JP2001019909A - 有機溶剤系塗料組成物及びその塗膜を形成する方法 - Google Patents

有機溶剤系塗料組成物及びその塗膜を形成する方法

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一裕 加藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐汚染性がすぐれ、汚染物質が付着しても容易
に除去することができ、しかも耐候性のすぐれた硬化塗
膜を形成する有機溶剤系塗料組成物及びそれを用いた複
層塗膜の形成方法に関する。 【構成】(A)1分子中にアルコキシシリル基と水酸基
とを有する樹脂(A−1)と無機酸化物のコロイド状微
粒子(A−2)とを反応させてなるコロイド分散体及び
(B)ブロックされていてもよいポリイソシアネ−ト化
合物を含有する有機溶剤系塗料組成物及び、被塗物に、
少なくとも1種の着色塗料及び少なくとも1種のクリヤ
塗料を順次塗装して複層塗膜を形成するにあたり、最上
層に塗装するクリヤ塗料として、上記有機溶剤系塗料組
成物を使用する複層塗膜形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐汚染性がすぐ
れ、汚染物質が付着しても容易に除去することができ、
しかも耐候性のすぐれた硬化塗膜を形成する有機溶剤系
塗料組成物及びそれを用いた複層塗膜の形成方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術とその課題】熱硬化性塗料として、水酸基
含有アクリル樹脂及びメラミン樹脂を主成分とする、耐
候性及び仕上がり外観などが良好な塗膜を形成しうる有
機溶剤系塗料が知られている。一方、近年クロ−ズアッ
プされている「耐酸性雨性」が改良された塗料として、
カルボキシル基含有樹脂とエポキシ基含有樹脂とを主成
分とする有機溶剤系熱硬化性塗料(通称、酸・エポキシ
型塗料)も提案されている。この酸・エポキシ型塗料
は、耐酸性雨性にすぐれ、しかも耐候性及び仕上がり外
観も良好な塗膜を形成する。
【0003】しかしながら、これらの熱硬化性塗料の塗
膜は、耐汚染性に劣り、塗面に付着した汚染物質を痕跡
なく除去することは困難であるという欠陥を有してお
り、特に、屋外において、汚染物質(例えば、鳥糞、花
粉、虫の死骸など)、鉄粉、砂泥、排気スス(カ−ボ
ン、パラフィンなど)などが付着したり、浸み込んだ
り、めりこんだりして汚染しやすい。例えば、塗膜に付
着した鳥糞は乾燥固化の際に凝縮し、それに伴って塗膜
面もちぢんでその部分の光沢や鮮映性などが低下し、ま
た、花粉や虫の死骸などは雨などで濡れるとたんぱく質
やアミノ酸などが溶出し、これが塗膜に浸み込んで汚染
源になる。さらに、鉄粉、砂泥、排気ススなども塗膜に
付着又はめりこんだりして汚染源になる。自動車外板な
どは、夏期に屋外に放置されると60℃以上になること
があり、かかる高温では塗膜が軟化して、上記の汚染現
象がさらに促進されやすい。
【0004】このようにして塗膜が汚染されると、単に
布などで拭き取ったり又は洗剤やワックスなどを使用し
ても、汚染を容易に除去することができず、塗膜の美観
性を損なうことになる。
【0005】さらに、これらの耐汚染性を改良したもの
として、熱硬化性樹脂にコロイダルシリカを配合してな
る有機溶剤系熱硬化性塗料組成物が提案されている(例
えば、特開平10−298460号公報)。しかしなが
ら、この塗料組成物により形成された硬化塗膜は、サン
シャインウエザオメ−タによる促進耐候性試験では良好
な性能を示すが、そよりも厳しい負荷がかかる塗膜の試
験方法であるデュ−パネル促進耐候性試験機による耐候
性が十分でないということが判明した。すなわち、サン
シャインウエザオメ−タでは太陽光に近似させた波長分
布を有する光線を照射させているが、デュ−パネルでは
約270〜400nmの低波長域に集中した紫外線ラン
プの光線を照射しているので、前者に比べて極めて過酷
な条件である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、耐候性、仕上
がり外観、耐酸性雨性、耐汚染性などがすぐれた塗膜を
形成することができ、しかも、熱硬化性樹脂にコロイダ
ルシリカを配合してなる上記の有機溶剤系熱硬化性塗料
組成物に比べてすぐれた耐候性を示す塗料組成物を開発
することを目的としている。
【0007】本発明者らは、目的を達成するために鋭意
研究を重ねた結果、(A)1分子中にアルコキシシリル
基と水酸基とを有する樹脂(A−1)と無機酸化物のコ
ロイド状微粒子(A−2)とを反応させてなるコロイド
分散体及び(B)ブロックされていてもよいポリイソシ
アネ−ト化合物を含有する有機溶剤系塗料組成物が、そ
の目的を達成するものであることを見出し、本発明を完
成した。
【0008】しかして、本発明によれば、(A)1分子
中にアルコキシシリル基と水酸基とを有する樹脂(A−
1)と無機酸化物のコロイド状微粒子(A−2)とを反
応させてなるコロイド分散体及び(B)ブロックされて
いてもよいポリイソシアネ−ト化合物を含有する有機溶
剤系塗料組成物(以下、本組成物という)が提供され
る。
【0009】以下に、本組成物について詳細に説明をす
る。
【0010】(A−1)成分:1分子中にアルコキシシ
リル基と水酸基とを有する樹脂 この樹脂骨格は、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂である
ことが好ましく、その樹脂骨格にアルコキシシリル基及
び水酸基を導入せしめることにより(A−1)成分が得
られる。
【0011】ここで、アルコキシシリル基は、下記の式
(1)で示すことができる。
【0012】式(1) −Si(OR1 3 - k [式中、R1 は炭素数が1〜10のアルキル基、アルコ
キシアルキル基、アセチル基、また、k は0又は1であ
る] R1 の炭素数が1〜10のアルキル基、アルコキシアル
キル基としては、例えば、メチル基、エチル基、2−メ
トキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−ブトキシ
エチル基などがあげられる。
【0013】(A−1)成分において、アルコキシシリ
ル基の含有量は0.01〜2.2ミリモル/g、特に
0.02〜1.2ミリモル/g、水酸基価は10〜26
0mgKOH/g、特に50〜200mgKOH/g、
数平均分子量は1000〜60000、特に2000〜
20000の範囲内にそれぞれ含まれていることが好ま
しい。
【0014】ビニル樹脂(樹脂骨格)にアルコキシシリ
ル基及び水酸基を導入した(A−1)成分は、例えば、
アルコキシシリル基含有ビニルモノマ−及び水酸基含有
ビニルモノマ−を、必要に応じてその他のビニルモノマ
−を併用して、通常の方法で共重合せしめることにより
調製することができる。
【0015】アルコキシシリル基含有ビニルモノマ−
は、1分子中にアルコキシシリル基及び重合性不飽和結
合をそれぞれ1個以上有する化合物であり、例えば、ビ
ニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、
ビニルトリス(メトキシエトキシ)シラン、γ−(メ
タ)アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−
(メタ)アクリロイルプロピルトリエトキシシラン、γ
−(メタ)アクリロイルプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−(メタ)アクリロイルプロピルメチルジエトキ
シシランなどがあげられる。
【0016】水酸基含有ビニルモノマ−は、1分子中に
水酸基及び重合性不飽和結合をそれぞれ1個以上有する
化合物であり、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレ−ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−
ト、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ−トなどの
(メタ)アクリル酸と炭素数2〜10のグリコ−ルとの
モノエステル化物があげられる。さらに、(メタ)アク
リル酸とラクトンとのエステル化物も水酸基含有ビニル
モノマ−として使用できる。
【0017】その他のビニルモノマ−は、上記のアルコ
キシシリル基含有ビニルモノマ−及び水酸基含有ビニル
モノマ−以外の化合物であって、1分子中に1個以上の
重合性不飽和結合を有する化合物が使用できる。例え
ば、(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸メチル、
(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピ
ル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリ
ル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メ
タ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸
ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、
(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸
デシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アク
リル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等
の(メタ)アクリル酸の炭素数1〜24のアルキルエス
テル又はシクロアルキルエステル;(メタ)アクリル酸
メトキシブチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、
(メタ)アクリル酸エトキシブチル等の(メタ)アクリ
ル酸の炭素数2〜18のアルコキシアルキルエステル;
スチレン、ビニルトルエンなどの芳香族系モノマ−;ビ
ニルエ−テル類;オレフィン類;含窒素ビニルモノマ
−;酸無水物(例えば、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無
水コハク酸、テトラヒドロ無水コハク酸、メチルヘキサ
ヒドロ無水コハク酸など)と水酸基含有ビニルモノマ−
とのハ−フエステル化ビニルモノマ−;無水マレイン
酸、無水イタコン酸、無水ハイミック酸などの重合性酸
無水物モノマ−;重合性酸無水物と非重合性モノアルコ
−ル(例えば、メタノ−ル、エタノ−ルなど)とのハ−
フエステル化ビニルモノマ−;グリシジル(メタ)アク
リレ−ト、メチルグリシジル(メタ)アクリレ−ト、
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリ
レ−ト、アリルグリシジルエ−テルなどのエポキシ基含
有ビニルモノマ−;フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、
トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、クロ
ロトリフルオロエチレンなどのフッ素含有オレフィン
類;酢酸ビニル、オクチル酸ビニル、酢酸イソプロペニ
ル、オクチル酸イソプロペニルなどのビニルエステル
類;ω−(メタ)アクリロイル(オキシ)アルキルアシ
ッドホスフェ−ト、ω−(メタ)アクリロイル(オキ
シ)アルキルアシッドホスフェ−トとアルコ−ルと反応
生成物、末端スルホン酸型(メタ)アクリロイル化合物
などのヘテロ元素系酸素含有ビニルモノマ−などがあげ
られる。
【0018】アルコキシシリル基含有ビニルモノマ−及
び水酸基含有ビニルモノマ−を使用し、これらを共重合
せしめてアルコキシシリル基及び水酸基を有するビニル
樹脂を調製するにあたり、これらのビニルモノマ−の比
率は、得られるビニル樹脂におけるアルコキシシリル基
の含有量及び水酸基価が上記した範囲内含まれる範囲内
であることが好ましい。
【0019】また、(A−1)成分は、水酸基を有する
ビニル樹脂又はポリエステル樹脂に、末端にイソシアネ
−ト基を有するアルコキシシラン化合物をウレタン化反
応させることによっても製造することができる。
【0020】まず、水酸基を有するビニル樹脂は、上記
した水酸基含有ビニルモノマ−及びその他のビニルモノ
マ−を共重合することにより得られる。
【0021】水酸基を有するポリエステル樹脂は、1分
子中に2個以上の水酸基を有する多価アルコ−ルと1分
子中に2個以上のカルボキシル基を有する多塩基酸とを
アルコ−ル分過剰で、既知の方法で反応させることによ
って得られる。多価アルコ−ルとして、例えば、エチレ
ングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ブチレングリコ
−ル、ヘキサンジオ−ル、ジエチレングリコ−ル、ジプ
ロピレングリコ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、トリエ
チレングリコ−ル、水素化ビスフェノ−ルA、グリセリ
ン、トリメチロ−ルエタン、トリメチロ−ルプロパン、
ペンタエリスリットなどがあげられ、多塩基酸として無
水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、
アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テトラヒドロ
フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘット酸、ハイマイ
ック酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、トリメリ
ット酸及びこれらの無水物などがあげられる。
【0022】末端にイソシアネ−ト基を有するアルコキ
シシラン化合物を反応させる前の、これらの水酸基を有
するビニル樹脂及びポリエステル樹脂は、水酸基価が1
5〜270mgKOH/g、特に55〜240mgKO
H/g、数平均分子量が1000〜60000、特に1
200〜12000の範囲内が好ましい。
【0023】末端にイソシアネ−ト基を有するアルコキ
シシラン化合物としては、例えば、下記の式(2)で示
される化合物が好適に用いられる。
【0024】 式(2) {OCN−(CH2 j }−R2 k Si(OR1 3 k (式中、R1 は炭素数が1〜10のアルキル基、アルコ
キシアルキル基、アセチル基、R2 はメチル基又はフェ
ニル基、k は0又は1である)R1 の炭素数が1〜10
のアルキル基、アルコキシアルキル基としては、例え
ば、メチル基、エチル基、2−メトキシエチル基、2−
エトキシエチル基、2−ブトキシエチル基などがあげら
れる。
【0025】水酸基を有するビニル樹脂又はポリエステ
ル樹脂に、末端にイソシアネ−ト基を有するアルコキシ
シラン化合物をウレタン化反応させる方法は、それ自体
既知のウレタン化反応によって行うことができる。これ
らの両成分の比率は目的に応じて任意に選択することが
可能であるが、この反応によって得られる1分子中にア
ルコキシシリル基と水酸基とを有する樹脂の、アルコキ
シシリル基の含有量は0.01〜2.2ミリモル/g、
特に0.02〜1.2ミリモル/g、水酸基価は10〜
260mgKOH/g、特に50〜200mgKOH/
g、数平均分子量は1000〜60000、特に200
0〜20000の範囲内に包含されるように選択するこ
とが好ましい。
【0026】(A−2)成分:無機酸化物のコロイド状
微粒子 コロイド状の無機酸化物微粒子そのもの、及びこの微粒
子にアルコキシシラン化合物を反応させてなるコロイド
粒子などが(A−2)成分に包含される。
【0027】コロイド状の無機酸化物微粒子そのものと
しては、例えば、コロイド状シリカ(SiO2 )、コロ
イド状チタニア(TiO2 )、コロイド状ジルコニア
(ZrO2 )、コロイド状アルミナ(Al2 3 )など
があげられ、その粒径は3〜200nm、特に5〜10
0nmが好ましい。
【0028】これらのコロイド状の無機酸化物微粒子
は、通常、有機溶剤に分散して使用することが好まし
い。有機溶剤としては、例えば、メタノ−ル、イソプロ
パノ−ル、エチレングリコ−ル、エチレングリコ−ルモ
ノプロピルエ−テルなどのアルコ−ル系溶剤;ヘキサ
ン、ヘプタン、キシレン、トルエン、シクロヘキサン、
ナフサなどの炭化水素系溶剤;メチルイソブチルケト
ン、メチルエチルケトン、イソホロン、アセトフェノン
などのケトン系溶剤;ジメチルアセトアミド、メチルピ
ロリドンなどのアミド系溶剤;酢酸エチル、酢酸イソブ
チル、酢酸オクチル、酢酸エチレングリコ−ルモノメチ
ルエ−テル、酢酸ジエチレングリコ−ルモノメチルエ−
テルなどのエステル系溶剤などがあげられる。これらは
単独で、または2種以上複数で使用することができる。
有機溶剤に分散したコロイド状の無機酸化物微粒子の含
有率は、通常、1〜60重量%、特に5〜40重量%の
範囲内が適している。
【0029】コロイド状の無機酸化物微粒子の有機溶剤
分散液は、市販されているコロイド状の無機酸化物微粒
子の水分散液を既知の方法で有機溶剤に相転換すること
により(A)成分の調製に使用することができる。市販
されているコロイド状の無機酸化物微粒子(A−2)の
水分散液としては、例えば、日産化学社製の「メタノ−
ルシリカゾル」、「MA−ST−M」、「IPA−S
T」、「EG−ST」、「EG−ST−ZL」、「NP
C−ST」、「DMAC−ST」、「MEK−ST」、
「XBA−ST」、「MIBK−ST」(いずれも商品
名)などがあげられる。
【0030】コロイド状の無機酸化物微粒子に反応せし
めるアルコキシシラン化合物としては、下記式(3)で
示される化合物があげられる。
【0031】 式(3) R5 m 6 n Si(OR7 4 - m - n [式中、R5 は炭素数が12以下のアルキル基、アルケ
ニル基、エポキシアルキル基、アミノアルキル基、(メ
タ)アクリロイルオキシアルキル基、ウレイドアルキル
基、R6 はメチル基、フェニル基、R7 は炭素数が1〜
10のアルキル基、アルコキシアルキル基、アセチル
基、m n は0又は1である) 式(3)のR7 の炭素数が1〜10のアルキル基、アル
コキシアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル
基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、2
−ブトキシエチル基などがあげられる。
【0032】コロイド状の無機酸化物微粒子とアルコキ
シシラン化合物との反応は、両成分を有機溶剤に混合
し、20〜150℃の温度で、1時間〜数日間、撹拌す
ることにより行なわれる。アルコキシシラン化合物の比
率は、固形分比で、コロイド状の無機酸化物微粒子10
0重量部あたり、50重量部以下、特に30重量部以下
が適している。コロイド状の無機酸化物微粒子にアルコ
キシシラン化合物を反応させたものを使用することによ
り、本組成物の貯蔵安定性が改良される。コロイド状の
無機酸化物微粒子にアルコキシシラン化合物を反応させ
たものの粒径は3〜200nm、特に5〜100nmが
好ましい。
【0033】(A)成分:上記(A−1)成分と(A−
2)成分とを反応させて得られるコロイド分散体 両成分の反応は、(A−1)成分及び(A−2)成分を
有機溶剤に混合し、20〜150℃の温度で、1時間〜
数日間、撹拌することにより行なわれる。(A−1)成
分と(A−2)成分との反応は、主として、(A−2)
成分の粒子表面に存在する水酸基と(A−1)成分のア
ルコキシシリル基との縮合反応であると思われる。この
反応が進行するにつれて粘度は上昇するが、本組成物に
よる硬化塗膜の仕上り外観を向上させるために、固形分
濃度30〜60重量%におけるガ−ドナ−粘度(20
℃)がZより低くすることが好ましい。
【0034】この両成分の反応比率は、例えば、(A−
2)成分10重量部あたり、(A−1)成分は1〜10
00重量部、特に、2〜500重量部が適している。
【0035】また、(A−1)成分と(A−2)成分と
の反応時間を促進するために、例えば、ハロゲン化物イ
オンのオキソニウム塩、有機アルミニウム化合物、有機
チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機スズ化合
物などの触媒を使用することができる。触媒の比率は、
(A−1)成分と(A−2)成分との合計固形分100
重量部あたり、3重量部以下が適している。
【0036】本組成物において、かかる反応生成物であ
る(A)成分を使用することにより、形成される硬化塗
膜の耐候性を顕著に改良することが可能になった。(A
−1)成分と(A−2)成分との単なる混合物を使用し
たのでは、耐候性を顕著に改良することは困難である。
【0037】(A)成分を使用することによって耐候性
を顕著に改良することができた理由は明確ではないが、
(A−2)成分の粒子表面に(A−1)成分の樹脂成分
がグラフト結合することにより、(A−2)成分単独に
比べて分散性が向上したことによるものと推察してい
る。
【0038】(B)成分:ブロックされていてもよいポ
リイソシアネ−ト化合物 1分子中にイソシアネ−ト基を2個以上有するポリイソ
シアネ−ト化合物、及びこのイソシアネ−ト基のすべて
を封鎖してなるブロックポリイソシアネ−ト化合物など
が使用できる。このものは、(A)成分と架橋反応し
て、三次元に硬化した塗膜を形成するための架橋剤とし
て作用する。
【0039】ポリイソシアネ−ト化合物としては、例え
ば、トリレンジイソシアネ−ト、ジフェニルメタンジイ
ソシアネ−ト、キシリレンジイソシアネ−ト、ナフタレ
ンジイソシアネ−トなどの芳香族ジイソシアネ−ト;テ
トラメチレンジイソシアネ−ト、ヘキサメチレンジイソ
シアネ−ト、ダイマ−酸ジイソシアネ−ト、リジンジイ
ソシアネ−ト、2−イソシアネ−トエチル−2,6−ジ
イソシアネ−トカプロエ−トなどの脂肪族ジイソシアネ
−ト;メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネ−
ト)、イソホロンジイソシアネ−ト、メチルシクロヘキ
サンジイソシアネ−ト、シクロヘキサンジイソシアネ−
ト、シクロペンタンジイソシアネ−トなどの脂環族ジイ
ソシアネ−ト;これらのポリイソシアネ−トのビュ−レ
ットタイプ付加物、イソシアヌル環タイプ付加物;これ
らのポリイソシアネ−トと低分子量もしくは高分子量の
活性水素含有化合仏とをイソシアネ−ト基過剰で反応さ
せてなるイソシアネ−ト基含有プレポリマ−などがあげ
られる。これらのポリイソシアネ−ト化合物の数平均分
子量は200〜5000の範囲内が適している。
【0040】ブロックポリイソシアネ−ト化合物は、こ
れらのポリイソシアネ−ト化合物のイソシアネ−ト基
を、フェノ−ル類、オキシム類、活性メチレン類、ラク
タム類、アルコ−ル類、メルカプタン類、酸アミド類、
イミド類、アミド類、イミダゾ−ル類、尿素類、カルバ
ミン酸類、イミン類などのブロック剤で封鎖したものが
使用できる。
【0041】(B)成分における未ブロックとしてのイ
ソシアネ−ト基の含有量は1.0〜16.0ミリモル/
gが好ましい。
【0042】本組成物は(A)成分及び(B)成分を含
有する有機溶剤系塗料組成物であり、この両成分の比率
は目的に応じて任意に選択でき、例えば、(A)成分と
(B)成分との合計固形分を基準に、前者は40〜99
重量%、特に45〜90重量%、後者は1〜60重量
%、特に10〜55重量%の範囲内が好ましい。
【0043】本組成物には、これら成分に加えて、さら
に下記の成分(C)を必要に応じて配合することができ
る。
【0044】a):水酸基、及びさらに必要に応じてア
ルコキシシリル基を含有するビニル樹脂又はポリエステ
ル樹脂。これらの水酸基価は10〜260mgKOH/
g、アルコキシシリル基含有量は3.3ミリモル/g以
下であることが好ましい。数平均分子量については、ビ
ニル樹脂は1000〜60000、ポリエステル樹脂は
1500〜4000が好ましい。かかるa)成分を含有
せしめることにより、硬化塗膜のスリキズ性を向上させ
るのに有効である。これらの配合比率は、(A)成分と
(B)成分との合計固形分を基準に、0.1〜50重量
部、好ましくは1〜30重量部である。
【0045】b):硬化促進用の触媒。例えば、ハロゲ
ン化イオンのオキソニウム塩、有機アルミニム化合物、
有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機スズ
化合物などがあげられる。これらの配合比率は、(A)
成分と(B)成分との合計固形分を基準に、6重量部以
下が好ましい。
【0046】c):水酸基及びカルボキシル基を同時に
有するビニル樹脂。このものの水酸基価は5〜260m
gKOH/g、酸価は0.5〜250mgKOH/g、
数平均分子量は1000〜60000であることが好ま
しい。かかるc)成分を含有せしめることにより、硬化
塗膜の硬度を向上させるのに有効である。これらの配合
比率は、(A)成分と(B)成分との合計固形分を基準
に、0.1〜50重量部、好ましくは1〜30重量部で
ある。
【0047】d)カルボキシル基を含有するポリエステ
ル樹脂。このものの酸価は10〜250mgKOH/
g、数平均分子量は1500〜4000であることが好
ましい。かかるd)成分を含有せしめることにより、硬
化塗膜の硬度を向上させるのに有効である。これらの配
合比率は、(A)成分と(B)成分との合計固形分を基
準に、0.1〜50重量部、好ましくは1〜30重量部
である。
【0048】e)プロトン酸含有化合物。例えば、アル
キルスルホン酸、アリ−ルスルホン酸、(ポリ)リン酸
化合物、ポリカルボン酸化合物、ポリスルホン酸化合物
などがあげられる。かかるe)成分を含有せしめること
により、硬化塗膜の硬度を向上させるのに有効である。
これらの配合比率は、(A)成分と(B)成分との合計
固形分を基準に、6重量部以下が好ましい。
【0049】これらの成分のうち、特に、c)、d)、
e)成分から選ばれた1種もしくは2種以上を本組成物
に含有せしめると、硬化塗膜が硬質になり、耐スリキス
性が向上する。その明確な理由は不明であるが、これら
に含まれる「酸」がコロイド状無機酸化物系重合体微粒
子の表面の水酸基もしくはアルコキシ基と、(A)成分
の樹脂中水酸基もしくはアルコキシシリル基との縮合反
応を促進するためであると推測している。
【0050】本組成物には、上記の成分を有機溶剤に混
合し、溶解又は分散せしめることによって調製すること
ができるが、さらに必要に応じて、着色顔料(ソリッド
カラ−顔料、メタリック顔料、光干渉顔料など)、硬化
触媒、沈降防止剤、流れ防止剤、紫外線安定剤、難燃
剤、防汚剤などを適宜配合することができる。
【0051】さらに、本組成物に含まれる固形分の合計
量を基準にして、その酸価が0.1〜50mgKOH/
g、特に0.5〜40mgKOH/gの範囲内に含まれ
ていることが好ましい。ここで、「酸価」は、例えばカ
ルボキシル基、スルホン酸基、りん酸基などの酸性官能
基のことである。また、「本組成物に含まれる固形分の
合計量」とは、上記の(A)、(B)、(C)成分、さ
らには各種顔料などの硬化した塗膜を形成する全成分を
についてである。
【0052】本組成物は、透明塗膜を形成するクリヤ塗
料、ソリッドカラ−顔料を配合したソリッドカラ−塗
料、メタリック顔料を配合したメタリック塗料、光干渉
顔料を配合した光干渉性塗料などとして使用することが
できる。特に本組成物による硬化塗膜は、硬質で、耐ス
リキズ性などがすぐれているので、これらの性能が強く
要求される自動車外板部の上塗り複層塗膜の最上層の塗
膜を形成するためのクリヤ塗料として本組成物を使用す
ることが好ましい。
【0053】本組成物を自動車外板部などに上塗り塗膜
を形成するために使用する具体例を示せば以下のとおり
である。
【0054】塗装法A:本組成物によるソリッドカラ−
塗料の単独上塗塗膜で仕上げる。 塗装法B:1種以上の着色塗料及び1種以上のクリヤ−
塗料を順次塗装して複層上塗塗膜を形成するにあたり、
最上層のクリヤ−塗料として本組成物を使用して複層上
塗塗膜を形成する。
【0055】この塗装法Bの具体例として、例えば、
(B−1) 着色塗料及びクリヤ−塗料を順次塗装する
2コ−ト仕上げにおいて、クリヤ−塗料に本組成物を使
用する、(B−2) 着色塗料、第1クリヤ−塗料及び
第2クリヤ−塗料を順次塗装する3コ−ト仕上げにおい
て、該第2クリヤ−塗料に本組成物を使用する、(B−
3) 第1着色塗料、第2着色塗料及びクリヤ−塗料を
順次塗装する3コ−ト仕上げにおいて、クリヤ−塗料に
本組成物を使用する などがあげられる。
【0056】この塗装法において、「着色塗料」とは、
ソリッドカラ−塗料、メタリック塗料及び干渉模様塗料
から選ばれた1種のことである。
【0057】塗装法Aは、例えば、自動車用の金属製又
はプラスチック製の被塗物に直接、またはカチオン電着
塗料などの下塗塗料や中塗塗料(省略可能)を塗装し、
硬化させてから、粘度10〜25秒(フォ−ドカップ#
4/20℃)、固形分含有率20〜60重量%に調整し
てなる本組成物によるソリッドカラ−塗料をエアレスス
プレ−、エアスプレ−、静電塗装などで膜厚が硬化塗膜
で約20〜約80μmになるように塗装し、室温で数分
間放置してから、約40〜約180℃、好ましくは約1
00〜約160℃で約10〜約40分加熱して架橋硬化
させることによって行われる。
【0058】塗装法(B−1)は、例えば、自動車用の
金属製もしくはプラスチック製の被塗物に直接、又はカ
チオン電着塗料などの下塗塗料や中塗塗料(省略可能)
を塗装し、硬化させてから、着色塗料をエアレススプレ
−、エアスプレ−、静電塗装などで膜厚が硬化塗膜で約
10〜約50μmになるように塗装し、約100〜約1
80℃の温度で加熱して架橋硬化させてから、又は硬化
させずに室温で数分間放置してから、粘度10〜25秒
(フォ−ドカップ#4/20℃)、固形分含有率20〜
60重量%に調整してなる本組成物によるクリヤ−塗料
を同様な方法で膜厚が硬化塗膜で約20〜約70μmに
なるように塗装し、約100〜約180℃、好ましくは
約120〜約160℃で約10〜約40分加熱して架橋
硬化させることによって行う、2コ−ト1ベイク方式
(2C1B)または2コ−ト2ベイク方式(2C2B)
が適している。
【0059】塗装法(B−1)で使用される着色塗料と
しては、ソリッドカラ−塗料、メタリック塗料および光
干渉模様塗料が包含され、樹脂成分、着色顔料及び溶剤
を主成分とする既知の熱硬化性塗料が適している。具体
的には、該樹脂成分は架橋性官能基(例えば水酸基、エ
ポキシ基、カルボキシル基、アルコキシシラン基礎な
ど)を有するアクリル樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル
樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂などから選ばれた1
種以上の基体樹脂と、これらを架橋硬化させるためのア
ルキルエ−テル化したメラミン樹脂、尿素樹脂、グアナ
ミン樹脂、ブロックされていてもよいポリイソシアネ−
ト化合物、エポキシ化合物、カルボキシル基含有化合物
などから選ばれた1種以上の架橋剤成分とからなり、該
両成分の合計重量を基準に基体樹脂は50〜90%、架
橋剤成分は50〜10%の比率で併用することが好まし
い。着色顔料にはソリッドカラ−顔料、メタリック顔料
及び光干渉模様顔料が包含され、これらは単独でもしく
は2種以上併用することが可能である。また、溶剤とし
ては有機溶剤系が適しているが、水系であっても差支え
ない。
【0060】塗装法(B−2)で使用する着色塗料とし
ては塗装法(B−1)で説明した着色塗料を使用するこ
とができ、また、第1クリヤ−塗料は透明塗膜形成用塗
料であり、上記着色塗料から着色顔料の殆どもしくはす
べてを除去してなる塗料又は本組成物などが使用でき
る。そして、第2クリヤ−塗料として本組成物を使用す
る。塗装法(B−2)は、具体的には、自動車用の金属
製ましくはプラスチック製の被塗物に直接、またはカチ
オン電着塗料などの下塗塗料や中塗塗料(省略可能)を
塗装し、硬化させてから、上記着色塗料をエアレススプ
レ−、エアスプレ−、静電塗装などで膜厚が硬化塗膜で
約10〜約50μmになるように塗装し、約100〜約
180℃で加熱して架橋硬化させてから、または硬化さ
せずに室温で数分間放置してから、該塗面に第1クリヤ
−塗料を同様な方法で膜厚が硬化塗膜で約10〜約50
μmになるように塗装し、約100〜約180℃で加熱
して架橋硬化させてから、または硬化させずに室温で数
分間放置してから、粘度10〜25秒(フォ−ドカップ
#4/20℃)、固形分含有率20〜60重量%に調整
してなる本組成物による第2クリヤ−塗料を同様な方法
で膜厚が硬化塗膜で約10〜約50μmになるように塗
装し、約100〜約180℃、好ましくは約120〜約
160℃で約10〜約40分加熱して架橋硬化させるこ
とによって行なう、3コ−ト1ベイク方式(3C1
B)、3コ−ト2ベイク方式(3C2B)または3コ−
ト3ベイク方式(3C3B)が適している。
【0061】塗装法(B−3)で使用する第1着色塗料
としては、塗装法(B−1)で説明した着色塗料を使用
することができ、特にこのうち、素地を隠蔽できる塗料
が好ましい。また、第2着色塗料としては、塗装法(B
−1)の着色塗料として例示したのうち、素地(つまり
第1着色塗料塗面)を透視できる程度の弱い隠蔽性を有
する着色透明塗膜を形成する塗料を使用することがで
き、そして、第1クリヤ−塗料として粘度10〜25秒
(フォ−ドカップ#4/20℃)、固形分含有率20〜
60重量%に調整してなる本組成物によるクリヤ塗料を
使用する。塗装法(B−3)は、具体的には、自動車用
の金属製ましくはプラスチック製の被塗物に直接,また
はカチオン電着塗料などの下塗塗料や中塗塗料(省略可
能)を塗装し、硬化させてから、上記第1着色塗料をエ
アレススプレ−、エアスプレ−、静電塗装などで膜厚が
硬化塗膜で約10〜約50μmになるように塗装し、約
100〜約180℃で加熱して架橋硬化させてから、ま
たは硬化させずに室温で数分間放置してから、該塗面に
第2着色塗料を同様な方法で膜厚が硬化塗膜で約10〜
約50μmになるように塗装し、約100〜約180℃
で加熱して架橋硬化させてから、または硬化させずに室
温で数分間放置してから、クリヤ−塗料である本組成物
を同様な方法で膜厚が硬化塗膜で約10〜約50μmに
なるように塗装し、約100〜約180℃、好ましくは
約120〜約160℃で約10〜約40分加熱して架橋
硬化させることによって行なう、3コ−ト1ベイク方式
(3C1B)、3コ−ト2ベイク方式(3C2B)また
は3コ−ト3ベイク方式(3C3B)が適している。
【0062】
【発明の効果】1.本組成物により形成される硬化塗膜
は、水酸基含有アクリル樹脂とメラミン樹脂とを主成分
とする有機溶剤系塗料に比べ、耐候性および仕上り外観
などは同等もしくはそれ以上で、しかも耐汚染性、耐ス
リキズ性が顕著にすぐれている。
【0063】2.本組成物により形成される硬化塗膜の
耐酸性、耐候性および仕上り外観は、酸エポキシ型塗料
と同等もしくはそれ以上で、しかも耐汚染性は顕著にす
ぐれている。
【0064】3.本組成物により形成される硬化塗膜は
硬質であるため、鳥糞、花粉、虫の死骸、排気ススなど
の汚染性物質が付着しても塗膜内部に浸み込むことが殆
どなく容易に拭き取ることができ、その部分の光沢や鮮
映性などが低下することはない。
【0065】4.本組成物による硬化塗膜は、鉄粉、砂
泥などが塗膜に付着またはめりこんだりすることがなく
なった。
【0066】5.耐候性、光沢、鮮映性などの仕上り外
観、耐酸性、耐汚染性などの良好な塗膜を形成する新規
な有機溶剤系塗料を開発できた。
【0067】6.本組成物による硬化塗膜は、すでに提
案されている熱硬化性樹脂にコロイダルシリカを配合し
てなる有機溶剤系熱硬化性塗料(例えば、特開平10−
298460号公報)に比べ、デュ−パネル促進耐候性
試験機によって試験した耐候性が顕著に優れている。
【0068】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例によりさら
に具体的に説明する。なお、部及び%は重量に基いてお
り、塗膜の厚さは硬化塗膜についてである。
【0069】1.製造例 1)(A−1)成分と(A−2)成分とを反応させてな
るコロイド分散体 a):ブチルアクリレ−ト13部、シクロヘキシルメタ
クリレ−ト31部、2−エチルヘキシルメタクリレ−ト
6部、2−ヒドロキシエチルアクリレ−ト10部、2−
ヒドロキシエチルメタクリレ−ト30部、γ−メタクリ
ロイルプロピルトリメトキシシラン10部、2,2´−
アゾビス(2−メチルブチロニトリル)9部からなる混
合物を、125℃に加熱されたキシレン50部とブタノ
−ル6部との混合溶剤中で共重合して、水酸基価約17
5mgKOH/g、アルコキシシリル基含有量0.4ミ
リモル/g、数平均分子量約5000である、1分子中
にアルコキシシリル基と水酸基とを有するビニル樹脂
(i)の65%溶液を得た。
【0070】つぎに、ブタノ−ル/キシレン(30/7
0重量比)の混合溶剤に分散した固形分含有率30%の
コロイド状シリカ(粒径10〜30nm)分散液と上記
のビニル樹脂(i)の65%溶液とを、固形分重量比で
100/50に混合した。混合直後のものを2g採取
し、これをアセトン10mlに混合すると濁りは認めら
れなかった。そして、この混合物を100℃で8時間加
熱して反応せしめて、コロイド分散体a)を得た。コロ
イド分散体a)を2g採取し、これをアセトン10ml
に混合すると白濁が認められた。コロイド分散体a)の
固形分含有率は約36%であった。
【0071】b):ブチルアクリレ−ト18部、シクロ
ヘキシルメタクリレ−ト31部、2−エチルヘキシルメ
タクリレ−ト6部、2−ヒドロキシエチルアクリレ−ト
10部、2−ヒドロキシエチルメタクリレ−ト30部、
γ−メタクリロイルプロピルトリメトキシシラン5部、
2,2´−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)9部
からなる混合物を、125℃に加熱されたキシレン50
部とブタノ−ル6部との混合溶剤中で共重合して、水酸
基価約175mgKOH/g、アルコキシシリル基含有
量0.2ミリモル/g、数平均分子量約3000であ
る、1分子中にアルコキシシリル基と水酸基とを有する
ビニル樹脂(ii)の65%溶液を得た。
【0072】つぎに、ブタノ−ル/キシレン(30/7
0重量比)の混合溶剤に分散した固形分含有率30%の
コロイド状シリカ(粒径10〜30nm)分散液と上記
のビニル樹脂(ii)の65%溶液とを、固形分重量比
で100/50に混合した。混合直後のものを2g採取
し、これをアセトン10mlに混合すると濁りは認めら
れなかった。そして、この混合物を100℃で8時間加
熱して反応せしめて、コロイド分散体b)を得た。コロ
イド分散体b)を2g採取し、これをアセトン10ml
に混合すると白濁が認められた。コロイド分散体b)の
固形分含有率は約36%であった。
【0073】2)ビニル樹脂 a)ブチルアクリレ−ト13部、シクロヘキシルメタク
リレ−ト41部、2−エチルヘキシルメタクリレ−ト6
部、2−ヒドロキシエチルアクリレ−ト10部、2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレ−ト30部、2,2´−アゾ
ビス(2−メチルブチロニトリル)9部からなる混合物
を、125℃に加熱されたキシレン50部とブタノ−ル
6部との混合溶剤中で共重合して、水酸基価約175m
gKOH/g、酸価0mgKOH/g、数平均分子量約
3000である水酸基を含有するビニル樹脂a)を得
た。
【0074】b)ブチルアクリレ−ト13部、シクロヘ
キシルメタクリレ−ト37部、2−エチルヘキシルメタ
クリレ−ト6部、2−ヒドロキシエチルアクリレ−ト1
0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレ−ト30部、ア
クリル酸4部、2,2´−アゾビス(2−メチルブチロ
ニトリル)9部からなる混合物を、125℃に加熱され
たキシレン50部とブタノ−ル6部との混合溶剤中で共
重合して、水酸基価約175mgKOH/g、酸価26
mgKOH/g、数平均分子量約3000である水酸基
及びカルボキシル基を含有するビニル樹脂b)を得た。
【0075】4)イソシアネ−ト化合物 a)2−イソシアネ−トエチル−2,6−ジイソシアネ
−トカプロエ−ト50部とメチルエチルケトンオキシム
50部を酢酸ブチル中で反応させてイソシアネ−ト基を
ブロックしてなるイソシアネ−ト化合物aの溶液を得
た。イソシアネ−ト化合物換算で40%固形分に相当。
【0076】2.実施例及び比較例 上記の製造例で得た試料を用い、これらを表1に示した
比率(固形分)で混合して、有機溶剤系塗料組成物を得
た。表1におくる酸価は、それぞれの組成物に含まれる
固形分の合計量に対する酸価である。
【0077】
【表1】
【0078】カチオン電着塗料及び中塗り塗料を塗装し
加熱硬化した金属板に、アクリル樹脂・メラミン樹脂系
の有機溶剤系メタリック塗料を塗装し(膜厚20μ
m)、室温で3分間放置してから、表1に記載の組成に
基いて作成した有機溶剤系熱硬化性塗料組成物(クリヤ
塗料)を膜厚40μmになるように塗装し、140℃で
30分間加熱して、メタリック塗膜及びクリヤ塗膜を同
時に硬化せしめた。
【0079】かくして得られた塗装金属板を用いて、こ
の複層塗膜の性能試験を行った。その結果を表2に示し
た。
【0080】
【表2】
【0081】表2における、塗膜性能試験方法は下記の
とおりである。
【0082】塗膜外観:目視で評価した結果である。○
はツヤ及び平滑性などが良好、△はツヤ及び平滑性など
がやや劣る、×はツヤ及び平滑性などが非常に劣ること
を示す。
【0083】耐汚染性:野外で採取したハト糞を脱イオ
ン水に混合して濃度30%とし、ディスパ−で30分間
撹拌してガ−ゼで濾過した濾液を試験液とし、この試験
液(40℃)に24時間浸漬し、引き上げて水洗した後
の塗面を観察した。○は汚染が全く認められない、△は
シミ、フクレ、クモリが少し認められる、×はシミ、フ
クレ、クモリが多く認められることを示す。
【0084】硬 度:20℃におけるツ−コン硬度。
【0085】耐候性:デュ−パネル促進耐候性試験機
(試験機のメ−カ、製品名、試験条件など)で400時
間及び800時間試験した後の塗面を観察した結果であ
る。
【手続補正書】
【提出日】平成11年7月12日(1999.7.1
2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0077
【補正方法】変更
【補正内容】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 201/06 C09D 201/06 (72)発明者 加藤 一裕 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内 (72)発明者 五十嵐 浩史 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内 Fターム(参考) 4D075 AE03 CA32 CA34 DB02 DC12 EA12 EA43 EB56 EC11 4J038 CG141 CH121 DG262 DG302 DL001 GA03 GA06 GA15 HA216 HA446 MA07 MA09 MA14 PB07

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)1分子中にアルコキシシリル基と水
    酸基とを有する樹脂(A−1)と無機酸化物のコロイド
    状微粒子(A−2)とを反応させてなるコロイド分散体
    及び(B)ブロックされていてもよいポリイソシアネ−
    ト化合物を含有する有機溶剤系塗料組成物。
  2. 【請求項2】(A−1)成分が、アルコキシシリル基含
    有量が0.01〜2.2ミリモル/g、水酸基価が10
    〜260mgKOH/g、数平均分子量が1000〜6
    0000の樹脂である請求項1に記載の有機溶剤系塗料
    組成物。
  3. 【請求項3】(B)成分が、未ブロックイソシアネ−ト
    基としての含有量が1.0〜16.0ミリモル/gであ
    る請求項1に記載の有機溶剤系塗料組成物。
  4. 【請求項4】(A)成分及び(B)成分の合計固形分を
    基準に、(A−2)成分の含有率が1〜60重量%であ
    る請求項1に記載の有機溶剤系塗料組成物。
  5. 【請求項5】(A−2)成分の無機酸化物のコロイド状
    微粒子の粒径が3〜200nmである請求項1に記載の
    有機溶剤系塗料組成物。
  6. 【請求項6】有機溶剤系塗料組成物に含まれる固形分の
    合計量に基き、酸価が0.1〜50mgKOH/gであ
    る請求項1に記載の有機溶剤系塗料組成物。
  7. 【請求項7】被塗物に、少なくとも1種の着色塗料及び
    少なくとも1種のクリヤ塗料を順次塗装して複層塗膜を
    形成するにあたり、最上層に塗装するクリヤ塗料とし
    て、請求項1に記載の有機溶剤系塗料組成物を使用する
    ことを特徴とする複層塗膜形成方法。
  8. 【請求項8】被塗物が、自動車外板部である請求項7記
    載の複層塗膜形成方法。
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