JP2001020348A

JP2001020348A - 用便装置

Info

Publication number: JP2001020348A
Application number: JP11191637A
Authority: JP
Inventors: Yuji Kawazu; 祐治河津
Original assignee: SEISHO KK
Current assignee: SEISHO KK
Priority date: 1999-07-06
Filing date: 1999-07-06
Publication date: 2001-01-23

Abstract

(57)【要約】【課題】排便による臭気を排気でき、かつ、節水及び
設置・配管工事の簡易化を図ることができる用便装置を
提供することにある。【解決手段】滞留水受部３を有する便器本体１と、該
便器本体１の滞留水受部３の内部を通る固形物を粉砕す
る粉砕手段４と、臭気を吸気して外部に排気する吸排気
手段５と、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、用便装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、水洗トイレの洋式便器は、その内
部に常時一定水位に保たれた滞溜水が存在し、排便時で
の排便物、トイレットペーパーなどはこの滞溜水中に固
形状態のまま蓄積され、排便後の流水（流水圧）によっ
て半ば砕かれながら外部へ排出される構造になってい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の洋式便器では、一度に多量の水を流してイン
パクトを与える状態にしなければ排水処理できず、排水
管径も大きくする必要があり、水資源の節約や設置・配
管工事の簡易化に難点があった。また、臭気の観点で
は、便器自体に対して臭気対策を講じたものは見受けら
れず、トイレ内に換気扇を設けて臭気を外部に排出する
方法が一般的であった。

【０００４】そこで、本発明は、上述の問題を解決し、
排便による臭気を排気でき、かつ、節水及び設置・配管
工事の簡易化を図ることができる用便装置を提供するこ
とを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明に係る用便装置は、滞留水受部を有する便
器本体と、該便器本体の滞留水受部の内部を通る固形物
を粉砕する粉砕手段と、臭気を吸気して外部に排気する
吸排気手段と、を備えたものである。

【０００６】また、粉砕手段が、便器本体の滞留水受部
の内部に回転可能に設けられた粉砕カッター部と、上記
便器本体の外部に設けられて該粉砕カッター部を回転駆
動するモータと、便器本体を貫通して該モータと上記粉
砕カッター部とを連結する駆動連結軸と、を具備するも
のである。

【０００７】また、吸排気手段が、吸排気ファンと、便
器本体の上方開口部近傍に配設された吸気孔を有する吸
気部と、一端が該吸気部に接続されると共に他端が上記
吸排気ファンと接続された吸気管と、一端が上記吸排気
ファンに接続された排気管と、を具備し、さらに、第１
端部が上記便器本体に接続されかつ第２端部が排水管に
接続された３方向分岐管の第３端部に上記排気管の他端
を接続し、臭気を排水管へ通して外部に排気するように
したものである。

【０００８】また、吸排気手段の吸気部と吸気管とを着
脱可能とし、分岐管と排気管とを着脱可能とし、分岐管
と排水管とを着脱可能としたものである。また、吸排気
ファンの排気圧を大きく設定して、該吸排気ファンから
の臭気を排水管に圧送するようにしたものである。ま
た、便器本体が、洋式便器である。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、実施の形態を示す図面に基
づき、本発明を詳説する。

【００１０】図１と図２は、本発明の用便装置の実施の
一形態を示し、この用便装置は、下部に滞留水受部３を
有する便器本体１と、便器本体１に揺動自在に取付けら
れた便座２と、便器本体１の滞留水受部３の内部を通る
固形物（排便物やトイレットペーパー等）を粉砕する粉
砕手段４と、排便による臭気を吸気して外部に排気する
吸排気手段５と、を備えている。

【００１１】具体的に説明すると、便器本体１は洋式便
器であり、楕円形状の上方開口部15を有するボール部６
と、該ボール部６内部の孔部６ａに連通する凹部９を有
する上記滞留水受部３と、ボール部６から後方突出状に
設けられた台部７と、を有している。また、ボール部６
の上縁は内側へ折返し状にリム８が形成されており、リ
ム８の上面と台部７の上面とは平滑な連続面とされてい
る。

【００１２】また、後壁側のボール部６と滞留水受部３
との間には排出孔11が設けられると共に、ボール部６の
後壁内面から滞留水受部３の凹部９へ向かって垂下壁部
10が設けられ、排出孔11と連通するＵ字状の流路が凹部
９に形成されている。なお、滞留水12は排出孔11の下端
位置まで水位を保って滞留水受部３の凹部９に溜めら
る。さらに、台部７の上面からボール部６の後壁内面ま
で孔部13が貫設されており、台部７上に設置した貯水タ
ンク（図示省略）からの水を孔部13を通してボール部６
内に送るようにしている。

【００１３】便座２は、その後部が台部７の上面に枢支
軸14を介して揺動自在に取付けられると共に、その下面
にはリム８の上面に当接する複数個の凸部を有し、リム
８と便座２との間に隙間部が形成されている。なお、枢
支軸14には図示省略の蓋体も揺動開閉自在に取付けられ
る。

【００１４】粉砕手段４は、便器本体１の滞留水受部３
の内部（凹部９の内部）に回転可能に設けられた粉砕カ
ッター部16と、便器本体１の外部に設けられて粉砕カッ
ター部16を回転駆動するモータ17と、便器本体１を貫通
してモータ17のシャフトと粉砕カッター部16とを連結す
る駆動連結軸18と、を備えている。

【００１５】粉砕カッター部16は、軸部に放射状に付設
された複数の刃部を有し、便器本体１の滞留水受部３の
側壁を貫通した駆動連結軸18に上記軸部が連結されてい
る。なお、駆動連結軸18と滞留水受部３の側壁との間は
水漏れしないようにシール材にて密閉状とされると共
に、粉砕カッター部16は凹部９の底面や垂下壁部10等に
干渉しない位置───例えば、垂下壁部10よりもやや後
方位置───に配置される。

【００１６】吸排気手段５は、ダンパー（風量調整）機
能を有する吸排気ファン19と、便器本体１の上方開口部
15近傍に配設された吸気孔20ａを有する吸気部20と、一
端が吸気部20に接続されると共に他端が吸排気ファン19
に接続された吸気管21と、一端が吸排気ファン19に接続
された排気管22と、を備えている。

【００１７】具体的に説明すると、吸気部20は、便器本
体１の台部７及びリム８の一部に上載された（枢支軸14
の下方に設けられた）下方開口薄箱型の器枠部23と、器
枠部23に連設された筒状の接続部24と、を備えている。
器枠部23は、その前部にリム８の前後中間部から後部に
対応する形状の二股弯曲部25を有すると共に、二股弯曲
部25と接続部24とを連結する連設部26とから成り、二股
弯曲部25のリム８内周縁側に吸気孔20ａが開設されてい
る。また、接続部24は、器枠部23と連通する通気孔27を
有している。そして、接続部24と上記吸気管21の一端と
が連通状に接続されている。

【００１８】ところで、便器本体１の排出孔11には、３
方向分岐管28の第１端部30が取付けられており、この分
岐管28の第２端部31に排水管29が接続されている。しか
して、分岐管28の第３端部32には、上記排気管22の他端
が接続されている。即ち、吸排気ファン19を駆動させる
ことによって、排便における臭気を、吸気部20から吸気
管21を通して吸入し、排気管22、分岐管28及び排水管29
を通して外部に排出するようにしている。

【００１９】次に、本発明の用便装置の動作・機能につ
いて説明する。排便物やトイレットペーパーなどの固形
物は、便器本体１の滞留水受部３内の滞留水12中に蓄積
されるが、粉砕手段４のモータ17を駆動させて滞留水12
中にて粉砕カッター部16を高速回転することにより、上
記固形物は短時間で細かく粉砕され流動状態となる。従
って、便器本体１内への流水の送り込み前乃至送り込み
と同時に固形物を粉砕すれば、排便後の流水量は、滞留
水12と同量程度、つまり滞留水12を入れ替える程度の僅
かな水量で済む。また、固形物が流動状態に粉砕されて
排水管29へ送られる（排水管29を閉塞させるような大き
な固形物が流れてこない）ことから、排水管29を小径に
することができる。

【００２０】なお、粉砕カッター部16が粉砕するべき対
象物は排便物やトイレットペーパー等の柔らかいもので
あるため、粉砕に大きな力は必要なく、従ってモータ17
は小型・低出力で良く、消費電力も僅かで済む。

【００２１】一方、吸排気手段５においては、排便時に
吸排気ファン19を駆動することによって、便座２に座っ
た利用者の両足の間に生じる隙間や便座２と便器本体１
との隙間から流入する空気の流れに乗じて、矢印Ａの如
く臭気が（利用者のお尻の後方に配設された）吸気孔20
ａより吸入され、吸気管21、吸排気ファン19、排気管22
及び分岐管28を通過して排水管29に送られて外部に排気
される。つまり、排便時の臭気が便器本体１内で局所的
に吸入されるため、臭気が便器本体１の外部に拡散する
ことがない。なお、臭気を局所的に吸入することから、
吸排気ファン19は小型・低出力で良く、消費電力も僅か
で済む。

【００２２】しかして本発明は、粉砕手段４のモータ17
及び吸排気手段５の吸排気ファン19をＯＮ・ＯＦＦする
電源スイッチ（図示省略）を、例えば便器本体１の脇
（側方）に配設し、利用者自身がＯＮ・ＯＦＦ操作する
ように構成したり、あるいは、自動的にＯＮ・ＯＦＦす
る制御手段を設けた構成とするも良い。自動的にＯＮ・
ＯＦＦする場合は、例えば、センサにて排便物を検知す
ると自動的に吸排気ファン19がＯＮとなり、便器本体１
内に流水が送り込まれるとセンサが検知して粉砕手段４
のモータ17が自動的にＯＮとなり、その後、所定秒後に
吸排気ファン19及びモータ17が自動的にＯＦＦするよう
に制御する。

【００２３】次に、図３と図４は、本発明の用便装置の
他の実施の形態を示している。この用便装置は、吸排気
手段５に高圧型吸排気ファン19（19ａ）が設けられ、吸
排気ファン19ａの排気圧を大きく設定している。また、
便器本体１と排気管22と排水管29に接続された３方向分
岐管28（28ａ）は、逆流防止ダンパー（逆止弁）を有す
るものが用いられる。

【００２４】さらに、吸排気手段５の吸気部20（接続部
24）と吸気管21とを継手部材33にて着脱可能に接続し、
分岐管28の第３端部32と排気管22とを継手部材34にて着
脱可能に接続し、分岐管28の第２端部31と排水管29とを
継手部材35にて着脱可能に接続している。これらの継手
部材33，34，35は、例えば一対の雄部材と雌部材とから
成るものであり、一方の被接続端部に取付けた雄部材
と、他方の被接続端部に取付けた雌部材とが、ワンタッ
チで係脱される構造のものが、取付け・取外しを容易と
する点で好ましい。なお、その他の構成は図１と図２で
説明した用便装置と同様である。

【００２５】しかして、この用便装置によれば、吸排気
ファン19（19ａ）の排気圧を大きく設定したことによ
り、吸排気ファン19ａからの臭気（エアー）を排水管29
に圧送することができ、粉砕手段４にて固形物を流動状
に粉砕することと合わせて、排水管29をより一層小径に
することができる。つまり、流水と共に排水管29に流れ
てくる流動状の排便物やトイレットペーパーは、圧送さ
れた臭気（エアー）によって排水管29に強制的に押し流
されるため、排水管29は極めて小径のもので済む。この
とき、分岐管28（28ａ）の逆止弁によって、臭気及び流
水等が便器本体１内側へ逆流することが防止されてい
る。

【００２６】さらに、この用便装置は、便器本体１を吸
排気手段５及び排水管29に容易に取付け・取外しするこ
とができるため、例えば、病院や老人ホームや養護施設
等の各部屋（寝室）に予め排水管29及び吸排気手段５を
設置しておき、ある部屋の被介護者が歩行困難となった
場合や、ある部屋に歩行困難な被介護者が住むようにな
った場合に、その部屋に便器本体１を設置すれば、被介
護者が部屋の中で臭気に悩まされることなく容易に排便
することができる。換言すると、被介護者は、介護者に
頼ってトイレに行くことの気遣いや、排便時の臭気や後
始末等による介護者への気遣いが大幅に軽減され、しか
も介護者側の負担も軽減される。

【００２７】なお、本発明は上述の実施の形態に限定さ
れず、例えば、吸排気手段５の吸気部20を便座２の裏面
に装着したり、またその材料をホース（チューブ）とす
るも良い。また、便器本体１にお尻の洗浄機能を付加し
たり、便座２に暖房機能を付加するも自由であり、貯水
タンクも台部７に設置するも別置きとするも自由であ
る。また、本実施の形態では洋式便器の場合を説明した
が、和式便器にも対応することができる。

【００２８】

【発明の効果】本発明は上述の如く構成されるので、次
に記載する効果を奏する。

【００２９】（請求項１によれば）粉砕手段４にて排便
物やトイレットペーパー等の固形物を粉砕して流動状態
にすることができるため、少量の水で流水処理すること
ができ、節水に有効である。また、流水処理に大きな水
量を必要としないので、排水管29を小径化することがで
き、それによってトイレなどの設置場所の壁や床等に対
する貫通孔の小径化による設置工事の簡便化や部材コス
トの低減化を図ることができる。さらに、吸排気手段５
にて排便時の臭気が設置場所から拡散することがないの
で、利用者自身及び次に使用する人等が臭気によって不
快感を受けることがない。

【００３０】（請求項２によれば）簡単な構造でありな
がら効果的に固形物を粉砕することができ、しかも容易
に作製することができる。また、固形物の粉砕には大き
な力を要しないため、モータ17は小型・低出力で良く、
消費電力も僅かで済む。

【００３１】（請求項３によれば）排便時に於て、利用
者のお尻付近から局所的に臭気を吸入するため脱臭効率
が良く、従って吸排気ファン19は小型・低出力で良く、
消費電力も僅かで済む。また、臭気を排水管29へ送って
外部に排出するように構成しているので、建物の近隣に
臭気が漂うことがなく衛生的である。

【００３２】（請求項４によれば）設置場所への便器本
体１の取付け・取外しが容易に行える。従って、設置場
所に排水管29及び吸排気手段５を予め配管工事して設置
しておけば、必要のない場合は便器本体１を取外してス
ペースを有効利用することができ、必要時には容易に便
器本体１を取付けることができるので、病院や老人ホー
ムや養護施設等での使用に好適である。

【００３３】（請求項５によれば）吸排気ファン19から
の臭気を排水管29に圧送することができるため、流水と
共に粉砕された固形物を強制的に排水管29に押し流すこ
とができ、排水管29をより一層小径化することができ
る。またそれによって、設置工事をより簡便にし、部材
コストをより低減することができる。

【００３４】（請求項６によれば）便器本体１を設置場
所の床面にボルト・ナット結合にて固定して容易に設置
工事を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の用便装置の実施の一形態を示す平面図
である。

【図２】断面側面図である。

【図３】本発明の用便装置の他の実施の形態を示す平面
図である。

【図４】断面側面図である。

【符号の説明】

１便器本体３滞留水受部４粉砕手段５吸排気手段 15 上方開口部 16 粉砕カッター部 17 モータ 18 駆動連結軸 19 吸排気ファン 20 吸気部 21 吸気管 22 排気管 28 分岐管 29 排水管 30 第１端部 31 第２端部 32 第３端部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】滞留水受部３を有する便器本体１と、該
便器本体１の滞留水受部３の内部を通る固形物を粉砕す
る粉砕手段４と、臭気を吸気して外部に排気する吸排気
手段５と、を備えたことを特徴とする用便装置。
【請求項２】粉砕手段４が、便器本体１の滞留水受部
３の内部に回転可能に設けられた粉砕カッター部16と、
上記便器本体１の外部に設けられて該粉砕カッター部16
を回転駆動するモータ17と、便器本体１を貫通して該モ
ータ17と上記粉砕カッター部16とを連結する駆動連結軸
18と、を具備する請求項１記載の用便装置。
【請求項３】吸排気手段５が、吸排気ファン19と、便
器本体１の上方開口部15近傍に配設された吸気孔20ａを
有する吸気部20と、一端が該吸気部20に接続されると共
に他端が上記吸排気ファン19と接続された吸気管21と、
一端が上記吸排気ファン19に接続された排気管22と、を
具備し、さらに、第１端部30が上記便器本体１に接続さ
れかつ第２端部31が排水管29に接続された３方向分岐管
28の第３端部32に上記排気管22の他端を接続し、臭気を
排水管29へ通して外部に排気するようにした請求項１又
は２記載の用便装置。
【請求項４】吸排気手段５の吸気部20と吸気管21とを
着脱可能とし、分岐管28と排気管22とを着脱可能とし、
分岐管28と排水管29とを着脱可能とした請求項３記載の
用便装置。
【請求項５】吸排気ファン19の排気圧を大きく設定し
て、該吸排気ファン19からの臭気を排水管29に圧送する
ようにした請求項３又は４記載の用便装置。
【請求項６】便器本体１が、洋式便器である請求項
１、２、３、４又は５記載の用便装置。