JP2001019574A - 複合基板、光導波路、クラッド用材料及び複合基板の製造方法 - Google Patents
複合基板、光導波路、クラッド用材料及び複合基板の製造方法Info
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- JP2001019574A JP2001019574A JP19274599A JP19274599A JP2001019574A JP 2001019574 A JP2001019574 A JP 2001019574A JP 19274599 A JP19274599 A JP 19274599A JP 19274599 A JP19274599 A JP 19274599A JP 2001019574 A JP2001019574 A JP 2001019574A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 結晶質セラミック基板上に光損失が小さいS
iO2を主成分とするガラスからなる厚膜を一体化して
形成するには最低でも800℃を超える温度で形成しな
ければならない、基板材料とSiO2の熱膨張係数の差
が大きいために十分な信頼性が得られないといった問題
があった。 【解決手段】 結晶質セラミック基板の上に該セラミッ
ク基板との熱膨張係数を合わせるために調整剤を加えた
SiO2ガラス層が形成されてモノリシックな構造であ
ることを特徴とする。ここで、SiO2ガラス層に添加
される調整剤は、B2O3、CaO、MgO、Na2O、
Li2O、Al2O3のいずれか1種類以上であり、Si
O2の層を形成するにはゾルゲル法を含むスピンオング
ラス(SOG)法で作製することができる。上記方法で
形成された複合基板はアニール工程の温度を800℃未
満にすることが可能であり、該ガラス膜を下部クラッド
として用いることによって信頼性の高い光導波路が得ら
れる。
iO2を主成分とするガラスからなる厚膜を一体化して
形成するには最低でも800℃を超える温度で形成しな
ければならない、基板材料とSiO2の熱膨張係数の差
が大きいために十分な信頼性が得られないといった問題
があった。 【解決手段】 結晶質セラミック基板の上に該セラミッ
ク基板との熱膨張係数を合わせるために調整剤を加えた
SiO2ガラス層が形成されてモノリシックな構造であ
ることを特徴とする。ここで、SiO2ガラス層に添加
される調整剤は、B2O3、CaO、MgO、Na2O、
Li2O、Al2O3のいずれか1種類以上であり、Si
O2の層を形成するにはゾルゲル法を含むスピンオング
ラス(SOG)法で作製することができる。上記方法で
形成された複合基板はアニール工程の温度を800℃未
満にすることが可能であり、該ガラス膜を下部クラッド
として用いることによって信頼性の高い光導波路が得ら
れる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は結晶質セラミック基
板上に、熱膨張調整剤を添加したSiO2からなる透明
なガラス層が形成された複合基板およびそれを用いた光
導波路に関し、特にセラミック基板とガラス層の界面で
剥離あるいはクラックが発生しにくくかつ800℃未満
の低温での熱処理で作製可能でかつ信頼性に優れた複合
基板およびそれを用いた光導波路に関する。
板上に、熱膨張調整剤を添加したSiO2からなる透明
なガラス層が形成された複合基板およびそれを用いた光
導波路に関し、特にセラミック基板とガラス層の界面で
剥離あるいはクラックが発生しにくくかつ800℃未満
の低温での熱処理で作製可能でかつ信頼性に優れた複合
基板およびそれを用いた光導波路に関する。
【0002】
【従来の技術】LSI間の信号伝搬を高速化するため、
また基板の小型高密度実装化に対応して近年結晶質セラ
ミック基板、特に従来のアルミナ基板に加えて近年は低
誘電率のガラスセラミック基板が注目されている。一方
近年の大容量通信の需要から光ファイバが急速に普及し
てきており、それに応じて光信号を電気信号に伝達する
モジュールの必要性が増してきている。従来はシリコン
基板上に光導波路を形成し、光導波路が形成されたシリ
コンチップを上記結晶質セラミック基板上に実装すると
いう手法がとられてきた。
また基板の小型高密度実装化に対応して近年結晶質セラ
ミック基板、特に従来のアルミナ基板に加えて近年は低
誘電率のガラスセラミック基板が注目されている。一方
近年の大容量通信の需要から光ファイバが急速に普及し
てきており、それに応じて光信号を電気信号に伝達する
モジュールの必要性が増してきている。従来はシリコン
基板上に光導波路を形成し、光導波路が形成されたシリ
コンチップを上記結晶質セラミック基板上に実装すると
いう手法がとられてきた。
【0003】シリコン基板上での光導波路の形成方法に
は火炎堆積法やプラズマCVD法などが広く報告されて
いる。それに加えて近年ではゾルゲル法による光導波路
の製造方法が数多く報告されている。例えば特開平4−
147202号公報にはシリコン基板上にゾルゲル法に
より石英系ガラス膜を形成する技術が開示されている。
特開昭63−066511号公報にシリコン基板上に石
英系光導波路を製造する技術が、また特開平6−258
536号公報には火炎堆積法とゾルゲル法を組み合わせ
た方法で石英ガラス基板上に光導波路を製造する方法が
開示されている。また他に光導波路製造技術の基礎とな
る石英系ガラスの厚膜(厚さ1μm以上)の製造方法と
して、特開平7−35937号公報にはソーダライムシ
リカガラス基板上にゾルゲル法で直接石英系ガラス膜を
形成する技術が開示されている。
は火炎堆積法やプラズマCVD法などが広く報告されて
いる。それに加えて近年ではゾルゲル法による光導波路
の製造方法が数多く報告されている。例えば特開平4−
147202号公報にはシリコン基板上にゾルゲル法に
より石英系ガラス膜を形成する技術が開示されている。
特開昭63−066511号公報にシリコン基板上に石
英系光導波路を製造する技術が、また特開平6−258
536号公報には火炎堆積法とゾルゲル法を組み合わせ
た方法で石英ガラス基板上に光導波路を製造する方法が
開示されている。また他に光導波路製造技術の基礎とな
る石英系ガラスの厚膜(厚さ1μm以上)の製造方法と
して、特開平7−35937号公報にはソーダライムシ
リカガラス基板上にゾルゲル法で直接石英系ガラス膜を
形成する技術が開示されている。
【0004】ゾルゲル法を含むスピンオングラス法に用
いるコーティング溶液も数多く報告されている。例えば
特開平3−188179号公報にはシリカ系被膜形成用
塗布液が報告されている。すなわち、テトラアルコキシ
シラン化合物を加水分解縮重合させて得たシロキサンポ
リマーにトリアルコキシシラン化合物を添加して縮重合
させさらにジアルコキシシラン化合物を添加して縮重合
させたシロキサンポリマーを含んだ塗布液である。ま
た、特開平7−278495号公報には厚膜でクラック
フリーのシリカ被膜を得るための被膜形成用組成物とし
てモノマー含有率が1%以下のテトラアルコキシシラ
ン、脂肪族一価アルコール、水および有機カルボン酸を
含むものが報告されている。
いるコーティング溶液も数多く報告されている。例えば
特開平3−188179号公報にはシリカ系被膜形成用
塗布液が報告されている。すなわち、テトラアルコキシ
シラン化合物を加水分解縮重合させて得たシロキサンポ
リマーにトリアルコキシシラン化合物を添加して縮重合
させさらにジアルコキシシラン化合物を添加して縮重合
させたシロキサンポリマーを含んだ塗布液である。ま
た、特開平7−278495号公報には厚膜でクラック
フリーのシリカ被膜を得るための被膜形成用組成物とし
てモノマー含有率が1%以下のテトラアルコキシシラ
ン、脂肪族一価アルコール、水および有機カルボン酸を
含むものが報告されている。
【0005】一方光部品が実装されたあるいは一体化さ
れた基板についても報告がなされている。例えば特開平
9−236731号公報にはセラミック基板上に金属ア
ルコキシドを添加したシロキサン系ポリマ膜形成溶液を
基板上で熱重合させた金属含有シロキサン系ポリマ膜か
らなる光導波路が形成された光電子混在基板の技術が開
示されている。また電子情報通信学会信学技報1993
−10、p35に銅ポリイミド配線基板上にフッ素化ポ
リイミド光導波路を積層一体化した電気光混載配線板技
術が公開されている。
れた基板についても報告がなされている。例えば特開平
9−236731号公報にはセラミック基板上に金属ア
ルコキシドを添加したシロキサン系ポリマ膜形成溶液を
基板上で熱重合させた金属含有シロキサン系ポリマ膜か
らなる光導波路が形成された光電子混在基板の技術が開
示されている。また電子情報通信学会信学技報1993
−10、p35に銅ポリイミド配線基板上にフッ素化ポ
リイミド光導波路を積層一体化した電気光混載配線板技
術が公開されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述のような、シリコ
ン基板上に光導波路を形成し、その光導波路が形成され
たシリコンチップを結晶質セラミック基板上に実装する
という手法に対して、低コスト化、高密度実装化のため
には、シリコン基板を介せずに光導波路が結晶質セラミ
ック基板上に直接形成されモノリシックな構造を得るこ
とが期待されている。
ン基板上に光導波路を形成し、その光導波路が形成され
たシリコンチップを結晶質セラミック基板上に実装する
という手法に対して、低コスト化、高密度実装化のため
には、シリコン基板を介せずに光導波路が結晶質セラミ
ック基板上に直接形成されモノリシックな構造を得るこ
とが期待されている。
【0007】結晶質セラミック基板は高速通信にも有利
であり、このような結晶質セラミック基板に光導波路を
形成するに際してまずセラミック基板上にSiO2を主
成分とするガラスからなる厚膜を一体化して形成するこ
とが必要になる。しかしながら特開平4−147202
号公報に報告されているようにシリコン基板上に火炎堆
積法でガラス膜を形成する場合、1300℃以上の熱処
理が必要となるため導体が配線されたセラミック基板上
にこの方法でガラス膜を形成することは導体が酸化され
る、溶融する等の不具合が発生するため好ましくない。
また熱処理の時にまだ導体が形成されていなくても高温
のため基板が反るという不具合が起きるのでやはり好ま
しくない。低温で形成可能であるとすればフッ素化ポリ
イミドのような樹脂をセラミック基板上に形成すること
が有効である。しかし例えば光ファイバーからの光信号
を電気信号に変換する電気光混載配線基板上の導波路へ
の応用を考えた場合、樹脂を光導波路に用いると光伝導
損失およびSiO2系光ファイバーとの接触の際におけ
る損失がSiO2系光導波路を用いた場合よりも大きい
という課題がある。
であり、このような結晶質セラミック基板に光導波路を
形成するに際してまずセラミック基板上にSiO2を主
成分とするガラスからなる厚膜を一体化して形成するこ
とが必要になる。しかしながら特開平4−147202
号公報に報告されているようにシリコン基板上に火炎堆
積法でガラス膜を形成する場合、1300℃以上の熱処
理が必要となるため導体が配線されたセラミック基板上
にこの方法でガラス膜を形成することは導体が酸化され
る、溶融する等の不具合が発生するため好ましくない。
また熱処理の時にまだ導体が形成されていなくても高温
のため基板が反るという不具合が起きるのでやはり好ま
しくない。低温で形成可能であるとすればフッ素化ポリ
イミドのような樹脂をセラミック基板上に形成すること
が有効である。しかし例えば光ファイバーからの光信号
を電気信号に変換する電気光混載配線基板上の導波路へ
の応用を考えた場合、樹脂を光導波路に用いると光伝導
損失およびSiO2系光ファイバーとの接触の際におけ
る損失がSiO2系光導波路を用いた場合よりも大きい
という課題がある。
【0008】また光導波路に用いられるSiO2の熱膨
張係数は0.5×10-6/℃、樹脂の場合、その種類に
もよるが例えばフッ素化ポリイミドの場合約50×10
-6/℃である。それに対して基板材料であるセラミック
の熱膨張係数は、例えばアルミナを用いた場合は7.8
×10-6/℃、ガラスセラミックの場合5〜10×10
-6/℃であって、光導波路材料とは大きな隔たりがあ
る。基板材料と光導波路、特に基板上に直接形成される
下部クラッド材料の熱膨張係数に大きな差があると周囲
の温度変化によって、また他の部品を実装する時のリフ
ロー温度によって基板と下部クラッドの界面にクラック
が発生する可能性がある。
張係数は0.5×10-6/℃、樹脂の場合、その種類に
もよるが例えばフッ素化ポリイミドの場合約50×10
-6/℃である。それに対して基板材料であるセラミック
の熱膨張係数は、例えばアルミナを用いた場合は7.8
×10-6/℃、ガラスセラミックの場合5〜10×10
-6/℃であって、光導波路材料とは大きな隔たりがあ
る。基板材料と光導波路、特に基板上に直接形成される
下部クラッド材料の熱膨張係数に大きな差があると周囲
の温度変化によって、また他の部品を実装する時のリフ
ロー温度によって基板と下部クラッドの界面にクラック
が発生する可能性がある。
【0009】この熱膨張係数の差と形成温度による問題
点があるため、前述の従来技術では結晶質セラミック基
板にSiO2を主成分とする光導波路、または下部クラ
ッド材料を形成する手段は実現化されていなかった。
点があるため、前述の従来技術では結晶質セラミック基
板にSiO2を主成分とする光導波路、または下部クラ
ッド材料を形成する手段は実現化されていなかった。
【0010】本発明の目的は、結晶質セラミック基板上
に光導波路、特にSiO2を主成分とする下部クラッド
を形成するに際して下部クラッドとセラミック基板の熱
膨張係数の差をできるだけ小さくする、かつSiO2を
主成分とする下部クラッドの形成温度をできるだけ低く
する方法ならびにその構造を提供することである。
に光導波路、特にSiO2を主成分とする下部クラッド
を形成するに際して下部クラッドとセラミック基板の熱
膨張係数の差をできるだけ小さくする、かつSiO2を
主成分とする下部クラッドの形成温度をできるだけ低く
する方法ならびにその構造を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の複合基板は、セ
ラミック基板の上に直接SiO2ガラス層を形成するた
め該セラミック基板との熱膨張係数を合わせるための調
整剤を加えたSiO2ガラス層が形成されてモノリシッ
クな構造であることを特徴とする。
ラミック基板の上に直接SiO2ガラス層を形成するた
め該セラミック基板との熱膨張係数を合わせるための調
整剤を加えたSiO2ガラス層が形成されてモノリシッ
クな構造であることを特徴とする。
【0012】ここでガラスセラミックを基板として用い
る場合、ガラスセラミックとSiO 2を主成分とするガ
ラス層を構成する組成が同一である場合もあり得るが、
前者は結晶質、後者は非晶質(ガラス)であるという点
で全く異なるものである。この違いは主に製造法によっ
て表れ、セラミック基板がグリーンシート法により製造
されたものでありマトリックス中に微細結晶が30〜9
5%埋め込まれているため透明性がなく白色であるのに
対して、ガラス層はゾルゲル法を含むSOG法により形成
されており、クラッド材料に使用可能な透明性が必要で
ある。
る場合、ガラスセラミックとSiO 2を主成分とするガ
ラス層を構成する組成が同一である場合もあり得るが、
前者は結晶質、後者は非晶質(ガラス)であるという点
で全く異なるものである。この違いは主に製造法によっ
て表れ、セラミック基板がグリーンシート法により製造
されたものでありマトリックス中に微細結晶が30〜9
5%埋め込まれているため透明性がなく白色であるのに
対して、ガラス層はゾルゲル法を含むSOG法により形成
されており、クラッド材料に使用可能な透明性が必要で
ある。
【0013】SiO2ガラス層に添加される調整剤は、
B2O3、CaO、MgO、Na2O、Li2O、Al
2O3、ZrO2のいずれか1種類以上であることを特徴
とするが、B2O3、CaO、MgO、Na2O、Li2O
のA群から1種類以上、Al2O3、ZrO2のB群から1
種類以上の2種以上が選ばれることが好ましい。ここで
A群を構成する材料のうちB2O3、CaO、MgO、N
a2Oは、SiO2と同様にガラス形成酸化物であってガ
ラス形成温度を低くすることができる作用を有し、Li
2Oは、SiO2の熱膨張係数を高くできる作用を有して
いる。従って、これらA群から少なくとも1種類以上を
選ぶことで所望の熱膨張係数を得ることが可能になる。
一方、B群のAl2O3、ZrO2はガラスの耐水性を増加
させることのできる材料であり、A群の材料を添加する
ことで低下した強度を補うことが可能となる。
B2O3、CaO、MgO、Na2O、Li2O、Al
2O3、ZrO2のいずれか1種類以上であることを特徴
とするが、B2O3、CaO、MgO、Na2O、Li2O
のA群から1種類以上、Al2O3、ZrO2のB群から1
種類以上の2種以上が選ばれることが好ましい。ここで
A群を構成する材料のうちB2O3、CaO、MgO、N
a2Oは、SiO2と同様にガラス形成酸化物であってガ
ラス形成温度を低くすることができる作用を有し、Li
2Oは、SiO2の熱膨張係数を高くできる作用を有して
いる。従って、これらA群から少なくとも1種類以上を
選ぶことで所望の熱膨張係数を得ることが可能になる。
一方、B群のAl2O3、ZrO2はガラスの耐水性を増加
させることのできる材料であり、A群の材料を添加する
ことで低下した強度を補うことが可能となる。
【0014】SiO2ガラス層全体を占めるSiO2の割
合は、モル比で表して30%以上95%以下であること
が望ましい。これは、ガラス層におけるSiO2の構成
比率が95モル%を超えるとガラス形成温度が800℃
を超える恐れがあるため、また30モル%未満ではガラ
ス形成範囲を外れて結晶質が形成されてしまうことがあ
るためである。
合は、モル比で表して30%以上95%以下であること
が望ましい。これは、ガラス層におけるSiO2の構成
比率が95モル%を超えるとガラス形成温度が800℃
を超える恐れがあるため、また30モル%未満ではガラ
ス形成範囲を外れて結晶質が形成されてしまうことがあ
るためである。
【0015】一方、調整剤の添加量はSiO2の構成比
率を満たすように決定されるが、調整剤がA群(B
2O3、CaO、MgO、Na2O、Li2O)であるとき
は一種の調整剤の添加量がガラス組成全体に占める割合
をxとしたときに、0<x≦0.20の範囲であること
が好ましい。これは0.20を超えるとガラス層の熱膨
張係数が多くの結晶質セラミック基板の熱膨張係数より
も大きくなりすぎるためである。また、調整剤がB群
(Al2O3、ZrO2)であるときは一種の調整剤の添
加量がガラス組成全体に占める割合をxとしたときに、
0<x≦0.10の範囲にあることが好ましい。この1
種類の添加量の比率が0の場合は耐水性等の長期信頼性
の改善効果が見られないことから、また0.10を超え
るとガラス形成温度が800℃を超えてしまう恐れがあ
ることからやはり望ましくない。
率を満たすように決定されるが、調整剤がA群(B
2O3、CaO、MgO、Na2O、Li2O)であるとき
は一種の調整剤の添加量がガラス組成全体に占める割合
をxとしたときに、0<x≦0.20の範囲であること
が好ましい。これは0.20を超えるとガラス層の熱膨
張係数が多くの結晶質セラミック基板の熱膨張係数より
も大きくなりすぎるためである。また、調整剤がB群
(Al2O3、ZrO2)であるときは一種の調整剤の添
加量がガラス組成全体に占める割合をxとしたときに、
0<x≦0.10の範囲にあることが好ましい。この1
種類の添加量の比率が0の場合は耐水性等の長期信頼性
の改善効果が見られないことから、また0.10を超え
るとガラス形成温度が800℃を超えてしまう恐れがあ
ることからやはり望ましくない。
【0016】上記セラミック基板上の調整剤が加えられ
たSiO2層は、クラッド材料に使用されるため透明性
があり、形成にはゾルゲル法を含むスピンオングラス法
(SOG法)、またはディップ法が用いられるが、加水
分解による重合反応を伴うゾルゲル法を用いるのが好ま
しい。ガラス層はグリーンシート法によっても形成され
うるが、高温が必要となるため、同時にセラミック基板
が溶融する恐れがあるため好ましくない。
たSiO2層は、クラッド材料に使用されるため透明性
があり、形成にはゾルゲル法を含むスピンオングラス法
(SOG法)、またはディップ法が用いられるが、加水
分解による重合反応を伴うゾルゲル法を用いるのが好ま
しい。ガラス層はグリーンシート法によっても形成され
うるが、高温が必要となるため、同時にセラミック基板
が溶融する恐れがあるため好ましくない。
【0017】特にゾルゲル法で作製する場合、ガラス層
の原料には加水分解しうる材料が選ばれるが主にこれは
有機金属化合物である。特にSiの原料に用いられる材
料としてはテトラエトキシシラン、トリ−アルコキシ−
モノ−アルキルシラン、トリ−アルコキシ−モノ−フェ
ニルシラン、ジ−アルコキシ−ジ−アルキルシラン、ジ
−アルコキシ−ジ−フェニルシランの少なくとも1種が
挙げられる。
の原料には加水分解しうる材料が選ばれるが主にこれは
有機金属化合物である。特にSiの原料に用いられる材
料としてはテトラエトキシシラン、トリ−アルコキシ−
モノ−アルキルシラン、トリ−アルコキシ−モノ−フェ
ニルシラン、ジ−アルコキシ−ジ−アルキルシラン、ジ
−アルコキシ−ジ−フェニルシランの少なくとも1種が
挙げられる。
【0018】またSiO2以外の調整剤の金属成分(S
i以外のB、Ca、Mg、Na、Li、Al、Zr)の
原料としては該金属のアルコキシド、酢酸塩、アセチル
アセトネート、2−エチルヘキサン酸塩が挙げられる。
これらの原料はいずれの原料を選択しても構わない。た
だしSiの原料には他の調整剤と反応させるために有機
官能器の立体障害が大きいことは好ましくないので、モ
ノアルキルシランまたはモノフェニルシランを選択する
ことがより好ましい。
i以外のB、Ca、Mg、Na、Li、Al、Zr)の
原料としては該金属のアルコキシド、酢酸塩、アセチル
アセトネート、2−エチルヘキサン酸塩が挙げられる。
これらの原料はいずれの原料を選択しても構わない。た
だしSiの原料には他の調整剤と反応させるために有機
官能器の立体障害が大きいことは好ましくないので、モ
ノアルキルシランまたはモノフェニルシランを選択する
ことがより好ましい。
【0019】これらの原料をアルコール等の有機溶媒中
に水および触媒(HClなど)を添加して50℃ないし
100℃で数時間攪拌したのちに一定時間放置して重合
(ゲル化)反応を進行させたものを塗布溶液とし、該塗
布溶液を基板上にスピンコーティング、ディップコーテ
ィング等の方法で膜を形成した後に400℃ないし80
0℃で10分ないし30分アニールする。アニール温度
は、800℃以上になると熱によるひずみが大きくなり
割れやすくなるという問題が生じるため低いほど好まし
いが有機成分を完全に除去するためには400℃以上で
行うことが好ましい。上記の塗布、アニール工程を複数
回繰り返すことによって所望のガラス層を形成すること
ができる。
に水および触媒(HClなど)を添加して50℃ないし
100℃で数時間攪拌したのちに一定時間放置して重合
(ゲル化)反応を進行させたものを塗布溶液とし、該塗
布溶液を基板上にスピンコーティング、ディップコーテ
ィング等の方法で膜を形成した後に400℃ないし80
0℃で10分ないし30分アニールする。アニール温度
は、800℃以上になると熱によるひずみが大きくなり
割れやすくなるという問題が生じるため低いほど好まし
いが有機成分を完全に除去するためには400℃以上で
行うことが好ましい。上記の塗布、アニール工程を複数
回繰り返すことによって所望のガラス層を形成すること
ができる。
【0020】このようにして得られた、調整剤が加えら
れたSiO2の層の厚さは5μm以上、好ましくは10
μm以上とすることが望ましい。これは、結晶質である
セラミック基板上にガラス層を形成する場合、界面に発
生する残留応力に起因するガラスの屈折率の分布等を防
止するためにはガラス層の厚さが10μm以上あること
が望ましいためである。しかし基板上に厚膜を形成する
ことは容易ではないのでガラス層の厚さが5μmでも導
波路としての性能に差し支えない程度のガラス層を得る
ことができる。
れたSiO2の層の厚さは5μm以上、好ましくは10
μm以上とすることが望ましい。これは、結晶質である
セラミック基板上にガラス層を形成する場合、界面に発
生する残留応力に起因するガラスの屈折率の分布等を防
止するためにはガラス層の厚さが10μm以上あること
が望ましいためである。しかし基板上に厚膜を形成する
ことは容易ではないのでガラス層の厚さが5μmでも導
波路としての性能に差し支えない程度のガラス層を得る
ことができる。
【0021】一方セラミック基板にはアルミナ、Al
N、SiO2を30wt%以上含むガラスセラミックの
いずれかであることが好ましい。中でもSiO2を30
wt%以上含むガラスセラミックは低温で合成できるこ
と、比誘電率が低いことから高速通信用および高密度実
装対応基板としては最も好ましいといえる。
N、SiO2を30wt%以上含むガラスセラミックの
いずれかであることが好ましい。中でもSiO2を30
wt%以上含むガラスセラミックは低温で合成できるこ
と、比誘電率が低いことから高速通信用および高密度実
装対応基板としては最も好ましいといえる。
【0022】本発明においては調整剤が加えられたSi
O2の層を下部クラッドとして用いることで光導波路を
得ることができる。
O2の層を下部クラッドとして用いることで光導波路を
得ることができる。
【0023】本発明のガラス層を光導波路に応用する場
合、まず上記手法でセラミック基板上に作製したガラス
層を下部クラッドとし、その上に下部クラッドと同一組
成からなるガラスに添加物を加えることによって、屈折
率を下部クラッドよりも高くしたガラスを形成してコア
とする。導入した添加物は、本実施例においては酸化チ
タンとしているが、酸化ゲルマニウムやその他屈折率を
上げることで知られている添加物を用いても何ら問題が
ない。下部クラッド層と全く同一組成からなるガラスを
コア層として形成した後、レーザー照射等の手法によっ
て下部クラッド層よりも屈折率を高くしても構わない。
コア層はRIE法によって断面がほぼ正方形となるよう
な導波路に加工できるが、加工方法はRIE以外にも他
のドライプロセス(レーザ加工、FIB加工など)ある
いはHFを用いたウエットエッチングでも構わない。加
工したコア層の上に下部クラッド層と同一組成からなる
ガラスを上部クラッド層として形成することで、セラミ
ック基板上に光導波路を得ることができる。このように
上部クラッド、コア、下部クラッドに同じ組成の材料を
用いることによって、安定性が増すという利点がある。
合、まず上記手法でセラミック基板上に作製したガラス
層を下部クラッドとし、その上に下部クラッドと同一組
成からなるガラスに添加物を加えることによって、屈折
率を下部クラッドよりも高くしたガラスを形成してコア
とする。導入した添加物は、本実施例においては酸化チ
タンとしているが、酸化ゲルマニウムやその他屈折率を
上げることで知られている添加物を用いても何ら問題が
ない。下部クラッド層と全く同一組成からなるガラスを
コア層として形成した後、レーザー照射等の手法によっ
て下部クラッド層よりも屈折率を高くしても構わない。
コア層はRIE法によって断面がほぼ正方形となるよう
な導波路に加工できるが、加工方法はRIE以外にも他
のドライプロセス(レーザ加工、FIB加工など)ある
いはHFを用いたウエットエッチングでも構わない。加
工したコア層の上に下部クラッド層と同一組成からなる
ガラスを上部クラッド層として形成することで、セラミ
ック基板上に光導波路を得ることができる。このように
上部クラッド、コア、下部クラッドに同じ組成の材料を
用いることによって、安定性が増すという利点がある。
【0024】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施の形態について
説明する。
説明する。
【0025】[実施例1]結晶質セラミック基板とし
て、グリーンシート法で作られたガラスセラミック基板
を選んだ。そのガラスセラミックにおけるガラス成分に
対するSiO2の比率は70wt%であって、熱膨張係
数は25℃〜300℃の間で5×10-6/Kであった。
該ガラスセラミックはSiO2の他にB2O3、Al2O3
等を副成分として含有している。該セラミック基板上に
形成するガラス層の組成を、熱膨張係数が基板と同じ5
×10-6/Kになるように88SiO2−8Na2O−4
Al2O3とした(モル比)。組成比の決定はガラス工学
ハンドブック(朝倉書店、1963)p178の表8.
9を参照した。上記組成比になるようにメチルトリエト
キシシラン(CH3Si(OC2H5)3)、テトラエトキ
シシラン(Si(OC 2H5)3、エトキシナトリウム
(NaOC2H5)、トリエトキシアルミニウム(Al
(OC2H5)3)を丸底フラスコに秤取したのち、エタ
ノールと水をガラス1モルに対してそれぞれ1モル、5
モル加え、さらに触媒として36.5%塩酸をガラス1
モルに対して0.001モル加えた。その後80℃で1
時間還流し次いで室温で6時間攪拌し、さらに3〜7日
間放置した溶液を前駆体溶液とした。Siの原料に用い
たメチルトリエトキシシランとテトラエトキシシランの
比率は4:1とした。これは加水分解による重合反応を
促進するためである。
て、グリーンシート法で作られたガラスセラミック基板
を選んだ。そのガラスセラミックにおけるガラス成分に
対するSiO2の比率は70wt%であって、熱膨張係
数は25℃〜300℃の間で5×10-6/Kであった。
該ガラスセラミックはSiO2の他にB2O3、Al2O3
等を副成分として含有している。該セラミック基板上に
形成するガラス層の組成を、熱膨張係数が基板と同じ5
×10-6/Kになるように88SiO2−8Na2O−4
Al2O3とした(モル比)。組成比の決定はガラス工学
ハンドブック(朝倉書店、1963)p178の表8.
9を参照した。上記組成比になるようにメチルトリエト
キシシラン(CH3Si(OC2H5)3)、テトラエトキ
シシラン(Si(OC 2H5)3、エトキシナトリウム
(NaOC2H5)、トリエトキシアルミニウム(Al
(OC2H5)3)を丸底フラスコに秤取したのち、エタ
ノールと水をガラス1モルに対してそれぞれ1モル、5
モル加え、さらに触媒として36.5%塩酸をガラス1
モルに対して0.001モル加えた。その後80℃で1
時間還流し次いで室温で6時間攪拌し、さらに3〜7日
間放置した溶液を前駆体溶液とした。Siの原料に用い
たメチルトリエトキシシランとテトラエトキシシランの
比率は4:1とした。これは加水分解による重合反応を
促進するためである。
【0026】前駆体溶液をディップコーティング法によ
ってガラスセラミック基板に塗布した後に酸素中で80
℃10分、次いで450℃で10分アニールしてガラス
膜を形成した。さらにディップコーティング、80℃1
0分、450℃10分のアニールを繰り返すことによっ
て厚さ約10μmのガラス膜をガラスセラミック基板上
に形成した上で650℃10分間アニールした結果緻密
なガラス膜になった。製造プロセスのフローチャートを
図2に示した。形成されたガラス膜を目視および光学顕
微鏡で観察したところクラックは認められなかった。表
面の粗さを、探針式表面粗さ計を用いて測定したところ
Ra=10nm(スキャン長さ;2mm)であり、かな
り平坦な表面が形成できたと言える。
ってガラスセラミック基板に塗布した後に酸素中で80
℃10分、次いで450℃で10分アニールしてガラス
膜を形成した。さらにディップコーティング、80℃1
0分、450℃10分のアニールを繰り返すことによっ
て厚さ約10μmのガラス膜をガラスセラミック基板上
に形成した上で650℃10分間アニールした結果緻密
なガラス膜になった。製造プロセスのフローチャートを
図2に示した。形成されたガラス膜を目視および光学顕
微鏡で観察したところクラックは認められなかった。表
面の粗さを、探針式表面粗さ計を用いて測定したところ
Ra=10nm(スキャン長さ;2mm)であり、かな
り平坦な表面が形成できたと言える。
【0027】上記方法で作製したガラス膜の屈折率を測
定するために、別に表面を熱酸化したシリコンウエハー
の上に厚さ約1μmのガラス膜を作製した。次にエリプ
ソメトリー(レーザー波長0.6425μm)を用いて
ガラス膜の屈折率を測定したところ1.435であっ
た。SiO2ガラスの屈折率が1.456(実測)なの
で、作製したガラス膜はSiO2と非常に近い屈折率で
あると言える。
定するために、別に表面を熱酸化したシリコンウエハー
の上に厚さ約1μmのガラス膜を作製した。次にエリプ
ソメトリー(レーザー波長0.6425μm)を用いて
ガラス膜の屈折率を測定したところ1.435であっ
た。SiO2ガラスの屈折率が1.456(実測)なの
で、作製したガラス膜はSiO2と非常に近い屈折率で
あると言える。
【0028】[実施例2]結晶質セラミック基板として
アルミナ(Al2O3)を選んだ。アルミナの熱膨張係数
は25℃〜400℃で6.0×10-6/Kである(化学
便覧)。該セラミックス基板上に形成するガラス層の組
成を、熱膨張係数が基板と同じ6×10-6/Kになるよ
うに78SiO2−20Li2O−2ZrO2とした(モ
ル比)。組成比の決定はガラス工学ハンドブック(朝倉
書店、1963)p177の表8.8を参照した。上記
組成比になるようにフェニルトリエトキシシラン(C6
H5Si(OC2H5)3)、テトラエトキシシラン(Si
(OC2H5)3)、エトキシリチウム(LiOOC
2H5)、テトラ−n−プロポキシジルコニウム(Zr
(O−n−C4H9)4)を丸底フラスコに秤取し、エタ
ノールと水をガラス1モルに対してそれぞれ1モル、5
モル加え、さらに触媒として36.5%塩酸をガラス1
モルに対して0.001モル加えたのち80℃で1時間
還流し次いで室温で6時間攪拌し、さらに3〜7日間放
置した溶液を前駆体溶液とした。Siの原料に用いたフ
ェニルトリエトキシシランとテトラエトキシシランの比
率は3:1とした。
アルミナ(Al2O3)を選んだ。アルミナの熱膨張係数
は25℃〜400℃で6.0×10-6/Kである(化学
便覧)。該セラミックス基板上に形成するガラス層の組
成を、熱膨張係数が基板と同じ6×10-6/Kになるよ
うに78SiO2−20Li2O−2ZrO2とした(モ
ル比)。組成比の決定はガラス工学ハンドブック(朝倉
書店、1963)p177の表8.8を参照した。上記
組成比になるようにフェニルトリエトキシシラン(C6
H5Si(OC2H5)3)、テトラエトキシシラン(Si
(OC2H5)3)、エトキシリチウム(LiOOC
2H5)、テトラ−n−プロポキシジルコニウム(Zr
(O−n−C4H9)4)を丸底フラスコに秤取し、エタ
ノールと水をガラス1モルに対してそれぞれ1モル、5
モル加え、さらに触媒として36.5%塩酸をガラス1
モルに対して0.001モル加えたのち80℃で1時間
還流し次いで室温で6時間攪拌し、さらに3〜7日間放
置した溶液を前駆体溶液とした。Siの原料に用いたフ
ェニルトリエトキシシランとテトラエトキシシランの比
率は3:1とした。
【0029】実施例1と同様に、前駆体溶液をディップ
コーティング法によってアルミナ基板上に塗布した後に
酸素中で80℃10分、次いで450℃で10分アニー
ルしてガラス膜を形成した。さらにディップコーティン
グ、80℃10分、450℃10分のアニールを繰り返
すことによって厚さ約10μmのガラス膜をガラスセラ
ミックス基板上に形成した上で600℃10分間アニー
ルした結果緻密なガラス膜になった。形成されたガラス
膜を目視および光学顕微鏡で観察したところクラックは
認められなかった。
コーティング法によってアルミナ基板上に塗布した後に
酸素中で80℃10分、次いで450℃で10分アニー
ルしてガラス膜を形成した。さらにディップコーティン
グ、80℃10分、450℃10分のアニールを繰り返
すことによって厚さ約10μmのガラス膜をガラスセラ
ミックス基板上に形成した上で600℃10分間アニー
ルした結果緻密なガラス膜になった。形成されたガラス
膜を目視および光学顕微鏡で観察したところクラックは
認められなかった。
【0030】[実施例3]実施例1で用いたガラスセラ
ミックス基板とガラス層を構成する組成の材料を下部ク
ラッドに用いて光導波路をガラスセラミックス基板上に
形成した。光導波路の製造プロセスを図1に示した。ガ
ラスセラミックス基板上に実施例1に示した方法と同一
の方法で厚さ10μmのガラス層を形成しこれを下部ク
ラッドとした。その上に前記下部クラッドを構成するガ
ラス材料よりも屈折率が高くなるように、実施例1に示
した原料にさらにチタンイソプロポキシドをガラス全体
に対して3〜8モル%の割合になるように加えた後実施
例1と同一の方法でコーティング溶液を作製した。得ら
れたコーティング溶液を実施例1と同一の方法で下部ク
ラッドの上にコーティングによって厚さ10μmのコア
層を形成した。次にコア層の上にレジストを塗布し幅1
0μmより少し大きい帯状のパターンになるようなフォ
トマスクを用いて露光・現像した。反応性エッチング法
(RIE法)によって不要なコア層を取り除いた後、レ
ジストを除去した。さらにコア層の上に先ほど形成した
下部クラッド層と同一組成の材料を用いて実施例1と同
一の方法で厚さ10〜20μmのガラス層を形成しこれ
を上部クラッドとした。以上の方法によってガラスセラ
ミックス基板上に光導波路を形成したところガラスセラ
ミック/下部クラッド界面にクラック等は発生していな
かった。光損失の波長依存性を調べたところ、λ=1.
55μmにおける光損失は0.3dB/cmであった。
ミックス基板とガラス層を構成する組成の材料を下部ク
ラッドに用いて光導波路をガラスセラミックス基板上に
形成した。光導波路の製造プロセスを図1に示した。ガ
ラスセラミックス基板上に実施例1に示した方法と同一
の方法で厚さ10μmのガラス層を形成しこれを下部ク
ラッドとした。その上に前記下部クラッドを構成するガ
ラス材料よりも屈折率が高くなるように、実施例1に示
した原料にさらにチタンイソプロポキシドをガラス全体
に対して3〜8モル%の割合になるように加えた後実施
例1と同一の方法でコーティング溶液を作製した。得ら
れたコーティング溶液を実施例1と同一の方法で下部ク
ラッドの上にコーティングによって厚さ10μmのコア
層を形成した。次にコア層の上にレジストを塗布し幅1
0μmより少し大きい帯状のパターンになるようなフォ
トマスクを用いて露光・現像した。反応性エッチング法
(RIE法)によって不要なコア層を取り除いた後、レ
ジストを除去した。さらにコア層の上に先ほど形成した
下部クラッド層と同一組成の材料を用いて実施例1と同
一の方法で厚さ10〜20μmのガラス層を形成しこれ
を上部クラッドとした。以上の方法によってガラスセラ
ミックス基板上に光導波路を形成したところガラスセラ
ミック/下部クラッド界面にクラック等は発生していな
かった。光損失の波長依存性を調べたところ、λ=1.
55μmにおける光損失は0.3dB/cmであった。
【0031】[比較例1]実施例1で用いたガラスセラ
ミック基板(熱膨張係数は25℃〜300℃の間で5×
10-6/K)にSiO2 100%の組成(熱膨張係数
は25℃〜300℃の間で0.5×10-6/K)になる
ようにメチルトリエトキシシランとテトラエトキシシラ
ンを4:1の比率で秤量し、実施例1と同様にガラス1
モルに対してエタノール1モル、水5モル加えさらに触
媒として36.5%塩酸をガラス1モルに対して0.0
01モル加えたのち80℃で1時間還流し次いで室温で
6時間攪拌し、さらに7日間放置した溶液を前駆体溶液
とした。
ミック基板(熱膨張係数は25℃〜300℃の間で5×
10-6/K)にSiO2 100%の組成(熱膨張係数
は25℃〜300℃の間で0.5×10-6/K)になる
ようにメチルトリエトキシシランとテトラエトキシシラ
ンを4:1の比率で秤量し、実施例1と同様にガラス1
モルに対してエタノール1モル、水5モル加えさらに触
媒として36.5%塩酸をガラス1モルに対して0.0
01モル加えたのち80℃で1時間還流し次いで室温で
6時間攪拌し、さらに7日間放置した溶液を前駆体溶液
とした。
【0032】前駆体溶液をディップコーティング法によ
ってガラスセラミック基板に塗布した後に酸素中で80
℃10分、次いで500℃で10分アニールしてガラス
膜を形成した。この時点でクラックは認められなかっ
た。さらにディップコーティング、80℃10分、50
0℃10分のアニールを繰り返していくと3回目の80
℃10分アニールが終わった段階でクラックが発生し
た。クラックの発生する直前つまり2回目のコーティン
グ→80℃10分→500℃10分のアニール終了後、
ガラス膜の厚さは1μmであった。
ってガラスセラミック基板に塗布した後に酸素中で80
℃10分、次いで500℃で10分アニールしてガラス
膜を形成した。この時点でクラックは認められなかっ
た。さらにディップコーティング、80℃10分、50
0℃10分のアニールを繰り返していくと3回目の80
℃10分アニールが終わった段階でクラックが発生し
た。クラックの発生する直前つまり2回目のコーティン
グ→80℃10分→500℃10分のアニール終了後、
ガラス膜の厚さは1μmであった。
【0033】
【発明の効果】実施の形態および実施例で述べたよう
に、セラミック基板上に形成されるガラス層に調整剤を
添加することにより、セラミック基板と、形成するガラ
ス層の熱膨張係数を等しくし、かつガラス層の形成温度
を800℃未満にすることができるため、従来のシリコ
ン基板でなくセラミック基板でも基板上に形成したガラ
ス層と基板との界面での剥離やクラックが生じることな
く厚さ10μm以上でかつ表面が平坦なガラス層を形成
することができる。また該ガラス層に本発明のガラス材
料をクラッド材料に適用しかつ該クラッド材料に適当な
添加物を導入したコア材料を用いて作製した光導波路に
おいても光損失が実用上問題ない程度にまで小さくする
ことができる。
に、セラミック基板上に形成されるガラス層に調整剤を
添加することにより、セラミック基板と、形成するガラ
ス層の熱膨張係数を等しくし、かつガラス層の形成温度
を800℃未満にすることができるため、従来のシリコ
ン基板でなくセラミック基板でも基板上に形成したガラ
ス層と基板との界面での剥離やクラックが生じることな
く厚さ10μm以上でかつ表面が平坦なガラス層を形成
することができる。また該ガラス層に本発明のガラス材
料をクラッド材料に適用しかつ該クラッド材料に適当な
添加物を導入したコア材料を用いて作製した光導波路に
おいても光損失が実用上問題ない程度にまで小さくする
ことができる。
【図1】 セラミックス基板上に導波路を形成するプロ
セスのフローチャートである。
セスのフローチャートである。
【図2】 セラミックス基板にガラス層を形成するプロ
セスのフローチャート(ゾルゲル法)である。
セスのフローチャート(ゾルゲル法)である。
1:セラミック基板 2:ガラス膜(下部クラッド) 3:ガラス膜(コア) 4:レジスト 5:ガラス膜(上部クラッド)
Claims (21)
- 【請求項1】セラミック基板の上に、前記セラミック基
板との熱膨張係数を合わせるための調整剤を添加したS
iO2ガラス層を有することを特徴とする複合基板。 - 【請求項2】前記調整剤がB2O3、CaO、MgO、N
a2O、Li2O、Al2O3、ZrO 2より選ばれた1種
類以上であることを特徴とする請求項1記載の複合基
板。 - 【請求項3】前記調整剤が、少なくともB2O3、Ca
O、MgO、Na2O、Li2Oから1種類以上、Al2
O3、ZrO2から1種類以上選ばれた2種以上であるこ
とを特徴とする請求項1記載の複合基板。 - 【請求項4】前記SiO2ガラス層全体を占めるSiO2
の割合が30〜95モル%であることを特徴とする請求
項1から3のいずれかに記載の複合基板。 - 【請求項5】前記調整剤がB2O3、CaO、MgO、N
a2O、Li2Oであり、前記調整剤より選ばれた1種の
調整剤の添加量がガラス組成全体に占める割合をxとし
たときに、0<x≦0.20の範囲であることを特徴と
する請求項4記載の複合基板。 - 【請求項6】前記調整剤がAl2O3、ZrO2であり、
前記調整剤より選ばれた1種の調整剤の添加量がガラス
組成全体に占める割合をxとしたときに、0<x≦0.
10の範囲であることを特徴とする請求項4記載の複合
基板。 - 【請求項7】前記SiO2ガラス層の厚さが5μm以上
であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記
載の複合基板。 - 【請求項8】前記セラミック基板がアルミナ、AlN、
もしくはSiO2を30wt%以上含むガラスセラミッ
クのいずれかであることを特徴とする請求項1から7の
いずれかに複合基板。 - 【請求項9】前記SiO2ガラス層がゾルゲル法を含む
スピンオングラス(SOG)法、もしくはディップ法で
作製されたものであることを特徴とする請求項1から8
のいずれかに記載の複合基板。 - 【請求項10】請求項1から9のいずれかに記載の複合
基板のSiO2ガラス層を下部クラッドとして用いるこ
とを特徴とする光導波路。 - 【請求項11】請求項1から9のいずれかに記載のSi
O2ガラスからなる、あるいは請求項1から9のいずれ
かに記載のSiO2ガラスを成分として含むガラス層を
コアとして用いることを特徴とする請求項10に記載の
光導波路。 - 【請求項12】請求項10に記載の下部クラッドと同一
の組成からなるSiO2ガラス層を上部クラッドとして
用いることを特徴とする請求項10または11記載の光
導波路。 - 【請求項13】B2O3、CaO、MgO、Na2O、L
i2O、Al2O3、ZrO2より選ばれた1種類以上を、
熱膨張係数を合わせるための調整剤としてSiO2に添
加したことを特徴とするクラッド材料。 - 【請求項14】前記調整剤が、少なくともB2O3、Ca
O、MgO、Na2O、Li2Oから1種類以上、Al2
O3、ZrO2から1種類以上選ばれた2種以上であるこ
とを特徴とする請求項13記載のクラッド材料。 - 【請求項15】前記SiO2ガラス層全体を占めるSi
O2の割合が30〜95モル%であることを特徴とする
請求項13または14のいずれかに記載のクラッド材
料。 - 【請求項16】前記調整剤が B2O3、CaO、Mg
O、Na2O、Li2Oであり、前記調整剤より選ばれた
1種の調整剤の添加量がガラス組成全体に占める割合を
xとしたときに、0<x≦0.20の範囲であることを
特徴とする請求項15記載のクラッド材料。 - 【請求項17】前記調整剤がAl2O3、ZrO2であ
り、前記調整剤より選ばれた1種の調整剤の添加量がガ
ラス組成全体に占める割合をxとしたときに、0<x≦
0.10の範囲であることを特徴とする請求項15記載
のクラッド材料。 - 【請求項18】セラミック基板上にB2O3、CaO、M
gO、Na2O、Li2O、Al2O3、ZrO2より選ば
れた1種類以上を調整剤として添加したSiO2の層
を、ゾルゲル法を含むスピンオングラス(SOG)法で
作製することを特徴とする複合基板の製造方法。 - 【請求項19】前記調整剤が、少なくともB2O3、Ca
O、MgO、Na2O、Li2Oから1種類以上、Al2
O3、ZrO2から1種類以上選ばれた2種以上であるこ
とを特徴とする請求項18記載の複合基板の製造方法。 - 【請求項20】Si原料としてテトラエトキシシラン、
トリ−アルコキシ−モノ−アルキルシラン、トリ−アル
コキシ−モノ−フェニルシラン、ジ−アルコキシ−ジ−
アルキルシラン、ジ−アルコキシ−ジ−フェニルシラン
の少なくとも1種と、調整剤の原料の金属成分(ホウ素
を含む)のアルコキシド、酢酸塩、アセチルアセトネー
ト、2−エチルヘキサン酸塩のうち少なくとも1種を含
んだ原料を用いることを特徴とする請求項18ないし1
9記載の複合基板の製造方法。 - 【請求項21】前記調整剤を加えたSiO2の層を形成
する工程のアニール工程において、アニール温度が80
0℃未満であることを特徴とする請求項18から20記
載の複合基板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19274599A JP2001019574A (ja) | 1999-07-07 | 1999-07-07 | 複合基板、光導波路、クラッド用材料及び複合基板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19274599A JP2001019574A (ja) | 1999-07-07 | 1999-07-07 | 複合基板、光導波路、クラッド用材料及び複合基板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001019574A true JP2001019574A (ja) | 2001-01-23 |
Family
ID=16296359
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19274599A Pending JP2001019574A (ja) | 1999-07-07 | 1999-07-07 | 複合基板、光導波路、クラッド用材料及び複合基板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001019574A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003502449A (ja) * | 1999-06-10 | 2003-01-21 | ハネウエル・インターナシヨナル・インコーポレーテツド | フォトリソグラフィ用スピンオンガラス反射防止コーティング |
JP2013163020A (ja) * | 2012-02-10 | 2013-08-22 | W & H Dentalwerk Buermoos Gmbh | 医療用、特には歯科用又は外科用器具用のコーティング |
-
1999
- 1999-07-07 JP JP19274599A patent/JP2001019574A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003502449A (ja) * | 1999-06-10 | 2003-01-21 | ハネウエル・インターナシヨナル・インコーポレーテツド | フォトリソグラフィ用スピンオンガラス反射防止コーティング |
JP2013163020A (ja) * | 2012-02-10 | 2013-08-22 | W & H Dentalwerk Buermoos Gmbh | 医療用、特には歯科用又は外科用器具用のコーティング |
JP2016028738A (ja) * | 2012-02-10 | 2016-03-03 | ヴェー ウント ハー デンタルヴェルク ビュールモース ゲーエムベーハー | 医療用、特には歯科用又は外科用器具用のコーティング |
US10287674B2 (en) | 2012-02-10 | 2019-05-14 | W&H Dentalwerk Bürmoos GmbH | Coating for a medical, dental or surgical instrument |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040727 |