JP2001023758A - セラミックヒータ - Google Patents

セラミックヒータ

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JP2001023758A
JP2001023758A JP11193640A JP19364099A JP2001023758A JP 2001023758 A JP2001023758 A JP 2001023758A JP 11193640 A JP11193640 A JP 11193640A JP 19364099 A JP19364099 A JP 19364099A JP 2001023758 A JP2001023758 A JP 2001023758A
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Japan
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heating element
ceramic
metal coating
heater
coating layer
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JP11193640A
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English (en)
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Masakazu Furukawa
正和 古川
Yasuji Hiramatsu
靖二 平松
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Ibiden Co Ltd
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Ibiden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱面の温度均一性に優れるとともに、発熱
体の抵抗値の変動が抑制されたセラミックヒータを提供
すること。 【解決手段】 セラミック板の表面に発熱体を形成して
なるセラミックヒータにおいて、前記発熱体の表面に
は、金属被覆層が形成され、前記金属被覆層は、ホウ素
を含有し、かつ、リンの含有量が1重量%以下であるこ
とを特徴とするセラミックヒータ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
〔発明の詳細な説明〕
【0002】
【従来の技術】半導体製品は、シリコンウエハ上に感光
性樹脂をエッチングレジストとして形成し、シリコンウ
エハのエッチングを行う工程等を経て製造される。この
感光性樹脂は液状であり、スピンコーターなどを用いて
シリコンウエハ表面に塗布されるのであるが、塗布後に
乾燥させなければならず、塗布したシリコンウエハをヒ
ータ上に載置して加熱することになる。従来、このよう
な用途に使用されるヒータとしては、アルミニウム板の
裏面に発熱体を配置した金属製のヒータが採用されてい
る。
【0003】ところが、このような金属製のヒータは、
以下のような問題があった。まず、金属製であるため、
ヒータ板の厚みは、15mm程度と厚くしなければなら
ない。なぜなら、薄い金属板では、加熱に起因する熱膨
張により、反り、歪みが発生してしまい、金属板上に載
置したシリコンウエハが破損したり傾いたりしてしまう
からである。しかしながら、ヒータ板の厚みを厚くする
と、ヒータの重量が大きくなり、かさばってしまう。
【0004】また、発熱体に印加する電圧や電流量を変
えることにより、加熱温度を制御するのであるが、金属
板が厚いために、電圧や電流量の変化に対してヒータ板
の温度が迅速に追従せず、温度制御しにくいという問題
もあった。
【0005】そこで、特開平11−40330号公報な
どで提案されているように、窒化物セラミックを使用
し、発熱体近傍の温度を測定しながら、温度制御する技
術が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような技術を用い
たセラミックヒータは、温度追従性に優れたヒータであ
り、また発熱体表面が金属層で被覆されているため、通
常の条件で使用した場合には、発熱体の抵抗値に変動は
なく、温度制御に支障をきたすことはなかった。
【0007】しかしながら、このセラミックヒータは、
600℃で1000時間放置するという条件での耐久試
験を行うと、発熱体の抵抗値が変動するため、温度制御
ができなくなるという意外な問題点を有していた。そこ
で、本発明者らは、鋭意検討した結果、このような発熱
体の抵抗値の変動が、金属膜中のリンに起因しているこ
とを突き止めるに至った。本発明は、このような知見に
もとづいてなされたものであり、発熱体の抵抗値の変動
が抑制されたセラミックヒータを提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のセラミックヒー
タは、セラミック板の表面に発熱体を形成してなるセラ
ミックヒータにおいて、上記発熱体の表面には、金属被
覆層が形成され、上記金属被覆層は、ホウ素を含有し、
かつ、リンの含有量が1重量%以下であることを特徴と
する。
【0009】上記セラミックヒータにおいて、上記金属
被覆層は、リンを含有していないか、あるいはリンの含
有量が1重量%以下であることが必要である。また、上
記金属被覆層の含有するホウ素の含有量は、0.01〜
5重量%であることが望ましい。上記金属被覆層を構成
する金属は、ニッケル、コバルトおよび貴金属からなる
群より選択される少なくとも一種であることが望まし
い。
【0010】上記セラミックヒータを構成するセラミッ
クは、窒化物セラミックまたは炭化物セラミックである
ことが望ましい。上記金属被覆層の厚さは、0.1〜1
0μmであることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のセラミックヒータは、セ
ラミック板の表面に発熱体を形成してなるセラミックヒ
ータにおいて、上記発熱体の表面には、金属被覆層が形
成され、上記金属被覆層は、ホウ素を含有し、かつ、リ
ンの含有量が1重量%以下であることを特徴とする。
【0012】本発明のセラミックヒータによれば、発熱
体の表面に、ホウ素を含有し、かつ、リンの含有量が1
重量%以下である金属被覆層が形成されているため、発
熱体の酸化が抑制され、これにともなって、発熱体の抵
抗値の変動が抑制される。そのため、高温下で長期間使
用した場合でも温度制御が可能である。
【0013】上記セラミックヒータでは、発熱体の表面
部分には、金属被覆層が形成されている。このような金
属被覆層を形成することにより、発熱体を構成する金属
焼結体が酸化されて抵抗値が変化するのを防止すること
ができる。
【0014】上記金属被覆層に使用される金属として
は、非酸化性の金属であれば特に限定されず、具体的に
は、例えば、ニッケル、コバルト、貴金属(金、銀、パ
ラジウム、白金)などが挙げられる。これらのなかで
は、ニッケルが好ましい。
【0015】上記発熱体には、電源と接続するための端
子が必要であり、この端子は、半田を介して発熱体に取
り付けるが、ニッケルは、半田の熱拡散を防止するから
である。接続端子としては、例えば、コバール製の端子
ピンなどが挙げられる。
【0016】上記セラミックヒータにおいて、上記金属
被覆層のリンの含有量は、1重量%以下に抑制される。
上記金属被覆層のリンの含有量が、1重量%を超える
と、リンと金属原子と酸素とが結合して、複合酸化物と
なり、金属膜に亀裂や空隙が発生してしまい、酸素が内
部の発熱体と反応して発熱体の抵抗値が変動してしま
う。上記金属被覆層は、リンを含有していないことが望
ましい。
【0017】また、上記金属被覆層は、ホウ素を含有す
る。ホウ素を含有することにより、ホウ素と酸素とが反
応して、金属と酸素との結合を抑制するため、金属膜の
耐酸化性を向上させることができると考えられる。上記
金属被覆層のホウ素の含有量は、0.01〜5重量%で
あることが望ましい。ホウ素量が多すぎるとホウ素自体
が抵抗発生源となってその分布により抵抗変動が生じ、
逆にホウ素量が少なすぎると後述する酸化防止作用が低
下して抵抗変動が大きくなるからである。
【0018】上記金属被覆層の厚さは、0.1〜10μ
mが望ましい。このような厚さとすることにより、発熱
体の抵抗値を変化させることなく、発熱体の酸化を防止
できるからである。
【0019】上記セラミックヒータにおいて、セラミッ
ク板(以下、ヒータ板という)の一主面の表面に上記発
熱体を形成し、対向面をシリコンウエハ等を載置して加
熱する加熱面とすることが望ましい。
【0020】発熱体の形成位置をこのように設定するこ
とにより、熱が伝搬中にヒータ板全般に拡散するため、
加熱面に発熱体のパターンに相似した温度分布を小さく
することができる。
【0021】以下、図面を参照しながら本発明のセラミ
ックヒータについて説明する。図1は、第一の本発明の
セラミックヒータの一例を模式的に示す底面図である。
ヒータ板11は、円板状に形成されており、発熱体12
は、ヒータ板11の全体の温度が均一になるように加熱
する必要があるために、ヒータ板11の底面に同心円状
のパターンに形成されている。また、これら発熱体12
は、互いに近い二重の同心円同士が1組として、1本の
線になるように接続され、その両端に入出力の端子とな
る端子ピン13が接続されている。また、中央に近い部
分には、支持ピン(図示せず)を挿入するための貫通孔
15が形成されている。
【0022】ヒータ板11の厚さは、0.5〜5mmが
好ましい。0.5mmより薄いと、強度が低下するため
破損しやすくなり、一方、5mmより厚くなると、熱が
伝搬しにくくなり、加熱の効率が悪くなる。
【0023】セラミックヒータ10を構成するセラミッ
クは、窒化物セラミックまたは炭化物セラミックである
ことが望ましい。窒化物セラミックや炭化物セラミック
は、熱膨張係数が金属よりも小さく、機械的な強度が格
段に高いため、薄くしても、加熱面により、反ったり、
歪んだりしない。そのため、ヒータ板を薄くて軽いもの
とすることができる。また、ヒータ板の熱伝導率が高
く、ヒータ板自体が薄いため、ヒータ板の表面温度が、
発熱体の温度変化に迅速に追従する。即ち、電圧、電流
値を変えて発熱体の温度を変化させることにより、ヒー
タ板の表面温度を制御することができるのである。
【0024】上記窒化物セラミックとしては、例えば、
窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタ
ン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2
種以上を併用してもよい。
【0025】また、炭化物セラミックとしては、例え
ば、炭化ケイ素、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化
タンタル、炭化タングステン等が挙げられる。これら
は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0026】これらのなかでは、窒化アルミニウムや炭
化ケイ素が好ましい。熱伝導率が極めて高く、温度追従
性に優れるからである。
【0027】発熱体12は、図1に示したように、少な
くとも2以上の回路に分割されていることが望ましい。
回路を分割することにより、各回路に投入する電力を制
御して発熱量を変えることができ、シリコンウエハの加
熱面の温度を調整することができるからである。
【0028】発熱体12のパターンとしては、例えば、
渦巻き、同心円、偏心円、屈曲線などが挙げられる。
【0029】本発明においては、発熱体12をヒータ板
11の表面に形成する。この場合には、金属粒子を含む
導体ペーストをヒータ板11の表面に塗布して所定パタ
ーンを形成した後、これを焼き付け、ヒータ板11の表
面で金属粒子を焼結させる方法が好ましい。なお、金属
の焼結は、金属粒子同士および金属粒子とセラミックと
が融着していれば充分である。
【0030】図1に示したように、ヒータ板11の表面
に発熱体12を形成する場合には、この発熱体12の厚
さは、1〜30μmが望ましい。
【0031】また、ヒータ板11の表面に発熱体12を
形成する場合には、発熱体12の幅は、0.1〜20m
mが望ましい。
【0032】発熱体12は、その幅や厚さにより抵抗値
に変化を持たせることができるが、上記した範囲が最も
実用的である。抵抗値は、薄く、また、細くなる程大き
くなる。
【0033】発熱体12の断面のアスペクト比(発熱体
の幅/発熱体の厚さ)は、10〜5000であることが
望ましい。この範囲に調整することにより、発熱体の抵
抗値を大きくすることができるとともに、加熱面の温度
の均一性を確保することができるからである。
【0034】発熱体の厚さを一定とした場合、アスペク
ト比が小さいと、ヒータ板11の加熱方向への熱の伝搬
量が小さくなり、発熱体のパターンに近似した熱分布が
加熱面に発生してしまい、逆にアスペクト比が大きすぎ
ると発熱体パターンの中央の直上部分が高温となってし
まい、結局、発熱体パターンに近似した熱分布が加熱面
に発生してしまう。温度分布を考慮すると、断面のアス
ペクト比は、10〜5000であることが好ましいので
ある。より好ましいアスペクト比は、20〜200であ
る。
【0035】導体ペーストとしては特に限定されない
が、導電性を確保するための金属粒子または導電性セラ
ミックが含有されているほか、樹脂、溶剤、増粘剤など
を含むものが好ましい。
【0036】上記金属粒子としては、貴金属(金、銀、
白金、パラジウム)、鉛、タングステン、モリブデン、
ニッケルなどが好ましい。これらは、単独で用いてもよ
く、2種以上を併用してもよい。これらの金属は、比較
的酸化しにくく、発熱するに充分な抵抗値を有するから
である。上記導電性セラミックとしては、タングステ
ン、モリブデンの炭化物などが挙げられる。これらは、
単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0037】これら金属粒子または導電性セラミック粒
子の粒径は、0.1〜100μmが好ましい。0.1μ
m未満と微細すぎると、酸化されやすく、一方、100
μmを超えると、焼結しにくくなり、抵抗値が大きくな
るからである。
【0038】上記金属粒子の形状は、球状であっても、
リン片状であってもよい。これらの金属粒子を用いる場
合、球状物とリン片状物との混合物であってよい。上記
金属粒子がリン片状物、または、球状物とリン片状物と
の混合物の場合は、金属粒子間の金属酸化物を保持しや
すくなり、発熱体と窒化物セラミック等との密着性を確
実にし、かつ、抵抗値を大きくすることができるため有
利である。
【0039】導体ペーストに使用される樹脂としては、
例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などが挙げられ
る。また、溶剤としては、例えば、イソプロピルアルコ
ールなどが挙げられる。さらに、増粘剤としては、例え
ば、セルロースなどが挙げられる。
【0040】導体ペーストには、上記したように、金属
粒子に加えて金属酸化物を含ませ、発熱体を金属粒子お
よび金属酸化物を焼結させたものとすることが望まし
い。このように、金属酸化物を金属粒子とともに焼結さ
せることにより、ヒータ板である窒化物セラミックまた
は炭化物セラミックと金属粒子とを密着させることがで
きる。
【0041】金属酸化物を混合することにより、窒化物
セラミックまたは炭化物セラミックと密着性が改善され
る理由は明確ではないが、金属粒子表面や窒化物セラミ
ック、炭化物セラミックの表面は、わずかに酸化されて
酸化膜が形成されており、この酸化膜同士が金属酸化物
を介して焼結して一体化し、金属粒子と窒化物セラミッ
クまたは炭化物セラミックとが密着するのではないかと
考えられる。
【0042】前記金属酸化物としては、例えば、酸化
鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素(B 23 )、アル
ミナ、イットリアおよびチタニアからなる群から選ばれ
る少なくとも1種が好ましい。
【0043】これらの酸化物は、発熱体の抵抗値を大き
くすることなく、金属粒子と窒化物セラミックまたは炭
化物セラミックとの密着性を改善することができるから
である。
【0044】上記酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ
素(B23 )、アルミナ、イットリア、チタニアの割
合は、金属酸化物の全量を100重量部とした場合、重
量比で、酸化鉛が1〜10、シリカが1〜30、酸化ホ
ウ素が5〜50、酸化亜鉛が20〜70、アルミナが1
〜10、イットリアが1〜50、チタニアが1〜50で
あって、その合計が100重量部を超えない範囲で調整
されていることが望ましい。これらの範囲で、これらの
酸化物の量を調整することにより、特に窒化物セラミッ
クとの密着性を改善することができる。
【0045】上記金属酸化物の金属粒子に対する添加量
は、0.1重量%以上10重量%未満が望ましい。この
ような構成の導体ペーストを使用して発熱体を形成した
際の面積抵抗率は、1〜45mΩ/□が望ましい。
【0046】面積抵抗率が45mΩ/□を超えると、印
加電圧量に対して発熱量は大きくなりすぎて、ヒータ板
の表面に発熱体を設けたヒータ板では、その発熱量を制
御しにくいからである。なお、金属酸化物の添加量が1
0重量%以上であると、面積抵抗率が50mΩ/□を超
えてしまい、発熱量が大きくなりすぎて温度制御が難し
くなり、温度分布の均一性が低下する。
【0047】発熱体に接続端子を接続する場合、半田と
しては、銀−鉛、鉛−スズ、ビスマス−スズなどの合金
を使用することができる。なお、半田層の厚さは、0.
1〜50μmが好ましい。半田による接続を確保するの
に充分な範囲だからである。
【0048】図2は、本発明のセラミックヒータの一例
を模式的に示した断面図である。図2に示したように、
このセラミックヒータ20では、円板状のヒータ板21
に貫通孔25が複数個設けられ、その貫通孔25に支持
ピン26が挿入され、この支持ピン26上にシリコンウ
エハ19が載置されるようになっている。また、この支
持ピン26を上下させることにより、シリコンウエハ1
9を図示しない搬送機に渡したり、搬送機からシリコン
ウエハ19を受け取ったりすることができるようになっ
ている。
【0049】また、セラミックヒータ20では、ヒータ
板21の底面21bに発熱体22a、22b、22c、
22dが形成され、発熱体22a、22b、22c、2
2dの周囲に金属被覆層24a、24b、24c、24
dが形成されている。また、発熱体22a、22cに金
属被覆層24a、24cを介して端子ピン22a、23
cが接続、固定されている。この端子ピン22a、23
cはソケット等を介して電源(図示せず)に接続されて
いる。
【0050】上記セラミックヒータにおいては、必要に
応じて、以下のような構成としてもよい。すなわち、ヒ
ータ板11に、底面21b側から有底孔を設けて、この
有底孔の底に熱電対を固定する。そして、この熱電対
を、記憶部に接続し、各熱電対の温度を一定時間毎に測
定し、そのデータを記憶することができるようにする。
さらに、この記憶部を制御部に接続するとともに、演算
部に接続し、記憶部に記憶されたデータに基づき、演算
部で制御する電圧値等の計算を行い、これに基づき、制
御部から各発熱体に対して所定の電圧を印加する。この
ようにすることにより、ヒータ板の温度を制御し、加熱
面21aの温度を均一にすることができる。
【0051】このようなヒータ板11の温度測定が可能
なセラミックヒータを用いる場合、セラミックヒータを
構成するセラミックとしては、窒化アルミニウムが好ま
しい。窒化アルミニウムは、上記したように熱伝導率が
高く(180W/m・K)、温度追従性に優れるもの
の、温度分布の不均一を招きやすく、上記のような測温
素子の形成構造をとる必要があるからである。
【0052】次に、セラミックヒータの製造方法につい
て説明する。 (1)ヒータ板の作製工程 上記した窒化アルミニウム等の窒化物セラミック、また
は、炭化ケイ素等の炭化物セラミックの粉体、必要に応
じてイットリア等の焼結助剤、バインダーをスプレード
ライ等の方法により顆粒状にし、この顆粒を金型等に入
れて加圧し、板状に成形して生成形体を製造する。
【0053】生成形体には、必要に応じて、シリコンウ
エハの支持ピンを挿入する貫通孔や熱電対等の測温素子
を埋め込む有底孔を設けておくことができる。次に、こ
の生成形体を加熱焼成して焼結させてセラミック製の板
状体を製造する。この加熱焼成の際、加圧することによ
り気孔のないヒータ板を製造することができる。上記加
熱焼成を行う温度は、焼結温度以上であればよく、窒化
物セラミックまたは炭化物セラミックでは、1000〜
2500℃である。
【0054】(2)ヒータ板に導体ペーストを印刷する
工程 導体ペーストは、一般に、金属粒子、樹脂、溶剤からな
る粘度の高い流動物である。この導体ペーストをスクリ
ーン印刷等で発熱体を設けようとする部分に印刷する。
発熱体は、ヒータ板全体を均一な温度にする必要がある
ことから、図1に示すような同心円からなるパターンに
印刷することが望ましい。また、発熱体の断面は方形で
あり、偏平な形状とすることが望ましい。
【0055】(3)ヒータ板に発熱体を設ける工程 導体ペーストを加熱焼成して、樹脂、溶剤を除去すると
ともに、金属粒子を焼結させる。加熱焼成温度は、50
0〜1000℃である。導体ペースト中に金属酸化物を
添加しておくと、金属粒子、セラミック製の板状体、お
よび、金属酸化物が焼結して一体化するため、発熱体と
セラミック製の板状体との密着性が向上する。
【0056】(4)発熱体表面に金属被覆層を形成する
工程 さらに、発熱体表面に金属被覆層を形成する。金属被覆
層は、電解めっき、無電解めっき、スパッタリング等に
より形成することができるが、量産性を考慮すると無電
解めっきが最適である。
【0057】無電解めっきで使用する無電解めっき液と
しては、例えば、以下のものなどが挙げられる。
【0058】硫酸ニッケル 10〜50g/l、ホウ酸
10〜50g/l、塩化アンモニウム 10〜50g
/l、ロッシェル塩 30〜80g/l、ジメチルアミ
ノボラン 1.0〜5.0g/lからなる浴温が60〜
80℃のニッケルめっき用溶液。
【0059】塩化コバルト6水和物 1〜10g/l、
ロッシェル塩 20〜80g/l、硝酸鉛 1〜30p
pm、水酸化ホウ素ナトリウム 0.5〜2g/lから
なる浴温が30〜50℃のコバルトめっき用溶液。
【0060】シアン化金カリウム 0.001〜0.0
5mol/l、シアン化カリウム 0.005〜0.5
mol/l、水酸化カリウム 0.05〜1mol/
l、水酸化ホウ素ナトリウム 0.05〜1mol/l
からなる浴温が60〜85℃の金めっき用溶液。このよ
うなめっき液は、リンを全く含まないか、不純物として
含んでいるにすぎず、析出した金属膜中のリン濃度も1
重量%以下である。
【0061】(5)発熱体に接続端子を取り付ける工程 発熱体12のパターンの端部に電源との接続のための端
子を半田にて取り付ける。また、有底孔を設けた場合に
は、有底孔に銀ろう、金ろう等で熱電対を取り付け、ポ
リイミドなどの耐熱性樹脂で封止してもよい。
【0062】
【実施例】以下、本発明をさらに詳細に説明する。 (実施例1) 窒化アルミニウム製のセラミックヒータの製造 (1) 窒化アルミニウム粉末(平均粒径:1.1μm)1
00重量部、イットリア(平均粒径:0.4μm)4重
量部、アクリルバインダー12重量部およびアルコール
からなる組成物のスプレードライを行い、顆粒状の粉末
を作製した。
【0063】(2) 次に、この顆粒状物を金型に入れ、平
板状に成形して生成形体(グリーン)を得た。この生成
形体にドリル加工を施し、シリコンウエハの支持ピンを
挿入する貫通孔15、熱電対を埋め込むための有底孔と
なる部分を形成した。
【0064】(3) 加工処理の終わった生成形体を180
0℃、圧力:200kg/cm2 でホットプレスし、厚
さが3mmの窒化アルミニウム板状体を得た。次に、こ
の板状体から直径210mmの円板体を切り出し、セラ
ミック製の板状体(ヒータ板)11とした。
【0065】(4) 上記(3) で得たヒータ板11に、スク
リーン印刷にて導体ペーストを印刷した。印刷パターン
は、図1に示したような同心円状のパターンとした。導
体ペーストとしては、プリント配線板のスルーホール形
成に使用されている徳力化学研究所製のソルベストPS
603Dを使用した。この導体ペーストは、銀−鉛ペー
ストであり、銀100重量部に対して、酸化鉛(5重量
%)、酸化亜鉛(55重量%)、シリカ(10重量
%)、酸化ホウ素(25重量%)およびアルミナ(5重
量%)からなる金属酸化物を7.5重量部含むものであ
る。また、銀粒子は、平均粒径が4.5μmで、リン片
状のものである。
【0066】(5) 次に、導体ペーストを印刷したヒータ
板を780℃で加熱焼成して、導体ペースト中の銀、鉛
を焼結させるとともにヒータ板11に焼き付け、発熱体
12を形成した。銀−鉛の発熱体12は、厚さが5μ
m、幅2.4mm、面積抵抗率が7.7mΩ/□であっ
た。
【0067】(6) 硫酸ニッケル30g/l、ほう酸30
g/l、塩化アンモニウム30g/l、ロッシェル塩6
0の濃度の水溶液からなる無電解ニッケルめっき浴に上
記(5)で作製したヒータ板を浸漬し、銀−鉛の発熱体1
2の表面に厚さ1μm、ホウ素の含有量が1重量%以
下、リンの含有量が測定限界値以下(おそらく存在しな
いと考えられる)の金属被覆層(ニッケル層)を析出さ
せた。なお、ホウ素の含有量測定は蛍光X線分析装置
(RIGAKU製 RIX2100)による。
【0068】(7) 電源との接続を確保するための端子を
取り付ける部分に、スクリーン印刷により、銀−鉛半田
ペースト(田中貴金属製)を印刷して半田層を形成し
た。ついで、半田層の上にコバール製の端子ピン13を
載置して、420℃で加熱リフローし、端子ピン13を
発熱体12の表面に取り付けた。
【0069】(8) 温度制御のための熱電対を82%Au
−18%Niの金ろうで接続し、さらにポリイミド樹脂
を埋め込んで200℃で加熱し、セラミックヒータ10
を得た。
【0070】(実施例2) 炭化ケイ素製のセラミックヒータの製造 平均粒径1.0μmの炭化ケイ素を使用し、焼結温度を
1900℃とし、さらに得られたヒータ板11の表面を
1500℃で2時間焼成して表面に厚さ1μmのSiO
2 層を形成したほかは、実施例1と同様にし、炭化ケイ
素製のセラミックヒータを製造した。
【0071】(実施例3) 窒化アルミニウム製のセラミックヒータの製造 実施例1の(5) で作製したヒータ板を、硫酸ニッケル8
0g/l、次亜リン酸ナトリウム8g/l、酢酸ナトリ
ウム12g/l、ほう酸8g/l、塩化アンモニウム6
g/lの濃度の水溶液からなる無電解ニッケルめっき浴
に浸漬して、銀−鉛の発熱体の表面に厚さ1μm、リン
の含有量が0.5重量%で、ホウ素の含有量が0.5重
量%の金属被覆層(ニッケル層)を析出させたほかは、
実施例1と同様にし、窒化アルミニウム製のセラミック
ヒータを製造した。なお、リン、ホウ素の含有量測定
は、蛍光X線分析装置(RIGAKU製 RIX210
0)による。
【0072】(比較例1) 窒化アルミニウム製のセラミックヒータの製造 実施例1の(5) で作製したヒータ板を、硫酸ニッケル8
0g/l、次亜リン酸ナトリウム24g/l、酢酸ナト
リウム12g/l、ほう酸8g/l、塩化アンモニウム
6g/lの濃度の水溶液からなる無電解ニッケルめっき
浴に浸漬して、銀−鉛の発熱体の表面に厚さ1μm、リ
ンの含有量が1.5重量%で、ホウ素の含有量が0.5
重量%の金属被覆層(ニッケル層)を析出させたほか
は、実施例1と同様にし、窒化アルミニウム製のセラミ
ックヒータを製造した。なお、リン、ホウ素の含有量測
定は、蛍光X線分析装置(RIGAKU製 RIX21
00)による。
【0073】(比較例2) 窒化アルミニウム製のセラミックヒータの製造 実施例1の(5) で作製したヒータ板を、塩化ニッケル3
0g/l、次亜リン酸ナトリウム10g/l、塩化アン
モニウム50g/lの濃度の水溶液からなる無電解ニッ
ケルめっき浴に浸漬して、銀−鉛の発熱体の表面に厚さ
1μm、リンの含有量が1.5重量%で、ホウ素の含有
量が測定限界以下(おそらく存在しないと考えられる)
の金属被覆層(ニッケル層)を析出させたほかは、実施
例1と同様にし、窒化アルミニウム製のセラミックヒー
タを製造した。なお、リン、ホウ素の含有量測定は、蛍
光X線分析装置(RIGAKU製 RIX2100)に
よる。
【0074】(比較例3) 窒化アルミニウム製のセラミックヒータの製造 実施例1の(5) で作製したヒータ板を、塩化ニッケル2
0g/l、水素化ホウ素ナトリウム10g/l、塩化ア
ンモニウム10g/lの濃度の水溶液からなる無電解ニ
ッケルめっき浴に浸漬して、銀−鉛の発熱体の表面に厚
さ1μm、リン、ホウ素の含有量が測定限界以下(おそ
らく存在しないと考えられる)の金属被覆層(ニッケル
層)を析出させたほかは、実施例1と同様にし、窒化ア
ルミニウム製のセラミックヒータを製造した。なお、リ
ン、ホウ素の含有量測定は、蛍光X線分析装置(RIG
AKU製 RIX2100)による。
【0075】セラミックヒータの評価 実施例1〜3および比較例1〜3で作製したセラミック
ヒータについて、600℃、1000時間の加速試験を
実施し、試験前後の面積抵抗率を測定した。結果を表1
に示した。
【0076】
【表1】
【0077】表1に示したように、実施例1〜3で作製
したセラミックヒータは、加速試験前後での面積抵抗率
がほとんど変化しなかったが、比較例1〜3で作製した
セラミックヒータは、加熱試験後に面積抵抗率が大きく
増加しており、加速試験後はこのセラミックヒータは温
度を制御することができなかった。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように本発明のセラミック
ヒータは、加熱面の温度均一性に優れるとともに、発熱
体の酸化による発熱体の抵抗値の変動が抑制されている
ため、高温下で長期間使用した場合でも温度制御が可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミックヒータの一例を模式的に示
す底面図である。
【図2】本発明のセラミックヒータの一例を模式的に示
す断面図である。
【符号の説明】
10、20 セラミックヒータ 11、21 ヒータ板 12、22 発熱体 13、23 端子ピン 15、25 貫通孔 19 シリコンウエハ 24 金属被覆層 26 支持ピン

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック板の表面に発熱体を形成して
    なるセラミックヒータにおいて、前記発熱体の表面に
    は、金属被覆層が形成され、前記金属被覆層は、ホウ素
    を含有し、かつ、リンの含有量が1重量%以下であるこ
    とを特徴とするセラミックヒータ。
  2. 【請求項2】 前記金属被覆層は、リンを含有しない請
    求項1記載のセラミックヒータ。
  3. 【請求項3】 前記ホウ素の含有量は、0.01〜5重
    量%である請求項1に記載のセラミックヒータ。
  4. 【請求項4】 前記金属被覆層を構成する金属は、ニッ
    ケル、コバルトおよび貴金属からなる群より選択される
    少なくとも一種である請求項1に記載のセラミックヒー
    タ。
  5. 【請求項5】 前記セラミックヒータを構成するセラミ
    ックは、窒化物セラミックまたは炭化物セラミックであ
    る請求項1に記載のセラミックヒータ。
  6. 【請求項6】 前記金属被覆層の厚さは、0.1〜10
    μmである請求項1に記載のセラミックヒータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011102690A (ja) * 2009-10-15 2011-05-26 Ngk Spark Plug Co Ltd グロープラグ

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