
る。このような補償をすることなく薄膜半導体スイッチ
10を動作させると、薄膜半導体スイッチ素子10の温
度がアモルファスシリコン膜の自己発熱等のために放熱
の均衡値に達するまで上昇することになる。薄膜半導体
スイッチ素子10がこうして高温にさらされると、素子
破壊に至ることがなくても初期状態よりも大幅に素子性
能が劣化してしまう。従って、薄膜半導体スイッチ素子
10の温度上昇を正フィードバックさせないために、ア
モルファスシリコン膜の温度特性の傾きに対して逆の傾
きの温度特性を持つ抵抗体膜24を薄膜抵抗素子12A
および12Bとして薄膜半導体スイッチ素子10に接続
することは極めて大切である。
【0026】素子動作を考慮すると、薄膜半導体スイッ
チ素子10の半導体膜21が移動度μ(Si)=K×T
(K:室温で定義される定数、mは素子固有の定数m
<0,Tは絶対温度)で表される温度特性を持つ多結晶
シリコン膜である場合、薄膜抵抗素子12Aおよび12
Bの抵抗体膜24の温度特性が薄膜半導体スイッチ素子
10に対して等価的に移動度μ(R)=L×Tn(L:
室温で定義される定数、nは素子固有の定数、Tは絶対
温度)で表され、定数nが|K/L|<2でない場合に
前記薄膜半導体スイッチ素子の動作保証温度範囲におい
て|(m+n)−log(K/L)|<0.5という関
係を満足するよう決定されることが好ましい。|K/L
|<2である場合には、定数nが薄膜半導体スイッチ素
子10の動作保証温度範囲において|(m+n)|<
0.2という関係を満足するよう決定されることが好ま
しい。
【0027】他方、薄膜半導体スイッチ素子10の半導
体膜21が移動度μ(Si)=K×T(K:室温時の
定数,m:0よりも大きい素子固有の定数,T:絶対温
度)で表される温度特性を持つアモルファスシリコン膜
である場合、薄膜抵抗素子12Aおよび12Bの抵抗体
膜24の温度特性が薄膜半導体スイッチ素子10に対し
て等価的に移動度μ(R)=L×T(L:室温時の定
数,n:素子固有の定数,T:絶対温度)で表され、定
数nが薄膜半導体スイッチ素子10の動作保証温度範囲
において|(m+n)−log(K/L)|<3という
関係を満足するよう決定されることが好ましい。
【0028】次に本発明の第2実施形態に係る薄膜半導
体装置ついて説明する。
【0029】図5はこの薄膜半導体装置の回路構造を示
し、図6はこの薄膜半導体装置の断面構造を示す。この
薄膜半導体装置は液晶表示パネルの動作保証温度範囲よ
り高い温度において見かけの移動度を低下させる構造を
有すること除いて図1に示す第1実施形態の薄膜半導体
装置と同様に構成される。このため、図5および図6で
は、図1に示すものと同様な部分を同一参照符号で表
し、その説明を簡略化あるいは省略する。この薄膜半導
体装置では、感温性薄膜抵抗素子12Cおよび12Dが
感温性薄膜抵抗素子12Aおよび12Bにそれぞれ直列
に接続される。尚、薄膜半導体スイッチ素子10に対す
る素子バイアス方向、すなわち電圧極性が変化せず一定
である場合には、第1実施形態と同様の形式でこれら感
温性薄膜抵抗素子12Aおよび12Cあるいは感温性薄
膜抵抗素子12Bおよび12Dを省略してもよい。
【0030】図6に示すように、薄膜半導体スイッチ素
子10は第1実施形態と同様にガラス等のパネル基板2
0上に形成される半導体膜21、およびこの半導体膜2
1上にゲート絶縁膜22を介して形成されるゲート電極
23を有する。感温性薄膜抵抗素子12Aおよび12B
はゲート電極23の両側において半導体膜21にコンタ
クトしソース領域およびドレイン領域を兼ねて形成され
る抵抗体膜24Aで構成される。感温性薄膜抵抗素子1
2Cおよび12Dはゲート電極23の両側において抵抗
体膜24にそれぞれコンタクトしソース電極接続領域お
よびドレイン電極接続領域を兼ねて形成される抵抗体膜
24Bで構成される。ゲート絶縁膜22は半導体膜2
1、抵抗体膜24A、抵抗体膜24Bおよびパネル基板
20を覆って形成される。感温性薄膜抵抗素子12Cお
よび12Dはパネル基板20上に形成される金属配線層
25に接続される。ゲート電極23および金属配線層2
5は絶縁保護膜26によって覆われる。半導体膜21は
例えば多結晶シリコン膜で構成され、抵抗体膜24Bは
アモルファスシリコン膜で構成され、抵抗体膜24Aは
抵抗体膜24Bよりも高く多結晶シリコン膜より低い移
動度のアモルファスシリコン膜で構成される。
【0031】半導体膜21並びに抵抗体膜24Aおよび
24Bの形成工程では、熱吸収層28がそれぞれの抵抗
体膜24Aの下敷層としてパネル基板20上に形成さ
れ、アモルファスシリコン膜がCVD(化学気相成長)
またはグロー放電等でパネル基板上に堆積され、半導体
膜21並びに抵抗体膜24Aおよび24Bに対応する領
域を残すようにパターニングされる。続いて、エキシマ
・レーザー・アニール(ELA)で半導体膜21および
抵抗体膜24Aに対応するアモルファスシリコン膜の領
域にパネル基板20側からレーザビームを照射すること
によりアモルファスシリコン膜を多結晶シリコン膜に結
晶成長させる。この場合、半導体膜21はこうして得ら
れた多結晶シリコン膜で構成され、抵抗体膜24Aは熱
吸収層28での熱吸収および段差に起因するアニール熱
量の低下のために半導体膜21の多結晶シリコン膜より
低い移動度に設定されるアモルファスシリコン膜で構成
され、抵抗体膜24Bはレーザビームの照射を受けずに
形成時のまま残されるために抵抗体膜24Aよりも低い
移動度に設定されるアモルファスシリコン膜で構成され
ることになる。この後、抵抗体膜24Aおよび24Bに
ついては、不純物のドープが行われる。
【0032】図7は薄膜半導体スイッチ素子10並びに
感温性抵抗素子12A、12B、12Cおよび12Dの
温度特性を示す。図7に示すように、感温性薄膜抵抗素
子12Aおよび12Bは半導体膜21として形成された
多結晶シリコン膜に得られる負の傾きの温度特性を薄膜
半導体スイッチ素子10の動作補償温度範囲において補
償するために正の傾きの温度特性を持ち、感温性薄膜素
子12Cおよび12Dはこの動作保証温度範囲より高い
温度において薄膜半導体スイッチ素子10の熱暴走を防
ぐために多結晶シリコン膜と同様に負の傾きの温度特性
を持つ。
【0033】薄膜抵抗素子12A、12B、12Cおよ
び12Dは、素子寸法を適切に選定することにより図7
に示すように薄膜半導体スイッチ素子の動作保証温度範
囲よりも高い温度において動作による発熱を抑制するた
めに薄膜半導体スイッチ素子の動作速度を低下させるこ
とが可能となる。
【0034】以上のような第1および第2実施形態の薄
膜半導体装置は単体スイッチとしてではなく上述した液
晶駆動回路のような大規模な回路にトランスファゲート
であるアナログスイッチあるいはシフトレジスタ回路や
バッファ回路の基本セグメントであるインバータとして
組込まれることがほとんどである。
【0035】アナログスイッチは例えば図8に示すよう
に入力端子INおよび出力端子OUT間に接続されるN
チャネルの多結晶シリコン薄膜トランジスタTNを備え
る。この薄膜トランジスタTNは薄膜半導体装置の薄膜
半導体スイッチ素子10であり、単一の薄膜抵抗素子1
2Aを直列に介して出力端子OUTに接続される。他
方、インバータは例えば図9に示すようにPチャネルの
多結晶シリコン薄膜トランジスタTPおよびNチャネル
の多結晶シリコン薄膜トランジスタTNを備える。ここ
で、入力端子INは薄膜トランジスタTPのゲートおよ
び薄膜トランジスタTNのゲートに接続され、薄膜トラ
ンジスタTPの電流パスは正電位端子VDDおよび出力
端子OUT間に接続され、薄膜トランジスタTNの電流
パスは出力端子OUTおよび接地端子GND間に接続さ
れる。ここで、薄膜トランジスタTNは薄膜半導体スイ
ッチ素子10であり、単一の薄膜抵抗素子12Aを直列
に介して出力端子OUTに接続される。
【0036】特にシフトレジスタ回路は液晶駆動回路に
おいて高速動作を求められることから、動作速度が周囲
温度上昇あるいは自己発熱によるスイッチ素子温度変化
によって低下しないことが求められる。薄膜半導体装置
はこのシフトレジスタ回路の基本セグメントであるイン
バータの温度依存性をほぼ一定に保つ。すなわち、シフ
トレジスタ回路はインバータのスイッチ素子温度変化に
対して自己補償を行うため、回路動作が室温で開始した
後に生じる素子温度上昇で停止することなく室温時の初
期動作状態を維持できる。
【0037】上述のインバータにおいて、薄膜トランジ
スタTNが薄膜半導体スイッチ素子10である理由は、
薄膜トランジスタTNが薄膜トランジスタTPよりも高
い移動度を得られ、さらに薄膜抵抗素子12Aの調整に
より薄膜トランジスタTPおよびTN全体に対する見か
けの移動度の設定範囲を広くとることが可能であるため
である。これにより、PチャネルおよびNチャネル薄膜
トランジスタTNを組合わせたインバータのような回路
の立ち上がり、立ち下がりの動作速度を均等化すること
にも役立つことになる。逆に、一方の薄膜トランジスタ
側の立ち上がり時間のみを急峻にすることも設定でき
る。これは、信号の立ち上がり時間および立ち下がり時
間を温度変化に合わせてカスタマイズできることから、
回路要素の温度依存性に対する回路設計の自由度を大幅
に向上させることが可能となる。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、広い温度範囲において
薄膜スイッチ素子の温度補償が可能な薄膜半導体装置素
子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る薄膜半導体装置の
回路図である。
【図2】図1に示す薄膜半導体装置の断面図である。
【図3】図1に示す薄膜半導体スイッチ素子および感温
性抵抗素子の温度特性を示すグラフである。
【図4】図2に示す薄膜半導体装置の断面構造の変形例
を示す断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る薄膜半導体装置の
回路図である。
【図6】図5に示す薄膜半導体装置の断面図である。
【図7】図5に示す薄膜半導体スイッチ素子および感温
性抵抗素子の温度特性を示すグラフである。
【図8】第1または第2実施形態に係る薄膜半導体装置
を含むアナログスイッチの回路図である。
【図9】第1または第2実施形態に係る薄膜半導体装置
を含むインバータの回路図である。
【符号の説明】
10…薄膜半導体スイッチ素子 12A,12B…感温性薄膜抵抗素子 20…パネル基板 21…半導体膜 22…ゲート絶縁膜 23…ゲート電極 24…抵抗体膜 25…金属配線層 26…絶縁保護膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H092 JA26 JA27 JA41 KA05 KA10 NA11 5F110 AA30 BB01 BB02 BB04 BB20 CC02 CC08 DD02 GG02 GG13 GG15 GG43 GG44 HJ01 HJ04 HJ30 HK01 HK02 HK04 HL01 HL02 HL04 HM07 NN71 PP01 PP03 PP11 PP15

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電界効果により電流量を制御する薄膜半
    導体スイッチ素子と、前記薄膜半導体スイッチ素子の少
    なくとも一端に直列に接続される薄膜抵抗素子とを備
    え、前記薄膜抵抗素子は前記薄膜半導体スイッチ素子の
    温度特性の傾きに対して逆の傾きで前記薄膜半導体スイ
    ッチ素子のオン抵抗値の約半分から約5倍までの範囲の
    抵抗値に設定される温度特性を持つことを特徴とする薄
    膜半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記薄膜半導体スイッチ素子は移動度μ
    (Si)=K×T (K:室温時の定数、m:素子固有
    である負の定数、T:絶対温度)で表される温度特性を
    持つ多結晶シリコン膜から形成され、前記薄膜抵抗素子
    は前記薄膜半導体スイッチ素子に対して等価的に移動度
    μ(R)=L×T(L:室温時の定数,n:素子固有
    である定数,T:絶対温度)で表される温度特性を持
    ち、前記定数nが|K/L|<2でない場合に前記薄膜
    半導体スイッチ素子の動作保証温度範囲において|(m
    +n)−log(K/L)|<0.5という関係を満足
    し、|K/L|<2である場合に前記薄膜半導体スイッ
    チ素子の動作保証温度範囲において|(m+n)|<
    0.2という関係を満足する抵抗体膜から形成されるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の薄膜半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記薄膜抵抗素子の抵抗体膜はさらに前
    記定数nが前記薄膜半導体スイッチ素子の動作保証温度
    範囲において正の値であり、この動作保証温度範囲より
    も高い温度に対して2分の1から負の値という範囲に低
    下するよう形成されることを特徴とする請求項2に記載
    の薄膜半導体装置。
  4. 【請求項4】 前記薄膜半導体スイッチ素子は移動度μ
    (Si)=K×T (K:室温時の定数,m:素子固有
    である正の定数,T:絶対温度)で表される温度特性を
    持つアモルファスシリコン膜から形成され、前記薄膜抵
    抗素子は前記薄膜半導体素子に対して等価的に移動度μ
    (R)=L×T(L:室温時の定数,n:素子固有の
    定数,T:絶対温度)で表される温度特性を持ち、前記
    定数nが前記薄膜半導体スイッチ素子の動作保証温度範
    囲において|(m+n)−log(K/L)|<3とい
    う関係を満足する抵抗体膜から形成されることを特徴と
    する請求項1に記載の薄膜半導体装置。
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