JP2001021298A - 発破による低振動破砕工法 - Google Patents

発破による低振動破砕工法

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JP2001021298A
JP2001021298A JP11190489A JP19048999A JP2001021298A JP 2001021298 A JP2001021298 A JP 2001021298A JP 11190489 A JP11190489 A JP 11190489A JP 19048999 A JP19048999 A JP 19048999A JP 2001021298 A JP2001021298 A JP 2001021298A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】実際の施工現場で発生する振動波を使用してシ
ミュレーションを実施することによって、より効果的な
起爆秒時間隔を決定する手法の提供。 【解決手段】切羽の破砕対象面1に複数の装薬孔31,32
,・・・,41,42 ,・・・を設け、破砕対象面1には
各装薬孔の側部にスロット2を形成し、最もスロット2
に近い列の装薬孔とスロットの間隔bは一定の距離とす
るとともに、各装薬孔間の距離dも一定の距離とするこ
とによって、各装薬孔の設置条件を近似させておき、予
め装薬孔に装填された爆薬を試験的に起爆させ、発生し
た振動波を記録して、その振動波に基づいたシミュレー
ション処理によって、振動波の振動エネルギーが最小と
なる起爆秒時間隔を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トンネル掘削工事
等の土木工事における多段発破の技術に関するものであ
る。特には、多段発破による振動を抑制する工法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、掘削するための岩盤等の対象
面に複数の発破孔を設け、これらの発破孔に装填したダ
イナマイトを短時間の間に連続して爆発させる多段発破
による破砕工法があった。このような多段発破による破
砕工法によれば、一つの穴当たりの爆薬量が少なくても
良いので、発生する振動が少なくなるという効果が得ら
れた。従って、施工現場の近くに構造物や市街地等があ
る場合に、それらへの振動の影響を低減する工法として
採用されていた。さらには、各爆薬を起爆させる秒時間
隔を適切に制御することによって、位相の異なる複数の
振動波を発生させ、それらの振動波のピークどうしが打
ち消し合うように設定することが可能である。そのため
には、適切な起爆秒時間隔の設定が必要となる。
【0003】そこで、適切な起爆秒時間隔を決定する技
術として特公平7−122559号公報に記載された発
破工法がある。この公報に記載された技術は、あらかじ
め卓越振動周波数を測定し、該卓越振動周波数に基づき
振動波が干渉するような一定の起爆秒時間隔を決定し、
電気的遅延電気雷管によって前記起爆秒時間隔の周期で
複数孔を順次起爆することを特徴とする発破工法であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記公報に記
載された発破工法においては、発破振動を正弦波と仮定
して行った解析結果に基づいて起爆秒時間隔を決定する
ので、施工現場で発生する複雑な振動波を十分に減衰さ
せることは困難であった。
【0005】そこで、本発明は、実際の施工現場で発生
する振動波を使用したシミュレーションを実施すること
によって、より効果的な起爆秒時間隔を決定する手法を
提供することを目的としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる請求項1
の発破による低振動破砕工法においては、トンネル掘削
工事における切羽の破砕対象面に複数の装薬孔を設け、
各装薬孔に装填した爆薬を一定の起爆秒時間隔で爆発さ
せることによって振動を抑制するように構成された低振
動破砕工法において、前記破砕対象面には前記各装薬孔
の側部にスロットを形成し、最もスロットに近い列の装
薬孔とスロットの間隔は一定の距離とするとともに、各
装薬孔間の距離も一定の距離とすることによって、各装
薬孔の設置条件を近似させておき、予め装薬孔に装填さ
れた爆薬を試験的に起爆させ、発生した振動波の振動エ
ネルギーを測定することによって、当該破砕対象面にお
ける発破による振動波の発生を管理することを特徴とし
ている。なお、前記スロットとは切羽に設けられた溝状
のスロットを指している。請求項2においては、トンネ
ル掘削工事における切羽の破砕対象面に複数の装薬孔を
設け、各装薬孔に装填した爆薬を一定の起爆秒時間隔で
爆発させることによって振動を抑制するように構成され
た低振動破砕工法において、前記破砕対象面には前記各
装薬孔の側部にスロットを形成するとともに、予め装薬
孔に装填された爆薬を試験的に起爆させ、発生した振動
波を計測記録し、記録した振動波データから、種々の遅
延秒時間隔で遅延させたシミュレーション用振動波デー
タ群を生成し、前記振動波データと各遅延秒時間隔のシ
ミュレーション用振動波データ群とを組みあわせてそれ
らの振動波データの重ね合わせ処理を行い、重ね合わせ
処理後の振動波データの振動エネルギーが最小となる組
合せを抽出し、係る組合せとなる遅延秒時間隔を前記起
爆秒時間隔とすることを特徴とする。振動波形データの
振動エネルギーを求めるためには、各瞬時値の絶対値を
積分して得ても、平方して積分して得ても、他の手段で
求めてもよい。
【0007】以上の発破による低振動破砕工法におい
て、発生した振動波を計測する位置は、実際に振動の影
響を抑制したい位置とすることが効果的である。また、
上記シミュレーションによって得られた最適な起爆秒時
間隔は、切羽が進んで次の破砕対象面における発破にも
継続して利用できる。なお、試験的に起爆させる爆薬と
しては、破砕対象面の隅に位置して、当該装薬孔の四方
のうち一方のみがスロットに面して自由面となっている
装薬孔に装填された爆薬を選択するとよい。そして、シ
ミュレーションによって起爆秒時間隔を決定した後で、
各装薬孔に装填された爆薬は、スロットに沿って隣接す
る装薬孔の順に従って起爆させる。このようにして、外
側の各装薬孔の回りを破砕した後には、順次内側の並び
の装薬孔を、スロットに面して隣接する順に起爆させ
る。このようにして、順次外側から内側へと起爆させて
スロットに囲まれた破砕対象面を破砕するのである。ま
た、試験的に起爆させる爆薬としては、破砕対象面の隅
に位置して、当該装薬孔の四方のうち二方がスロットと
既に破砕された部分とによって自由面となっている装薬
孔に装填された爆薬を選択してもよい。そして、シミュ
レーションによって起爆秒時間隔を決定した後で、各装
薬孔に装填された爆薬は、隣接する装薬孔の順に従って
起爆させる。このように順次起爆することによって、各
装薬孔は二方が自由面となった状態で起爆させることと
なり、試験的に起爆させた装薬孔と類似した条件である
ので、シミュレーションが効果的に生かせるようにな
る。請求項3の発破による低振動破砕工法は、装薬孔の
周囲四方のうちの一方のみがスロットに面して自由面と
なっている装薬孔に装填された爆薬を第一回目の試験起
爆として試験的に起爆させて、発生した一回目の振動波
を計測記録した後に、前記装薬孔に隣接し、スロットに
面した自由面と、第一回の試験起爆によって破砕されて
形成された自由面とによって、二方が自由面となった装
薬孔に装填された爆薬を第二回目の試験起爆として試験
的に起爆させて、発生した二回目の振動波を計測記録
し、記録した二回目の振動波データから、種々の遅延秒
時間隔で遅延させたシミュレーション用振動波データ群
を生成し、前記一回目の振動波データと各遅延秒時間隔
のシミュレーション用振動波データ群とを組みあわせて
それらの振動波データの重ね合わせ処理を行い、重ね合
わせ処理後の振動波データの振動エネルギーが最小とな
る組合せを抽出し、係る組合せとなる遅延秒時間隔を前
記起爆秒時間隔とすることを特徴としている。
【0008】なお、試験的な起爆を一回だけでなく、異
なる条件の別の装薬孔でも行い、実際の多段発破におい
ては、それらのシミュレーションによって得られた条件
別の遅延秒時間隔を採用してもよい。また、試験的に起
爆させる爆薬としては、当該装薬孔の四方のうち一方の
みがスロットによって自由面となっている装薬孔に装填
された爆薬を選択した場合には、シミュレーションによ
って起爆秒時間隔を決定した後で、各装薬孔に装填され
た爆薬は、隣接しない装薬孔の順に従って起爆させても
よい。このように隣接しない順番で起爆することによっ
て、各装薬孔は一方のみが自由面となった状態で起爆さ
せることとなり、試験的に起爆させた装薬孔と類似した
条件であるので、シミュレーションが効果的に生かせる
ようになる。請求項4の発破による低振動破砕工法は、
重ね合わせ処理に用いる振動波データの数は二個以上と
して振動波データの重ね合わせ処理を行い、重ね合わせ
処理後の振動波データの振動エネルギーが最小となる組
合せを抽出し、係る組合せとなる重ね合わせに用いられ
た振動波データの数と遅延秒時間隔とを決定し、決定さ
れた遅延秒時間隔を前記起爆秒時間隔とするとともに、
決定された数に相当する個数ごとにまとめて前記起爆秒
時間隔で多段発破することを特徴としている。このよう
にして、全ての装薬孔の爆薬を一挙に連続して多段発破
することにのみ限定することなく、振動波のエネルギー
がより小さくなるのであれば、装薬孔を任意の数ごとに
まとめて多段発破することによって、複数回の多段発破
の組合せによって全ての装薬孔の爆薬を起爆させるよう
にしてもよいのである。請求項5では、最も外側の列の
装薬孔とスロットの間隔は一定の距離とするとともに、
各装薬孔の深さは前記一定の距離より大なるように設定
した。 〔発明の詳細な説明〕
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明にかかる発破によ
る低振動破砕工法を、その実施の形態を示した図面に基
づいて詳細に説明する。図1はトンネルの切羽の正面
図、図2は前記切羽の断面斜視図、図3は前記切羽の側
面断面図、図4は前記切羽の平面断面図である。図1、
2、3、4において、1は切羽の破砕対象面であり、2
は前記破砕対象面1の縁に沿って設けられたスロットで
ある。31,32,33,・・・は前記破砕対象面1において
前記スロット2に囲まれた領域の最も外側に所定間隔で
設けられた第1群の装薬孔である。41,42,43,・・・
は前記破砕対象面1において前記装薬孔31,32,33, ・・
・の内側に所定間隔で設けられた第2群の装薬孔であ
る。このようにして、順次内側に第3群、第4群・・・
の装薬孔を設ける。なお、前記装薬孔の深さをa、装薬
孔とスロットとの間隔をb、前記スロットの深さをc、
装薬孔どうしの間隔をdとしたとき、a>bとする。但
し、a、b、c、dはそれぞれ一定の大きさとする。例
えば、a=1.5 メートル、b=0.7メートル、c=1.7
メートル、d=0.7 メートルとする。
【0010】次に、コンピュータシミュレーションのた
めの振動波のデータを採るために試験発破を行う。ここ
で、試験発破を行う装薬孔としては、切羽の破砕対象面
の隅に位置する装薬孔31を選択する。前記装薬孔31は四
方の内の一面のみがスロット2に面することによって自
由面となっている。振動波を検出するための振動計は、
例えば、前記切羽から例えば数十メートル離れた位置に
設置する。この設置位置は、発破による振動の影響を抑
制したい位置、即ち、実際の構造物の位置等のような特
定の位置を選択するとよい。人体は水平方向(X軸方
向、Y軸方向)の振動波成分より上下方向(Z軸方向)
の成分の方に感知しやすいので、前記振動計は、上下方
向(Z軸方向)の成分の振動波を検出するように設定さ
れている。
【0011】このように設定した状態で、前記装薬孔31
に試験用の爆薬を装填して起爆させる。図5の(A)に
おいて斜線を付した部分が破砕されることになる。この
部分はスロット側F1のみが自由面となっている。この
スロットによって爆破による振動の伝播は抑制されるの
である。この爆破により発生した振動波を前記振動計で
検出して、その波形の変移を所定時間(例えば100 m
S)記録する。この記録時間は振幅が十分に小さくなる
時間を設定する。
【0012】以上のようにして得られた図6のような振
動波データD0に基づいて、図7,8のようなシミュレ
ーション用振動波データ群D1〜DNを生成する。図7
の(A)は、振動波データD0と、遅延秒時間隔Δtを
1mSと設定して生成したシミュレーション用振動波デ
ータ群D1とを示している。図7の(B)は、振動波デ
ータD0をシミュレーション用振動波データ群D1と重
ねあわせて得られたシミュレーション合成データS1で
ある。図7の(C)は、振動波データD0と、遅延秒時
間隔Δtを2mSと設定して生成したシミュレーション
用振動波データ群D2とを示している。図7の(D)
は、振動波データD0をシミュレーション用振動波デー
タ群D2と重ねあわせて得られたシミュレーション合成
データS2である。図8の(E)は、振動波データD0
と、遅延秒時間隔Δtを3mSと設定して生成したシミ
ュレーション用振動波データ群D3とを示している。図
8の(F)は、振動波データD0をシミュレーション用
振動波データ群D3と重ねあわせて得られたシミュレー
ション合成データS3である。図8の(G)は、振動波
データD0と、遅延秒時間隔ΔtをNmSと設定して生
成したシミュレーション用振動波データ群DNとを示し
ている。図8の(H)は、振動波データD0をシミュレ
ーション用振動波データ群DNと重ねあわせて得られた
シミュレーション合成データSNである。各シミュレー
ション用振動波データ群は試験的に起爆する装薬孔を除
いた実際の装薬孔の総数に相当する数とする。
【0013】以上のようにして得られたシミュレーショ
ン合成データS1〜SNから、それぞれの振動エネルギ
ーを算出し、それらの振動エネルギーを比較して最も小
さいシミュレーション合成データを抽出し、そのときの
遅延秒時間隔Δtを得る。例えば、シミュレーション合
成データS3の振動エネルギーが最も小さい場合には、
遅延秒時間隔Δt=3mSを得る。
【0014】このようにしてコンピュータシミュレーシ
ョン処理によって得られた遅延秒時間隔Δtを、自由面
が一方のみの装薬孔の起爆に最適な起爆秒時間隔として
採用するのである。
【0015】次に、装薬孔32においても同様に試験的に
起爆させて振動波データを記録して、コンピュータシミ
ュレーション処理によって振動エネルギーが最も小さく
なる場合の遅延秒時間隔を得る。このとき、図5の
(B)において斜線を付して示したように、前記装薬孔
32は、装薬孔31の爆発によって、スロット側F2のみで
なく装薬孔31側F3も自由面となっているため、四方の
うち二方が自由面となっている。従って、装薬孔32の起
爆によって得られた遅延秒時間隔は、自由面が二方の装
薬孔の起爆に最適な起爆秒時間隔として採用するのであ
る。例えば、Δt=2mSを起爆秒時間隔として採用す
る。
【0016】以上のコンピュータシミュレーション処理
の結果に基づいて実際の発破を行う。即ち、上記例に基
づけば、装薬孔33以降の起爆秒時間隔は2mSと設定
し、第2群の始めの装薬孔41は自由面が一方のみである
ので起爆秒時間隔は3mSと設定し、それ以降の装薬孔
42、43、・・・は自由面が二方であるので起爆秒時間隔は
2mSと設定するのである。同様にして、第3群以降に
ついても、それぞれの起爆秒時間隔を設定したのちに起
爆させて、 多段発破処理を行うのである。このようにし
て行った多段発破で発生した振動波を観測したところ、
図8の(A)に示したように、波形が重ねあわせにより
抑制されており、図9の(B)に示したように、シミュ
レーション合成データS3と極めて類似した振動波とな
っていることが確認された。
【0017】このようにして起爆秒時間隔を設定して起
爆することによって、実際の多段発破によって発生した
振動波は、振動エネルギーが抑制されたものとなり、人
体に感じる振動としても少なく、また、構造物等に与え
る影響も少なくなっている。そして、前記破砕対象面1
を破砕して切羽が進んだ後には、次の破砕対象面に上記
同様のスロットと装薬孔を設けて多段発破を行う。この
ときの起爆秒時間隔にも前記破砕対象面1において得ら
れた遅延秒時間隔を採用することができる。
【0018】図7,8のシミュレーション用振動波デー
タは、一回目の試験起爆による振動波を用いて生成した
が、図10に示したように、二回目の試験起爆による振
動波を用いて生成してもよい。この場合には、実際の切
羽における多段発破における状況とより合致した状況を
シミュレーションできるので、優れたシミュレーション
効果が得られる。なお、以上の説明においては、試験起
爆を2回行って、自由面が一方の場合のデータと二方の
場合のデータを得たが、いずれかのデータに基づいて実
際の起爆秒時間隔を設定してもよい。また、自由面が一
方のみのデータを採用する場合には、実際の多段発破の
起爆順は、隣接する装薬孔を順次起爆するのではなく、
各群毎に、隣接しない装薬孔を順次起爆するように設定
することによってシミュレーションの条件に近い条件で
実際の多段発破が行える。
【0019】また、図11に示したように、シミュレー
ション処理において組みあわせる振動波の数は複数個と
して、それらの組合せの中で、重ね合わせ処理された振
動波の振動エネルギーが最小となる組合せを抽出するよ
うにしてもよい。図11において、ステップ1において
は、重ね合わせる振動波の数を所期値(2)と設定し
て、ステップ2においては、遅延秒時間隔を所期値(1
mS)に設定し、ステップ3においては、ステップ1に
おいて設定された数の振動波を用いて、ステップ2にお
いて設定された遅延秒時間隔だけずらせて重ね合わせて
シミュレーション合成データを生成して、その振動エネ
ルギーを算出する。ステップ4においては、遅延秒時間
隔を予め設定されたテーブルを参照して次の遅延秒時間
隔に設定して、ステップ3から繰り返すように制御す
る。前記テーブルに設定された全ての遅延秒時間隔を使
用した処理が終わった場合には、ステップ5に進むよう
に制御する。ステップ5においては、重ね合わせる振動
波の数を予め設定されたテーブルを参照して次の数に設
定して、ステップ2から繰り返すように制御する。前記
テーブルに設定された全ての数を使用した処理が終わっ
た場合には、ステップ6に進むように制御する。ステッ
プ6においては、以上の処理において算出された全ての
振動エネルギーを比較して、最小となる場合の遅延秒時
間隔と重ね合わせる振動波の数とを決定する。ステップ
7においては、このようにして決定された遅延秒時間隔
と重ね合わせる振動波の数とに基づいて、多段発破の起
爆条件を設定して、実際の多段発破を行うのである。図
11のシミュレーション処理に先立って、一回の試験起
爆もしくは二回の試験起爆を行い、図11のシミュレー
ション処理においては、それらの振動波データの組合
せ、もしくは何れか一方だけを用いることができる。
【0020】
【発明の効果】本発明の請求項1によれば、トンネル掘
削工事における切羽の破砕対象面に複数の装薬孔を設
け、各装薬孔に装填した爆薬を一定の起爆秒時間隔で爆
発させることによって振動を抑制するように構成された
低振動破砕工法において、前記破砕対象面には前記各装
薬孔の側部にスロットを形成し、最もスロットに近い列
の装薬孔とスロットの間隔は一定の距離とするととも
に、各装薬孔間の距離も一定の距離とすることによっ
て、各装薬孔の設置条件を近似させておき、予め装薬孔
に装填された爆薬を試験的に起爆させるので、試験発破
によって発生した振動波は、他の装薬孔の爆薬を起爆さ
せた場合に発生するであろう振動波と類似する振動波と
なることが想定される。従って、試験発破による振動波
の振動エネルギーを測定することによって、当該切羽に
おける発破作業によって発生する振動波を予測して、種
々の対策を講じて、工事の適正な管理ができる。請求項
2によれば、スロットによって振動の伝播が抑制される
とともに、実際の施工現場のトンネル掘削工事における
切羽の破砕対象面で試験的に起爆させて発生させた振動
波に基づいて、コンピュータシミュレーション処理によ
って、多段発破により発生するであろう合成振動波を、
種々の遅延秒時間隔毎に生成して、振動エネルギーが最
小となる場合の遅延秒時間隔を、実際の多段発破におけ
る起爆秒時間隔として採用するので、実際の多段発破に
おいて発生する振動をさらに抑制することができるので
ある。請求項3によれば、装薬孔の周囲四方のうちの一
方のみがスロットに面して自由面となっている装薬孔に
装填された爆薬を第一回目の試験起爆として試験的に起
爆させて、発生した一回目の振動波を計測記録した後
に、前記装薬孔に隣接し、スロットに面した自由面と、
第一回の試験起爆によって破砕されて形成された自由面
とによって、二方が自由面となった装薬孔に装填された
爆薬を第二回目の試験起爆として試験的に起爆させて、
発生した二回目の振動波を計測記録し、記録した二回目
の振動波データから、種々の遅延秒時間隔で遅延させた
シミュレーション用振動波データ群を生成し、前記一回
目の振動波データと各遅延秒時間隔のシミュレーション
用振動波データ群とを組みあわせてシミュレーション処
理を行うので、さらに実際の発破状況に適した起爆秒時
間隔を得ることが可能となる。
【0021】請求項4の発破による低振動破砕工法は、
重ね合わせ処理に用いる振動波データの数は二個以上と
して振動波データの重ね合わせ処理を行い、重ね合わせ
処理後の振動波データの振動エネルギーが最小となる組
合せを抽出するので、全ての装薬孔の爆薬を一挙に連続
して多段発破することにのみ限定することなく、振動波
の振動エネルギーがより小さく組合せを採用することが
可能になる。そして、請求項5のように、最も外側の列
の装薬孔とスロットの間隔は一定の距離とするととも
に、各装薬孔の深さは前記一定の距離より大なる設定と
することにより、さらに再現性の優れたシミュレーショ
ンが可能になるとともに、スロットによる振動の伝播の
抑制効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる発破による低振動破砕工法の実
施の形態におけるトンネル掘削工事における切羽の正面
図である。
【図2】前記切羽の縦断断面斜視図である。
【図3】前記切羽の側面断面図である。
【図4】前記切羽の平面断面図である。
【図5】前記切羽の一部を拡大した正面図である。
【図6】試験的に発生させた振動波の波形図である。
【図7】シミュレーション合成データの波形図である。
【図8】シミュレーション合成データの波形図である。
【図9】実際の振動波の波形とシミュレーション合成デ
ータとを対比させた図である。
【図10】別例のシミュレーション合成データの波形図
である。
【図11】別例のシミュレーション処理の手順を示した
フローチャートである。
【符号の説明】
1 切羽の破砕対象面 2 スロット 31,32,33,・・・装薬孔 41,42,43,・・・装薬孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野田 英宏 宮崎県延岡市長浜町4丁目5003−1 旭化 成工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トンネル掘削工事における切羽の破砕対象
    面に複数の装薬孔を設け、各装薬孔に装填した爆薬を一
    定の起爆秒時間隔で爆発させることによって振動を抑制
    するように構成された低振動破砕工法において、前記破
    砕対象面には前記各装薬孔の側部にスロットを形成し、
    最もスロットに近い列の装薬孔とスロットの間隔は一定
    の距離とするとともに、各装薬孔間の距離も一定の距離
    とすることによって、各装薬孔の設置条件を近似させて
    おき、予め装薬孔に装填された爆薬を試験的に起爆さ
    せ、発生した振動波の振動エネルギーを測定することに
    よって、当該破砕対象面における発破による振動波の発
    生を管理することを特徴とする発破による低振動破砕工
    法。
  2. 【請求項2】トンネル掘削工事における切羽の破砕対象
    面に複数の装薬孔を設け、各装薬孔に装填した爆薬を一
    定の起爆秒時間隔で爆発させることによって振動を抑制
    するように構成された低振動破砕工法において、前記破
    砕対象面には前記各装薬孔の側部にスロットを形成する
    とともに、予め装薬孔に装填された爆薬を試験的に起爆
    させ、発生した振動波を計測記録し、記録した振動波デ
    ータから、種々の遅延秒時間隔で遅延させたシミュレー
    ション用振動波データ群を生成し、前記振動波データと
    各遅延秒時間隔のシミュレーション用振動波データ群と
    を組みあわせてそれらの振動波データの重ね合わせ処理
    を行い、重ね合わせ処理後の振動波データの振動エネル
    ギーが最小となる組合せを抽出し、係る組合せとなる遅
    延秒時間隔を前記起爆秒時間隔とすることを特徴とする
    発破による低振動破砕工法。
  3. 【請求項3】装薬孔の周囲四方のうちの一方のみがスロ
    ットに面して自由面となっている装薬孔に装填された爆
    薬を第一回目の試験起爆として試験的に起爆させて、発
    生した一回目の振動波を計測記録した後に、前記装薬孔
    に隣接し、スロットに面した自由面と、第一回の試験起
    爆によって破砕されて形成された自由面とによって、二
    方が自由面となった装薬孔に装填された爆薬を第二回目
    の試験起爆として試験的に起爆させて、発生した二回目
    の振動波を計測記録し、記録した二回目の振動波データ
    から、種々の遅延秒時間隔で遅延させたシミュレーショ
    ン用振動波データ群を生成し、前記一回目の振動波デー
    タと各遅延秒時間隔のシミュレーション用振動波データ
    群とを組みあわせてそれらの振動波データの重ね合わせ
    処理を行い、重ね合わせ処理後の振動波データの振動エ
    ネルギーが最小となる組合せを抽出し、係る組合せとな
    る遅延秒時間隔を前記起爆秒時間隔とすることを特徴と
    する発破による低振動破砕工法。
  4. 【請求項4】重ね合わせ処理に用いる振動波データの数
    は二個以上として振動波データの重ね合わせ処理を行
    い、重ね合わせ処理後の振動波データの振動エネルギー
    が最小となる組合せを抽出し、係る組合せとなる重ね合
    わせに用いられた振動波データの数と遅延秒時間隔とを
    決定し、決定された遅延秒時間隔を前記起爆秒時間隔と
    するとともに、決定された数に相当する個数ごとにまと
    めて前記起爆秒時間隔で多段発破することを特徴とする
    請求項2または3に記載の発破による低振動破砕工法。
  5. 【請求項5】最も外側の列の装薬孔とスロットの間隔は
    一定の距離とするとともに、各装薬孔の深さは前記一定
    の距離より大なることを特徴とする請求項2、3、4の
    何れか1項に記載の発破による低振動破砕工法。
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