JP2001021272A - 冷却水の循環システム - Google Patents

冷却水の循環システム

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JP2001021272A JP11191329A JP19132999A JP2001021272A JP 2001021272 A JP2001021272 A JP 2001021272A JP 11191329 A JP11191329 A JP 11191329A JP 19132999 A JP19132999 A JP 19132999A JP 2001021272 A JP2001021272 A JP 2001021272A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 循環水の排出温度の上昇および海洋または河
川への放出総排熱量を極力低く抑え、かつ循環水が海水
または海水に近い水である場合にも塩害を最小限に抑え
ることにある。 【解決手段】 発電設備の内部に設けた蒸気タービン8
からの排出蒸気を凝縮させる復水器3と、これと第一の
循環水路4により結ばれ復水器3に冷却水を流入させる
取水口1と、これと復水器3との間に設けられ冷却水を
復水器3に供給させる循環水ポンプ2と、復水器3から
第二の循環水路5を経て通過した冷却水を発電設備外部
へ流出させる放水口6と、放水口6の隣接部12または
取水口1の隣接部11の自由水面から浸水するように設
けられ外部からの圧送手段14により供給された大気を
冷却水の中に気泡として発生させる冷却手段13とを備
えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、火力発電所、原子
力発電所、コンバインドサイクル発電所等の蒸気タービ
ンの復水器を有する発電プラントにおいて、循環水ポン
プによって昇圧された冷却水を復水器に供給し、復水器
にて蒸気タービンからの排気蒸気を凝縮することによっ
て熱交換されて温度上昇する復水器冷却用の冷却水の循
環システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】発電プラントにおける復水器冷却用の冷
却水の循環システムの一例を図6に示す。冷却に用いら
れる循環水として海水または河川水を用いる場合、図6
のように構成された循環システムを、循環水(冷却水)
は海または河川に設けられた取水口1から循環水ポンプ
2にて昇圧され復水器3の入口側の第一の循環水路4を
通り、復水器3に入る。その後、復水器3を出て、復水
器出口側の第二の循環水路5を通り、放水口6から再び
海または河川に放水される。復水器3の内部には多数の
復水器チューブ7が内蔵されており、循環水はこの復水
器チューブ7の内部を通過することにより、復水器3の
近傍に設けられた蒸気タービン8からの排気蒸気と熱交
換を行い、蒸気タービン8からの排気蒸気を凝縮させ
る。これにより復水器3を通過した後の循環水の温度
は、復水器3の入口側、すなわち、もともとの海水また
は河川水の温度に比べ、通常、数度Cから十数度C、温
度上昇することになる。この温度上昇した循環水は放水
口6から外部の海または河川に排出される。
【0003】ここでの現象を蒸気タービンサイクル側の
蒸気・給水の状態変化において、熱力学的にみると、図
7に示すエントロピー・温度線図上に示すようなサイク
ル変化となる。ここで、四角形の面積SA-A-F-SFと復水
器3を通る循環水の重量流量の積が海水または河川に排
出される総熱量に等しい。ある蒸気タービンサイクルが
事前に決めた出力を行うとき、一般に復水器3の入口側
の冷却水の温度が決まると、復水器3の出口側での循環
水の温度上昇は復水器3を通過する循環水の重量流量の
値に反比例する事がわかる。換言すれば、いかなる場合
でも循環水の温度上昇と循環水の重量流量の積は一定で
ある。
【0004】一方、海洋または河川の環境保全の方策と
しては、まず循環水の温度上昇値をなるべく低減する方
法、すなわち海水または河川水に生息する生物に対する
サーマルショックを緩和する方策がとられている。この
ためには上記の説明のように、復水器3を通過する循環
水の重量流量の値を増加させ、循環水の温度上昇値を低
減することが通常行われる。これは復水器3を大きく設
計する事および循環水ポンプ2を大きく設計することで
実現される。
【0005】また、さらなる環境保全の方策として、海
洋または河川に排出される総熱量を低減することが要求
されるが、蒸気タービンサイクルの発電出力を事前に決
めた値に保持する条件のもとでは、総熱量の全てを海洋
または河川に排出していたのではこの要求は決して満た
されない。そこで近年図8に示すように、冷却水の循環
系統において、復水器3の後の循環水系統にクーリング
タワー9を設置して、これにより復水器3から排出され
る総熱量の一部を大気に排出する方法が採られることが
ある。このクーリングタワー9を一般にヘルパークーリ
ングタワーと称している。復水器3を出た循環水は、循
環水ブースタポンプ10により再度昇圧され、クーリン
グタワー9に通水される。循環水はクーリングタワー9
で保有する熱量の一部を大気中に排出した後、海洋また
は河川に放出されることになる。この方法により海洋ま
たは河川に排出される総熱量を低減することが可能であ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】海洋および河川の環境
保全のうち、これまでに説明したようにサーマルショッ
ク防止の方策として放水口6から排出する循環水の温度
上昇を低く抑えるためには復水器3および循環水ポンプ
2を大きく設計しなければならない。これは発電プラン
トの建設費を増加させるばかりでなく、ポンプの運転に
要する所内電力を費やすため、発電設備全体の効率を低
下させている。
【0007】また、海洋または河川に排出する総熱量を
低減しようとすれば、クーリングタワー9および循環水
ブースターポンプ10等の設置が必要になり、これらの
機器は非常に大きな設備であることから、これらの設置
のため発電プラントの建設費を大きく増加させるばかり
でなく、発電設備全体の効率をさらに低下させている。
【0008】さらに、循環水が海水またはそれに近い性
状の塩水である場合、クーリングタワー9から周囲に飛
散する循環水により、周囲の設備および環境に塩害を及
ぼす。加えてクーリングタワー9の内部に循環水によっ
て運ばれた貝類、バクテリア等の発生、付着による性能
劣化が生じやすく、また性能劣化を回復するためにはク
ーリングタワー9の内部の大がかりな洗浄が必要とな
る。
【0009】本発明の目的は、循環水の排出温度の上昇
および海洋または河川への放出総排熱量を極力低く抑
え、かつ循環水が海水または海水に近い水である場合に
もその塩害を最小限に防止する冷却水の循環システムを
得ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
冷却水の循環システムは、発電設備に設けられこの発電
設備の内部に設けられた蒸気タービンから排出される蒸
気を凝縮させる復水器と、この復水器と第一の循環水路
により結ばれ復水器に発電設備外部からの冷却水を流入
させるための取水口と、この取水口と復水器との間に設
けられ冷却水を復水器に供給させる循環水ポンプと、復
水器から第二の循環水路を経て通過した冷却水を発電設
備外部へ流出させるための放水口と、この放水口の隣接
部または取水口の隣接部の自由水面から浸水するように
設けられ外部からの圧送手段により供給された大気を冷
却水の中に気泡として発生させる冷却手段とを備えたこ
とを特徴とする。
【0011】本発明の請求項2に係る冷却水の循環シス
テムは、発電設備に設けられこの発電設備の内部に設け
られた蒸気タービンから排出される蒸気を凝縮させる復
水器と、この復水器と第一の循環水路により結ばれ復水
器に発電設備外部からの冷却水を流入させるための取水
口と、この取水口と復水器との間に設けられ冷却水を復
水器に供給させる循環水ポンプと、復水器から第二の循
環水路を経て通過した冷却水を発電設備外部へ流出させ
るための放水口と、この放水口と復水器との間に設けら
れ第二の循環水路を通過する冷却水を分岐するための分
岐手段と、この分岐手段から第三の循環水路を経て冷却
水を導くためのピットと、このピットの自由水面から浸
水するように設けられ外部からの圧送手段により供給さ
れた大気を冷却水の中に気泡として発生させる冷却手段
とを備えたことを特徴とする。
【0012】本発明の請求項3に係る冷却水の循環シス
テムは、請求項1または請求項2において、取水口に流
入した冷却水の温度を検出するための取水口温度計と、
放水口から流出する冷却水の温度を検出するための放水
口温度計と、これら各温度計により得られた温度の値の
偏差と予め定められた偏差の上限値とから冷却すべき温
度を演算し、この冷却すべき温度を受けて、予め定まる
冷却手段から発生させる気泡の量とこの冷却手段により
循環水が冷却される温度との関係に基いて、必要により
設けられた調整弁に冷却手段に圧送する大気の流量を調
整する制御指令を出力する演算手段と、を備えたことを
特徴とする。
【0013】本発明の請求項4に係る冷却水の循環シス
テムは、請求項1ないし請求項3において、冷却手段と
して、取水口の隣接部、放水口の隣接部またはピットの
うちの少なくともいずれかを流れる冷却水の自由水面に
浸水するように設けられた配管ヘッダと、この配管ヘッ
ダに大気を供給する圧送手段と、自由水面に浸水するよ
うに設けられ圧送手段により供給された大気を配管ヘッ
ダを介して冷却水の中に気泡として発生させる多孔配管
とを備えたことを特徴とする。
【0014】本発明の請求項5に係る冷却水の循環シス
テムは、請求項1ないし請求項3において、冷却手段と
して、取水口の隣接部、放水口の隣接部またはピットの
うちの少なくともいずれかの流路に設けられここを流れ
る冷却水の中に気泡を発生させるための複数の孔部を有
する面部と、この面部を流路に対して外側から包囲する
空気室と、この空気室に大気を供給する圧送手段とを備
えたことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第一の実施の形態
(請求項1対応)を図を参照して説明する。図1、図2
は、本発明の一実施の形態に係る冷却水の循環システム
の概念図を示すものであり、課題を解決するための手段
の項で述べた各機器、構築物等により構成される。特
に、ここでの発明に係る冷却水の循環システムでは、取
水口1側の隣接部11または放水口6側の隣接部12の
開水路に流れる循環水の自由水面から浸水するように、
すなわち、開水路である隣接部において循環水の自由水
面よりも低い箇所に、循環水の中に大気を気泡として発
生させる冷却手段13を設ける。この冷却手段13に
は、外部から大気を強制的に導くための圧送手段14が
接続されており、必要に応じて冷却手段13と圧送手段
14との間に冷却手段13へ導く大気の流量を調整する
ための調整弁15が設けられる。
【0016】なお、図1は、冷却手段13を放水口6の
隣接部12に設けたことを示すものであり、他方、図2
は冷却手段13を取水口1の隣接部11に設けたことを
示している。
【0017】次に、以上のように構成された本発明の第
一の実施の形態の作用について述べる。発電設備の冷却
水としての循環水は、海または河川に設けられた取水口
1から自由水面を有する隣接部11を経て循環水ポンプ
2にて昇圧され、復水器3の入口側の第一の循環水路4
を通り、復水器3に流入する。復水器3の内部には多数
の復水器チューブ7が内蔵されており、循環水はこの復
水器チューブ7の内部を通過することにより、復水器3
の近傍に設けられた蒸気タービン8からの排気蒸気と熱
交換を行い、蒸気タービン8からの排気蒸気を凝縮させ
る。復水器4を出た循環水は、復水器出口側の第二の循
環水路5を通り、放水口6の隣接部12を経て放出口6
まで導かれ、発電設備の外に放出される。
【0018】本発明の実施の形態に係る冷却水の循環シ
ステムでは特に、冷却手段13を放水口6の隣接部1
2に設け、あるいは、冷却手段13を取水口1の隣接
部11に設けている。このため、にあっては、復水器
3の内部の復水器チューブ7を通過し、蒸気タービン8
からの排気蒸気と熱交換をすることにより温められた循
環水が放水口6から発電設備の外部へ排出される際に、
自由水面を有する放水口6の隣接部12に導かれること
になる。この隣接部12には、昇温された循環水に大気
を気泡として発生させる冷却手段13が設けられてい
る。これにより昇温された循環水は、冷却手段13から
発生した気泡に蒸発することになる。このとき、循環水
は気相部である気泡により蒸発熱が奪われ飽和し、この
奪われる蒸発熱に応じて循環水の温度が低下する。そし
て、奪われた蒸発熱は気泡とともに隣接部12の循環水
から浮上し、自由表面から大気に放出される。以上の過
程から、昇温された循環水が隣接部12を通過する際
は、冷却手段13から発生される気泡の作用により冷却
され、この冷却された循環水が放水口6に至り、発電設
備の外に放出される。
【0019】一方、にあっては、取水口1から導かれ
た循環水は、取水口1の自由水面を有する隣接部11に
設けられ大気を気泡として発生させる冷却手段13によ
ってで述べた気泡の作用で冷却された後、循環水ポン
プ2により昇圧され、第一の循環水路4を経て復水器3
内部の復水器チューブ7に導かれる。こうして、冷却手
段13から発生された気泡の作用によって冷却された循
環水が復水器3に導かれた場合、復水器チューブ7の内
部を流れる冷却された循環水と復水器チューブ7の雰囲
気である蒸気タービン8から排出された排気蒸気との温
度勾配が大きくとれるので復水器3の真空度が増し、発
電設備の出力の上昇が図れる。また、冷却手段13から
発生した気泡の作用によって予め冷却された循環水が復
水器3の復水器チューブ7に供給されるので、冷却手段
13を設けなかった場合に比べて、放水口6から発電設
備の外に放出される循環水の温度を低減することができ
る。
【0020】以下、本発明の第二の実施の形態(請求項
2対応)を図を参照して説明する。図3は、本発明の一
実施の形態に係る冷却水の循環システムの概念図を示す
ものであり、課題を解決するための手段の項で述べた各
機器、構築物等により構成される。特に、ここでの発明
に係る冷却水の循環システムでは、先の実施の形態のよ
うに開水路である図1中の隣接部12を設ける十分な領
域を確保することが困難な発電設備を想定しており、復
水器3と放水口6とを結ぶ第二の循環水路5の中途部に
おいて復水器3からの循環水を分岐させるための分岐手
段16と、この分岐手段16から分岐された復水器3か
らの循環水を第三の循環水路17を経て流入させるピッ
ト18と、このピット18に流入した循環水の自由水面
から浸水するように、すなわち、ピット18において循
環水の自由水面よりも低い箇所に、循環水の中に大気を
気泡として発生させる冷却手段13を設ける。この冷却
手段13には、外部から大気を強制的に導くための圧送
手段14が接続されており、必要に応じて冷却手段13
と圧送手段14との間に冷却手段13へ導く大気の流量
を調整するための調整弁15が設けられる。図3におい
ては、ピット18から流出する循環水は、必要に応じて
設けられる第四の循環水路19を経て、分岐手段16よ
りも下流側の第二の循環水路と合流し、放水口6に至
り、ここから発電設備の外に放出される。(図3に示す
ケースの他に、循環水を第四の循環水路19を第二の循
環水路に合流させずに、ピット18から直接放水口6に
導くことも考えられる。) なお、先の実施の形態と同様、冷却手段13には、外部
から大気を強制的に導くための圧送手段14が接続され
ており、必要に応じて冷却手段13と圧送手段14との
間に冷却手段13へ導く大気の流量を調整するための調
整弁15が設けられる。
【0021】次に、以上のように構成された本発明の第
二の実施の形態の作用について述べる。発電設備の冷却
水としての循環水は、海または河川に設けられた取水口
1から自由水面を有する隣接部11を経て循環水ポンプ
2にて昇圧され、復水器3の入口側の第一の循環水路4
を通り、復水器3に流入する。復水器3の内部には多数
の復水器チューブ7が内蔵されており、循環水はこの復
水器チューブ7の内部を通過することにより、復水器3
の近傍に設けられた蒸気タービン8からの排気蒸気と熱
交換を行い、蒸気タービン8からの排気蒸気を凝縮させ
る。復水器4を出た循環水は、復水器3出口側の第二の
循環水路5を通り、放水口6の隣接部12を経て放出口
6まで導かれ、発電設備の外に放出される。
【0022】本発明の実施の形態に係る冷却水の循環シ
ステムにより構成したピット18を設けることにより、
先の実施の形態で得られる冷却手段13の気泡の作用
を、特に、ピット18において利用している。このピッ
ト18の循環水に浸水するように設けた冷却手段13、
第三の循環水路17および分岐手段16を設けることに
より、先の実施の形態のように図1中の開水路である隣
接部12を設ける十分な領域を確保することが困難な発
電設備であっても、ピット18における冷却手段13か
ら発生される気泡の作用を得ることが可能となり、放水
口6等から発電設備の外に放出される循環水の温度を低
減することができる。
【0023】以下、本発明の第三の実施の形態(請求項
3対応)を図を参照して説明する。図4は、本発明の一
実施の形態に係る冷却水の循環システムの概念図を示す
ものであり、課題を解決するための手段の項で述べた各
機器、構築物等により構成される。特に、ここでの発明
に係る冷却水の循環システムは、冷却手段13から循環
水の中に気泡を発生させる量を、すなわち、復水器3に
よって昇温された循環水を、これまでに述べた気泡の作
用により冷却して発電設備の外に放出する際に要する冷
却の程度を調整する機器を備えている。
【0024】次に、以上のように構成された本発明の第
三の実施の形態の作用について述べる。発電設備の冷却
水としての循環水は、海または河川に設けられた取水口
1から自由水面を有する隣接部11を経て循環水ポンプ
2にて昇圧され、復水器3の入口側の第一の循環水路4
を通り、復水器3に流入することになるが、取水口1か
ら循環水が流入する際に取水口温度計20によって取水
口1から発電設備内に取入れられる循環水の温度を検出
できる。ここで温度を検出された循環水は、復水器3の
内部に多数配された復水器チューブ7を通り、この復水
器チューブ7の内部を通過することにより、復水器3の
近傍に設けられた蒸気タービン8からの排気蒸気と熱交
換を行い、蒸気タービン8からの排気蒸気を凝縮させ
る。ここで熱交換を行って昇温された循環水は、第二の
循環水路を流れる際に、後述する演算を行うケースにあ
っては、流量計21によりその流量が検出される。そし
て、ここで流量が検出された循環水は放水口6の隣接部
12に流れ、この隣接部12に設けられた冷却手段13
から発生された気泡によって上述の気泡の作用により冷
却された後、放水口6から発電設備の外に放出される。
この際に循環水は、放水口温度計22によってその温度
が検出される。
【0025】ところで、上述の取水口温度計20により
得られた検出値と流量計21により得られた検出値との
温度差(偏差)には、発明が解決しようとする課題の項
でも述べたように、サーマルショックを防止する観点か
らの制約がある。このため、循環水が、復水器3で熱交
換によって昇温されることにより予め定められた温度の
偏差の上限値を超えた場合は、その超えた分を冷却すべ
き温度と認識し、冷却手段13から発生させる気泡の作
用により冷却する必要がある。その超えた分を冷却する
ために本発明の実施形態に係る冷却水の循環システム
は、第一の演算を行うケースとして、以下に示すステッ
プ(S)を有する演算器23を備えており、この演算器
23を備えたことによって、放出口6から放出する循環
水の温度を低減させ適切な値に維持できる。
【0026】S11:取水口温度計20および放水口温
度計22から検出された各温度の値を入力し偏差(Δ
T)を演算する S12:S11でのΔTと、予め定められた偏差の上限
値とから、これらの差(ΔTu 「超えた分」)を演算す
る S13:冷却手段13から発生させる気泡の量(V)と
ここで発生された気泡の作用により循環水を冷却させる
温度との関係に基づき、S12でのΔTu を冷却させる
ために必要な気泡の量(Vu )を演算する S14:圧送手段14の容量により予め定まる供給可能
な大気の量(V0 )とS13のVu との差分を比較し、
この差分をゼロにするように、必要により設けられた調
整弁15の開閉を行うための制御指令を調整弁15に出
力する 第二の演算を行うケースとして、以下に示すステップ
(S)を有する演算器23を備えており、この演算器2
3を備えたことによって、第一の演算を行うケースと同
様に、放出口6から放出する循環水の温度を低減させ適
切な値に維持できる。なお、このケースにあっては、第
二の循環水路5の中途部に流量計21を設け、冷却手段
13により冷却される昇温された循環水の流量を検出す
る。
【0027】S21:取水口温度計20および放水口温
度計22から検出された各温度の値を入力し偏差(Δ
T)を演算する S22:S21でのΔTと流量計21により得られる検
出値との乗算値と、この乗算値に対応する予め定めた上
限値とを比較し、これらの差(ΔQu 「超えた分」)を
演算する S23:冷却手段13から発生させる気泡の量(V)と
ここで発生された気泡の作用により循環水を冷却させる
温度との関係に基づき、S22でのΔQu を冷却させる
ために必要な気泡の量(Vu )を演算する S24:圧送手段14の容量により予め定まる供給可能
な大気の量(V0 )とS23のVu との差分を比較し、
この差分をゼロにするように、必要により設けられた調
整弁15の開閉を行うための制御指令を調整弁15に出
力する これらの一連のステップ(S)による演算のケースのう
ち、少なくとも一つ(S11〜S14 または S21
〜S24)を行う演算器23を備えたことにより、放出
口6から放出する循環水の温度を適切な値に維持するこ
とができる。
【0028】以下、本発明の第四の実施の形態(請求項
4対応)を図を参照して説明する。図1ないし図4は、
本発明の一実施の形態に係る冷却水の循環システムの概
念図を示すものであり、課題を解決するための手段の項
で述べた各機器、構築物等により構成される。特に、こ
こでの発明に係る冷却水の循環システムは、循環水の中
に気泡を発生させる冷却手段13の構成を示すものであ
る。
【0029】冷却手段13は、図1においては放水口6
の隣接部12に、図2においては取水口1の隣接部11
に、そして図3においてはピット18に、それぞれ開水
路となる箇所の循環水の自由水面から浸水するように設
けられている。なお、図4にあっては、図1に示す放水
口6の隣接部12に設けられ、さらに、先の実施の形態
で述べた一連の機器が設けられることにより放水口6か
ら放出する循環水の温度を適正な値に維持する様子を示
している。
【0030】空気圧縮機あるいはファンにより大気を圧
送する圧送手段14からの空気は、必要により設けられ
た調整弁15を経て、冷却手段13を構成する配管ヘッ
ダ24に供給される。配管ヘッダ24には所定数の多孔
配管25が接続されており、配管ヘッダ24に供給され
た空気は、無数の孔部を有する多孔配管25の中を通過
することにより、周囲の循環水に、無数の気泡として放
出される。なお、多孔配管25の配管ヘッダ24に接続
しない端は閉じておく。ここで放出された無数の気泡
は、上述の気泡の作用を生じさせることになる。この気
泡の作用は、気泡のキメが細かければ細かいほど一定空
気量に対する気泡の表面積が大きくなることから循環水
の気泡への蒸発が促進される。よって、循環水の流速、
循環水中の異物による目詰まり等の影響を考慮しつつ、
多孔配管25に設ける孔部を小さくすることが望まれ
る。
【0031】このように構成された冷却水の循環システ
ムにあっては、上述の気泡の作用により、発電設備から
放出する循環水の温度を低減できる。
【0032】以下、本発明の第五の実施の形態(請求項
5対応)を図を参照して説明する。図5は、本発明の一
実施の形態に係る冷却水の循環システムの概念図を示す
ものであり、課題を解決するための手段の項で述べた各
機器、構築物等により構成される。特に、ここでの発明
に係る冷却水の循環システムは、循環水の中に気泡を発
生させる冷却手段13の構成を示すものである。
【0033】空気圧縮機あるいはファンにより大気を圧
送する圧送手段14からの空気は、必要により設けられ
た調整弁15を経て、冷却手段13を構成する空気室2
6に供給される。空気室26は、循環水の開水路となる
流路に圧送手段14からの空気を気泡として発生するよ
うに設けた複数の孔部27を有する面部28を、流路で
ある隣接部11あるいは13もしくはピット18に対し
て外側から包囲するように設けられている。なお、面部
28は、流路の底面が望ましいが側面とすることも想定
される。
【0034】こうして、空気室26に供給された圧送手
段14からの空気は、空気室26により包囲された面部
28に設けられた複数の孔部27から循環水の中に気泡
として放出され、上述の気泡の作用を生じさせることに
なる。この気泡の作用は、気泡のキメが細かければ細か
いほど一定空気量に対する気泡の表面積が大きくなるこ
とから循環水の気泡への蒸発が促進される。よって、循
環水の流速、循環水中の異物による目詰まり等の影響を
考慮しつつ、面部28に設ける孔部27を小さくするこ
とが望まれる。
【0035】このように構成された冷却水の循環システ
ムにあっては、上述の気泡の作用により、発電設備から
放出する循環水の温度を低減できる。
【0036】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、冷却
手段13から循環水の中へ発生される気泡の作用によ
り、発電設備から海洋あるいは河川へ放出する循環水の
温度を冷却することができるため、循環水の排出温度の
上昇および海洋あるいは河川への放出総排熱量を極力低
く抑えることをクーリングタワー等の建設なしに実現で
き、かつ循環水が海水または海水に近い水である場合に
もその塩害を最小限に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る冷却水の循環シス
テムの概念図。
【図2】本発明の一実施の形態に係る冷却水の循環シス
テムの概念図。
【図3】本発明の一実施の形態に係る冷却水の循環シス
テムの概念図。
【図4】本発明の一実施の形態に係る冷却水の循環シス
テムの概念図。
【図5】本発明の一実施の形態に係る冷却水の循環シス
テムの概念図。
【図6】従来の冷却水の循環システムの概念図。
【図7】蒸気タービンサイクル側の蒸気・給水の状態変
化を示したエントロピー・温度線図。
【図8】従来の冷却水の循環システムの概念図。
【符号の説明】
1…取水口、2…循環水ポンプ、3…復水器、4…第一
の循環水路、5…第二の循環水路、6…放水口、7…復
水器チューブ、8…蒸気タービン、9…クーリングタワ
ー、10…循環水ブースタポンプ、11…隣接部、12
…隣接部、13…冷却手段、14…圧送手段、15…調
整弁、16…分岐手段、17…第三の循環水路、18…
ピット、19…第四の循環水路、20…取水口温度計、
21…流量計、22…放水口温度計、23…演算器、2
4…配管ヘッダ、25…多孔配管、26…空気室、27
…孔部、28…面部。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発電設備に設けられこの発電設備の内部
    に設けられた蒸気タービンから排出される蒸気を凝縮さ
    せる復水器と、この復水器と第一の循環水路により結ば
    れ前記復水器に前記発電設備外部からの冷却水を流入さ
    せるための取水口と、この取水口と前記復水器との間に
    設けられ前記冷却水を前記復水器に供給させる循環水ポ
    ンプと、前記復水器から第二の循環水路を経て通過した
    冷却水を前記発電設備外部へ流出させるための放水口
    と、この放水口または前記取水口の隣接部の自由水面か
    ら浸水するように設けられ外部からの圧送手段により供
    給された大気を冷却水の中に気泡として発生させる冷却
    手段とを備えたことを特徴とする冷却水の循環システ
    ム。
  2. 【請求項2】 発電設備に設けられこの発電設備の内部
    に設けられた蒸気タービンから排出される蒸気を凝縮さ
    せる復水器と、この復水器と第一の循環水路により結ば
    れ前記復水器に前記発電設備外部からの冷却水を流入さ
    せるための取水口と、この取水口と前記復水器との間に
    設けられ前記冷却水を前記復水器に供給させる循環水ポ
    ンプと、前記復水器から第二の循環水路を経て通過した
    冷却水を前記発電設備外部へ流出させるための放水口
    と、この放水口と前記復水器との間に設けられ前記第二
    の循環水路を通過する冷却水を分岐するための分岐手段
    と、この分岐手段から第三の循環水路を経て冷却水を導
    くためのピットと、このピットの自由水面から浸水する
    ように設けられ外部からの圧送手段により供給された大
    気を冷却水の中に気泡として発生させる冷却手段とを備
    えたことを特徴とする冷却水の循環システム。
  3. 【請求項3】 前記取水口に流入した冷却水の温度を検
    出するための取水口温度計と、前記放水口から流出する
    冷却水の温度を検出するための放水口温度計と、これら
    各温度計により得られた温度の値の偏差と予め定められ
    た偏差の上限値とから冷却すべき温度を演算し、この冷
    却すべき温度を受けて、予め定まる前記冷却手段から発
    生させる気泡の量とこの冷却手段により循環水が冷却さ
    れる温度との関係に基いて、必要により設けられた調整
    弁に前記冷却手段に圧送する大気の流量を調整する制御
    指令を出力する演算手段と、を備えたことを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載の冷却水の循環システ
    ム。
  4. 【請求項4】 前記冷却手段は、前記取水口の隣接部、
    前記放水口の隣接部または前記ピットのうちの少なくと
    もいずれかを流れる冷却水の前記自由水面に浸水するよ
    うに設けられた配管ヘッダと、この配管ヘッダに大気を
    供給する圧送手段と、前記自由水面に浸水するように設
    けられ前記圧送手段により供給された大気を前記配管ヘ
    ッダを介して冷却水の中に気泡として発生させる多孔配
    管とを備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項3
    に記載の冷却水の循環システム。
  5. 【請求項5】 前記冷却手段は、前記取水口の隣接部、
    前記放水口の隣接部または前記ピットのうちの少なくと
    もいずれかの流路に設けられここを流れる冷却水の中に
    気泡を発生させるための複数の孔部を有する面部と、こ
    の面部を前記流路に対して外側から包囲する空気室と、
    この空気室に大気を供給する圧送手段とを備えたことを
    特徴とする請求項1ないし請求項3に記載の冷却水の循
    環システム。
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