JP2001022937A - 欠陥検査方法および欠陥検査装置 - Google Patents

欠陥検査方法および欠陥検査装置

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JP2001022937A JP11194321A JP19432199A JP2001022937A JP 2001022937 A JP2001022937 A JP 2001022937A JP 11194321 A JP11194321 A JP 11194321A JP 19432199 A JP19432199 A JP 19432199A JP 2001022937 A JP2001022937 A JP 2001022937A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体デバイスの製造における成膜やエッチ
ング過程において、凸凹を有する正常な導体パターンが
含まれたウエハ上の、導体欠落、短絡、異物付着などの
欠陥を高い確率で検出する。 【解決手段】 表面凹凸を有する正常な導体パターンを
含む部位と検査対象となる部位と比較する部位の光学像
を電荷像に変換し電気信号として取り出す撮像素子を備
え、この撮像素子により表面凹凸を有する導体パターン
部位を含む光学像を素子信号となし、この素子信号が飽
和あるいは飽和直前となるように光学像の光量を制御す
る。さらにこの光量を用いて検査対象となる部位の素子
信号を取り込み、比較する部位から取り込んだ素子信号
との差信号を求め、この差信号から欠陥を判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体デバイスの
製造工程などで使用される、撮像素子を用いてパターン
欠陥などを検査する欠陥検査方法および欠陥検査装置に
関するもので、特に成膜した導体パターン表面の凸凹が
激しい場合において検出率を向上させる方法および装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスの製造工程において、成
膜やエッチング時に導体パターンの短絡や欠落が発生し
たり、反応副生成物などが異物として付着し、デバイス
不良が発生する。従来これらの不良を、成膜やエッチン
グなどのプロセス過程で検査する有効な装置として、白
色光やレーザ光光源を用いた画像比較式欠陥検査装置が
広く用いられている。図12は特開昭60−20294
9号公報に開示された従来の検査装置の概略を示す構成
図であり、図において、21は検査体となるウエハ、2
2は可動ステージ、23は光源、24aは検査光、24
bは反射光、25は絞り、26はハーフミラー、27は
対物レンズ、28はミラー、29はカメラ、30は撮像
素子、31は画像処理コンピュータ、32は画像メモ
リ、33は画像モニタ、40は欠陥アドレス格納部、4
1は判定結果出力部である。
【0003】このように構成された従来の欠陥検査装置
では、デバイスを製造するために導体パターンなどが形
成されたウエハ21が可動ステージ22に設置され、光
源23により照明される。この光源23から発生する光
は絞り25により適切な光量に調整され検査光24aと
して用いられる。この検査光24aはハーフミラー26
によりウエハ21の方向へ曲げられ、対物レンズ27に
より集光されウエハ21へ導入される。ウエハ21上の
種々の物質に対応した反射光24bは対物レンズ27に
より拡大され、ハーフミラー26、ミラー28を通じて
カメラ29に内蔵された撮像素子30に導入される。撮
像素子30において反射光24bの強弱で表された光学
像は電荷像に変換され、電気信号として取り出される。
この電気信号は画像処理コンピュータ31で画像素子信
号として処理され、予め同様にして採集し画像メモリ3
2に格納されていた比較データと比較され欠陥判定がな
される。欠陥判定されたアドレスは欠陥アドレス格納部
40に格納され、判定結果が判定結果出力部41に出力
されるので、どの部位に欠陥が存在するかを知ることが
できる。またモニタ33により画像を目視検査すること
もできる。
【0004】上記従来の検査装置による従来の検査方法
では、通常検査者が画像モニタ33を観て、検査画像全
体のコントラストが鮮明になるように、絞り25を調整
して適正照明条件を決め、画像として認識させる。この
場合目視で適正と判断できるのは、グレイイメージ、す
なわち例えば信号なし(最も暗い)を0、信号飽和(最
も明るい)を100とした場合、10から90程度の幅
広い範囲となり、撮像素子30に取り込まれた光学像は
この範囲の素子信号に変換される。例えば図13に示す
検査画像データの範囲Aに含まれる種々の物質の素子信
号は、それぞれの物質の光反射率に比例した値となり、
導体パターン34は80、酸化膜38は25、導体パタ
ーンの短絡35は80、欠落36は25、付着した導体
異物37は60程度となる。これに対し欠陥を含まない
比較画像データの同様の範囲(図示せず)における導体
パターン、酸化膜それぞれの素子信号は80、25程度
となり、上記欠陥を含む検査画像データとの差信号の絶
対値は、欠陥箇所のみ大きくなるため、そのアドレスを
欠陥位置と判断することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年頻
繁に用いられるスパッタによるアルミニウム成膜などで
はグレインと呼ばれる膜表面の凹凸の激しい結晶粒界が
形成され、この部位において光反射率が低減する。その
ため、導体パターン欠落部などの欠陥部との信号差が小
さくなり、正常パターンであるのか、欠陥であるのかを
判別することが困難となり、検査装置の機能を果たさな
い場合が生じていた。
【0006】この不具合を生じる場合の具体的な例を図
を用いて説明する。図14は従来の検査方法の具体的な
例を示す図である。図14(a)は、画像範囲Aで取り
込み画像メモリ32に格納される比較画像データおよび
位置Rでの素子信号の例を示したもの、また図14
(b)は画像範囲Aで取り込んだ欠陥を含む検査画像デ
ータ、位置Rに対応する位置Eでの素子信号および位置
Eと位置Rでの差信号を示したものである。図14
(a)において、34aは導体パターンで凹凸のない部
位、38は酸化膜で、素子信号は例えばそれぞれ80、
25程度となる。また図14(b)において、34aは
導体パターンで凹凸のない部位、34bはグレインが形
成され凹凸を有した部位、38は酸化膜、35、36、
37は欠陥となる導体短絡部、導体欠落部、付着した導
体異物であり、素子信号は、それぞれ、80、35、2
5、80、25、60程度となる。ここで図14(b)
の検査画像データと図14(a)の比較画像データの素
子信号の差信号を演算すると、図14(b)に示すよう
になり、例えば欠陥判定しきい値を15とし、差信号の
絶対値がこれを越えているか否かを判定すると、欠陥で
ある導体短絡部や欠落部、導体異物の値が越えていると
ともに、正常導体パターンであるグレイン34bの差信
号の絶対値もしきい値を越え、欠陥と判定される。
【0007】またグレインのみでなく、粗面キャパシタ
のように表面積を稼ぐため故意に凹凸を持たせて導体パ
ターンを形成させた場合にも、光反射率が低減するた
め、同様に正常パターンと認識できない問題があった。
このような場合にも、正常部位を欠陥と判定し正常なデ
バイスを不良として廃棄するか、成膜やエッチング等の
プロセス過程では検査を行なわず全プロセス過程を終え
た後に行う電気信号検査により不良判定を行なわざるを
得なかった。また温度やガス量など新規に製造プロセス
条件を検討する場合には、プロセス過程の外観検査で欠
陥発生率を評価できなかった。
【0008】この発明は、上述のような課題を解決する
ためになされたもので、グレインや表面凹凸を故意に設
けた導体パターンに対しても、成膜、あるいはエッチン
グなどの工程で発生する導体パターンの短絡、欠落、異
物付着などの欠陥を高い確率で検出できる検査装置を得
るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係わる欠陥
検査方法は、光学像を電荷像に変換し電気信号として取
り出す撮像素子を用いて、表面凹凸を有する正常な導体
パターン部位を含む光学像を素子信号となし、該素子信
号が飽和あるいは飽和直前となるように光学像の光量を
制御し、該光量を用いて検査対象となる部位の素子信号
を取り込み、該検査対象となる部位から取り込んだ素子
信号と比較する部位から取り込んだ素子信号との差信号
を用いて欠陥を判定するものである。
【0010】また第2の発明に係わる欠陥検査方法は、
撮像素子により表面凹凸を有する正常な導体パターン部
位を含む光学像を素子信号とし、該素子信号が飽和ある
いは飽和直前となるように光学像の光量を制御し光量を
決定させる。さらにその後に、検査対象となる部位全体
の素子信号のオフセット調整を行って下限値を下げ、か
つ前記素子信号を増幅する。かかる後に再び前記表面凹
凸を有する導体パターン部位の素子信号を用いて光量を
制御し、光量増大分を乗じる数値処理を行なうことによ
り信号差を大きくするようにした後に、該検査対象とな
る部位から取り込んだ素子信号と比較する部位から取り
込んだ素子信号との差信号を用いて欠陥を判定するもの
である。
【0011】また第3の発明に係わる欠陥検査装置は、
表面凹凸を有する導体パターン部位と検査対象となる部
位と比較する部位の光学像を電荷像に変換し電気信号と
して取り出す撮像素子と、該撮像素子により表面凹凸を
有する導体パターン部位を含む光学像を素子信号となす
素子信号取り込み部と、該素子信号が飽和あるいは飽和
直前となるように素子信号を判定する素子信号判定部
と、該素子信号判定部からの信号を受け取り光学像の光
量を制御する光量制御部を備えるものである。
【0012】また第4の発明に係わる欠陥検査装置は、
前記第3の発明の欠陥検査装置に、光量を増大させるこ
とによりレベルが上がった素子信号のレベルを下げかつ
増幅させる数値処理を施す素子信号処理部を備えるもの
である。
【0013】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1はこの発明の
実施の形態1の欠陥検査方法を実施するための、この発
明に係る欠陥検査装置の構成を示す概略図であり、図に
おいて、1は光量制御部、2は素子信号取り込み部、3
は素子信号判定部、4は素子信号処理部、21はウエ
ハ、22は可動ステージ、23は光源、24aは検査
光、24bは反射光、25は絞り、26はハーフミラ
ー、27は対物レンズ、28はミラー、29はカメラ、
30は撮像素子、31は画像処理コンピュータ、32は
画像メモリ、33は画像モニタ、40は欠陥アドレス格
納部、41は判定結果出力部である。
【0014】このように構成された本実施の形態の欠陥
検査装置では、従来の欠陥検査装置と同様に、デバイス
を製造するために導体パターンなどが形成されたウエハ
21が可動ステージ22に設置され、光源23により照
明される。この光源23から発生する光は絞り25によ
り適切な光量に調整され検査光24aとして用いられ
る。この検査光24aはハーフミラー26によりウエハ
21の方向へ曲げられ、対物レンズ27により集光され
ウエハ21へ導入される。ウエハ21上の種々の物質に
対応した反射光24bは対物レンズ27により拡大さ
れ、ハーフミラー26、ミラー28を通じてカメラ29
に内蔵された撮像素子30に導入される。撮像素子30
において反射光24bの強弱で表された光学像は電荷像
に変換され、電気信号として取り出される。この電気信
号は画像処理コンピュータ31で画像素子信号として処
理され、予め同様にして採集し画像メモリ32に格納さ
れていた比較データと比較され欠陥判定がなされる。欠
陥判定されたアドレスは欠陥アドレス格納部40に格納
され、判定結果が判定結果出力部41に出力されるの
で、どの部位に欠陥が存在するかを知ることができる。
またモニタ33により画像を目視検査することもでき
る。
【0015】次にこの欠陥検査装置を用いた本実施の形
態による欠陥検査方法を図を用いて説明する。図2は本
実施の形態の欠陥検査工程を示すフローチャート図、図
3は本実施の形態における検査範囲および光量制御のた
めの素子信号取り込み範囲の例を示す平面図で、図にお
いてAは検査画像範囲、Bは素子信号取り込み範囲、3
4は導体パターンで、34aは凹凸のない部位、34b
は凹凸を有する部位である。
【0016】図1のように構成された欠陥検査装置にお
いて、本実施の形態による欠陥検査方法では、図2に示
すように、まずウエハ21から図3に示された画像範囲
Aの素子信号を取り込む。そしてその中で正常な導体パ
ターンで凹凸を有する部位34bを含んだ素子信号取り
込み範囲Bを設定し、素子信号取り込み部2に取り込
む。この範囲Bの素子信号は導体パターンの凹凸のない
部位34aと凹凸を有する部位34bを含むため、例え
ば80、35程度の値となるが、素子信号判定部3によ
り信号のすべてが飽和信号直前の例えば90以上になっ
ているかを判定し、90に満たない場合には光量制御部
1に命令を出し、絞り25を調整して光量を増大させ
る。この処理を範囲Bの素子信号のすべてが90以上に
なるまで行なう。そして、この光量で比較画像データと
検査画像データを読み込み、これらの差信号を求め、欠
陥判定しきい値以上であれば欠陥と判定し、欠陥アドレ
ス格納部40にアドレスを格納する。検査画像データが
複数の場合は、再び同光量で検査画像データを読み込
み、同様の処理を繰り返し行う。
【0017】このように光量を制御する過程で検査物質
の素子信号がどのように変わるかを、図を用いてさらに
詳細に説明する。図4は撮像素子30により捉えた素子
信号と検査物質の光反射率との関係を示す特性図、図5
は素子信号判定部3で判定比較する信号レベルを決める
原理を示す撮像素子信号と光量の関係を表す特性図であ
る。
【0018】まず撮像素子30に取り込まれる光学像は
ウエハ21上の物質の光反射率と、光源23による照明
光量を掛け合わせた光の像であるため、図4に示すよう
に、素子信号と光反射率の関係における直線の傾きは、
光量を増大させる程大きくなり、例えば光量Mが光量L
より大きい場合、光量Mにおける直線の傾きΔyM/Δ
xMは、光量Lにおける直線の傾きΔyL/ΔxLより
大きくなる。したがって、光量を増大させることにより
それぞれの物質の素子信号差を大きくすることができ
る。さらに光量を増大させると、ある光量を超えたとき
撮像素子で飽和するため一定値(例えば100)を越え
ない。したがって、図5に示すように、導体パターンの
凹凸を有する部位34bの素子信号を飽和直前の90に
した場合、既に飽和している導体パターンの凹凸のない
部位34aの素子信号は100であり、その差を小さく
することができる。さらに図5に示す本実施の形態で制
御された光量Qを用いた場合、検査物の素子信号は、導
体異物37は100、絶縁体となる酸化膜38は65程
度となる。
【0019】さらに図6は本実施の形態の欠陥検査方法
で取り込む具体的な比較画像データと検査画像データの
例を示す図である。図6(a)は、画像範囲Aで取り込
み画像メモリ32に格納される比較画像データおよび上
記光量制御により得た光量Qによる位置Rの素子信号の
例を示したもの、また図6(b)は画像範囲Aで取り込
んだ欠陥を含む検査画像データ、位置Rに対応する位置
Eの素子信号、および位置Eと位置Rの差信号を示した
ものである。図6(a)において、34aは導体パター
ンで凹凸のない部位、38は酸化膜で、素子信号は例え
ばそれぞれ100、65程度となる。また図6(b)に
おいて、34は導体パターンで34aは凹凸のない部
位、34bはグレインが形成され凹凸を有した部位、3
8は酸化膜、35、36、37は欠陥となる導体短絡
部、導体欠落部、付着した導体異物であり、素子信号
は、それぞれ、100、90、65、100、65、1
00程度となる。ここで図6(b)の検査画像データと
図6(a)の比較画像データの素子信号の差信号を演算
すると、図6(b)に示すようになり、例えば欠陥判定
しきい値を15とし、差信号の絶対値がこれを越えてい
るか否かを判定する。欠陥である導体短絡部や欠落部、
導体異物の差信号の絶対値が35でしきい値15を越え
るため不良と判定され、正常な導体パターンであるグレ
イン34bの差信号の絶対値は10としきい値以下とな
るため正常と判定され、正確な判断がなされる。
【0020】尚本実施の形態では、本発明における光量
を決定する工程において、信号処理するための素子信号
取り込み範囲Bを図3に示す1本の導体パターン上の一
部分とし、信号のすべてを飽和直前の90以上にするよ
うにしたが、例えば図7に示す素子信号取り込み範囲B
を用いた場合、導体パターンと酸化膜の幅が同じで1:
1となり導体パターンの占める面積比率が50%となる
ので、素子信号取り込み範囲B内の素子信号の50%以
上が90以上となるというように、判定基準を決めれ
ば、微細なパターンにおいても容易に素子信号取り込み
範囲Bを設定できる。導体パターンと酸化膜の幅が1:
1でない場合でも、導体パターンの面積比率を考慮して
判定すればよい。
【0021】また本実施の形態では、検査範囲Aは図3
に示すような導体と酸化膜の繰り返しの線状パターンを
含む例を示したが、例えば図8に示すようなグレイン3
4bを含む導体パターンが形成されたセル12が格子状
に形成されたものであって、素子信号取り込み範囲Bを
このセルのいくつかを含むものとしてもよい。
【0022】また本実施の形態では光量を絞りを用いて
調整するように構成した例を示したが、絞り25に換え
て、例えば連続的に光透過率を変えて構成した回転式フ
ィルタなどを設置して、光量制御部1を用いて素子信号
取り込み範囲Bの素子信号を飽和信号直前に設定でき
る。
【0023】また、光量制御部1を用いて光源23自体
の光量を調整することにより、素子信号取り込み範囲B
の素子信号を飽和信号直前に設定してもよい。
【0024】実施の形態2.上記実施の形態1では、素
子信号取り込み範囲Bの素子信号が飽和直前になるよう
に光量を増大させ、この光量において検査画像範囲Aの
光学像を取り込むことにより、導体パターンの凹凸のな
い部位34aと凹凸を有する部位34bの素子信号差を
小さくし、特に導体欠落部36を検出するために酸化膜
38との素子信号差を大きくする欠陥検査方法の例を示
したが、素子信号差がさらに小さくなった場合において
も欠陥検査ができる方法について説明する。例えば上記
実施の形態1では凹凸を有する部位34bの素子信号が
35、酸化膜38の素子信号が25の例を示したが、そ
れぞれがプラスマイナス3程度の数値幅を持ち、例えば
凹凸を有する部位34bが32、酸化膜38が28とな
った場合、図9に示すように光量Nにおいて素子信号の
差は非常に小さくなる。ここで光量をQに増大させるこ
とにより、凹凸を有する部位34bと酸化膜38の信号
差を大きくすることができるが、凹凸のない部位34a
と凹凸を有する部位34bとの素子信号の差、および凹
凸を有する部位34bと酸化膜38との素子信号の差が
いずれも10程度となり、正常な部位34bと欠陥であ
る導体欠落部36(酸化膜に相当する)との差を明確に
できない。そこで本実施の形態では光量Qで取り込んだ
素子信号に、例えば、図1に示した素子信号処理部4を
用いて、次の数式(1)(2)、 i)0≦(現信号値)<90のとき (新信号値)=c×(現信号値)−d ・・・(1) ただし、(新信号値)<0であれば(新信号値)=0 ii)90≦(現信号値)のとき (新信号値)=(現信号値) ・・・(2) を用いて素子信号の幅を増大させ、レベルを下げるよう
な数値処理を行なう。数式(1)におけるcおよびdは
特に規定するものではないが、少なくとも導体パターン
の凹凸を有する部位と酸化膜の信号値が10以上90以
下程度になることが好ましい。例えばc=2、d=10
0とすると図10に示すように、前記2つの信号が2倍
に増幅され、上記範囲に設定できる。ただしこの処理に
おいて他の信号値が0以下になることは好ましくないの
で、0以下であれば0とする。さらにこれに対し、再び
光量を増大させて、凹凸を有する部位34bの素子信号
が飽和直前の90になるように光量を増大させて光量P
を求め、増大分を乗じた数値処理、すなわち、次の数式
(3)(4)、 i)(現信号値)<100のとき (新信号値)=(現信号値)×(現光量)/(前光量) ・・・(3) ii)(現信号値)≧100のとき (新信号値)=(現信号値) ・・・(4) を用いた演算を行なう。すると図10に示すように、凹
凸のない部位34aと凹凸を有する部位34bの信号差
が小さくなり、酸化膜の素子信号との差を大きくできる
ため、凹凸を有する部位34bを正常と認識し、導体欠
落部36を欠陥と認識できる。図11は本実施の形態に
よる上記手順を示す欠陥検査方法の一部を示すフローチ
ャート図で、図2の検査画像データ取り込み工程5と差
信号演算工程6との間に設けられる。
【0025】また本実施の形態では、数値処理により素
子信号のレベルを下げるとともに、増幅させた後、再び
光量を増大する例を示したが、再び光量を増大させなく
てもよいように導体パターンの凹凸を有する部位の信号
が90程度になるように逆算して、cおよびdを決めて
もよい。例えば信号値が50以上100以下の場合、c
=2.036、d=91.8とすると、信号値を10以
上90以下の適切な数値幅に拡大できるとともに、凹凸
を有する部位の素子信号を飽和信号に近づけることがで
きるため、凹凸のない部位34aと凹凸を有する部位3
4bの信号差が小さくなり、酸化膜の素子信号との差を
大きくできるため、凹凸を有する部位34bを正常と認
識し、導体欠落部36を欠陥と認識できる。
【0026】また本実施の形態では、数値処理により素
子信号のレベルを下げるとともに、増幅させた例を示し
たが、電気信号の数値処理、すなわち電気的オフセット
調整、およびアンプ増幅を行なってもよい。
【0027】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように、素子
信号取り込み範囲Bの素子信号が飽和直前になるように
光量を増大させ、この光量において検査画像範囲Aの光
学像を取り込むことにより、正常な導体パターンの凹凸
のない部位34aと凹凸を有する部位34bの素子信号
差を小さくするとともに、欠陥となる導体欠落部36を
検出するための酸化膜38との素子信号差を大きくする
ことができ、導体パターンが凹凸を有し光反射率が低下
している場合でも、正確な欠陥判定ができる。
【0028】また素子信号取り込み範囲Bの素子信号が
飽和直前になるように光量を増大させ、この光量におい
て検査画像範囲Aから取り込んだ素子信号を、数値処理
により拡大させ、さらに素子信号取り込み範囲Bの素子
信号が飽和直前になるように増大させた光量増大分を乗
じた数値処理を行なうことにより、正常な導体パターン
の凹凸のない部位34aと凹凸を有する部位34bの素
子信号差を小さくするとともに、欠陥となる導体欠落部
36を検出するための酸化膜38との素子信号差を大き
くすることができ、導体パターンの凹凸を有した部位と
酸化膜の光反射率差が小さい場合でも、正確な欠陥判定
ができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の欠陥検査装置の概略を示す構成図
である。
【図2】 この発明の実施の形態1の欠陥検査方法の手
順を示すフローチャート図である。
【図3】 この発明の光量制御のための素子信号を取り
込む範囲を示す平面図である。
【図4】 この発明の撮像素子の信号と光反射率の関係
を示す特性図である。
【図5】 この発明の撮像素子の信号と光量の関係を示
す特性図である。
【図6】 この発明の実施の形態1の比較画像と検査画
像を示す平面図である。
【図7】 この発明の他の実施の形態の光量制御のため
の素子信号を取り込む範囲を示す平面図である。
【図8】 この発明の他の実施の形態の光量制御のため
の素子信号を取り込む範囲を示す平面図である。
【図9】 この発明の実施の形態2の撮像素子の信号と
光量の関係を示す特性図である。
【図10】 この発明の実施の形態2の撮像素子の信号
と光量の関係を示す特性図である。
【図11】 この発明の実施の形態2の欠陥検査方法の
手順の一部を示すフローチャート図である。
【図12】 従来の欠陥検査装置の概略を示す構成図で
ある。
【図13】 従来の検査される欠陥の例を示した平面図
である。
【図14】 従来の欠陥検査装置による比較画像と検査
画像を示す平面図である。
【符号の説明】
1 光量制御部、2 素子信号取り込み部、3 素子信
号判定部、4 素子信号処理部、5 検査画像データ取
り込み工程、6 差信号演算工程、12 導体パターン
が形成されたセル、21 ウエハ、22 ステージ、2
3 光源、24a 検査光、24b 反射光、25 絞
り、26 ハーフミラー、27 対物レンズ、28 ミ
ラー、29 カメラ、30 撮像素子、31 画像処理
コンピュータ、32 画像メモリ、33 画像モニタ、
34 正常な導体パターン、34a 凹凸のない部位、
34b 凹凸を有する部位、35 導体短絡部、36
導体欠落部、37 導体異物付着部、38 酸化膜、4
0 欠陥アドレス格納部、41 判定結果出力部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡 一宏 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 石井 宏之 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 藤吉 克洋 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 2G051 AA51 AB01 AB07 BC01 CA03 CA04 DA05 EA08 EA11 EA14 EB01 4M106 AA01 BA20 CA39 DB04 DJ11 DJ14 DJ21 5B057 AA03 BA15 DA03 DB02 DC32

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検査体に照射する検査光の光量に初期値
    を与え検査画像を取り込む第1の工程と、取り込んだ画
    像の中から凹凸を有する正常なパターン部位を選択し撮
    像素子を用いて光学像を素子信号として取り込む第2の
    工程と、該素子信号が飽和あるいは飽和直前となるよう
    に光学像の光量を制御する第3の工程と、該光量を用い
    て検査対象となる部位と該検査部位に対応する比較部位
    の素子信号を取り込む第4の工程と、該検査対象となる
    部位から取り込んだ素子信号と比較する部位から取り込
    んだ素子信号との差信号を用いて欠陥を判定する第5の
    工程とを備えたことを特徴とする欠陥検査方法。
  2. 【請求項2】 光量を増大させることによりレベルが上
    がった素子信号のレベルを下げ、かつ増幅させる数値処
    理を施す工程を第4の工程と第5の工程の間に設けたこ
    とを特徴とする請求項1記載の欠陥検査方法。
  3. 【請求項3】 検査体を照明する光源と、照明された検
    査光量を調整する絞りと、検査体からの検査光を導入し
    該光学像を電荷像に変換し電気信号として取り出す撮像
    素子と、該電気信号を画像の素子信号として処理する画
    像処理コンピュータと、検査画像と比較するための比較
    画像を取り込む画像メモリと、凹凸を有する正常なパタ
    ーン部位を選択し素子信号として取り込む素子信号取り
    込み部と、該素子信号が飽和あるいは飽和直前になった
    か否かを判定する素子信号判定部と、前記素子信号判定
    部の判定に従って光量を増大させる命令を前記検査光量
    を調整する絞りに与える光量制御部とを備えたことを特
    徴とする欠陥検査装置。
  4. 【請求項4】 光量を増大させることによりレベルが上
    がった素子信号のレベルを下げ、かつ増幅させる数値処
    理を施す素子信号処理部を備えたことを特徴とする請求
    項3記載の欠陥検査装置。
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